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フレーゲの定理について

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(1)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

第

1号

(1999)

フ レ ー ゲ の 定 理 に つ い て

田 火田 博 敏 * キー ワー ド:フ レーゲの定理

,フ

レーゲ算術, ヒュームの原理 は じ め に フレーゲは『算術の基礎』 §68で有限基数 (自然数

)の

明示的定義を与えた後

,以

下 §83までの 節において

,算

術の主要 な定理を導いている。 しか し

,そ

の導出の過程で実際に使われるのは

,数

の明示的定義 (すなわち「概念Fの基数とは “Fと 同数的である

"と

いう第2階概念の外延という 対象である」という定義

)で

はなく, ヒュームの原理と呼ばれる数の同等性を示す一種の文脈原理 である。数の明示的定義に含まれる概念の外延が数の同一性を同外延性によって規定す る原理と結 びつ くとき, ラッセルのパラ ドクスのような矛盾が導かれる。従 って

,矛

盾を避けるという観点か らは

,無

矛盾性の保証された原理を用いることが望ま しい。ブーロスは一連の論文(1)において, フレーゲが『基礎』において, ヒュームの原理という無矛盾な原理か ら (実質上ペアノ算術を含む) 算術の諸定理を導 くための十分なプログラムを与えていることを示 している。そ して

,そ

のような フレーゲの仕事は数学的にも意味があり,「フ レーゲの定理Jと呼ぶに相応 しいものである, と主 張 している。本論文は,「フ レーゲの定理Jと言われるフ レーゲの成果が どのように して確立され るのか

,そ

の実際の論証の作業を通 して, このプーロスの主張を確認す ることを 目的とする。そこ で, §1では,フ レーゲの定理を証明す る基礎となる形式的体糸である「 フレーゲ算術

Jを

ブーロ スに従 って構成 して,この体糸でのヒュームの原理の位置を定める。すなわち, ヒュームの原理の 無矛盾性を確認する。 §2で,『基礎』 §74-§ 83の議論を再構成す る形で, ヒュームの原理か ら ペアノの第2公理を含むいくつかの算術の定理を実際に導 く。

Sl

フ レー ゲ 算 術 の 構 成 まず

,フ

レーゲの『算術の基礎』の中心的部分 (すなわち §68-§ 83で 素描 され る算術の展開の プログラム

)を

捉 え るに十 分 な形式 的体系 を

,ブ

ー ロス に拠 って,「フ レー ゲ算術

J(FA:

Frege Arithmetic,以後

FAと

呼ぶ

))と

箸づけ, これを構成す ることか ら始め る

(FAの

構成 の 仕方はい くつかあるが, ここではBoolos[1987]の ものに従 う)。

FAの

基礎 となる論理体系 はペアノーラ ッセル式の論理記号で書かれ る標準的な第2階論理であ る。

FAの

変項は以下の3種類である:

(1)第 1階変項 (対象を表示す る変項

):a, b, c, d,m, n, x, y, z,…

;

(2)

田畑博敏:フレーゲの定理について (2)第 2階の1項変項 (概 念 を表示す る変項

):F,G,H,…

; (3)第 2階の2項変項 (2項関係 を表 示す る変項

):φ

, ψ

,一

。

FAの

言語の唯― の非論理 的記号 と して, 2座の述語記号 “η

"を

導 入す る。 これ については, Fη x と書 き ,「概 念Fが外延xに属 す る」 と読 む。つ ま り ηは

,概

念変項 と対象変項 に適用す る ことに よ り

,真

理値 を生む述 語記号で あ る。 これ は

,フ

レーゲ の外延 が対 象で あ って

,概

念Fが,「概 念 Fと同数 的で あ る (gleichzahlig)」 とい う高次概 念 の外延 (つま り概 念Fに属す る数 とい う対象) に対応 してい る,とい うフ レーゲの考 えを反 映 させ るための道具 であ る。

FAの

原子式 は,

Fx

Xφ y, Fη x, で あ る。 同一性 には

x=y

くう

VF(Fxや

→

Fy)

という形で第2階の定義が与え られる。(フ レーゲは『基礎』 §65でライプニ ッツに言及 している。)

FAの

公理と推論規則は

,通

常の第2階論理の公理と推論規則である。特に

,公

理の中に

,概

念 変項と関係変項に対する

,以

下の包括 [内包

]の

公理 (comprehension a

om)が

含 まれる: (1)ヨ

FVx(Fx←

→

A(x))

(A(x)の

中 にFは自由には 出現 しない。 )

( )ヨφ

VxVy(xφ

y←→

B(X,y))(B(x,y)の

中に φは 自由には出現 しない。)

FAの

唯―の非論理的公理9)と して

,次

の “

Numbers(数

)"を導入す る:

Numbersi v Fヨ

!xVG(Gη x→

F ttG).

