• 検索結果がありません。

行政手続促進論の展開 : -ドイツ行政手続法の改正をめぐって- 利用統計を見る

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "行政手続促進論の展開 : -ドイツ行政手続法の改正をめぐって- 利用統計を見る"

Copied!
24
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

行政手続促進論の展開 : -ドイツ行政手続法の改正

をめぐって-著者名(日)

山田 洋

雑誌名

東洋法学

41

1

ページ

19-41

発行年

1997-09-30

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00000489/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

行政手続促進論の展開

    ドイツ行政手続法の改正をめぐって

はじめに

東洋法学

       の・︶  e 九〇年代に入って本格化したドイツにおける行政手続促進への潮流は、すでに別稿においても指摘したが、 ドイツの再統一とヨーロッパの市場統合を背景としていた。すなわち、前者による旧東ドイツ地区のインフラ整 備と産業振興の要請は、それに要する許認可などの手続の促進が不可欠なものであることを認識させることと なった。一方、後者による各国間の経済競争の激化は、手続の長期化による許認可などの遅延が経済競争におけ るドイツの立場を悪化させるのではないかという危機感を生んできた。﹁ドイツの立地条件︵≦嘗ω魯鉱房ω鐙&o旨        ︵2︶ U窪房畠冨且︶﹂の改善は、もはや一つの政治的スローガンとなっている。  こうした要請をうけて、連邦のレベルにおいても、すでに行政手続の促進のための立法措置が数回にわたって 19

(3)

行政手続促進論の展開       ︵3︶ 実施されてきた。すなわち、まず、一九九二年一二月、旧東ドイツ地区五州とベルリン州︵これらの地区と旧西 ドイツ地区との接続路線を含む︶における連邦鉄道、連邦遠距離道路、連邦運河、空港、市街電車の整備促進を       ︵4︶ はかる﹁交通計画促進法﹂が成立した。同法は、これらの事業について、正式の計画確定手続に先行する路線決 定などの手続の簡素化を定める一方、計画確定手続自体についても、手続の各段階についての標準的な処理期間 の法定、時機に遅れた関係行政機関の意見の排除、関係者などの同意がある場合などにおける﹁計画許可﹂の採 用による住民参加手続の省略、などの手続促進策を規定している。その他、裁判手続についても、連邦行政裁判 所による一審制の採用など、その促進策が規定されていた。ただし、同法は、旧東ドイツを中心とする前記の地 区に適用範囲が限定されていた上、一九九五年末︵鉄道については一九九九年末︶までの時限立法であった。        ︵5︶  つぎに、一九九三年四月に成立した﹁投資促進および宅地供給法﹂にも、投資促進策の一貫として許認可手続 などの促進策が規定された。その主な内容は、国土整備手続における環境影響評価の任意化、埋立処分場以外の 廃棄物処理施設についての計画確定手続から許可手続への移行などであった。さらに、同年の一二月には、﹁交通        ︵6︶ 計画手続簡素化法﹂が成立し、前記の交通計画促進法による計画確定手続の促進策のほとんどが、ドイツ全土に 無期限で適用されることとなったのである。そのほか、手続の省略のため、道路などの計画自体を法律の形式で       ︵7︶ 定めるという手法も採用され、一九九三年以降、いくつかが成立している。  ⇔ しかし、その後も手続促進の流れは留まるところを知らず、連邦政府も、より包括的な手続促進の立法措 置を検討し続けてきた。すなわち、一九九四年の初め、連邦政府は、前連邦行政裁判所副長官シュリヒターを座 20

(4)

東洋法学

長とする八名からなる専門家委員会を設立し、包括的な計画および許可手続の促進策について諮問した。これを うけて、同委員会は、同年の末、行政手続法自体の改正を含むきわめて詳細かつ大部の報告書を発表するに至っ ︵8︶ た。この報告書を基にして、与党連合と政府関係部局との作業部会が法案化作業を開始し、報告書の内容にかな りの修正を加えながら、翌九五年末までに法案を完成させるに至った。この結果、行政手続法改正を中心とする         ︵9﹀       ︵−oV        ︵U︶ ﹁許可手続促進法﹂案、連邦イムミシオン防止法改正案、行政裁判所法改正案の三案が政府決定され、連邦参議院       ︹12︶ の意見を徴したのち、一九九六年三月、連邦議会に提案されることとなった。  とくに許可手続促進法案について、議会審議の経過を見ると、まず、参議院については、かなりの修正要求を        ︵13︶ 出しているものの、その多くは確認的な字句の修正などに関するもので、法案の骨格に関するものとは言いがた い。おそらく、これは、もともと手続促進が参議院の代表する各州政府の強い要求によるものであるという事情 によるものであると思われる。そもそも、参議院は、この法案に先だって、自ら﹁施設許可手続の促進と簡素化        ︵14︶ によるドイツの立地条件の確保に関する法律﹂案と題する本法案と類似内容の提案をしており、これが本法案に も取り入れられているのであるから、本法案に基本的に反対する理由はない。野党の対応についてみても、緑の 党などが反対に回っているのは当然としても、社民党は、内務委員会の審議において、結果的には政府案に反対 したものの、その修正案は参議院修正案と類似のものに過ぎず、これも政府案の骨格に反対するものではないよ    ︵15︶ うである。ただし、議会における参考人の意見聴取においては、研究者などから、批判的な意見が相次いだ様子   ︵16︶ である。 21

(5)

