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目次 はじめに 3 1. 新学習指導要領に基づく小中学校教科書の エネルギー関連記述に関する提言 5 2. 現行の小中学校教科書のエネルギー関連記述 の調査結果 現行および新学習指導要領のエネルギー関連記述 の調査結果 調査の記録 14 添付資料 1. 現行の小中学校教科書の

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(1)

新 学 習 指 導 要 領 に 基 づ く

小 中 学 校 教 科 書 の

エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 に 関 す る 提 言

平 成 2 1 年 1 月

(社)日本原子力学会

原 子 力 教 育 ・ 研 究 特 別 専 門 委 員 会

(2)

2

目 次

は じ め に

3

1 . 新 学 習 指 導 要 領 に 基 づ く 小 中 学 校 教 科 書 の

エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 に 関 す る 提 言

5

2 . 現 行 の 小 中 学 校 教 科 書 の エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述

の 調 査 結 果

10

3 . 現 行 お よ び 新 学 習 指 導 要 領 の エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述

の 調 査 結 果

12

4 . 調 査 の 記 録

14

添 付 資 料

1 . 現 行 の 小 中 学 校 教 科 書 の エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 の 調 査

2 . 現 行 お よ び 新 学 習 指 導 要 領 の エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述

の 調 査

(3)

3

は じ め に

( 社 )日 本 原 子 力 学 会

原 子 力 教 育・研 究 特 別 専 門 委 員 会 は 小・中

学 校 の 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 ( 平 成

20 年 3 月 公 示 、 小 学 校 は 平 成 23

年 度 、 中 学 校 は 平 成

24 年 度 か ら 全 面 実 施 ) に 基 づ き 、 小 ・ 中 学 校

で 使 用 さ れ る 教 科 書 の エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 内 容 の 充 実 を 図 る べ き 事

項 を 提 言 と し て ま と め 、 教 育 界 を は じ め 関 係 各 界 で 反 映 し て い た だ

く よ う 要 望 し ま す 。

本 委 員 会 は

15 年 近 く 初 等 中 等 教 科 書 に お け る エ ネ ル ギ ー 関 連 記

述 の 調 査 を 行 い 、

「 初 等 ・ 中 等 教 育 に お け る「 エ ネ ル ギ ー 」の 扱 い と

高 等 学 校 学 習 指 導 要 領 に 関 す る 要 望 書 」、「 参 考 資 料 : 高 等 学 校 教 科

書 中 の 原 子 力 に 関 す る 不 適 切 な 記 述 例 」な ど を ま と め 、”資 源・エ ネ

ル ギ ー ・ 環 境 ” を 柱 と し て 教 科 書 の 内 容 充 実 を 図 っ て 欲 し い と の 働

き か け を 、 文 部 科 学 省 を は じ め 政 界 ・ 官 界 ・ 学 界 の 各 方 面 に 行 っ て

き ま し た 。 そ の 経 験 か ら 、 こ こ 数 年 が 日 本 の 初 等 中 等 教 育 に と っ て

の 質 が 大 き く 問 わ れ る こ と に な る だ ろ う と の 結 論 に 達 し ま し た 。 な

ぜ か と 言 え ば 、 出 版 会 社 に と っ て 小 ・ 中 ・ 高 校 で 使 わ れ る 教 科 書 執

筆 の バ イ ブ ル 的 存 在 こ そ が 学 習 指 導 要 領 で 、 こ れ に 沿 っ て 教 科 書 が

作 ら れ る か ら で す 。 改 訂 さ れ た 新 学 習 指 導 要 領 に よ る 教 科 書 は 小 学

校 で 平 成

23 年 度 、中 学 校 で は 平 成 24 年 度 か ら 実 際 に 現 場 で 使 用 さ

れ ま す 。

教 育 は 教 科 書 が あ れ ば そ れ で よ い と い う も の で は あ り ま せ ん が 、

尐 な く と も 日 本 全 国 の 子 供 が 共 通 に 学 ぶ 知 識 の 源 が 教 科 書 だ け に 、

常 に そ の 質 が 問 わ れ る こ と は 言 う ま で も あ り ま せ ん 。 そ こ で “ 学 習

指 導 要 領 を も と に 正 し い 知 識 が 得 ら れ る 教 科 書 を 作 っ て 欲 し い ” と

の 期 待 か ら 、 本 書 の 第 1 章 に 示 す 提 言 と な り ま し た 。

本 提 言 の 作 成 に 当 た り 、 現 行 の 学 習 指 導 要 領 ( 平 成

11 年 改 定 )

に 基 づ い て 検 定 を 受 け た 小 ・ 中 学 校 の 社 会 お よ び 理 科 の 教 科 書 に つ

い て 、エ ネ ル ギ ー お よ び 原 子 力・放 射 線 関 連 の 記 述 を 調 査 し ま し た 。

ま た 、 現 行 の 学 習 指 導 要 領 と 新 学 習 指 導 要 領 の エ ネ ル ギ ー お よ び 原

子 力 ・ 放 射 線 関 連 の 取 り 上 げ 方 に つ い て の 比 較 も 行 っ た の で 、 こ れ

ら も 合 わ せ て 第 2 章 お よ び 第 3 章 に 示 し て い ま す 。

な お 、 昨 年 末 に 文 部 科 学 省 か ら 高 等 学 校 の 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 案

(4)

4

が 公 表 さ れ ま し た が 、 ま だ 確 定 し た も の で は あ り ま せ ん 。 こ れ に 基

づ い た 教 科 書 の 執 筆 、 使 用 ま で に は ま だ 時 間 が あ る こ と か ら 、 高 等

学 校 に つ い て の 本 報 告 書 と 同 様 の 調 査 は 来 年 度 に 計 画 す る こ と に し

て い ま す 。

(5)

5

1 . 新 学 習 指 導 要 領 に 基 づ く 小 中 学 校 教 科 書 の

エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 に 関 す る 提 言

人 類 が利 用 するエネルギーは、 18 世 紀 の産 業 革 命 期 から急 激 に増 加 を

始 め、1 9 世 紀 の石 炭 エネルギー、 20 世 紀 の石 油 エネルギーの利 用 を経 て、

20 世 紀 後 半 からは原 子 力 を利 用 する時 代 を迎 えています。こうした科 学 技

術 の 発 展 に 伴 う エ ネ ル ギ ー 利 用 の 拡 大 は 、 産 業 、 社 会 、 生 活 の 向 上 に 貢

献 してきました。

しかし、エネルギー資 源 には限 りがあるので、その効 率 的 な利 用 が重 要 で

す 。 最 近 で は 、 経 済 成 長 が 著 し い 各 国 で エ ネ ル ギ ー 需 要 が 高 ま り エ ネ ル ギ

ー 安 全 保 障 が 重 視 さ れ る よ う に な っ た こ と 、 化 石 燃 料 価 格 が 乱 高 下 し て 原

子 力 の 経 済 性 が 高 ま っ た こ と 、 さ ら に 、 地 球 温 暖 化 や 酸 性 雨 な ど に 現 れ た

環 境 問 題 が やが ては人 類 の生 存 を も脅 かし 得 る深 刻 な問 題 であると認 識 さ

れるよう になっ た ことを 背 景 とし て、エネルギー安 全 保 障 の向 上 に寄 与 でき、

大 規 模 な 供 給 力 を 確 保 で き 、 し か も 低 炭 素 エ ネ ル ギ ー 源 で あ る 原 子 力 発

電 が高 く評 価 されるよ うになりました。

特 に 、エネルギー資 源 が乏 し いた めに燃 料 のほ とんどを 輸 入 に頼 ら ざるを

え ず、一 方 、既 に 世 界 最 高 レベルのエネルギー利 用 効 率 を 達 成 し てこれ以

上 の 省 エ ネ ル ギ ー が 次 第 に 難 し く な り つ つ あ る 我 が 国 は 、 原 子 力 エ ネ ル ギ

ー の 利 用 を 進 め 、 「 新 ・ 国 家 エ ネ ル ギ ー 戦 略 」 さ ら に は 「 エ ネ ル ギ ー 基 本 計

画 」の中 で、原 子 力 発 電 を我 が国 の基 幹 電 源 であると位 置 付 けています。

将 来 を 担 う 子 供 達 に 、 こ の よ う な 資 源 問 題 と 環 境 問 題 の 解 決 策 と し て 、

量 と持 続 性 の 両 面 で最 も効 果 的 な方 法 は現 状 では原 子 力 エネルギーの利

用 で あ る こ と を 教 え 、 原 子 力 の 抱 え る 課 題 を 解 決 し 安 全 に 利 用 し て 行 く 科

学 技 術 の成 功 が 次 世 代 の 子 供 達 に委 ねられていることを 伝 えて行 か なけれ

ばなりません。

しかるに、現 在 の小 学 校 ・中 学 校 の教 科 書 では、原 子 力 に関 する説 明 が

不 足 、 或 い は 説 明 に 誤 り や 偏 り の あ る 例 が 散 見 さ れ ま す 。 水 力 、 石 油 、 石

炭 、 天 然 ガ ス 、原 子 力 、 風 力 、太 陽 光 な どのエ ネル ギー 資 源 の有 効 利 用 と

(6)

