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和紙原料の醗酵精練 XIII 細菌の?酵条件がペクチン分解酵素の生産に及ぼす影響に就て-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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第フ巻 賃ユ号(1955) 6フ

和紙原料の酸酵精練

ⅩⅠⅠⅠ細菌の醗酵条件がペクチy分・解酵素の生産に及ぼす影響に就て

梶 明, 穴

Onthe retting ofplant fibre materialsforJapaneSe PaPer manufacture.XIIIOnthe influence of culturalconditionsontheformationof pecticenzymesbytherettingbacteria.

Akira KAJland YoshioA2qABUEl(I.aboratoryof TechnicalMicrobiology)

(Received May16,ユ955.Accepted asreceived.)

微生物のペクチソ分解酵素はベタチソを含有する堵他に生育するとき一段と生産が大になることほ相当古くから 知られていたようであるがKEBT屈SZ(1)もこの事実を記戟している.PEAyF(2)はア♂乃.Cゐ丹∫0邸邦〟∽を使用して polygalacturonase(PG)及びpectinesterase(PE)生産の適応性について実験を試み,D−galacturonic

acid,Z.−galactonicacid,muCicacid,PeCtin,peCticacid,gumtragaCanthが酵素生産に卓効のあることを

確認し,このかびがPG及PEを生産するには上記物質中の前三者に共通のCOnfigurationを有する化合物が必要 であることを証明した.小沢及び武田(3)はA畝∂γグgα♂,ア㈹.のゆα舛5鋸∽,Gg∂βγgggβ∫β〟あざ抑β抽を使用して米案源 及び窒素源の影響等を換討してprotopectinase(PP)の生成にはペクチソ,可溶性汲粉,デキストリyが好まし く,窒素源としてほ硝酸カVが好適であると報告した.朝井,斉藤(4)はA*.nig甜の一株を用いてdegumming enzyme,PP,depolymericenzyme,PG,PEと酵素作用を分類し,これ等野菜や菌体外生成に対する炭素源の 影響を換討し適応性の程度は各酵素により異り,PE最も顔着であり,PP最も少なかったと報告した・ これ等の報告は何れもかびを使用しているが細菌のペクチソ分解酵素の生産に関する報告ほみない.著者ほさき に和紙原料の醸酵精練に有効な細菌,CJ.カ心血都賄Var.威如彪血相初(う)を分激し,そのPP(6)及びPG(7)作動こ ついても報告した∴本報に於てはこの細薗を使用して培養条件が酵素生産に及ぼす影響及び醸酵中の酵素の生産状 況及び培地成分の変化を追求した.第10報(7)に述べた如くこの和薗はPP及び液化塾PGを多量に生産するがPE及 び糖化塾PGは僅かに生成するのみである,従って本報に於ても前二者の酵素の生産を問題とした,凍報中のproto−

pectinase(PP)とは従来と同じく rptting en2;ymeのことである.中英のpectin がprotopectin でなく

PeCtinであることからこの呼称は必ずしも適当でないがこのことについては又彼我に於てふれることにしてとり あえず従前通りの表現法に従う. 実 験 Ⅰ.培養方法 基木増養基を設定しようと試み,片桐がCg・似軸物舛如桝について成功した純合成培養基 (8),その栄養源組成を変更したもの,大豆柏を窒素源としたもの,ペプトンを窒素源としこれにgrowthfactors を添加したもの,大豆粘又はペプトンの加水分解液を窒素源としこれに・カーaminoberlZOicacid,ビオチソを添加 又は酵母の抽出液を添加した培養基,以上の種々の培養基に細菌を繁殖せしめたが常に確実に繁殖し最も適当する ものとしてペプトソ加水分解液に酵母抽出液を加えたものを使用した.即ち5倍量の10%硫酸でペブトyをユCOOで 30分,更に1200で1時間加熱した後バリ.タ水で中和,沿陸炭素処理,濾過した液を衣記の如く適量使用した.無機 塩類としてはSpEAEWANの塩,grOWthfactorsとして乾燥酵母の抽出液即ち酵母Igに蒸潜水100ccを添加,l 時間煮沸した後渡過した液を培養液100ccにつき5cc使用した・炭素源は原則として2%とした.種酵は玉萄黍酵 とし主醗酵液のろ包0容量を使用したがヘッドの部分のみを蕎加して液部は使用しなかった.種の接種直前に堵毒液を 370に加温した・べプ1、ソ加水分解液が良い成続を示したのは既報(5)の如くこの細菌がproteolyticenzymeS 乏しいためと考えられる. 町・酵素作用カの決定方法 PGの作用カは第1C報(7ノと同様に行った.第12報(明こ記載したと同じ理由で測定に は醗酵液を直接使用せず酵素液の調製は次の如く行った・願酵液を遠沈した後その一定量にアルコ←ルをフ0%にな

