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GIS GIS -2-

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Academic year: 2021

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Excel を利用した地理情報システム(GIS)の方法

千葉県立小金高等学校 小林岳人

1.はじめに

GIS(地理情報システム)という言葉について、言葉は知っているけど、詳しくは知らない、とい うケースが多いのではないだろうか。単にそれはコンピューターで地図を描くこととしてのみ捉え られているのではないだろうか。そもそも、私自身、いわゆる本格的なGIS についてはせいぜいそ のコンピュータソフトの名前を聞いたことがある程度しか知らない、GIS で何をするのかというの も、GIS 展示会に出向いて、そのデモンストレーションを見た程度である。それも、高校で地理を 教えている内容とはあまり関係が浮かばないのでどうもピンとこない。それなのに、GIS について の文章を書くなんていうのは身の程知らずかも知れない。とはいえ、高等学校の地理の教科書にも 必ずといっていいほどその言葉は載っているわけで、ここではGIS を身近に実現する方法を考えて みた。

2.GIS(地理情報システム)とは何か

GIS(地理情報システム)とは、Jeffrey Star/John Estes(1992)によると、「GIS(地理情報シ ステム)とは、空間的あるいは地理的な座標軸によって参照されるデータを扱うように設計された 情報システムである。」と定義されている。さらに、地理情報システムには、手作業によるもの(ア ナログとも呼ばれる)と自動のもの(すなわち、ディジタルのコンピュータを用いるもの)の両方 がある。とされている。つまり、決してGIS=コンピュータということではない。生徒の白地図作業 のようなものもGIS(地理情報システム)といえるわけだ。しかし、やはり GIS というとコンピュ ータと密接に結びつくイメージが強いので、ここではやはりコンピュータで扱うことを前提にして すすめていくこととする。 次に、その構成要素をからあげてみよう。 ①データ入手 普通は手作業で行われるが、リモートセンシングにより自動化される場合もある。 ②前処理 情報をコンピュータのデータベースに記録する、このデータベースには位置情報が必ず含まれて

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いる。緯度経度を利用することが多い。また、ポリゴンという聞きなれない言葉が出てくることに も注意が必要である。 ③データ管理 データの入力・更新・削除・読み出しをコンピュータ上にて行う。一般のコンピュータ利用と同 じである。ファイルという単位でデータを管理し、時間の経過とともに必要になるデータの更新は 反映される ④操作と分析 計算、処理、分析などの処理で、人口と面積から人口密度を求める、等高線から平均傾斜を求め るといったいわゆる地理学的な分析がその中心になる。地図上での処理というより、データ上での 処理といったイメージである。 ⑤出力作成 おもに地図、グラフ、表またはそれに類するものであり、コンピュータ・ディスプレイ上の表示 はソフトコピーと呼ばれ、紙やフィルム上への表示はハードコピーと呼ばれている。ハードコピー の場合はプリンタの性能に極めて高く依存することになる。

2.データの構造と表計算ソフト

コンピュータ利用を念頭においてGIS の中でまず重要になってくるのはデータがどのような形で コンピュータにとりこまれるかということである。 地表面にあるデータはその形態によって、井戸、油井のような点データ、鉄道や道路、河川のよ うな線データ、区画の境界・貯水池などの閉領域を持つ面データ(ポリゴン)と、大きく三種類に 分類できる。逆にいえば、地図上のデータはこれらの形態の組み合わせでほとんどすべての表現が 可能なのである。 さて、具体的にこうしたデータをいかにして扱っていくかである。GIS において、地理情報は地 図データと属性データに分けられる。地図データは(x,y)の2次元座標系上の位置として表さ れる。この地図データはその位置の与え方によってラスタ型とベクタ型に大別される。 ①ラスタ型データ構造 ラスタ型データは(X,Y)が規則正しく格子状に配列しているもので、格子、グリッド、メッ シュデータとも呼ばれる。