6

省 エ ネ ル ギ ー に つ い て 、 バ ラ ン ス 良 く 、 か つ 総 合 的 に と ら え て 教 え る べ き で

す。

そ こ で 、

(社 )日 本 原 子 力 学 会 原 子 力 教 育・研 究 特 別 専 門 委 員 会 は 、

平 成

20 年 3 月 に 小 学 校 ・ 中 学 校 の 学 習 指 導 要 領 が 改 訂 さ れ て 新 し

い 教 科 書 が 執 筆 さ れ る に 当 た り 、 そ の 新 学 習 指 導 要 領 に 基 づ き 以 下

の よ う な 内 容 が 適 切 に 反 映 さ れ る べ き で あ る と 提 言 す る も の で あ り

ま す 。

( 1 ) 小 学 校 の 理 科 ・ 社 会 科 で 原 子 力 エ ネ ル ギ ー を 教 え る

こ れ ま で の 教 科 書 で は 、 小 学 生 に と っ て 原 子 力 は 難 し 過 ぎ る と 見

な さ れ た た め か そ の 説 明 が 極 め て 尐 な く 、 燃 焼 の 反 応 熱 を 利 用 す る

従 来 の 火 力 発 電 に 対 し て 、 温 室 効 果 ガ ス を 殆 ど 出 さ な い 発 電 方 法 と

し て は 風 力 ・ 太 陽 光 に よ る 発 電 が 有 望 で あ る と の 説 明 に 重 点 が 置 か

れ て い ま す 。 し か し 、 エ ネ ル ギ ー 密 度 の 低 い 風 力 と 太 陽 光 の 利 用 だ

け で 現 在 の 火 力 発 電 の 規 模 を 置 き 換 え ら れ る だ け の 量 を 確 保 で き な

い こ と は 明 白 で す 。 我 が 国 で は 今 日 既 に 電 力 供 給 の 三 分 の 一 を 担 っ

て い る 原 子 力 発 電 を 今 後 ど れ だ け 増 や せ る か が 、 資 源 問 題 と 環 境 問

題 の 解 決 の 成 否 を 決 定 付 け る と 言 え ま す 。

そ こ で 、 小 学 校 理 科 の 教 科 書 で は 、 原 子 力 が 発 電 時 に 炭 酸 ガ ス を

排 出 し な い こ と を 、 ま た 、 社 会 科 の 教 科 書 で は 、 エ ネ ル ギ ー 資 源 や

環 境 問 題 の 解 決 策 の 一 つ と し て 原 子 力 発 電 が 既 に 国 内 外 で 広 く 利 用

さ れ て い る こ と を 、 分 か り 易 く 丁 寧 に 教 え る べ き で す 。

( 2 ) 中 学 校 の 理 科 ・ 社 会 科 で 核 燃 料 の リ サ イ ク ル を 教 え る

原 子 炉 か ら 取 り 出 さ れ た 使 用 済 み の 核 燃 料 の 中 に は 、 プ ル ト ニ ウ

ム や ウ ラ ン が 大 量 に 残 っ て お り 、 こ れ を 再 処 理 し て 新 し い 燃 料 に 作

り 直 す リ サ イ ク ル が 可 能 で す 。 こ の こ と は 燃 焼 に よ り 消 え て し ま う

化 石 燃 料 と は 全 く 異 な る 核 燃 料 の 特 徴 で す 。 特 に 、 高 速 増 殖 炉 と そ

の 燃 料 サ イ ク ル 技 術 が 完 成 す れ ば 、 ウ ラ ン の 利 用 可 能 年 数 は 数 千 年

に 延 び 、 実 質 的 に 資 源 の 枯 渇 を 考 え る 必 要 は な く な り 、 持 続 的 に 温

室 効 果 ガ ス の 排 出 を 抑 制 す る こ と が で き ま す 。 こ の こ と か ら 、 文 部

科 学 省 が 研 究 開 発 を 進 め て い る 高 速 増 殖 炉 サ イ ク ル は 、 閣 議 決 定 さ

(7)

7

れ た 第

3 期 科 学 技 術 基 本 計 画 の 分 野 別 推 進 戦 略 の 中 で 国 家 基 幹 技 術

と 位 置 付 け ら れ て い ま す 。

そ こ で 、 中 学 校 の 理 科 の 教 科 書 で は 、 原 子 力 エ ネ ル ギ ー 利 用 の 基

本 的 な 原 理 と と も に 、 そ の 開 発 の 成 否 が 次 世 代 の 子 供 達 に 委 ね ら れ

て い る 高 速 増 殖 炉 と そ の 燃 料 サ イ ク ル の 仕 組 み 並 び に そ の 効 果 に つ

い て 、 ま た 、 社 会 科 の 教 科 書 で は 、 原 子 力 が リ サ イ ク ル の 可 能 性 を

持 ち 資 源 の 節 約 に 繋 が る こ と を 、 分 か り 易 く 丁 寧 に 教 え る べ き で あ

り ま す 。

( 3 ) 中 学 校 の 理 科 で 放 射 線 利 用 の 実 例 を 教 え る

物 質 を 透 過 す る こ と の で き る 放 射 線 は 、 体 外 か ら の 医 療 診 断 や 、

機 械 構 造 物 の 非 破 壊 検 査 に 利 用 さ れ て い ま す 。 ま た 、 放 射 線 が 物 質

と 相 互 作 用 を 起 こ す 性 質 を 利 用 し て 、材 料 の 改 質 、植 物 の 品 種 改 良 、

医 療 機 器 の 滅 菌 、 ガ ン の 治 療 な ど が 行 わ れ て い ま す 。 こ の よ う に 放

射 線 は 医 療 へ は も ち ろ ん 、 工 業 、 農 業 な ど に 広 く 利 用 さ れ 、 そ の 経

済 規 模 は 原 子 力 発 電 と 並 ぶ も の に な っ て い ま す 。

放 射 線 が 現 代 の 健 康 で 快 適 な 生 活 と 社 会 を 広 く 水 面 下 で 支 え て い

る 事 実 は 、 将 来 を 担 う 子 供 達 に と っ て 重 要 な 知 識 で あ り 、 理 科 の 教

科 書 で 分 か り 易 く 丁 寧 に 教 え る べ き で あ り ま す 。

( 4 )中 学 校 の 理 科 で 自 然 放 射 線 の 存 在 を 教 え る と と も に 測 定 実 験

を 行 う

自 然 界 に は 、 宇 宙 か ら 注 ぐ 放 射 線 、 地 中 の 鉱 物 が 発 す る 放 射 線 、

食 物 を 通 し て 体 内 に 摂 取 し た 物 質 が 出 す 放 射 線 、 そ し て 、 コ ン ク リ

ー ト 建 築 の 室 内 に 充 満 す る 放 射 性 物 質 が あ り 、 人 間 は 太 古 以 来 、 放

射 線 と 共 存 し て 生 き て き ま し た 。 ま た 、 東 京 と ニ ュ ー ヨ ー ク の 間 を

飛 行 機 で

1 回 往 復 し て 浴 び る 宇 宙 線 に よ る 被 ば く 量 に 比 べ て 、 原 子

力 発 電 所 の 隣 に 居 住 し て

1 年 間 に 浴 び る 放 射 線 の 被 ば く 量 の ほ う が

遥 か に 尐 な い こ と が 分 か っ て い ま す 。 我 が 国 と 世 界 の 将 来 に と っ て

原 子 力 発 電 の 利 用 が 必 須 で あ る こ と に 鑑 み 、 放 射 線 に 対 す る 過 剰 な

ア レ ル ギ ー と な る 記 述 は 改 め る べ き で す 。

中 学 校 の 理 科 の 教 科 書 で は 、 自 然 放 射 線 と 人 間 が 共 存 し て い る 事

実 を 説 明 し 、 更 に 、 簡 便 な 測 定 実 験 な ど の 実 習 を 通 し て そ の 事 実 を

(8)