ここで,“F ttG"は ,「Fと

Gが

同数的である (gleichzahlig)Jと いうことを表現 してお り

,第

2

階の論理式で書けば,

∃ φ

[Vy(Fy→

ヨ

!z(yψ

z∧

Gz))AVz(Gz→

ヨ

ly(yφ

zAFy))]

という式の略記表現である。 フ レーゲは『基礎』 §68で

,概

念Fに属す る [に対応す る

]数

を, 〈Fと同数的である〉 という第2階概念の外延 と定義 した。当然

,フ

レーゲは

,(Fと

同数的であ る〉 という概念の外延の存在 を前提 している。公理Numbersはこの前提を表現 している。 しか し

,フ

レーゲが §74以下で素描す る算術 の展開において

,彼

が実際 に用 いるのは

,公

理 : Numbersから導かれ

,か

つ数の定義 に明か らさまには言及 しない文脈原理である

,次

の ヒューム の原理である (この名称は, フ レーゲが §63で ヒュームを引用 しているゆえに, ブー ロスが提案 し ている名称である

):

ヒユームの原理

:

♯

F=十

G←→F∼G. ここで,“十

"は

概念変項 に付 された とき対象項を作 る関数記号であ り,“♯

F"は

「 概念Fに属す る数」 と読む。 “♯"という関数記号の導入によ り

, FAは

ここで定義 による拡大が なされ る。 こ の ヒュームの原理は

,概

念Fに属す る数 と概念Gに属す る数 とが同一であることの基準がFと Gと の同数性である,ということを主張す る。 この原理は

,高

次概念の外延 という数の明示的定義 に直 接 に関与 してはいない。 ヒュームの原理は数の存在 を暗黙に前提 してはいるが

,数

とはそもそも何 であるか という問いに直接答え ることはなく

,数

の同一性の基準を与えているにす ぎない。その意 味で, ヒュームの原理は数の明示的定義ではな く

,文

脈的・ 間接的な定義 にす ぎない。 この ヒュームの原理が充足可能であ り

,よ

って無矛盾である,ということをブー ロスは示 してい

(3)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

第 1号

(1999) 71

る。それは, ヒュームの原理を充足す るモデル

Mを

構成す ることによってなされる13Jo Mの領域

U

を

U=( 0, 1, 2, 3,…

…。

, XO }

とする。そ して

,概

念変項の変域を

{X:X⊆

U},す

なわち

Uの

巾集合とし

,関

係変項の変域を

{X:X⊆

U×

U},す

なわちU2の巾集合 とす る。

Uは

,Uの

すべての部分集合の基数を再び自 らの要素とする, という重要な性質を持 っている (自然数全体の集合:■

={0, 1, 2, 3,…

} はこの性質を欠いている)。 モデル

Mで

,関

数記号 “♯

"は

,Uの

任意の部分集合

Vに

対す る値 と, してVの基数 (つまりVの要素の個数

)を

与える関数 fと して解釈す る。 このモデル

Mで

の

,変

項への値の割 り当て関数 sを 定める (sは対象変項にUの要素を

,概

念変 項にUの巾集合の要素を

,関

係変項にU2の巾集合の要素を

,各

々割 り当てる)。 さてこのとき, ヒュームの原理が

Mに

おけるsで充足可能となることは

,次

のように して示され る。

Mの

定義により, ♯

F=♯

Gが

sで充足 され るのは

, S(F)の

基数と

s(G)の

基数 とが同一 であるとき

,か

つそのときにかぎる: s(♯

F=♯

G)=T

⇔

s(F)の

基数

=s(G)の

基数 … …①。 また,F tt Gが sで充足 されるのは

, S(F)と

s(G)が

1対1に対応 させ られ るとき

,か

つその ときにかぎる:

s(F ttG)=T

⇔

s(F)と

s(G)と

が1対1に対応させられる ………② ところで

, s(F)の

基数と

s(G)の

基数が同一であるのは

, S(F)と s(G)が

1対1に 対応させ られるとき

,か

つそのときにかぎる:

s(F)の

基教

=s(G)の

基数 ⇔

s(F)と

s(G)が

1対1に 対応させ られる 。……③ ①

,②

,③

より, s(♯

F=♯

G)=T O s(F―

-7G)=T

であるから, s(半

F=♯

Gや→F tt G)=T が成 り立つ。す なわち

,す

べての割 り当てsが

Mで

ヒュームの原理を充足す る。よって

,Mは

ヒュー ムの原理のモデルとなる。 同様 の議論 により

,公

理Numbersの充足可能性 も示す ことがで きる。

Mの

領域を先 と同 じ

U=

(0, 1, 2,…

, XO)と取 り

,V⊆

U, u∈

Uに対 して,

Vη

u

⇔

Vの

基教

=u

とす るとき, Numbersは

Mで

真 となる。 さて,このNumbersは

Mで

真となぅたか ら無矛盾である。 この無矛盾 な公理Numbersからヒュー ムの原理が導かれ る。Numbersが主張す ることは

,任

意の第1階概念Fに対 して

,(F∼

Fか

らη により

,Fη

xと いう形で得 られ る

)唯

一の数 (Fに属す る数

)xが

得 られ る,ということである。 そこで, Fに属す る数 辛Fを, 半

F=x

←→

VH(Hη

x←

→

Htt F)

…… (※) と定義す る。 これは, Numbersが Fη xという形で保証す るFの基数 と♯Fを繋 ぐ役割 を果たす。 この定義を介 して, ヒュームの原理は