行政手続促進論の展開       ︵17︶  結局、一九九六年九月、許可手続促進法は、政府提案のとおり無修正で成立し、すでに施行されている︵ちな       ︵B︶      ︵19︶ みに、残りのイムミシオン防止法および行政裁判所法の改正法についても、同年中に相次いで成立している︶。こ の法律の成立によって、循環経済および廃棄物法、原子力法、水管理法の一部とともに、連邦の行政手続法がか なりの改正を被ることとなったのである。  日 周知のとおり、ドイツにおける連邦の行政手続法は、一九七六年に成立し、翌年から施行されている。そ して、法律の改正が頻繁になされるドイツとしては珍しく、その後二〇年にわたって実質的な改正がなされずに       ︵20V きた。今回の改正は、同年五月の改正︵﹁行政行為の撤回﹂に関するもの︶と並んで、はじめての本格的な行政手 続法の改正と位置付けられることとなる。  今回の改正を行政手続の促進の流れの中で見るとき、その内容は、計画簡素化法などによる個別法の改正によっ て既に立法化された措置を取りまとめた部分が多く、必ずしも目新しいものばかりではない。しかし、あえて一 般法たる行政手続法の中にこうした措置が組み込まれたことは、手続促進の流れの一つの到達点として、あるい は、行政手続論の一つの分水嶺として、無視しがたい象徴的な意味合いを持つものと思われる。さらに、その内 容には、従来の立法を越えた見落とすことのできない改正点も含まれている。以下、今回の改正の概略について、       ︵21︶ 従来の立法や議論の流れを踏まえながら、検討を加えることとしたい。 22

(6)

二 手続的暇疵の効果

東洋法学

 8 計画確定手続などのインフラ整備のための行政手続は、それに関連する利害や法律が多岐にわたるため、 手続のあり方も極めて長期かつ複雑なものとなる。たとえば、法律上、意見を聴くべき利害関係者や関係官庁の 極めて多数にのぼることとなるし、そこに関与する行政職員も多数になる。その結果、手続の途上において、意 見を聴くべき者の意見を聴き漏らしたり、関与を禁じられている職員が手続に関与するといった手続的暇疵が生 ずる確率も高くなってくる。  とりわけ近年、﹁手続による基本権保護﹂といったスローガンの下、計画確定決定などについての裁判の場にお いて、その手続的蝦疵が争われる例が多くなり、裁判所も、これを厳格に審査する傾向が強まってきた。その結 果、これらの審理のために裁判手続が長期化するばかりでなく、決定が手続的毅疵を理由として裁判所によって 取消され、事業が中断するといった例が目に付くこととなった。これによって、当該事業の実施が遅延するのは もちろんのこと、より一般的に、事後の裁判への憂慮から行政機関が必要以上に大事を取って慎重に手続を進行 させる傾向が生まれ、手続の遅延に拍車がかかることとなる。  もっとも、一般に、ドイツの行政手続法は、もともと手続的椴疵を理由とする処分の取消しには消極的な傾向 があり、手続的暇疵の裁判における効果を制限する明文規定を置いていた。すなわち、手続的蝦疵についての治 癒を広く認めるほか、それを理由として処分を取消しても同内容の処分のくり返しが予想される場合には、手続 23

(7)

行政手続促進論の展開 的毅疵を理由とする取消しを認めないこととしてきたのである。しかし、これらの規定は、その内容上、とりわ け計画確定手続には働きにくい性格があり、この分野での手続的蝦疵による取消判決が目立つこととなっていた。 もちろん、これらの規定は、行政手続一般に関する規定であり、今回の改正も行政手続一般に関係することには なるが、改正の主たる狙いは、それらの計画確定手続における適用の余地を拡大することにあると見られるので ある。  ⇔ まず、手続的蝦疵の治癒については、同法四五条一項によって、五種類の手続的環疵︵申請、理由付記、 関係者の聴聞、委員会の議決、関係官庁の参加︶について、処分後の追完によって治癒することを認めている。 ただし、従来の同条二項は、申請以外の追完について、不服申立手続の終了の時点まで︵不服申立手続が為され ない場合には訴訟の提起まで︶に限定していた。したがって、たとえば訴訟の場において手続的蝦疵が判明した といった場合には、それから追完することによって処分の効力を維持することは、もはや許されなかったわけで  ︵22︶ ある。  とくに、計画確定決定については、通常は訴訟要件とされている不服申立ての前置がはずされている︵同法七四 条一項、七〇条︶。その結果、手続的蝦疵なども訴訟の場で直接に主張されることとなるが、その時点では、もはや 追完によって蝦疵を治癒することができないこととなる。結局、従来、計画確定手続については、追完による手 続的蝦疵の治癒によって決定が取消しを免れるという事態は、考えにくいこととなる。  これに対して、今回、同条二項が改正され、追完は﹁行政裁判手続の終了の時点まで﹂認められることとなっ 24

(8)

  た。これに対応して、行政裁判所法も改正され、裁判所が行政庁に対して手続的蝦疵の治癒の機会を与えるため   に口頭弁論を三か月以内延期できること︵八四条一項二文七号︶、裁判所が申請により手続的穀疵の治癒のために審   理を中断することができること︵九四条二文︶が新たに規定されることとなった。政府案においては、治癒の機会   を与えなければ手続的蝦疵を理由とする取消判決をしてはならない旨の規定︵一一四条︶までおかれていたが、こ        ︵23︶   れは議会審議の過程で削除されている。    これによって、行政庁としては、手続の過程において手続的暇疵を見逃していても、訴訟の場における相手方   の主張を待って、場合によっては、裁判所の反応まで確かめてから、これを追完することによって勝訴すること   が可能となった。しかも、こうした追完は、文言上は、一審手続だけではなく、︵事実審理をしないこととの関係       ︵2 4︶   で問題は残るものの︶連邦行政裁判所の手続の場においても可能であるとされている。行政庁としては、せいぜ       ︵25︶   い訴訟費用の負担を命ぜられることを覚悟すればよいわけで、従来よりかなり安心して手続を進行させることが   できることとなろう。反面、このような立法によって、手続規定への違反に対する歯止めを除去してしまうこと       ︹26︶   については、強い憂慮や批判があることはもちろんである。 学  ㊧ さらに、わが国においても広く紹介されているとおり、同法四六条は、手続的環疵を帯びた行政行為につ 法 いて、﹁内容的に異なった決定がなされえなかった場合﹂には、手続的蝦疵を理由として取消しを請求できない旨 洋−を規定している・要するに・法的に覇束された処分については・その内容が適法であれば・それを手続的暇疵を 東   理由として取消したとしても、行政庁は同内容の処分をくり返すことを法的に義務付けられており、取消しは無 25

