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尿毒症ラットにおける分岐鎖アミノ酸代謝に関する研究 : 尿毒症ラットにおける分岐鎖アミノ酸代謝に関する研究―高窒素血症よりもアシドーシスが分岐鎖アミノ酸異化亢進をもたらすこと

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Academic year: 2021

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254 (110) 氏名(生年,月日)

本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

ハラ ヨウ コ

原陽子(昭和29

医学博士 乙第924号

昭和63年3月18日

学位規則第5条第2項該当(博±の学位論文提出者)

Acidosis, not azotemia, stimulates branched・chain, amino acid

catabolism in uremic rats

(尿毒症ラットにおける分岐鎖アミノ酸代謝に関する研究一高窒素血症より もアシドーシスが分岐鎖アミノ酸異化充進をもたらすこと一) (主査)教授 杉野 信博 (副査)教授 降矢 榮,教授 鎮目 和夫

論文 内 容 の 要 旨

目的 慢性腎不全(CRF)では体蛋白異化が詠進し,しぼ しば代謝性アシドーシスを伴っている.代謝性アシ ドーシス自体,骨格筋での分岐鎖アミノ酸(BCAA) 代謝の律速酵素である分岐鎖ケト酸脱水素酵素を活性

化させる.従来CRFにおいて血漿BCAAが低値であ

ることが知られているが,この機序を明らかにするた め代謝性アシドーシスを伴ったCRFラットの骨格筋 を用いて検討を行った. 対象 雄性Sprague-Dawleyラット腎動脈分枝を結紮し 5/6梗塞作製後,反対側の腎摘を行ってCRFとし, sham-operation(SO)ラットと10日間46%蛋白食でペ ア飼育を行った.他の群はアシドーシスを補正するた め,同飼料に1.7%NaHCO3を混じたもので同様に飼 育し,それぞれCRF・HCO3, SO-HCO3とした. 方法

1)血漿およびanterior tibialis muscle内BCAA 濃度を高速液体クロマトグラフィーで測定した. 2)epitrochlearis muscleを剥離しKrebs Hen-

seleit Bicarbonate buffer, glucose,1-14C一バリンまた

はロイシンを用いて2時間インキュベーションを行っ た.発生する14CO2よりBCAA酸化的脱カルボキシル

反応量を計算し,また筋蛋白にとりこまれた14G

BCAAを測定した, 3)すべての実験において一側の筋はインスリンを 含まない培養液,他側は1mU/m1インスリンを加えて インキュベーションを行い,比較した. 結果および考察

1,血漿BCAAはCRFにおいて低値の傾向であ

り,筋肉内バリンは有意に低値であった。一方CRF・

HCO3ではSO・HCO3に比較し,血漿,筋肉内とも

BCAAは高値であった. 2.バリン,ロイシンの脱カルボキシル反応はSOに 比較してCRFにおいて著明に充進していた.一方,同 程度の高窒素血症が存在しているにもかかわらず, CRF-HCO3では, SO-HCO3と有意差を認めなかった. 3.バリン,ロイシンとも蛋白へのとりこみはCRF において低下していたが,アシドーシスを補正した群 ではこの差が消失していた.

4.インスリンはBCAA脱カルボキシル反応を減

少させ,蛋白へのとりこみを増大させた.インスリン による蛋白合成促進作用はCRFにおいて減弱してい た. 結論 CRFにおいては,併存する代謝性アシドーシスが, BCAA異化の律速酵素である分岐鎖ケト酸脱水素酵 素を活性化させることによりBCAAの脱カルボキシ ル化を充進させると考えられ,このことが体内BCAA プールの減少に寄与するものと結論した.低蛋白食の 一918一

(2)

255 ようにBCAA摂取の限られている際には,代謝性ア シドーシスを補正することが重要と思われる.

論 文 審 査 の 要 旨

本論文は分枝鎖アミノ酸代謝を指標として腎不全ラットにおける体蛋白異化の充進が主にアシ

ドーシスに由ることを実験的に証明したもので学術的価値が高いものである. 主論文公表誌

Acidosis, not azotemia, stimulates branched-

chain, amino acid catabolism in uremic rats

(尿毒症ラットにおける分岐鎖アミノ酸代謝に関 する研究一高窒素血症よりもアシドーシスが分岐 鎖アミノ酸異化充進をもたらすこと一)

Kidney International Vol.32 No.6

808~814p (1987) 副論文公表誌 1)腎不全で透析を受けている患者の栄養管理 臨床栄養 61(4)臨時増刊 354~358(1982) 2)Empty sellaに合併したACTH(adrenocor- ticotropic hormone)単独欠損症の1例 日内会誌 72(11)1563~1569(1983) 3)慢性腎不全と栄養 腎と透析 14(4)489~494(1983) 4)腎疾患におけるアルブミン製剤(ブミネート 25%)の使用について 医学と薬学 12(1)151~155(1984) 5)食事と腎炎の進行 臨床成人病 14(2)169~173(1985)

6)Metabolic conversion ofα・keto valine to

valine in patients with chronic renal failure

(慢性腎不全患者におけるα一ケトバリンから

バリンへの変換について)

Clinical Nephrology 23(5)236~240(1985) 7)Branched-chain amino acid metabolism in rat muscle:abnormai regulation in acidosis

(ラット骨格筋における分岐鎖アミノ酸代 謝:アシドーシスにおける調節の異常につい

て)

Am J Physiol 252(Endocrino1. Metab.15)

E712~E718(1987)

参照

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