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<研究論文>エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程 利用統計を見る

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(1)

みる仕事の精神的過程

著者

幸田 浩文

著者別名

Koda Hirofumi

雑誌名

経営論集

38

ページ

85-123

発行年

1992-03-30

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005705/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

エ リ オッ ト・ジ ャ ッ ク スの 時 間 幅概 念 に み る 仕 事 の 精 神 的 過程85

エ リ オット・ジャ ッ ク スの時 間 幅概 念

にみ る仕 事 の精神 的 過程

ぱじめ にI.

仕 事の裁量内 容にみ る意思決定 過程II.

エ リ オット・ ジャック スの裁量 の時 間幅方式III.

仕事 の内面的・精神 的 過程IV.

メンタル・モデル と時 間幅の対応V.

要約 と結論 −むすび にか えて ー

は じめ に 筆 者 が こ れ まで 取 り上 げ て き た, い わ ゆ るグ レ ー シャ ー理 論 (一 つ は 課業 アプ ロー チ に基 づ くブ ラ ウン の 組織 論 で あ り, い ま一 つ ぱ仕 事 と給 料 と能 力 の均 衡 理 論 の 基 礎 とな る ジャ ッ ク ス の時 間 幅 概 念 ) につ い て は, その 理論 の 内 容 と評 価 が 考 察 の 中 心 で あ っ た1)。 本稿 で 言 及 す るエ リ オ ット ・ ジ ャ ッ ク ス (E1110ttJaques ) の時 間幅 方 式 (Time-SpanMethod ) は,職 務 の 相 対 的 価 値 を評 価 す る技 法 で は な く,責 任 の 重 さ を 測 定 す る技 法 で あ る。 し か も, 彼 に よ れば, それ は 責 任 の重 さ の 測 定 に対 し て理 論 的 根 拠 を与 え て く れ る もの で あ る。 こ の時 間 幅概 念 は, 第 二 次 世 界大 戦 中 か ら戦 後 にか け て, イ ギ リ ス軽 工 業 界 の 指 導 的 自 動 車 部 品 メ ー カ ー で あ っ たグ レ ー シャ ー 金 属 会 社(TheGlacierMetalCompany )にお い て, 組織 内 の 課業 役 割 (taskrole ) の 不 明 確 さ を原 因 とす る労 使 紛 争 を 解 決 す るた め に考 え出 さ れた もので あ る。 こ の ジ ャ ッ ク ス の時 間 幅 概 念 は, 同 社 の 社 長 兼 会 長 で あ る ウ イノレフ レ ッ ド ・ ブ ラ ウ ン (WilfredBrown) の, 組 織 に含 ま れ る すべ て の役 割 を 組 織 目 的 か ら合 理 的 に割 り出 し, 目 的 と役 割

(3)

の関係を組織設計上 明確に表現しようとする

「課業 アプ ローチ」

(TaskApproach

の概 念 と軌 を一 に してい る。

この課業 アプ ローチ は,フレデ リ ック・W ・ テイ ラー(F.W.Taylor )の科

学的 管理 (ScientificManagement

) にみら れる, 仕 事 か ら個 人の 自由裁量

の余地を極力 排除 す る機械的組織 観を重視す る課業 管 理 と, や が て それへの

反 動 か ら個 人 的欲求 を過度 に重視 す るホーソン 実験を 契機 とす る, 人 間関係

論的 成果 に基づ くメ イヨーイズム(Mayoism

)の後 に登場 して きた理論であ

る。 こ れは, 前二者 の理論的欠 陥を克服すべ く, 組織 の課業 遂行 をつ うじ て

個 人的欲求 を充足 さ せ るこ とを狙 い としてい る。 した がっ て, そのためには

まず もっ て個 人 の仕事 一課業 役割 を明確化 す る必要 があっ た。一 般的 に,仕

事 の内容 を明 らか にし, その相対 的価値 を決 め るには, 職 務分析 ・職務評価

とい う手続 きを とる。

職務 評価(JobEvaluation

)は, 直接 間接 を問 わず その 結果 を支払 い給料

(payment ) に反映 させ てお り, その評価方式 の信頼 性 の適否 が労使 の関心

事 とな る。 した がっ て, こ れまで, 可 能な限 り その 実施 過程 におい て評価者

の主観性 を排 除 す るこ とに力 が注が れてきた。 た しか に,従 来 の職 務評価 は

非科学 的で あっ た し, 元来 人間の評価 という行為 か ら完全 な 客観性 を得 るこ

とは非 常 に困難 なこ となのか もし れない≒ 現 行の評価 要 素 一尺 度で ぱ,職務

の分析 や評価 はで きて も,職 階(い わゆるマネ ジメン ト・レ ベル) を取 り扱

うこ とはで きなかっ た。 というのぱ, 各階層間の相 違 は, 職務 に含 まれる自

由裁 量権 の程 度 あ るいは責任 の重 さの差で あ るの に, 旧来 の職務評 価方式で

は, 職務 に要求 さ れた (指 定さ れた)課業役割 の内 容 を その対 象 としてい る

からで あ る。 したがっ てこの自由裁量 の範 囲, す な わち責任 の重さ を その評

価対 象 とす れば, 階層 間の差 異だ けで な く, 各職 務 間の序列 づ けが可能 か も

しれない。

ジャ ック スは, 上 述 した ようなグレ ーシャー金属会 社で の課業 アプ ローチ

によ る組織 再編 成 とい う経営環境 か らの要 請を受 けて, あ らゆ る階層 の職務

に共通 な尺度 として, 時 間幅概 念を案出 したので あ る。 こ れは,職務 に課 せ

られた課業 役割 の裁 量内容 に注目し, 自由裁量 を行使 し てか ら その結果 の適

否が判 明す る まで の期 間 中,課業 遂行者 にかか る精神的 重圧 を責 任 ととら え,

これを測 定 しよ う とす る もので あ る。

そこで 本稿 で は, ジャ ック スの裁 量の時間幅概 念 を取 り上 げ て, その責任

(4)

エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程87 の 測 定技 法 とし て の 理 論 的 根 拠 を 明 らか にす るこ とを 目的 とし て い る。 それ には まず最 初 に, 意 思 決 定 が どの よ うな 過程 を経 て下 さ れ る の か を, ジ ャ ッ ク ス理 論 を 職 務 評 価 技 法 と して 位 置づ けて い るパ タ ー ソ ン (T.T.Paterson) の 意 思決 定 過程 モ デ ル を 用 い て整 理 す る こ と にす る(I 章 )。次 いで , わ れ わ れが, こ れ まで 詳 細 に取 り上 げ る こ との な か っ た 課業 時 間 幅 測 定 の内 容 と手 順 につ い て概 説 す る こ と に す る(II 章 )。第三 に は,仕 事 の二 側 面 の一 方 で あ る裁 量 内 容 にお け る仕 事 の 精 神 的 過 程 を ジ ャ ツク ス 自身 のモ デ ル を 用 い て考 察 す るこ とに す る(Ill章 )。 そし て最 後 に,時 間 幅 概 念 の 中 心 で あ る精 神 的 能 力 と時 間 幅 の 対 応 関 係 をみ て み るこ とに し た い (IV 章 )。 〈注〉1 )筆者は,こ れ まで グ レー シャー理論 につい て,いくつ かの視点 か ら検 討 を加 え てきた。ブ ラウン理論 につ いては下 記の文献を参 照の こ と。 ①拙稿「グレ ー シャー計 画の特質 とその経営 組織 論史上 の意義 一ウ ィルフ レ ッ ド・ブ ラウンの所論 を中 心 として ー」『経営論集』第27 号,東洋 大学 経営学部,1986 年,pp.33-66. ②拙稿 「グ レ ーシャー計 画 とウィル フレ ッド・ブ ラウン の 経営政策 と実践」『経営論 集』 第37 号,1991 年,pp.79-109. また, ジャ ック ス 理論につ いては下 記の文献 を 参照 のこ と。①拙稿「心理学 的均 衡 概念 と公正 理 論」(第6 章)『現代 経営学 説 の探 究J (大平・ 幸田 ・早 坂), 中央 経済 社,1988 年,pp.162 ぺ97. ②「。エ リ オット・ ジャック スの仕 事・給料 ・能 力均 衡理論 の 現代的意義」『経営 研究所 論集』 第15 号,1992 年発行予定。2 ) こ れまでの評 価方式 にお い て も,゛責任″とカバ 精神的負荷″ といっ た評 価要素 が一部 に用い られてい るが, そのウェ イトづ けや配点の客観性, 理論的根拠 に も疑問があ る。この よ うに職 務評価 の欠点 としては,① その直 観性 ・主観性 と ② その理論的 根 拠 の欠 如 が挙 げ ら れる。 すな わち, ①職務 の 複雑 さ, 困難 さ, 大きさ, また職 務遂 行上 必要 とさ れる技 能,責任, 努力, 訓練 な ど,職務 の価 値 ぱ労使交渉 の場 におい て当事者 の力関係,思 惑し ょっ て左 右さ れるこ と, ② 各基準職務 の 諸要素相互 間 の相対的 なウェ イトづ けがで きていな いの に,偽 り の数量化 によっ て比較 を可能 に し, 一般化を図ろ う とす るこ とな どで あ る。

I 。仕事の裁量 内容 にみ る意思 決定過程

意思決 定 と計画 の関係

意思 決定 の過 程 は, あ らゆ る人間行動 におい てみら れる もので あ るが, と

(5)

