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Lipopolysaccharide (LPS) によるtransforming growth factor-β (TGF-β) の活性化の機序に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

Lipopolysaccharide (LPS) によるtransforming growth factor-β

(TGF-β) の活性化の機序に関する研究( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

塩屋, 正道

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)甲 第370号

Issue Date

1998-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14769

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 塩 屋 正 道(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 370 号 平成10

3 月 25 日

学位規則第4条第1項該当

LipopoIysaccharide(LPS)によるtrans†orminggrowthfactor-β(TGF-β) の活性化の機序に関する研究 (主査)教授 森 脇 久 陸 (副査)教授 野 澤 義 則 教授 森 秀 樹 論文内容の要旨 Endotoxin/Lipopolysaccharide(LPS)は,ウイルス性肝炎,丁ルコpル性肝炎,肝臓移植後のグラフト障 害などによる肝不全の発生機序に深く関わっている。これらの疾患では腸管粘膜の透過性増大やバリヤ機能が破 綻し.腸内細菌透過性が元超している(bacteriaユtra8Sユ0也tioれ)。このため.肝網内系細胞であるK叩洋er細胞 は門脈血由来の高濃度のLPSに直接暴露されttlmOr rleCrOSis factor-a(TNF-a)などの炎症性サイトカイ

ンを含む様々なメディエークーを過剰産生することで.肝障害の発生機序に関わっていることが知られている。 一方,tranforminggrowthfactor-β(TGF-β)も,肝緑縦化や肝再生不全などの病態形成に重要な役割を 担うサイトカインのひとつである。これまでに明らかにされた増殖抑制因子のなかで最も強力なものとされ,肝 不全時の肝細胞再生障害の機序に深い関わりがある。劇症肝炎や肝硬変症例において肝再生が不十分なものにし ばしば遭遇するが,これらの病態を解明する上でTGF-βの関与を検討することは不可欠であり,また肝再生不 全患者の治療においても極めて重要であると考えられる。しかし,現在までに,LPS刺激を受けた肝内でTGF-β産生を担当する細胞の種類やTGF-βの活性化のメカニズムについての情報は非常に少ない。そこで申請者は, ラット肝の伊東細胞およびKupffer細胞の共同培養系,およびLPS誘発軒再生不全マウスを作製し・in vitroお よびin vivoでLPSによるTGF-βの活性化のメカニズムを検討した。 対象および方法 Wistar系雄性ラットの肝に門脈よりカニュレpションし,コラゲナ,ゼ・プロナーゼ培養液を潜流し細胞を 分散させた後,比重遠心法により伊東細胞およびK叩Frer細胞を分離精製した。実験には精製率,生細胞率とも に90%以上の伊東細胞およびKupffer細胞を供した。共同培養系の実験軋プラスチックプレート上に伊東細胞 を5日間培養し,その後Kupffer細胞右添加,さらに2日間培養の後実験に供した。培養液中のTGF-β濃度は・ ミンク肺上皮細胞由来のCCL-64細胞を用いたbioassayによって測定した。培養液中のTNF-aは呵LISA法にて測 定した。RNAは培養細胞からacidguanidiniumthiocyanate-Phenol-Chloroform法により抽出し・ノーザンプ ロット法により解析した。ブロープはhuman TGF-β2のcDNAを32Pにてラベルして用いた。 LPS誘発肝再生不全マウスの作製ほ.雄性C3H/HeNマウスにLPSを腹腔内投与し,24時間後に70%肝部分切 除術を施行することにより作製した。35匹のマウスをA∼Fの7群に分け肝再生状態を検討した。A群は生理食塩 水を腹腔内投与し24時間後に70%肝部分切除術を施行した群。B群はLPS投与後肝部分切除した群。B群と同じ 処置をしたマウスに抗TGF-β中和抗体を投与した群をC群,抗TNF-a中和抗体を投与した群をD軌Kupffer細 胞機能抑制作用を有する塩化ガドリニウムを投与した群をE群,広域スペクトルのプロテアーゼ インヒビター

を投与した群をF群とした。肝再生の指標としては,PCNA(proliferating cellmclear antigen)免疫染色を 施行し,肝細胞に占めるこれら陽性細胞の割合を算出し1abelingindexとして表示した。

結果

1)伊東細胞とKupffer細胞の共同培養系へLPSを添加すると,潜在型TGF-βの活性化およびそれに続く産生 増加を認めた。一方,伊東細胞あるいはKupffer細胞の単独培養ではTGF-βの活性化も産生増加も認めなかっ

