かんがい用貯水池相に関する研究--余水吐について---香川大学学術情報リポジトリ

13 

Loading.... (view fulltext now)

Loading....

Loading....

Loading....

Loading....

全文

(1)

第8巻 第2号(1957)

かんがい用貯水池相に関ずる研究

一余水吐につ い∴て一

前 川 忠 夫

Studies on the phase ofirrigatiQnalreservOirs

MOnthe spillway十

Tadao MAEKAWA(Laboratory of AgrichlturalEng王neering) (ReceivedJanuary14.1957) Ⅰ 緒 253 余水吐ほ貯水池流入の過剰水を排除し貯水池の安全を計らんとする施設であるが,その規模構造ほその貯水池の環境 紅よって著るしく左右される・環境のうち集水流域の広狭,降水恩の多少ほ貯水池流入水鼻を,さら紅その流入水爵の 多少ほ余水吐の断面をそれぞれ規定する−また貯水池環鹿の地形転よって余水吐のイ帽構造やミ左右される.したがって 貯水池相の一腰としで余水吐を考える場合その環境としで広く集水流域全般に亘る地理的,水又的解析が必要となる. しかしこの調査ほ香川県の在来貯水池余水吐の位凱禰造,朝料1幅などの実態を主とし,それらと関連する二三の環 境的因子との相関性を検討したものである1なお水又と関連する部門についてほ序報(1)で述べたように現地長期観測の 結果をまって別に検討することとする 調査方法についてほ既述(序報)(1)したが,その調査がいして容易なるためかなり信頼度の高い数値を得たいただ過 去の鼠大溢流水深のみは根跡による推定またほ聞取りによる外ほなかった1なお出来る限る写員撮影を荷車正確を期し た Ⅱ 貯水池流入型式 貯水池に余水吐ほ不可欠のものの如く考えられるが∴調査貯水粒フOe個のうち87個(ユ2%)ほ余水吐を有せずまたユ貯 水池で2個の余水吐を有するもの19個を得た・・(第・1表)これらのうち余水吐を有するものについては以下項を乗やてそ の構造,材料など甘こついて検討するが先づ余水吐の有す釈ならびにその規模と関連する流入型式につい・て次のような調査 と検討を試みた, 第1表 貯水池流入型式 貯水池余水吐ほ流入水過剰の場合に.必 要であるから,もしその憤れがないとき に・はこれを必要としない‖ 貯水池への集 水ほ−・般に集水流域と降水過とから規定 されるが,この集水を悉く貯水池に流入 せしめる場合ほ集水流域に比して貯水池 規模が著るしく大なる場合以外には余水 吐ほ不可欠のものとなるい.これ軋反して 流域よりの集水を貯水池流入前に分水し 貯水池に・必要なる水温のみを流入せし め,他ほ河川に放流する方法を採れば余水吐?頻要はない“ち・こに前者の流域全体の総集水誌を流入せしめる場合を総 流塾,後者すなわち集水の一・部を流入せしめる場合を分流型と名附けることとする・罪1図ほこの2型式を示したもの で城池ほ総流型を,先代池ほ分流型のそれぞれの事例であるこの2型式によって県下5幻個の貯水池について環境別 紅調査した結果が第⊥表である‖ すなわら総流型と分流型ははぼ同数で相半ばし香川の貯水池にほ予想外に.分流型が多 いこと・がわかるこれを環境別にみると山地胱=1偶のうち40個までが総流型に属し,これに反して野池は222個のうち

(2)

254 香川大学農学部学術報告 189個までが分流型に屈する特性が見られる・麓池31フ 個は雨型に亘るがその約3分の2(212個)までが総流 型である 山池は山間の渓谷を締切るもの多く,その地形環境 から流入前に分水処理を行うこと匪難なるため繚流型 となり,余水吐の必要を生じ′加えて山地の集水流域 がいしで大なるため余水吐の規模も自ら大と.なる傾向 が予想される野池ほ平坦地に立地するため流入水の 流入前の処理ほ一・般紅容易で,その処理が安全に行い 得る場合は余水吐の必要なく,またもし処理不充分の 場合に備えて余水吐を設けると.してもその規模ほがい して小さくて足りることとなろうい 麓池ほその環境か ら山地と野池の中間的性格を有するため両型に.亘るこ とが予想される・/J\規模藤池で流入河川を河岸地山に 沿うて導き洪水を貯水池に流入せしめず直接下流に放 第1.図 貯水池流入型式 流する分流型を採用せる例を多数見かける・分流型式

