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学位論文の要約 GWAS-identified CCR1 and IL10 loci contribute to M1 macrophage-predominant inflammation in Behçet s disease ベーチェット病のリスクと関連する CCR1 と IL10 遺伝子は

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Academic year: 2021

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学位論文の要約

GWAS-identified

CCR1

and

IL10

loci contribute to

M1 macrophage-predominant inflammation in Behçet’s disease

ベーチェット病のリスクと関連する

CCR1 と IL10 遺伝子は

M1/M2 マクロファージの機能のバランスに影響を与える

Hiroto Nakano

野 寛 人

Department of Stem Cell and Immune Regulation

Yokohama City University Graduate School of Medicine

横浜市立大学

大学院医学研究科医科学専攻 幹細胞免疫制御内科学

Doctoral Supervisor:Hideaki Nakajima, Professor )

( 指導教員:中島

秀明 教授 )

(2)

学位論文の要約

GWAS-identified CCR1 and IL10 loci contribute to

M1 macrophage-predominant inflammation in Behçet’s disease

ベーチェット病のリスクと関連する

CCR1 と IL10 遺伝子は

M1/M2 マクロファージの機能のバランスに影響を与える

https://arthritis-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13075-018-1613-0 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 本 文 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1.序論 ベーチェット病(BD)は口腔のアフタ性潰瘍・外陰部潰瘍・皮疹・ぶどう膜炎の4つの症状 を主とした多臓器の炎症性疾患である(Sakane et. al. 1999) .BD の原因は解明されている 部分が未だ少ないものの,自然免疫の異常(自己炎症性疾患)と獲得免疫の異常(自己免疫性 疾患)の両方が関与することはこれまでの研究により明らかにされてきた.BD のゲノムワ イド関連解析(GWAS)において,単球やマクロファージ(Mϕ)に主に発現する CC ケモカイン レセプター1(CCR1)とインターロイキン 10(IL10)の遺伝子座が BD の発現リスクと関連が あることが報告された(Kirino et. al. 2013a).本研究の目的は BD の Mϕにおいて CCR1 や IL10 がどのような機能を発現して炎症病態の形成に関与しているかを明らかにすることで ある. 2.実験材料と方法 M1 と M2 Mϕはそれぞれヒト由来の単球を顆粒球コロニー刺激因子(GM-CSF)ないしヒト マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)を加えて培養することで分化誘導した(Zhou et. al. 2014).分化誘導の確認には M2 Mϕのマーカー(CD163)や大腸菌由来のリポポリサッカ ライド(LPS)刺激で産生されるサイトカインプロファイルを用いた.CCR1 と IL-10 の蛋 白・mRNA の発現量をフローサイトメトリー(FACS)・免疫染色・ビーズアレー・リアルタ イムPCR などで定量し,GWAS で疾患感受性の SNP として報告されているアリル毎に層 別化した.CCR1 発現に伴う機能を調べる目的で CCR1 のリガンドである Mϕ炎症性蛋白 (MIP-1α)に対する遊走能を比較した.M2 Mϕ優位であることが報告されている全身性硬化

(3)

皮膚炎症病変局所(in vivo)において M1 Mϕがどの程度存在するか,或いは CCR1 陽性の CD163 陽性細胞(M2 Mϕ)が存在するか否かを検討した(Anderson et. al. 2010).最後に, M1 と M2 に分化された Mϕを更に GM-CSF ないし M-CSF を作用させることで産生するサ イトカインのプロファイルやCD163 の発現が変化するか可塑性を検証する実験を行った. 3.結果 M1 より M2 Mϕにおいて CD163 及び IL-10 が高発現であることを確認し分化誘導の妥当 性を確認した.CCR1 は M1 より M2 Mϕにおいてより高発現であることを示した(図 1A, B, C).CCR1 をより高発現している M2 は M1 Mϕよりもより低い濃度で感度良く MIP-1α に 遊走することをみいだした(図 1F).分化誘導したマクロファージにおいても GWAS で同定 されたBD 感受性 SNP のアリルと IL-10 及び CCR1 の発現との相関が保たれた. M1 マ クロファージにおいてのみCCR1 の発現を調整する SNP(rs7616215)が,M2 マクロファー ジにおいてのみIL10(rs1518111)の発現の発現を調整する SNP が有意に影響していること がわかった(図 1D, E). BD から分離し分化誘導した M1 Mϕは HC のものより CCR1+細胞の比率が高かった(図 1G, H). SSc の皮膚病変は M2 Mϕ優位と知られるが,BD の皮膚では SSc と比較して炎症性の M1 Mϕの比率が高かった.可塑性試験の結果,M-CSF により M1 Mϕにおける IL-10 産生能が 回復し,IL-6 産生能が低下することを示した.