8

学 ぶ よ う 指 導 す る べ き で あ り ま す 。

( 5 ) 中 学 校 の 理 科 で 原 子 力 の 安 全 性 に つ い て 教 え る 。

こ れ ま で の 教 科 書 で は 、 原 子 力 発 電 に 対 す る 反 対 運 動 や 、 チ ェ ル

ノ ブ イ リ 事 故 、 ジ ェ ー シ ー オ ー

(JCO)臨 界 事 故 な ど の マ イ ナ ス イ メ

ー ジ の 記 載 が 顕 著 で し た 。 し か し 、 全 て の 科 学 技 術 は 利 便 性 と 危 険

性 の 両 面 を 有 す る 「 諸 刃 の 剣 」 で あ り 、 重 要 な こ と は 、 そ の 危 険 性

を 顕 在 化 さ せ る こ と な く 、 い か に 利 便 性 の み を 発 揮 さ せ る か に あ り

ま す 。 我 が 国 の 原 子 力 施 設 は 、 立 地 、 設 計 、 建 設 、 運 転 、 保 守 の 各

段 階 に お け る 厳 格 な 規 制 シ ス テ ム に よ り 、 そ の 安 全 性 は 高 い レ ベ ル

に 保 た れ て い ま す 。具 体 的 に は 、

「 多 重 防 護 」の 考 え 方 に 基 づ き 、ト

ラ ブ ル の 未 然 防 止 を 第 一 と し 、 そ れ で も 「 人 間 は ミ ス を 犯 す 」、「 機

械 は 故 障 す る 」 こ と を 前 提 に 安 全 が 確 保 さ れ る よ う に 設 計 し 、 仮 に

ト ラ ブ ル が 発 生 し て も 事 故 へ の 拡 大 を 抑 え 、 更 に 、 事 故 に 拡 大 し て

も そ の 影 響 を 最 小 限 に 止 め る よ う に 、 何 重 に も 安 全 対 策 が 施 さ れ て

い ま す 。

安 全 性 を 確 率 論 的 な 数 字 で 表 し た リ ス ク 評 価 で は 、 例 え ば 、 我 が

国 で は ガ ン に よ る 死 亡 が 最 も 多 く そ の 年 間 死 亡 確 率 は 約

2.5×10

-3

400 人 に 1 人 )、自 殺 、自 動 車 事 故 に よ る 年 間 死 亡 確 率 は 、そ れ ぞ

れ 、 約

2.5×10

- 4

4,000 人 に 1 人 )、 約 5×10

- 5

20,000 人 に 1 人 )

と な っ て い ま す 。 こ れ ら に 比 べ て 、 原 子 力 発 電 所 の い ろ い ろ な 事 故

の 発 生 確 率 や 事 故 の 影 響 を 評 価 し た 結 果 、 年 間 死 亡 確 率 が

10

- 6

( 百

万 人 に 1 人 ) よ り 十 分 小 さ い こ と が 示 さ れ て い ま す 。

そ こ で 、原 子 力 施 設 の 事 故 が 起 き る 可 能 性 を 記 載 す る だ け で な く 、

原 子 力 施 設 の 安 全 性 は 高 く 、 実 際 に は ガ ン 、 自 動 車 事 故 な ど よ り も

リ ス ク が 十 分 小 さ い こ と を 併 せ て 教 え る べ き で あ り ま す 。

( 6 ) 中 学 校 の 社 会 科 で 世 界 の 原 子 力 利 用 拡 大 の 流 れ を 教 え る

原 子 力 発 電 は 、 資 源 問 題 と 環 境 問 題 を 同 時 に 解 決 で き る 切 り 札 で

あ る こ と か ら 、 米 国 、 中 国 、 ロ シ ア 、 イ ン ド な ど で 大 規 模 な 原 子 力

発 電 所 建 設 が 予 定 さ れ て い る と と も に 、 欧 州 、 ア ジ ア 、 中 近 東 、 ア

フ リ カ 諸 国 等 で も 新 し く 原 子 力 発 電 所 を 導 入 す る 動 き が 拡 大 し て い

ま す 。 こ の よ う に 世 界 各 国 で は 原 子 力 を 再 評 価 し 、 原 子 力 発 電 を 大

(9)

9

幅 に 拡 大 し よ う と す る 機 運 に あ り 、 そ の 傾 向 は 、 原 子 力 ル ネ ッ サ ン

ス と 呼 ば れ て い ま す 。

資 源 が 尐 な い 一 方 、 科 学 技 術 力 の 高 い 日 本 は 、 世 界 か ら 期 待 さ れ

て い る だ け に こ の 世 界 の 流 れ に 貢 献 し て 行 か ね ば な り ま せ ん 。 中 学

校 の 社 会 科 の 教 科 書 は 、 こ の よ う な 世 界 的 な 原 子 力 エ ネ ル ギ ー 利 用

拡 大 の 動 き と 、 我 が 国 が 原 子 力 利 用 技 術 に つ い て 世 界 に 貢 献 で き る

こ と を 新 し い 動 き と し て 正 し く 伝 え る べ き で あ り ま す 。

以 上 の 6 点 に つ き 、 教 科 書 の 執 筆 者 が 真 摯 に 取 り 組 ん で 頂 け る よ

う 、 強 く 要 請 す る も の で あ り ま す 。

(10)