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(1,1)や(2,1)といったところに標高 30m とか 543m といった値がはいってくる。表の右下から行お よび、列が始まっているのが奇異に感じられるかもしれないが、これは「標準メッシュ・システム」 の考え方と関係がある。 「標準地域メッシュ・システム」について簡単に説明すると、1 次メッシュコードは 1:200000 地 勢図に対応している。1次メッシュコードは4桁の数字からなり、最初の2桁は図葉の南西隅の緯 度の1.5 倍値、次の2桁は経度値を表している。2次メッシュコードは1次メッシュコードを東西・ 南北にそれぞれ8等分したもので1:25000 地形図に対応している。南西を 00、北東を 77 としてい る。最近の地形図には図葉の右上部分にメッシュコードが記載されている。「1:25000 東京首部」 であれば5339-46、「1:25000 浦安」なら 5339-37 となっている。そして基準メッシュと呼ばれる 3次メッシュコードは1:25000 地形図を東西・南北にそれぞれ 10 等分したもので南西を 00、北東 を99 としている。この基準メッシュの大きさはだいたい、1 ㎞四方となる。前述の「数値地図 50m メッシュ〈標高〉」は東西・南北にそれぞれ20 等分したものである。50m メッシュと呼ばれては いるが、緯度によって経度幅は異なるので、必ずしも50m 間隔にはならない。ちなみに国土地理院 の数値地図〈標高〉は「数値地図1 ㎞メッシュ〈標高〉」と「数値地図 250m メッシュ〈標高〉」 も刊行されている。 ②ベクタ型データ構造 ベクタ型データは、点の座標値(x,y)が不規則に配置しているものであり、その点の集合と して、点・線・面といった形をとる。市町村役場や商業施設などの点、鉄道・道路などの線、市町 村境界などの多角形がベクタ型データの代表である。 表 1 ラスタ型データの構造 1列 2列 3列 i列 : … … … … : … … … … j行 (1,j) … … … (i,j) … : … … … … 3行 (1,3) … … … … … 2行 (1,2) (2,2) (3,2) … … … 1行 (1,1) (2,1) (3,1) … (i,1) …

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図1のようにベクタ型の地図データのうち点データはX座標値とY座標値の組の形で表現される。 線データはこの点データ同士を結んだ形として表現される。さらに面データは最後の点と最初の点 が結ばれて多角形の形態をとる。このような点や線、面の図形それぞれについて名称がつけられる。 線データや面データはより細かく点をとればより詳細な形態として表現することが出来る。ベクタ X Y X31 Y31 X32 Y32 X33 Y33 面3 X34 Y34 X Y X11 Y11 X12 Y12 線1 X13 Y13 X Y X21 Y21 X22 Y22 X23 Y23 線2 X24 Y24 X Y 点1 X1 Y1 点2 X2 Y2 点3 X3 Y3 (X21,Y21) (X22,Y22) (X23,Y23) (X24,Y24) 点1(X1,Y1) 点3(X3,Y3) 点2(X2,Y2) (X34,Y34) (X32,Y32) (X31,Y31) (X33,Y33) 面3 (X11,Y11) (X12,Y12) (X13,Y13) 線1 線2 図 1 ベクタ型データの構造

