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細菌性腟症に関する基礎的研究および臨床的検討

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Academic year: 2021

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Title

細菌性腟症に関する基礎的研究および臨床的検討( 内容の要

旨(Summary) )

Author(s)

和泉, 孝治

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)甲 第309号

Issue Date

1996-03-25

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14805

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 且 和 泉 孝 治(岐阜県) 博 士

(医学)

甲第 309 号 平成 8 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当 細菌性腹症に関する基礎的研究および臨床的検討 (主査)教授 玉 舎 輝

(副査)教授 江 崎

行 教授 渡 辺 邦 友 論 文 内 容 の 旨 細菌性脛症(Bacterialvaginosis:BV)はt 近年,好気性菌と嫌気性菌との複数菌感染症であるとされるよ うになってきた。しかし,酸素耐性の低い細菌(嫌気性菌)の検出には,検体採取から培養開始までの時間短縮 や多くの種類の選択培地を必要とする点など注意点が多く,今日まで嫌気性菌の検討は,十分であったとは言い 難い。また,細菌性陛症は,骨盤内炎症性疾患(pelvicinflammatory disease:PID)や,妊娠においては羊 水感染症,低出生体重児,産梅子宮内感染症との関連性が指摘されている。しかし,いずれの報告も細菌学的検 討が十分ではない。そこで,この研究は細菌性腹症との存在と羊水感染,子宮内膜炎,子宮附属器炎との関連性 について検討し,細菌性腹症の臨床的意義を明らかにすることを目的とした。 研究方法 1)細菌性腹症における腔内細菌叢の検討 WHOの細菌性陛症の診断基準を以下に示す。(1)腔分泌物の性状は,薄く,均一である。(2)腔分泌物の生 食標本で,顆粒状細胞質を有するclue cellが存在する。(3)脛分泌物に,10%KOHを一滴加えた時に,アミン 臭がある。(4)陛分泌物のpHが4.5以上である。以上の4項目のうち,3項目以上を満たしたとき,細菌性腹症 と診断する。 この診断基準を満たした225例から得られた腹内容物を検体として細菌学的検討を行った。 2)細菌性腹症と診断された患者の陛分泌物から分離された499株(且喝αぬc£iαe58株.G.uαgよ几αJi580株, 且coJi70株,P印£0ぶけ印fococc比ぶ属107株,且ノね離山27株,P.わiuよα51粗〟0占此花C比ぶ属106株)につい て,細菌性腹症の治療薬として欧米で使用されているclindamycin(CLDM),metrOnidazole(MTN)に対す る薬剤感受性を検討した。薬剤感受性試験は日本化学療法学会標準法の寒天平板希釈法にて行った。 3)細菌性腹症の臨床症状に関する検討として,腱分泌物の主観的所見 客観的所見 悪臭の有無,pH,アミ ンテスト clue cellの存在をスコアー化して総合判定(スコアーリング)した。 4)産婦人科領域感染症と細菌性腹症の関連を調べるために,妊娠8カ月時に細菌性腱症であった患者の謄内細 菌叢と羊水感染症/前期破水の発症との関係,細菌性腹症の陛内細菌叢と子宮内膜灸 子宮附属器炎の発症との 関係について検討した。 5)細菌性腹症患者より分離された各種臨床分離株を用いて,ラット子宮内膜炎を作成し,細菌性捏症で分離さ れる頻度の高いG.u喝i几α払〟0占加配∽属の病原性が高いかを検討した。 6)MTN経腱投与.MTN経口投与(7日間,10日間),MTN経口1回投与,CLDM経口投与,CLDM経歴 投与,ampicillin(ABPC)経口投与.cefdinir(CFDN)経口投与の細菌学的効果,臨床効果を検討した。臨床 効果は3)で示したスコアリングシステムを用いて行った。 13

(3)

