はじめに
平成 22 年度の診療報酬改定において、『栄養サポート チーム加算』が新設された。これは、日本静脈経腸栄養 学会(JSPEN)の NST プロジェクトなどの活動が国の 医療行政から認められたもので、チームで実践する栄養 療法が医療上重要であることが認められた、と評価され ている。確かに、現在の診療報酬制度の中で、栄養療法 に関する加算が認められたことは画期的である。加算獲 得のために奔走された方々に敬意を表したい。 しかしながら、その算定条件などに関してはさまざまな 意見があり、算定すべきか、算定できるか、算定した方が よいのか、など、施設によっていろいろな考え方、受け止 め方があるようである。 本特集では、この NST 加算新設について、前向きの 意見が「光」の部分として述べられるのであろう。しかし、 ものごとには「光」があれば「影」もある。私に与えられ た命題は、その「影」の部分についても述べることである。 「光」を述べることは容易であるが、「影」を述べること には、ある種の「勇気」が必要である。まったくデータが ない状態で「影」について述べれば、単に前向きな意見の 「足を引っ張る」だけになってしまう。残念ながらNST 加算の現状について、公式に実施された調査はほとんど ない。そこで、著者の personal communication として 集めた情報(60 施設)を基本として、単なる個人的な意 見に過ぎないのではない「影」の部分についても、さまざ まな批判を恐れずに述べたい。特集:栄養サポートチーム加算新設で求められるNST活動の変革
栄養サポートチーム加算新設によるNST活動の光と影*
keywords:栄養サポートチーム加算、専従、専任
井上善文 Yoshifumi INOUE ◆医療法人川崎病院 外科Department of Surgery, Kawasaki Hospital
栄養サポートチーム加算算定施設は、計算上、JSPEN の NST 稼働施設の 28.5%、 全国の病院の 5.2% 程度のようである。Personal communication として集めた情報で は、NST 活動を積極的に推進している施設 60 施設中、28.3% が加算を算定し、20% が算定を予定している。しかし 51.7% の施設では加算算定の予定はなく、その理由の 大部分は専従・専任者の人材が確保できない、これらの人材の給与をまかなうだけの 報酬がえられない、であった。算定している施設においても、現実的に採算が成り立っ ている施設はなく、専従者の給与をまかなえる程度がほとんどであった。専任者の給 与を計算に入れた場合には、採算が成り立つような活動が不可能な制度であることは 明らかであるが、NST 活動に対する副次的効果を考慮して NST 加算を算定している 施設がほとんどであった。算定している施設においても、専従者の負担は非常に大きく、 書類記入の量や煩雑さ、患者への説明内容に十分に配慮する必要があることなど、解 決すべき問題は多かった。また、7 対 1、10 対 1 入院基本料届出施設が対象になって いるため、この条件を満たさない施設で積極的に活動している NST では、活動自体 のモチベーションの維持に苦労していることも明らかとなった。
図1 NST 加算算定申請状況 (personal communicationとして調査した60 施設) 図2 NST加算を算定していない施設における、申請しない、 できない理由 (personal communicationとして調査した60 施設中の31施設)
どのくらいの施設がNST加算を
算定しているのか?