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型データの座標系は、一般に緯度・経度で保持される。これによって、あらゆる地図投影法に対応 させて地図データを描くことが出来る。そして、これらの地図データにそれぞれ属性データが付加 されることになる。鉄道線(線データ)に対する単線、複線、複々線の別や市町村(面データ)に 対する人口などがそれにあたる。 このようにGIS のためのデータ構造はラスタ型にせよベクタ型にしても表の形式で格納されてい る。その表の形式をグラフィカルに表現する機能があれば、とりあえずコンピュータによるGIS が 可能になる。となると、表を扱う表計算ソフトと呼ばれているソフトならばGIS とりあえず実現で きそうである。ちなみに、GIS の構成要素と表計算ソフトの機能を関連させてみてみると、まず① のデータ入手についてであるが、最近は、理科年表や日本国勢図会などもディジタル化されCD− ROMで頒布されているので簡単に表計算ソフトに取り込めるような形でデータを入手することも 出来る。前述の数値地図も同様である。また、最近はインターネット上からのデータの獲得も期待 できる。国勢調査などのデータの一部はインターネット上で表計算ソフトのファイル形式で得られ るようにもなっている。海外のサイトからもデータの入手も期待できる。次に②の前処理であるが これはそのまま表の形式で格納が出来る。最近の表計算ソフトは一つのファイルに多数のシートが 作成出来るので、さらに都合が良い。次に③のデータ管理であるが、これはまったく問題はないだ ろう。普通のファイルをディスクへ記録・読み出しを行えばよい。④の操作と分析は表計算ソフト の得意とするところでもあろう。計算式のほか非常に多くの関数が備えられている。最後にグラフ ィカルな表現が不可欠になる⑤出力作成ではコンピュータ・ディスプレイ上の表示にせよ、プリン タを利用した紙やフィルム上への表示にしてもハードウエアの性能に依存するがとりあえずは出来 る。だた、グラフィカルな表現は多量の処理を行うのでCPU の能力、メモリの大きさ、ディスプレ イの解像度などに余裕がない表示するのに時間がかったり、時には処理不能に陥ることもあるが。 表計算ソフトはいろいろなメーカーのものが出回っている。Justsystem 社の三四郎や Lotus 社の 123、Microsoft 社の Excel などがある。これらの、表作成機能、計算機能、グラフ表示機能等の性 能的にはそれほど大差はない。ただ、Exce」は Mapinfo 社の GIS ソフトの一部の機能を標準的に 組み込んでおり、別売のアドインソフトを組み込むとさらに Excel 上にて多くのいろいろな地図の グラフィック表現も可能になる。そこで、ここではExcel のもつ機能を駆使してその中で GIS を実 現することを試みる。

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4.Excel で行う GIS

では、実際にいくつかの例とともにExcel での GIS を示してみよう。 ①ラスタ型データの扱い ワークシートにメッシュデータとしてセルに属性データを入力する、セルの番地がメッシュコー ドの代用を果たす。例としてノルウェーのソグネフィヨルドの支谷のアルランダフィヨルドとナロ イフィヨルドの付近の地形の起伏の様子を取り扱ってみる。 まず、地形図上で250m 間隔のメッシュをつくってその中心部分の標高 100m 単位で読み取る。 このデータを各セルに入力する。 図 2 アウランドフィヨルドとナロイフィヨルド

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グラフ機能のなかで等高線グラフを利用して立体的なグラフィカル表現を行う。次のような図が 作成できる。 さらに、これを平面的な表現をおこなうと、等高線が再現できる。 このように、等高線グラフを操作することによって、地形図読図で最も困難とされている部分で ある等高線から起伏の様子を読み取る感覚を養うことが期待できる。 表 2 アルランダフィヨルドとナロイフィヨロドの標高データ(単位 図 3 アルランダフィヨルドとナロイフィヨルドの鳥瞰図(単位 100m)と等高線図(単位 1000m)

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また、国土地理院の「数値地図1 ㎞メッシュ〈標高〉」と「数値地図 250m メッシュ〈標高〉」、 「数値地図50m メッシュ〈標高〉」なども利用可能である。ただ、これらのデータはテキストデー タなのでExcel にインポートする際には数値地図ユーザーズガイドや添付のファイルによりデータ の書式に従って区切り位置を指定しながら、セルにきちんとはいるようにしなくてはならない。さ 表 3 青梅周辺と狭山丘陵の標高データ(単位 10 ㎝) 図 4 青梅周辺と狭山丘陵の鳥瞰図(単位 10 ㎝)

