公営住宅における独居高齢者をささえる地域生活支援システムの検討
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(2) 目 Ⅰ.はじめに. 次. ………………………………………………. 3. ………………………………………………. 4. 1.研究の意義と背景 2.研究の目的. Ⅱ.研究の概要 1.対象者の選定 2.研究の方法 3.関係機関との連携. Ⅲ.結. 果. ……………………………………………… 5. 1.ワークショップ開催に向けての準備 2.第1回ワークショップ 3.第2回ワークショップ 4.第3回ワークショップ 5.ワークショップ後の取組み. Ⅳ.考. 察. …………………………………………………. 16. 1.研究の成果 2.高齢者の孤立防止に向けた地域生活支援システムの構築に向けて. Ⅴ.結. 語. 引用・参考文献. ………………………………………………… 17 ………………………………………………… 18. 資料1. ワークショップの参加者募集のチラシとポスター. 資料2. 交流会の参加者募集のチラシとポスター. 資料3. 地元新聞社に掲載された記事. 資料4. ワークショップの活動状況. 資料5. 交流会の活動状況. …… 20. ……………… 21. ………………………… 22 …………………………… 23. …………………………………… 24 2.
(3) Ⅰ.はじめに 1.研究の意義と背景 高齢世帯は、2035 年までに約 25%に増加し、高齢者単独世帯は 53.1%まで増加する と予想されている1)。特に、高齢化や人口減少が続く地方都市の多くでは、商店街の 衰退や公共交通機関の路線削減、地域住民の交流場所の衰退など、特に生活弱者と呼 ばれる高齢者にとって日常生活に支障をきたす問題が顕在化している。 地域包括ケアが推進されているなかで高齢者の孤立は社会的課題となっている2‐4)。 特に、少子高齢化が進行している公営団地においては、とじこもりや孤立死の多発1) など、高齢者への支援が急務となっている5‐7)。本研究は、この現状を踏まえて、公 営団地に居住する高齢者の地域生活支援に着目した。 公営団地の多くは、高度経済成長時代に建設され、老朽化が進んでいる。また、居 住者は、子が独立した高齢者のみが住み続けている世帯が多い。新聞社の調査による と、全国の公営団地では高齢者の単独世帯が 4 分の 1 を占めていることが報告されて おり、全国平均 9%(2010 年国勢調査)を大きく上回っていた8)。さらに、近年は法 改正により独居高齢者の入居が増加していることから、住民の高齢化が著しく進行し ている。また、先行調査では、団地に居住する高齢者の特性として、入居後に地域住 民とのつながりが持てず、高齢者が「孤立」する状況も指摘されている7)。 このような状況のなかで、現在、公営団地を設置している自治体や団地を管理する 公社によって、高齢者に配慮した改修や、住民向けの相談会などの取組みが進められ ている。また、高齢者の介護問題に対応するために、地域包括支援センターとの連携・ 協力についての取組みがされているところである。 先行研究の多くは、公営住宅の高齢化率の高さと人間関係の希薄さを背景に「住民 のささえあい」には限界があることを前提に、サービスの提供に着目している。しか し、必要な支援に結びつけるためには、異常に気づいて早期に対応することが必要で あり、近隣住民の気づきや見守り、助け合いは重要な意義をもっている。特に、同居 家族のいない独居高齢者においては、社会生活の広がりが低い 10)ことが指摘されてお り、近隣住民の協力が必要不可欠である。 そこで、本研究は、コミュニティや近隣住民による支援を含めた、住民との協働に よる孤立防止に向けた地域生活支援について検討することとした。本研究の成果は、 高齢化が進行する多くの地域においても活用できると考える。. 2.研究の目的 公営住宅に居住する独居の高齢者でも安心して地域生活ができることを目標として、 コミュニティや近隣住民による支援を含めた住民との協働による孤立防止のための地 域生活支援システムの構築に向けて検討する。 3.
