The Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
NII-Electronic Library Service
The Japanese Assoclatlon of 工ndlan and Buddhlst 二 St二udles
印 度學 佛教學 研 究 第
63
巻 第2
号 平成27
年3
月 (245
)パ
ー ニ ニ文 法
に
お
け
る
補 完
シ
ス
テ
ム
ad と
ghas
の交
代
を
めぐ
る問 題
尾 園 絢
一1
.補 完 (
Suppletion
)
一つ の 活 用 表を複 数の語 幹で分担 し, 補 い 合
う
, 補 完現象
(Suppleti・n)は様
々 な原 因か ら起こ る , その 中の 一つ と して , 動 詞の 語 義が元 来 持っ て い る時 間的性質 (Akti・nsart)が
Aspekt
「相」
に基づ く語幹
の 選 択 (現 在語 幹::ア オ リスi
・語幹) を制 約 する こ とに起 因 する もの が あ る 1).「食べ る」を意 味 する
2
つ の 動 詞 >ad とVghas
は補 完 活 用 (suppletives Paradigma )を構
成す
るこ とが知 られ て い る. ad (uridg .*
V
hled
) は , 元 々 の語 義が 強い 持 続 的 (iterativ
−durativ
)性 質 を持っ て い た (「噛ん で い る」) と考 えるな ら ば ,未完 了相 (imperfektiver
Aspekt
) によ る表
現に適
しており
, 語 幹 形 成 接 尾 辞の 助 けを借 りず
に現在
語 幹 (ad −”) を作る こ と が で き る が, 完了 相 (perfektiver Aspekt) に対 応す る ア オ リス ト語 幹を作る こ と がで き ない .他 方,元 々 は瞬 間 的 (punktUell)又 は
短
時 間 ・終 点
的 (m ・mentativ −endterminativ )な性 質
を持 っ て い た はずである,
ghas
は アオ リス ト語 幹 を作 る こ と はで きて も現 在 語 幹 を作る こ とが で き ない . その 結果, ad が 現在 語 幹を作 り,ghas
が ア オ リス ト語 幹 を作 る こ とに よ り, 活用 表を相補 的 に構
成 する こと になる, ギリ シ ア語 (ホ メ ロ ス)で は,5
δω,9
σθitO
(<Iptv
. * e”σθ1 〈 ’ hled−d” i)は現 在 語 幹を 担 い , アオ リス トは 知 αγoレ 「食べ た」(〈 ”e
−b
” ag −e!o一又は *6
一暁
g−e/o−,貳 ai.餉ψ ” 「分 け前に与る」) が担っ て い る2). 完 了 語 幹 はβ6
βρω κ α ( * >g’Verh3 「飲み 込 む 」, cf. ai.ノαgδ・・) とPtz
.6
δηδω ‘ (< *hie一届4
喫 δ∫)3)の よう
に2
つ の動
詞か ら構 成 さ れ る.2
. パ ー ニ ニ文法 学
に おけ
る補完
活 用
複数
の独 立 した動 詞 が一つ の活
用表
を分担す
るという
現象
を, パ ーニ ニ は , 基本
的に は一つ の動
詞が 一つ の 活 用表
を担
い , 一定の 条 件の 下で ,Allomorph
(e.g
.ghas9−
bhtiva
−, ・adhi−
bhava
−) が現れ る と教え る .補 完
現象
をどの よう
に教 える か は動詞 に よっ て
様
々 で ある .DhP
Iに登 録さ れ る動
詞, つ ま り幹 母音
現在
語 幹 を作 り,一
850
一(
246
) パ ーニ ニ 文法にお ける補 完シ ス テム (尾 園) 幹 母音
以外
にア クセ ン トを持つ もの の中
,幾
つ か はP
五p
.〜VII
3
,78
に よ る代 置 4) に よっ て 現 在 語幹
が導
き 出 さ れる.E
.g
.pb