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-51-た。この系にプラスミンを添加し.細胞表面からTGF-βを遊離させると,大部分のTGF-βは伊東細胞に由来す ることが明らかとなった。 2)LPSをKupffer細胞単独培養に添加して得た培養上清(Kupffercell-COnditionedmedium:KCCM)を培 養伊東細胞に反応させると,同様に潜在型TGF-βの活性化および産出増加を認めた。この効果はKCCMに抗 TNF-a抗体を加えると部分的に阻害された。また,このKCCMと同様の効果は,reCOmbinant TNF-aを培養 伊東細胞へ添加することによっても再現された。 3)無処置の伊東細胞はTGF-β2mRNAを発現するが,Kupffer細胞はほとんど発現しなかった。伊東細胞と Kupffer細胞の共同培養系をLPSで刺激し培養するとTGF-β,mRNA発現は増強したが,伊東細胞の単独培養で はLPS添加はTGF-β2mRNAの発弥こ影響しなかった。また,Kupffer細胞の単培養では,LPS添加後もTGF-β‡mRNAは測定感度以下であった。 4)伊東細胞とⅩupffer細胞の共同培養系でのLPSによる潜在型TGF一βの活性化は.好中球エラスターゼ,活 性型第Ⅹ因子.カリクレンに対する各々特異的プロテアーゼインヒビターにて抑制された。 5)部分肝切除後の肝再生はLPS投与により著明に抑制された。このマウスに塩化ガドリニウム,抗TNF一α抗 体.抗TGF-β抗体.広域スペクトルのプロテアーゼインヒビターを各々投与したところ,いずれでも肝再生の 改善を認めた。 考察 ラットの肝伊東細胞およぴKupffer細胞の共同培養系においては,LPS刺激にてKupffer細胞からのTNF-aの 分泌が刺激され,このTNF-αが伊東細胞表面での潜在型TGF-βの蛋白分解による活性化を誘導することが明ら かになった。さらに,この活性型TGF-βは伊東細胞でのTGF-β自身の合成を元遷させた。この蛋白分解による 潜在型TGF-βの活性化にはカリクレン.好中球エラスターゼ,活性型第Ⅹ因子などのプロテアーゼの関与が示 唆され,従って潜在型TGF-βの活性化に新しいメカニズムの存在を提唱するものである。一方,LPS誘発肝再 生不全モデルに抗TGF-β中和抗体,抗TNF-α中和抗休.塩化ガドリニウム,あるいは広域スペクトルのプロテ アーゼインヒビターを投与することのいずれによっても肝再生を改善するという結果を得た。すなわちLPSで誘 導されるマウス肝再生不全にはKupffer細胞.TNF-a,プロテアーゼ.そしてTGF-βがその発症械序に関与し ていることがinvivoで実際iこ示された。これにより培養系で証明した横序がinvivoでも作用し肝再生不全を惹 起していることが示唆された。本研究で得られた結果は,LPSにて誘導される肝線維化や肝再生不全に対する治 療法を将来開発して行く上でも重要であると思われる。LPSは,TNF-αを介して伊東細胞での潜在型TGF-βの 蛋白分解的活性化を刺激する。したがって,治療薬開発の戦略目標は,潜在型TGF一βの活性化に関与するプロ テアーゼの抑制であると考える。プロテアーゼインヒビターは肝再生を促す薬剤のひとっの候補と考え,現在開 発を進めている。 論文辛査の結果の要旨 申請者 塩屋正道はエンドトキシンによって惹起される肝再生不全の機序が,エンドトキシンによるK叩ffer 細胞からのTNF-a分泌刺激.TNF-aによる伊東細胞表面での蛋白分解によるTGF-βの活性化,TGF-βの autocrine刺激による伊東細胞自身でのTGF-βの合成克進を介するものであることを明らかにした。 本研究の成果は.肝再生不全の機序に,サイトカイン・カスケードと肝類洞壁細胞の機能相関・機能分担の両 面から新知見を与えるものであり,消化器病学・肝臓病学の進歩に大きく寄与するものと認める。 [主論文公表誌] Lipopolysaccharide(LPS)によるtransforminggrowth factor-β(TGF-β)の活性化の機序に関する研究 平成9年11月発行 岐阜大医紀 45(6):417∼430

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