(4) Ⅱ.研究の概要 1.対象者の選定 対象者は、公営A団地自治会内に居住する高齢者とした。 公営A団地自治会は、県内有数の大規模団地であり、県営団地と市営団地(一部は 他の自治会)で形成されている。. 【対象者の特性】 団地の居住者の内訳は、表1のとおりである。高齢化率が 40%以上で、高齢者単身 世帯が各団地で 3 分の 1 以上を占めている(表1)。市営団地においては、管理戸数に 対して世帯数が少なく、空家が多い状況である。 また、住民の平均入居年数は、県営団地・市営団地共に約 20 年であった。 表1. 団地の概要 団地名. 県営団地(2014.4.1 現在). 管理. 世帯. 高齢者. 高齢者. 高齢. 戸数. 数. 世帯数. 単独世帯数. 化率. 694. 574. 269. 194(33.8%). 42%. 市営団地(2014.11.14 現在) 1,434. 739. 345. 258(34.9%). 46%. 2.研究の方法 住民を対象としたワークショップをとおして、独居の高齢者でも安心して生活がで きるために、個々の高齢者がかかえている不安や問題をコミュニティの課題として共 有化する。さらに、課題解決に向けて意見を交換するプロセスをとおして、コミュニ ティや近隣住民による支援を含めた住民が求める地域生活支援について検討する。. 【具体的なワークショップの進め方】 ①住民を対象としたワークショップをとおして、住民が日頃感じている生活の課題 について自由に意見を出し合う。 ②参加者同士の意見交換をとおして、課題を共有化する。 ③抽出した課題について、個人ができる取組み、コミュニティとして取り組む必要 があること、必要な社会的サポートについて検討する。 なお、本研究は所属する大学の研究倫理委員会の承認を得た。. 3.関係機関との連携 対象者の生活をサポートする関係機関職員や支援者との連携が不可欠であると考え、 次の方法で連携に努めた。 ①関係機関には、準備の段階から本研究について相談し、理解と協力を得た。 ②毎回のワークショップでは、県営団地・市営団地を管理する公社職員、設置する 4.
(5) 県担当部局の職員、圏域の地域包括支援センター職員に参加を呼びかけた。 ③ミニ講話の講師は、地域の関係者に依頼した(第1回目の導入を除く)。. Ⅲ.結. 果. 1.ワークショップ開催に向けての準備 1)関係機関への協力依頼 2014 年 8 月 1 日~9 月 25 日の間に、公営A団地を管理する関係機関に研究計画につ いて説明し、協力を依頼した。 関係機関:県庁公営住宅課(2014.8) 県住宅公社. 住宅部(2014.8). 市まちづくり公社(2014.9) また、対象地区の高齢者の介護に関する相談等の活動に関わっている地域包括支援 センターの協力を得るため、2014 年 11 月に市高齢者福祉課に地域包括支援センター の協力を依頼した。. 2)自治会への協力依頼 ①自治会長への要請 2014 年 9 月 17 日に公営A団地自治会集会所にて自治会長への説明を行い、協力を 依頼した。研究の概要について理解していただき、協力について概ね了承を得た。 後日、自治会三役及び民生委員を集めた会合を開き、その場で検討することとなっ た。. ②自治会役員・民生委員への説明・協力依頼 2014 年 10 月 16 日に自治会集会所にて自治会役員 4 名、民生委員 5 名に研究の概要 について説明し、協力を依頼した。また、検討の結果、住民が安心して参加できるよ うに、自治会との共催でワークショップを開催することになった。. ③自治会との協議事項 ワークショップの開催に向けて、自治会と次の協議をした。 ・参加者の募集については、自治会の回覧板を用いたチラシの全戸配布(約 1200 戸) と、各組の階段下等へのポスターの掲示(約 130 か所)について許可を得た。また、 チラシの配布とポスターの掲示及び参加者の集約について、自治会の協力が得られ ることとなった。 ・自治会から、高齢者はワークショップという言葉に馴染みがなく、気軽に参加しに くいので、住民向けにはわかりやすい名称にしてほしいとの要望があった。このた め、住民向けには、 「ミニ茶話会」という名称を使用することが決定した。 ・会場は、住民にとって身近な自治会集会所を使用することで承諾を得た。 5.
