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贈 与 税 の 概 要 贈 与 税 の 申 告 納 付 手 続 の 概 要 は 以 下 の 通 りです 1. 概 要 個 人 から 個 人 が 贈 与 によって 財 産 を 取 得 した 場 合 には 以 下 のように 贈 与 税 が 課 税 されます 贈 与 税 という 発 想 が ないと 相 続

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 贈与税の概要

 住宅取得等資金の贈与税の非課税特例  相続時精算課税制度

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贈与税の概要

贈与税の申告・納付手続の概要は、以下の通りです。 1.概要 個人から個人が贈与によって財産を取得した場合には、以下のように贈与税が課税されます。贈与税という発想が ないと、相続の直前に親族に贈与して相続税を 0 まで回避することが可能になるためです。このため、贈与税は相続 税の補完税と言われます。そのため、贈与税率は相続税率よりもはるかに高率です。 贈与する側 される側 課税関係 根拠条文 個人 →個人 贈与者:原則課税なし 受贈者:贈与税 相法 21 個人 →法人 贈与者:所得税(みなし譲渡所得) 受贈者:法人税 所法 59①二 法人 →個人 贈与者:法人税(寄附金認定) 受贈者:所得税(一時所得) 法法 37⑧ 相法 21 条の 3①、所基通 34-1(5) 法人 →法人 贈与者:法人税(寄附金認定) 受贈者:法人税(みなし受贈益課税) 法法 37⑧ 100%グループ内では益金不算入 ※ 法人が贈与を受けた場合には「受贈益」として法人税が課税(原則)、平成 22 年 10 月からは益金不算入(新・法法 25 条の 2) ※ 個人が法人から贈与を受けた場合は、個人に「一時所得」として所得税が課税 受贈者が贈与税を納付しない場合は、贈与者が贈与税を連帯納付する義務があります(相法 34④)。税務で言う贈 与とは、当事者同士の意思表示や相手方の同意が必要な契約(民法上の贈与、本来の贈与)のみならず、合意や契 約は無くても取引の実質が贈与に該当するものであればそれは「贈与によって財産を取得した場合」とみなされます (低額譲渡等のみなし贈与、相法 7)。 実務で贈与税が問題となるのは、認識不足から当局より課税通知を受け取ってから初めて「課税されるとは知らな かった」と慌てる事例が散見されます。具体的には、以下のようなケースです。 ①夫婦間、親子間で不動産や株式(特に同族の非上場自社株式)、ゴルフ会員権の名義を無償で変更したケース(相基通 9-9) ②新しく不動産や株式を妻や子供名義で購入したケース ③親子又は親族間で金銭貸借を行い、その返済条件が「ある時払いの催促なし、無利息・無担保・無期限」というように実質的に贈与と 認定されるケース、或いは契約書を作成していなかったケース(相基通 9-10) ④共働き夫婦でマイホーム不動産を購入したが夫(又は妻)単独の名義にしたケース ⑤同族会社の第三者割当増資で持分割合が変動してみなし贈与課税されたケース(相基通 9-4) ⑥債務免除益・債務引き受け・第三者の債務弁済でみなし贈与課税されたケース(相法 8)