(DhP I972
)>pib
−a−,ghra
(DhP
I
973
)〉 ノighr
−a−,dhmd
(DhP I974
)>dhdm
−a− , stha (DhP
I
975
)〉’娩
勧 一,他 方, 現在語幹
(athe−matisch )を
持
つ が, それ以外の 語 幹 を作る場 合 (ardhadhatuke) に別の 動詞 (e.g
.Pras
。atti : :
Aor
. aghasat , prds.hanti
l:Aor .・avadhit )が用
い られ る場合
につ い て はP
毎II
4
,
35
以下 に定め られ てい る .pap
,II
4
,36
−40
は ad がghas
, ノagdh に代 置さ れ る条 件 を定
め てい る .概ね (ヴェ ーダの )言 語事
実に対 応 する が, 以 下に論 ずる よ うに事実
か ら逸脱す
る規 則 や 陳述 が一部見 られる,3
. ヴェ ー ダ に おけ
る ad 〜ghas
>ad は
Pras
.dtti
, (lp£2
.,3
.Sg ,はdvayas
,6v
のα’を持っ て補完 する →3
.3
.) ,Fut
. atsyati ,Kaus
.adayati
,
Pass
. adyate等
を作 り
,Vghas
はAor
.(
a)
ghas
−,Per
£ ノαg
磁3α,Desid
.ノ
ighatsati
,VA
(lj
.ノagdhd一
等
を作
る こ とで活用 表や 派生 を相 補 的 (k
・mplementMr )に担
う
.3
.1
.Wz
.−Aor
.(a)ghas
−t》
ghas
はWz
.−Aor
.dghas
, aghat5 >, aghast ∂m (aghattam RVkh V7
,2
(1
)),dkSan
¥ を作る (
SrSU
に はa−A・r.が現れる,→
3
.3
.)6).動物犠 牲
祭の神 格へ の 献 供 (daivatdni)の 時 に
MaitravarLmpa祭
官が 発す
る指
図 (p厂卿σ一)7)の 文 言 か ら,
Ipf
.Du
.tittam
(面 ’励 2),
Ip
£Sg
.6v
の〜α’ (6
−avayat,→
3
.3
.),Iptv
.3
.Du
.ghdistam
(〜MS ghastあm ),
Konj
.3
.Sg
.ghdsat
(cEjav
. gaeha4ti)等
の語
形が 回収
さ れ る:VS XXI
43
−45
(〜RVkli V7
,2
(f)〜MSIV
13
,7
:208
,4
〜KS
XVIII
21
:281
,19
〜TB
III
6
,11
,1
−2
t f 〜M 互nSS V2
β,37
〜S
劭khSSV19
,15
(Pratika
)) チ F t rh6ta
yakSad
aSvinaor. chdigasyahavis
. a a−’ tta’
m adyd madhyat6 mtida
tidbhgetam
pura−’dvesohhyah
purti
ρ 伽 r岬 の ツ 距9♂品 6.9跏5訂 δ脚 nEnc 加 9版56 復1’r ∂顧 η2 ンdvasaprathaman 〜励 sumdtksara4 δthノ ノ
Siatarudriydu
勧m agnis. v互ttdnd勿pivopavasanamp
pfirSvattih
Sro4itdh
Sitdmatd utsδdat6
’カgidafigbd
dvattana
ηa.(中略)/143f
/h6td
yaksat sdrasvatim .川 ε頭理o 加 v醜tivayad
adyd madhyat6 mtidatiddhgrtam
pura” ptiuruseyyaggrbh6
.ghdisan
ntindm .(中略 )〃44
〃h6td
yakSadindram
. grFabhtisyaノ t
mesdsya 肋γ細α a−’ vayad adyd madhyat6 m6da tiddhrtam purd pdiurtt5ew∂ grbhj .9層 砌 π nfindrp .