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香川県立農科大学学術報告 68 るよう添加し氷室に一夜放置後遠沈して沈澱をとりこれを元の遠沈液と同量の水に溶僻して酵素液とした・倍酵素 作用時間は1.5時間叉ほ3時間でそれぞれAl.5,A3.0と記載した.PPの作用力は次の配合となし370で24時間作 用した後水洗し,充分叩解して開繊状況及びペクチン含量を求めた.雁皮2g.酵素液24cc.McILVAINE緩衝液

(P王‡6.0)ユ5cc,蒸潜水48cc,トルオールユccを配合した.酵素液としては醸酵液を遠沈した液を使用した・

Ⅱ.窒素源の使用量 ペプトソ20gに10%硫酸100ccを添加して上記の条件で加水分解後中和した溶液ほ540cc となった.この液をTablelの如く添加して窒素源の最適畳を決定した.表中の含有百分率は元のペブトソに換 算した畳で加水分解中の損失量を度外視した含畳である.

Tablel.Effect of nitrogen source on enzyme producl:ion.

界1Time of fermentationin hours.

鵜2Titratable acidis represented as O.1NNaOI王soln.per10cc culturalmedia・

♯3 cellsin10cc of cultured media were centrifuged,dried and weighed.

桐Increase of reducingvalueis repre3entedasO.02N19SOh.consumedperlcc ofreactionmedia・

この結果をみれば糖消賓率は0.2%の濃度でも良好であり,菌体数も相当量に達するが,.PG,PPの作用特に後 者の作用カは著しく劣る.0.5%及び0.フ%の区分では各実験項目とも大差ないが酵素作用ほ0.7%区分の結果が優 れている.即ち窒素源の濃度はペブトソ加水分解液を使用して培養液中全窒素64.8mg/1COcc,アミノ態窒素とし て21.4mg/100ccの濃度を必要とする.但し米菓源は葡萄糖で平均濃度は1.72%である・ W.炭素源の影響 Table2に示す如き各種の糖を使用して酵素生産に及ぼす影響を検討した.D−galac turonicacidはEastmanKodak社,他は和光製品を使用した.

Table2.Influe皿Ce Of carbon source on enzyme production.

氷 Time ofincubationin hours.

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第7巻 第1号(195F) Table2中のPP ′ の生産を換討する とき,ペクチソに 対して特に生産量 大きく一応適応的 と判断される.上 記のPヱAFFの観 察の如きPG及び PEの著しい適応 U−き︰べゎく+裏話ミミ 蔓萱芸、ヽ旨。ミぢで さぷご㌻ ♀義、鴫 如こ童 hこくb、ミ、モ ミ d\b∼Ud喝 唇 音h童 ㌢\Uミ童 モヽ 性はPPについて坤 は認められなかつ たが galactose, 1actose,galact− uronic acidは生 産が大きい傾向に あることは指摘出 来た.次に可溶性 澱粉にみる如く多 糖類が良い影響を 与えるようであ る.しかしこの実 験区分に於ては細 菌の繁殖が他の炭 素源より優れてい るのでこの事実を 併せて考えると早 急に断定は出来な いが菌体数を考慮 に入れても倍葡萄 糖等よりは優れた 生産を与えるもの と考えられる.一 方麦芽糖を茨素源 にしたときのPP の生産ほ顕著に小 さい値を示した. 次に液化型PG については寧ろ構 成酵素の傾向にあ った.糖化塾PG についてはgalac turonic acid及 びpectinに対して 適応的であった. ヽ、匂て り、“d−空山に 4・ も・長ぎざ /O Z∂ JO Time ofincubationin hrs