ほ余水吐の排水負担を軽減するに.止らず,貯水池への土砂流入を阻止し得る大きレ効果もあろう‖この貯水池堆妙に・つ

いてほ稿を覚め貯水池変移の場合に検討するが以上の2型式はその理解の上に一つの指針と.なるであろう Ⅱ 余水吐の位置 第2表 余水吐の位置 調査個数フ02個のうち前記余水吐を有せざる8フ個を除 いた余水吐を有する62I個について特軋堰堤と.の関係位 置をみると/第2表のように分類される.すなわち大部分 の余水吐は堰堤の右岸またほ左岸の堰堤端と」也山との接 合部に.設けられて:いる.ここに接合部と.ほ外額的に判定 したものであって余水吐の晦流部および放水路の基盤ほ 地山上に設けれているlかかろイ立置にあるものは534個 (82%)を占め左岸,右岸む準は塵半ばしている・次に堰

堤上にあるものほ.55個で,感堤と分離して地山に設けら

イ立 置】個数l%i山地喜麓池i野池

れているものほ.9個となっている, 前記大部分を占める堰堤と.地山との接合部に余水吐を設けることほ土曜堤余水吐のイ立置として−・般にみられる型式で あるが,こと.に香川の如き/J噸枚貯水池においてほ当然のこどであろうい堤体上に余水吐を設けることは土堰堤の場合 ・一・般に危険視されるが,香川の貯水池は既報(2)の如く環境によって2方榎,3フ5偲,全周堰堤などその境長著るしく長 大であるもの多いことからかかる位置の存在が考えられる.純然たる地山部の余水吐は表示のように僅少であるのほ香 川の貯水池が小規模であり,集水面横がいして狭く,それに伴い洪水還も少く,他方地山部余水吐工事が地形上−・般に. 困難なることと併せ考えると理解しうるところである最近築造されつつある規模大なる土堰堤の余水吐ほはとんど地 山部に設けられる傾向に.ある、 次に余水吐の位置を環境別に′みると,掟蛾にあるものほ何れの環境にもみられるが,塊体上にあるものは大部分野他 にみられ,地山上にあるものほ主として秀削也にみられ山地にはみられない・これは野池の堤長が大なるこ.と.∴麓池の他 山はがいして余水吐工事に容易な地形が多いことによるものであろう・2個の余水吐を有するもの19個ほ主と.して麓池 にみられ全て堰堤の両端に位屈している・ Ⅲ 余水吐の構造および管理 余水吐の構造ほ一・般に単純であり,溢流部に完全なる溢流堰を有するものは554偶のうちフ個にすぎず,これらは新 設貯水池かまたは最近余水吐の改修を行ったものであるい また極道あるいほ管路によるものフ個を除けば全て第2図紅 示すような溢水型式の開水路である‖

(3)