10

2 . 現 行 の 学 習 指 導 要 領 に 基 づ く 小 中 学 校 教 科 書 の

エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 の 調 査 結 果

現 在 小 中 学 校 の 理 科 、社 会 科 の 教 科 書 と し て 発 行 さ れ て い る

103

点 ( 小 学 校

69 点 、 中 学 校 34 点 ) に お け る エ ネ ル ギ ー 関 連 の 記 述

内 容 に つ い て 調 査 を 行 っ た 。個 別 の 調 査 結 果 に つ い て は 、添 付 資 料

1 に 示 す 。 こ こ で は 、 調 査 結 果 全 体 の 傾 向 に つ い て 述 べ る 。

な お 、今 回 調 査 し た 教 科 書 は い ず れ も 現 行 の 学 習 指 導 要 領( 平 成

11 年 改 定 ) の も と に 作 成 さ れ た も の で あ り 、 当 然 の こ と な が ら 、

今 回 改 訂 さ れ た 新 学 習 指 導 要 領 に 対 応 し た も の で は な い 。

2 . 1 小 学 校 教 科 書 に つ い て

現 行 の 小 学 校 教 科 書 に お け る 原 子 力 関 連 の 記 述 は 、 ほ と ん ど 見 当

た ら な い 。 全 体 で 、 3 点 ( 社 会 2 点 、 理 科 1 点 ) に 僅 か に 記 載 が あ

る の み で あ る 。

社 会 で は 、 原 子 力 発 電 が

1/3 を 占 め て い る こ と 、 発 電 方 式 と し て

原 子 力 が あ り 、 安 全 面 で の 不 安 の あ る こ と 、 と い う 記 述 と な っ て い

る 。こ れ ら は 、現 行 の 学 習 指 導 要 領 に お け る 、

「 火 力 発 電 や 原 子 力 発

電 に お い て は 特 に 安 全 性 の 確 保 に 努 め て い る こ と な ど の 対 策 や 事 業

が 計 画 的 に 進 め ら れ て い る こ と を 考 え る こ と が で き る よ う に す る 。」

と し た 項 目 に 対 応 し た 記 載 で あ る が 、 漠 然 と 「 安 全 面 で の 不 安 」 と

述 べ る だ け で は 、 説 明 が 不 十 分 で あ る と 指 摘 せ ざ る を 得 な い 。

理 科 で は 、 単 に 発 電 方 法 の ひ と つ と し て 、 原 子 力 が あ る こ と を 述

べ て い る だ け で あ る 。 自 然 エ ネ ル ギ ー が 環 境 に 影 響 の 尐 な い 発 電 方

法 と し て 普 及 が 期 待 さ れ て い る 、 と す る 記 述 に 比 べ て 、 取 り 扱 い 方

に バ ラ ン ス を 欠 い て い る も の と い え る 。

エ ネ ル ギ ー 関 連 の 記 載 内 容 で 問 題 が あ る と 思 わ れ る の は 、 定 義 が

不 明 瞭 な ま ま 「 環 境 に や さ し い エ ネ ル ギ ー 」 と い う キ ー ワ ー ド を 使

用 し て い る 点 で あ る 。 上 述 の 原 子 力 に 対 す る 「 安 全 面 の 不 安 」 と 同

じ く 、 生 徒 の 情 感 に 訴 え か け る よ う な 記 述 で あ り 、 教 科 書 と し て は

適 切 と は い え な い 。 他 に 、 記 述 内 容 が や や 偏 っ て い る 、 説 明 不 足 で

話 の 展 開 が 分 か り に く い 等 の 点 も あ る が 、 限 ら れ た 知 識 と 分 量 と の

前 提 条 件 の 下 で は 、 あ る 程 度 は や む を え な い も の と い え る 。

(11)

11

2 . 2 中 学 校 教 科 書 に つ い て

中 学 校 教 科 書 で は 、 社 会 ( 地 理 、 公 民 )

13 点 、 理 科 ( 第 一 分 野 )

5 点 に 原 子 力 に 関 す る 記 述 が あ る 。 多 く の 教 科 書 で は 、 比 較 的 記 述

は 適 切 で あ る と 思 え る が 、 一 部 以 下 に 述 べ る よ う な 問 題 点 が あ る 。

社 会 、理 科 に 共 通 し て い え る こ と で あ る が 、全 体 の ト ー ン と し て 、

自 然 エ ネ ル ギ ー へ の 期 待 が 過 大 で あ る よ う に 思 わ れ る 一 方 、 原 子 力

に 対 し て は 、 安 全 性 へ の 漠 然 と し た 問 題 提 起 が 行 わ れ て お り 、 小 学

校 教 科 書 と 同 様 に 、や や バ ラ ン ス を 欠 く 記 述 が 見 受 け ら れ る 。ま た 、

こ れ も 小 学 校 教 科 書 と 同 様 で あ る が 、

「 ク リ ー ン エ ネ ル ギ ー 」や「 無

限 エ ネ ル ギ ー 」 と い う 定 義 の 不 明 瞭 な 用 語 を 、 主 に 自 然 エ ネ ル ギ ー

に 対 し て 使 用 し て お り 、 生 徒 に 誤 っ た 印 象 を 与 え る 恐 れ が あ る 。 中

学 校 で あ れ ば 、 こ れ ら の 事 項 に つ い て の 説 明 を 理 解 で き る 知 識 を 有

し て い る は ず で あ り 、 十 分 な 説 明 を 行 わ な い こ と は 教 科 書 と し て 適

切 な 記 述 と は い え な い 。

社 会 で は 、 温 室 効 果 ガ ス の 問 題 が 記 述 さ れ て い る が 、 そ の 有 力 な

対 応 策 で あ る 原 子 力 発 電 の メ リ ッ ト に つ い て 述 べ て い る 教 科 書 が ほ

と ん ど な い 。 ま た 、 原 子 力 エ ネ ル ギ ー は 燃 料 を リ サ イ ク ル 利 用 で き

る こ と を 説 明 し た 教 科 書 も 僅 か し か な く 、 ウ ラ ン 資 源 が 偏 っ て 分 布

し て お り 、 そ の 資 源 量 も 十 分 に は な い こ と を 記 載 し て い る の み の 教

科 書 が 多 く 見 ら れ る 。

理 科 に お い て は 、 現 行 の 学 習 指 導 要 領 の 範 囲 で は 記 述 が 困 難 と 思

わ れ る が 、 原 子 力 エ ネ ル ギ ー や 燃 料 リ サ イ ク ル の 原 理 に つ い て の 説

明 が な い た め 、 地 球 温 暖 化 対 策 や エ ネ ル ギ ー セ キ ュ リ テ ィ に お け る

原 子 力 の 有 用 性 に つ い て の 説 明 が で き て い な い 。

新 学 習 指 導 要 領 で は 、 原 子 力 を 含 む エ ネ ル ギ ー 問 題 に つ い て 、 よ

り 詳 細 に 指 導 す る こ と と な っ て お り 、 こ れ に 基 づ く 教 科 書 で は 上 に

述 べ た 問 題 点 に つ い て 、 適 切 な 記 述 が な さ れ る こ と が 期 待 さ れ る 。

(12)

12

3 . 現 行 お よ び 新 学 習 指 導 要 領 の

エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 の 調 査 結 果

3 . 1 小 学 校 の 学 習 指 導 要 領

小 学 校

3、 4 年 の 社 会 の 新 学 習 指 導 要 領 の 解 説 で は 、 電 気 の 確 保

に つ い て 、 発 電 に 必 要 な エ ネ ル ギ ー 源 を 確 保 す る た め の 対 策 や 発 電

所 か ら 各 家 庭 や 工 場 に 送 電 さ れ る ま で の 事 業 を 記 述 す る よ う 指 示 さ

れ て い る 。 ま た 、 飲 料 水 、 電 気 、 ガ ス の い ず れ か に つ い て 家 庭 や 学

校 な ど で の 使 わ れ 方 や 使 用 料 を 調 べ る こ と も 求 め ら れ て い る 。 さ ら

に 、 電 気 の 確 保 に つ い て 、 主 と し て 火 力 、 原 子 力 、 水 力 の 発 電 所 か

ら の 電 気 に よ っ て 安 定 供 給 が 図 ら れ て い る こ と 、 火 力 発 電 所 や 原 子

力 発 電 所 に お い て は 環 境 に 配 慮 し て い る こ と や 安 全 性 の 確 保 に 努 め

て い る こ と を 取 り 上 げ る こ と が 考 え ら れ る と し て い る 。

こ れ ら の こ と は 現 行 の 学 習 指 導 要 領 に は 記 載 さ れ て お ら ず 、 大 き

い 変 化 で あ る 。

小 学 校

3 年 の 理 科 の 新 学 習 指 導 要 領 で は 、 物 の 重 さ 、 風 や ゴ ム の

力 並 び に 光 、 磁 石 及 び 電 気 を 働 か せ た と き の 現 象 を 比 較 し な が ら 調

べ る こ と を 求 め て い る 。 重 さ や 力 な ど を 定 量 的 に 理 解 す る こ と は エ

ネ ル ギ ー な ど の 学 習 に 進 む う え で 重 要 な ポ イ ン ト で あ る が 、 現 行 の

学 習 指 導 要 領 で は こ の よ う な こ と ま で は 求 め て い な い 。

3 . 2 中 学 校 の 学 習 指 導 要 領

社 会 の 地 理 的 分 野 に お い て 、 現 行 の 学 習 指 導 要 領 の 解 説 で は 日 本

は エ ネ ル ギ ー 資 源 や 鉱 物 資 源 に 恵 ま れ て い な い 国 で あ る こ と 、 お よ

び 国 内 で は 環 境 や エ ネ ル ギ ー に 関 す る 課 題 な ど を 抱 え て い る こ と を

大 観 さ せ る と し て い る 。 新 学 習 指 導 要 領 の 解 説 で は 、 日 本 の 資 源 ・

エ ネ ル ギ ー の 消 費 の 現 状 を 理 解 さ せ る と と も に 、国 内 の 産 業 の 動 向 、

環 境 や エ ネ ル ギ ー に 関 す る 課 題 を 取 り 上 げ る と し て い る 。 さ ら に 、

世 界 的 視 野 か ら 見 る と 、 我 が 国 は 資 源 や エ ネ ル ギ ー の 大 量 消 費 に 伴

う 環 境 問 題 、 エ ネ ル ギ ー 問 題 を 抱 え た 国 の 一 つ で あ る こ と を 取 り 上

げ る よ う 、 踏 み 込 ん だ 解 説 と な っ て い る 。

社 会 の 歴 史 的 分 野 に お い て 、 新 学 習 指 導 要 領 の 解 説 で は 我 が 国 が

世 界 有 数 の 経 済 大 国 に 急 速 に 成 長 し た こ と 、 お よ び 「 石 油 危 機 」 が

(13)