結 果 1)225例から801株が検出され.その内訳は好気性菌448株,嫌気性菌3年3株であった0215例ではt 好気性菌・ 嫌気性菌の両方が検出され,10例では好気性菌だけが検出された。好気性菌ではG・U喝よ几αJよぶ80株・且coJよ 70株,S.喝α加£よα58株一且ノ加00血が44軌嫌気性菌ではP・わ最α51株・〟0わ此花C㍑5属107株,P・ α几αerO占よ㍑β37株などが主な検出菌であった。 2)MICよりG.uaginalis.B・fragilis.P・biuia・Mobiluncus属に対してはMTN・CLDMともに良好な抗 菌力を示した。S.agalacitiae,Pqptostrqptococcus属に対してはCLDMは良好な抗菌力を示したが,MTNは やや劣っていた。且coJよに対しては両剤とも抗菌力を有していなかった0 3)WHOの診断基準を満たした細菌性腹症患者と,当科で考案したスコアリングでの重症度はよく一致してい た。 4)妊娠8カ月時に陛内細菌叢の検索を施行した妊婦212例のうち,細菌性腱症と診断された症例は53例(25・0 %)で,その中で後に羊水感染症/前期破水を来した症例は20例(43・4%)であった0この20例の妊娠8カ月時 の陛内容物からの総検出菌株数は78株(好気性菌40楓嫌気性菌38株)で,羊水からは57株(好気性菌33楓嫌 気性菌24株)であった。また,羊水感染症患者20例すべてでt好気性嵐嫌気性菌の両方が検出された0 5)ラット子宮内膜炎の実験で,且coJよ単独,G.叩如Ⅶ揖単独P・わiuよα単独.〟・m昆Jよerよs単独の菌接種 では感染成立が,0から20%であったのに対し,G.u喝加αJよぶ+P.わ最αが40%,E・CO′汁〟・mαJよerよぶでは30 %に,g.CO汀+P.わ最αでは90%に感染が成立した。 6)細菌学的効果では,CLDM投与群で,経陛投与経口投与共に・G・Uaginalis・S・agalactiaeなどの好気 性菌やP申£os亡代pfococc比掘,〟0古仏mcα掘,且函gぬP・わiuiαなどの嫌気性菌に対し,優れた除菌効果 が得られたが,g.COJi,且ルecα放では除菌効果が認められなかった。MTN投与群では・経腫投与・経口投 与共にCLDM投与群に比較して.S・agalactiae・PqptostT解OCOCCuS属に対する除菌効果が劣っていた0 これ らの結果は.2)のMICの結果によく一致していた。ABPC投与群では.G・Vaginalis・嫌気性グラム陰性梓 菌に対し,CFDN投与では,G.u喝わα′£ぶに対する除菌効果が低かった0スコアーリングによる臨床効果の比 較では.MTN投与群,CFDN投与群は改善度が優れていたのに対し,ABPC,CFDN投与群では改善率が40% にとどまった。 以上により,細菌性腹症は好気性菌や,嫌気性菌が単独で病原性を発揮し,病態を引き起こすのではなく,好 気性菌と,比較的病原性の高いβαC£eroide5属,P.鋸最仏。MoわよJ∽C昆5属などの嫌気性菌が共に過増殖の状態 で存在するとき,病態が引き起こされるものと考えられた。また,MTN,CLDMの治療による臨床効果が優れ ていたことから,病態は嫌気性菌が過増殖の状態で存在するとき,特に引き起こされることが多いと考えられた。 細菌性腹症妊婦の羊水感染症,細菌性腔症患者の子宮内膜炎や,子宮附属器炎の合併率が高かったこと,検出さ れる細菌の傾向も似ていたことから,陛内細菌の上行性感染の可能性が示唆され,これらの防止のためにも,細 菌性腹症の積極的診断,治療の必要性があると考えられた。 以上 産婦人科領域感染症における細菌性腹症の臨床的意義を明らかにした。 論文書査の結果の要旨 申請者 和泉孝治は.産婦人科領域感染症において注目度が低かった,細菌性捏症に着眼し.本症と羊水感染 症,絨毛羊膜炎,子宮内感染症,子宮附属器炎との関連性と.病態発現には嫌気性性菌の強い関与があることを 明らかにした。本研究の成果により,細菌性腹症の治療の必要性が明らかになると共に,本症の治療指鈍効果 判定の方法に少なからず貢献するものである。 [主論文公表誌] 細菌性膣症に関する基礎的研究および臨床的検討 平成8年3月発行予定 岐阜大医紀 44 14

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