(6) ・開催時間は、高齢者が参加しやすいように昼間に開催する。. 3)高齢者の生活状況に関するヒアリング ワークショップのテーマを検討するにあたり、団地の状況についてヒアリングを実 施した。. ①高齢者の生活状況 高齢者の社会参加の状況、孤立死の発生状況、老人会の活動(集い・健康交流会 など) 、その他自主的なグループの活動. ②高齢者の見守りの活動 民生委員の活動、民生委員と地域包括支援センター等との連携、新聞店と協力し た見守り活動と民生委員等との連携、自治会独自の取組み. ③高齢者の生活環境 住環境(ストレッチャー対応エレベーターの設置状況) 、買い物(地元の食料品店 や宅配サービス) 、デイサービスの利用状況. ④コミュニティとしての課題 高齢者から寄せられる要望、急病などに備えた緊急時の連絡体制、災害時の対策、 自治会独自の取組み. ⑤外部から提供される支援・サービス 公社による生活支援、保健センターや地域包括支援センターによる支援やサービ ス. 4)協力スタッフ(NPO)との協議 本研究の実施にあたり、NPO団体の協力を得た。 ワークショップの補助を依頼しているNPOくらしまち継承機構の職員と 2014 年 7 月 28 日~12 月 10 日の間に 5 回の打合せを行い、各回のワークショップの企画・運営 について協議した。また、自治会への協力要請やヒアリングに同行し、記録を担当す ると共に、情報を共有化した。. 2.第1回ワークショップ 1)ワークショップの概要 日 時:2014 年 12 月 18 日 14~16 時 場 所:公営A団地自治会集会所 テーマ:元気で暮らすために気をつけていること・不安なこと 話題提供:高齢化の現状と高齢者の暮らしについて (講師)常葉大学. 准教授. 杉井たつ子 6.
(7) 参加者:13 名(自治会役員・民生委員 4 名を含む) 関係機関の職員. 表2. 6名. ワークショップの概要. 項目. 第1回. 第2回. 第3回. 日時. 2014 年 12 月 18 日. 2015 年 2 月 17 日. 2015 年 3 月 17 日. 14~16 時. 14~16 時. 13 時 30 分~15 時 30 分. テーマ. ミニ 講座. 参加者. 元気で暮らすために. つくろう安心なくらし. 気をつけていること. 自分でできること、みん. とじこもりにならないた. ・不安なこと. なで助け合えること. めに. テーマ:高齢化の現状. テーマ:安心して暮らす. テーマ:地域の交流の場づ. と高齢者の暮らしにつ. た め に 気 軽に で き る こ. くりについて. いて. と. 講師:市社会福祉協議会. 講師:常葉大学. 講師:遠藤新田交番. 地域福祉コーディネー. 准教授 杉井たつ子. 交番長. ター. ・単独世帯高齢者及び. ・単独世帯高齢者及び参. ・単独世帯高齢者及び参. 参加希望者 13 名(う. 加希望者 15 名(うち初. 加希望者 15 名(うち初. ち自治会役員・民生委. 回参加 7 名,自治会役. 回参加 7 名,自治会役. 員 4 名). 員・民生委員 3 名). 員・民生委員 2 名). ・関係機関職員. 6名. ・関係機関職員. その他. 5名. つくろう交流の場. ・関係機関職員. 6名. ・地元新聞社の取材あり. 2)ワークショップのまとめ 第1回目のワークショップは、 「元気で暮らすために気をつけていること・不安なこ と」をテーマに、個々の高齢者がかかえている不安や問題を表出し、共有化すること を目的として実施した。 参加者 13 名は、2 グループに分かれて意見を出し合った。住民から出た意見は、日 常における高齢者の孤立の問題と災害時の対応に大別された。. ①日常生活における高齢者の孤立 身近な場所で孤立死が発生していることから、参加者の多くは不安を感じていた。 7.