13

経 済 に 及 ぼ し た 影 響 な ど に 気 付 か せ る と し て お り 、 こ の こ と は 現 行

の 学 習 指 導 要 領 で は 取 り 上 げ ら れ て い な い 視 点 で あ る 。

理 科 の 第 一 分 野 に お い て 、 新 学 習 指 導 要 領 の 解 説 で は 物 質 や エ ネ

ル ギ ー に 関 す る 事 物 ・ 現 象 を 調 べ る こ と や 、 エ ネ ル ギ ー が 相 互 に 変

換 さ れ る こ と 、 さ ま ざ ま な 物 質 が エ ネ ル ギ ー 資 源 と し て 利 用 で き る

こ と を 理 解 さ せ る と し て い る 。 ま た 、 物 質 や エ ネ ル ギ ー に 関 す る 事

物 ・ 現 象 を 調 べ て 、 科 学 技 術 の 発 展 が 人 間 生 活 を 豊 か で 便 利 に し て

き た こ と や 、 エ ネ ル ギ ー 問 題 や 環 境 問 題 な ど の 様 々 な 問 題 を 解 決 す

る た め に も 科 学 技 術 が 重 要 で あ る こ と に 気 付 か せ る と し て い る 。 こ

の よ う に エ ネ ル ギ ー に 関 し て 詳 細 に 取 り 上 げ る こ と を 求 め た 点 は 現

行 の 学 習 指 導 要 領 か ら 大 き く 進 展 し た こ と で あ る 。

理 科 の 第 一 分 野 に お い て 、 新 学 習 指 導 要 領 の 解 説 で は エ ネ ル ギ ー

資 源 と し て 人 間 は 水 力 、 火 力 、 原 子 力 な ど か ら エ ネ ル ギ ー を 得 て い

る こ と を 知 る こ と と し て い る 。ま た 、人 間 は 石 油 や 石 炭 、天 然 ガ ス 、

核 燃 料 、 太 陽 光 な ど に よ る エ ネ ル ギ ー を 活 用 し て お り 、 そ れ ら の 特

徴 を 理 解 さ せ 、 エ ネ ル ギ ー の 安 定 な 確 保 と 有 効 利 用 が 重 要 で あ る こ

と を 理 解 さ せ る と し て い る 。 こ の よ う に 新 学 習 指 導 要 領 で は 原 子 力

を 他 の エ ネ ル ギ ー 源 と と も に 同 列 に 扱 っ て い る 。

さ ら に 、 新 学 習 指 導 要 領 の 解 説 で は 原 子 力 発 電 で は ウ ラ ン な ど の

核 燃 料 か ら エ ネ ル ギ ー を 取 り 出 し て い る こ と 、 核 燃 料 は 放 射 線 を 出

し て い る こ と や 放 射 線 は 自 然 界 に も 存 在 す る こ と 、 放 射 線 は 透 過 性

な ど を も ち 、 医 療 や 製 造 業 な ど で 利 用 さ れ て い る こ と に も 触 れ る こ

と と し て い る 。 こ の よ う に 原 子 力 発 電 の 原 理 や 、 放 射 線 の 性 質 と 利

用 を 取 り 上 げ る こ と を 求 め た こ と は 新 学 習 指 導 要 領 が 初 め て で あ り 、

特 筆 す べ き 進 展 で あ る 。 教 科 書 が こ の 方 向 に 沿 っ て 十 分 記 述 さ れ る

こ と を 期 待 し た い 。

ま た 、 生 徒 に 選 択 さ せ る テ ー マ と し て 、 新 エ ネ ル ギ ー の 利 用 と 環

境 へ の 影 響 と と も に 、 原 子 力 の 利 用 と そ の 課 題 、 バ イ オ 燃 料 の 利 用

と そ の 課 題 な ど が 示 さ れ て お り 、 原 子 力 が 特 殊 化 さ れ る こ と な く 他

の エ ネ ル ギ ー 源 と 同 列 に 取 り 扱 わ れ て い る こ と は 望 ま し い 傾 向 で あ

る 。

(14)

14

4 . 調 査 の 記 録

会 議 開 催 記 録

本 調 査 に 関 し て 、原 子 力 教 育 ・ 研 究 特 別 専 門 委 員 会 お よ び 教 科 書

調 査 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ を 下 記 の よ う に 開 催 し た 。

平 成

20 年 3 月 27 日 ( 木 ) 場 所 : 大 阪 大 学

原 子 力 教 育 ・ 研 究 特 別 専 門 委 員 会 に お い て 本 調 査 を 提 案 し 、 承 認

さ れ た 。

平 成

20 年 9 月 5 日 ( 金 ) 場 所 : 高 知 工 業 大 学

原 子 力 教 育 ・ 研 究 特 別 専 門 委 員 会 に お い て 本 調 査 に 関 す る ワ ー キ

ン グ グ ル ー プ の 構 成 を 提 案 し 、 承 認 さ れ た 。

平 成

20 年 10 月 3 日 ( 金 ) 場 所 : 科 学 新 聞 社

教 科 書 調 査 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ で 調 査 結 果 を 持 ち 寄 り 、 解 析 ・ 意

見 交 換 を 行 っ た 。

平 成

20 年 11 月 13 日 場 所 : 科 学 新 聞 社

教 科 書 調 査 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ で 調 査 結 果 を 持 ち 寄 り 、 解 析 ・ 意

見 交 換 を 行 い 、 報 告 書 の 取 り ま と め を 検 討 し た 。

調 査 担 当 者

日 本 原 子 力 学 会 原 子 力 教 育 ・ 研 究 特 別 専 門 委 員 会

科 学 新 聞 社 編 集 局 ( 代 表

安 藤 仁 )

〔 原 子 力 教 育 ・ 研 究 特 別 専 門 委 員 会 委 員 〕

氏 名 所 属 等

工 藤

和 彦 * 九 州 大 学 高 等 教 育 開 発 推 進 セ ン タ ー ( 主 査 )

吉 田 正

武 蔵 工 業 大 学 環 境 エ ネ ル ギ ー 工 学 科

鈴 木

正 昭 東 京 工 業 大 学 大 学 院 理 工 学 研 究 科 化 学 工 学 専 攻

班 目

春 樹 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 原 子 力 専 攻

山 中

伸 介 大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 環 境・エ ネ ル ギ ー 工 学 専 攻

大 澤

孝 明 近 畿 大 学 理 工 学 部 原 子 炉 工 学 科

北 村 晃

神 戸 大 学 海 事 科 学 部

斉 藤 昌 之 *

関 西 電 力 ㈱ 原 子 力 事 業 本 部 原 子 力 企 画 グ ル ー プ

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15

勝 村

庸 介 東 京 大 学 大 学 院 工 学 系 研 究 科 属 原 子 力 国 際 専 攻

山 本 謙 二 *

日 本 原 子 力 発 電 ㈱ 総 合 研 修 セ ン タ ー

中 島 健 *

京 都 大 学 原 子 炉 実 験 所 原 子 力 基 礎 工 学 研 究 部 門

鬼 柳

善 明 北 海 道 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 量 子 エ ネ ル ギ ー 工 学 専 攻