255 滞8巻 罪2号(195フ) 横断形は第2図①⑨の如き矩形のも のが大部分で466個(84%)を占めてい る・他は同図⑨の如く不規則なる紫掘 水路で88個(16%)を数える1この素掘 余水吐は今回調査した満水面積約1ha 以上の貯水池にみられる比率であって 他の群小貯水池の余水吐でほさらに高 率となるぺく,如何に香川の在来貯水 池余水吐が軽視され原始的粗悪なるま まに放置されているかがわかる 縦断形陀罪2図の如く3程に大別し うるが,特に④の型式すなわち貯水側 ほ土砂堆積して綬勾配となり,放水路 側は岩盤あるいは石積の急勾配となる ものが多い・同図①の形式は素掘余水 吐に多くみられる形で内外共に甚だ援 肇2図 余水吐縦横断面図 勾配で堰堤線⊥で僅かに盛上′つているに過ぎない.これらほ水理学的にみて大体広頂堰あるいほ溢水路の形式に属する ものと見撤しうるであろう 余水吐の幅についてほ次節で検討するが,幅1∼2m程度までほ大体1径問であるがそれ以上の幅では角汚し用の阻 柱を設けて簸つもの径間に分割しているものが多く,その場合1径間は1∼2mであるい姥ケ懐池(三豊郡和田村)の 如きほ1m径間のもの.10連よりなつているLこの阻柱ほ貯水池管理とも関連し余水吐溢流頂上に角落しあるいほ土俵, 土羽,玉石などを用いて軍上げ計画満水倍以上の貯水を計らんとするものであるこれら堰上げは洪水の瞭,取り除く と称しているが人家より遠く離れ,また夜間出水時などは実際的にほ不可能の場合が多かろうと思われる.また洪水の 際,自然に流失すると称するも半永久的に固定した堰上げの例もみられる.かかる余水吐上の堰上ほ香川の貯水池の大 部分紅みられるが,これほ2万個に近い貯水池を有しながらなお用水不足に悩んで来た香川の即寸の慣習であろうが, かかる堰上げほ/余水吐断面を縮小し,さらに満水面上余裕高を減少L,洪水時ほもらろん平常満水時でも貯水池の安定 上特に問題とすべき点であろう さらに余水吐断面を縮少しているものに橋梁がある.トこれはすでに堰堤と道路の場合に述(2)ぺたように堤頂を道路と して利用せるものが多いことに伴い余水吐上の橋梁が甚だ多い.これら橋梁のうら桁下空間カミ甚だ狭く,あたかも暗梁 か隊追の如きものがあり異常出水の際甚だ危険といわぎるを得ない,かかる例は特に野他に多くみられる 次に・余水吐を施工せる材料では554個のうちコンクリー・トのもの249個(45%),石積のもの2ユ.9個(39%),索掘土水路 ほ前記は前記のようにee個(16%)となっている・コンクリ−トのものは香川の貯水池の沿革からみて当然大正,昭和の 期に至って改修したものであろうけ 石私のものにほ近時改修された練積のものもあるが,長年月を経過していると.みら れる古い塞麓のものも多い かくの如く香川の貯水池余水吐ほ近時改修されたものの列はは七んど粗悪なものであり,加えて堰上げあるいは橋梁 によってその流魔が狭められているもの,素掘のままで放置されているものなどその大半を占めているのが現状であ る 余水吐放水路の施工材料も大体溢流部と同様でその改修も併行的に.行われつつあるが,地山岩盤の場合は別として粗 悪な空右横のものが多い 以上余水吐に関する実例を第3図および末尾写真に示す

(4)

香川大学農学部学術報告 ● ○ ︶ ■.一〇・ヽ.・■√ Q O‘0 〇・〇 〇 ○ 、 tご。00 000 q00000 ■0 0′ 姥ケ懐池(三赴郡和田村)(1ニ00×150×10) 誓こ誉∵

三L遭丁ニニ∵竪立退ヱ過

○■ 0 000∂○ク 0 0 ■ 0 0 ■ 狩股池(三豊郡二宮榔(0お×040) 松ヶ浦池(綾歌郡松山村)(040×1釦×6) 樫谷地(三豊郡辻村)(84Gxl−60) ○・・○=○・■d o o○ ¢ ○け、Od?b 0 0V } 久米池(仲多庇都十河村)(2lxO餅×2) l。。㍉。 0 0 0 0 0 ▲ 〇・が.−こ 0 0 ○ く). ▼ ○ ○ 勺:‘○ 弥久谷池(仲多度耶ヒ璃村)(15×095×3) 0 0 0 〃 0 0 Q o ○ ∇・ 0 0 0 足尾上池(綾歌郡久万玉村)(150×14〔 (橋 梁) 0 0 00 0 q 0 0 ¢ q一・○ナ鴫0 0 。O Q Q O’ふ 赤坂下地(綾歌郡陶村)ll2×019)く4) 鴻 池(三豊郡笠田村)(4い00×110×2) (橋 梁) 8 0 0 0=¢・ク・’000 O q 0 0 くl0 0 0 0 0 9 北条池腰歌部滝宮柳(2い91×6小的×6) 辣丸弛(三盟郡二真相)(8・・50×1鈷) 第3図 余水吐横断面の各種型式 Ⅴ 満水面上余裕高 調査方法は余水吐溢水頂と堤頂との高差を測定したが,塊頂に高低ある場合ほその最低部を採ったその結果ほ第3 表のよう紅調査個数611個の平均で1け5m,環境別平均では山地2・1Ir,麓地1い6m,野池113mとなるい 日本高士堰堤(3)で ほ平均2m,同朝鮮は32mで共に香川平均より大であるが山地のみ日本高士堰堤に媒似している−−L般に満水面上余裕 高ほ堤高の高低に伴って増減するものと.する考えからみるとこれらの値ほ大休その傾向と{致するようである、 余裕高の過小ほ堰堤の安定上危険であるが香川の野池,褒池などは1m以下のもの1∞個に余り,叔/卜でほ0・3mと いう極度軋小さい鱒池(木田郡十河村),四号池(綾歌郡法勲寺村)などの存在すること.ほ特に問題視すべきであろ う. さらに前述の如く香川の貯水池の大部分にみられる余水吐上の堰上はこの小さい余裕高をさらに小さくしている こ の堰上によって満水期における貯水池の満水位ほ計画満水位より0‖?∼1m高くなっており,したがって実際的余裕高 ほ1mに足らないものが多い実状であるかかる際の家雨を考えると甚だ危険と言わざるを得ない

