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保健体育科教師の役割実態 ―保健体育科教師のなすべき役割を明確にする手掛りとして―

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Academic year: 2021

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保 健 体 育 科 教 師 の 役 割 実 態

一保健体育科教師のなすべき役割を明確にする手掛りとして一

学 校 教 育 専 攻 学 校 改 善 コ ー ス 山 西 哲 也 1. 研究の目的 保健体育科教師の学校での仕事の役割は,あ るべき保健体育科の理想、とそれらの時代から要 請される現実との狭間で揺れ動いてきた。一般 にいわれている教師の役割は,教科指導と生徒 の能力の向上であるが,保健体育科教師は保健 体育科の指導に依る生徒の運動能力の向上に力 を入れてこずに,生徒の規則の厳守や人間性の 向上を指導してきた。具体的には保健体育科教 師は,学校で他教科教師が嫌がる生徒指導や部 活動指導等の仕事を引き受け,学校での体罰問 題,部活動問題の原因が保健体育科教師にある かの如くいわれてきた。この状況のもと,保健 体育科教師は,教科体育の授業や教材研究にカ を入れることが難しくなり,授業の目的そのも のも人間形成であるとか コミュニケーション であるとかの暖味なところに置かざるを得ない ことが起こってきている。今 まさに求められ ているのは,保健体育科教師に現実に課せられ ている様々な役割,現実に置かれている状況を 実証的に明らかにすることであり,その前提的 作業の延長上に,本来,保健体育科教師が担う べきものとしての保健体育科授業の実施が可能 であると考える。 2.先行研究 先行研究では,次のような理由があり,保健 体育科教師の学校での仕事の実態が掴めていな い。 1)アンケート調査を中心とする計量的方 指導教員 石 村 雅 雄 法をとるものが多く,しかも,その大部分の調 査が保健体育科教師に関わる定言的な内容に基 づく構造化された質問に対する選択方式をとっ ている。 2)①同一大学の卒業生で年齢の範囲 を制限している,②同一県の教員のみ,③同一 大学の学部生というように調査対象が限定され ている。 3)各学校におかれている文脈が考慮 されていないために十分な説得性を持って結論 を導き出していない。 4)他教科教師と保健体 育科教師との生徒指導,部活動指導が個々に調 査対象となっており,指導の全体像が見えない。 3. 研究の目的と課題 本研究では,

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一般的jな保健体育科教師でな く,一人ひとりの文脈に視点を当てて,保健体 育科教師の教科指導 生徒指導,部活動指導の 実態を明らかにする。保健体育科教師が教科指 導に力を入れることが出来,本来の保健体育科 指導が可能になるような問題点を検討し,可能 になるような方向を探りたい。 保健体育科教師が多く関わっている三指導 [教科指導(教科体育),校務分掌(生徒指導部), 部活動指導]に焦点を当て,その実態とそれに 至った理由を明らかにする。具体的には,生徒 の人間形成やしつけ教科指導の目的・必要性, 教材研究の必要性,生徒指導部の役割,生徒指 導と保健体育科教師の関わり 部活動指導のね らい,顧問をしている理由等である。 4. 研究方法

。 。

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本研究では,計量的調査から浮かび、上がって くる「一般的jな保健体育科教師像でなく,個々 の教師へのアフ。ローチを試み, .面接インタビュ ー法を用いた。そして本研究者が高等学校の保 健体育科教師で、あったことから,インタビュー 調査の文脈をより理解しやすいと考え,現職の 高等学校保健体育科教師 17名に調査を行った。 5. 調査結果と分析 ( 1 )部活動指導 部活動が学校にあることで,生徒がスポーツ に関わる切掛けになり,生徒同士の人間関係、を 深めることが出来る。また チームが強くなる ことで,学校名を広げることができると考えて いる。顧問をしている理由は,

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教育の一環J, 「日常生活の一部jであり,他方で「仕事J,

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奉 仕活動Jと捉えて指導している者もいるD 家庭 での時間や自由な時間を持てないことは,部活 動指導のデメリットになっているが,中にはお 金を得るために,チームを勝たせるために自分 自身を納得させて,指導している者もいるD (2 )生徒指導 保健体育科教師に生徒指導が出来る要因は, 学生時代の部活動経験で集団行動を経験してい ること,保健体育科の授業形態が生徒指導にと って有効であることに依る口保健体育科教師が 怖いというイメージは,生徒や他教科教師が持 っており,それは保健体育科教師以外の者によ って作られたものである。しかし,保健体育科 教師自身は生徒指導部に多く配属される必要も ないと考えており,他教科教師に生徒指導を依 存されるのは嫌であるとしている。他教科教師 が生徒を怒ることが出来ないので,仕方なく保 健体育科教師が生徒指導をしている。 ( 3)教科指導 教科体育の授業は,集合,解散も含め,生徒 が身体を動かすこと スポーツを教材としてい ることで,ルールを守ることやマナーを身に付 けることが出来,とりわけ,家庭教育でしつけ をされていない生徒にとっては重要な教科で、あ る。また,座学では構築しにくい生徒同士の人 間関係を構築することが出来る。身体活動に関 しでも,生徒の健康面,運動技術の向上,生徒 の気分転換を図ることが出来るが,教師の指導 目的と生徒の活動理由が一致していなくても, 教師はかまわないと考えている。また,教材研 究は必要であると考えているが,実際には,今 までに教えたことのない種目を指導する時,ル ールが改正された時のみであり,それ以外では, 今までの指導の経験で授業が出来るから教材研 究をしていない。学習指導要領は意識したこと もないし,必要で、あるとも考えていない者,学 習指導要領の内容に不十分さを考える者もいる。 成績の評価方法は生徒の授業態度を重要視して いるが,実際は技術点の割合が多く,指導の目 的と評価観点がずれている。 6.到達点と課題 保健体育科教師は,①教科指導中心タイプの 教師。②生徒指導,部活動指導中心タイプの教 師。③オールラウンドタイプ(教科指導,生徒 指導,部活動指導)の教師に分類できる。保健 体育科教師の多くは,生徒指導,部活動指導中 心タイプの教師であることが明らかになったが, それは,実際の必要上に迫られたものであり, 保健体育科教師は本来の教師の仕事である,教 科指導に力を入れるべきであると考え,他教科 教師が生徒指導,部活動指導を担うべきことと 併せて考えると オーノレラウンドタイプの教師 として保健体育科教師が位置付くようになって いくべきであり,そのための養成過程や要因を 検討していくことが今後の課題であると考える。 一 3

参照

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