各地域での小さなアンケート調査は行われているが、 NST 加算算定施設の割合という正式な調査結果はない。 各都道府県の厚生局事務所のホームページで栄養サポー トチーム加算の届出受理施設を検索すると(横浜市立大学 付属市民総合医療センター、リハビリテーション科の若林 秀隆先生に教えていただいた)、平成 22 年 8月1日付けで のNST加算算定届出施設は 449施設である。この施設数 をどう解釈すればよいのであろうか。JSPEN の NST 稼 働施設登録数は 1578 施設である。届出されている 449 施設のすべてが JSPENのNST 稼働認定施設であるとし ても、NST 加算届出率は 28.5% に過ぎない。全国の病院 数(8708:平成 22 年 8月6日現在、財団法人日本医療機 能評価機構のホームページ;http://www.report.jcqhc. or.jp/ 参照)に対する比率は 5.2%である。かなり低いと 言わざるをえない。2 年後の診療報酬改定に向けて、NST 活動のアウトカムとしての有効性を示せ、ということである が、この届出率で結果を出すことができるであろうか。 筆者が personal communicationとして集めた情報 では(図1)、60 施設中 17 施設(28.3%)が加算を算定 しており、12 施設(20%)が算定を予定あるいは考慮し ている。31 施設(51.7%)は加算算定の予定はないという ことである。この加算施設の割合は、全国レベルでの調 査をした場合に比べると非常に高い。なぜなら、この 60 施設は NST 活動を非常に積極的に行っている施設だか らである。と考えると、加算算定の予定がない施設の割 合が 50% 以上であることの方が問題である。加算算定 を申請しない、申請できない理由はさまざまであるが、こ こに NST 加算の「影」の部分があると思われる。なぜ、加算算定を申請しない、
申請できないのか?
(図2)
基本的に 7 対 1 又は 10 対 1 入院基本料届出病棟に 入院している症例が対象となっていることにも問題があ る。今回の加算は試験的導入ということで栄養サポート の必要性の高い急性期病院の患者を対象としている、と いうことである。しかし、すべての施設において栄養サ ポートが必要な症例が存在するだけでなく、むしろ、慢 性期症例において栄養サポートの有効性が示される可能 性が高いことも考慮するべきであろう。次回の診療報酬 改定時には、慢性期症例に対してもNST 加算が算定で きるようにしてもらわなくてはならない。 この看護比率の問題をクリアしている施設において加 算を申請しない、申請できない理由は、基本的には単純 である。報酬が少ない、である。条件に見合った診療報 酬ではない、である。算定条件のハードルが高すぎる、で ある。これにつきる。 (1)専従・専任者の人件費がまかなえない診療報酬で ある:ここで給与の問題を取り上げなくてはならない。厚 生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、職種別 の年収が一番少ないのが栄養士であり、平均年収は 349 万円である(http://nensyu-labo.com/sikaku_eiyousi.htm)。そこで、人件費に見合った算定額について検討す ると、管理栄養士を専従とした場合には 349 万円以上の 加算を算定しなければならない。そのために必要な回診 患者数は、1 週間で約 36 人、1ヶ月で約 145 人と計算さ れる。毎週、月曜日から金曜日の 5日間、回診して 36 人 ということは、1日に 7人程度を回診すれば管理栄養士 の人件費をまかなうことができるのだから、可能であろう、 それほど難しいことはない、と思われる方もいるであろう。 しかし、この算定は、専従者(管理栄養士)が専任の医師、 看護師、薬剤師と共に回診して初めて可能となるという条 件がついている。1チームとして専従および専任の 4 職 種で回診などを実施しなければならない。専任の条件が 業務の約 50%となっているので、専任者の給与も計算す ると、はたして何人をNST 症例とすれば採算が成り立つ のであろうか。上記ホームページにおける医師、看護師、 薬剤師、管理栄養士の給与から計算すると、管理栄養士 を専従とする場合が最も人件費が少なくなるが、この人 件費を賄うには、148 人 / 週、591 人 /月の患者に対して 算定しなければならないことになる。