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上記のような租税回避行為や事業承継に関して、税務当局とよくトラブルになります。では、時価で取引すればい いのですが、下記 4.の事例のように路線価や相続税評価額で不動産取引をしてもトラブルになる場合もあります。 2.申告期限 贈与を受けた年の翌年の 2 月 1 日から 3 月 15 日までの間に、贈与税の確定申告書を受贈者の住所の所轄税務 署に提出しなければなりません(相法 28①)。贈与税の確定申告書を提出する義務のある人は、通常は以下の通りで す。 ①1 年間で非課税枠の 110 万円以上の贈与を受ける場合(相法 21 条の 5、措置法 70 条の 2) ②「贈与税の配偶者控除の特例」を利用する場合(贈与税額 0 でも) ③「相続時精算課税制度」を利用する場合(贈与税額 0 でも) 3.計算・申告 その年の 1 月 1 日から 12 月 31 日までの間に贈与で取得した財産の評価額の合計額を算出します(暦年課税)。 なお、贈与により取得した財産は、贈与時の時価により評価することが原則とされています。土地・建物といった不動 産の場合は、財産評価基本通達に定める評価額(路線価や固定資産税評価額)で時価評価されるのが原則です。 その金額から基礎控除額 110 万円を控除した金額に、一定の税率及び控除額を適用して税額を算出します。 贈与税の速算表 (平成 15 年 1 月 1 日以後の贈与に適用、相法 21 条の 7、措置法 70 条の 2) 平成 22 年 12 月 31 日まで 平成 23 年 1 月 1 日以後 一般 一般 20 歳以上で直系尊属から 課税価格※ 贈与税率 控除額 課税価格 贈与税率 控除額 課税価格 贈与税率 控除額 ~200 万円以下 10% -万円 同左 同左 ~300 万円以下 15% 10 万円 ~400 万円以下 20% 25 万円 ~400 万円以下 15% 10 万円 ~600 万円以下 30% 65 万円 ~600 万円以下 20% 30 万円 ~1,000 万円以下 40% 125 万円 ~1,000 万円以下 30% 90 万円 1,500 万円以下 45% 175 万円 ~1,500 万円以下 40% 190 万円 1,000 万円超~ 50% 225 万円 3,000 万円以下 50% 250 万円 ~3,000 万円以下 45% 265 万円 3,000 万円超 55% 400 万円 ~4,500 万円以下 50% 415 万円 4,500 万円超~ 55% 640 万円 ※課税価格は、基礎控除 110 万円、配偶者控除後の課税価格。 ※死因贈与契約は、法律上は贈与契約です。しかし、税務上は相続税が課されます(相法 1 条の 3①一)。 設例 現金 1000 万円を子供に贈与する場合・・・ 贈与税額=(1,000 万円-110 万円)×40%-125 万円=231 万円

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4.時価評価の例外(いわゆる負担付贈与通達) 土地・建物といった不動産の場合、原則的には、財産評価基本通達に定める評価額で評価されます。つまり、相続 税評価額=路線価や固定資産税評価額の倍率方式です。しかし、実勢価格が 1 億円で路線価が 6 千万円といった 地価が急激に上昇していたバブル時代には、負担付贈与契約で子供に時価 1 億円の土地やマンションを 6 千万円 の代価(負担)で贈与するスキームが流行しました。そうすれば、子供は贈与税の負担=0 で実勢価格の高い不動産 を取得できるからです(相基通 21 の 2-4)。 親が 1 億円で購入した土地を路線価の 6 千万円で長男に譲渡して、4 千万円の譲渡損失を計上して損益通算す る・・・。親の所得税対策も流行しました。このため、負担付贈与契約については、相続税評価額を使わずに実勢価 格で評価するという個別通達が発遣されました(平成元年 3 月 29 日直評5・直資2-204、いわゆる負担付贈与通 達)。現在では地価が逆に下落しているので、この個別通達はあまり意味がなく実務を混乱させるものとなっています。 国税不服審判所の平成 18 年 5 月 24 日の裁決事例では、親族(妻と子供)へ路線価で土地を売却したら対価を伴う 取引なので実勢価格(時価)との差額が贈与とされました(相法 7)。これが訴訟となり、東京地裁平成 19 年 8 月 23 日 判決では納税者勝訴で確定です。しかし、負担付贈与通達は現在のところ廃止されていません。 贈与は、法律上は契約の特殊形態と位置付けられています。上記で解説したように、単純な贈与契約でも法人が 関係すると、みなし譲渡所得の問題が発生して事案が複雑化します。実務上はさらに死因贈与契約や負担付贈与 契約・負担付死因贈与契約があります。例えば、死因贈与契約は法律上は確かに贈与ですが、税務上は遺贈に含 まれる取扱になっています(相法 1 条の 3①一)。つまり相続税の対象となります。相続税と贈与税では、適用される税 率や記入する申告書が全く違います。 5.相続時精算課税制度 今まで説明してきた税額の計算方法は「暦年課税」と呼ばれるものです。これに対し相続時精算課税という別の制 度があります。これは大まかに言うと、 ・贈与財産の価額-非課税枠(最高 2,500 万円) ・非課税枠を越える部分の贈与税率は一律 20% で計算した贈与税を納める、というものです。贈与財産の種類・金額・贈与回数に制限なしです。相続時にはこの贈 与財産と相続財産の合計で計算した相続税額から贈与税額を控除して、納付する相続税額を計算します。相続税 額=0 ならば、納付した贈与税は還付されます。したがって、内容的には相続税の軽減策というよりも生前相続といっ た制度です。 相続時精算課税制度の贈与税は、相続税と一体化しているので、贈与財産が相続時まで評価金額が 変動しない場合は生前贈与をいくら行っても相続税の軽減にはなりません。逆に言えば、将来確実に評価金額が上 昇すると見込まれるものを贈与する場合だけ有効になる制度です。具体的には、自社株式・収益物件の賃貸不動産 等が考えられます。主要な適用要件は、以下の通りです。