く に, 経 営 管 理 活 動 にお け る計 画 化 (planning) は, 代 替 案 を作 成 し, その 中 か ら一 つ を 選 び 出 す作業 で あ り, そ れは 意 思 決 定 過 程 その もので あ る とい えよう。換 言す れば, こうした選択 をせば め る技術 こ そが,バ ーナード(C.LBarnard ) の 言 葉 を か り れば 意 思決 定 の 過程 な の で あ る1)。 こ の よ う に, 意思 決 定 とは代 替 案 の探 索 過 程 で あ り, 採 用 可 能 な技 術 的 手 段 や 方 法 を 検 討 し て, 目 的達 成 の た め の具 体 的 な い くつ か の 行 動 コ ー スを 設 計 す る過 程 で あ る。 し た がっ て, こ れは 探 索 さ れた い くつ か の 代 替 案 を比 較 検 討 す る こ とに よっ て, 目的 達 成 に もっ と も貢 献 度 の 高 い もの を選 択 す る一 連 の 過程 で あ り, こ れを狭 い 意味 合 いで , 計 画 過程 一計 画化 と呼 ぶ こ とがで き よ う。 また, 広 い意 味 合 いで の 計 画 とぱ, 狭 義 の 計 画 の 結果 物 とし て の そ の 代 替 案 を, い つ, ど こで , だ れが , い か に 実 行 す る か を決 め る実 施 計 画 と 位 置 づ け ら れよ う (図1 参 照 )レ

図1

意思 決定過 程と 計画の 関係

この意思決定 とは,簡単にいえば,個 人があ る決断を下すこ とであ る。個

人は意思決定過程において選択権 を もち,意思決定 と職務遂行において裁量

権を もつならば, その一連の活動が意思決定であるといえよう≒

(6)

エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程89 (2) パ タ ー ソ ン (T.T.Paterson ) の 意 思 決 定 モ デ ル さ て次 に, 個 人 が 決 定 を下 す まで の 過 程 を パ タ ー ソ ン の意 思 決 定 過程 モ デ ル を 用 い て考 えて み る こ とにす る。 個 人 ぱ 刺 激 に反 応 し決 定 を 下 す。 こ れ に は さ まざ ま な 刺 激 が あ るだ ろ う。 個 人 は こ れ ら の刺 激 とい う情 報 を 分 析 し, お そ ら く成 分 に分 解 し, 合 成 し, そし て分 類 し て い る に違 い な い。 その 結果 , 問 題 が 設 定 さ れ た か ど うか を 認 識 す るので あ る。 し た がっ て, 個 人 は反 応 し な け れば な らな い, あ るい は反 応 し て ぱ な ら な い理 由 を 考慮 しな け れば な ら な い。 さ ら に, 可 能 な反 応 と そ の 効 果 を調 査 し, 一一つ の 結論 に達 す る。 こ の 結 論 とは, 一 つ あ る い は それ以 上 の 反 応 が 可 能で あ るか ど う か, そ れが 相 対 的 に 合 理 的 か ど うか を査 定 す る こ とで あ る。 また その 反 応 が どの よ うな もので な け れば な らな い か を決 定 し な け れば な らな い。 こ う した 代 替 案 の 選 択 こ そ, 上 述 し た よ う に決 定 の 根 本 的 性 質で あ り, それゆ え行 動 や 結果 に対 す る責 任 とし て と ら え ら れ る。 そ し て最 後 に こ う し た決 定 を踏 ま え て, 選 択 案 は 実 行 に 移 さ れ るので あ る。 以 上 の よ う に, 意 思 決 定 ぱ, 代 替 的 な 行 動 コ ー スの 選 択 を 行 使 す る こ とで あ り, こ の 選 択 が 意思 決 定 の 過程 にお け る最 重 要 点 で あ る。 パ タ ー ソン は, 刺 激 に反 応 し, 決 定 を下 す まで の一 連 の 過 程 を, ① 情 報 , ② 結 論 , ③決 定 , ④ 実 行 の 四 つ の 単位 (unit )を用 い て説 明 し て い る呪 こ の 意 思 決 定 過程 に お け る各 単 位 の 役 割 は次 の通 りで あ る (図2 参 照 )。

図2

パターソンの意思決 定過程 の四 つの単 位(Unit )

情報 単位

結論 単位

決 定 単位

実行単位

(7)

白 ○一 白 ○−

最初 の情 報 単位(InformationUnit

)で は,

「刺激 の感受 と分 類化」が行 わ

れてい る。次 の結論 単位(ConclusionUnit

)で は, もし問題 があ るならば,

その情報 の査定 と可 能な行動 コー スの感知 が行 われ る。 さ ら に第三番 目の決

定 単位(DecisionUnit )で は,行動コー スの選択 とその コー スに基づ いて行

動 す るた めの決定 が下 さ れる。 そして最後の実 行単位(ExecutionUnit

)で

は,選択 さ れた方法 に基づ い て行動す るた めの決定 が下 さ れ るので あ る。

さ らに各単位間 には次の ような関係 が存在 する(図3 ・4 参照)。

図3

パタ ーソン の意思決定過程モデ ル

フィードバック

ぐ コ □ ② □ ▽ − ⇒ 実 行 図4 − ○ ぺ〉 −o-> − ○ I 結 論110 ▽ | | 情 報 介OJ 資料 出所:Ibid.,p.22. ⇒ IOI 決 定 | | ▽ ○lj 実 行 介OI ゆ 結 論 一 口 ○ □ □ ○

フィ―ド フォワード

資料出所:T.T.Paterson,JobEvaluation,Vol.1,BusinessBooksLimited,1973,p.21.

パターソ ンの 意思 決定の複合過程 モデル

(8)

エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程91 ① 情 報 単位 と結 論 単 位 の 間 に は 情 報 提 供 が な さ れ る(informability )関 係 が な け れば な らな い (○ )。 ② 結 論 単位 と決 定 単 位 の 間 に は 結果 の 当 否 が 問 わ れ る(advisability )関 係 が な け れば な らな い (□ )。 ③ 決 定 の 結果 に は 責 任(accountability) が 発生 す る た め,決 定 単 位 と実 行 単 位 の間 に は組 織 に基 づ く権 限 が 伴 う関 係 が な け れば な ら な い (▽ )。 ④ 決 定 遂行 結 果 は, 情 報 単 位 ヘ フ ィ ー ド バ ッ クさ れ る。 必 要 な場 合 に は, 決 定 を修正 す るこ と に よっ て調 整 が 行 わ れ る。 そこで は情 報 提 供 とチェ ッ ク を 受 け る関 係 が な け れば な ら な い 。 ⑤ 結 論 や決 定 が 下 さ れ る前 に, そ れ が 実 行 単 位 に よっ て遂 行で き る か ど うか チェ ック しな け れば な らな い。した が っ て, 情 報 単 位 か ら実行 単位 へ の フ ィ ー ド フ ォ ワー ド が な け れば な ら な い呪 こ の よ う な に刺 激 とぱ, 情 報 の こ とで あ るが, あ る人 の 下 し た決 定 は また 他 の 人 の情報 に な る。 企 業 に お い て 大 量 の情 報 が流 れ る とい う こ とは, また 大 量 の広 義 の決 定 が 下 さ れ て い る とい う こ とで あ る。 した がっ て, 情 報 単位 か ら実 行 単 位 まで は, た ん に一 方 通 行 で は な く, 前 頁 の 図4 の よ う に循 環 過 程 を構 成 して い るの で あ る。 (3) 組 織 目的 の定 式 化 と仕 事 の指 定 物 的 に も生 物 的 に も制 約 が あ る個 人 が, 自身 の動 機 一欲 求 を満 た す べ く, 自 らの 自由 意思 を 犠牲 に し て, 他 の 個 人 と協 働 す る。 しか し, その 協 働 か ら い ろ い ろ な社 会 的 要 因 が 生 じ, そ れ が個 人 の 協 働 す る情況 にお け る制 約 的 要 因 とな る。 換 言 す れば, 個 人 的 は, 自身 の 目 標 と組 織 の 目標 の 狭 間で , 組織 か らの 誘 因 と個 人 の 貢 献 の 得 失 を 比 較 考 慮 し なが ら, 仕 事 一協 働 を し て い る。 こ れ はバ ー ナ ー ド の協 働 体 系 論 と組 織 均 衡 論で あ るが, こ こで 問 題 とな るの は, 仕 事 を す る上 で , 他 人 との 関 わ りか ら新 た な制 約 が生 じ る とい う こ とで あ る。 とく に経 営 管 理 者 は, 個 人 の 動 機 を満 足 さ せ 継 続的 な 活 動 を 確 保 す る た め に, た えずあ らゆ る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の経 路 や 手 段 を用 い て 経 営 哲 学 , 理 念,政 策,方 針,計 画 な ど とい っ た 組 織 目標 を個 人 に伝 えよ う とし て い る。 その 際 , 経 営管 理 者 に よ っ て 目 標 や 目的 の 定 式化 が 行 わ れ る。 一 般 的 に は, 製 品 サ ービ スの 開 発 や供 給, さ ら に ぱ 販 売 といっ た 諸 職 能 の 遂 行 を 通 じ て の, い わ ゆ る≒ そ れを 達 成 す るた め に, 組 織 目 標 を仕 事 能 力 の 段 階 に応 じ て 一抽 象 度 の 高 い

(9)