FAで

証明できる律)。 フ レーゲは『 算術の基礎』 §73で, ヒュームの原理 を証明 しようと している。その際に

,フ

レー ゲは, “概念

[H:F∼

H]の

外延

=概

念

[H:GttH]の

外延" と, “

VH(H∼

F←→Htt G)"

(4)

田畑博敏:フレーゲの定理について を自由に行き来できるかのように考えていると思われ る。フ レーゲがそのように考えた理由は, ヒュー ムの原理 を支え る根本原理が,『算術 の基本法則』の悪名高い公理

(V)の

ヴ ァージ ョンであ る, 次の原理であ ると見倣 したか らであろう: 任意の第2階概念

C,Dに

対 して, Cの外延

=Dの

外延 ←→ [すべての第1階概念Hについて

, CH←

→DH]。 実際

,フ

レーゲが概念Fの基数を, Fと同数的であるという第2階概念の外延 という形で明示的 に 定義す るかぎ り,このような原理を基本 にせ ざるを得 ない。 しか し

,ブ

ーロスが指摘す るように, Numbersと違い

,こ

の原理か らは矛盾が導かれ る。ち 従 って

,無

矛盾なNumbersからヒュームの の原理が導かれるということは

,大

きな意義があることになる。 ところで

,一

見 した所

,単

純な原理に見えるヒュームの原理か ら多 くの算術の定理が導けるとい うことは驚 くべきことである。言い換えると, ヒュームの原理は無矛盾であるが

,見

かけほど弱 く はない。実際, ヒュームの原理からNumbersを導 くことができる笛ち しか し,と もか く

,無

矛盾で, しかも単純に見えるヒュームの原理 (または

Numbers)か

ら多 くの算術の定理を導 くことができること,このことをフ レーゲが実際に示 していることは特筆に値 すると言える。ブーロスはこのことを「 フレーゲの定理」と名づけ

,フ

レーゲのこの「 数学的」業 績をツェルメロの仕事に比肩するものと見倣 している。われわれは

,次

の節で ヒュームの原理か ら 多数の算術の定理

,特

にペアノの第2公理 (すべての自然数には後者である自然数が存在する)カミ フレーゲ流のや り方で証明されることを確認することにしよう。

S2

ペ ァ ノの 第

2公

理 の 導 出 さて, これか らブーロスに従い。),『算術の基礎』の線に沿 って, ヒュームの原理か ら自然数に 関する諸定理

,特

にペアノの第2公理として知 られ る「すべての自然数 (有限基数

)に

はその後者 (successOr)である自然数が存在する」を導出す る。 ヒユームの原理

(HP:Hume's Pttnciple):#F=♯

G←→F tt G. 定義

1(0の

定義

):0=♯

[x:x≠

x]. フレーゲは

,い

かなる対象もそれに帰属 しないこと (つまり矛盾 していること)カミ「概念の鋭利 な 境界づけ」の観点か ら自明であるような概念として,「それ 自身 と同一でない」という概念を採用 し, この概念に属する [対応する

]数

として

0(ゼ

ロ

)を

定義する (『基礎』 §74)。 定理

1:斗

F=0→

Vx¬ Fx.

『基礎』 §75でフレーゲは

,い

かなる対象も帰属 しない (任意の

)概

念に属する数はゼロであ り, 逆にゼロが属する概念にはいかなる対象も帰属 しない,と述べている。 《証明》 (1)♯

F=0

と仮定する。ゼロの定義 (定義

1)よ

り,♯

F=♯

[x:x≠

x]。 ヒュームの原 理により

,F∼ [x:x≠

x]。 ところで

, Vx¬

(x≠

x),つ

まり概念

[xix≠

x]は

空で ある。

F程

[x:x≠

x]よ

り

,Fも

空でなければならない。よって

, Vx¬

Fx。 以上より, 半

F=0→

Vx¬

Fx

が成り立っ………①。 (1)逆に

, Vx¬

Fx

と仮定する。論理法則

x=x, x=X→

(x≠ x→

Fx)よ

り, x≠ x →Fx………②。論理法則 司

Fx→ (Fx→

x≠

x)と

¬

Fx(仮

定より

)か

ら

, Fx→

x≠x ……・③o ②,③ よ り ∀ 挙 (Fx← →x≠ x)。 一 般 に,Vx(Px← → Qx)→ P ttQ が 成

(5)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

第

1号

(1999) 73

り立つ か ら, F∼

[x:x≠

x]。

HP(ヒ

ュー ムの原理

)に

よ り, ♯

F=♯ [x:x≠

x]。 ゼ ロの定義

:0=♯ [x:x≠ x]に

よ り

,♯

F=0。

以上 よ り

, Vx¬ Fx→

♯

F=0…

…④ が 成 り立 つ。①

,④

よ り, 半

F=0←

→

Vx¬ Fxo Q.E,D.

定義

2(前

者 [言 い換 え る と後者

]関

係 の定義

):

mPn

◇ ヨFヨ

y(Fy∧

♯

F=n∧

♯

Ex:Fx∧

x≠

y]=m).