(中略 )〃
4511
Hot1
は両ASvin
8)を讃 える が よい .[両者はコ供物である山羊の,真ん 中から取 り出さ れ た脂肪 (= v 卿6
− 「大 網」)を今 日 (す な わ ち,先 行する v岬 δ一homa
におい て)食べ た,諸々 の 敵 意よ り先に,人 間の捕獲 よ り先 に. 今は, 食べ よ, 食べ る こ とにおい て駆 り立て る (食欲 を そ そ る), 牧 草 を 一番 [の 栄 養 ] と する, 流れ (肉汁 ?)を伴 う,100
の Rudra に 属 す る (捧 げら れる ?),火で甘 く (美 味しく)さ れ た, 周 り に脂肪がある [肉片 を],The Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
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パ ーニ ニ 文法に おける補完シス テ ム (尾 園) (
247
)わ き腹の [部位]か ら, 臀部か ら,前足か ら,終わ り (直腸 ?)か ら9),一部位 ずつ ,
切 り取られ た [肉片を]. (中略 )〃
4311Hotl
は Sarasvatiを 讃 える がよ い . 匚Sarasvatiは]供 物である羊の,真ん 中か ら取 り出さ れ た脂 肪を今日食べ た, 諸々の 敵 意より先に,人 間の 捕獲 より先に. 今は, 食べ るが よい. (中略 )〃
44
1
!Hotl
はIndra
を讃えるが よい. [lndraは]供物で ある雄の羊の,真ん 中か ら取 り出 され た脂 肪を今日食べ た,諸々 の敵 意 より先に,人間の捕獲 より先に.今は, 食べ るが よい . (中略 )〃451
/ こ こ で はKonj
.ghasat
が使
用 さ れ てい る が , >ad のKonj
. lo> を使
用す
る こ と も可 能で あ っ た は ずで あ る .Vghas
の 語 義 が 元 来 持 っ て い た,Aktionsart
が 語 幹の 選 択に関 与 してい る可 能性が考 えられるが, 用 例に基づ い て証 明 する こ とは難 しい .Ka
≦ika
adII
4
,39
ii)は, こ の箇 所に現れ る,
Aor
.ghdistam
とIp
£dttam
をヴェー ダ語 特
有
の異 例 形 と説 明す る .Iptv
.ghdstbm
につ い て は, 恐 ら くKESik5
は オー グ
メ ン トの ない
IuN
(lnj. Aor .)12)と理解
して い た もの と推 測さ れる 13>.Pap
.VI
4
,
100
に よ り
ghas
は子音
で 始 ま る接辞
又 は語尾の前
で は a が脱 落 する が (ghas>ghs ) 14〕,
ghdstam
に は こ の操作
が起 こ っ て い ない こ とが異 例であ る .Ipf
.dttam
は1uN
(Aor
.)と解
釈
さ れてお り15), その 場 合,bahulam
「様
々 に」
16) に よっ て,1
”N の前
であっ て もghas
の 代置 が起こ ら ない こ と が 正 当化さ れ る .Wz
.−Aor
.はRV
,YV
に多 く現 れ る が, ヴ ェ ー ダ散 文に もし ば し ば見 ら れ る.E
.g
. nd vaS ettisyabrahmapaS
getdyd
ッalppurdnnam
aksan 「天 理 に従う
バ ラモ ン た ち は昔
は こ
う
し た者の 食べ 物 を食べ る こ とは な か っ たの だ」TS
1
5
,2
,IP
,TS
II
2
,5
,5P
.パ ーニ ニ は
Wz
.−AQr
.はマ ン トラ に お い て用 い ら れ る と教 えるが 17), ヴェー ダ散
文
に見
られ る言語事実
を考慮
してい ない .3
.2
.Them
.Aor
. aghasatM5n
§S
V
2
,
9
,6
は, 上 述 のPraiSa
(→
3
.1
.)の 中で 献 供 する神 格に応じて活 用 を変 化
させ る こ と (励θ一) を教 える :Konj
.Pras
. adat, adatam (Iptv.), adan ,
Konj
.Aor
,ghasat
,ghast
δm (Iptv
.),ghasan
,lnd
.
