日集中医誌 2015;22:3-8.
今号のハイライト①
はじめに
本号には相澤らの「適切な脳組織酸素飽和度を維持 するために必要な各種バイタルサインに関する研究」 が掲載されている1)。近赤外線分光法(near-infrared spectroscopy, NIRS)による脳酸素飽和度(oxygen saturation in the brain, ScO2)測定は古くからあるモニタリングであるが,その算出原理はベールに包まれ ており,値の解釈には注意が必要である。本稿では脳 循環代謝の基礎,脳血流量(cerebral blood flow, CBF) の 調 節 機 構,内 頸 静 脈 血 酸 素 飽 和 度(oxygen saturation in the jugular venous blood, SjO2)モニタ
リングと脳酸素需給バランスを述べた後,NIRSによ るScO2モニタリングの意義およびその値に影響する 因子をまとめ,「神経集中治療のピットフォール」とす る。
脳循環代謝の基礎,CBFの調節機構
CBFは全脳で54 ml/100 g/minであり局所差があ る2)。CBFは脳灌流圧(cerebral perfusion pressure,CPP)によって駆動され(Fig. 1),CPPはMAPと頭蓋 内圧(intracranial pressure, ICP)の差である。
CPP=MAP-ICP (1) CBFとCPPの関係は「CBF=CPP/脳血管抵抗」で 表される。脳血管抵抗は,血管径(の4乗の逆数),脳 血管長(一定),血液粘度により決定される。なお,血 液粘度はHb濃度に左右される。 CBF=K× CPP×r L×μ 4 (2)
K, coefficient; L, vessel length; r, vessel diameter; μ, blood viscosity.
脳酸素消費量(cerebral metabolic rate for oxygen,
CMRO2)は3.6 ml/100 g/min2)で,全酸素消費量の
20%を占める。脳局所の機能が亢進すると局所の
CMRO2およびCBFが増加する3)。酸素は主にHbで
運搬されるので,溶存酸素を無視するとCMRO2は
Fickの原理で以下のように計算される。
CMRO2=CBF×(CaO2-CjO2)
=CBF×1.34×Hb×(SaO2-SjO2)(3)
CaO2, oxygen content in the arterial blood; CjO2, oxygen
content in the jugular venous blood.
脳はブドウ糖を基質として好気的なエネルギー代謝
を行い,CBFが病的に変化してもCMRO2と脳グル
コース消費量(cerebral metabolic rate for glucose, CMRglu)は脳機能を反映する。健常人では,CBF,
CMRO2,CMRgluは灰白質で高く,白質はその半分程
度である4)。酸素摂取率(oxygen extraction fraction,
OEF)は全脳で均一である。CMRgluはCBFと同様の 分布を示す。 Fig. 1に脳血管の自己調節能を示す。CBFはそれを 駆動しているCPPが変動しても,脳血管径を変化させ ることによりCBFを一定に保つ作用があり,これを自 己調節能という。脳はエネルギーの貯蔵に乏しく, CBFが維持され常にブドウ糖や酸素が供給されるこ とが必要となる3)。自己調節能により,血圧が変動し てもCBFが一定に保たれ脳機能が安定する。自己調 節能が障害されると,CBFが血圧に比例して変動する (Fig. 1)5)。
SjO
2モニタリングと脳酸素需給バランス
SjO2は内頸静脈から逆行性に球部(通常は右側)に 挿入したオキシメトリーカテーテル(4〜5.5 Fr)の先 端に組み込まれたセンサーで連続モニタリングされ る。内頸静脈には脳全体からの血液が還流するので, SjO2は全脳のモニタリングである(Fig. 2)。Fickの原理からSjO2はSaO2に依存し,CMRO2と
「Hb×CBF」の比により変化する。 CMRO2 SjO2=SaO2- CBF×1.34×Hb (4) SjO2は「CBF/CMRO2」に比例し,脳代謝に見合う脳 血流が流れているかの指標である。SjO2<50%を desaturationと称して虚血の指標である一方,SjO2> 90%は脳死など重症脳障害の状態を示唆する(Fig. 2)。
神経集中治療のピットフォール:近赤外線分光法による脳酸
素飽和度モニタリング
Fig. 1 Autoregulation of CBF and its disturbance
CBF, cerebral blood flow; CPP, cerebral perfusion pressure.