(8) 反面、子どもをあてにしないで自立して生活したいという思いがあり、日常生活の なかで事故やトラブルに巻きこまれないように努力していた。 しかし、高齢者のみの世帯が増加するなかで、個人の努力だけでは限界があり、他 人の生活に干渉しないさりげない日常的な見守りがほしいという意見が出た。. 図1.高齢者の孤立防止についての検討. 不安:高齢者が多く孤立死が発生している ・民生委員一人当たりの担当人数が他地域より多い。 ・救急車が毎日のように来ている。 ・孤立死の発生率が高い。ここ 4 年間で 10 件くらい発生した。 ・50 歳以上で独身の男性の入居が増えた。男性の孤立死が多い。 思い:子どもを当てにしないで生活したい ・子どもは遠方にいるため、すぐに当てにはできない。 ・子どもであっても迷惑をかけたくない。 ・子どもと日常的に電話をしているが、緊急時は間に合わないので(救急車への同乗 等)結局は近所の人が頼り。. ⇒日常生活で問題を起こさないよう気を付けていること ・重いものは大量に買わない。宅配を利用している。 ・物忘れしないようカレンダーに予定を書いている。 ・転倒を防ぐため床に物を置かないようにしている。 ・訪問販売のトラブルに遭わないよう、すぐにドアを開けないようにしている。 ・表札に男性(夫)の名前を記入したり、玄関に男物の靴を置くようにしている。 8.
(9) ②災害時の対応について 自治会役員を中心に、高齢の住民が多いことから、緊急時の対応に関する不安につ いて意見が出た。. 図2.緊急時の対応に関する検討. 気がかり:緊急時に備えたしくみが活用できるのか. ・自治会で緊急連絡先カードを配布している。緊急連絡先を記入し、冷蔵庫に裏側 にしてカードを貼っておいてほしい。 ・市で緊急時の連絡セットを配布している。各人で記載情報の更新を行う必要があ る。 ・トイレや風呂にブザーが設置されているが、誤操作による騒音被害を気にして電 源を切ってしまっている人もいる。 ⇒緊急時への備えて一人ひとりが気を付けていること ・親類の連絡席を玄関に置いている。 ・信頼できる人にカギを預けられたらいい。 ・カギや全財産を預かった経験がある。 ・民間の緊急通報サービスは高い。(利用できない) ・子どもに 3 日に 1 度電話をしている。 ・1 泊以上の外出の際には組長にひとこと伝えるようにしている。 ・備蓄をしている。 9.
(10) ③課題の解決に向けた検討 他人の生活に干渉しないさりげない日常的な見守りについては、公社が実施してい る安否確認の電話サービスが助かっているという意見があった。他の地域で実践され ている黄色いハンカチをベランダに出すという安否確認方法の導入については、犯罪 者に目を付けられる可能性があるのではないかなど危惧する意見があった。 また、長期外出の際には自治会に届け出るという決まりがあるのでそれを徹底する ことや、ごみ出しの機会を活用して近隣住民による見守りについて提案された。 反面、「(近隣住民であっても)顔を合わせる機会が少ない」や「空家が多く、隣近 所がいない」 「回覧板も安否確認の手段になるが、回覧板を拒む人もいる」など、いろ いろな人がいることから、 (最初から)みんなで取り組むことは難しいという意見が出 た。. 第1回ワークショップの意見 3.第2回ワークショップ 1)ワークショップの概要 日. 時:2015 年 2 月 17 日 14~16 時. 場. 所:公営A団地自治会集会所. テーマ:つくろう安心なくらし. 自分でできること、みんなで助け合えること. 話題提供:安心して暮らすために気軽にできること 講師. 管轄地域の交番. 交番長. 参加者:15 名(うち初回参加 7 名,自治会役員・民生委員 3 名を含む) 関係機関職員. 5名. 2)ワークショップのまとめ 第2回目のワークショップは、 「つくろう安心なくらし. 自分でできること、みんな. で助け合えること」をテーマに、安心なくらしをつくるために、自分が実践している. 10.