Aor
. aghasat, α
g
ぬα3’δ那, aghasan . ま たSankhSS
VI
1
,5
に は a−Aor
. aghasat , aghasan ,Wz
.−Aor
. aghat , akSan が 挙 げ ら れ, a−
Aor
.とWz
.−Aor
.の 両方
がUha
に 用い ら れ る とす
る. 上述のManSS
は, 両 数にWz
.−
Aor
.aghastam を,
単数
と複数
にa−
Aor
. aghasat , aghasan を挙
げてい るこ とが注 目され る。agh αsat は
1
.Sg
, *aghas −am (< *
a−ghas−Pt)が aghasa −m と再
解釈
され た こ と に由 来す る もの (c£ lp£ 記 砿 →fU
.・22
)か, 又は
Konj
.ghas
αtへ の 類 推か ら生 ま れ (lptv
.Aor
.Du .
g
伽 ’伽 : :Ind. Aor . Du . aghastam >Konj
.Aor
.3
.Sg
. ghasat::X
;X 冨o帥卿 ’), 次 第に
Wz
.−
Aor
. aghas −t に取っ て代わ っ た もの と推
測さ れ る.Pap
.II
4
,
37
はAor
.とDesid
.を作
る時
はghas
が代
置 す る と教 える18)
.
ghas
はg
一848
一(
248
) パ ーニ ニ 文法にお ける補 完シス テム (尾 園) を記号音
(it)に持
つ の で, 賄ロ.III
1
,55
により 19) , a−Aor
. aghasat が導
き出
される 20) .a−
Aor
. aghasat はSrSU
以 降に普 及 し, パ ー ニ ニ の時代 に は標
準
的な形 と なっ て い た もの と推 測 さ れ る .3
.3
.】[pf
.厖ツ4y
α’,西ぱα’>ad の
Ipf
.2
.,3
.Sg
. は vα 一「栄養」
のDenom
.avaya
−’ (Kar1 Hoffinann , Aufsditze zurlnd
・ir・nistik,Band
3
,Wiesbaden
:L . Reichert,1992
,p
.773
) を もっ て補 完 するこ とが 知 られ て い る ,
Vad
か ら作
る とす
れ ば,*
漉 (〈 *
d
−ad −t) が期待
さ れ る が, 明 瞭 化の た め避け
られた もの と考
え られ る (Hoffmann
, op. cit.,p
.770
).但
し,RV
X
68
,6
に見
られ る
ddat
は >ad のlpf
.とも解
し得る21)(Hoffmann
, op . cit., p.771
):dadbhir
nd 」’
ihvti
pdri
− v紋硼6
伽41
δvか η励 誡厂 σ々脚4
〃 ε吻勿伽 「あ た か も歯た ちに よっ て ,舌に よっ て , 供され た もの を食べ たか の よう
に [vala 「砦
」 を弱体化
させ る時,]彼
(B
τhaspati
) は赤
い [牛 ]たちか らなる蓄え たちを露わに した⊥Ip
f
.adat
22>は恵a
kkh
≦
s
,入SvSS
にマ ン トラの改 変 励 α一)の例 として挙がっ てい る (→3
.2
.).パ ーニ ニ はadat
,adan
,etc.が ad の標
準
的 なlpf
.で ある こ とを教 える :PArp
.VII
3
,100
adak sarveSam[
ag99
,apglkee
96
, sltrvadhfituke95
, afigasya
VI
4
,1
] 「全ての者たちに よ れ ば, ad の後
に,単
子
音
の sarvadhatUka (つ ま り語 尾 )の 始め に付 加 音 aT が 生 じ る」.SrSU
以 降,Ipf
.adat
は急 速に生 産 的に なり
, パ ーニ ニ の時代
に は標
準 形 と な っ て い た もの と推 測 さ れ る .他 方,avay
α一 t に直
接 言 及す
る 規則は見い だ せ ない .パ ーニ ニ が こ の形を 見 落と した の か, 説 明 する必 要 が ない と考 えたの か は判 断が難 しい .NighaPtu
II
8
に はavayati
が食
べ る行 為を表 す動 詞 (atti−karman
−)と して挙
げら れ て い る (Hoffmann ,op 。 cit., p.