Fig. 2 Monitoring and interpretation of SjO2
CaO2, oxygen content in the arterial blood; CBF, cerebral blood flow; CjO2, oxygen content in the jugular venous blood; CMRO2, cerebral metabolic rate for oxygen, OEF, oxygen extraction fraction; SjO2, oxygen saturation in the jugular venous blood.
重症脳障害においては,CMRO2がきわめて低い,ある いはCMRO2に比してCBFが相対的に高い,さらに脳 ヘルニアの場合CBFが流れず頭蓋外血流が内頸静脈 球部に逆流する,などの理由によりSjO2がきわめて高 く な る 可 能 性 が あ る。 低 体 温 療 法(therapeutic hypothermia, TH)あるいはバルビツレート療法では CMRO2が低下するためSjO2は上昇する6)。
1
)Hb
とSjO
2 Hbが増加すればSjO2は上昇する(式4)が,一方で 血液粘度が上昇すればCBFが低下し(式2)SjO2は低 下する。したがってHb変動のSjO2への影響は一様で なく,SjO2モニタリングの際にはHb変動は少ない方が よ い。 心 停 止 後 症 候 群(post cardiac arrest syndrome, PCAS)の心拍再開(return of spontaneous circulation, ROSC)後TH施行時において,血液粘度が 上昇すれば中大脳動脈血流速度(middle cerebral artery flow velocity, MCAFV)が低下することが報告
され7),ROSC後には血液粘度を適正することがCBF Brain CBF SaO2 SjO2 Ischemia Ischemia suspected Normal Hyperemia Brain death <50 50∼60 60∼80 80∼90 90< SjO(%)2
=CMRO2 / oxygen delivery
=CMRO2 / (CBF×CaO2) =1−CjO2 / CaO2 =1−SjO2 / SaO2 =SaO2−SjO2 OEF(normal 35%) SjO2 monitor CPP 50 150 (mmHg) Cerebral vasoconstriction Cerebral vasodilation 100 0 Autoregulation: normal Autoregulation: disturbed Cerebral vasodilation Cerebral vasoconstriction Breakpoint Breakpoint Normal Disturbed CBF(%)
の維持,ひいては二次性の脳損傷の予防につながると 考察されている。重症頭部外傷治療・管理のガイドラ イン8)ではHb>10 g/dlが推奨されている。
2
)PaCO
2とSjO
2 PaCO2を低下させると脳血管は収縮する(Fig. 3)。 CBFは血管内径の4乗に比例して変化するので(式 2),PaCO2を低下させるとCBFは低下し,その結果 SjO2も低下する(式4)。一方,CBFの低下により脳血液量〔cerebral blood volume, CBV(=CBF×平均通 過時間)〕の減少を介してICPが低下した場合には CPPが上昇する(式1)ことになるため,自己調節能が 障害されている場合(Fig. 1)ではむしろCBFが上昇 しSjO2の上昇を引き起こす可能性もある。したがっ てPaCO2のSjO2への影響も一様ではない。 過換気療法ではCBF低下による脳虚血の危険性が あるので,重症脳障害に対して過換気療法をルーチン に行うことは推奨されていない。SjO2モニタリング により脳虚血を避けて過換気療法を行うことは理論上 可能であるが,上述の推定からもその方法に決まった ものはない9)(Fig. 2)。
3
)MAP
とSjO
2 MAPが上昇した場合,脳血管の自己調節能が正常 であればCBFは変化せず(Fig. 1),SjO2の変化はな い。自己調節能が障害されている状態において,脳酸 素化を改善しようとしてCPPを上昇させるとCBFが 上昇し(式2),結果としてSjO2が上昇していく(式4)。 一方,自己調節能が障害されている状態では,血圧が 上昇するとCBFが増加することでCBVが増加するた め,脳の容積が増えてICPが上昇してしまう。その結 果,かえってCPPが低下してCBF低下が起こり,SjO2 が低下する可能性もある。したがってMAPのSjO2へ の影響も一様ではない。4