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らに、インポートしたファイルのなかのすべてのメッシュデータを等高線グラフを利用してグラフ ィカルに表現しようとすると、ハードウエアの性能によっては処理に時間が非常にかかることもあ るので注意する必要がある。次の図は「数値地図250m メッシュ〈標高〉」の 1:200000 地勢図の東 京の範囲に該当するファイルから青梅市周辺と狭山丘陵付近の部分のデータを元にした鳥瞰図であ る。80×80 の標高データを利用しているが、CPU が Petium100MHZ、メモリが 40Mb の筆者のマ シンでは少々表現に時間がかかる。 標高以外には土地利用データなどにこうした処理が可能である。例えば、目盛り間隔を1にして 地目別色分け表現にして等高線グラフを平面的に表現すれば土地利用メッシュ地図が作成できる。 ②ベクタ型データの扱い 位置データは基本的には緯度経度で入力する。点データはワークシートに一覧表の形式で位置デ ータと属性データを入力する。線データや面データはワークシートに属性ごとに表を一つづつつく り、その属性がもつ位置データを並べる。適宜シートを分けたりしながら、ブックの形でまとめて 一つのファイルとして保存する。緯度経度を得るには汎用の地図ソフト、例えば、アルプス社のア トラスRd などを利用する。たいがい、地点をマウスでクリックすることによって自動的に緯度経度 値が記録される。これをCSV 形式などのような形式で保存して Excel で読みこみ、Excel 上にて加 工する。このとき、緯度経度値はたいがい○度○分○秒のような形で表現されているので、○度単 位の10 進法データに変換する必要がある。区切り位置設定機能やセル計算機能を使って適宜変換を 行う。線データについては点を結ぶ順序が重要なので番号をつけておく必要がある。また、面デー タは線データを閉じた多角形として扱うことになる。線データの組み合わせとなるので、データと しては線データとして格納しておき、必要あれば、組み合わせて多角形として扱うのがよいだろう。 次にグラフィカルな表現であるが、グラフ機能のなかで散布図グラフを利用して、点、線、面の グラフィカル表現を行う。点データについては同じ系列のものをいっぺんに扱って同じ点の色や形 を設定する。線データについては点をつなげ一つの連続体ごとに一つの系列として扱うことになる。 あとで、同じ種類の系列は同じ線の色や形にそれぞれを設定する。例えば河川は青、鉄道線のうち JR 線は黒のやや太い線といったように設定する。また、点データについては、点の大きさを変える ことによって円の表現も出来るので商圏のような行動圏を表現することも可能だ。ただ、散布図グ ラフの機能で閉じた多角形についての塗りつぶし機能がないので、厳密にいえば、面的表現は出来 ない。

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狭い範囲、例えばいわゆる大縮尺・中縮尺地図程度であれば、緯度・経度のデータを扱っている 緯度経度それぞれに等間隔になるようにグラフ表現しても地図としてほとんど問題はない。しかし、 地球規模の小縮尺地図になるとそうはいかない。適切な地図投影法とともに作成する必要がある。

表 4 松戸市内郵便局データ

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例えば、サンソン図法を利用するならば、次のようなサンソン図法の緯度経度データをまず作成す る。例えば緯度経度 30°間隔といった主な緯線や経線の経由する緯度経度点を表にする。そして、 それぞれの緯線や経線を一つ系列にして一つづつ散布図上に表現してゆく。

図 5 松戸市の郵便局分布図

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これを、ベースにして、点データを載せていく。緯度経度値付きの点データとしては理科年表な どの気象関係データや地震関係データが利用しやすい。理科年表もディジタル化されており、 CD-ROM として頒布されているので、ここからデータを CSV 形式などでエクスポートすれば、Excel