熊 谷

( 財 ) 日 本 原 子 力 文 化 振 興 財 団

杉 本 純 *

日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 原 子 力 研 修 セ ン タ ー

芹 沢

昭 示 * 京 都 大 学 名 誉 教 授

宅 間 正 夫

( 社 ) 原 子 力 産 業 協 会

田 中

治 邦 * 日 本 原 燃 ( 株 ) 企 画 部

瓜 谷 章

名 古 屋 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 マ テ リ ア ル 理 工 学 専 攻

成 合

英 樹 ( 独 ) 原 子 力 安 全 基 盤 機 構

三 村 均

東 北 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科 量 子 エ ネ ル ギ ー 工 学 専 攻

宮 沢

龍 雄 ( 株 ) エ ネ ル ギ ー 計 画 コ ン サ ル タ ン ト

岡 本 毅

東 海 大 学 工 学 部 エ ネ ル ギ ー 工 学 科

* は 今 回 の 教 科 書 調 査 ワ ー キ ン グ グ ル ー プ メ ン バ ー

本 提 言 に 関 す る 問 合 せ 先

日 本 原 子 力 学 会

原 子 力 教 育 ・ 研 究 特 別 専 門 委 員 会

( 原 子 力 学 会 事 務 局 ;

http://www.aesj.or.jp/office/office.html )

(16)

16

【 添 付 資 料 】

1 . 現 行 の 学 習 指 導 要 領 に 基 づ く 小 中 学 校 教 科 書 の

エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 の 調 査

17

現 在 小 中 学 校 で 使 わ れ て い る 社 会 お よ び 理 科 の 最 新 の 教 科 書

103 点 に つ い て 、原 子 力 や エ ネ ル ギ ー に 関 す る 記 述 が あ る も の は 54

点 で あ っ た 。 こ の う ち の 2 1 点 に つ い て そ の 記 載 内 容 と こ れ に 対 す

る コ メ ン ト を 添 付 資 料 1 に 示 す 。こ れ ら の 調 査 を も と に 本 文 の「 2 .

現 行 の 学 習 指 導 要 領 に 基 づ く 小 中 学 校 教 科 書 の エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述

の 調 査 結 果 」 を ま と め た 。

2 . 現 行 お よ び 新 学 習 指 導 要 領 の

エ ネ ル ギ ー 関 連 記 述 の 調 査

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現 行 の 学 習 指 導 要 領 及 び 解 説 と 、 新 学 習 指 導 要 領 及 び 解 説 に つ い

て 、 対 応 す る 項 目 に つ い て の 対 照 表 を 添 付 資 料 2 に 示 す 。 こ の 調 査

を も と に 本 文 の 「 3 . 現 行 お よ び 新 学 習 指 導 要 領 の エ ネ ル ギ ー 関 連

記 述 の 調 査 結 果 」 を ま と め た 。

(17)

17 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 1 小学 社会 社会 東京書籍 3.4 下 日本で 1 年間に発電される電気の 3 分の 1 を原子力 発電がしめている 41 原子力発電についての記述は正確である。 2 小学 社会 社会 日本文教出版 3.4 上 発電方式に水力・火力・原子力がある 最近では、少ない燃料で大きな電力のえられる原子 力発電がふえてきているが、安全面での不安がある 68 漠然と「安全面での不安」とするより、「安全性につ いて解決すべき課題が残っている」とするほうがより 適切であると考える。 3 小学 理科 理科 東京書籍 6 下 発電所はおもに火力、水力、原子力のエネルギーを利用 し電気を起こす 太陽光・風なども実用化が進められている 火力は二酸化炭素出す、量に限りがある 水力は、二酸化炭素出さないがダムの費用が多い 太陽光や風力は発電の時間や場所が限られたり発電 の量や天気の影響がある しかし、自然エネルギーを使うので様々な物質を出すこ とはない 環境に影響の少ない発電方法として実用化の研究が 進められ、普及が期待されている 48 火力、水力の説明に加えて、原子力発電に関する説明 もあることが望ましい。 4 中学 社会 地理的分野 東京書籍 1・2 ウランなどは、さらにかたよって分布している 鉱産資源はほとんど輸入 火力発電は、温室効果ガスを発生 原子力発電は、温室効果ガスを出さず効率よい安定し た電力が得られるが、安全性の向上や最終処分場な どの課題がある 太陽光などの新エネルギーを利用する試みが盛んになっ ている しかし、発電能力や設備費用など実用化の面で多く の課題が残されている 180 182 ∼ 183 資源の60%以上が中東地域に賦存する石油に比べて、 ウランがさらにかたよって分布しているというのは 適切な表現であろうか。 ウランの最大の資源国オー ストラリアの賦存量は世界の約1/4に過ぎず、ヨーロ ッパ・ユーラシアが約30%、アフリカが約20%、北米 が約17%と、確認埋蔵量は石油よりも広く分布してい る。 原子力発電についての記述は中立的である。

添付資料 1 現行の小中学校教科書のエネルギー関連記述の調査

(18)

18 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 5 中学 社会 地理的分野 大阪書籍 1・2 過疎の抱える課題 六ヶ所村に再処理施設が建設中だが、他の産業の立 地が困難なことが背景にある 世界のエネルギー消費 フランスでは原子力が全体の 4 割に達している 原子力発電 資源が乏しい日本は原子力発電に力を入れてきた 二酸化炭素を大量に排出することない ウランの埋蔵量は限られている 放射性物質の処理・処分の課題が残されている 人々の不安は解消されていない 新エネルギー 大気汚染や温暖化のため、石油・石炭に代わり新エネ ルギーの開発が必要 技術的問題や発電コストなど多くの課題がある 発電量全体の 1%程度に過ぎず、比率を高める努力 が続けられている 176 182 183 ウランの埋蔵量は限られているが、核燃料サイクルに よってウランが繰り返し利用できることにも触れる ことが望ましい。 6 中学 社会 地理的分野 教育出版 1・2 フランスでは、原子力が中心 原子力発電は、二酸化炭素を排出しないという利点 があるが、放射能の安全性をめぐる議論などもある 再生可能な自然のエネルギーを利用した発電も注目され ているが、設備の費用や発電能力などの点で実用化 への課題がある 155 原子力についての記述は中立的である。 7 中学 社会 地理的分野 帝国書院 1・2 原子力発電はわずかな核燃料で大きなエネルギーを得る ことができる利点があるが、事故が起こると周辺地 域に多大な被害をおよぼす危険がある 186

(19)

19 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 日本の発電所の分布 原子力発電所は、大都市から離れたところにあるが、 冷却水を排水する必要があるので海に面したところ にある。 これからの日本の発電 フランスのように原子力発電に依存する国もある 現在、新エネルギーの開発が進められている 燃料資源の枯渇や環境影響が少ないエネルギーとして期 待されている しかし、発電能力や費用がかかりすぎるなど実用化 に残された課題もある 187 187 原子力発電所の冷却水について誤解しやすい表現で ある。日本では冷却水(原子炉内を回っている水)を 排水するために原子力発電所が海の近くにあるので はない。火力発電と全く同様に、発電のためにタービ ンを回すことに利用した蒸気を冷却して水に戻すた めに海水を利用している。この水は海水とは混じらな い。欧米の内陸にある原子力発電所では、冷却塔や河 川の水を利用している。 8 中学 社会 地理的分野 日本文教出版 1・2 日本で電気の約 3 割は原子力発電 二酸化炭素を排出しない利点があるが安全性への疑 問や廃棄物処理・処分の問題もあり、対策が進めら れている 167 「安全性への疑問」とするより「安全性について解決 すべき課題が残っている」とするほうがより適切であ ると考える。「疑問」では、その後の「対策が進めら れている」という文へ続かない。 9 中学 社会 地理的分野 日本書籍新社 1・2 新しいエネルギーへ 原子力発電は、少ないウランで大量のエネルギーが得られた り二酸化炭素が発生しない利点がある フランスでは 7 割以上が原子力に依存 しかし、事故が発生した場合、放射線が人体や環境 に影響を考えると、使用済燃料の処分など解決しな ければならない問題もある ドイツ、スウェーデン、ベルギーなど撤退を決めた 国もある 風力・太陽光などの開発が進められている 169 使用済燃料の問題は重要だが、原子力発電の事故と直 接関係はしない。「事故が発生した場合の放射線の人 体や環境への影響や使用済燃料の処分など解決しな ければならない問題もある」と併記することが望まし い。