(11) ことやできること、みんなで協力して助け合うことが望ましいことを考えることを目 的に実施した。 参加者 15 名は、2グループに分かれて意見を出し合った。. ①日頃感じている課題 最初に、日頃、不安なことや気になっていることについて意見を出しあった(表3)。. ②課題の解決に向けた検討 多くの参加者が、加齢にともないとじこもりがちとなっていることを自覚し、不安 に感じていた。しかし、多様な価値観をもつ人が生活する公営団地では、他人とのか かわりを拒む人もおり、協力して取り組むことの難しさについて意見が出た。 安心なくらしを確保するためには、個人ができることには限界があり、個人の努力 に併せて、問題が生じたときに支援に結びつくように隣近所やコミュニティのさりげ ない見守りがほしいという意見でまとまった。. 図3.孤立しないための取組みについての検討. 11.
(12) 表3.不安なこと・気になっていること 生活の問題. 具体的な内容. 近所との交流が. ・(日頃から)あまり近所との交流はない。. あまりない. ・入院や旅行などで留守をしている等の情報が入ってこない。 ・エレベーターの利用や、夕刊を玄関まで配達してもらうなど、 ご近所と顔を合わす機会が減少している。 ・高齢者はあまり外に出ない。高齢化により近所との交流が減る。 ・(近所との交流といっても)空家が多い棟もある。. 近所づきあいが. ・夜中に変な声を出したり、石ころを蹴っている人がいる。. 難しい. ・周囲に迷惑をかけている人がいて困っている。 ・子どもの声が騒音のようになり子連れの人が住みにくくなった。 ・近所づきあいを拒む方もいる。配布物を受け取らない。自治会 に入らない。 ・人との交流が嫌な人もいる(特に男性) 。. 放置自転車が多. ・自転車が増えて、通路等に溢れて困っている。. い. ・通路に駐輪されると緊急時の避難の妨げになる。 ・自治会として貼紙によって注意していたが、住民間のトラブルに なるため中止した。 ・各棟など個々に対応しており、「所定の場所へ」などの貼紙を 2 週間ほどして移動されない場合は市で処分してもらう。. 獣害がある. ・換気口を通じて鳩や猫が出入りする。 ・鳩の糞害が大変。排水口に糞が溜まるので、掃除している。 ・犬・猫に関する苦情を飼い主に話してもなかなか改善しない。 ・いろいろな人が住んでいるので、意見をまとめようがない。. 地区組織の衰退. ・子ども会もなくなった。 ・老人会と自治会のつながりが希薄になっている。. 空き家の人の出. ・以前、地下室に中学生が入り込んだりして気になった。. 入りが気になる. ・空き家に子どもが出入りしていると、事故など起きると危ない。. 公共交通機関. ・バス停で手を上げているのに素通りするバスがある。. 井戸端会議が気. ・通路に人が溜まると通行しにくいこともある。. になる. ・話している人も、通る人にじろじろ見られて嫌な気分になる。 ・悪口も話しているが、本人にわからないようにしている。. 将来のことが不. ・一人住まいになった時が不安。. 安だ. ・介護サービスや認知症患者への対応などがよくわからない。 ・回覧板や新聞などは安否確認にもなるので続けている。. 特にない. ・近隣で事件も特にない。 12.