フ レーゲは『基礎』 §76で, 自然数

mが

自然数nの前者である (言い換えると, 自然数nが自然数

mの

後者である (mの直後に続 く))という前者 (または後者

)関

係を,「概念Fに属す る数がnでイ あり,“概念Fに帰属す るが yと 同一ではない"という概念に属す る数が

mで

あるような

,概

念

F

とそれに帰属す る対象yが存在する」と定義 している。 定理

2:mPn∧

m′ Pn′→ (m=m′ ― n=nア)。 この定理は

,前

者関係が1対 1対応関係であることを示 している。 《証明》

mPn,m′

Pn′と仮定す る。これ らの仮定と前者関係Pの定義 (定義

2)よ

り

, F, yお

よび Ft y′ を

,各

々

,mPn,m′

Pn′に対応する概念と対象の組とす る。すなわち,

Fy∧

♯

F=n∧

♯

[x:Fx∧

x≠

y]=m,

および F′ y′ ∧♯F′=n′∧♯ [x′ :F′ x′ ∧xア ≠y′

]=m′

・……C)とする。

(1)m=m′

と仮定する。すると①より, ♯

[x:Fx∧

x≠

y]=♯

[x′ :F′ xア ∧x′ ≠y′ ]。 よって

, HPに

より

,あ

る1対 1写像 φが存在して,こ れにより

,[x:Fx∧

x≠

y]―

―/[xア :

F′ xア ∧x′≠y′]。 Fy, F′ y′であるから, φから作られる 1対 1写像 φ∪{く y, y′〉

)に

よって

,F∼

F′が示 され る。 これ と

HPと

① より

, n=♯

F=♯

Fア

=n4つ

まりn=n′。以上

より

,m=m′

→n=nアが示 された。

( )逆に, n=n′と仮定す る。す ると

,①

より♯

F=♯

F′だか ら

, HPに

より

,あ

る1対1写 像

ψによって F tt Fアである。よって,F′ y′であるy′ に対 して唯―の

Fxな

るxが対応 して,

xψ y′。また

Fyで

あるyに対 して唯―のF′ x′ なるxアが対応 して, yψ X′である。そこで,

ψ

=((ψ

― {〈 X, y′〉 〈y, x′〉

})∪

{〈 x, x′〉

})一

{〈 y, y′ 〉} とお くと, この φにより

,[x:Fx∧

x≠

y]袋

[xア !F′ x′ ∧x′≠y′

]が

成 り立つ。

HPに

より, ♯

[x:Fx∧

x≠

y]=♯

[x′ :F′ x′∧xア≠y′]。 よって

,①

より

,m=m′

となる。ち こうして

,(i),(

)よ り

m=m′

⇔

n=ntt Q.E.D.

定理

3(ゼ

ロはいかなる自然数の後者でもない

):

¬

mPO.

『基礎』 §78で,フ レーゲは

,前

者関係の定義か ら導かれる第6番目の命題として,「0以外のす べての自然数が自然数の系列中である自然数の後者となる」を挙げ, 0がいかなる自然数の後者で もないことを暗示 しているように見えるが

,ブ

ーロスはこれを否定 している。)。 《証明》 背理法による。

mPO

と仮定する。前者関係「

PJの

定義により

,あ

る概念Fと対象yに対 し て

,Fy,♯

F=0,♯

[x:Fx∧

x≠

y]=m

……①。ところが

,定

理1よ り, ♯

F=0←

→

Vx¬

Fx,ゆ

えに

, Vx¬

Fx,よ

って¬

Fy,こ

れは①の

Fyと

矛盾す る。よって

,¬

mPO

でなければならない。

Q.E.D.

定義

3(一

般系列関係の定義

):

xR*y

◇

VF[VaVb{(a=xVFa)∧

aRb→ Fb}→ Fy]

(6)