(20)

20 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 費用はかかるが発電量が少ないという問題が指摘さ れている 六ヶ所村核燃料サイクル施設 使用済燃料から再利用のためにプルトニウムなどを 回収する再処理工場を建設中だが、放射性物質の最 終処分地になることに住民の多くが反対している 公害に関連する環境問題として、酸性雨、ごみ、排 ガス、ダイオキシン、放射性物質など… 175 核燃料サイクル(再処理)についても、触れられてい る。 放射性物質は、有害性の認識から、環境や人体に影響 を与えないよう厳重に管理、処分されている。少なく とも日本において、他の例示にある排ガスやダイオキ シンのように環境問題として実際に「公害」として大 きい問題となったことはないのではないか。 10 中学 社会 公民的分野 東京書籍 3 風力、太陽光など(無限エネルギー)の利用 日本の電力は、水力 9.5%、火力 68.1%、原子力 21.9%などでまかなわれている 二酸化炭素を出さない原子力発電の割合を高めるこ とが計画されている 原子力発電は、大量のエネルギーを供給でき、ウランを 繰り返して利用できる利点がある しかし、人体に有害な放射能を大量に発生させるた め、事故がおきたときの被害は大きく、放射性廃棄 物の処理・処分などの問題もあり、課題の解決が目 指されている 一方、原子力以外の代替エネルギーには、出力が不安定 だったり、開発や実用化に費用がかかるといった課 題がある 142 143 風力、太陽光を、「無限エネルギー」と呼ぶよりは、 世界的に定義がはっきりしている「再生可能エネルギ ー」という用語を用いることが望ましい。 原子力に関する記述は、中立的である。 核燃料サイクル(ウランは繰り返し利用できること) についても、触れられている。

(21)

21 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 11 中学 社会 公民的分野 大阪書籍 3 資源・エネルギー 温暖化の原因になる二酸化炭素を出さない原子力が 発電量の 30%を占める 安全性に対する疑問や廃棄物処理の問題もあるが、 国は対策に取り組んでいる 新エネルギーの開発なども進んでいるが、現状では発電 量が少なく大きな費用がかかるなどの課題がある チェルノブイリ原子力発電所の爆発事故では、放射性物質 によってロシアの一部とウクライナ・ベラルーシの広い範囲が半 永久的に汚染され、いまだに多くの人々が被害に苦 しんでいる 172 ∼ 173 175 「安全性に対する疑問」とするより「安全性や廃棄物 処理について解決すべき課題が残っている」とするほ うがより適切であると考える。「疑問」では、その後 の「国は対策に取り組んでいる」という文へ続かない。 12 中学 社会 公民的分野 教育出版 3 日本は、食料以外にも大量の資源やエネルギーを輸入し ている これからのエネルギー 化石燃料に代わるエネルギーの開発が進められている なかでも原子力は、二酸化炭素その発生が少なく、 安定した電力を供給できるので中心となるエネルギーと して期待されている 安全性や使用済燃料・廃棄物処理に慎重な対応が必 要とされている 持続可能な発展 新エネルギーが開発できたとしても、石油などの資源が 不要になるわけではない 資源を使えば、その分だけ将来の人々に残される量 が減ってしまう 科学や技術に頼るだけでなく、資源やエネルギーの消費 そのものをへらす工夫が必要 109 142 143 原子力についての記述は中立的である。

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22 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 13 中学 社会 公民的分野 清水書院 3 1996 年に巻町の原子力発電所建設をめぐる住民投 票 住民投票に拘束力はない。代議制を否定するという 批判がある一方、地域住民の意思を尊重すべきだと いう意見も多い 82 住民投票についてのコラムの記述は客観的である。 14 中学 社会 公民的分野 日本文教出版 3 政府方針に再考をせまった住民投票 柏崎原子力発電所が、プルサーマルの対象炉となり、県や 村は同意したが、住民は住民投票の実施を求めた 投票では、反対票が多数をしめた エネルギー消費の見直し 原子力は、少ない燃料で大きな電力が得られ、二酸 化炭素を排出しないなどの利点があるが、安全性の 疑問や廃棄物処理・処分の問題もあり、対策が進め られている 92 163 住民投票についての記述は客観的である。 漠然と「安全性の疑問とするより、「安全性について 解決すべき課題や廃棄物処理・処分の問題もあり」と するほうがより適切であると考える。「疑問」では、 その後の「対策が進められている」という文へ続かな い。 15 中学 社会 公民的分野 扶桑社 3 原子力発電は、アメリカやヨーロッパでは早くから 行われてきた 資源が豊かでない我が国では安全性に配慮しながら 約 3 分の 1 は、二酸化炭素をほとんど出さない原子 力によっている 新しいクリーンエネルギー開発への取組も行われている 太陽光・風力などが実用化されつつある 常時発電が難しいなどの課題もある 146 ∼ 147 原子力発電については、妥当な記述である。

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23 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 16 中学 社会 公民的分野 日本書籍新社 3 新しいエネルギーの開発 原子力発電は温暖化防止に貢献しているが、死者も 出た臨界事故やたび重なる放射能漏れ事故、核廃棄 物処理の問題などかかえている 太陽光などの代替エネルギーの開発努力も続けられてい るが費用と効果の問題が指摘されている 161 それぞれの利害得失が中立的に記載されている。 17 中学 理科 第一分野 東京書籍 2・3 下 原子力発電 放射線を出すウランなどの物質が燃料 少量で大きなエネルギーを得られる反面、放射線が人体 や作物に多量に当たると危険なので常に厳しく監視 して安全を確保する必要がある 万一事故が起きた場合の放射能汚染防止や使用済燃 料の安全な処理など、今後更に研究して解決しなけ ればならない問題が残されている ウランの埋蔵量にも限りがある 原子力発電のしくみ 核分裂によって発生する熱で水蒸気を造り、タービ ンを回して発電する エネルギー変換効率は 35%程度が上限 94 95 原子力についての記述は中立的である。 「放射線が人体に 多量に 当たると危険」という表 現は適切である。 ウランの埋蔵量には限りがあるが、核燃料サイクルに よってウランは繰り返して利用できることについて も触れることが望ましい。 18 中学 理科 第一分野 大日本図書 2・3 下 原子力委発電のしくみ(図解) 原子力利用による環境への影響 日本の電気エネルギーの約1/3が原子力発電 核分裂で有害な物質が燃料にたまる それが外に出ると人体や農作物に被害を出す恐れが ある 放射性物質には有害な放射線を 1000 年以上も出す ものもあるため、使用済燃料は安全に管理しなけれ 105 107 発電方法としての原子力発電の説明は適切である。

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24 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) ばならない 19 中学 理科 第一分野 学校図書 2・3 下 原子力発電 石油・石炭に比べ、ウランからははるかに少ない量で多 くのエネルギーを得られる 二酸化炭素や大気汚染物質を出さないという長所が ある しかし、ウランの量にも限りがある 原子炉の中では生物に害のある放射線が放出される 多量の放射線を人間など生物が浴びれば生物の細胞 や遺伝子が損なわれたり生命に危険が生じることも ある 原子力発電では、放射線が外に漏れないようにした り、使用済燃料などの廃棄物や冷却水の処理に慎重 で万全な管理が必要である 92 ウランの量には限りがあるが、核燃料サイクルによっ て、ウランは繰り返して利用できることについても触 れることが望ましい。 20 中学 理科 第一分野 教育出版 2・3 下 原子力発電 大気を汚染する排出ガスが発生しないなどの利点が ある しかし、生じるエネルギーの制御に高度な技術を必要と することやウランなどの核燃料や発電によって生じる 核廃棄物が有害であることなど、解決しなければな らない問題も多い エネルギーを有効に利用する工夫 ウランなどの核燃料は、無限に存在するわけではない 限りあるエネルギー資源を有効に利用するためには様々 な工夫が必要 104 106 核燃料は無限に存在するわけではないが、核燃料サイ クルによって、ウランは繰り返して利用できることに ついても触れることが望ましい。 21 中学 理科 第一分野 啓林館 2・3 下 原子力発電では、原子の核が分裂するときのエネルギー を熱エネルギーとして利用している 101

