愛知工業大学研究報告 第39号A 平成16年
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藤 井 勝 紀
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ABSTRACT The Rohrer i
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緒 言R
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指数は、R
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が1908
年に発表した身体 充実指数といわれている指数であり、体重を身長の 3 乗で割った数値で、ある。この数値は目出荷の判定にも適 用されてきた経緯がある。高石1、)I
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1
Z)、 船川等3)はこの指数による体型の検討を行ってきたが、 近年ではB
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が体型、特に肥満判 定には国際的に認められてきているのであまり取り上 げられていないのが現状である。 それはR
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指数の有する指数としての安定性であ る。高石と大森4)はR
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r
指数の年齢的推移に関する 縦断的なアプローチを試み、その加齢変化のパターン を検討した。その中で彼らは平均的には下方に緩やか な凹状の曲線を示し、男子より女子の方が思春期以降 の上昇が激しいと報告している。そして、個々に見る と変動は激しく、ほぼ平行に加齢推移しているパター ンが約半分の割合を示したと報告している。このよう なR
o
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r
指数の加齢変化は肥満判定として有効である かは疑問が指摘される。 愛知工業大学基礎教育センター 総合教育教室健康科学 このような疑問に対して水野5)は身長約1crnにつき Rohrer指数の平均は1. 1~ 1. 2 ほど減少し、身長が小と なれば同様に指数は大となる傾向を説明しているが、 これは指数が、 3桁の数値である以上、身長、体重の 僅かな変化が大なる指数の変動を示すことは当然の数 値論理である。また、市中、戸)も単純にある特定の数値 を肥満度の限界とするのは問題があると述べているよ うに、R
o
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r
指数の体型評価についてはその加齢変化 の不安定性から見ても問題が提起される。 しかしながら、別Iにおいては他の事象要因との関係 が報告されているように、R
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r
指数についてもその ような関係が見出せるのではないかと考えた訳である。 つまり、R
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r
指数の加齢変化を数学関数で表現でき れば、その変化が敏感に投射され、高石と大森3)が指 摘した平均的には下方に凹状の曲線が明確化され、さ らにその凹状の変曲点が特定でき、生物学的なパラメ ーターとしての意味が見出せるのではなし、かと仮設し たわけである7)D そこで今回は数学関数として藤井制 10)、藤井ら11) ロ)lの14)15)が近年提唱してきたウェーブレット補間法に よって、R
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r
指数の6
歳から1
7
歳までの加齢現量値に 対して適用する。そして、加齢変化における最凹点を 特定し、特定された年齢と初経年齢及び身長のMPV年齢との関係を検討し、初経発来の予測における妥当性 について議論するものである。 方 法 1、 対 象 対象として、愛知県内の某女子短大 1年生約 100 名を対象として、初潮年齢をアンケート方式によって 調査した。また、発育状況として、健康診断票の小学 1年から高校3年まで (1986年から1998年まで)の身 長と体重の縦断的測定値を得た。そして、得られた縦 断的資料の生年月日を調査した。さらに、得られた資 料から完全に資料の揃ったもの、 53名が抽出された。 そして、 53名の身長と体重の縦断的測定値から、小学1 年から高校3年までの各学年ごとのRohrer指数を算出 した。 2、アンケート調査方法 対象となった女子(53名)に対し、より正確な初経年 齢を調査する。そのため、アンケート調査により小学、 中学、高校時における運動実施状況、練習日数、運動 成績についてアンケートに記入する方法で、調査を行っ た。この調査は初経年齢前後において規則的なトレー ニングが実施されているかどうかの調査である。規則 的なトレーニング、が実施されていればそれらの者は除 外する必要があるからである。また初経年齢と初経が きてから次の月経がきた月、月経の周期が一定に定ま るまで、何ヶ月かかったかを記入してもらう。アンケー ト調査方法については先の報告7)で示しであるのでこ こでは省略する。 3、解析手法 ウェーブレット補間法(Wavelet Interpolation Method: WI附に関する理論的背景やその有効性につい ては、先行研究(藤井7) 8) 9)、藤井等10)ωω13) 14))で すでに述べてあるので、ここではウェーブPレット補間 法を適用した手続きについて述べておく。 1)身長と体重の断的発育現量値に対してウェーブ、レツ ト補間法を適用し、発育現量値およひ漣度曲線を描 き、描かれた速度曲線からそれぞれのM P V年齢を 特定した。 2)各年齢における身長と体重値からRohrer指数を算出 し、算出されたRohrer指数値の6歳から17歳までの現 量値に対して個々にウェーブ、レット補間
1