772
).Sayapa
adRV
X
113
,8
はNigha4tu
II
8
に基づ き,6v
の α’をavayati
のIp
£ と した 上 で, abhakSayat と語 釈 する ,3
.4
.Per
£ ノaghdsa , etc.完 了 語 幹 は
ghas
か ら作 られる.>
ad のPer
£ の 用 例 は, 文法
学者
が挙 げる ものを除 けば, ヴェ
ー ダ に も古 典サ ン ス ク リ
ッ トに も知ら れてい ない . に もか か わ ら
ず,
Parp
.II
4
,40
は ad とghas
の どちらか か ら作
ら れ る と教え る:Parp
.II
4
,40
anya 一撫 鰐 伽 嬢 「
1i
τの前 で は, ad の 代わ りにghas
が任 意 に 生 じ る (ad か ghas の どちら かで あ る)⊥ こ こ で言
う
anyatarasydm「
どち らか一方
で」
は, 完 了 語 幹 を作る場合 は, ad か
ghas
の ど ち らか が用い ら れる こ とを示
して い る.Kasika
は ノaghdsa ,ノα細 砿 プα蜘 厂,
dda
,
adatur
,ndur
を挙 げる. だ が, 恐 ら く, こ の 規 則は ad とghas
と が完 全 に交 換 可 能 な 関 係にある こ とを意図 した もの で は ない .
ghas
は完全 な 活 用 表 を持た ない 動 詞 (defektiv
) なの で, 理論
上 ad か らPerf
.を作 るこ とがで きThe Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
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パ ーニ ニ 文法に お ける補完シ ステ ム (尾 園) (
249
) て も, 実 際に用 例 が ない場
合は, 用 い ら れない ( →4
). とは い え , もし パ ーニ ニ の時代 に お い て も ad の 完了語 幹が全 く存 在し な かっ た とすれ ば ,Pdp
II
4
,37
(→3
.2
。)に 伽 「liT
(Per
£)の 前で」とい う条件 を加 えれ ば よ く, こ の規 則を 立 て る必 要が ない . こう
し た こ とか ら, パ ー ニ ニ の時 代になると ,>
ad か ら新た に完
了語
形が 限定 的に作 られ, 完 了語 幹 ノaghas 一の 活用 表の 中に混 入 し て い た可 能 性が考 えら
れ る.パ ー ニ ニ の 規 則か ら存在
が推測 さ れ る形は2
.Sg
.aditha
で ある.P
.VII
2
,66
に よ れ ば, ad の 後で ,Perf
.2
.Sg
. thaLの 前にi
が 生 じる 23) . また Pat. adVII
2
,61
に はdditha
とjaghasitha
が 現 れ る こ とか ら, 当時 実 際に使 用 さ れ て い た 可能 性がある.4
.1
)hP
I
747
ghasv
ghas
L’は ad の 代 置 要素
(PEo
.II
4
,3
〔F40
) と見 な され る. 一方
DhP
I
747
に もg
乃α評 が 登録さ れており
, 本 来 作るこ とがで きない 現 在 語幹
を は じめ , あら ゆ る 語 形を作るこ とがで きて て しまう
: Ny 五sa ad P五な, II4
,40
n・nu ・ゴ ‘ ghasg adan ” ity etasya ノα9傭 αノα細 助 ノα細・漉 餉α嚇 飢 “ada
bhakE
αrpe”
の・asy・
露α Edatuh bdur iti. asti ghasih. prakgetyantaram,
“
sgrghasyadah kmarac ” iti kmarojvidhan∂t. tat
katham ’加 媚 v’勧 加αv∫励 伽α1η?ghaseh prakrり
yantarsya
−
sarvavis . aJ,atvaj
’
n”dρanartham
1
tena tasya S巨rvadhatuke nrdhadhatuke ca yatratin
’
ga脚 nδsti vacana 脚 ca, tatra prayogO na
bhavati
.(反論 )だ が,
DhP
I
747
ghasg adane とい うこれ (動詞 語 基)に たい し て はy ’ aghdSa ,y’aksatur , ノα畑 r と [い っ た形が ]用い ら れ る こ とに なり, [同時に] DhP II l ada bhaksarpeとい う これ (動 詞語基)に対 して は ada, ddatur , ddur とい っ た [形が用い られる こ とになる]ではない か. 匚とい うの も]別の 語基 帥05 (ghasi−)がある ;∫r−ghasy−ad α
h
kmarac
(pall. m2
,160
)とい うKm αraC の規 定がある か ら. なの に,どうして こ こ で はIiT
の前で任 意規 定が あ るの か ? (答え)別の語 基で ある ghas は全 て [の 形]を対 象とす る の で は ない とい
うこ と を示唆するた め に.そ れ に よっ て, そ れ (ghas)に関 して, s5rvadhstuka と5rdha−
dhatuka
の 前で, 手が か りがな く 匚語形の ] 明 言 もない場 合 ,その場 合は使用 は起こ らない .