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25 No. 教科 種目 発行者 学年 記載内容(原子力関連) 頁 備考(記載内容へのコメント) 原子力発電には、安全性や廃棄物の処理などに課題 が残っている 原子力発電所には、二酸化炭素をほとんど発生しな いという長所はあるが、ウランや廃棄物から人体に有害 な放射線が出るという短所がある 放射線が外部に漏れないように厳重に管理するとと もに、廃棄物の管理も万全にしなければならない 放射線は、外部に漏れると危険なだけに、発電機の 故障などの情報を積極的に公開し、地域の理解を得 ることも重要 石油、天然ガス、ウランはその埋蔵量に限りがあり、世 界で消費される量は増え続けている 新しい資源を開発することが必要 102 放射性廃棄物についての記述は妥当である。 ウランはその埋蔵量に限りがあるが、核燃料サイクル によって石油や天然ガスと違って、ウランが繰り返し て利用できることについても触れることが望ましい。

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27 現行学習指導要領 新学習指導要領 学年 科目 目標 内容および内容の取り扱い 解説 目標 内容および内容の取り扱い 解説 小学 校 社会 3、4 (1)地域の産業や消費生活の様子, 人々の健康な生活や安全を守るた めの諸活動について理解できるよ うにし,地域社会の一員としての 自覚をもつようにする。 (2)地域の地理的環境,人々の生活 の変化や地域の発展に尽くした先 人の働きについて理解できるよう にし,地域社会に対する誇りと愛 情を育てるようにする。 (3)地域における社会的事象を観 察,調査し,地図や各種の具体的 資料を効果的に活用し,調べたこ とを表現するとともに,地域社会 の社会的事象の特色や相互の関連 などについて考える力を育てるよ うにする。 (3)地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保 や廃棄物の処理について,次のことを見学したり調査したりして 調べ,これらの対策や事業は地域の人々の健康な生活の維持と向 上に役立っていることを考えるようにする。 [解説] 「地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や 廃棄物の処理」とは,地域社会において人々が健康な生活を営む 上で欠かすことのできない飲料水,電気,ガスの確保,及びごみ, 下水などの廃棄物の処理にかかわる対策や事業を指している。 飲料水の確保については,水源を確保するための対策や水源地か ら各家庭や工場などに供給されるまでの事業を,電気の確保につ いては, 発電に必要なエネルギー源を確保するための対策や, 発電所から各家庭や工場などに送電されるまでの事業を,ガスの 確保については,原料の確保や保安にかかわる対策や,ガスを製 造する工場から各家庭や工場などに供給されるまでの事業を,ま た,ごみや下水などの廃棄物については,その処理にかかわる対 策や事業を,それぞれ指している。 「次のこと」とは,「飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理 と自分たちの生活や産業とのかかわり」と「これらの対策や事業 は計画的,協力的に進められていること」の二つを指している。 これらは,地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガス の確保や廃棄物の処理について学習する際に調べる具体的な対 象である。 「見学したり調査したりして調べ」とは,ここでの学習の仕方を 示している。ここでは,例えば,飲料水,電気,ガスの確保や廃 棄物の処理にかかわる対策や事業を進めるうえで欠かすことの できない,浄水場やダム,発電所,ガスの製造工場などの施設を 見学したり,そこで働く人々から聞き取りなどの調査を行ったり する活動が考えられる。 「これらの対策や事業は地域の人々の健康な生活の維持と向上 に役立っていることを考えるようにする」とは,飲料水,電気, ガスについては,それらの安定供給を図るために,また,廃棄物 の処理については,生活環境の維持と向上を図るために,それぞ れ様々な対策や事業が計画的に,しかも広く他地域の人々の協力 を得ながら進められ,地域の人々の健康な生活の維持と向上に役 立っていることを具体的に考えることができるようにすること である。 ア 飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理と自分たちの生活 や産業とのかかわり [解説] ここでは, 地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガ スの確保や廃棄物の処理について学習する際に,これらの対策や 事業が地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っているこ とを考える手掛かりとして,飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物 の処理と自分たちの生活や産業とのかかわりを調べる対象とし て挙げている。ここに示された事項について指導する際には,次 (1)地域の産業や消費生活の様子, 人々の健康な生活や良好な生活環 境及び安全を守るための諸活動に ついて理解できるようにし,地域 社会の一員としての自覚をもつよ うにする。 (2)地域の地理的環境,人々の生活 の変化や地域の発展に尽くした先 人の働きについて理解できるよう にし,地域社会に対する誇りと愛 情を育てるようにする。 (3)地域における社会的事象を観 察,調査するとともに,地図や各 種の具体的資料を効果的に活用 し,地域社会の社会的事象の特色 や相互の関連などについて考える 力,調べたことや考えたことを表 現する力を育てるようにする。 (3)地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物 の処理について,次のことを見学,調査したり資料を活用したりして調べ, これらの対策や事業は地域の人々の健康な生活や良好な生活環境の維持 と向上に役立っていることを考えるようにする。 [解説] 「地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の 処理」とは,地域社会の人々の健康な生活や良好な生活環境の維持と向上 を図る上で欠かすことのできない飲料水,電気,ガスの確保,及びごみ, 下水などの廃棄物の処理にかかわる対策や事業を指している。 飲料水の確保については,水源を確保するための対策や水源地から各家庭 や工場などに供給されるまでの事業を,電気の確保については,発電に必 要なエネルギー源を確保するための対策や発電所から各家庭や工場など に送電されるまでの事業を,ガスの確保については,原料の確保や保安に かかわる対策やガスを製造する工場から各家庭や工場などに供給される までの事業を,また,ごみや下水などの廃棄物については,その処理にか かわる対策や事業を,それぞれ指している。 「次のこと」とは,「飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理と自分た ちの生活や産業とのかかわり」「これらの対策や事業は計画的,協力的に 進められていること」の二つを指している。これらは,地域の人々の生活 にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理について学習す る際に調べる具体的な対象である。なお,飲料水,電気,ガスについては, それらの中から一つを,廃棄物の処理については,ごみ,下水のいずれか を,それぞれ選択して取り上げるようにする。 「見学,調査したり,資料を活用したりして調べ」とは,ここでの学習の 仕方を示している。ここでは,飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理 にかかわる対策や事業を進める上で欠かすことのできないダムや貯水池, 浄水場,発電所,ガスの製造工場,清掃工場,下水処理場などの施設を見 学したり,そこで働く人々から聞き取り調査したりする活動が考えられ る。 「これらの対策や事業は地域の人々の健康な生活や良好な生活環境の維 持と向上に役立っていることを考えるようにする」とは,飲料水,電気, ガスについては,それらの安定供給を図るために,また,廃棄物の処理に ついては,それらを衛生的に処理するために,それぞれ様々な対策や事業 が広く他地域の人々の協力を得ながら計画的に進められていることや,そ のことによって地域の人々が住みよい環境の中で健康な生活を営むこと ができることを考えるようにすることである。 ア 飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理と自分たちの生活や産業と のかかわり [解説] ここでは,地域の人々の生活にとって必要な飲料水,電気,ガスの確保や 廃棄物の処理について学習する際に,これらの対策や事業が地域の人々の 健康な生活や良好な生活環境の維持と向上に役立っていることを考える 手掛かりとして,飲料水,電気,ガスの確保や廃棄物の処理と自分たちの 生活や産業とのかかわりを調べる対象として挙げている。ここに示された 事項について指導する際には,次のことをおさえる必要がある。

添付資料2 現行および新学習指導要領のエネルギー関連記述の調査

参照

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