去を適用す る。 3)ウェーブ、レット補間法によって描かれたRohrer指数 の加齢現量値曲線から、下方に湾曲している曲線の 最凹点を検出し、個々に最凹点年齢を特定する0 4) Rohrert旨数の最凹点年齢およひ湧長の'MPV年齢の正規 性を正規分布関数から検討し、両年齢の差(inter -val)について検討する。 5) Rohrer指数の最凹点年齢と初経年齢の差 (interval) における正規性を検討し、両年齢の差(interval)に ついて検討する。 結 果 1、 Rohrer指数の平均加齢変化 Fig 1はウェープレット補間法によって描かれた Rohrer指数の平均値の加齢変化である。この図から分 かるように、下方に湾曲した最凹点を有する曲線とし て描かれている。ちなみにこの最凹点を特定すると 11.0歳であった。つまり平均的に判断すれば11.5歳で 明らかに体型の変局点が存在することになる。また、 平均の身長発育についてウェーブレット補間法で描く と、 Fig2のようになり、 Fig2のグラフから発育速度 曲線におけるMPV年齢を特定すると11.0となり、Rohrer 指数の平均加齢変化とほとんど重なる結果となる。も ともと身長のMPV年齢(思春期ピ}ク年齢)は体内分泌 濃度の変換期を示す生物学的パラメーターとしての意 味を有することからRohrer指数の加齢変化における最 凹点は体型の変局点を意味付けるには十分妥当性があ ろう。(しかしこれはあくまでも平均的な結果である ので個々のデータについて解析する必要があろう。) 2、個々のRohrer指数の加齢変化と身長のMPV年齢と の関係 Fig3は53名の女子のサンプルグ、ラフである。これら のサンプルグ、ラフは個々のRohrer指数の加齢変化にウ ェーブレット補間法を適用して措かれたものであるが、 平均加齢変化ほど明確に滑らかな下方に湾曲したグラ フではないが、最凹点は十分に判断できる。もちろん データの中には波動の著しいグラフはあるが、最凹点 が特定できないデータは割愛しであることに留意され たい。最凹点が特定されたデータにおいてその年齢の 統計値を算出すると、最凹点年齢は11.51歳(SD=1.14)、 その時点におけるRohrer指数は114.1 (SD=10. 9)とな り、個々に導かれた身長の昨V年齢を集計した結果、 11.04歳 (SD=O.95)となり、あまり差がないことが示 された。そこでこのことを明確にするために、 Rohrer 指数の最凹点年齢と身長のMPV年齢の玉規性を検討し、 さらにRohrer指数の最凹点と身長のMPV年齢の差 (interval)を個々に算出し、その差 (interval)の 正規性を検討した。その結果、 Rohrer指数の最凹点の 正規分布関数を以下に示すと、R
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指数の発育学的意味 91T
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P
V
年齢の正規分布関数を以下に示すと、 制 -11侶 9)2 0.3)ぐ53-f(
判 =
f
2
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r
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1.7
1
、身長のM
P
V
年齢では5
2
.
9
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となり正規性と妥当性 は認められた。(
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F
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)
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指数の最凹 点、と身長のM
P
V
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1
)
のE
規分布関数 は以下に示す通りである。ω
ω
u.468Y" 0.3)ぐ53 -_:一一一ーー←ムーf
(
.
利 =
[
2
;
r
Xl.ill73e 2(1的 手
1 ・級間値 これによりX02値は5
3
.
0
2
となりそのE
規性の妥当性は 認められた。R
o
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指数の最凹点、身長のM
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o
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P
V
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)
の正規性が認められたことから、R
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指 数の最凹点と身長のM
P
V
年齢との差(ユn
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1
)
は有意 な差 (P<O.Ol)が認められた事になる。3
、個々のR
o
h
r
e
r
指数の加齢変化と初経年齢との関係、 女子5
3
名における身長のMPV年齢の統計値と同様に 初経年齢の統計値もすでに先の研究で導かれているの でその統計値を使用すると初経年齢は、1
2
.
1
6
歳(
S
D
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0
.
9
3
)
、R
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r
指数の加齢曲線における最凹点は1
1.5
1
歳(
S
D
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1.1
4
)
で約O.7歳の差(
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t
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r
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a
1
)
が示さ れる。これは平均値としてみた単なる差であるのでこ れを個々についてその差(
i
n
t
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1
)
を算出し、その 差(
i
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t
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r
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1
)
の正規性を検討してみると、R
o
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指 数の最凹点と初経年齢との差(
i
n
t
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r
v
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1
)
における正 規分布関数は以下のように示される。 03X53ト
。
0.652め2 f(
x
i
)
= ..;;;;X1.0924 e 2(1.0924)2x
i
:
級 間 値 これによりX02値は5
3
.