もの か ら具体 度の高い もの まで ー, 職 務担 当者 に指 定 す る必要があ る。 こ う

す るこ とによっ て, 担当者の意思決 定の範囲 に限界を 設 ける。 つ まり, 個 人

の仕事 にお け る自由意思 の発現領域 を明確 にす るので あ る。

(4) 仕事 にお け る自由裁量の行使

このよ うに,政 策的限 界内での 自由意思, す な わち自由裁量の 行使 を伴 う

活動 に注 目 したのが ジャ ックスであ る。彼 ぱ,

「従業 員 の仕事 とは,直属 の上

司 や さ らに上 位の経営管理者 が定 めた政策 に よっ て指 定さ れた限界内で, 直

属の上司 によっ て割 り当 てられた諸活動 を遂行 す る際 になさ れ る,知識 の応

用 と裁量 の 行使」 と定義 す る6)

したがっ て, 上司 によっ て配分 さ れた役割 内で, 従業 員 が遂 行す る仕 事 と

は, た えず 変化す る一群あ るいは一 連 の課業 のこ とで あ り, それは組織 目標

に沿っ て指 定さ れた①裁量 行使 の限 界(内容)と, ②裁 量 内容 に二 分され る。

従業 員が① の指 定 限界を遵 守す るた めには, たしか に一定 の知識 が必要で あ

るが, 彼 は外部で設 定さ れた客観 的基準 に沿っ て遂行 す ればよ く, 各人の仕

事 能力 に対 応 した指 定 内容で あ りさ えす れば 結果 の予 測 がっ くた め,精 神的

負 担 は それ ほどで もない。 もし, こ の指 定さ れた 限界 を守 らず期待さ れた成

果 を上げ るこ とがで きなかっ犬 場合, その原 因 は, 能 力 と職 務の不適合 か,

彼 自身の怠 慢あ るいは不服従 にあ り, それは配置 転換 や苦 情処理 によっ て解

決で きる。 一 方, ②の裁量内容の遂 行 に際 して,職務 担 当者 には,仕事 の速

度(運 び)や質 についての自己の裁量 を行使 す る自由 が与 えられ る。つ まり,

もの 遂行 にば

仕事の コッ,知 恵, 理性″ とともに, 自制 力 と判断 力 といっ

た精神的 能 力が必要 とな る≒ この ように,担当者 の内面 におい て,一連の意

識的 かつ無 意識的 な心 理的 努力が なさ れるので あ る。 こ うした仕事の精神的

過程 にぱ, 自 由裁量 とい う権限が与 えられてい る半面 , その決定結果 には責

任 が課 せ られてい る。 したがっ て,一 連の精 神的仕 事 の経過 は もちろんの こ

と, 意思 決 定の機会 の当否が結果 の適否 につ なが るこ とから, それを原因 と

す る不安 感 や憂僻 感 に対 して,精 神的エ ネルギ ーが か なり消耗 させら れる。

(5) 意思 決 定を評 価要素 とす る職務 評価方式

企業 にお いて, 実際 に大量の情報 流通 が認 めら れる。 この こ とは企業 の各

職 階, 職 務 において大量の意思決 定が下 さ れてい るこ とにほかな らない。 意

思 決定 とい う行為 は, 広 くは人 間行動 その もので あ るが,狭 く計 画 という意

味合 いで とら えて も, 組織の すべての職務で 行 われて いる。 とくに, 経営管

(10)

エリオット・ジャックスの時問幅概念にみる仕事の精神的過程93 理 者 は担 当 す る職 位(position) の範 囲 内 で , 意 思 決 定 を す る義 務 が あ る‰ そこ に登 場 し て きた の が, 意 思 決 定 とい う行 為 に注 目す る職 務 評 価 方 式で あ っ た9し 職務 評 価 は,本来 ,直 接 賃 金 を 決 定 す る こ とを 目的 とし て い な いが ,間 接 的 には賃 金 に結 びつ い て い る もの で あ る。 し た がっ て , で き る限 り その 主 観 性 を排 除 す る よ う努 力 し な け れ ば な らな い。 旧 来 の 評 価 尺 度 で は, 職 務 の 分 析 ・評 価 はで きて も, 職 階 にう い て ほ とん ど手 を つ け るこ とが で きな か っ た 。 なぜ な らば, 現 行 の職 務 分 析 ・ 評 価 ぱ 職 務 の上 司 か ら指 定 さ れ た内 容 だ け を対 象 とし, 職務 担 当者 の 自 由 裁 量 に任 さ れ た内 容 に まっ た く といっ て よ い ほ ど注 目 し て い な か っ た か らで あ る。 各 階 層 間 の相 違 は,そ れ ぞ れ の 職 務 の 裁 量 内 容 の 相 違 で あ る。し た がっ て, こ の 裁 量 の 行 使 , す な わ ち意 思 決 定 の 種 類 を その 評 価 対 象 とす れば, 階 層 間 の 差 異 だ けで な く, 各 職 務 の 相 対 的 序列 づ けが で き るに 違 い な い。 こ う し て こ こ に意 思 決 定 とい う新 し い評 価 要 素 を 基 礎 にお く四 つ の 職 務 評 価 方 式 −ガ イ ド ・ チ ャ ー ト ・プ ロ フ ィ ー ル(Guide-ChartProfile) 方 式 ,キ ャ ス テ リ オ

ン(Castellion) 方式, パ タ ー ソン(Paterson) 方 式, さ ら に時 間幅(Time-Span) 方 式 が 考案 さ れ るこ と とな る。 そ れ は, 組 織 の す べ ての 職 務で 行 わ れて い る 意 思 決 定 とい う行 為 その もの を評 価 要 素 や 基 準 に した ら, す べ て の職 務 に 共 通 な尺 度 とな るの で は な い か とい う考 えが あ っ た か らで あ る。 とく に 本稿 で 取 り上 げ るエ リ オ ッ ト ・ ジ ャ ッ ク ス の時 間 幅 方 式 は, 当 初 , 意 思 決 定 を評 価 要 素 とす る職 務 評 価 方 式 と して 紹 介 さ れ た が , ジ ャ ック ス自身 ぱ, む しろ 仕 事 水 準 測 定 方 式 で あ る と反 駁 し, 明 確 に こ れ を 職 務 評 価 方 式 と区 別 して い る10)。 し たが っ て次 章で は, ジ ャ ッ ク スの 考 案 に よ る仕 事 水 準 測 定 技 法 とし て の 時 間 幅 方 式 を取 り上 げ, それ を 概 説 し た後 , 彼 の仕 事 の 精 神 的 負 担 と その 精 神 的 過 程 につ い て の 見 解 を み る こ とに し た い 。 〈 注 〉 ト1 )C.I.Barnard,TheFunctionsoftheExecutive ,E.SirvardUniversityPress,1938,P 皿r 新 訳 / 経 営 者 の 役 割 』( 山 本 安 次 郎 ・ 田 杉 競 ・ 飯 野 春 樹 訳 )ダ イ ヤ モ ン ド 社,1981 年 ,p.l4.2 ) ち な み に, 裁 量 と決 定 を ど の よ う に 考 え た ら よ い のだ ろ う か 。こ れ に つ い て シ ャ ツ ク ス は ,裁 量 の 行 使 は 外 部 か ら 見 る こ と の で き な い 人 の 内 面 的 過 程 ,す な わ ち ,

(11)

思 考 , 判 断 , 感 覚 , 感 情 , 識 別 , 比 較 , 推 測 , 予 測 , そ の 他 の 意 識 的 お よ び 無 意 識 的 な 精 神 的 仕 事 の 行 使 で あ り, 決 定 と は 実 際 に と ら れ る 行 動 で あ る と区 別 し て い る。ElliottJaques,EquitablePayment,HeinemannEducationalBookLtd.,1961,p.83. 『 公 正 な 給 料 』( 北 野 利 信 訳 ) ダ イ ヤ モ ン ド 社,1974 年,p.86.3 )T.T.Paterson,/o^Evaluation,Vol.l,BusinessBooksLimited,1973,pp.7-8.4 )Ibid.,21-22.5 ) 企 業 が , い わ ゆ る ゛ヒ ト , モ ノ, カ ネ , 情 報 ″ と い っ た 経 営 の 諸 資 源 を 事 業 活 動 に 投 入 す る こ と に よ っ て , 最 終 的 に 生 み 出 そ う と し て い る も の は, 当 然 コ ス ト を 上 回 る カ ネ で あ り , 見 え ざ る 資 産 と い う 情 報 的 資 源 で あ る。 伊 丹 敬 之 ・ 加 護 野 忠 男 『 ゼ ミ ナ ー ル 経 営 学 入 門 』 日 本 経 済 新 聞 社,1989 年 ,pp.65 一阻 た だ 現 在 , 企 業 の こ う し た カ ネ を 中 心 と し た 経 済 至 上 主 義 的 な 目 的 に 対 し て 批 判 が 集 中 し て い る こ と は 周 知 の 通 りで あ る 。 組 織 は 本 来 , 個 人 的 動 機 を 達 成 す る た め に 存 在 す べ き も の で あ る が , 経 済 的 動 機 を 満 た そ う と す る 組 織 目 的 が 優 先 し , 環 境 破 壊 や 人 間 性 の 無 視 ・ 喪 失 を 引 き 起 こ し て い る 。6 )WilfredBrown&ElliottJaques,GlacierProjectPapers,HeinemannEducationalBooksLtd.,1965,p.75. 『 グ レ ー シ ャ ー 計 画 』( 北 野 利 信 訳 )評 論 社 ,1970 年,p.116.7 )Jaques,EquitablePayment,p.81. ( 前 掲 書Jp.84.8)Barnard,op.cit,p.l90.! 前 掲 書Jp.198.9 』 こ れ に つ い て の 詳 細 は ,拙 稿「 意 思 決 定 を 評 価 要 素 とす る 職 務 評 価 方 式 」( 第2 章 )『 意 思 決 定 を 評 価 要 素 と す る 職 務 評 価 方 式 に み る 仕 事 ・ 賃 金 ・ 能 力 に 関 す る 一 考 察J ( 修 士 論 文 ) 早 稲 田 大 学 大 学 院 商 学 研 究 科,1978 年,pp.81-228 を 参 照 の こ と。10) 時 間 幅 方 式 を ゛意 思 決 定 に よ る 職 務 評 価 方 式 ″ と し て 紹 介 し , 分 類 し た の は , パ タ ー ソ ン 方 式 の 考 案 者 で あ るT.T.Paterson で あ っ た 。こ れ に 対 し て ,シ ャ ツ ク ス は , 著 作 の 中 で 終 始 一 貫 し て , こ の 方 式 が , 従 来 の 職 務 評 価 の 範 躊 に 属 し て い な い こ と を 強 調 し て い る。職 務 評 価 の 原 則 と 実 践 に つ い て の ジ ャ ッ ク ス の 批 判 意 見 に つ い て は 次 の 箇 所 を 参 照 の こ と。Jaques ,EquitablePayment,pp.75-76. 『 前 掲 書Jpp.75-77.ElliottJaques ,MeasurementofResponsibility,HeinemannEducationalBooksLtd. け956.p.6,21. 『 責 任 の 測 定 』( 北 野 利 信 訳 ) 評 論 社,1970 年,p.31,51.