田畑博敏:フ レーゲの定理 につ いて べての子が有 しかつ親か ら子へ遺伝するような任意の性質をyが持 っているとき

,か

つそのときに かぎる,ということである。 ここで

,以

後の証明を実行す るのに都合の良い証明法を確認 してお くQO): (★)“x Rtty→ …y…

"と

いう形の定理を証明するには

, F=[z:…

z… ]とおき

,任

意 の対象

a, bに

対 して

,(a=xVFa)か

っ

aRbと

仮定 して

,Fbを

導けばよい。

その理 由はこうである。

xR*y→

…y… を示 さねばな らないか ら

,ま

ず

, xR*yと

仮定す る ことになる。つ まり

, Vavb{(a=x∨

Fa)∧ aRb→ Fb}と

い う条件 (※

)を

満たす

F

を取 ると

,そ

の

Fで

は

Fyが

成 り立っ, ということが仮定されている。そ こで

, F=[z:…

z…] とおいたとき,このFが先の条件 (※

)を

満たす ことが示 され るな らば, このFについて

Fyが

成 り立つのだか ら

,一

y…が導かれ ることになるか らである。以後,このや り方 を証明法 (★)と し て引用す る。 また

,一

般系列

RIを

前者Pを基礎 に した 自然数系列

P*に

限定 した場合 にも,この 証 明法 を用 いる。 定理

4:xRy→ xR*y

この定理 の意味 は ,「親 子

Jは

「 先 祖

Jの

特殊 例 で あ る

,と

い う ことで あ り

,フ

レー ゲは『概 念記 法』第3部で命題91と して述 べ てい る。 《証明》

xRyと

仮定する……①。示すべきことは

, xR*yで

あるから

,R*の

定義 (定義

3)に

より 任意のFに ついて

VaVb{(a=xVFa)∧

aRb→ Fb)と

仮定 して

, Fyを

導けばよい。

そこで

, Vavb{(a=x∨

Fa)AaRb→

Fb)と

仮定する……②。ここで

, a=x, b=

yとおいて②に全称例化を施すと

,(x=xVFx)AxRy→

Fy。 論理法則

x=xと

,①

より

xRyだ

から

,(x=x∨

Fx)AxRyが

成り立つから

, Fyo Q.E.D,

定理

5(Rキ

の推移性

):xR*y∧

yR*z→ xR*z,

この定理も『概念記法』で命題

98と

して述べられている。 《証明》

xR*y…

…①

, yR*z…

…②

,さ

らに

VaVb{(a=xvFa)∧

aRb→ Fb}…

・③ と 仮 定 して

,Fzを

導 け ば よい。 と ころで

,②

で

yR*zだ

か ら

, VaVb{(a=yVFa)Aa

Rb→ Fb)を

示せ ば十分で あ る。 なぜ な ら

,そ

れ か ら

Fzが

導 かれ るか らで あ る。 そ こで

,任

意 の

a, bに

対して

,(a=yVFa)∧

aRb

と仮定する……・④。示すべきことは

Fbで

ある。 ①より

, xR*yだ

から

, VaVb{(a=x∨

Fa)AaRb→

Fb}→

Fy…

…・⑤o ③と⑤よ

り

, Fyが

導かれる。④ より

, a=yVFaだ

か ら

, Faが

導かれる。ゆえに

, a=xVFaさ

ら

に④より

aRbだ

か ら

,(a=xVFa)AaRb。

これと③より

, Fbo Q.E.D.

定理

6:xP*n→

ヨ

mmPn∧ Vm[mPn→ (xP*mvx=m)].

この定理の意味は「nがxで始まる自然数系列に属するならば, nの前者が存在 し

,か

つnのいか なる前者もxで始まる自然数系列に属するかまたは xそ のものである

Jと

いうものである。 《証明》 P*は

R*の

特殊例 とみなす ことができるか ら

,証

明法 (★

)を

用いるために

, F=[z:∃ m

mPz∧

∀

m(mPz→ [xP*mVx=m])]…

…①

,と

お く。そ して

, xP*nを

仮定す る。 任意の

a, bに

対 して

,(a=xVFa)∧

aPb…

…②,と仮定 して

,こ

の仮定の下で

Fbを

導 74

(7)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

第

1号 (1999) 75

けば十分である。②で

aPbだ

から

,ヨ

mmPb…

……③。いま

,任

意の

mに

ついて

mPbと

仮定 する… …④。これと

,定

理2と②の

aPbよ

り

,m=a…

…⑤o ②の仮定により

,場

合に分ける。

(i)a=Xの

とき

,⑤

より

x=m。

∴

xP*mVx=mo

④の仮定より

, Vm(mPb→

Ex P*

mVx=m])…

……⑥ が示された。 (

)Faの

とき。①の仮定の前半より

,あ

るmアに対して,m′ Pa。 ∴後半からxP*m′

Vx=m毛

m′

Paと

⑤の

m=aよ

り,m′ Pm。 もしxP*m′ ならば

,定

理4よ りm′

P*mだ

から

,定

理5 より

xP*m。

もしx=m′ ならば

, xPm,定

44よ

りxP*m。 いずれにしろ

xP*m。

よっ て

, xP*mVx=mo

④ の仮 定 よ り

, Vm(mPb→

[xP*mvx=m])…

……⑦ が 示 され た。 ③

,⑥

,⑦

により

,ヨ

mmPb∧

Vm(mPb→

[xP*mvx=m]),す

なわち

Fb

が導け た。

Q,E.D.

定理

7:OP*n→

¬

nP*n,

「0で始 まる 自然 数 系列 に属す る任 意 の 自然 数 は 自分 自身 の後続 者 で は ない」 とい うのが 定理 の意 味である。フレーゲは『基礎』 §83で

,こ

の定理を述べている。 《証明》 証明法 (★

)を

用いるために

,F=[z:¬

zP*z]…

……① とおく。さらに

,任

意の

a, b

に対 して

,(a=0∨ Fa)∧

aPb…

…・② と仮定する。示すべきことは

Fb,す

なわち¬b

P*bで

ある。いま仮に

bP*bと

おく。定理 6よ り

,Vm(mPb→ [bP*mVb=m])だ

か ら

,②

の

aPbに

より

, bP*avb=a。

場合に分けて

, bP*aの

とき

,定

理 4よ り

aP*b

だか ら

,定

理 5よ り

, aP*ao b=aの

とき

, aPaと

定理 4よ り

, aP*a。

いずれ

にせよ

aP*a。

つまり

,¬

Faで

あるか ら

,②

の

a=OVFaよ

り

, a=O。

∴

OP*O。

定理 6よ り

,ヨ

mmPO。

これは定理3に矛盾す る。よって

,¬

bP*bで

なければならない。こうし て

, Fbで

あることが示された。

Q.E.D.