0
2
となりその正規性は認めら れたことになる。そこで、、R
o
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r
e
r
指数の最凹点年齢と 初経年齢の頻度分布図を参照すると、確かに初経年齢 がR
o
h
r
e
r
指数の最凹点年齢より全体的に右方にズレて いることが分かる。もちろんこの両年齢の差は当然有 意差 (Pく0
.
0
1
)
が認められている事からR
o
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r
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r
指数の加 齢変化における最凹点が訪れて約1年後(平均的には O. 7年後)に初経が発来するケースが多いと判断できる のではないだろうかD9
3
考 察R
o
h
r
e
r
指数l士、本来は身体充実指数として提案され た指数であるが、それが近年に到っては簡便な肥満判 定の指数として適用されるようになってきた。しかし、 最近ではBMIが肥満判定には有効であり、R
o
h
r
e
r
指数は あまり使用されなくなったのが現状である。これはR
o
h
r
e
r
指数の有する学齢期の不安定さによるものと考 えられる。高石と大森3)も 9歳以降はある特定の安定 性は認められると述べているが、個人差がかなり大き いと報告しているように学齢期の不安定さを示唆して いる。しかしながらR
o
h
r
e
r
指数は本質的には肥満判定 というより身体充実度を評価する指数であれば、つま り学齢的においては身長と体重の 2変量による身体評 価の変化を簡便に示す意味を含んでいる。このような 観点から、R
o
h
r
e
r
指数の加齢変化についてウエ}ブ、レ ット補間法を適用してみてみると、R
o
h
r
e
r
指数の現量 値の加齢変化では、明らかに1
0
歳から1
1
歳にかけて凹 状に落ち込んでいる様子がわかる。このような加齢変 化の様子は従来までの報告にはない知見である。 今この凹状に落ち込んだ,点を最凹点として、この最 凹点の年齢を特定すると、F
i
g1
に示された平均グラフ では1
1.0
歳で、R
o
h
r
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r
指数1
1
4
.
1
と導かれた。1
1.0
歳はF
i
g
2
t
こ示されている女子における身長の貯V年齢にあ たるD この一致は決して偶然で、はなく、身長のMPV年齢 は思春期における身長の発育速度のピークを示す年齢 で、T
a
n
n
e
r
16lが指摘した成熟度としての意味も有する が、増山が指摘した体内濃度の変局点を示す年齢に相 当するもので、つまり身体の内部環境がこの年齢を境 に、大きく変化することを意味するパラメータでもあ る。このような意味を有する年齢とR
o
h
r
e
r
指数が有す る意味とは異なることになる。それは単に身体の充実 度や肥満を評価するだけでなく、この最凹点年齢は生 物学的なパラメータとしての意味を持つことになる。 そこでこのことをさらに検討するために、平均R
o
h
r
e
r
指数の平均加齢現量値曲線だ、けでは不十分であ るため、個々におけるR
o
h
r
町指数の加齢現量値につい て検討するとT
a
b
1
e1
に示されているように、R
o
h
r
e
r
指数の最凹点、年齢は平均で1
1.5
1
(
S
D
=
1.1
4
)
、その時 のR
o
h
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r
指数値は1
1
4
.
1(
S
D
=
1
0
.
9
)
で、身長の個々の 昨V年齢における統計値1
1.0
4
(
S
D
=
0
.
9
5
)
と比べるとR
o
h
r
e
r
指数の最凹点年齢が若干遅いことが示された。 この差は有意差(p(O.0
1
)
が認められており、身長の昨V
年齢の後にこの最凹点年齢が生起することになる。 この意義は非常に大きく、つまり、身長のMPV年齢で ある思春期ピーク年齢はその時点で判断することは難 しいが、R
o
h
r
e
r
指数の最凹点はその時点、での身長と体 重の現量値がわかっていれば、すぐ導かれる簡便さがある。現に、最凹点年齢時のRohrer指数の平均年齢が わかれば、それを基準に求めていけば現時点での最凹 点は導かれることになる。さらに、 Rohrer指数の最凹 点と初経年齢との差は個々にその平均をみると O.7歳 CSD=1.00)で、 Rohre士指数の最凹点を迎えてから約O.7 歳で初経の発来が生起することになる。この意義が本 研究で求められる論議の根幹であり、つまり、 Rohrer 指数が最も落ち込む年齢から約 7~9 ヶ月後に初経を 迎える構図を描く事になるわけである。 参考文献 1)高石昌弘:肥満児の判定基準について、健康教室208 集 :11-18, 1968.
2)Ishiko
,
T. et al : Obese chiidren担Japan,
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