(12)

・423612510 週 週 月 月 月 年 年 年 年 責 任 度 ( 時 間 幅 ) 年 収 ︵ ポ ン ド ︶ 501002005001,0002,0005,00010,00020,000 時 間

資料出所:Jaques,EquitablePayment,p.147.

『前掲書Jp.170

20 エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程95H 。 エリ オ ッ ト ・ ジ ャ ッ ク ス の 裁 量 の 時 間 幅 方 式(1 ) 職 務 の 指 定 限 界 と裁 量 内 容 時 間 幅 方 式 は,1956 年 に エ リ オ ッ ト ・ ジ ャ ッ ク スの 著 作 『責 任 の測 定 』 (MeasurementofResponsibility,HeinemannEducationalBookLtd,London )に お い て最 初 に発 表 さ れた 。こ れは √職 務 の 組 織 構 造 の 階層 が 高 く な るにつ れ て,裁 量 行 使(discretion )の 結果 の適 否 が 検 閲 (review) さ れ る まで の期 間, つ ま り裁 量 の時 間幅 が 長 く な る とい う概 念 に基 づ く責 任 一時 間 幅 の 測定 技 法 で あ る。この時 間幅 方 式 が 開 発 さ れ る契 機 となっ た グ レ ー シャ ー 計 画(TheGlacierProject) の 当初 の 目 的 は,責 任 の 測 定 にあ っ た。なぜ な ら ば , 従業 員 間 で 身 分 と給 料 の不 満 が生 じ, それ は いつ も責 任 の重 さ につ い て の 各 人 の主 観 的 な 価値 判断 の 相 異 が 原 因で あ り, それ を どの よ うに し て 客観 化 す るかが 問題 で あ っ た か らで あ る。 そ れで は ジ ャ ッ ク スは 何 に注 目 し て こ の 方 式 を 考 案 し た の で あ ろ うか。 そ れ は次 の二 点 に よ る1)。 ① 時 給, 週 給, 月 給, 年 俸 とい っ た い わゆ る賃 金 支 払 い 方 式 にお い て時 間 幅 の相 異 が 認 め ら れ るこ と。 ②上 司 が 与 え る, あ るい は上 司 か ら決 定 の 結果 の 適 否 が 与 え ら れ る まで の時 間 的 長 さ と賃 金支 払 い形 態 との 間 に相 関 関 係 が 認 め ら れ るこ と(図5 参照 )。 500 200 0000m(Ni 1 週 給 ︵ ポ ン ド ︶ 10 5 2

図5

責任度( 時間幅) と賃金支 払い形 態の 関係

一 一 ︷ 一 ︷ 一 / / ノ ダ /765432 2 公 正 仕 事給尺 度1954 年6 爪1956 年6 月,1958 年2 月 1/2 日 → 5 1 日 ← 10 5 日3 日2 日 20,000 10,000 5,0004,000 3.000 2,000 1,000 500

(13)

ジャッ クスは,職務 を指 定 内容(prescriebedlimits )と裁量 内容(discretioncontents

) に二 分 し, それぞ れにつ い て責任の水準を 測定 しよ う とす る。 彼

は, 決 定結果 の良 否 が 出 る まで の精 神的不 安感 を ゛

責任 (responsibility)

と定義づ け る2)

指 定 内容 ぱ,上司あ るいは上位階層によ るルールや 規則 によっ

て制限が加 えられた ものであ り, それには負担 は伴 うが, それに従っ て い る

限 り精 神的不安感 は生 じ ない。 一 方, 裁量内容 は, 人 に とっ て内面的プ ロセ

スであ り,外部 か ら見 るこ とがで きない もので あ る。し たがっ て,上 司 に よっ

て検閲 さ れるまで経 過 す る期 間 が長 ければ長い ほど, また精神 的 に不 安定 な

状 態 も長 くなる。 こ うした, い わゆ るプ レッ シャー を受 ける期 間 を ゛裁量 の

時 間幅″ と呼 んで い る。こ れは,「あ る役割におい て仕事 の速度(ペ ー ス) と

質 をつ り合 わせる際, 部下 が継続 してぎ りぎ りまで 基 準を下回 る裁量 を行使

し ていない とい うこ とを, 上司 の管 理者が見届 けるこ とがで きるまで の最長

の経過時 間」 と定 義 され る呪 このぎ りぎり(限界的 )に基準 を下 回 る裁 量 と

は,

「一組 の基 準 が示 す限 界に わず か に及ば ない結果 を生 む裁量 の こ とで ,そ

れは一種 の境 界概念で あ り, それはすぐに多 くの人の 目を引 くよ うな極端 な

判断 で もな く,即座 に観察 す るこ とがで きない もの」で あ る≒ こ うした目 に

見 えに くい裁量 行使 の 結果 は, ジャ ック スによ れば, 次 のよ うな手続 きを経

て検 証 す るこ とがで きる5)

①注 意 を払 いすぎ たた めに時 間 が長 くかかっ てし まっ た場 合 (仕 事の質 の重

視, 速度の 軽視)

②仕 事 は短 期 間で 完 了 したが, 不注意の ために結果 が基準 の限 界を下回っ て

し まっ た場合 (仕事 の速 度の 重視, 質の軽視)

一 見, ①のよ うに結果 が基 準 の限 界を上回っ てい る もの と, ② の ように結

果 が基 準の 限界を下 回っ てい る もの とを同等 に扱 うこ とぱ矛 盾 し てい る と

考 えられるか もし れ ないが, 仕 事 とは本質的 に,仕 事 をただ 単に遂行 す れ

ばよい とい う もので ぱ な く, 限 られた時 間内で遂 行す る必要 があ る。

・ した

がっ て,時 間幅 の定義で 述 べ ら れてい るように, よい仕事 を す る とい うこ

とは,仕 事のペ ー スと質 をつ り合 わせ て行 う という こ とであ る。

(2) 裁量 行使の 結果 の検 閲

それで は,上 司 が,どのよ うにし て部下 の裁量 行使の 結果 を検 閲 するのか,

また, 部下 は, どの よ うにして自身 の裁量 行使 の結果 が上司 を満足 させ たか

を知 るこ とがで きるのかを 考 えて みよ う。 これにつ い てジャッ ク スは, 直接

(14)

エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程97 検 閲 と間接 検 閲 とい う二 つ の方 法 を挙 げ て 説 明 し て い る。1 ) 直接 検 閲 直 接 検 閲 とは, 上 司 が直 接 部 下 の 仕 事 の 結果 を検 閲 す る こ とで あ るが, 上 司 は仕 事 が 終 了 し て か ら も自分 で は 検 閲 は し な い の が ふ つ うで あ る。 とい う の は, もし部 下 の仕 事 が う ま くぃ っ て い な け れば , ど こ か ら か苦 情 が く るだ ろ う し, 苦 情 が こ な い まで は, 部下 の 仕 事 は 順 調 に遂 行 さ れ て い る と考 え る か らで あ る。 また, 積 極 的 に直 接 検 閲 を し な い 理 由 は, 仕 事 の 結果 が めっ た に上 司 の も と に戻 っ て こ な い とい う こ と に もあ る。こ の よ う に ジ ャ ッ ク ス は, 上 司 が直 接 部 下 の仕 事 に含 まれ る裁 量 を検 閲 す る こ とは む し ろ まれ な こ とだ と考 えてい る。 上 司 が, 実 際 に直 接 検 閲 を 行 う の は, 訓 練 中 とか見 習 中 にあ る部 下 の よ う な,目 を離 せ な い,まだ 十 分 に信 頼で きな い よ う な 場 合 で あ る≒2 ) 間接 検 閲 した がっ て, 部 下 の 仕 事 の 結 果 は, 間接 的 に検 閲 さ れ るこ とに な る。 部 下 が基 準以 下 の 仕 事 を した 場 合, その 情 報 は か な ら ず上 司 の も とに届 く はず で あ る。 なぜ な ら, 組 織 内 の 個 人 の仕 事 とい う もの は, 協 働 とい う観 点 か ら み て も自 己完 了 的 で はあ り えな い か らで あ る。 個 人 の仕 事 は, か な ら ず他 の 仕 事 と関 連 して お り, どん な裁 量 内 容 で あ っ て も, その 結 果 が基 準 を下 回 っ て い れば, 企 業 内 部 ぱ も とよ り外 部 か ら苦 情 とい っ た形 で, 上 司 の も とに フ ィー ド バ ッ ク さ れて く るは ずで あ る。 そ れが な い 間 は, 上 司 は, 部 下 の仕 事 が 期 待 どお り に 遂 行 さ れ て い るは ず だ とい う部 下 との 信 頼関 係 があ るの が一 般 的 で あ る7)。 (3) 単一 課 業 役 割 と複数 課業 役 割 時 間 幅 測 定 (time-spanmeasurement )とは ,直 属 の 上 司 か ら権 限 を 委 譲 さ れた 管 理 者 が, 直 接 の 部下 の 課業 役 割 に割 り 当 て られ て い る仕 事 を測 定 す るこ とに よっ て, 課業 役 割 の 仕 事 水 準 を 見 つ け 出 す る こ とで あ る≒ その 際 , 役 割 遂 行 者 の 課業(task) が, 単一 課 業 役 割 (single-taskrole )で あ るか 複 数 課業 役 割(multi-taskrole )で あ る か を 区 別 す る必 要 が あ る(表1 参照 )9)。1 ) 単一 課業 役 割 単一 課業 役 割 とは, 一 時 に たっ た 一 つ の 課業 し か 従 事 し て は な らず, 次 の 課 業 を開 始 す る前 に その課業 を完 了 さ せ な け れ ば な らな い 仕 事 の こ とで あ る。 また√ 上 司 が その 課業 の 遂 行 を 中 止 し た 場 合 に は, 新 し く割 り当 て ら れた 課 業 に取 り組 まな け れば な ら な い役 割 で あ る。 す な わ ち, それ ぱ 「 継 続的 な 課

(15)

業以外の課業 しか割 り当てられていない役割で, その課業の遂行手順が規定

されている役割」のこ とであ る1(

表1

単一課業 役割と複数課業 役割の具 体例

<単一課業役割>

<複数課業役割>

●化学処理

●事務作業

●電気設備

●鋳造作業

●文書 と在庫品表の作成

●検査業務

●肉体作業

●機械工具組立作業

●手動の機械作業

●梱包作業

●塗装,鉛管敷設,大工作業

●警備業務

●販売事務作業

●秘書 とタイプ作業

●会計事務

●購買

●最高執行者役割

●事務作業

●情報の収集・記録作業

●法務部

●人事業務(人事専門職)

●製品の研究開発業務

●生産管理

●製造方法 (技術専門職)

●プログラミング と生産管理

●販売業務

資料出所:Jaques,Time-t2)

複数課業 役割

複数 課業 役割 とは,異なっ た完 了所 要目標 時間(targetcompletiontime)

を もつ, い くつ かの継続的 な課業 を含 む役割であ る。 し たがっ て, 担 当者は

役割遂 行上, 課業 のプ ログ ラ ムを組 む必要 があ る11)

この よ うに, 単一 課業 役割 は, その 実行 すべ き役割 につい ての優 先順位 が

規定さ れてい るが, 複数課業 役割 は, どの課業 を中断 さ せ, その間 に どの課

業 を実行す るか, どの課業 が終 了した ら, どの課業 を再 開 す るか, といっ た

よ うな課業 の組 み合 わせ に裁量 を行使 す る, す なわち担 当者 白身で仕事 のプ

ログ ラ ムを作成 し, それに沿っ て実行 す る必要があ る もので あ る。 表1 は,

役割あ るいは仕事 の種類 を単一 課業役割 と複数課業 役割 に区 分 した もので あ

(16)

エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程99 る。 以 上 の よ う に, 測 定 に取 り組 む た め には, まず その 役 割 が 単 一 課 業 役 割 な の か 複 数課 業 役 割 な の か を仕 訳 し な け れば な らな い。 ジ ャ ッ ク ス は, こ う し た 課業 役 割 の仕 事 水 準 を測 定 す るた め に, それ らを 次 の よ う に 定 義 づ け て い る≒ す な わ ち, ① 単一一課業 役 割 の 仕 事 水 準 は, 最 長 課業 の完 了 所 要 目標 時 間 , また は 連 続 す る課業 の 時 間 幅 で あ る。 ② 複数 課業 役 割 の仕 事 水 準 は, 最 長 継 続 課業 の完 了 所 要 目標 時 間 の 時 間 幅で あ る と。(4) 単 一 課業 役 割 の 時 間 幅 測 定 上 述 の① に し た が えば , 単 一 課業 役 割 の時 間 幅 測 定 で , まず 最 初 に し な け れば な らな い こ とぱ, 最 長 の 課 業 また は 連 続 す る課業 を見 つ け 出 す こ とで あ る。 こ れら を探 し出 す こ と に よっ て, 管 理 者 が 部下 に期 待 し て い る裁 量 の時 間 幅 の最長 期 間 を知 る こ とがで き るので あ る13)。個 別 課業 や 連 続 す る課業 を見 つ け るた め に, 仕 事 を 裁 量 内 容 と指 定 内容 に二 分 し, もし ぎ りぎ り に基 準 を 下 回 る裁量 が 仕 事 の 途 中 で な さ れた 場 合 に, どの よ うな 結 果 が 生 じ るか を 調 べ る必要 が あ る。 その 結 果 か ら, 管 理 者 は 部下 に対 し て, 彼 の 責 任 の範 囲 を 明 確 に示 す こ とが で き るの で あ る。 さ て,次 に し な け れば な ら な い の は, ぎ りぎ り に基 準 を 下 回 る裁 量 が 継 続 的 に行 使 さ れ て い る時 ,誰 が そ れに気 づ か な け れば な らな い の か,す な わ ち, 誰 が 検 閲点 を 見 つ け 出 さ な け れば な ら ない か とい う こ とで あ る。最 終 的 には , 上 司 が 責任 者 で あ るが, こ れ ぱ, 管 理 者 が 直接 的 に部 下 の 仕 事 の 検 閲 を 行っ て い る場合 と, 間 接 的 に 行 っ て い る場 合 に よっ て異 な るこ とは すで に述 べ た とお りで あ る。 い ず れ に せ よ,上 司 は,部 下 の す べ ての 課 業 につ い て検 閲 し, 任 意 の ものだ け を取 り上 げ て検 閲 し全 体 に敷 延 す る こ とは避 け な け れば な ら な い14)O そ れで は, 図 を 用 い て 一 番 単純 な単 一 課業 役 割 の 仕 事 水 準 を 測 定 し て み よ う。 図6 の よ う に, た と えば 課業A が 完 了 し た時 点 で 即時 に検 閲 が な さ れた 場 合 に は, こ のA か らI まで の 課業 の う ちで 最 も完 了 まで の 所 要 目標 時 間 が 長 い もの, す な わ ち課業F を こ の 単一 課業 役 割 の仕 事 水 準 とす るの で あ る。 し か し, 実際 に は , 検 閲 は 遅 れ るの が ふ つ うで あ る。 つ ま り タ イ ム ・ ラグ が

(17)

↓ ↓ ↓ ↓ A

図6

即時検 閲と最 長完了 所要目標 時間

※即時検 閲(directreview ) とは, 各課業 の完了後, 次の課業 の開始 前 に,

あ るい ぱ開始 と平 行 して行 われ る検 閲 のこ と。

資料出所:Jaques,EquitablePayment,p.l29.

『前掲書Jp.148.

X

図7

遅延検閲と最長課業連続y

← 一一一一--…- 一一一一… 一一“---! ← … 一一----一一一一一一…- 一一… ・E-一一… ↓ -‥… … …I … 。 ↓ ← S●− 一 叫 … … … ・I 一一--… …-- 一一 − ︱ − III ︱ ︱ ︱ − − ︱ − 峠 …‥ …… ‥ … ↓

※遅延検閲

(delayedreview

)とは,次の段 階 が開始さ れたあ とで しば ら くし

て行 われ る検 閲のこ と。

資料出所:Ibid.,p.l30.

『同上書Jp.149.