定義

4(大

小関係の定義

)i n≦ n

⇔

mP*nVm=n,

定義

5(有

限数の定義

)i nが

有限である ⇔

0≦

n, 定理

8:mPn∧

OP*n→

Vx(x≦

m←→ x≦ n∧ x≠ n), 定理の意味は「

mが

, 0で始まる自然数系列に属す るnの前者であれば

,m以

下であるすべての自 然数は nょ り真に小であり逆も成 り立つ

Jと

いうものである。 《証明》

mPn…

…①

, OP*n…

…② と仮定す る。 もしx≦

m,す

なわち

xP*nVx=mな

らば, ①と定理4により

mP*nだ

か ら

,定

理5により

xP*n。

∴

xP*nVx=n,定

義4により, x ≦n……③ 。 い ま仮 に

x=nと

す る と

, nP*n。

しか し

,②

と定理7より¬

nP*n,よ

って 矛盾。ゆえに

x≠ n…

…④。よって

,③,④

よりx≦ n∧ x≠n。 以上より, x≦

m→

x≦ n∧ x≠ n。 逆 に

,x≦

n∧ x≠nとす る。定義4より

,xP*nVx=n,し

か しx≠nだか ら,

xP*n。

よって

,定

理 6よ り

,mPn→ xP*mVx=m。

これ と① より

, xP*mVx=m。

よっ て定義4により, x≦m。 以上より, x≦ n∧ x≠ n→ x≦

mo Q.E.D.

定理

91mPn∧

OP*n→

♯

[x:x≦

m]P♯

[x:x≦

n] 定理の意味は「0で始 まる自然数系列 に属す るnが

mの

後者であるな らば, n以下であ るという概 念に属す る数は

m以

下であるという概念に属す る数の後者 となる」 というものである。

(8)

田畑博敏:フレーゲの定理について 《証明》

mPn∧

OP*n…

…① と仮定する。定理8よ り

, Vx(x≦

m←→x≦ n∧ x≠

n)だ

から,

Ex:x≦ m]代 [x:x≦

n∧ x≠ n]。

HP(ヒ

ュームの原理

)よ

り

,半

[x:x≦

m]=♯

[x:x≦

n∧ x≠ n]。

F=[x:x≦

n]と

お くと, n≦ nだ から

,Fn。

ところで

,[x:

x≦n∧ x≠

n]∼ [x:Fx∧

x≠

n]だ

か ら

, HPに

よ り

,半

[x:x≦ nAx≠ n]=♯

[x:Fx∧

x≠n]。 よ って

,Fn∧

♯

F=♯ [x:x≦ n]∧

半

[x:Fx∧

x≠

n]=♯

[x:x≦

m]。 ょ って

,定

義2よ り,♯

[x:x≦ m]P♯ [x:x≦

n]。 以上 よ り

,mPn∧

OP*n→

♯

[x:x≦ m]P♯ [x:x≦

n]。

Q.E.D.

以上の定理 8と 定理9は ,フ レーゲが『基礎』 §82で明示的に述べている次の定理 (定理10)の 準備となるものである。 定理101 mP n→ (0≦ m∧

mP♯

[x:x≦ m]→

0≦ n∧

nP#[x:x≦

n]) 《証明》

mPn…

…①, 0≦

m∧

mP♯

[x:x≦

m]…

…・② と仮定する。②のO≦mと 定義4よ り

OP*m∨

0=m

である。

OP*mの

とき

,①

と定理4に より

mP*n,よ

って定理5に より,

OP*n,∴

OP*nVO=n,す

なわち0≦

no O=mの

とき

,①

より

OPn,ょ

って定理4よ

り

OP*n,∴

0≦ n。 いずれにせよ, 0≦ n……・③o ②で

mP♯

[x:x≦ m]だ

から

,①

と 定理2によ り

, n=♯

[x:x≦

m]。 ① の

mPnと

上 の

OP*nと

定理9によ り, 十

[x:x≦

m]P♯ [x:x≦ n],ゆ

え に

nP学 [x:x≦

n]。 よ って

,③

よ り

0≦ nAnP♯

[x: x≦ n]。 以上 よ り,

mPn→

(0≦ m∧

mP♯

[x:x≦

m]-0≦

n∧

nP♯

[x:x≦

n])。

Q.E.D.

定理

11:OP♯

[x:x≦

0]. (『

基礎』 §82) 《証明》

F=[x:x≦

0]と

おくと, 0≦ 0だ から, FO… …・①。また, ♯

F=♯ [x:x≦

0]い・②。 いま仮に

, xP*0と

すると

,定

理6の前半より

,∃

mmPO

となり

,定

理3と矛盾する。よっ て

,¬

xP*0…

…・③。定義4よ り, x≦ 0←→

xP*0∨

x=O。

ゆえに, x≦ 0∧ x≠ 0←→

xP*0∧

x≠0……④o ③より

,¬

xP*OVx=0

だから

,コ

(xP*0∧

x≠ 0)。 よって, ④より¬ (x≦ 0∧ x≠

0),∴

¬

(Fx∧

x≠

0),∴

∀x¬

(Fx∧

x≠ 0)。 ところで

,定

理 1よ り,♯

[x:Fx∧

x≠

0]=0→

Vx¬

(Fx∧

x≠

0)だ

か ら,♯

[x:Fx∧

x≠0]

=0…

…⑤o ①

,②

,⑤

よ り

,FO∧

♯

F=♯ [xix≦

0]∧

♯

[x:Fx∧

x≠

0]=0,ゆ

え に

,ヨ

Fヨ

y[Fy∧

♯

F=+[x:x≦

0]∧

♯

[x:Fx∧

x≠

y]=0]。

よ って

,定

義 2よ り

,OP♯ [x:x≦

0]。

Q.E,D.