(5)

第8巻 第2号(1957) 257 第3襲 満水面上余裕高(m)

区 別1年均卜比率‡猷し馴\lo・5以下。5∼tlへノ1・51・5∼22′−3

4{一55以上1轡

9 3 ︵J 3 1 1 5 ︻h︶ 3 ︻′ノ ー ュ OU 1 1 7 3 0 4 6 1 2 3 1 ﹁⊥ ︻.〇 5 ︹0 2 9 1 フ l1 2 0 0 5 1 9 0 ︻.〇 4 昭眼 56竺 ∩︶ 2 nU ■⊥ 261仙 10〇一 Ⅵ 余水吐の幅,最大溢流水深,流積 余水吐の幅は前節で述べたようにその断面単純ではとんど矩形であるから測定は容易であった,ただ素地余水吐では 明憎を欠いだが最大溢流水深における平均幅をとった 余水吐の規模すなわち主としてそ砂幅ほ最大排水袋と関連し,最大排水量ほそ・の貯水池の集水流域と降水逢およびⅡ 節で述べた総流型,分流型の流入型式によっで左右される さて余水吐の幅は第4家のように調査個数660個の平均は3・19mまた環境別平均でほ山地10り16m,忠地2.7フm,野池 2、39mとなる.ただし余水吐を欠ぐ貯水池ほこの平均封昇に.は加えていない 欝4衣 食水吐の 巾(m) 区 別‡平均仁比率憂慮大l最小【2以下 2∼4 4∼6 6∼1010∼2020∼5C50∼1∞100以上【総数 香川平均の319mに・対して:日本高士堰堤(3)平均は.11・45mで約4浩,同朝鮮平均のフフ・91mほ著るしく大である・いう までもなく余水吐の大小ほ貯水池規模と共にその流域を含めた環境および流入型式と.関連するから本節では単に.その数 値の比較に止めておく 環境別では山池ほ特に大きく,20m以上のもの7個より,最大は54・55mの亀尾旭(綾歌郡長炭村)で最近改修された ものである・山地はその環境上集水流域・−・一一、般紅広く加えて総流型に属することが余水吐の幅を広くしている理由であろ うこれに反して野砲ほ最も小さく,最大の平地(香川郡仏生山町)でも1フmで,2m以下のもの161個中93個でその 大半を占めているさらに・前述の余水吐を欠ぐもののはとんど全べてが野池に属する・かく野旭¢余水吐断面が極度に 小さいこと,あるいほこれを欠ぐものさえ存在すること.ほ貯水池流入の水系からみて分流型に属するものが多いためで あろら 以上ほ期こ余水吐の幅を数値的に比較した止まるが満水面私,集水流域との相関性をこついてほ節を改めて検討する 第5衣 余水吐の最大溢流水深

㌃五丁玉石市訂「扁下芯斎oh2∼0.40い4∼〇け6㍍言㌫÷てこて㌫丁蒜

/ 194

⊥ 141

(6)