P
帥 .III
2
,
160
はghas
(ghasi−)の 後 ろ に切
一
Suthx
Kmarac を導
入 してgh
αsmara − (c£ghasvara
− 「食 らう [者 ]」ManB U5
,1
)等
が作 られ るこ と を教え て い るが 24) , maraC の前で, ad か らghas
へ の 代 置 を定め た規 則は ない の で, 当該
規 則のghas
は代 置 要 素で は な く動 詞 語基 で な け れば な らない . だ が,DhP
1
747
ghas
が 完 全 な活 用 を持つ 動 詞 語基 と して存 在 す るな らば, ad か らghas
へ の代
置 (parp. II4
.40
,→3
.4
.) を適 用 し な くて も完
了 語 幹 を作 る こ とが 可能
に なり
,P
的 .II
4
,40
が無 意 味 に な 一846
N工 工一Electronlc Llbrary(
250
> パーニ ニ 文法にお ける補 完シス テム (尾 園)る . そ こ で,
DhP
1
747
ghas
は完
全な活
用 を持
た ない (na sdrvatrikak )動
詞で あるか ら25),
Perf
.は ,DhP
I
747
のghas
か らで はな く,DhP
II
1
ad か らParp
.II
4
,40
によ る代 置 を経 由して
作
られる と説 明 する こ と に よ り,P
的 .II
4
,40
の 存 在 意 義が 認 め られるこ と にな る.現 在 語 幹 又 はそ もそ も動 詞 形 が 見い だせ ない 動 詞 語 基の 相 当 数がDhP
I
に登 録さ れ て お りee),ghas
もま た特 定の 派生形 (ghasamara −, et。.) を導
き出 すた めに代
置 要素
のg
加謎
(ghasl−bhava −)と は別 個 に登 録 され た もの と説 明 され得 る. だ が,DhP
1
747
ghas
L’ もまたg
をit
するの で, a −Aor
.を作
る こ とが で き る (→3
.2
.).つ ま り , aghasat はDhP
II
1
ad か らPap
.II
4
,37
に よ る代 置 (ad >ghas
) を経 由 して作 られるが (→3
.4
.) , 同時にDhP
I
747
ghas
か らも同じ形
が導
き 出 されるこ とが 問 題となる.パ ーニ ニ 自身
が代置要 素
と動詞語
基 とを どこ まで厳
密に 区別してい た かにつ い て は今 後さ らに個々 の動 詞 語 基を精 査 する必 要がある.1
)イン ド ・ヨ ーロ ッ パ祖 語の 動 詞 組織 ・カ テ ゴリー, 用語等につ い て は後藤敏文 「イ ン ドヨーロ ッ パ 祖 語に お ける動詞表現の 諸カ テ ゴ リー 枠 組み 再建の ス ケッ チー 」 『文 化の基礎 理 論と諸相の研 究 』(岩 手大 学 人文社 会 学部 総合 研 究委 員会 ,1992
)を参照.2
)Cf . Daniel K611igan,SUp
ρletion
undDefektivtdit
im grieehischen Verbum (Bremen :Hempen,
2007
),p .67ff
.3
)ti
λεbe
−::iAijAv
θα (hile
−hlludh
−)の ような型に倣っ て 形成さ れ たもの と思わ れる (
Helmut
Rix
,
Historische
Grammatik
des
Griechischen
:Laut
− undFortnenlehre
,2
.Auflage [Da
stadt:Wissenschaftliche
Buchgesellschaft
,1992
コ,p.205
).4
)Pi
瞭.VIl
3
,78
p
互rghr 巨一dhm 凌一sth∂−mna −da4
−drSy
−artti−sartti.Sad
−sad めm piba −」’
ighra−
dhama