(18)

エ リ オ ット・ジ ャ ッ ク スの 時 間 幅 概 念 に み る仕 事 の精 神 的 過 程101

図8

仕 切生 産に

Ah

−f-

…………↓

お ける 単式 課業連続の検閲 点

111 自 ↓ ↓ ↓ 111 ︲ ︱ − ︱ − − −1111 − C ← … … … ‥-一

一j-E)←

………・1

。,

…↓

X_/^・ ・ ) −11 ;GI ●・ 叫 … … 一一 資料 出所:Ibid.,p.131. 『同上 書Jp.151. ↓ TT ← … … … …--↓ り ー −●J …-,↓

あ ろ う。 こ うし た検閲 が, 次 の段 階 の課業 が行 われた後, しば ら くして行 わ

れた場合には, 図7 の よ うな時 間幅図 表 が描 けよう。 た とえば, 同 じ完了所

要目標時間を もつ課業 におい て,5.5 課業 が経 過 したY 点で はじ めて検 閲が な

さ れた時, このX からY まで の 間隔 が時間 幅 と

ニなるので あ る呪

また,完 了所 要目標時 間の異 な る課業 を連 続的 に与 え られる と, こ とはさ

らに複雑にな る。 た とえば, それはタ イピ ストの ように, 異 なる課業 を連 続

的 にこなさ な ければ ならない仕事 であ る。 こ うした仕事 は, タ イプ すべ き書

類 に よっ て完 了 に要 す る時 間 にバ ラツキがあ り, ふつ う一 つの課業 が済 む ま

で 次の課業 に移 るこ とがで きない という性 質 を もっ てい る。

このような役 割の裁量 の時 間 幅を見 つ け るた めには,図 に描 く必要 があ る。

図8 はこうした異 なる課業 が連続 しておこ る様 を示 した もので あ る。矢印 ぱ,

各 課業 の検閲点 を示 してい る。 仕 事水 準を見 つ けるには, あ る課業 が開始 さ

れてから, 最初 の検閲点 に至 る まで の課業 の連続の中で最 長の もの 一最長 課

業 連 続を探 すこ とで あ る。 換言 す れば,最 長 の未検 閲期 間が その仕事 の裁量

(19)

の時間幅 とな るのであ る。 図8 で は, 課業B か ら課業E の検 閲 点 まで の期間

(課業F の途 中 まで) が最長 とな る。 したがっ て, こ れがこ の仕 事の裁量の

時 間幅 とな る。 ジ ヤ ツクスは, こうした方法で2 年以 上 の期 間 に わた る多数

の役割 を図表化 し た結果,「同一の最大時 間幅が多 数の 課業 連 続 に繰 り返 し現

れ る」 こ とを発見 し たので あ る1≒

(5) 複数 課業 役割 の時間幅測定

あ る役 割が 複数 課業 役割で あっ た場合, その時 間幅 は, 最 長継 続課業 の完

了所要 目標 時 間 か ら得 られる。 したがっ て, まず最 初 に, 最 長完了所 要目標

時間 を もつ 継 続課業 を発見 しなければ な らない。 それ には次 の三つ の仕事 を

探 し出 し, それに要す る時 間を測定 すれば よい。

①予定 さ れた反 復的 な仕 事

②予定で きない特殊 な仕 事

③新 しい部下 の配 置 と訓練17)

ただ し, 時 間幅測 定 にはい くつ かの留意点 があ る。 た とえば, 役割担 当者

が一 定の長 さ の時 間 幅の課業 を遂行 してい る期問中 に, その進 行状況 を上司

に報告す る義 務 が課 せ られてい る場合, それが課業 の完 了 を示 す最終報告で

あ るか, 進渉 状況 を示 す中 間報 告であ るかに よっ て, その時 間幅 は異 なっ て

くる といっ た こ とで あ る。 また, 課業 に含 まれてい る待機 時 間の取 り扱 いに

よっ て も, 時 間 幅が 異なっ て くる。 た とえば, 課業 に含 まれてい る待機 時間

が部下の統 制下 にあ るか否 か といっ た場合であ る。 前者 ぱ, た とえ課業 に待

機時 間が含 まれて いて も, その結果が, 仕事 全体 の計画 の対象 に含 まれてい

るもの ならば, それは課業 の一 部 とす るが,後 者 ぱ彼 の統 制下 にはないので

彼 の課業 で は ない というこ とになる几

(6) 時 間幅測 定上 の諸問題

上 述 し たよ うに, 裁量の時 間幅の測定 にぱ, 実施上 , い くつ かの留意点が

あ る。 ジ ヤ ツク ス自身 も, 時 間幅測定の過程で疑 問, 困難, 矛 盾を経験 した

ようであ る。 こうした時間幅測 定上 の諸問題 がジ ヤ ツク ス理論 に対す る批 判

の原 因 に もなっ てい る。 そこで, 時間幅測定 の実施 な らび に結果 について従

業 員 か ら出 さ れた批判 や疑 問 を整 理 して み ると,

①管 理者の能 力や 態度 に対す る不 信感

②従業 員の新 し い管 理技法の受 け入 れに対す る消極的 あ るい は拒否的 な態度

③時 間幅測定 の 結果 に対す る疑 問や批 判

(20)

エリオット・ジャックスの時問幅概念にみる仕事の精神的過程103 の 三 つ に整理 で き る19)。 △1 ) 管 理 者 の 能 力 や 態 度 に対 す る不 信感 ジ ャッ ク ス の 言 葉 を 借 りれ ば , 本 質 的 に時 間幅 測 定 は , 管 理 者 が 部 下 に割 り当 て る課 業 に つ い て の 時 間 的 要 素 を基 礎 に し て, 役 割 に 含 ま れ る仕 事 水 準 を た ん に測 定 す るだ けで あ る。 だ が , 管 理 者 の 中 には, 部 下 に正 確 な仕 事 の 内 容 を指 定 で き な い 管 理 者 もい るは ずで あ る。 こ う し た 管 理 者 が割 り当 て た 役 割 を正 確 に測 定 す る こ とはで きな い とい う ので あ る。 ジ ャ ッ ク スは こ う し た こ とは, 管 理 者 か ら の情 報 を 複 数 の 人 々 に よっ て よ く吟 味 す る こ とで 防 げ る と述 べ て い る。 さ らに, 温情 的 に, 部 下 の仕 事 の 結果 の検 閲期 間 を延 長 し て や る管 理 者 も い るだ ろ う。 こ れ は一 見, 部 下 の仕 事 を 楽 にす る よ う に 思 え るが, ジ ャ ッ ク ス理 論 によ れば 裁 量 の時 間 幅 が 延 長 さ れ るこ とを 意 味 す る。 とい う の は, 結 果 の 適否 が 出 る まで の期 間 が長 く な るか らで あ る。2 ) 受 け入 れ に対 す る消極 的 あ るい は拒 否 的 な 態度 従業 員 は直 接 自分 の 身 分 や 賃 金 に か か わ る事 項 に対 し て は慎 重 で , 保 守 的 な 態 度 を とる もの で あ る。 当 然 , 時 間 幅 測 定 の実 施 は従 業 員 に不 安 感 を抱 か せ た。 だ が, ジ ャ ッ ク スは, 経 験 的, 統 計 的 に時 間 幅 と公 正 な 給 料 との 間 に 密 接 な相 関 関係 が 認 め ら れ て い るこ とを 従業 員 に理 解 し て も ら えば , この 点 は 克 服で き る と考 え た よ うで あ る。 し か し, 結 論 的 に い えば , ジ ャ ッ ク ス理 論 が 広 く受 け 入 れ ら れ て い な い の も, この 点 を ク リ ア ーで き な か っ た か らで あ る。3 ) 測 定 結果 に対 す る疑 問 や 批 判 こ れは時 間 幅 に よ っ て 測 定 さ れ た役 割 の仕 事 水 準 に対 し て疑 問 が あ る とい う もので あ る。 ジ ャ ッ ク スぱ , ビフレの 塗 装職 人 と外 国 航 路 の船 長 の 場 合 を取 り上 げ, 前 者 の 仕 事 の 結果 の 適 否 が 数 年 後 に問 わ れ るの に, 数 日 間 の責 任 し か負 っ てな い後 者 の 方 が 責任 が 垂 い とい うの は, 一 般 的 に お か し い とい う意 見 に対 して次 の よ う に答 えて い る。 そう した 意見 はあ く まで 部 外 者 で あ る第 三 者 の感 想で あ っ て, 実 際 に は √ 塗 装 職 人 は上 司 に 頻繁 に検 閲 さ れ てお り, 数 年後 に仕 事 の 適 否 が 問 題 に さ れ る とい っ て も,こ れは指 定 内 容 に従 わな かっ た 結果 が出 て く るの で あ る。 また 船 長 に は, 数 年 に わ た る最 長 継 続 課業 もあ る場 合 があ る。 し た が っ て, こ う し た批 判 は 的 外 れだ とい う ので あ る≒ ま さに ジャ ッ ク ス理 論 に対 す る批 判 は, 直 観 や 経 験 とい っ た こ の 主 観的 判

(21)

断 を重視 してい るこ とに向 け られてい る。 こ れに対 し て, ジャ ックスは管理

者の主観 的判断 とい う状況の下で, 部下 が仕 事 をしてい る とい う現実 を認 め,

まさ にこの主観的判断 の変動 を測 定す るこ とこ そが,時 間幅方式 の目的 の一

つで あ る と述 べ ている2呪

〈注 〉1 )Paterson,op.cit.,p.97.2 )JaquesMeasurementofResponsibility,p.93, 『前掲 書Jp.152.3 』Jaques,EquitablePayment,p.99, 『前掲 書Jp.107.4 』Ibid.,p.97. 『同上 書Jp.1045 』Loc.cit. 『同上書Jpp.104-105.6 』Ibid.,pp.90-94. 『同上 書Jpp.9 (ト101.Jaques,7 フ加 励7 )Ibid.,pp.94-98. 『同上 書Jpp.101-106 /8 』Jaques,Time-SpanHandbook,p.23.9 )Jaques ,EquitablePayment,p.118.f 前掲書Jp.133.10 )Jaques,TimeS 如mt ミ/andb回k,p.12.11 )Ibid.,p.lO.12 )Jaques,EquitablePayment,p.100. 『前掲 書Jp.108.13 』!bid.,p.125. 『同上 書Jp.143.14 』Ibid.,pp.127-128. 『同上 書Jpp.146-147.15 』Ibid.,pp.129-130. (同上 書Jpp.148-149.16 )Ibid.,pp.130-132. 『同上書Jpp.150 ぺ52.17 』 ジャ ック スによ れば,伺一 の時 間幅を もつ 仕事 は, それに要 する教 育訓練期 間 もほぼ同一で あ る という。 ①最大時 間幅が1 週間 まで の水 準の仕 事で は,工場 な らびに事 務労働者の教育 訓練 に最長6 週間が必要であ る。 ②l ヵ 月 まで の水準 の仕事で は,手工 ならび に事 務労働 者の教育 訓練 に最長3 ヵ 月が 必要で あ る。 ③工 場 ならび に事務所の監督補 佐 の教 育訓練 には最 長6 ヵ 月が必要であ る。 ④工場 な らび に事務労働者 の直接 の上 司 とな るべ き部下 の教育訓練 には最長12 ヵ 月が必要であ る。 ⑤新 しい工 場長の教育訓練 には最長2 年 が必要で あ るclbid.,pp.120,r 同上書Jpp.136-137.18 )Ibid.,pp.122-123. 『同上書Jpp.140-141.