)SjO
2の現在の立ち位置 SjO2モニタリングは最近報告が少ない。上述した ように各因子が複雑に影響していることもその原因で あろう。またSjO2カテーテルが血管壁に当たったり して値を連続的にうまく表示できないこともある。さ らに1日に数回採血して値を較正する必要があり,面 倒であることも使用されなくなった理由と思われる。 しかしSjO2は脳酸素需給バランスの標準的な評価法 である。 実は過換気療法においてSjO2が正常であっても虚 血領域が拡大しているという報告10)があるが,これは SjO2が脳局所ではなく全脳のモニタリングであるこ と(=局所変化を反映できない)を図らずも示してい る。逆に言えば,PCASなどのびまん性脳障害におい ては,「脳局所を反映できないSjO2」であっても,その 能力を素直に発揮できるはずである。SjO2はそれ単 独ではなく,他のモニタリングパラメータを組み合わ せて判断することが推奨される。また脳血管の自己調 節能あるいは脳血流のCO2反応性などを同時に評価 することも推奨される。ScO
2モニタリングと脳酸素需給バランス
1
)NIRS
の算出原理 近赤外線は骨を含めた組織を通過できる。ScO2の 算出には,酸素ヘモグロビン(oxyhemoglobin, HbO2) と還元ヘモグロビンで近赤外線の周波数帯域によりそ の吸光度が異なることを利用する。実際には2〜3波 長の異なる近赤外線を使用して吸光度の差を測定し ScO2が算出される。この基本原理に関してScO2と SpO2は同様である。Fig. 3 CBF and PaO2, PaCO2 CBF, cerebral blood flow. CBF(%) 50 0 50 100 150 200 150 (mmHg) PaO2 PaCO2
SpO2は2波長を利用し拍動成分から動脈血のHbO2 を算出するシステムであり,プローブは指先なので発 光部と受光部が近く,光は直進して受光部に達するの で定量的にも安定している。したがってSpO2は絶対 値が信用できるので,危険値(閾値)を設定し解析する ことができる。ScO2ではこれらが複雑である。
2
)Modified Beer-Lambert
法によるHbO
2濃度変化の測定 NIRSでのHbO2の算出には仮定が含まれる。しか し新生児に用いた場合は,頭蓋骨は薄く,脂質成分で あるミエリン鞘が薄いために,光は受光器に直進でき る。したがって新生児でのNIRSによるHbO2は,信 用できる測定値と考えられる。 一方,成人でのNIRSによるHbO2においては,近赤 外線の通過を頭蓋骨,ミエリン鞘が邪魔するために, 拡散,吸収,散乱が繰り返し起こり,光路は発光部と 受光部の間で総じて弓状の軌跡をとる。したがって, 拡 散,吸 収,散 乱 の 計 算 に 必 要 なmodified Beer- Lambert法は以下のような式になる。 ΔA=ε×L×ΔC (5) L, 平均光路長;ΔA, 光吸収変化量;ΔC, 濃度変化量;ε, モル吸光係数. 濃度変化量つまりHbO2濃度変化量は光吸収変化量 などから算出されることになる。ただし,発光部から 出た光は拡散,吸収,散乱によりすべてが受光部には 戻らない。したがって,この場合全体の平均として何 cmの道筋を近赤外線が通ったかを考え,これを平均 光路長とする方法が用いられている。計算上,平均光 路長は固定値とされている装置が多い。実は平均光路 長が固定値であることは,算出されるHbO2濃度変化 量が過大評価され,その絶対値を信用できない最大の 理由である。 (1)Hb濃度の平均光路長への影響 Hb濃度が低いとHb分子の隙間が開いてくるので, 遠くまで近赤外光は到達する。したがってHb濃度は 平 均 光 路 長 に 影 響 す る。 位 相 分 解 分 光 法(phase resolved spectroscopy, PRS),つまり強度を変調した 近赤外線を発光して,位相のずれから光路長の測定し た報告11)においては,人工心肺中で血液希釈により Hb濃度が低下すると光路長が長くなることが確認さ れている。 (2)頭蓋骨の厚みの平均光路長への影響 動物(ブタ)実験においては,プローブ直下の頭蓋骨 の厚みおよび骨直下の髄液層もchannelとなって平均 光路長に影響することが報告されている12)。
3
)空間分解分光法(spatial resolved
spectrosco-py, SRS
