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木質バイオマス炭化プロセスによるガス化システムに関する研究

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Academic year: 2021

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Title

木質バイオマス炭化プロセスによるガス化システムに関す

る研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

木村, 隆則

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第354号

Issue Date

2008-09-10

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/33515

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 木 村 隆 則(埼玉県) 博 士(工学) 甲第 354 号 平成 20 年 9 月10 日 環境エネルギーシステム専攻 木質バイオマス炭化プロセスによるガス化システムに関する研究 (Wbodybiomassgasificationsystemwithcarbonizationprocess) (主査)教 授 守 富 寛 (副査)教 授 上 官 成 之 教 授 棚 橋 光 彦 准教授 神 原 信 志

論文内容の要旨

地球温暖化問題をはじめ二酸化炭素削減に寄与する環境エネルギーシステムとして,木質バイオマスの エネルギー化事業の普及が求められている。本学位論文は,里山経済圏における林業・製材業・木工業な どの木材資源利用産業から発生する未利用木質バイオマス資源をエネルギー利用するための技術開発およ びその事業の経済性を評価するためのモデルの構築を目指した研究であり,要約すると木質バイオマスの 炭化を経由するエネルギー利用では,製炭時の損失エネルギーは大きいが炭化後の輸送・破砕ではエネル ギーを削減することができる。また樹種や含水量などの違いを炭化物とすることで吸収でき,小規模エネ ルギー利用の場合はタールフリー化によるシステムの簡素化や保守性の向上を図ることができる。木質バ イオマスを燃料とするガス化システムによる地域コージェネレーションシステムを採用する場合,特に小 規模ガス化においては,効率の観点から低温ガス化が不可欠である。低温ガス化の実現に向けて,これま で触媒ガス化が提唱されてきたが,触媒は高価であり小規模システムでの使い捨て利用は経済性から不向 きとされてきた。本論文では,地域に木質バイオマスと共に賦存する畜産系バイオマス傭糞等)に含ま れるガス化触媒能を有するアルカリ成分を安価な触媒として利用することにより木質バイオマスの炭化物 (木炭)を低温ガス化し,そのシステムの事業性を包括的に評価した。本学位論文は以下のような構成と なっている。 第1章 序論 最初に研究の背景となる我が国におけるバイオマス利用状況およびその利活用技術を整理し,木質資源 利用の意義について述べるとともに,里山経済圏を想定した木質資源を軸とする新エネルギー利用構想に ついて記述した。 第2草 木質バイオマス資源の野外調査およびエネルギー利用システムの提案: ここでは研究対象とした具体的な里山経済圏における木質資源の賦存量およびエネルギー利用状況を調 査した結果について述べている。対象地域では林地放置材やバイオマスの産業廃棄物化などが進み,未利

用エネルギーが大きい。利用が進まない理由として,木質バイオマス資源が高含水率,低エネルギー密度,

供給不安定および品質多様などがあげられ,利用を推進するためには山地や製材工場に炭化拠点を形成し, 高エネルギー密度化し,収集・運搬・貯蔵性を好転できる可能性がある0そこで,ここでは炭化拠点を有 する地域型木質資源のエネルギー利用システムを提案した。 第3草 木質バイオマス炭化プロセスによるガス化システムの要素技術検討 第3章では木質バイオマス炭化収量を明らかにするために,木質バイオマスの含水率と製炭収率を示差熱 天秤により測定した結果について述べている。木質バイオマスの含水率は,伐採時期や伐採後経過時間, 製材や保管方法などによって大幅に異なり,製炭収率はおよそ25wt%である0林地で伐採したスギの含水率 は30∼50%で発熱量6から12MJ/Eg程度であるが,炭化することにより発熱量を3ⅧJ爪gと3倍程度あげる ことができる。木質バイオマス炭化時の液収量については,石英製の反応管で炭化した時に生成する揮発 分を液相物質と気相物質を分離・捕集して調べた。また木質バイオマスの炭化物特性については石炭の元素 分析値と比較検討し,生木では樹種により0/=および0′C比が異なるが炭化することにより樹種による差 異は減少すること,C-H-Oband上では石炭に近くなり,既存の石炭ガス化の反応速度データ等を木質炭化 物のガス化特性へ転用できることを示した。さらに木質バイオマス炭化物のガス化効率の向上を目的とし て,木質炭化物に水酸化カリウム,鶏糞液を含浸させ水蒸気ガス化したところ・水酸化カリウム同様鶏糞 液でも活性化エネルギーは低下し,ガス化速度が促進され,鶏糞中のアルカリ成分の触媒効果が期待でき ることを示した。 第4草 木質バイオマスの小規模利用における包括的な事業性の評価 第4章では木質資源を炭化してエネルギー利用する事業の課題について検討している0里山経済圏とし -13一