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①受贈者が贈与を受けた年の 1 月 1 日時点で 20 歳以上 ②贈与者が贈与した年の 1 月 1 日時点で 65 歳以上(例外規定あり) ③「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付する 詳細は、下記の「相続時精算課税制度」を参照下さい。 相 続 時 精 算 課 税 制 度 と一 般 の暦 年 贈 与 の相 違 点 A:相続時精算課税制度 B:暦年贈与 関連法令 相法 21 条の 9 相法 21 条の 5、措置法 70 条の 2 の 2 贈与者の年齢 65 歳以上の親 ※ 制限なし 受贈者の年齢 20 歳以上の子 ※ 制限なし 非課税枠 累計 2,500 万円(父母合わせて 5,000 万円) 110 万円 相続時の加算 制度適用後のもの全てが加算 相続開始前 3 年以内(相法 19) 申告要件 税額 0 でも贈与税の確定申告が必要 税額 0 なら申告不要 贈与税率 一律 20% 超過累進税率(上記 3.の速算表を参照) 相続税<贈与税の場合 差額が還付される 差額は還付されない ※贈与した年の 1 月 1 日現在で判定 なお、平成 23 年度税制改正により以下の要件見直し(緩和)が実施される予定です。 平成 22 年 12 月 31 日まで 平成 23 年 1 月 1 日以降 贈与者の要件 65 歳以上 60 歳以上 受贈者の要件 20 歳以上の推定相続人 20 歳以上の推定相続人+20 歳以上の孫

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住宅取得等資金の贈与税の非課税特例

1.概要 マイホーム資金贈与が 500 万円まで非課税という制度が、平成 21 年度税制改正で成立しました(措置法 70 条の 2)。これは適用期限が、平成 21 年 1 月 1 日から平成 22 年 12 月 31 日までです。 下記の相続時精算課税の住宅資金贈与 3,500 万円は、適用期限が平成 21 年 12 月 31 日までです。2 つ合わせ てダブル適用できるので 4,000 万円ということになりますが、これは平成 21 年いっぱいのことなので留意が必要です。 平成 21 年 12 月 31 日までに住宅資金贈与をして来年の平成 22 年 3 月 15 日までに住める状態になるためには、あ まり時間的余裕はありません。ただ、普通の相続時精算課税は適用期限が無いので、親が 65 歳以上ならば平成 22 年度でも 2,500 万円+500 万円=3,000 万円までは贈与税非課税になります。 (1)500 万円 平成 21 年中にマイホーム資金の贈与を受けた方(旧・措置法 70 条の 2) (2)1,500 万円 平成 22 年中にマイホーム資金の贈与を受けた方(新・措置法 70 条の 2②六イ) (3)1,000 万円 平成 23 年中にマイホーム資金の贈与を受けた方(新・措置法 70 条の 2②六ロ) 2.平成 22 年度税制改正 平成 22 年度税制改正では、住宅取得等資金の贈与税の非課税特例が創設されました。このため、マイホーム資金 の贈与は以下の取扱いとなりました。 ①相続時精算課税制度(相続時精算あり、65 歳以上の親から、2,500 万円まで贈与税の課税繰延、相法 21 条の 12) ②親からの住宅資金の相続時精算課税制度は、平成 23 年 12 月 31 日まで延長 (相続時精算あり、親の 65 歳以上の年齢制限なし、2,500 万円まで贈与税の課税繰延、措置法 70 条の 3) ③500 万円の住宅資金贈与非課税枠は、平成 22 年 12 月 31 日まで利用可能 (相続時精算なし、所得制限なし、①②と併用可能、旧・措置法 70 条の 2) ④1,500 万円の住宅資金贈与非課税枠は、平成 22 年 12 月 31 日まで利用可能 (相続時精算なし、所得 2,000 万円以下の制限あり、①②と併用可能、新・措置法 70 条の 2) ⑤相続時精算課税制度に係る贈与税の特別控除額 2,500 万円に 1,000 万円上乗せできる特例は、平成 21 年 12 月 31 日で廃止 (旧・措置法 70 条の 3 の 2) 贈与税がゼロで、最大いくらまでの住宅取得資金を親から子へ贈与できるかは以下の通りです。 平成 22 年度:2,500 万円+1,500 万円=4,000 万円(上記②+④) 平成 23 年度:2,500 万円+1,000 万円=3,500 万円(上記②+④、④は平成 23 年度は 1,000 万円です) 3.資産家の利用方法 資産家の場合は高額な相続税の負担が一般的なので、事前の生前贈与による相続税対策が重要です。一般の