(9)

行政手続促進論の展開 意味であるとしているわけである。しかし、この規定については、立法当時から、その妥当性を疑間視する声が 多く、その解釈についても争いが絶えない。おそらく、同法において最も議論の多い条文であると言えるであろ ︵艀︶。 武ノ  いずれにせよ、この規定が法的に覇束された処分を対象とするものである以上、計画裁量を本質とする計画確 定手続には無縁の規定であったはずである。しかし、考えてみれば、裁量行為の場合にも、手続的暇疵が決定の 内容に影響を与えなかったという場合もありうるわけで、こうした場合にも、取消しは無意味であるとも考えら れる。とりわけ、計画確定手続などについては、こうした軽微な手続的蝦疵を理由に決定が取消されることとな れば、事業の遅延などによる公益への影響は計り知れない。そこで、近年の判例の中には、計画確定手続につい ても前記の四六条と類似の理論を適用して、手続的暇疵が決定の内容に影響を与えなかった場合、いいかえれば 手続的綴疵と決定内容との間に﹁因果関係﹂が認められない場合には、手続的蝦疵は決定の取消事由とはならな       ︵28︶ いとするものも登場していた。しかし、こうした判決に対しては、四六条の立法趣旨に反するなどといった批判 が目だっていた。  これをうけて、今回の四六条の改正によって、従来の﹁内容的に異なった決定がなされえなかった場合﹂に加 えて、﹁違反が決定の内容に影響を与えなかったことが明らかな場合﹂についても、手続的蝦疵を理由とする取消 しは請求できないこととされた。このうち、前者が覇束行為に適用され、後者が裁量行為に適用が予定されるこ       ︵29︶ ととなる。実は、同法の立法過程を見ると、一九七〇年に初めて議会に提出された政府案の段階までは、︵やや文 26

(10)

言は異なるが︶後者が条文化されていたのである。それが、とくに手続的職疵の裁量行為における意義を重視す       ︵30︶ る学説の批判に応えて、七三年政府案の段階で後者が削除され、そのまま法律となったという経緯がある。今回 の改正によって、同条は、時代の変化を反映して四半世紀ぶりにオリジナルの草案の形に戻ったことになる。  先にも述べたとおり、同条については、従来のものについてすら、手続の意義を軽視するものであるとの批判 が強く、これを限定的に解釈すべきであるとする学説が目立っていた。また、その実際の適用についても、多く の疑義が残されていたのである。これに逆行する形で、やや唐突な今回の改正によって同条の適用領域が大きく       ︵3 1︶ 拡張されたことに対しては、当然のことながら、学説の強い反発が予想される。その解釈適用についても、新た な問題が続出することになろう。前記の手続的報疵の治癒の問題と合わせて、当分、大きな議論を呼ぶものと思 われる。 三 計画確定手続の促進

東洋法学

 ⑨ 今回の改正法のタイトルからも明らかなように、改正の目的は、行政手続一般というよりは、公共施設な どの設置手続の促進である。周知のとおり、こうした手続は、道路や空港などについての計画確定手続と発電所       漉︶ や工場一般などについての︵伝統的な意味での︶許可手続とに二分されることになるが、後者は、行政手続法で はなく、イムミシオン防止法の領域である。したがって、行政手続法の改正の眼目は、当然のことながら、計画 確定手続の促進ということになる。 27

(11)

行政手続促進論の展開  先に触れたとおり、計画確定手続については、とくに交通関係施設を対象として、すでに交通計画簡素化法に よる個別法の改正によって、手続の促進策が立法化されている。今回の行政手続法の改正において、同法の計画 確定手続の規定が相当に手直しされたが、内容的には、すでに簡素化法で個別法に立法化されているものばかり で、目新しいものはない。ここでも、基本的な柱は、手続の各段階における処理期間の法定と簡易な手続である ﹁計画許可﹂制度の導入であり、その規定内容も簡素化法を踏襲している。したがって、今回の改正の直接的な効 果は、これらの促進策が交通関係から計画確定手続一般に拡大されることにあるといえる。そこでは、いうまで もなく、簡素化法による手続促進策が一定の成果を上げてきているという立法担当者による判断が前提となって      ︵33︶ いるのである。  口 計画確定手続の規定を見る前に、行政手続一般に適用される規定として立法化された促進策を見ておくこ ととしたい。まず、行政手続一般の原則的な非要式性を定めた一〇条が改正された。従来、その二項は、行政手 続の実施について、﹁簡素かつ合目的的﹂でなければならないと規定していたが、これが﹁簡素、合目的的かつ迅 速︵N凝魁﹂でなければならないと改正されたのである。もちろん、この規定は、一般的な訓示規定であり、規範       ︵34︶ 的な意味は薄いであろう。しかし、これによって、その﹁迅速性﹂が行政手続のあり方についての基本原則にま で高められたとも言えるわけで、手続促進の流れの到達点を象徴するものとして注目すべきであろう。  そのほか、従来の行政手続法︵一七条四項二文、六七条一項四文、六九条二項二文、同三項二文、七三条五項四号、 同六項四文、七四条五項一文︶は、各種の送達について︵口頭審理の通知や決定の送達など︶、相手方が三百を越え 28

(12)