(13) 第2回ワークショップの意見. 4.第3回ワークショップ 1)ワークショップの概要 日. 時:2015 年 3 月 17 日 13 時 30 分~15 時 30 分. 場. 所:公営A団地自治会集会所. 話題提供: 地域の交流の場づくりについて 静岡市社会福祉協議会. 地域福祉コーディネーター. 参加者:15 名(うち初回参加 7 名,自治会役員・民生委員 2 名を含む) 関係機関職員. 6名. その他:報道関係者 1 名(地元新聞社の取材あり). 2)ワークショップのまとめ 第3回目のワークショップは、 「つくろう交流の場. とじこもりにならないために」. をテーマに、住民の多くが加齢にともない「とじこもりがち」となり、孤立している 現状を踏まえ、地域に交流できる場ができないかを考えることを目的に実施した。 参加者には、これまでのワークショップの経過について報告し、今回のテーマを設 定したことを説明した。 参加者 13 名は、2グループに分かれて意見を出し合った。. ①交流の場をつくることについての意見交換 新しい交流の場をつくることについては、これまで老人会の活動などに参加したこ とのない人も参加しやすくなる等、住民の生活にとってプラスになると思うという意 見が多かった。 反面、参加者の取り合いから老人会等が実施している活動の参加者が減少してしま うのではないかという不安も聞かれた。 13.
(14) さらに、かつてサロン活動を立ち上げようとしたが、ボランティアが集まらずうま くいかなかった経験から、立ち上げることに心配する意見も出た(図4)。. 図4.高齢者の交流の場づくりに向けた検討. ③課題の解決に向けた検討 交流の場づくりに向けて、参加者から次の提案がされた。 ・元気な前期高齢者が多い団地以外の人と協力する。 ・ボランティアがいなくてもできる「茶話会」から始める。 ・参加したことのない人が、当日でも気軽に誰でも参加しやすいように工夫する。 集会所の外に「開催中」 「ご自由にお入りください」の看板を出したり、チラシな どを貼る。 ・交流行事の際に知り合いに声をかけ、クチコミで参加者を増やす。. 14.
(15) 第3回ワークショップの意見. ④その他 これまでの公営団地における高齢者の孤立防止の取り組みは、地元新聞社で紹介さ れた(資料3)。. 5.ワークショップ後の取組み 1)交流の場づくりに向けた検討 ①市社会福祉協議会の支援 ワークショップの終了後、参加者からは「高齢者が交流できる場がほしい」という 意見が強かったが、自治会や有志はどのように進めて良いかわからない状況であった。 また、運営を支援してくれるボランティアを確保する目途も立たなかった。 そこで、市社会福祉協議会の地域福祉コーディネーターと協議した結果、将来的に は住民主体で運営することを目標に、高齢者が交流できる機会を継続してもつことに した。 さらに、市社会福祉協議会の全面的な協力を得て、地元住民で構成する地区福祉推 進協議会が運営に参画することになった。. ②自治会との協議 2015 年 4 月以降の 1 年間は、 (主催)杉井研究室・市社会福祉協議会(共催)公営 A団地自治会・学区社会福祉推進協議会で、隔月くらいの割合で交流会を実施するこ ととなった。 なお、自治会の希望により、これまでワークショップに参加した高齢者が混乱しな いように、引き続き「ミニ茶話会」で周知し、ポスターやチラシのデザインも継承す ることになった。. 2)交流会の開催 2015 年 4 月以降に2回の交流会を実施しており、現在は3回目の交流会の開催に向 けて準備をしている(表4) 。 15.