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暦年贈与とこの住宅取得等資金の贈与税の非課税特例の差異は、以下の通りです。 贈与金額 贈与税額 一般の暦年贈与 住宅取得等資金の贈与税の非課税特例 差額 500 万円 53 万円 0 53 万円 1,000 万円 231 万円 0 231 万円 1,500 万円 470 万円 0 470 万円 2,000 万円 720 万円 53 万円 ※2 667 万円 ※1 平成 22 年中の贈与で、受贈者の所得が 2,000 万円以下の場合 ※2 (2,000 万円-非課税枠 1,500 万円-基礎控除 110 万円)×20%-25 万円=53 万円 相続税が発生しそうな場合は、子供が 2 人いればそれぞれにマイホーム資金として 2,000 万円ずつ生前贈与する 事前対策が有効です。住宅取得等資金の贈与税の非課税特例を利用すれば、上記の通り@53 万円×2 人=106 万 円の贈与税負担で子供とその配偶者・孫から感謝されます。事前対策をしないで相続が発生すれば、4,000 万円の 資産に相続税が課税され相続税率が 40%のケースでは 1,600 万円の税額となります。実に 1,494 万円もの税負担が 発生します。 なお、この非課税制度の適用を受けた場合は、暦年課税の 3 年内贈与や相続時精算課税制度と異なり贈与者が 死亡した時の相続税の計算において加算されません(相法 19、措置法 70 条の 2③)。例えば平成 22 年 11 月に 1,500 万円の贈与を受けて平成 23 年 2 月に親が死亡しても、相続財産に加算する必要はないのでこの点も非常に有利で す。 4.非課税特例の適用の要件 住宅取得等資金の贈与税の非課税特例を適用する場合の、主要な要件は以下の通りです(措置令 40 条の 4 の 2)。 ① 父母や祖父母等の直系尊属からのマイホーム資金の贈与(義理の親は除く) ② 新築または取得する家屋の要件として、不動産登記簿上の床面積が 50 ㎡以上(マンションの場合は専有面積) ③ 古住宅は購入日以前 20 年以内に建築されたものであること(耐火建築物の場合は 25 年) ④ 贈与を受ける人が贈与時に国内に住所を有していること、贈与年の 1 月 1 日現在で 20 歳以上であること。 ⑤ 贈与を受ける人の贈与年分の所得税の合計所得金額が 2,000 万円以下であること(旧・措置法 70 条の 2 では所得要件なし) ⑥ 贈与年の翌年 3 月 15 日までにその住宅に居住すること ⑦ 贈与年の翌年 2 月 1 日から 3 月 15 日までに、贈与税の申告書及び添付書類等を提出すること 上記⑦の申告書に必要な添付書類は、①贈与日以後に作成された戸籍謄本又は抄本、②贈与年の合計所得金 額が 2,000 万円以下であることを示す源泉徴収票又は所得税の確定申告書控え、③新築・購入したマイホームの登 記事項証明書、④新居マイホームに居住している事を示す住民票の写しです。