東洋法学

る場合には、個別の送達に替えて公示送達によることを認めていた。それが、今回の改正によって、五〇を越え る場合に公示送達によることができることとなった。おそらく、実務的には、かなり行政機関の負担軽減の実益         ︵35V を持つこととなろう。  日 つぎに、計画確定手続自体については、手続の各段階毎に、処理期間が法定された︵七三条各項︶。計画確定 手続は、おおよそ、事業者による計画書類の提出に始まり、地元における書類の縦覧と関係者による意見書の提 出︵異議申立て︶、︵前者と並行して︶関係官庁への意見照会とその意見提出、口頭審理、聴聞機関による意見書 の作成、計画確定決定という流れで進む。このうち、書類の縦覧期間︵一か月︶と異議申立期間︵二週間︶につ いては法定されていたものの、従来、それ以外の期間の定めはなされていなかった。そのため、地元の自治体が 書類の縦覧に協力しなかったり、意見書を提出しないといった事態が生じ、手続の長期化の一因とされてきた。  そこで、今回の改正により各段階の処理期間が法定されたわけであるが、まず、事業者による書類提出から起 算して、三週間以内に書類縦覧︵従来どおり一か月︶が開始され、その後、関係者の異議申立て︵従来どおり二 週間︶がなされる。一方、同じ時期から一か月以内に関係官庁への意見照会がなされるが、意見の提出は三か月 以内に限られる。異議申立期間の経過後、三か月以内に口頭審理が開催されることになる。この結果、計算上は、 事業者による計画書類の提出から半年ほどで口頭審理が終了することとなる。この内容は、先の計画簡素化法に よって連邦遠距離道路法などに挿入されたものと︵一部の手直しがなされているが︶ほぼ同一である。  これらの期間は、あくまで努力目標に留まり、その遵守を担保する法的な措置は規定されていない。ただし、 29

(13)

行政手続促進論の展開 関係官庁からの早期の意見提出を促すため、口頭審理後に提出された意見は原則として考慮されないこととされ ているのが注目される︵七三条三a項︶。  四 関係者の異議申立てについては、従来から縦覧期間終了から二週間以内という期間の制限が法定されてい たが、今回の改正によって、これに﹁︵実体的︶排除効︵勺愚匹5δ房註蒔二渥︶﹂が付されたことが注目される。こ の排除効の制度は、要するに、事前の行政手続において期間内に異議申立てをしなかった者は、当該手続におい て意見を考慮されないだけでなく、事後に決定に対する訴訟提起もできなくなるという制度である。さらに、異 議申立てをした場合においても、そこで主張しなかった事項は、事後の訴訟においても主張できなくなる。これ によって、判断に必要な全ての事項が行政手続の場に登場することが保証される一方、新たな主張の乱発によっ        ︵36︶ て訴訟手続が遅延することが防止できるとされてきた。  この排除効の制度は、本来は、イムミシオン防止法︵古くは営業法︶における許可手続において採用されてい た制度である。そして、そこでの排除効が裁判手続からの排除をも意味するのか、そのように解することが出訴 の途を保障した基本法に反しないか、などが争われてきた。しかし、この争いについては、連邦憲法裁判所の決 ︵37︶ 定により、合憲であることで一応の決着が着いている。一方、計画確定手続については、従来は排除効の規定は なく、異議申立てをしなかった者も出訴を妨げられることはないとされてきた。  ところが、近年、この排除効の制度が手続の促進策として注目されることとなり、計画確定手続にも、その導       ︵38V 入が考えられることとなった。すでに、一九九〇年の法改正により、連邦遠距離道路法と連邦鉄道法による計画 30

(14)

東洋法学

確定手続については、排除効が立法化されていた。それが、今回の行政手続法の改正により、計画確定手続一般 に拡大されることとなる。すなわち、今回の改正により、七三条四項三文として、﹁異議申立期間の経過により、 特別の私法上の権原によらない全ての異議は排除される﹂とする規定が挿入された。この規定は、イムミシオン 防止法などの規定とほぼ同一であって、こうした規定が前述のような排除効を意味するという解釈が定着してい るわけである。これも、計画確定手続と事後の訴訟手続との両面について、大きな影響が予想される改正と言え ︵39︶ る。  国 計画確定手続に関する促進策のもう一つの柱は、計画確定手続に替わる﹁計画許可﹂の制度の導入である。 すなわち、新たに挿入された七四条六項によると、他人の権利を侵害しないか所有権者などの権利者が書面で同 意した場合で、かつ、関係官庁なども同意した場合には、計画確定決定に替えて計画許可によることができると される。この計画許可は、計画確定決定と同様の効力︵集中効など︶を有するものの、計画確定手続の手続規定       ︵40︶ が適用されない。すなわち、関係者による異議申立手続などが全て省略されることとなるのである。さらに、他 人の権利や公益に全く影響しない場合などには、計画許可すらも省略できる︵同七項︶。  もっとも、全ての権利者などが同意している場合などには、手続を実施しても遅延の恐れはなく、こうした場 合に計画許可によって手続を省略しても促進にはならないとも考えられる。しかし、計画確定手続において異議 申立てを認められる利害関係者の範囲は、権利者よりもかなり広いとされ、実質的には無制限であるとすら言わ れてきた。さらに、自然保護法二九条によって、一定の自然保護団体などにも異議申立権が認められている。し 31

(15)