一的功α一mana −yaccha 一ρaSya −rccha −dhau 一吻α一5i4融 隣”
75
, angasya VI4
,1
コ 「pa , ghrδ,4
伽 距, sthd , mna ,面 ,drSy
,ge
, sr,Sad
, sad の 語幹の 代わ りにS
をit
とする もの の前で,pib
,ノighr,dham
,∫’勲 , man ,yacch, paSy, rcch ,
dhau
,伽 , sid が生 じ る⊥5
)本 来はaghas (〈*
α一ghas −’). aghat
は
2
次的 に成立 し た 形 (Hans Oertel, Kleine Schrtften 1 [
Stuttgart
:Franz
Steiner
〜セrlag],p.262
).6
)ヴェ ーダ文献の略 号は ToshifUmi Got6, Die
“1. Prdisensklasse”im Vedischen (Wien :
Verlag
der
Osterreichischen
Akademie
der
Wissenschaften
,
1987
),pp
.15
−19
に 従 う.7
)C
£Julius
Schwab
,Das
Altindischen
Tieropfer
(Erlangen:Verlag von Andreas Deichert,1886
),p
.144
.8
) 白YV
で は, 神 格はAgvin
(Sautr
巨ma4i , ef. K5tySS XIX6
,24
).黒 YV の神 格は lndraと Agni (KS は ASvin), RV 学派は Agni と
Soma
(AgniSomiya
Pa
≦u, c£SfinldiSS
V19
,15
).9
)utsadatdh :Paul
−Emile
Dumont , TB (Proceedings of theAmerican
Philosophical
Society
106
, no.3
)p.259
は 不確か と し な が ら も 「直腸 」(rectum ) と訳 す .Mahidhara
adVS
XXI
43
は 「切 り口の 部 位 」(chedanapradeSa −)と解 釈 する.10
)E
.g.ddat
AVS
X
8
,
22
, +ddat
MS
III2
,
8P
:23
,3
,3
.Pl.tidZin(hypercharakterisiert)AVS
VI
50
,1
, adanAB
VIII
24
,2
.11
)P5n
.II
4
,39
bahulamp
chandasi [adak36
, ghas937
]「ヴェ ーダ語で は, 様々 に ad の代わり にghas が 生 じ る」.
12
)Pan .VI4
,74
bahulam
chandasy amdeyoge ’pi
[at71
, 0t
72
,afigasya VI
4
,1
] 「ヴェ ーダ語で は, 禁止辞 md と結びつ く時以外で も, 語幹の 最 初に aT
The Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
NII-Electronic Library Service
The Japanese Association of 工ndian and Buddhist 二 St二udies
パ ーニ ニ 文法にお ける補 完シス テム (尾 園) (
251
)Aor .)の解釈を考える.
14
)P的. VI4
,100
ghasibhαs’or hali [chandasi99
, loρah , krkiti98
,μρα励 凌v融89
。aei77
, aftgasya1
] 「ヴェーダ語で は,
k
とthをit
とする子 音又 は母音で 始まる [接 辞 ]の 前で, ghas とbhas
の 語幹の 最 後か ら2
番 目の 音の 代わ りに 10paが生じ る」.
15
)Nyasa はluN
(Aor ,)の 可能 性 も考 える, Aor .−s− (sic) が 脱 落 した形と説明する.