香川大学農学部学術報舎 258 最大溢流水深の調査ほ過去の根跡またほ.聞取りによったが,余水吐の構造寸法.満水面上余裕高などから判定して大 なる誤差はないものと考えられる第5表に示すように.調査個数652個の平均ほ0・52mで環境別では山地0フ5m,館池 0.55m,野池0・38mとなる・余水吐の幅と同様山地大で野砲小,蔑池ほ中庸である日本高土堰堤(3)平均ほ0・62m,同 朝鮮は1い15mで香川の貯水池に比してがいして大なる値を示す・ただ山池のみはこ.れら全国的貯水池に.区敵する溢流水 深を示している.最大は1ト9mに及ぶ小川下地(木田郡田中村)で山地であるが,小さいものほ0リ1m程度で大部分野他 にみられる 以上環境別溢流水深と前節環境別余水吐の幅と.併せ考えるとき山池ほ共に.大で,排水負担が大きく,これに反し野池 は共に小さく排水負担の小さいことが予想される. 第6表 余水吐の流積(mゴ) 区 別 卜平均l比率l最大l最小ll以下1∼3 3∼5 5∼1010∼3030∼5050∼100100以上1総数 5 フ OU O ュ 0 9 8 3 2 7 9 9 9 5 ︵J つム ⊥ 6 5 19 ∩︺ 6 5 9 6 4 0 3 ︵∠ l C O O O 1 3 1 ﹁⊥ 0 0 0 0 3 ︵∠ 1 0 1 1 0 0 1 1 0 0 これを数億的に比較する冬めにその流積を求めると第6表となる・すなわち香川平均で186がク環境別平均で山詩 716m!2,麓池1‥65m!!,野砲0・93m望と.なる・これに対して日本高土堰堤〈3)平均7,フ4mヨ,同朝鮮l07.46m3となる.これ ら全国的貯水池は何れも香川に比して大きく優に・香川の山地が日本高上堰堤に区赦する程度で,香川の貯水池の規模特 に.その集水流域が狭小なることを示すものであろう これら余水吐の幅,最大溢流水深,流積とその集水面積など環境と.の関係ほ節を改めて検討する Ⅶ 余水吐の幅と満水面積との関係 余水吐の規模特にその幅とその貯水池の規模特に満面水積との間紅何等かの関係が存在しないか 本節ではこの点に ついて考察してみよう 余水吐の悔に.ついてほ欝Ⅵ節でまた満水面鏡紅ついて−は既に貯水池の規模〈4)の際紅検討した小余水吐の幅は第4未の 如く金平均3・19m,環境別平均で山地101・16m,焚池2177m,野砲239m(但し余水吐を欠ぐものほ平均値計算濫加えない) となっている・・一方満水面積は既報(4)の如く全平均で33フha,山地ち…69ha,麓也3○〕ha,野池3・42haと.なっている さて余水吐の幅と瀾水面痕との関係を検討する前に.一応余水吐の幅で満水面積を冷した値すなわち余水吐の幅1m当 の満水面積を求めると第フ襲と.なる 満水面積 余水吐巾(m)

・︰、

前 訂

可読率1最大l最小l

区 別l乎

C・2以下0.2{一0.505∼11∼2 2∼5 つ一 1 5 6 ⊥ 3 2 3 8 6 ュ 4 4 3 3 ︵0 フ 3 3 1⊥ 7 フ ﹁ノ ﹁ノ つん 3 5 1 9 5 1 4 0 ∩︶ 7▲ 5 1 2 ︵J 2 ⊥ l n0 2 0 5 9 4 フ nO ∩︶ 4 ⊥ ⊥ 3 2 1 0 9 4 1 9 4 ⊥ ⊥ すなわち香川平均で1・6:31haでこれは朝鮮高上堰堤(3)に匹敵し,日本高上堰堤(3)0697に此すると著るしく大きい・云 いかえると.香川の貯水池余水吐の幅は全国的貯水池に比するとその満水面鏡に対する割合が小さいこ.とを示すものであ るい これを環境別にみると山地1・155ha,麓池145弛a,野池1り821haで山1也ほど小さく,野池は相当広くなっている‖ すなわち野池はど満水面積の割合に余水吐の幅が狭小である傾向がみられる・調査貯水池中の最大は14・フフ2baの奈良

(7)