行政手続促進論の展開 たがって、限定された範囲の権利者などの同意によって手続を省略でき、それ以外の者の意見を聴かなくて済む        ︵41︶ とすることには、それなりの意味があるということであろう。  この計画許可の制度も、すでに、交通関係の計画確定手続については計画簡素化法によって導入されており、 実例も少なくないようである。ただし、これによって改正された個別法においては、計画許可採用の要件につい て、他人の権利に﹁侵害を加えない﹂場合に限るものと、﹁重大な侵害を加えない﹂ことで足るとするものがある。       ︵42︶ 行政手続法は、前者によったわけであるが、個別法が優先するため、今後も当面は不統一が残ることとなる。  因 最後に、較量過程の蝦疵の効果も制限された。周知のとおり、計画裁量については、判例上、較量原則に よる制約があるとされ、それについての精緻な理論が構築されてきた。そして、計画確定手続についても、これ に沿って、決定に至る較量過程について、考慮されるべき事項が考慮されたか否かなどが裁判所によって詳細に 審査され、現実にも、較量過程の暇疵を理由として決定が取り消されるといった事態が少なからず生じていた。 そして、これも事業の遅延の一因として問題視されることとなっていた。  そこで、今回の改正により、新たに七五条一a項が挿入され、較量過程の環疵について、それが﹁明白で較量 結果に影響を与えた場合﹂にのみ、決定の効力を左右することとしたのである。こうした規定は、もともとは、 一九七九年の改正によって当時の連邦建築法に挿入され、建築管理計画について適用されてきた。以来、多くの       ︵43︶ 批判や議論を呼びながら、現在の建築法典二一四条三項二文に受け継がれている。計画確定手続についても、こ れも、交通関係のものについて計画簡素化法によって個別法に条文化されている。前節で見た手続的蝦疵の効果 32

(16)

に関する条文などとも類似の発想に立つものであり、本来の建築法においても批判の多かった条文であるだけに、        ︵4 4V 今後、議論を呼ぶこととなろう。 四 許可手続の促進

東洋法学

 ⑭ 今回の改正の中で目を引く部分は、従来の﹁非要式手続﹂︵通常の行政手続︶、﹁要式手続﹂︵実際の適用例 は少ない︶そして計画確定手続という三種類の手続類型と並んで、新たに﹁許可手続︵○窪魯目蒔琶暢く段砂日窪︶﹂ と称する手続類型が法定され︵七一aから七一e条︶その促進策が規定されたことである。この﹁許可手続﹂は、 従来、イムミシオン防止法や原子力法などによる︵計画確定手続を除く︶施設設置手続の総称として常用されて いた許可手続という通称とは全く観点を異にした手続類型であり、純粋に手続促進策の法定のみのために作り出 された異色の手続類型と言える。  すなわち、ここでいう許可手続とは、﹁経済的な事業におけるプロジェクト実施を目的とする許可の付与のため の手続﹂であるとされる︵七一a条︶。これに何が含まれるかについては、厳密には必ずしも明らかではないが、       ︵45︶ おそらく各種の事業についての営業許可手続などが想定されているものと思われる︵計画確定手続は、明文で適 用が除外されている︶。経済活動の多くについては、法的規制が錯綜しており、複数の官庁の影響が絡み合って、 申請者にとって不透明かつ煩項な手続となってしまう例が少なくない。これについて、市民とのコミニュケーショ ンの重視という近年のドイツの手続理念に基づきつつ、わかりやすい形に整理し、事業の促進をはかるのが立法 33

(17)

行政手続促進論の展開       ︵46︶ の目的といえる。  まず、一般に、こうした許可手続については、許可官庁は、前記の改正一〇条によって行政手続全般に要請さ れる迅速化を越えて、手続を相当な期間で終結させ、さらに申請によって特別に促進させることができるように、 法的あるいは事実上の可能な措置をとるものとする、とされる︵七一b条︶。これによって、以下に規定されてい る措置以外にも、各官庁が独自に手続促進のための措置︵制度の創設や人員の配置など︶を実施することが期待         ︵好︶ されているのである。具体的には、従来から提唱されて、すでに一部で実施されているプロジェクト・マネー ジャー制や申請者の費用負担による︵特別の人員などの配置増による︶手続促進などが想定されているものと思 われる。  口 もっとも、本法自身が用意している促進策は、それほど多くはない。第一の柱は、許可官庁による情報提 供の拡大である。まず、可能な手続促進策について情報が提供されなければならない︵七一c条一項︶。さらに、申 請の以前に、いかなる証拠書類などを提出すべきか、どのような鑑定が手続で評価されるか、どのような措置を 利害関係者などにとるべきか、あらかじめ裁判によって事実を確定しておくことが必要か否か、について申請者 との協議に応じるべきこととされる︵七一c条二項︶。要するに、手続における審査を短縮するために申請者の側で 事前になしうる準備を協議するわけである。また、申請後には、遅滞なく、申請書類などに不備がないか否か、 どのくらいの期間が手続に予想されるか、について通知すべきこととされるのである︵七一c条三項︶。  つぎに、複数の官庁が手続に関与する場合の措置として、まず、許可官庁は、申請者の要請によって、申請者 34

(18)

東洋法学

と関与する諸官庁との協議の場を設けるべきこととされる︵七一e条︶。さらに、とくに申請者の要請があった場 合などには、許可官庁は、関与する諸官庁に対し、一定の期間内に意見を提出することを要求することができる ︵これを﹁星印手続︵ω8ヨ<R融ぼ窪︶﹂と呼ぶ︶。そして、この期間の経過後に提出された意見は、原則として手 続において考慮の対象とされないこととなったのである︵七一d条︶。これによって、関係官庁間の意見の調整な どによって手続が不当に遅延し、申請者が不利益を受けるといった事態が避けられるというわけである。  ㊧ ここに規定されている措置は、ほとんど行政の内部的な措置によっても実現可能な措置であり、実務上は、 すでに一部で実施されているものも少なくない。さらに、申請者に新たな手続的権利を付与するものでもないし、 第三者などの既存の手続的権利に制約を加えるものでもない。したがって、必ずしも法改正を必要とするもので          ︵4 8︶ もなかったとも言える。むしろ、政府の提案理由も明言するとおり、新たに挿入された許可手続に関する諸規定 は、許可官庁に対して、手続促進のために可能な措置を実施すべきことを促すシグナルとしての機能が期待され         ︵49︶ ているものと言える。だからこそ、それが適用される許可手続の範囲が必ずしも明確でなくとも足りるというこ とであろう。それだけに、この制度の実効性は、これをうけて各官庁が実施する促進策の内容にかかってくるこ ととなろう。 五 む す び ⑭ 周知のとおり、ドイツにおいては、今回の改正の対象となった連邦の行政手続法と並んで、各州が州行政 35