)によるScO
2の測定メーカー2社により,算出アルゴリズムが異なる
NIRO®(浜松ホトニクス)とINVOS™(Somanetics,
USA)というScO2モニタリングがそれぞれ発売され
ている。NIRO®では組織酸素飽和度(tissue
oxygen-ation index, TOI),INVOS™では局所混合血酸素飽和 度もしくは組織酸素飽和度(regional saturation of
oxygen, rSO2)というScO2が算出される。
(1)TOI SRS法を採用し,受光部のプローブを複数配置し, 距離が異なる検出部位での受光強度差からHbO2濃度 を計算することで光路長の影響をキャンセリングして いる13)。したがってTOIは平均光路長に影響されな い。またTOIの計算アルゴリズムは公開されている。 (2)rSO2 rSO2もSRSで算出されているが,その計算アルゴ リズムは非公開である。しかし臨床ではrSO2はHbの 影響を受ける,すなわちHbとrSO2には正の相関があ ることが報告されている14)。また,股関節全置換術中 の検討においても,Hbが徐々に減少すると(最低Hb 7.0 g/dl)rSO2が減少するが,同時に測定したSjO2お よび脳OEFは変化していないことも報告されてい る15)。これは,rSO2がSjO2と異なり,脳酸素需給バ ランスを必ずしも反映していないことを示唆する。 rSO2とSjO2とは健常人ボランティアにおいて脳内動 脈血液量25%,静脈血液量75%という仮定の下では よく相関することが報告されている16)。しかし, PCAS昏睡患者においてはSjO2≦60%ではrSO2はむ しろ高値,SjO2>60%ではrSO2はむしろ低値となり, rSO2とSjO2とは相関しないとの報告もある17)。 脳CT画像から判断したプローブ直下の頭蓋骨の厚 み,および骨直下の髄液層面積,Hb,平均血圧のrSO2 およびTOIへの影響を検討した報告では,rSO2には これらすべてが有意に影響しているが,TOIはこれら には全く影響されない18)。 元来,頭蓋骨の厚み,髄液層面積,Hbは光路長に影 響する因子である。以上からrSO2はアルゴリズムと して光路長に関連する因子を含んでいる,すなわち, 光路長が固定値あるいは光路長の影響がキャンセリン グされていないことが推定される。rSO2は多因子か ら影響を受けていると考えねばならない。 (3)頭蓋外血流のScO2への影響 TOIおよびrSO2は程度の差はあれ,CBFに加えて 頭蓋外血流量に影響される。頭部をバンドで締めてプ ローブへの血流を減少させた研究においては,rSO2の
減少が示されている19)。ただし,この報告ではTOI は検討されていない。
4
)ScO
2の絶対値と相対値(基準値からの変化率) ScO2が反映するのはプローブ直下(前額部)の脳局 所の情報であり,全脳のそれではない。トレンデレン ブルグ体位で頭を下げると脳内静脈血量が増えて rSO2が低下することは経験されることであるが, ScO2は上述したようにSjO2ほどには脳酸素需給バラ ンスを反映しないと思われる(Fig. 2)。 以上からScO2は絶対値そのものよりも基準値から の変化率(量)を統計評価した方がよい。そしてTOI とrSO2とでは測定精度が異なると考えられ,特に rSO2は算出方法が不明で影響する因子も多いために, 絶対値で評価した場合の結果の解釈には注意が必要で ある。 さらに,変化率で比較した検討においても,頸動脈 内膜剥離術でのScO2からみた虚血閾値(基準値から の変化率)は,17%(脳波変化で評価)20),11.7%(術後 の神経症状で評価)21),30%(術中虚血症状,たとえば 痙攣,多弁などの有無で評価,局所麻酔下)22)とばら ばらである。さらにsystematic reviewにおいて,成 人心臓手術中のScO2低値と術後神経傷害との関係にはlow level evidenceがあるものの,術後脳卒中や認
知障害発生を回避するためにScO2閾値やScO2を増加
させる方法について結論を出すにはデータ不足である
と報告されている23)。
5
)NIRS
と脳血流PaCO2を 変 化 さ せ て 経 頭 蓋 ド ッ プ ラ ー 法
(transcranial Doppler, TCD)によるMCAFV,TOI,