259 第8巻 罪2号く1957) 須池(香川郡川岡村)でこれは野池である 次に余水吐の幅(Bm)と満水面桜(Aha)との問に存在する相関性を対数方眼紙上にプロットして検討した結果そ の相関性の有意性にほ環境によって差異があるが次のような関係式が得られる 日本高土曜堤 B=1・496A=$ (Ⅰ=0′504) 香川 山地 B=0い569Al一62 (Ⅰ−=0∫・381) 〝 麓池 B=0し577Al・丁さ (Ⅰ=○・764) 〝 野池 B=0.68ユAlハ26 (Ⅰ=0969) すなわち余水吐の幅と満水面積の相関性は野池において屈も密接で山池ほど有意性に乏しい・これは野池の規模大な る貯水池はど余水吐の幅も一般に大となる傾向が著るしいことを示し,山池の余水吐の幅ほその貯水池規模よりもむし ろその集水流域の規模によって左右されること.が大なる結果であろう・ Ⅶ 余水吐の幅および流積と集水面積との関節 集水面積の調査については序報(1)で述べたが,それが図上計測恢・よったため全国調査貯水池739個のうち,ノ図上でそ の集水流域を明確にしPlanimeterで図潮し得たものほ山地24胤麓池105個計13〕慣で野池ほその性格上悉く不明であ った 第8表 集 水 面 積(ba) 調査結果は第8衷の如く香川平均144・7ha,山地35フ・5ha,棄旭72・3baでさらに参考までに求めた日本高士堰堤(3)平

均269.5ba.同朝鮮425014haとなる・・この平均値では香川平均を・1とすると・山池は約2ハ5倍で大きく,麓池は0“5倍で小

さくなっているりまた全国的に.は日本高土堰堤約2胤同朝鮮約30倍と共に大で,香川の山地と日本高士堰堤がはぼ類

似である′集水面積の最大ほ山地でほ井閑地(三豊郡五郷付)の3〕5Sha,麓旭でほ神内地(木田郡西植田村)の1136ha であり,最小は大池(坂出市府中)の3baで夢池となっている・さらに参考までに求めた日本発竃堰堤(5)でほ香川平均 の約563倍で実に乳483haの大なる集水面積を示している ∴・・・・・−∴∴・:・J:ニー さて余水吐の幅と集水面積との相関性を換討するに先だち,余水吐の幅で集水面積を除した値すなわち余水吐1m当 の集水面積を求めてみると第9表の如くなるその結果香川平均で11ba,山地9・1ba,麓他11−1haと.なり,日本高土曜 短く$)で28ba,同朝鮮で8フ.3baとなる.すなわら香川の環境別では僅乾山池が鹿池より小さいが大差なく,ただ全国的貯

(8)

香川大学盛挙部学術報普 26C 水池に比すると香川は小と.なって:いるいいかえると香川の貯水池余水吐は全国的にみて集水面積に朗して大きい割合 の幅な有することが理解出来る・ 余水吐の幅(Bけり と集水面横(Aたm3)の相関性を環境別に山地,意地および比較のために日本高士堰堤匿ついて求 めて有ると吹か知き蘭系式);苛られる 日本高士堰堤 B=5608Al22 (Ⅰ=0・943) 香川 山地 B=5345Al01(Ⅰ=0864) 〝 麓池 B=フ。409Al・・197 (Ⅰ=0・99.1) 与?関係式から由記余水吐の幅と満水面積との相関性の場合に比して著るしい有意性がみられ,集水面積と余水吐の

顧摘醸なる関廃にあるととか鹿締出来るnこの3者は関係式が示すように著るしい差兵ほ認められないが,麓他の勾

配は山池に比してかなり急勾配である.これは集水面横の増大に伴い余水吐の巾の増加する割合が大なること・を意味す

るものである. 以上傘水吐の幅と集水面畷の相関性を吟味した科幅と叔大俗流水深との模すなわち流積と集水面積との関係な考察

するこ主は余水吐の性格を知る上に.さらに一つの手があ、りとなるであろう\余水吐の流桜に・ついてほすでに第Ⅵ節で検

討した・ この両者の関係を先づ日本高士堰堤償ついて求めると次式を得る(第4図) 00・即60 郁 l バ﹀ ごリ d− 2. 1 ︵0 6 4 2 .′ 0 人u 入り 0 魚水吐流横 言ご a 卜 01 02 04 06081 2 4 6 810 20 40 6080100 −■・A(kが)(災水面横) 罪4図 集水面私と余水吐流放との相関図(日本高士堰堤) a=3613Al1丁 (Ⅰ−=〇769) こ.こにaは余水吐の流積(が),Aは集水面敲(kmつ)であるその相調係数ほ・Ⅰ−=〕フ6〕で相当密拶な関孫がみら れる 次に香川の山池および筋池常ついて(野池ほ集水面積を明確にし得ないので検討不能)その相関性を求めると次式を 得る(罪5図) a=4..フフ9AO8ヱ (ー=0・845) a=4.645Al・08 (r=0一851) 山 池 麓 池