(19)

行政手続促進論の展開 手続法を持っている。そして、州の行政機関によって実施される行政活動については、州法に基づくものはもち ろん、連邦法に基づくものについても、州の行政手続法が適用される仕組みとなっている︵連邦行政手続法一条三 項︶。一方、ドイツの現行制度においては、連邦法の執行についても、連邦自身の行政機関によってなされること は希であり、その多くは州の機関によって執行されることとなる。たとえば、大規模プロジェクトについての計 画確定手続についても、連邦の機関が実施するものはドイツ鉄道や連邦運河などについてのものに留まり、連邦 遠距離道路法に基づく道路や連邦航空交通法に基づく空港など、その多くが州の機関によって実施されることに なる。その結果、多くの行政手続は、州の行政手続法によって実施され、連邦の行政手続法が適用される事例は、 実際には必ずしも多くはない。  もっとも、従来の行政手続法は、連邦と各州との間で内容的な違いは全くなく、どちらが適用されても実質的 には全く違いは生じないこととなっていた。そもそも、行政手続法の制定に際しては、連邦および各州の内務省 による合同委員会によってモデル草案が準備され、それに沿って、ほぼ同時に連邦と各州の立法がなされたとい う経緯があり、両者の間に食い違いが生じないように配慮されてきた。さらに、これに沿って連邦や各州におけ る個別法の手続規定も整理が進められたのである。  ところが、今回は、連邦政府の主導によって、連邦の行政手続法のみが改正された。もちろん、州政府を代表        ︵50︶ する連邦参議院の審議を経ている上、政府案の立案過程においても各州の意見は聴されている。そもそも、手続 の促進は、州政府の要求でもある。しかし、合同委員会による草案作成という手続が踏まれていないため、各州 36

(20)

東洋法学

が直ちに連邦に追随するという保証はなく、少なくとも当面は連邦と各州との行政手続法の食い違いが残ること となる。しかも、各州の行政手続法が適用される場面がほとんどであるという現実を前提とすれば、これが改正       ︵駁︶ されない限りは、今回の立法目的である手続促進の効果は薄いわけて、各州の対応が注目される。  ⇔ さらに、とくに計画確定手続などについては、行政手続法の規定に統一を図ることが当初からの基本的な 方針であったにもかかわらず、冒頭で述べたような手続促進の流れの中で、交通計画簡素化法などによって連邦 遠距離道路法などの個別法に多くの特別規定がおかれることとなった。もちろん、これらは一般法である連邦や 各州の行政手続法に優先する。これら特別規定の内容の多くは、今回の改正によって連邦の行政手続法に取り込 まれたわけであるが、個別法の整理は、見送られている。すなわち、前述のとおり、たとえば、州の行政機関に よって実施される連邦道路の計画確定手続については、一般法としては各州の行政手続法が適用されることとな るから、これが改正されない限り、連邦の行政手続法が改正されても、連邦遠距離道路法の特別規定を整理する わけにはいかないのである。  行政手続法の不統一は、手続の混乱を招き、さらには決定の手続的報疵の原因ともなりかねない。そして、こ       ︵52︶ れが手続の遅延にもつながるとすれば、今回の立法の目的とも矛盾する結果となる。したがって、その統一は、 緊急の課題ということとなるが、必ずしも容易ではあるまい。まず、今回の連邦の行政手続法の改正に準拠して、 各州がそれぞれの行政手続法を改正しなければならない。さらに、こうした一般法の統一を待って、これらに沿っ て、連邦や各州の個別法の手続規定の整理を実施するという手順が必要となろう。こうした作業が短期間に完遂 37

(21)

行政手続促進論の展開 できるか否かによって、今回の法改正による目的達成の成否が大きく左右されることとなる。 ︵1︶ 山田洋・大規模施設設置手続の法構造三四四頁︵終章二節﹁計画手続の促進﹂︶。 ︵2︶ こうした傾向を代表するものとして、ごB薫①一薦暮碧9雪這まα8菊緯①ω<9ω8牙Rω薮且蒔8霊﹃d旨類①霊    富鴨員NξdBωΦ旨巨鵬Φ冨乙雲Φ浮聾−qB奉一け閃R8辟窪身薯一&琶堕野且Φω富磯∪歪。訂8訂一ω\占。。 。”ω。①。 。律 ︵3︶ 手続の促進については、近年も無数の文献があるが、最近までの動きを総括するものとして、因8ざ&貫閃83−    目窪巳讐轟αRくΦ詩①ぼ塁畠8一き琶ひq︸くΦ毫≧。げ一88ω一G 。韻・ ︵4︶O①ωΦ9釜二W8。巨Φ§蒔彗のαR謹讐琶鵯巳鐸くΦ詩Φぼω壽鵯ぎα窪器q9憲&①旨ωo壽律い讐巳W9ぽ己①.    一N。一8一︾ω○国。Hω.曽置団い ︵5︶○Φω①訂N自申一Φ一畠8旨§磯<o巳箋Φω蜂一〇昌8琶ααR>拐壽一ω§閃仁且ωRΦ一けω邑一琶磯<・昌≦○﹃目訂巳四&蔦ド    占8ρωO閃一●Hω●ま①斥 ︵6︶ のΦωΦ訂N9くRΦ鼠餌畠彗閃αR国彗巨窃<R賦ぼ窪剛費く①詩。ぼω幕閃Φ<・一刈●一N・一8G 。扇O一W一昌ω■N旨。 。斥 ︵7︶ これについては、閃8竃註貫くR妻>8げ一88ψに無h ︵8︶ゆ巨αΦω巨三ω什Φ旨B︷費薫冒けω。訂沖︵牢超︶﹂薯①ωけ一8ωま三R琶磯血旨9留図崔ΦO窪魯日一閃§暢<Φほ鋤ぼ9    ︵一8“yψ霞。 ︵9︶穿ヨ貫︷Φ冨ωO①ωΦ幕ωNξω。ω。巨Φ琶碍琶閃く90雪魯昌ひq巨ひqω<Φ壁ぼΦPω巨qΦω$鵬∪毎。厨8冨一ω\ω。㊤ρψ     罵h ︵10︶穿薯貫︷ΦぎΦωO①ω09①ωN貫︼WΦω。巨Φ琶碍琶ひQ﹃琶αくR①鼠鋤畠琶鵬くop冒巨ωω一〇霧ω。ゴ目8臣一魯RO窪Φげ−    巨閃⋮暢<Φ瀞ぼ①pω琶αΦω富ひQU歪良ωm9①一ω\。 。。。ρω。霞◎ ︵n︶穿暑鼠Φ一器ωω8げω雪○ΦωΦけNΦωN弩ぎαR琶鵬αRく①暑四犀§ひqω鵬g。募・巳壼鑛§α四且Φ§o①の欝ρ 38