(16) 表4. 交流会の概要. 項目. 第1回. 第2回. 第3回(予定). 日時. 2015 年 5 月 25 日. 2015 年 7 月 16 日. 2015 年 9 月 11 日. 13 時 30 分~15 時 30 分. 13 時 30 分~15 時 30 分. 13 時 30 分~15 時 30 分. 会場. 公営A団地自治会集会所 談話. 談話. 談話. リクレーション. リクレーション. リクレーション. ・住民 13 名. ・住民 20 名. ・関係機関職員 7 名. ・関係機関職員. 内容. 参加者 11 名. 県公社のふれあい生活 その他. Ⅳ.考. 相談会を同時開催. 開催に向けて準備中 (2015 年 8 月現在). 察. 増加する独居高齢者の地域生活支援システムづくりに向けた本研究の成果は、長期 的視野で評価することが必要である。しかし、ワークショップから交流の場づくりへ と、住民の孤立防止に向けた意識の向上は、地域生活支援システムづくりに向けての 確かな手応えを得ることができた。. 1.研究の成果 1)住民の主体性の向上 公営住宅の高齢者の孤立防止に向けた地域生活支援については、行政や支援する機 関によって実態調査などが実施されている。これまでの先行研究の多くは、高齢者の 自助努力には限界があることを前提に、専門職や関係機関による支援方法に着目され てきた。 本研究では、居住している高齢者自身が高齢者の孤立が進んでいる現状について自 覚し、自分たちが実行できることを考えるプロセスを重視した。これは、高齢者の見 守り支援には、必要な支援を求めることができる高齢者のセルフケアの能力の向上と 異常を早期に発見するための周囲(近隣住民)の協力が不可欠であると考えたからで ある。 ワークショップに参加した高齢者は、加齢にともない閉じこもり、孤立しがちにな っている現状の課題を共有化し、自分たちができることと関係機関に支援してほしい ことを自分たちの問題として考えることができた。 16.
(17) 2)コミュニティの強化 ワークショップにおける課題の共有化をとおして、新たな住民間の交流ができた。 徐々にではあるが、新しい参加者も着実に増加した。 また、ワークショップ後の交流会では学区社会福祉推進協議会が参画するなど、新 たな地域の協力体制ができた。. 3)関係機関のネットワークの強化 毎回のワークショップでは、関係機関が一同に集まり、住民の生の声を聴くことが できた。期待以上の協力を得られた理由は、関係機関の多くが進行する高齢化や単身 世帯の増加について危機感を感じ、孤立死やとじこもりなど高齢者の孤立について対 策をすることの必要を感じていたためと考える。 ワークショップに協力してくれた関係機関の全てがワークショップ終了後に実施し ている交流会にも継続して参加し、会場で住民の困りごとに対応している。さらに、 各関係機関は、住民のニーズを踏まえて生活相談会等の支援サービスを充実している。. 2.高齢者の孤立防止に向けた地域生活支援システムの構築に向けて 将来的には、住民主体で交流会を運営できるように、次の支援が必要だと考える。. 1)住民への周知 既にワークショップや交流会を実施してきたが、初回参加をした高齢者の中には「初 めて知った」と話す人も多く、高齢者が情報弱者であることをあらためて認識した。 交流の場を定着するために、住民への周知にはまだ時間を要すると予想される。. 2)運営スタッフの育成 交流の場を継続して提供するために、交流会を企画・運営するスタッフの育成が課 題である。また、団地内には多様な価値観をもつ高齢者が生活していることから、既 存の老人会等と連携しながら、より多くの高齢者が参加できるように時間や内容の異 なる多様な活動の場を提供し、交流機会の選択肢を増やすことが必要である。. 3)ハイリスク者への働きかけ 交流会に参加しない(できない)高齢者の中には、外出が難しい人や対人関係が苦 手な人もいれば、必要がなければ他人と関わりたくないと考えている人もいる。 孤立するリスクが高い高齢者に対してどのような支援ができるかについて検討して いきたい。. Ⅳ.結. 語. 住民同士が交流できる場を継続して住民主体の活動とすることと、交流の場に参加 できない高齢者の支援が今後の課題である。. 17.