(4)

【図

1】

in vitro

で分化したマクロファージにおける

CCR1・IL-10

発現

(5)

4.考察 本研究においてはGWAS で BD の疾患感受性遺伝子の中で単球系に多く発現するCCR1及 びIL10が分化誘導されたMϕにおいてどのように炎症病態に関わっているかということに ついて検討した.(図 2 に図示) CCR1 を高発現している M2 Mϕは M1 Mϕより CCR1 リガンドが豊富な炎症局所に移行し やすく,健常人においては炎症収束が起きやすいと考えられる.一方で,BD 患者において は遺伝学的な背景によりM2 Mϕの機能が障害されているために炎症病態が遷延すると想定 される.CCR1 依存性の走化性が抑制されることで炎症局所への M2 Mϕの集積が起こりに くくなる.そして,炎症局所での抗炎症性サイトカインのIL-10 は M2 Mϕの集積の減少と, IL-10 の合成能の低下の両面から健常者より BD において発現が低下することになると考え られる.更に,健常者よりBD 患者において CCR1 陽性 M1 Mϕの増加していることにより リガンドのMIP-1αが豊富な炎症局所への M1 Mϕの遊走は亢進していると推測される. 以上をまとめると,M1 と M2 Mϕの炎症局所での集積及びその機能の両方が M1 Mϕ優位と なり,炎症局所での炎症病態の悪循環に陥りやすい環境が構築されているということが考 えられた. 本研究のin vitro の実験系においては少なくともマクロファージの機能の一部が M-CSF と GM-CSF の作用により変化することを示すことが出来た.特に in vitro で分化誘導した M1 マクロファージにM-CSF を作用させることで IL-10 産生能が回復するというのは重要であ る.このような部分的なマクロファージ機能の修飾であってもベーチェット病患者の未来 の治療のターゲットとして重要である可能性がある.

【図

2】本研究の結果のまとめ

(6)

引用文献

Anderson, M.W., Zhao, S., Ai, W.Z., Tibshirani, R., Levy, R., Lossos, I.S. and Natkunam, Y., (2010), C-C chemokine receptor 1 expression in human hematolymphoid neoplasia, Am J Clin Pathol, 133, 473-483

Higashi-Kuwata, N., Jinnin, M., Makino, T., Fukushima, S., Inoue, Y., Muchemwa, F.C., Yonemura, Y., Komohara, Y., Takeya, M., Mitsuya, H. and Ihn, H., (2010), Characterization of monocyte/macrophage subsets in the skin and peripheral blood derived from patients with systemic sclerosis, Arthritis Res Ther, 12, R128

Kirino, Y., Bertsias, G., Ishigatsubo, Y., Mizuki, N., Tugal-Tutkun, I., Seyahi, E., Ozyazgan, Y., Sacli, F.S., Erer, B., Inoko, H., Emrence, Z., Cakar, A., Abaci, N., Ustek, D., Satorius, C., Ueda, A., Takeno, M., Kim, Y., Wood, G.M., Ombrello, M.J., Meguro, A., Gul, A., Remmers, E.F. and Kastner, D.L., (2013a), Genome-wide association analysis identifies new susceptibility loci for Behcet's disease and epistasis between HLA-B*51 and ERAP1, Nat Genet, 45, 202-207

Sakane, T., Takeno, M., Suzuki, N. and Inaba, G., (1999), Behcet's disease, N Engl J Med, 341, 1284-1291

Zhou, Q., Yang, D., Ombrello, A.K., Zavialov, A.V., Toro, C., Zavialov, A.V., Stone, D.L., Chae, J.J., Rosenzweig, S.D., Bishop, K., Barron, K.S., Kuehn, H.S., Hoffmann, P., Negro, A., Tsai, W.L., Cowen, E.W., Pei, W., Milner, J.D., Silvin, C., Heller, T., Chin, D.T., Patronas, N.J., Barber, J.S., Lee, C.C., Wood, G.M., Ling, A., Kelly, S.J., Kleiner, D.E., Mullikin, J.C., Ganson, N.J., Kong, H.H., Hambleton, S., Candotti, F., Quezado, M.M., Calvo, K.R., Alao, H., Barham, B.K., Jones, A., Meschia, J.F., Worrall, B.B., Kasner, S.E., Rich, S.S., Goldbach-Mansky, R., Abinun, M., Chalom, E., Gotte, A.C., Punaro, M., Pascual, V., Verbsky, J.W., Torgerson, T.R., Singer, N.G., Gershon, T.R., Ozen, S., Karadag, O., Fleisher, T.A., Remmers, E.F., Burgess, S.M., Moir, S.L., Gadina, M., Sood, R., Hershfield, M.S., Boehm, M., Kastner, D.L. and Aksentijevich, I., (2014), Early-onset stroke and vasculopathy associated with mutations in ADA2, N Engl J Med, 370, 911-920

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論文目録

Ⅰ 主 論 文(本人を筆頭とする原著論文)

GWAS-identified CCR1 and IL10 loci contribute to M1 macrophage-predominant inflammation in Behçet’s disease

Nakano, H., Kirino Y., Takeno, M., Higashitani, K., Nagai, H., Yoshimi, R., Yamaguchi, Y., Kato, I., Aoki, I., Nakajima, H.:

Arthritis Research & Therapy (2018), 20, 124.

Ⅱ 副 論 文 なし

Ⅲ 参 考 論 文(原著論文の内容以外の論文) なし

参照

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