定 理

12:0≦

n→0≦ n∧

nP+[x:x≦

n]. 《証明》 0≦

n…

…① と仮 定す る。① と定義4より

, OP*nVO=n。

(1)0三

nのとき

,定

理 11よ り

, nP♯

[x:x≦ n]が

成 り立 つ 。(

)OP*nの

とき。証 明法 (★

)を

用 い るた め

, F=

[z:0≦

z∧

zP♯

[x:x≦

z]]と

お く。

Vavb[(a=0∨

Fa)∧ aPb→ Fb]を

示す 。 そ こで

,(a=oVFa)∧

aPb…

…② とお いて

, Fbを

示せ ば よい。

a=0の

とき, 0 ≦0よ り0≦ a。 また定理 11よ り

, aP♯

[x:x≦

a]。 よ って, 0≦ a∧

aP+[x:x≦

a],

つまり

Fa。

いずれにせよ

Fa…

…③。定理10よ り

, aPb→

(Fa→

Fb)。 よって

,②

の

(9)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

第

1号

(1999) 77

定理13i nが有 限で あ る→

nP♯ [x:x≦ n].

《証明》 nが有限であるとす ると

,定

義 5よ り, 0≦ n。 定理12よ り, 0≦ n→

nP♯

[x:x≦

n]で

あるか ら

, nP♯

[x:x≦

n]が

導ける。

Q. E.D.

定理13の意味は「nが有限ならば,〈n以下の数である〉という概念に属す る数がnの後者とな る」である。従 って

,任

意の自然数 (有限基数

)に

は後者である自然数が存在することが示された。 こうして,『概念記法』の第2階論理の体系で数学的帰納法が導かれ る (『概念記法』第3部命 題81)から,『基礎』において,フ レーゲは実質的にペアノの公理糸を導出 している。 註

(1)Boolos[1986-7][1987][1990][1995][1996]参

照。 また野本 [1999]はこの主題をは じめとす る,フ レーゲの数学 の哲学 に関連 した最近の動 きに見通 しを与える有益 なサーヴェイ である。 (2)Numbersと いう公理 を「 非論理的Jとす る断言はブー ロスによる (Boolos[1987]186頁)。 (尚

,ブ

ー ロスの引用 の頁づけはBoolos[1998]のテキス トによる。以下 同様。

)フ

レーゲが 外延 を論理的 な対象 と見倣す ことか ら推測すれば

,彼

は この公理 を「 論理的」 と考える可能性 がある。 (3)Boo10s[1987]p.187f. (4)定義 (※

)を

介 して, ヒュー ムの原理 :♯ F三十

G―

F――

G

は以下 のよ うに証 明され る。 (→ :)♯

F=♯

G

と仮 定す る。 ♯

F=x←

→ ♯

F=xよ

り, ♯

F=x←

→ ♯

G=x

で あ るか ら

,定

義 (※

)に

よ り,

VH(Hη

x←→Htt F)や→ ∀

H(Hη

x←→Htt G)…… ① ところで

,定

義 (※)と半

F=♯

Fより,

VH(H

η ttF← →

H∼

F)

……② ①

,②

より ∀

H(Hη

♯

F―

Htt G)…

…③ こ こで,F tt Fだか ら

,②

に よ り

,Fη

♯

Fo

③ よ り

,Fη

♯F→F―-7G。 ∴F tt G。 以 上 よ り, ♯

F=♯

G→

F tt G。 (←

:)F tt G

と仮 定す る。す ると

,任

意 のHに対 して

,H∼

F←→H――G。 ゆえ に,

VH(Hη

x←→

Htt F)⇔ VH(Hη

x←→H――G)。 定義 (※

)よ

り, ♯

F=x―

VH(Hη x―

H―-2F) ♯

G=x←

→

VH(Hη

x←→Htt G) これ らよ り, ♯

F=x←

→ ♯

G=x

が 出 る。 ところが, ♯

G=♯

G。 .・.♯ F三十G。 以上 よ り, F――

G→

十

F=♯

Go Q.E.D.