表 5 世界各地の観測地点の位置と1月の気温

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で読むことが出来る。やはり、緯度経度値は北緯(南緯)○度○分、東経(西経)○度○分という ような形で表現されているので○度表現に変換し、さらに南緯や西経はマイナス値にする必要があ る。さらに、サンソン図法の場合緯度は等間隔でよいのでそのままだが、経度は緯度に応じてた値 へ変換する必要がある。 点データは属性によって並び替えを行い、適当な間隔で階級区分を行い、その階級ごとの系列と して散布図上に表現してゆく。このように気温についてのデータならば、系列ごとに暖かいほうか ら寒いほうへ暖色系から寒色系の色を設定していけば良い。 理科年表の気温データは30 年間の平均気温をとっている時期が異なるデータもあるので、いわゆ る、各観測地ごとの中長期的な気温の変化の様子なども図示でる。 他には、地震の震源地のデータも利用できだろう。震源の深さや、地震の時期によって区分して データの図示が可能であろう。さらに、おもな陸地の海岸線の緯度経度値があれば、陸地の概形が 表現できるので、世界地図をイメージしやすくなると思われる。 このように、やや手間がかかるが、いったん作成してしまえば鉄道線や行政界線、経緯線や海岸 線などをベースマップとして利用することができるので、載せたい事象のみを変えるだけならそれ ほど作図の面倒はかからない。例えば、多数の時系列変化図なども作成可能であり、これをMicrosoft 社の PowerPoint のようなプレゼンテーションソフト上で利用すれば、動きを伴うような表現も可 図 7 1931∼1960 年の平均気温から 1961∼1990 年の平均気温の変化

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能であろう。

③データマップ機能の利用

さて、ベクタ形式データの取り扱いにおいて、Excel にはデータマップと呼ばれる便利な機能が組 み込まれている。Microsoft Map と呼ばれるオブジェクトが Excel のワークシート上に挿入される 機能である。この機能はさらにアドインソフトを組み込むことが可能であり、より詳細な対象地域 が扱えるといった、データマップ機能の強化もできる。このデータマップ機能は、地域を表現して いる面(多角形)データを簡単に取り扱える機能である。地域を示す地名が地図上のポリゴン呼ば れる面(多角形)の部分と関連しており、その地名についての属性データを入力することによって そのポリゴンの色や模様やグラフ形態が決まり、グラフィカル表現が可能になる。例えばヨーロッ パの国々を単位にしたデータを表現する場合は表13のようにデータを入力する。ポリゴンと関連 する地名はあらかじめ決まっており、その地名を使わないとその地域については表現されない。地 理行列をそのまま利用できる構造であるともいえる。 あとは、グラフ同様ウィザードに従って作成すればよい。基本的には6種類の地図とその一部同 士の組み合わせが可能である。6種類の地図とは次の通りである。 ①色別地図…宗教分布図のような質的データ地図 ②模様別地図…人口密度図のようなコロプレスマップ(階級区分図) 表 6 ヨーロッパ諸国

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③点地図…人口分布図のようなドットマップに近い地図(ただし、点のもつ位置情報はでたらめ) ④図形図…小麦生産高のような円のような図形を用いた地図 ⑤棒グラフ図…小麦と米とトウモロコシといった複数の生産高を表現 ⑥円グラフ図…各国の産業別人口構成のような全体の中の割合を表現 例えば、②と③と⑥といった組み合わせは可能である。数的データも Excel のワークシート上で 前もって階級区分しておけば①の機能を利用して色別地図として表現することも可能だ。 Excel に、標準的には世界(国単位)とアメリカ合衆国(州単位)、日本(都道府県単位)、日本 (地方単位)の地図が用意されている。また、これらの地図上に経緯線、主要高速道路、都市など の線、点データをオーバーレイする機能も備わっている。また、ピンマップといって簡単な点デー タを自作できる機能もあるが、これには緯度経度値のような正確な位置情報をもとにした位置の決 めは出来ない。前述のようにアドインソフトを組み込めば、より詳細な地域の表現も可能である。 たとえば、別売の日本全国(市町村単位)の地図を購入し、組み込めば図9のような表現も出来る。 さらに、に各ポリゴンの中心位置の表示データ(円グラフなどの図形表現図表示)を利用してポ リゴン単位の勢力圏などの表示も可能になる。 地図データの扱いが非常に繁雑であるベクタ型データに関しても、このようにな便利な機能を利 用すれば、容易に地図作成が出来るという良い例であろう。 図 8 ヨーロッパ諸国の人口・民族・小麦生産