rSO2の変化を測定した報告がある24)。TCD測定ター ゲ ッ ト と な るMCA部 位 の 径 は 変 化 し な い の で, MCAFV(cm/sec)の変化はCBFの変化と相関する。 こ の 報 告 で はnormocapniaに 比 し てhypocapnia (PaCO2 30 mmHg)ではMCAFV,TOI,rSO2は約 10 % 減 少 し,normocapniaに 比 し てhypercapnia (PaCO2 50 mmHg)ではそれぞれ約10%増加してい る。つまりTOI,rSO2はある程度CBFを反映してい る。
6
)時間分解分光法(time resolved spectroscopy,
TRS
):絶対値が実測できるScO
2測定法 光パルスを発射してパルス光の広がりを評価し,吸 収係数,散乱係数,拡散係数,光路長を分光計測する 方法である。TRSを使用すると,頭蓋骨がある場合に 比して頭蓋骨がない場合,光は多く吸収され吸収係数 は増加,骨による散乱は少なくなり散乱係数は減少, 光路長は短縮することが予想される。頭蓋骨の厚さが ScO2に影響することを示すことができる方法でもあ る。 TRSでは生体内のHbO2などが実測でき,アルゴリ ズムの信頼性は高く絶対値が信用できる。頸動脈内膜 剥離術の遮断前,遮断中,遮断後において,TRSによるScO2とSjO2が比較されている25)。Bland-Altman
分析において,bias-1.3%,precision 9.7%であり, 従来の報告よりもTRSはやや精度が高いと報告され ている。従来法でみられた前頭部での左右差もTRS では少ないようである。TRSを使用したNIRO®は近 く製品化される。
7
)相澤論文について 相澤ら1)は,ScO2は標準値が規定されていないため 数値の解釈は個々の患者ごとの検討が必要であること に言及した上で,結果としてrSO2はPaO2もしくはHb とは正の相関,体温とは負の相関が著明であり,さら にPaCO2あるいは混合静脈血酸素飽和度との相関も 報告している。脳ヘルニアあるいはCBFの自己調節 が著明に障害された状態の症例は含まれていないと考 えられるので,これらの結果は,上述したようにrSO2 が脳酸素需給バランスをある程度反映していることと 矛盾しない。ただHbは脳酸素需給バランスの反映と は異なり,測定原理の点でrSO2に影響していること になる。まとめ
TOIは光路長には影響されないが頭蓋外血流には影 響される。rSO2は光路長因子(頭蓋骨の厚み,頭蓋骨 直下髄液層面積,Hb),頭蓋外血流,すべてに影響さ れる。ただ,NIRSの多くの機器の中でとくにTOIが 優れているという論調ではない23)のはこれらが相対 値であることによるのであろう。解決すべき項目は多 い26)。 本稿の著者には規定されたCOIはない。 黒田 泰弘 香川大学医学部救急災害医学 (〒761-0793 香川県木田郡三木町池戸1750-1) 文 献 1) 相澤 純,永田博文,山田直人,他.適切な脳組織酸素飽 和度を維持するために必要な各種バイタルサインに関する 研究.日集中医誌 2015;22:17-22. 2) 黒田泰弘,山下 進,中村丈洋,他.蘇生後脳症における 脳循環代謝.日救急医会誌 2006;17:167-76.and metabolism. In: Albin MS editor. Textbook of neuro-anesthesia: with neurosurgical and neuroscience perspec-tives. New York: McGrow-Hill; 1997. p. 21-59.
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受付日2014年 8 月15日 採択日2014年 8 月26日
Pitfall in neurocritical care: near-infrared
spectroscopy for monitoring of oxygen
saturation in the brain
Key words: ①near-infrared spectroscopy, ②oxygen
satura-tion in the brain, ③cerebral oxygen supply and demand, ④oxygen saturation in the jugular venous blood, ⑤ hemoglobin
Yasuhiro Kuroda
Department of Emergency, Disaster, and Critical Care Medicine, Faculty of Medicine, Kagawa University
(1750-1 Ikenobe, Miki, Kita-gun, Kagawa 761-0793, Japan)