(22)

エ リ オット・ジャ ックスの時 間幅概念 にみ る仕事 の精神的 過程105 19)Ibid.,pp.134-141.r 同上 書jpp.154 <164.20 )Ibid.,pp.139, 『同上 書Jp.160.21 』Ibid.,pp.140. 『同上 書Jp.163.

Ⅲ。仕事の内面 的・精 神的 過程

意思決定 の機 会

すで に述べ た よう に, 経営管理者 には担当す る職 位 にお い て, 一 定の意思

決 定 を下す 責任 が 課せ られてい る。 換言 すれば, 彼 らは, 目標 (objective)

や目的(purpose

)')を達成 す るた めに,考 えう る最善 の代替 案 を提示 し,互

いに比較考慮 し, その なかで最善 の策を選択 し, 実行 に移 す とい う一 連の過

程 を とる。彼 らは, サ イモン(H.A.Simon ) がい う とこ ろの 「制 限さ れた合

理性」

(boundedrationality

)を追求 す るので あ る2)

。し か も自 らの 能力 の限

界内で最大限 の努力 を払 うこ とが望 まれてい る。 したがっ て, 能力の限界を

越 えて過度の 負担 が かかるこ とを避 けるた めに,自分 と他 人 との仕事 の領域,

つ まり意思決定 の機会(occasions) を区別す る必 要 があろ う。なぜ なら,意

思決 定を下す という こ とは, 肉体的 負担 ぱ もちろ ん のこ と, その決 定結果の

良否 によっ て,精 神面 への影響 一負担 に差 がで るか らで あ る。 つ まり, うま

くいっ た場合 に は, 爽快感や安心感 が得 られ るが, う ま くい かな かっ た場合

には,憂僻感 や不安感 に襲 われ るこ とがあ るか らで あ る。 こ うした経営管理

者 の意思決定機 会 の選別の重 要性 と精 神的負担 につ いてバ ー ナード は次の よ

うに述 べて い る。

「経営管 理者(executive )は,仕事 を うま くはこ ばせ,自 らの職位 に

関連す る仕 事領域 を越 え, 余分 な仕事 まで も引 き受 けない た めに も, 意

思決定の機 会 を選別 しなければ ならない。‥…・もし 自 らの責 任分担がっ

ねに規定 や習慣 によっ て守 られてお らず, 自 らも意思 決定 によ る過度の

負担(burdens )か ら身を守 らない経営管 理者 は,他 の人 々に よっ て苦し

められ るこ ととなろ う」 と≒

すな わち, 以 上 のこ とか ら自 らの能力 の限度 を越 えての意思決 定 には過度

の負担がかか るこ と, そして自 らの責任分担 が予 め規定 さ れてい た方が負担

が軽 くなるこ とが わかろ う。

(2) 仕事の精神 的 過程

すで にみて きたよ うに,行動(behavior )な くし ては人 間だ り えない4)

。そ

(23)

してすべ ての人 間行動 には,物理的 に可能 なあ らゆる行為(action) か ら特 定

の行為 を意識的 あ るいは無 意識的 に選択 す るこ とが伴 う≒ この 意思決定 過程

にお け る選択 には不確実性 が含 まれてお り, 決定者 は結果 の適否 が判 明 す る

まで, 不安感 や不確 実性 に耐 える能力 が必要 とさ れるだ ろ う。 また, 結果 が

出 る まで の期間 が長 ければ 長い ほ ど, 精神的 負担を軽減 す るた めの心的 活 動

が活 発化 す るで あろ う。 したがっ て, ジャッ クスによれば, 仕事 とはあ る目

標 を達成 す るた めに, 外部で指 定 さ れた限界のなかで 実行 さ れる,知識 の応

用 と裁量 の行使で あ り, 仕事 の遂行 には①無意識的 な精神的 過程 を まとめ る

力 と, ②不 安や不確実 な状 態 に直面 し た時, その機 能 を持続 させ, 根 本原則

を維 持 し,無 意識的 な ものを 意識 にのぼ らせ るこ とがで きる, 白我 と自己 の

能力 の調整力 と強さ が必要で あ る とい う‰

図9

ジャックスの裁量内容における精神的過程モデル

資 料出所:Brownetal. ,GlacierProjectPapers,pp.75-82 ・ 『前 掲書Jpp.116-125 よ り作 成。

(24)

エリオット・ジャックスの時間幅概念にみる仕事の精神的過程107 仕 事 とは, た ん な る外 部 の 目標 に向 かっ て な さ れ る努 力 の過 程 で は けっ し て な い。仕 事 の あ らゆ る行 為 は, シ ン ボ ル とし て 認 知 さ れ た 目標 と結 び つ い て い る。 この 目標 を どの よ う に認 知 し, 意思 決 定 過 程 に持 ち込 む か が 問題 と な る。 ジ ャ ッ ク スに よ れ ば, 目標 が 認 知 さ れ る に は, 目標 それ 自体 が ① 認 知 に必 須 な内 容で あ る こ と, ② それが 自 己 防 衛 的 な 内 容 で あっ た り, 外 部 で 無 意 識 的 に認 知 さ れ てい る象 徴 的 な 内 容 で あ る こ と, ③ そ れが 肉 体 あ る いは 精 神 に対 して 具 体 的 あ るい は 強 制 的 に投 入 さ れ る内 容 で あ る こ とが 必要 で あ る とい・う7)。(3) 裁 量 内 容 に お け る内 面 的 ・精 神 的 過程 仕 事 の あ ら ゆ る行為 を 目標 と結 び つ け, 代 替 案 を提 示 し, 制 限 さ れた範 囲 内 で 合 理 的 な 意 思 決 定 を下 す た め に ぱ, 職 務 担 当 者 は, 目標 それ 自体 を 認 知 し な け れば な ら な い。 一 方, 上 司 は, 職 務 担 当 者 の 能 力 段 階 に応 じ て指 定 し た 限 界 内で 自 由 裁 量 を行 使 し て もら うた め に, 組 織 の 目標 や 目的 を 公 式化 し, その 明 確 化 に務 め る。 その際 , 職 務 担 当 者 へ の 目 標 や 目的 の 認 知 を 容 易 に す るた め, それ 自 体 に修 正 を加 えた り, そ れ を 強化 し た りす る。 そ こで以 下 , 職務 担 当 者 が 目標 や 目 的 を 認 知 し た後 , どの よ うな仕 事 の 過 程 を た ど るか を, ジ ヤ ツク スの 裁 量 内 容 にお け る精 神 的 過 程 モ デ ル を 用 い て 考 察 す るこ とに し た い( 図9 参 照) 。 ま ず最 初 は, 目標 や 目的 との 関 係 を確 立 し な け れば な らな い 。 い わゆ る意 思 決 定 過程 に お け る ゛問題 の感 知 ″( 図1 参 照), パ タ ー ソ ン ・ モ デ ル にお け る ゛刺 激 の 感 受 ″( 図2 参照) が こ れ に相 当 す る行 為 段 階 で あ る。 こ の場 合 の 目標 は, 課業 とし て指 定 さ れ た もの で あ っ た り, 個 人 的 な欲 求 や 衝 動 に よっ て感 じ取 ら れ る もので あ っ た り す る。 た とえ ば, 興 味 を 引 く仕 事 とは, 職 務 担 当者 に とっ て, 意識 的 な 目 標 だ けで な く, 無 意 識 的 , 直 観 的 , 象 徴 的 な 目 標 とし て 認 知 さ れ るだ け の 訴求 力 を もっ て い る と い うこ とで あ る8)。 つ まり, そう し た 目標 は, 職 務 担 当者 を 課業 遂 行 へ と駆 り立 て る強 い 動 機 づ け 要 因 と な る9)。 次 は, 課 業 を 遂 行 す るの に どの 程 度 の 精 神 的 能 力 を投 入 す る か を判 断 す る 段 階で あ る。 当然 , 課業 の大 きさ や 興 味 の 強 さ に よ っ て, そ れ に向 け ら れ る 精 神 的 エ ネ ル ギ ー の 大 き さ も異 な ろ う。 また, 精 神 的 能 力 の量 的 配 分 だ けで な く, 時 間 的 配 分 も必 要 とな る。 した がっ て, 課 業 に専 心 す る時 間 が 長 くな れば な るほ ど,必 然 的 に精 神 的 能 力 の投 入 量 も多 く な る川。こ の 行為 段 階 だ け

(25)

を みて も, ジャ ック スが,課業 に専 心す る時 間の長さ 一時 間幅 −を責任 の大

きさ に置換 す る理由 が わかろ う。 換言す れば,彼 は責 任 の大 きさ を時 間の長

さ に翻訳 した ので あ る。

第3 は,統 合網(integrativereticulum

)の組織化 とその精微化 に務 め る

段 階で あ る。 こ こでぃ う統合網 とは, われわれが, 目標 につ いての イメージ

とそれを創造 す る方法 に欠落 している箇所を埋 めるというや り方で組織化 し,

それを完 全 な もの として心 に描 く概要図であ る11)