毎日、約 30 人の患 者を4 職種の専従・専任者で回診して書類を記入して患 者に説明する…不可能なのではないだろうか。適正な、き ちんとした栄養管理が実施できるのであろうか。おざなり な栄養管理にならざるをえないのではないだろうか。 (2)研修を終えた専任・専従者がいない:確かに、日本 静脈経腸栄養学会、日本病態栄養学会、日本健康・シス テム学会などが NST 活動を実践するための資格認定を 目的とした教育活動を行っている。しかし、加算を申請し ようとすると、研修を終えたスタッフが不足しているとい う現実に直面している。4 職種、すべてが研修を終えてい る施設は、そう多くはないであろう。新たに研修を受けさ せなければならない。その対策として JSPEN は暫定教 育施設の認定を行ったが、研修希望者をさばききれない、 というのが現状である。 (3)専従・専任の要件が厳しすぎる:病院経営自体が困 難な時代である。医師、看護師の不足も社会問題となっ ている。その条件の中で、NST 加算のために専従者を1 名配置することは非常に難しい施設が多い。特に中小規 模病院においては問題である。管理栄養士を専従とする と、これまで行われていた栄養管理実施加算のための業 務ができなくなるため、管理栄養士を一人補充しなけれ ばならない。看護師を専従とするには、看護師不足の問 題に加えて 7 対 1、10 対 1 看護比率の問題が障壁となる。 薬剤師の場合も同様で、専従となった一人分をどこかか ら補充しなければならない。医師の専従は、現実問題と しては不可能であろう。医師を専従とした場合には、190 人 / 週、760 人 /月の患者を算定しなければならない。 専任も問題で、定義としては業務の 50% をNST 活動の ために費やす、ということである。特に医師の場合、外来 や検査、手術等、実際の診療の業務を削って NST 活動 のための業務量を 50% 以上にすることは難しい。他の職 種においても同様である。採算がとれることが確実であ るなら、この条件をクリアするように努力するのである。 (4)業務量に対する報酬が少なすぎる:NST の業務と しては、週 1 回、専従・専任のスタッフが 4 人とも揃って 回診し、カンファレンスを開き、「栄養治療実施計画兼栄 養治療実施報告書」を記入し、患者に説明する必要があ る。この内容が非常に細かく、記入には長時間を要する。 「転院」や「退院」の場合は患者および家族に対して今 後の栄養管理の留意点等について丁寧な説明を記載する とともに、転院先または退院先で患者の栄養管理を担当 する医師等に対し、治療継続の観点から情報提供すべき 事項について記載しなければならない。他の医療チーム との合同カンファレンスも開催しなければならない。これ だけの業務に対して、週 1 回 200 点という評価は妥当で あろうか?評価としては低すぎる、と言わざるをえない。
NST加算を算定している施設の現状と
問題点
(1)NST 加算算定の現状:調査対象 60 施設のうちで NST 加算を算定している17 施設の算定の現状としては、 1ヶ月の算定件数は 40 件以下が 2 施設、40 件~ 80 件 が 3 施設、80 件~120 件が 6 施設、120 件~160 件が 1 施設、200 件以上が 5 施設であった(図 3)。管理栄養 士の平均給与を上回る報酬が得られている施設は 5 施 設であった。もちろん専任者の給与を考慮に入れると、ど の施設も増収とはなっていない。専従者は管理栄養士が13 施設、看護師が 3 施設、薬剤師が 1 施設であった。 (2)NST 加算算定による NST 活動の活性化:それま で実施してきた NST 活動に対する追い風となった、とい う積極的で前向きの回答が得られた施設は 5 施設であ る。NST 活動に加算が新設されたことによって (a)院内での NST の立場が明確になった、 (b)活動を活性化させる後ろ盾となった、 (c)栄養障害症例を強制的に NST 対象として管理で きるようになった、 (d)NST 対象症例が増えた、 (e)協力してくれる医師が増えた、 (f)それまで行くことができなかった病棟・他科に行く ことができるようになった、 (g)院内の栄養管理の標準化が進んだ、 (h)全体として職員の仕事に対するmotivation 向上 につながった、 などの意見が聞かれた。 (3)NST 加算算定による弊害・問題点:一方、NST 加 算を算定している施設においても、さまざまな問題や弊害 が新たに出現している。 (a)専従者の仕事量が非常に多い。特に書類の記入に 費やす時間が膨大なものとなり、負担が非常に大 きいものとなっている。 (b)加算を算定する患者数を確保しなければならな い。すなわち、一人の患者に割く時間が長くなれば、 加算を算定する患者の数が減る、加算を算定する 患者数を増やすためには、一人の患者に割く時間 を短くしなければならない、その結果、栄養管理 の内容よりも、算定する患者数が優先されること になる、という悪い影響が出る可能性がある。こ のバランスは非常に難しい。結果的に、NST の本 当の目的から外れていっているような傾向が出て きている、という意見もある。また、患者数を確保 しなければならないというプレッシャーも、特に費 用の面で専従者に大きな負担となっている。 (c)JSPEN の栄養サポートチーム専門療法士認定教育 施設へ研修の申し込みが殺到している。本来、純 粋に栄養管理に関する実践的な教育を受け、専門 療法士の受験資格を得ることが目的の研修である が、「資格をとるために仕方なく」的な研修生が増 え、研修に対する姿勢に問題がある研修生が増え ている、という嘆きも聞こえてきている。義務として の研修時間さえクリアすればよいのであり、専門療 法士取得という次のステップに対するモチベーショ ンがないからであろう。「質の担保」というのであ るなら、研修時間で定義するのではなく、NST 専 門療法士の資格を持っているスタッフによる栄養管 理でなければならないであろう、という意見もある。 (d)記載すべき書類が多すぎる、内容が煩雑である。 そのため、患者に接する時間よりも書類記入のた めの時間が長くなり、これも、本来 NST が実施 すべき栄養管理の内容から外れていっているとい う問題を提起することになっている。その結果、 NST 活動自体が形骸化する可能性があると危惧 する意見もある。 (e)患者に渡す説明の記載内容自体が問題である。大 多数の NST 対象症例は、栄養管理の内容に問題 があるために NST が関与している症例である。 適切な栄養管理がなされていない症例なので、そ のままの記載では患者側からクレームが発生する 可能性がある。記載内容を十分に吟味する必要が あることも、専従者にとって負担となっている、と いう施設もある。
NST加算に対する批判的意見と
今後への対応
(1)施設の収入は増えるか? 厚生労働省の要件を完全に満たした上で、この加算に 図3 NST 加算を算定している17施設における算定件数よって病院の収入を増加させることは不可能である。専 従は業務の 80% 以上、専任は 50% 以上として給与計算 をすると、毎日、30人以上の症例を回診して栄養管理の 内容を検討して計画・実行しなければならない。実際問 題としては不可能であろう。チーム数を増やせばいい? チーム数を増やせば増やすほど人件費がかさむ。それで も収入が増加する場合は、厚生労働省の要件を満たして いないことを意味するはずである。すなわち、専従・専任 の業務を「ごまかす」しかないはずである。ということは、 この要件自体に無理がある、ということではないだろう か。解決策としては、専従は 100%とするが、専任は不要、 NST のメンバーなどが活動すればいい、ということにす るしかないであろう。 管理栄養士を専従とするなら、1日7人程度を管理す れば人件費は賄える。しかし、増員するだけの収入があ るか、ないか、という検討がなされる中で、「管理栄養士 なら雇える」という、管理栄養士は他職種に比べて給与 が低い、という待遇が改善されないまま放置されている のも問題であろう。NST の中心的役割を果たすべき職種 として管理栄養士が考えられているのなら、NST 活動を 活性化させるためには管理栄養士の待遇改善が必要で ある、という考えも出てこなければならないはずである。 (2)4 職種が揃って回診できるか? さらに、4 職種が揃って回診するという条件にも無理 がある。当然、カンファレンスにも 4 職種は揃って参加し なくてはならない。しかも、毎日回診するのなら、毎日カ ンファレンスを開き、4 職種が参加しなければならない。 専従者は可能であっても、専任者がこの要件を完全に満 たすのは不可能に近い。この要件は「少なくとも2 職種 以上」とし、他のスタッフが参加すればよい、という程度 の条件にすべきであろう。但し、専従者は各学会の認定 を受けている(たとえば JSPEN の NST 専門療法士)、 という資格を条件に掲げてもよいであろう。 (3)勤務医の負担軽減 次に、勤務医の負担軽減に対しては、いろいろな解釈 がある。現状において、主治医が栄養管理にどれだけの 負担を負っているというのであろうか。主治医の栄養管理 が不十分である、おざなりな栄養管理しかできていない からNST によるサポートが必要なのである。栄養管理 に真剣に取り組んでいるのなら、その負担軽減という意 味合いはあるが、現状では、勤務医の負担軽減という目 的自体に問題があると考える。さらに、NST が積極的に 介入すれば、主治医は栄養管理にほとんど興味をもたなく なる。それでいいのだ、患者にとってメリットがあればい いのだ、という意見になるのであろうが、その次のステッ プを考える必要がある。栄養管理を理解できていない医 師ばかりになってしまう。 また、栄養管理の内容について患者に文書を渡して説 明する必要がある、という要件がこれに関連して問題と なる。「本来は経腸栄養が適応なのに静脈栄養が実施さ れ、カテーテル敗血症が起こってしまいました。今後は経 腸栄養を実施します。」という説明をするのであろうか。 「経腸栄養に固執したために下痢が続いています。本当 は経腸栄養の投与量を減らして、静脈栄養を併用した方 が栄養状態はよくなるはずです。今日から静脈栄養を開 始します。」というような真の説明をすれば、患者はどう 感じるのであろうか。「主治医の栄養処方ではカロリー 量やたんぱく質投与量が不足していたので栄養状態がよ くならなかったのです。NST が介入したからには、カロ リー投与量もこれだけ増やし、たんぱく質もこれだけ増 やしますから、もう心配いりません。これからどんどん元 気になりますよ」という説明をするのであろうか。これに 関しては、説明内容をNST が考慮すれば解決できるの かもしれないが…。 しかし、誰が患者に説明するべきなのかも考える必要 がある。主治医か、NST か、という問題もある。「受け持 ち保険医と共に」という要件があるが、理論的にはこの 考えは正しい。栄養管理は治療として実施されるべきもの で、栄養管理だけが独立して実施されるべきものではな いからである。しかし、その内容については、NSTと主 治医が十分な話し合いをして合意を得なければならない。 (4)教育と栄養管理レベル 専従・専任のための教育問題も解決しなければならな い。 専従者は、とりあえず専従にしておこうではなく、完全 に栄養管理のプロフェッショナルとしての知識・技術を もっていなければならない。現在の 40 時間の研修では
不十分であろう。もちろん、医師の10 時間の研修では栄 養管理の専門家になっている、と言えるはずはない。静 脈栄養もきちんと理解していなければならない、という条 件も付け加えさせていただきたい。 JSPENの認定教育施設における教育においても、本来 は「NST 専門療法士」のための実地修練として参加して いれば非常に真剣に修練を受けるであろうが、加算のた めに40時間の実施修練を「受ければいい」ということにな れば、受講者の真剣さは低下してしまうことになるだけで なく、実施修練終了後のレベルは低くなってしまう。その 結果、専従・専任とは名ばかりで、低いレベルの栄養管理 しかできないことになってしまう。専従・専任者のレベル が低ければ、その施設の栄養管理レベル自体が低くなっ てしまうことも非常に重要なポイントである。特に専従者 は、これを肝に銘じる必要がある。また、専従・専任となっ た NSTの4人が独占的に栄養管理を行うことにより、 NST以外の栄養管理レベルが下がってしまうことになる というリスクもある。栄養管理に関する教育や啓蒙活動が さらに重要になってくることも考えておくべきであろう。 (5)NST 加算算定症例数と栄養管理の内容 この加算自体、採算が取れない内容であることは明ら かである。現在加算を算定している施設の大部分は採算 を度外視しながら活動しているようである。それが NST の活性化につながっていたり、採算がとれないのは仕方な い、次のステップでメリットがある、と考えたりしているの であろう。しかし、採算を完全に無視することはできない。 そのため、できるだけ多くの症例を算定したいと活動する ことは、栄養管理のレベルを下げることになる可能性があ ることも考えておくべきであろう。レベルを下げないで算定 症例数を増やすためには、かなりの努力が必要である。マ ンパワーを増やせばよいが、それにはお金がかかる。残業 が増えて、人件費が増える、という問題も出現するであろ う。そのバランスを考えると、非常に難しい問題である。