16
)bahutam
「様々 に 」は伝 統 的に, 文 法 操 作が適用さ れ る場 合,適用 さ れない場 合, 任 意に適 用され る場 合, 別の 条件の 下 (乂は別の操作が)適用さ れ
る場合 に 分 類 さ れ る (
Cf
. Yoshiyuki lwasaki,“
Formulating
Deviccs
in
thePapinian
Grammar
System :With Reference to nip ∂tana,5αηり叛 , and
bahulam
,”Sapporo
Otani
翫 脚D
α∫gσん〃 切 δ札幌大 谷 短 期 大 学 紀 要
34
,2003
,pp .19
−
20
).17
)P
的.II
4
,80
mantre ghasa−hvara
−naSia− vge−4α娵 ゴーvガー侮gα加ゾα η必勿o 燥 「マ ン トラ で は, ghas, hvar, na 9., vgl, dah 及 び a で終 わ る 動詞 語 基,vgコ’,
tr
, gα鵬 ノ砌 の後で ,li
(Aor
.Cli
, Perf.
liT
)の代わ りに lukが 生 じ る」.18
)P
蕊ロ.II
4
,37
伽 5砌 or g加∫![adah36
] 「luN (Aor .)とsaN (Desid.)の 前で, ad の代わりに ghas4
’
が生じる」.
19)P的。 III 1,
55
pusadyutadgdit
αh
parasmaipades. u [ari52
, cleh
44
, dhatohl
,91
,parah
1
,2
,pra
りyayah1
,1
] 「Akt .の語尾の 前で,puS
,dyut
,g
を itとする動 詞語基の後に Aor .〔
i
、の代わ り に♂ が生 じ る」.
20
)ad −1
us
III
2
,
110
>ghas −1
II
4
,37
>aTghas −
l
VI4
,71
>aghas −cli −l III1
,43
>aghas −1−tiP III4
,78
>aghas −t
−t III4
,
100
>aghas −aN−tIII
1
,55
.21
)そ れ 以外の箇所に 見 ら れ るddat
は a−>da か ら作 ら れ たWz
“Aor .Med
.3
.Sg
.で ある. 但 しRV X
68
,
8
の 例 も同 様に理解 する こ と も 可能で あ る. Med .3
.Sg .−a (t)につ い て は,Jacob Wackernagel, Kleine Schriften 1 (
G6ttingen
:Vandenhoeck &Ruprecht
,1969
),p.
429ff
., ToshifumiGot6
,01d
Jndo
−A
ryanMorpholog
ソ (
Wien
:Verlag
der
6sterreichisch
Akademie
der
Wissenschaften,
2013
),fn
.
202
を見よ.22
)*ad−am , ad−an か らの 類推形成 (Ho幵hmann, op . cit., p.
770
),23
)P
知.VII
2
,66
id. atty−arti−vyayatinam [thali
61
,
angasya
VI
4
,1
]「ad , ge,.vye の語 幹の後では, thaL の前に iが 生 じ る」.24
)P砥 Ill2
,160
∫『−ghasy −adah
kmarac
[tacchila −taddharma .ta tsadhuka−ris. u134
,dhdtoh
1
,91
,parah1
,2
,pratyayahl,
1
] 「“そ れ を習慣とする者”,“そ れ を義務 とする者”, “ そ れ を 正 し く行 う者” とい う意味で, 5r, ghas, ad とい う動 詞語基の後に KmaraC の接辞が生 じ る」.25
)Cf
,Siddh
.Kaum .2341
(DhP
I
747
),
Gajanan
Balkrishna Palsule, The Sanskrit Dhatupathas:
A
σ・’”cα
1
跏 め (Poona
:University
ofPoona
,1961
),p
.196E
26
)現在 語 幹 を持たない動詞 語 基の例は
Palsule
,The
Sanskrit
Dhatupathas
,p
.197ff
.(平 成
26
年 度科 学研 究 費補 助金若 手研 究 (B)課 題番号2670020
に よ る研究 成 果の一部 )<キーワー ド>
Suppletion
,defektiv
,αd
, ghastAktionsart
,Aspekt
, パ ーニ ニ , ヴ ェ ーダ語
(東 北大 学助 教)
一