(22)

東洋法学

︵12︶

1413

18 17 16 15 )  )  )  ) ︵19︶ ︵20︶ ︵21︶ ︼W信oα①ω鼠閃U毎o犀ω四〇げΦ一〇 〇\ω8ω一ω●罷勝  立法の経緯については、ω9巨貸\譲8器且o貸 U器 O窪魯巨讐躍零R貯ぼ窪筈80匡①琶碍彗鵯鷺ωΦ言−Zo8 勾紹①一巨閃①三目く①暑巴け§甥<Φ岳ぼgω鵯ωΦ冒仁且αRぎ塁9聾ω器&。耳U①葺ω。巨き92く巧N一。。9ω。。雛h ω邑一巨ひq轟げ幕8ω野且①ω曇扇琶αΦ器磯U霊良器昌巴ω\。 。。。9曽段.  浮ヨqほΦぎoωO。ωgNΦωN貫ω一魯o﹃琶四8ω譲葺ω昌鉱けωω$民・誘UΦ旨ω。匡僧鼠α旨魯︼WΦω9一Φ巨蒔§ひq琶α くR①営貯9巨鵬qR>巳謎①目巳器ω§鴨<①ほ蝉ぼoPω仁且Φω富閃U凄o訂8冨る\一魔㎝”ω.H律この法案は、今回の促進 法の成立により、﹁処理済み﹂とする措置が採られている。  浮ω。巨島§鳳。匡琶ひq⊆巳ω亀魯孟。ω一琶窪きωω。ピωω。ω扇琶8ω汁甜98厨8冨一。 。\㎝。・ 。μω’霞・  ωo﹃]B一“\ミΦωωΦ昌α○ほ導Z<名N一〇㊤ρωb㎝S  OΦωΦ“N貫一WΦω。匡Φ巨蒔§ひq<gO8魯巨鵬巨鵯く①ほ9ぼ窪<●一N・。お。ρ切○ω=ω.H誤良.  OΦωΦ訂Nξ切Φω。巨①§お§αq§α<R①巨餌魯§閃<g首巨ωω一8ω。 D。ど霞8匡一。ゲRO窪魯ヨ蒔琶賜<Φ5ぼΦp‘ P一〇●一〇〇ρ切Oω一﹂ωレ“OO Q陳願 ω8げω§○Φω。訂NξぎαΦ歪轟αR<Φ暑曽一g轟ω鴨目酵けω・巳巨轟琶g区Φ義OΦωΦ幕乱一.一一・一8ρ団Oω二ω. 一$O眺h  OΦωo冒Nξ諏嵩αR二p閃<R零巴9昌鵯く段貯訂窪段9窪一一畠R<9零ぼ捧魯くP伊一8ρωO望﹂ψ臼①律この改正は、 要するに、補助金の交付決定などについて、その交付後に目的外使用などの交付条件違反が生じた際などに、その返 還を求めるため、決定を遡及的に﹁撤回﹂しうることなどを明文化したものである。  今回の行政手続法改正の解説として、ω9日一9\≦8器且o貸ZくゑN一8ρωb田鎮こ鑑ρωΦωo巳窪巳讐轟<9 0曾魯巨磯琶鵯<R富ぼ窪惹畠αΦ日OΦ昌魯巨閃琶ひQωくΦ感9 。冒gωσ①ω。霞Φ巨蒔巨ひqω鴨ωの貫q℃肉H8ρψG 。①一拝ω呂9 u凶ΦωΦω&Φ巨蒔琶鵯8<Φ一一①巳。。ρuく団一。一§︸ω鵠窪る8Fω霞q簿幕=Φぎq雲躍α①ωくΦ暑餌巨轟ω黄馨− H窪ωαξ魯3の○窪魯aひQ巨閃ω<R貯ぼ窪ωび①ω。巨。巨蒔巨鴨鳴ω①貫Zく薫N一8凶ψ認霞. 39

(23)