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5.おわりに

GIS におけるポイントはコンピュータグラフィックスの方法にある。表計算ソフトである Excel を利用してもコンピュータグラフィックスがこのように表現できれば、ある程度GIS が実現できた といえるのではないだろうか。例としてあげた地形の起伏の鳥瞰図的表現は、地形図における最も 理解しにくい部分である等高線の理解の手助けとなりうるし、また、地図投影法の表現もまた、な かなか紙上と手計算では難しいところである。さらに、身近な地域レベルの表現は多人数、多項目 における地域調査等の集計・表現・分析に有意義であろうと思われる。さらに、作成した地図は例 えば、ドロー形の図形ソフトに貼り付けると点や線、塗りつぶし等の色や形やパターンの再編集が 可能である。図形ソフトでなくとも例えばMicrosoft 社の Word というワープロソフトに貼り付け、 その中の図形編集機能を利用してもこのような再編集さえも可能である。さらに、教材はもちろん、 地理の論文や報告にも耐えうるレベルの地図が作成できよう。これにより準備・研究がスムースに 行うことが出来そうである。もちろん Excel のような表計算ソフトには強力な計算機能もある。結 果もExcel 内で処理しすみやかに地図上に表現できる。 図 9 首都圏市町村年平均人口増加率(1970 年∼1980 年)

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だだ、Excel には限界もある。グラフ作成機能を利用するのでレイヤー構造をもたない。本来の GIS の有効な利用部分であるこのレイヤーの重ね合わせによって空間的な事象の分析しにくい。メ ッシュデータとラスタデータの重ね合わせが出来ないため、標高値を元にした鳥瞰図上に緯度経度 値から作成した道路や鉄道線、河川等の重ね合わせ表現が出来ない。さらに、等高線グラフや散布 図グラフといったグラフ機能で表現するため縦、横、高さの正確なグラフィカル表現、地図縮尺の 表示が出来ない。しかし、これらが、たいがいのコンピュータにインストールされている表計算ソ フトで実現可能だということはなによりのメリットであろう。 コンピュータの性能とソフトウエアの進歩によって、地図のようなグラフィカルな表現が誰にで も出来るようになった。一昔前であれば、地図をコンピュータで描くためには大変に高価な機器と ソフトウエアが必要であった。一般人にはとうてい手を出すことが出来ないものであった。このよ うな知識は専門家達の独占的なものであった。しかし、今ではちょっと工夫さえすれば、高度な機 器とソフトで行っている内容に近いことが十分に出来るようになった。コンピュータの進歩と普及 によって独占されていた知識が開放されたような感覚を実感している。 《参考文献》 矢野桂司(1995):地理情報とコンピュータグラフィック、帝国書院地理地図資料 1995.5 岡部篤行他訳(1992):「Jeffrey Star/John Estes 著・入門地理情報システム」、共立出版 岡村秀明・清水隆夫(1996):「アトラスRD徹底ガイドブック」、ソフトバンク

高阪宏行(1994):「行政とビジネスのための地理情報システム」、古今書院 縄田和満(1996):「Excel による統計入門」、朝倉書店

日本国際地図学会(1997):1997 年 No1.GIS 特集号、日本国際地図学会 古今書院(1997):1997 年 No12.特集すすむ空間データ基盤、

表  4 松戸市内郵便局データ
図  5 松戸市の郵便局分布図
表  5 世界各地の観測地点の位置と1月の気温

参照

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