(5)ブーロスはBOOlos[1986-7]173頁 で以下のように して, この原理か らも矛盾が出ることを 示 している。 ηを次のように定義す る。Fη

x―

ある第二階概念Dに対 して

, x=D*か

つ

(10)

田畑博敏:フ レーゲの定理 について DF。 ここで

,D*は

「

Dの

外延」を意味す る。一段階上の包括公理 により

, C=[F:ヨ

x (¬Fη

xAFx)]と

お く。最低階の包括公理 によ り

,X=[x:x=C*]と

す る。いま, Xη C*と仮定せ よ。す ると, ηの定義 により

,あ

る二階概念Dに対 して

, C*=D*か

つDX。 これ より

,問

題 の原理 によ り

,CX。

ところが, Cの定義 により

,ヨ

x(¬

Xη x∧ Xx)。 よって

,あ

るxにつ き

,¬

Xη

xAXxo Xxと

Xの定義により

, x=C*。

ゆえに¬Xη C*, ∴矛盾。そ こで

,¬

Xη C*とす る。 ηの定義 より

,¬

ヨ

D(C*=D*ADX)。

ゆえに, V

D(C*=D*→

司

DX),よ

って

, C*=C*→

¬

CX,ゆ

えに

,¬

CX。 しか し, Cの定義よ り

,¬

∃

x(司

Xη x∧

Xx),

ようて

, Vx(Xx→

Xη x)。 ゆえに

XC*→

Xη C*。 と ころが

,C*=C*と

Xの

定義 よ り

,XC*。

ゆえに

,Xη

C*と なり矛盾である。

(6)Fη

x→

x=辛

Fとお くと, ヒュームの原理:♯

F=+G←

→ F tt G か ら, Nunbers i

VFヨ

!xvH(Hη

x←

→

Htt F)は

以下のように して導かれ る。任意のFを取 る。 このと き

, VH(Hη

x←

→

H

F)と

なるxが唯一つ存在す ることを示 さねばならない。 いま

,任

意のHを取 ると, ヒュームの原理 より

,十

H=♯

Fや→

H∼

F。 す なわ ち

, VH(♯ H=♯

F

←→Htt F),∴∃ x∀

H(♯

H=xや

→H tt F)。 xの唯一性は次のように して分か る。

VH(♯

H=xl(→

Htt F), VH(♯

H=x2(→

H∼

F)と

お く。F∼ Fだか ら

,♯

F=

xl,半

F=x2,∴

Xl=x2。

∴∃

IXVH(♯

H=x←

→Htt F)。 “η

"の

上の定義により, ヨ!x∀

H(Hη

x←→Htt F)。 よって

,VFヨ IxVH(Hη

xや→

H∼

F)。

Q.Eo D.

(7)この節はBoolos[1990]Appendix,pp.217-2191こ 負 っている。

(8)x=y, x′

=y′のときは,〈x, y′〉

=〈

y, x′〉

=〈

x, x′〉だか ら,(ψ一 {〈x, y′〉

〈y, xア 〉

})∪

{〈x, x′ 〉

)=ψ

となり, φの最後の項 :一 {〈y, y′ 〉

}に

よ って, ψ か らφへの制限が実現す る。 (9)『算術の基本法則』 §44は

,フ

レーゲが『基礎』 §78の第6命題に “

Vm¬

mPO"を

合意さ せ ようという意図の無か ったことを明らかに している

,と

ブーロスは指摘 している。Boolos [1996]282頁 参照。 (10)Boolos[1990]p.217. 参 考 文 献

Boolos,G.[1986-7]:“ Saving Frege from contradiction",酢c∝ι】テ鞄姿 ο/励ι翔 励 α%S6ι″rt/サ 87,

pp■37-151,DemopOulos[1995]お よびBoolos[1998]に再録。

Boolos,G.[1987]: “The consistency of Frege's Лttη顕肋カフ密9アィ乳万ナルタιttθ'',in」. J. Thomson(ed.),

効 a勿ぽ 翻″sのげ夕,g:島s,卵頚

/兒

灘

dG励

働ナ,pp.3-20,DemopOulos[1995]お よび

Boolos[1998]に再録。

Boolos, G.[1990] : “The standard of ttuahty of n,mbers'', in Boolos [1990a], pp.261-277.

Demopoulos[1995]および Boolos E1998]に 再録。

Boolos,G.(ed.)[1990a]:れ疱η力τ″″肋防肋ブf垣むδ,外力 fr9z9/9/河 テ′qノ励 肋夕紹,Camb dge U,P.

Boolos, G.[1995]: “Frege's theorem and the Peano postulates'', BJT〃 ι力%9/Sノ物うο′ゲθ Lttc, 1,

pp.317-326.Boolos[1998]に再録。

Boolos, G・ [1996]: “On the proof of Frege's theorem", in A・ lorton and S, P, Stich (eds,), 虎 陶じ勢街α

/滅

肪s″チゲ岱,Blackwell,Boolos[1998]に再録。

(11)

鳥取大学教育地域科学部紀要 地域研究 第

1巻

第

1号

(1999) 79

DemopOulos,W― ←

di)[19"]:隣

e騨′,pヶぬ

o閉

9/物肋″力α″岱,Har▼ ard U,P,

Fr攣 ,G.[18醜

]:励

釘滅 ′糊 ″ カ チ紘 ″力

.D%慰

誠 瘤 ル解″粒ル 物?ィ彰ル を夕肱 肋 Bttt灯″″サ乃″,Wilhelm Koebner.

野本和幸 [1999]:“G.フ レーゲ『算術の基本法則』における論理と数学の哲学七 東京都立大学人文学 報

,第

295号, 1-96頁p

(12)

参照

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