行政手続促進論の展開 ︵2 2︶         27 26 25 24 23 ︵28︶ 32 31 30 29 36 35 34 33  行政手続法四五条による手続的蝦疵の治癒について、従来の判例や学説の包括的な解説として、海老沢俊郎・行政 手続法の研究三〇六頁、高木光・技術基準と行政手続一五〇頁。  この点について、薗8ぎZく≦N一88ω●器緊,  ωo﹃ヨ一9\ミ①ωω窪qO臥︶Zく≦N一〇〇9ωb鴇。  ω魯日津N\薫ΦωωΦ昌α○拝Zく薫N一89ωb㎝o 。●  ωOpぎZく≦N一〇〇8ω・ω腫h  行政手続法四六条については、多くの紹介があるが、ここでは、海老沢・前掲注︵22︶三四一頁、高木・前掲注︵22︶ 一六〇頁、を挙げるに留める。とくに、施設設置手続との関連では、その他の文献の引用なども含めて、山田・前掲 注︵1︶二八六頁︵第四章第一節⇔﹁手続蝦疵と決定内容への影響﹂︶。  ωくR≦ρd拝<・8動這o 。♪劇くR名○国OPo D●謡父謡8︶●この判決とそれをめぐる議論については、山田・前掲注 ︵1︶二八八頁。  ○①ω①g窪ヨ弩︷くΦ暑聾§暢<R貯日8ωひQΦωΦg8︶野&Φω富ひqU⊇。訂8冨。\一ミωあ●にh  O①ω①言①pヨ貫胤く①暑巴ε鑛ω<R貯ぼ8ω鴨ωog①ω扇毒α①ω鼠αqU毎。厨8冨刈\。一。あ’一壁  劇oづぎZ<≦N一〇〇8ψo oN竃。  ドイツにおける施設設置手続の全体的なシステムについては、さしあたり、山田・前掲注︵1と頁︵序章﹁施設設 置手続の基本設計﹂︶。  団Φ噸ぎ身轟”劇仁づαΦω富閃∪歪畠ω8箒一ω\G 。OO9ω、一〇●旧ω畠B一冒\≦①ωωΦ旨αo貸Zく薫N一89ωb①9  ω○昌ぎZく≦N一88ω.認ω。  励○昌ぎ乞く名N一88ψ器ωゆ  排除効の制度について詳しくは、文献などの紹介を含めて、山田・前掲注︵1︶一四八頁︵第二章第一一節﹁手続参加 と排除効﹂︶。 40

(24)

東洋法学

40 39 38 37 )  )  )  ) ︵4 1︶ 52 51 50 49 48 47 46 45 44 43 42 )     )     )     )     )     )     )     )     )     )     )  ωく①蔑ρωΦω魯一。<甲。 。’刈’お。 。紳︼WくR胤O国①どψ。 。N︵一。。舜y  Uユ辞Φω因Oo辟ωびRΦぎ凶閃q昌磯詔Φω09<bo o。8一80︾団O田HψH器罵勝  ω○昌FZく壌N一8凶ψ認P  計画許可の制度については、すでに多くの研究があるが、最近のものとして、内a讐ミωoど亘<Φ諜筈目睾呂窃9− 一Φ§置琶ひq身零げ勺一き鴨昌魯巨ひQ琶磯NΩ霊ωけ8αΦω馨Φ鴨凶Φ旨Φ昌d日名①一富。ゴ冒Φ鴨2仁勾H8㎝︶ψ認罫>図g9Φ 囚8NΦ旨轟賦o湧&目ざ轟αR℃一き閃8魯呂鵬=畠︸Uαく一。。9ψお㎝拝空おΦ一9①国曽轟g魯昌讐轟巨寄oげ− ℃一曽壼轟ω89又一8①yω。一拝O鋤ωω器目k霞臼①一〇房け①一一§ひQαR勾Φ。浮ω惹詩目鵬<g国き8ω什ω叶Φ一一§閃仁巳=きひQg魯− ]B蒔qロ騨Z信園一〇〇ρω。島①顕  計画許可に際しては、自然保護団体の参加も省略されるとする決定として、ゆ<R≦ρ㊥Φω魯一≧ま9寅一8♪Zg勾 一89ω﹄“刈憾  o o魯巨9\ゑΦωωΦ鼠○益Zく名N一。。ρψ㊤①。。  この問題の従来の経緯については、山田・前掲注︵1︶三〇五頁︵第四章第二節﹁較量過程の蝦疵と計画﹂︶。  ω什qΦぴUくω一。一〇〇Sω●G oωH9  適用範囲が不明確であることについて、ω8〆Zく薫Nお零︸ψG 。曽。︸蜜αρd勺丙H8ρψま銀  ω①㎎冒身昌堕ω巨αΦω$閃U歪。厨鋤9巴ω\ω89ω・。 。・  一餌αρO勺肉一8ρψω窪h  G Do﹃ヨ津N\名ΦωωΦpα○同赫2く妻N一8ρωb㎝o o勝  切Φ磯急昌α信昌堕団二昌αΦω鼠閃U歪o誘碧げΦHo 。\o 。89ψo o.  ω魯巨臼\ミΦωωΦ&o員Zく毛N一。。ρψ3①h  ω9Φび∪≦W一●一。。凶ψωωド  ω魯巨訂\≦ΦωωΦ巳o昼Zく妻N一。。ρω.。①斥 41

参照

関連したドキュメント

ライセンス管理画面とは、ご契約いただいている内容の確認や変更などの手続きがオンラインでできるシステムです。利用者の

本手順書は複数拠点をアグレッシブモードの IPsec-VPN を用いて FortiGate を VPN

学校の PC などにソフトのインストールを禁じていることがある そのため絵本を内蔵した iPad

「特殊用塩特定販売業者」となった者は、税関長に対し、塩の種類別の受入数量、販売数

省庁再編 n管理改革 一次︶によって内閣宣房の再編成がおこなわれるなど︑

行ない難いことを当然予想している制度であり︑

者は買受人の所有権取得を争えるのではなかろうか︒執行停止の手続をとらなければ︑競売手続が進行して完結し︑

それゆえ︑規則制定手続を継続するためには︑委員会は︑今