。ジ ャ ッ ク スによる と,自覚

で き るもの としては,概 念,理論,仮 説, そして ノウハ ウや予感 といっ た も

のを組み合 わせた もので あ り,無 意識的 な もの とし ては, ア イデ ア, イメー

ジ,空 想, 心象 といっ た ものの一群であ る。 この統 合 網の凝 集力 とか凝 結力

といっ た もの は, 職務 担当者が課業 に どれだ け専心 して い るか, さ らには無

意識的 な精神 過程 を ま とめることがで きるかに依存 し てい る12)

。ここで ぃ う分

離(lysis) と走 査(scanning ) という行為 は,無 意識 的 な もの を意識 にのぼ

らせ る過程で あ り, こ れによっ て数多 くの関連要 素が抽 出 さ れ, こ れ まで と

は異なっ た局面で 用 い るこ とがで き るようにな る。 こ うした過程 も職務担当

者 の精神的 能力 によっ て その効率 は左右 され る。 した がっ て, 十分 な精神的

能力 が意識的 かつ無 意識 的 に発揮 されれば,統合網で 欠落 した箇所 にあ ては

まる要 素を,知識 や経験 な どから抽 出す るこ とがで きるが,不 安感 な どによっ

て,精神的 能力が十 分 に発揮で きなくな る と,分離 と走 査 の過程 が抑制 され,

精神的 なパ ニ ックに陥 るこ とにな る≒

第5 は,統 合網 を組織化 す るこ とを目標 として,適合 す る要 素が収集 され,

結合さ れ, 統 合 さ れ る過程で あ る。 その結果, 各人の仕事 能 力 に対応 したメ

ン タノ

レ・モデ ル(mentalmodel

)が構築さ れる。このモ デル こ そが,ジャッ

ク スが精 神的 能力 あ るいは不確実性 に耐 える能 力 (capacitytotolerateuncertainty

)さ ら には責任 の重さ として表現さ れ る時 間幅能 力(time-spanca

)acity

)の程 度 を示 し た もので あ る。そして,こ うした概 念 を用 いて ジャ ッ

ク スは, 能力 の内 部 に起 きる変化, すなわち抽象段 階 の変化 に応 じて雇用仕

事 を階層化 さ せ, 上司 と部下 の適切 な関係 によ る組織 づ くりを目指 したので

あ る川。

最後 に, こ うし た一連 の精神的 過程 を通じ て, 継 続的 に決 定 が下 さ れ, そ

の成果 が,順 次, 行動 に移 され る。 職務担当者 は,裁 量内 容 の行使期 間中は

もとより,決定 と行動の 結果 の適否 が上司 ならび に自分で 認識 さ れ るまで は,

(26)

エ リ オット・ジ ャッ クスの時問幅概念 にみる仕 事の精神 的 過程109 そ の 行 動 に 責 任 を 負 っ て い る 。 こ う し た 精 神 的 能 力 や 不 確 実 忍 耐 能 力 と い っ た も の は , い わ ゆ る 時 間 幅 が 長 く な れ ば な る ほ ど 要 求 さ れ , そ れ を 軽 減 ・ 解 消 し よ う と し て 精 神 的 エ ネ ル ギ ー が 消 費 さ れ る た め , 時 間 幅 の 長 さ に 比 例 し て よ り 多 く の 能 力 が 必 要 と な る 。 ま た 裁 量 に 行 使 で き る 時 間 の 長 さ は , 特 定 活 動 の 結 果 生 じ る 一 連 の 事 象 を 予 測 す る 能 力 に 依 存 し て い る 。 換 言 す れ ば , こ の 先 見 力 とで も い う べ き 能 力 は , 過 去 の 経 験 を 精 神 的 に ど の 程 度 ま で 組 織 化 で き る か と い う こ と に か か っ て い る 。 一 般 的 に こ う し た 能 力 は 年 齢 と と も に 高 ま る15)。 ジ ャ ッ ク ス は , 以 上 の よ う な 時 間 幅 能 力 が 加 齢 と と も に 向 上 す る と い う 能 力 論 に 基 づ き , 能 力 成 長 曲 線 (capacitygrowthcurves ) を 開 発 し た の で あ る1‰ そ こ で 次 章 で は , 仕 事 の 精 神 的 過 程 の 第5 段 階 に み ら れ る 精 神 的 モ デ ル を 取 り 上 げ , そ れ と 時 間 幅 能 力 の 抽 象 段 階 の 関 係 に つ い て 考 察 す る こ と に し よ う 。 ‥ 〈注〉1 ) ジャック スが本文中で 用 い る ゛objective″とい う言葉 は,゛目的″と訳 さ れる場 合 もあ るが,本稿で は一般 的 な訳語で あ る ゛目標″ に統一 した。 その同義 語 に

ばtarget ″(標的) や ゛goal″(到達 目標)があ る。 目標 (objective) は,多

くの場合数量化で き,その達 成 まで はっ きりした期 間が設定 さ れてい るのがふ つ うだが, 目的 は (purpose) は達 成 まで の期 間がかな り長 く, 限定 されてい ない。 ちなみ に ゛purpose" ぱ人 間の意志が加 えら れるところ か ら目的 と訳す べ きであ る とい う意見 もあ る。ジョ ージ・R ・ デリー『経営学 入門』(高柳暁 訳) 学習研究社,1988年,pp.25-31(G.R.Terry,PrinciplesofManagement,LearningSystemsCompany,1970 ).とくに目標 と目的の訳語 につ いては,p.31 の訳注1 を参照の こ と。 また, 目標 を, サ イモ ン流 にい えば,意思決 定の インプ ット と して役立つ価値 前提 (valuepremises )と定義す るこ とがで きる。小川英次 ・ 北 野利 信・後 藤幸男・ 高柳暁 ・村田 昭治代表編集『経営学 の基礎 知識』有斐閣 ,1974 年,p.173.2)H.A.Simon,AdministrativeBehavior,FreePress,1976np.80-81. 『経営 行動』 (松田武彦 ・高柳暁 ・二村敏 子 訳)ダ イヤモ ンド 社,1989 年,pp.102-103.3 )Barnard,op.cit,p.190. 『前掲 書Jp.198.4 』バ ーナード によ れば,行動 とは,活動(activity)の容易 に観 察さ れ る側面 の こ

(27)

とで あ る。ibid.,p.l3. 『同上 書Jp.l3.5

』Simon,op.cit,p.3. 『前掲書Jp.5.6

』Brownetal.,op.cit,p.75. 『前掲 書Jp.116.7

』ElliottJaques ,Work,Creativity ,andSocialJustice,InternationalUniversitiesPressInc.,1970,pp.82-83.8

)Brownetal.,op.cit,p.77. 『前掲書Jp.118.9 』こ れにつ いては,い わゆ る動機づ け理 論 の研 究 成果 を 参照 のこ と。すことえば フ レデ リッ ク・ パー スパーク(F.Hertzberg) は,動機づ け(満足)要因 とし て, ①達成, ②承認,③仕 事 その もの, ④ 責任, ⑤昇 進, お よび⑥成長 の可 能性 の 六つを挙げている。FrederickHerzberg,WorkandtheNatureofMan,E.TuttleCo.Inc.,1966. 『仕事 と人 間性 』(北野利信 訳) 東洋経 済新報 社,1977 年。10 )Brownetal,op.cit., )。78.『前掲 書Jp ユ19.11 』Jaques,Work,Creativity,andSocialJustice,p.88. こ れ に類似 した もの として ぱ, コッタ ー(J.P.Kotter)の アジェ ンダ (agenda ) とい う,経営管理者 が心 に描 く1 年 か ら20年間 に及ぶ責任 と行動 のリ ストの概 念 があ る。 これは,公式 的 な計 画 とは異な り,あ くまで経営管 理者 の心 の中 に作 り上 げ られた非 公式的 な計画 の一覧表であ り,彼 らは企業 内外 に張 り巡 らし た人的 な協力 関係 ネット エ ワー クを通じ て,精微化 していく ものであ る。 このメ ンタル・モデル は,一 見 非 効率的 み える経営管 理者の行動の理由 を説 明 す るもので あ る。拙稿「経営管 理 者の職務 と仕事についての一考察 一類似 性 から相違性 へ の転換−」『経営論集JNo.32,1989 年,pp.116-118.12 』Brownetal.,op.cit,pn.78-79. 『前掲書Jpp.120-121.13 』Ibid.,pp.79-80. 『同上 書Jpp.121-122.14 』Ibid.,pp.80-81. 『同上 書Jpp.123.15 』ジャ ック スの著作『責任 の測定』の主要点 を要領 よ く ま とめてい る文献 として は,以下 の ような ものがあ る。降旗武彦「経営 組織 にお け る責任 の測定−EJaques のMesasurementofResponsibility,1956 を中心 とし て ー」『経営 セミナーj 経 営 書房,8 月号,1957 年,pp.105-112.16 』 ジャ ック スはこ うした能力水準 に対応 した仕事 と給料 との関係 を確立 す るこ と で,最終 的 には公正 な社会 の実現 を目論で ぃ たのであ る。こ れにつ いては拙稿 「心 理的均 衡概 念 と公正理 論」『現代 経営学 説 の探 究』第6 章, 中央 経済社,1988 年,pp.169-170 を参照 のこ と。

参照

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