Fig.1・Change of en2;ymic activityand composition of media during fermentation.(Carbon sourceis glucose)

釦 “く勺ヽ、、専 ぢ も咤セ㌔∴竃雲だ ク \り∴、 Time ofincubationinhrs Fig・2・ChangeOfenzymicactivityandcompositionofmediaduring fermentation・(Carbonsourceispectin)

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70 香川県立農科大学学術報告 Y・餞酵中の酵棄生産量及び液内戚分量の変化 葡萄糖叉ほべクチノを安寿源としたときの培養液中の各変化 を追求した.その結果をFig.1及びFig.2に示す.葡萄糖の濃度はl.84%,ペグチノの濃度は0.68%であった. (a)細菌の繁殖と平行してPG,PPは液内へ急激に溶出した.(b)P‡>,PG特にPPは葡萄糖の区分でほ最 高作用カが小さく,時間の経過と共に両酵素共葡萄糖区分では急激な饗退を示したが,べクチyの区分では最高作 用カが大であるのみならず長時間作用カを維持した,Fig.2に示されていないがフ2時間後も両酵素共にその作用力 は殆ど波少しなかった.(c)pG,PPの作用カの曲線はほぼ平行している.(d)葡萄糖の区分では参考のため に液内の窒素の畳を併せて追求した.アミノ態窒素が最小畳を示すとき菌体数及び酵素の生産は最大量を示した. 要 l.Cl.fdsineumvar.sihokianumのprotopectinase(retting enzyme)及びpolygalacturonaseの生産に 適当なる窒素栄養源の畳を決定した.即ちべプトy加水分解液を使用して茨素顔2%のときの最適窒素畳は全窒素 として10Ccc中64.8mg(アミ/態窒素として2l.4mg)であった. 2.10種類の茨素瀕について酵素の生羅状況を検討した結果,prOtOPeCtinaseはべクチソに対して適応性を示 したが液化塾polygalacturonaseは寧ろ構成酵素の傾向を元した. 3.葡萄糖又はペクチンを炭素源として酷酵申に変化する酵素の作用力及び液内諾成分量を追求した. 御懇篤なる御指導を賜わった京大片桐英即教授に深謝し,御激励頂いた東大北原覚雄教授に感謝の意を表する. 又galacturonic acidの入手に御便宜頂いた川村信一郎教授及びVan Slykeの装置を快よく使用させて頂いた 中浦三郎先生に感謝する.文案験費用の一部ほ文部省の昭和お年産科学研究助成補助金によった. (本報告の要旨ほ昭和29年11月13日開催の日本農芸化学会関西支部大会に放て講演発表渚) (1)EERでESZ,Z.Ⅰ∴丘瑠め.助考ゆγ5C九,5,247 (5)樟,斉藤:醗酵工学,30,242(1952)・ (1936). (6)梶:濃化,27,855(ユ953). 担)PⅡAFF,H.J∴AγCゐ.βわcぁの瑠リ13,6フ(1947). (7)梶‥同誌,27,699(1953)・ (3)小沢,武田:農学研究,37,159(194フ). (8)片桐‥酵素化学シソポジウム,6,1(ユ95]_). 佐)朝井,斉藤:農化,26,381,389(ユ952). (9〉 梶:凝化,28,695(1954). R占sum岳

A study has been done on the production of depolymeric polygalacturonase and pl.OtOpeCtinase

byClosi.jblsineumvar.sikokianum・Theoptimumnitrogen source wasfoundto behydrolysedpeptone

solution,andoptimun concentrationof nitrogen was 64・8mgtotalN or 2l・4mg amino N per100cc

of culturalmedia.When ten kinds of sugars shownin Table2were employed as carbon source,it

wasfoundthat protopectinasewasanadaptive enzyme while depolymericpolygalacturonasewas a

constitutive enzyme.ChangeS Of these enzymic activities and of the chemicalcomposition of media

were observed durir)g fermentation andthe results willbe seenin Fig・land2・

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