(9)

261 第8巻 第2号(195プ) 晶 池 抒池 11地 馬上 n 1 ()2 04 0′;081 2 4 6 810 20 40 6080=1 余水性沈積 ︵mご a A(km8)(基水面横) 解5図 集水面積と余水吐流積との相関図(香川) 何れも相関係数からかなりの密接斐がみられる第5図は以上を図示し,さらに,比較のため前記日本高土堰堤の恐繍 を併記したものである・すなわら山池ほやや頗傾斜で藤池笹比して集水流域が′」\さい祖図でほ流槌はがいして大である が,集水流域の増大に伴う流積の増加度ほ嚢他に比して小さい傾向にあること.を示している・日本高士堰堤に比しで− 般に膚川の流積の割合ば大であるが集水面棍大なる香川の山地のみほ全国的にみてがいして小さい傾向にあることが理 解出来る・ 近時異常降水などの原因から全国拘貯水池被害が余水吐の断面不足であるとの観点からその拡大の必要性が主張され っっある.それに.伴い香川県においても最近築造されつつある貯水池余水喰ほ以上在来貯水池匿比して相当大なる断面 が与えられつつある例えば1955年竣工した逆瀬旭(三億郡河内村)は集水面借2〇Shaに対して余水吐の幅31m,最大 溢流水深0」6mしたがって流積は186m3となり,余水吐1m当集水面横は・66baの値を示す小 この値ほ膚川平均の⊥1・ba, 山池平均の9・1ba忙比してかなり小さい 以上の検討は第Ⅳ節で述べた余水吐の堰上げを考慮に入れない計簸であるから,もしこの囁上げが供水の際容易に橡 去または流失しない場合ほ甚だ危険と云わざるを得ない1しかし余水l吐断面は集水面桟と共に降水患および流出率から その発現する洪水協,さらに前記流入型式との関連から考慮しなければならないがこれらの関係ほ別に貯水池水叉の場 合に採り上げることとする Ⅸ 摘 要 ユパ 香川の在来貯水池80ノ個の余水吐実態調査を基礎として全国泊貯水池余水吐と対比し貯水池相を検討したものであ る 2‖ 余水吐の有無ならびに余水吐規模の大小ほ貯水池流入型式(絵流型と分流型)によって左右されているようであ る 3,貯水池流入型式から調査貯水池を分頬すると殆んど相半ばし∴環境別には山池ほ41個中40個までが総流塑に,これ に.反して野砲ほ222個のうち189個までが分流型に属し,麓池は両型に属し317個のうち212個までが総流型である 4.調査個数00フ個のうち余水吐を有せるもぎの8フ個に達し,これほ.はとんど全てが野池である・これは前記流入型式 からみて分流塾に属するからであると考えられる

(10)