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て選定した林地での製炭を可搬型簡易炭化炉やトラック可搬型炭化炉で行うものとして,およそ6tの林地 残材から1.2t/dayの炭化物を生産でき,製材・木工工場25∼30社からの15∼20tの廃材から3.3t/dayの 炭化物を生産できること,木質バイオマスの炭化を経由するエネルギー利用では,製炭時の損失エネルギ ーは大きいが炭化後の利点として,搬送・貯蔵・均質性・ガス化時のタールフリーなどがあり,小規模エ ネルギー利用には有効な手段の一つとなること,一般的には木質バイオマス資源を大量生産・入手するこ とは難しく廃棄物処理の観点から木質バイオマス資源の利用を検討することが現実的であることなどを示 した。 第5章 結言 最後に里山経済圏の未利用木質バイオマスを地産・地消の観点でコージェネレーションによるエネルギ ー利用を行う場合では,触媒ガス化など技術的効率化を図っても,経済的自立システムとしての運用は困 難であるが,伐採街路樹・建築廃棄物の受け入れを行えば経済性は向上し,継続的に展開できることを結 言として述べた。

論文審査結果の要旨

地球温暖化問題をはじめ二酸化炭素削減に寄与する環境エネルギーシステムとして,木質バイオマスの エネルギー化事業の普及が求められている。本学位論文は,里山経済圏における林業・製材業・木工業な どの木材資源利用産業から発生する未利用木質バイオマス資源をエネルギー利用するための技術開発およ びその事業の経済性を評価するためのモデルの構築を目指した研究であり,木質バイオマスを炭化後に収 集して,炭の形でエネルギー利用を想定している。木質バイオマス炭化の利点として,製炭時の損失エネ ルギーは大きいが炭化後の重量あるいは熱量当たりの輸送・破砕に要するエネルギーは削減できること, 樹種や含水量などの違いを炭化物とすることで吸収できること,さらに小規模エネルギー利用の場合はタ ールフリー化によるシステムの簡素化や保守性の向上を図ることができるなどがあげられる。 ここでは木質バイオマス炭化収量を明らかにするために,木質バイオマスの含水率と製炭収率を示差熱天 秤により測定し,含水率は伐採時期や伐採後経過時間,製材や保管方法などによって異なるが林地で伐採 した場合には30∼50%となること,製炭収率は約25vt%となることを示している。炭化前後の発熱量は6 ∼12町/Eg程度の木質は炭化することにより30町/馳と3倍程度上げることができる。炭化前後の炭素,水 素,酸素を元素分析し,生木では樹種により0/Ⅲおよび0/C比が異なるが炭化することにより樹種による 差異は減少し,C-H-Oband上では石炭に近くなり,既存の石炭ガス化の反応速度と等しくなる。さらに炭 化物のガス化効率の向上は水酸化カリウム同様にカリウムやリンを含む鶏糞による水蒸気ガス化の触媒作 用により,活性化エネルギーは低下し,ガス化速度の促進が期待できることなどの知見を示している。 木質バイオマスを燃料とするガス化システムによる地域コージェネレーションシステムを採用する場合, 特に小規模ガス化においては,効率の観点から低温ガス化が不可欠である。低温ガス化の実現に向けて, これまで触媒ガス化が提唱されてきたが,触媒は高価であり小規模システムでの使い捨て利用は経済性か

ら不向きとされてきた。本論文では,地域に木質バイオマスと共に賦存する畜産系バイオマス(鶏糞等)

に含まれるガス化触媒能を有するアルカリ成分を安価な触媒として利用することにより木質バイオマスの 炭化物(木炭)を低温ガス化し,そのシステムの事業性を包括的に評価し,以下の結論を得ている。 (1)挿発成分の残存がほとんどない状態まで炭化した木質バイオマス炭化物の水蒸気ガス化反応速度は, ガス化速度の比較的大きいアダロ炭チャーと同程度である。樹種による炭化物の水蒸気ガス化反応速 度の差異は小さく,樹種混合の問題はない。製炭収率は約25wt%,発熱量は炭化温度923∼973Eの範囲 では30MJ/Eg程度となる。 (2)カリウムの木質系バイオマス炭化物への担持は,水蒸気ガス化反応速度を大幅に増大させる。 (3)入手が容易な鶏糞は木質系バイオマス炭化物に含浸させることでガス化触媒として利用できる。 (4)木質系バイオマスの炭化経由でのエネルギー利用システムは,製炭時の損失エネルギーは大きいが, 炭化物は搬送・貯蔵・均質性・ガス化時のタールフリーなどの利点を有し,小規模エネルギー利用には 有効な手段の一つとなる。 (5)我が国で,木質バイオマス資源を大量生産・入手することは難しく,廃棄物処理の観点から木質バイ オマス資源の利用を検討する必要がある。 (6)里山経済圏の未利用木質バイオマスを地産・地消の観点でコージェネレーションによるエネルギー利 用を行うモデルとして,触媒ガス化など技術的効率化を検討し,経済的自立システムとしての運用は 困難であるが,伐採街路樹・建築廃棄物の有償で受け入れることにより経済性は成立し,継続的なこと 業展開実現の可能性がある。

最終試験結果の要旨

これまでの研究業績および論文内容を中心とした事項について口頭試験を行った結果,合格と認められた。

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