(18) ワークショップや交流会の実施にあたり、自治会や公営住宅を設置・管理する関係 機関の多大な協力を得ることができた。関係機関の職員が毎回参加して、参加者から の相談等に対応してくださるなど、期待した以上の協力を得られた。その背景には、 関係者が公営住宅で発生している孤立死や高齢者のとじこもりの問題に危機感や問題 意識を感じていたことがあったと考える。 地域生活支援システムの構築には、当事者の意見の反映と関係機関との連携・協力 が不可欠であることを再認識することができた。また、参加された方から多くの示唆 をいただいたことに感謝いたします。 本研究は、公益財団法人. 勇美記念財団の助成を受けて実施しました。. 引用参考文献 1) 内閣府(2014 年),平成 26 年版高齢社会白書,2015.8.10 閲覧, http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2014/zenbun/26pdf_index.html 2)高齢者等が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議,高齢者等が一 人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進会議(「孤立死」ゼロを目指して) 報告書.平成 20 年 3 月,2015.2.24 閲覧 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/03/dl/h0328-8a_0001.pdf#search='%E9%AB%9 8%E9%BD 3) ニッセイ基礎研究所. 特別研究プロジェクトチーム:長寿時代の孤立予防に関する. 総合研究,2014 年 2 月 4) 財団法人東京市町村自治調査会:高齢者の社会的孤立の防止に関する調査報告書, 平成 24 年 3 月 5) 総務省,公的住宅における孤立死防止対策に関する実態把握の結果,2015.2.24 http://www.soumu.go.jp/main_content/000188122.pdf#search='%E5%85%AC%E7%9A% 84%E4% 6)横浜市健康福祉局:郊外大規模公営住宅での孤立高齢者等の支援の仕組みづくり, 平成 27 年 3 月 7)一般社団法人. 全国介護者支援協議会:都内の大規模集合住宅団地における孤立死. の取り組みに関する調査研究事業報告書,平成 25 年 3 月 8) 朝日新聞 2014.12.12, 2015.2.24 閲覧 http://www.asahi.com/articles/ASGCG53Y3GCGOIPE010.html 9) 総務省:高齢者の社会的孤立の防止対策等に関する行政評価・監視結果に基づく勧 告,平成 25 年 4 月 10) 仁科伸子・呉世雄:大都市郊外の公営住宅団地に居住する高齢者の社会関連性の 特性と課題についての研究. 周辺地域との比較において,社会福祉学,54(1),42‐ 18.
(19) 54,2013 11)長谷川雅浩・松岡佳秀・黒澤和隆:北海道の公営住宅における高齢者支援施策に 関する調査研究,日本建築学会計画系論文集,76(659),131-138,2011 12)小池高史・深谷太郎・野中久美子,他:独居高齢者見守りサービスの利用状況と利 用意向,日本公衆衛生雑誌,60(5),285-293,2013. 13)村山洋史・渋井優・河島貴子,他:都市部高齢者の閉じこもりと生活空間要因と の関連,日本公衆衛生雑誌,58(10),851-866,2011. 14) 東京都福祉保健局:高齢者等の見守りガイドブック. 誰もが安心して住み続ける. ことができる地域社会を実現するために,平成 26 年 3 月. 19.
(20) 資料1. ワークショップの参加者募集のチラシとポスター. 参加者募集のチラシ (全戸配布). 参加者募集のポスター(各組の掲示板等に貼付) 20.
(21) 資料2. 交流会の参加者募集のチラシとポスター ー. 参加者募集のポスター (各組の掲示板に貼付). 参加者募集のチラシ (全戸配布) 21.
(22) 資料3. ワークショップの活動状況. 自治会長挨拶. オブザーバー(関係機関)コメント. 意見交換の様子. 話題提供(講師は研究代表者). 意見交換の様子. 今後に向けての話し合い(全体) 22.
(23) 資料4. 地元新聞社に掲載された記事. 2015.3.22 静岡新聞. 23.
(24) 資料5. 交流会の様子. 受付の様子. 生活相談の様子. 帰りの様子. 男性高齢者の参加. ゲームを楽しむ様子. 関係機関の職員に気軽に 声をかける住民. 24.
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(※1) 「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書」 (平成 29(2017)年 12 月 15 日)参照。.. (※2)
本案における複数の放送対象地域における放送番組の
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意思決定支援とは、自 ら意思を 決定 すること に困難を抱える障害者が、日常生活や 社会生活に関して自