262 香川大学虚学部学術報告 5余水吐のイ立置は534個(82%)までが堰堤の右岸またほ.左岸の堰堤と地山の接合部設けられているり 堰堤上にあるも の55個,堰堤と分離して他山上紅あるもの9個である 6.余水吐が堤体上にあるものほほとんど野池であ′り,地山上にいあるものは.主とし藤池でああり,山池に.はこの2型式 ほみられない・ フ.余水吐の構造は横断形では矩形,縦断形では溢水路の形式のものが大部分であるが,88個(16%)は断面不規則な る素掘水路である 8.余水吐断面ほ幅1∼2m程度以上に.なると径間1m程度に阻柱を以て分割し,角落,土俵などで堰上げ満水位以上 の貯水を計らんと.するものが甚だ多い・ 9.余水吐上が橋梁として利用されているもの多くこれらのうちには柿下空間が狭小なるため暗渠か随導の如くその排 水流黄な・極度に.縮小せるものがある・ 10・満水面上余裕高は香川(611個)平均1−5m,山地2・1m,麓池1・6m,野池1・3mで野池はど小である・この余裕高 ほ前記余水吐上の堰上げによって015∼1mの減少を示すもので麓池,野池などほ甚だ危険と云うぺきである. 11.余水吐の幅は香川(660個)平均で3−19m,山地10・16m,麓旭2・77m,野砲2・39mで野池はど小である・ 12.余水吐の最大盗流水深ほ香川(652個)平均はつ52m,山地つ」フ5m,食油つ小55町野池○・38mで野池はど小である. 13、余水吐の排水流績は.香川平均で1・86m3,山地7い16皿ゴ,憩也1・6Sm3,野過つL93m雲で野砲はど小である 14.余水吐の幅1m当の満水面積の割合ほ香川平均で1・・631ba,山鳩1・156ha,麓也1”453ba,野池1・821baで野池はど 大である・ 15.余水吐の幅(Bm)と満水面積(Aba)との相調々係を求めると次式を得る・ 山 地 B二==0569Al62 (Ⅰ七0・・381) 麓 池 B=0一5アブAヱ・78 (rニ01フ64) 野 池 B=0・6∈き1Al・26 (王七0・969) 16貯査貯水池739個のうち集水流域な明にし得たものほ山地24個でその平均357・5ba,演出105個でその平均72.3ha で野池ほ悉く不明であった 17小 余水吐のIm当の集水面積の割合ほ香川平均で11ha.山地9llha,慮池Il・lhaとなるlこれほ月本高士堰堤の28ha, 同朝鮮のSフ・3baに比すると.香川ほほるかに小さい値を示す・ 13余水吐の幅(Bm)と集水面積(Akm3)との相関々係式として次式を得た・ 山 地 B=5.345Al01(1=0い864) 蔑 池 B=7・409Al・197 (Ⅰ七0」・991) 19一余水吐の流積(amヨ)と集水流域(Akmゴ)と.の相明々係式と.して次式が得られる 山 地 a=4rL779AO82 (Ⅰ=0.e45) 蛮 地 a=4645Al03 (Ⅰ=01851) あ と が き この調査研究ほ広範囲に.亘る困難なる現地調査資料を基礎にしたものであり,したがってその調査を分担された研究 室職員ならびに多数の学生諸君,さらに倭計検討を頑した脇谷助手,合田喜久子氏,専攻学生横井,長谷井,高騰,三 好,横瀬,中西の諸君の衡努力に対し厚く御礼を申し上げる. 参 考 文 献 (1)前川忠夫:かんがい用貯水池相に関する研究(序 (3)農菜土木学会:本邦高士堰堤誌,(1934) 報),香川大学農学部学術報告,8(1),(1956) 沌)前川忠夫‥貯水池の規模および形態紅ついて,農土 (2)前川忠夫:同上(堰堤について),同上,8(2), 大学会中国四国支部研究報告,(9),(ユ956). (195フ) (5)発電水力協会:日本発竃用高堰堤要覧,(ユ954) Rるs u m畠

l”This reportis aniqvestigation on the spillway of eOフexisting reservoirsin Xagawa Prefecture and

(11)

欝8巻 第2号(1957) 軍3

2.The chiefinvestigationin且ow types of reservoirs,Site,form,COnStruCtion,material,Width,OVer・flow depth,CIOSS・SeCtionalarea offlow,free board,and the circumstances of management,etC

3一The corIelation expressicn between thewidth of the spillway(Bm)and fullwateIarea(Aha)is ob− tained as follows

mountain reservoir B=0.569Al・62 bill・Side 〝 B=0.5フフAl・柑

丘eld B土日。.681Al2t;

4… The′correlationexpressionbetweenthewidthof spilway(Bm)andtatchmentarea}(Akm2)i畠qb as follows.

motintain reservoir B=5…345A bill_Side 〝 B=7.409A

5.The correlationexpIeSSionbetween the crosssectio ) is obtained as follows.

a=±4iフ79AO“82

a=4.645Alり03 mountainIeSerVOir

(12)

香川大学農学部学術報普 264 香川県に見られる古い塑の余水吐 写呉−2 藤池(三」豊郡辻村) 写亮一1.奥谷上地(綾歌郡造田村) 写真−4 粟屋池(三豊郡豊田村) 写真−・3 実光池(綾歌郡陶村) 写真−−6 高司下地(綾歌郡陶村) 写真−5 吉池(仲多度郡竜川村)

(13)

欝8巻 第2号(1957) 265 香川県に見られる比較的新らしい型の余水吐 写真−7∵営池(三豊郡比地大村) 写真−・−8 大谷池(三豊郡上高瀬村) 写真⊥101鴨池(三豊郡笠由村)‘(橋梁ほ国道橋) 写真一9 鶴亀池(三豊郡和田村) 写真−12 岩瀬池(三豊郡麻村) 写真−11大池(三豊郡勝間村)

Updating...

参照

Updating...

関連した話題 :