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相続時精算課税制度

1.制度の概要 相続時精算課税制度をアレンジした、住宅取得等資金贈与の特例がありました。これを利用すれば、3,500 万円ま での資金を子供に贈与しても、贈与時点では贈与税負担が発生しないという制度です。子供に子供(自分から見れ ば孫)が出来ると、マイホームを購入したがります。新築一戸建ての購入資金は通常は子供では用意できないので、 親に資金援助を要請してきます。このようなケースでは、相続税の事前対策としてこの特例が大変効果的です。具体 的な要件は、以下の通りです。 ・贈与税の期限内確定申告をする(期限後申告や修正申告では適用出来ません) ・翌年 3 月 15 日までに ・新築か中古住宅(木造なら築 20 年以内、耐火建築物なら築 25 年以内)で不動産登記簿上の床面積が 50 ㎡以上 のマイホームを購入して(あるいは増改築費用 100 万円以上のリフォームでも利用出来ます) ・同日までに居住の用に供すること ・受贈者とその配偶者が、その贈与前 5 年以内において居住用家屋を既に所有していないこと ・過去 5 年前以内に、この住宅資金贈与の特例を利用していないこと 2.相続時精算課税制度と住宅資金贈与の特例の比較 A:相続時精算課税制度 B:住宅資金贈与の特例 関連法令 相法 21 条の 9 措置法 70 条の 3 の 2 贈与者 65 歳以上の親(その年の 1 月 1 日現在で) 親(年齢制限なし、措置法 70 条の 3) 受贈者 20 歳以上の子である推定相続人(その年の 1 月 1 日現在で) (養子・代襲相続人を含む、所得制限なし) 非課税枠 累計 2,500 万円(父母合わせて 5,000 万円) 累計 3,500 万円(父母合わせて 7,000 万円) 【贈与時の】税額計算 贈与税額=(贈与財産-非課税枠)×一律 20% 【贈与時の】 贈与税の申告 非課税枠内でも申告必要 【相続時の】税額計算 贈与財産も合算して相続税を計算します。支払済の贈与税額は、相続税額から控除して精算されます。 贈与税額>相続税額の場合は、差額を還付されます。 【相続時の】加算額 贈与時の時価(相続時点での時価ではありません) 必要資料 (相規 11) ・贈与税の期限内確定申告書(第一表、第二表) ・相続時精算課税選択届出書 ・受贈者の戸籍謄本、住民票の写し、戸籍の附票 ・贈与者の住民票その他 ・A と同じ書類 ・マイホームの登記事項証明書 ・マイホームの売買契約書 ・耐震基準適合証明書その他 適用時期 恒久的措置 H15.1.1~H21.12.31(現状では 70 条の 3 の 2 は廃止)

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贈与税の計算は、受贈者ごとかつ贈与者ごとに計算します。したがって、両親(父母)から子供 1 人に 3,500 万円ず つ合計 7,000 万円まで贈与税の負担なしにマイホーム資金を贈与することもできます。よほどの豪邸でもない限り、十 分な資金援助ができることになります。この場合の親は実の親であり、配偶者の親のように義理の親では適用できま せん。なお、上記の 1,000 万円の非課税枠の加算は平成 21 年 12 月 31 日で廃止されました(旧・措置法 70 条の 3 の 2)。親の年齢制限無しの特例は、平成 23 年 12 月 31 日まで延長になりました(新・措置法 70 条の 3)。このため、 改正後 2 年間、マイホーム資金を贈与する場合は贈与者の年齢が 65 歳未満でも相続時精算課税制度を利用できま す。 3.実務上の留意点 相続時精算課税制度は、贈与時点では、確かに非課税枠まで贈与税が無税です。しかし、相続開始後には贈与 された金額を相続税の計算で加算する必要があります。このため、「生前相続制度」とも言われます。本来支払うべき 生前贈与に関する贈与税を、相続開始時点まで先送り・繰延しているに過ぎません。このため「無税で」子供にマイホ ーム資金を贈与できるかどうかは、本当は相続税の申告時点までは分かりません。 通常は、相続税の計算には基礎控除が認められているので相続税額が発生しないはずです。妻と子供 2 人を残し ていれば、基礎控除=5,000 万円+1,000 万円×3 人=8,000 万円です。さらに生命保険金の非課税枠や小規模宅 地の特例、配偶者の 1 億 6 千万円税額控除特例等もあります。このため、国税庁の発表資料によれば 95%の人は相 続税が発生しない統計となっています。つまり、贈与税が課税されるリスク無しで子供へマイホーム資金を援助できま す。よって普通は、この特例を利用したほうが明らかに有利です。 資産家の場合は、相続時点で基礎控除以上の資産があることが予想されます。数十億円の個人資産のある方は、 各種の特例をフル活用しても相続税額が発生します。通常の暦年贈与と違い、この制度は相続税の計算と一体化さ れています。このため、相続時点では 20%の贈与税負担以上の相続税額の発生が予想されます。資産家の方はこ の特例を利用するよりも、自己資金で住宅を取得して子供や親族にタダで貸す(使用貸借させる)方が有利です。

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本レターに掲載している情報は、一般的なガイダンスに限定されています。この文書は、個別具体的ケースに対する会計・税務のア ドバイスをするものではありません。会計上の判断や税法の適用結果は、事実認定や個別事情によって大幅に異なることがありえます。 また、解説の前提となる会計規則や税制が変更されている可能性もあります。実際に企画・実行される場合は、当事務所の担当者にご 確認ください。

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