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福祉のまちづくりに関する研究第 1 報

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Academic year: 2021

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(1)

長崎大学教育学部 一社会科学論叢 一 第57号 1‑14(1999)

福祉のまちづ くりに関す る研究 第 1報

一 福 岡市 の歩道 ・公 図 ・公 共交通 機 関 の バ リア フ リー につ いて ‑

秋 山 晴 子 *・藤 田 昌子 = ・金谷 玲 子 書目

On Makir唱 anAccessibleCity(1)

‑ Thepresentsituation ofba汀iersonpavements,parks,andpublic transportfacilitiesin Fukuokacitythathinderthedisabled‑

Akiyama Haruko,Fujita Atsuko and Kanaya Reiko

Abstract

The purpose of this study is to clarify the presentsituation aboutbarrier removalon pavements,parksand publictransportfacilitiesinFukuokacity tohelp disabledpeople.Forthatpurpose,Weinvestigatedeverystreetandpark withinone kilometeroftheJR.HakataStation.Weincluded an investigation oftheJR.Hakata Station itself,the Hakata Subway Station and Fukuoka BusCenter.

In the existing locationsthere are many barriersthathindered the disabled even around the Hakata station which is one of the most crowded places in Kyushu,and there are few streetswhich are designed from the pointofview of walkers.Some ofthe newly made streets,including crosswalksare designed with nocurbsintendingabarrier‑freestreetforthedisabled.Thetendencytobebarrier‑ freearealsoobserved in parksand publictransportfacilities.There issomehope forthe future circumstancesofFukuoka.

On theotherhand,wealso discovered thatthecausesofcity'sbarriersthat hinder the disabled were notonly because ofa lack ofwelfare policy butalso because ofinconsiderate citizens‑those who park bicyclesin illegalplaces,etc.. Weconcluded thatchangeson ()urconsciousnessforthedisabled areindispensable to build a barrier‑free town besidesmaking changesin welfare policy.

' 長崎大学教育学部家庭科 Faculty ofEducation,NagasakiUniv.

=

奈良女子大学大学院生 GraduateStudent,NaraWomen'sUniv.

=●

下関福祉専門学校 (非) ShimonosekiWelfareCollegeLecturer

(2)

2 福祉のまちづ くりに関する研究 第1報

1.は じめに

福祉 の ま ちづ く りは, 高齢 者 ・障害者 な どの 日常 生活 や社 会 生活 を制 限す る さま ざまな 障壁 を取 り除 き, 自 らの意 志 で 自由 に行 動 で きて容 易 に社会 参加 が で き るす べ て の人 にや さ しい社 会 を築 く, す な わ ちノーマ ライゼ ー シ ョンの理 念 に基 づ い た整 備 を 目指 す もの で あ る。

表 1は, わ が 国 で の福 祉 の ま ちづ くりの歩 み と世 界 の動 きを簡単 に示 した もの で あ る

わが国での福祉 の まちづ くりの動 きは

,1 9 6 9

年 の仙台市 に始 ま り, その後各種 の市民運動 や 障害者 の生 活 圏拡 大運動 が,福祉 の まちづ くりの先駆 的役割 を果 た して きた。 そ して

,1 9 7 3

年 に は厚 生省 が 「身 体 障書 者 福祉 モ デル都市 事 業 」 を開始 し,今 日の福 祉 の ま ちづ くり制 度 の先駆 け とな った。 その後 ,各省 庁 や都 道 府 県市 町村 は福 祉 的視 点 か ら地 域整 備 を進 め て きたが

,1 9 8 1

年 が国際障尊者年 で あ った こと も関係 して,

1 9 8 0

年代 の前半 まで は身体 障害 者対策 を中心 にま ちづ くりは展 開 され た

。1 9 8 0

年 代の後半 か らは,社会 の高齢化 が ます ます 意識 され るよ うにな り,高齢者 関連 の施策 が打 ち出 され るよ うにな った

。1 9 9 0

年 代 に入 ると 国際 障書 老年 の終 息 か ら,主 要 都市 で建 築 条例 や ま ちづ くり条 例 が 出 され, それ らを き っ か け に福 祉 の ま ちづ くりは大 き く変 わ り始 め た。 各省庁 で もま ちづ くりや交 通対 策 等 の都 市環境整備 な どの施策 が活発 に展開 され, なか で も

,1 9 9 4

年 に施行 され た‑ ‑ トビル法 は, わが 国唯一 の全 国 レベ ル で の ア クセ ス基 準 を有 し, その後 の地 方 自治体 の条 例基 準 に大 き な影響 を与 え てい る。 その後,各 自治体 では ま ちづ くり条例 や要綱 ,指針 な どが作成 され, 活性 化 して きて はい るが, その対応 には大 きな差 がみ られ る

。1 9 9 0

年代 にお け る福祉 の まち づ くりの対 象者 は, 障書 者 や高齢者 に加 え て子 ど も,妊産婦 ,怪 我 な どで一 時 的 に障書 を もつ者 な どに も広 が りを みせ,現在 で は 「す べ ての人」 に まで拡大 して きて い る しか し

「福 祉 の ま ちづ くり要項 」 な どに よlって配 慮 され て い るの は,車 いす使 用者 ,視覚 障害 者 が ほ とん どで あ り, 高齢 者 で さえ も7割 に と どま り,特 に子 ど もや 内部 障害 者 ・精 神 障害 者 はあ ま り対 象 と され て い ない状 況 で あ る 高齢 者 ,子 ど も, 妊産 婦 ,身体 障尊 者 ,外 国 人 な どを生活 弱 者 とと らえ た場 合, 彼 らは身体 特性 や 日常生 活行 動上 の特徴 を考慮 して, 個 々の建 築物 の整 備 に加 え て, それ らを安 全 か つ快適 につ な ぐ道路 ・交通 の整 備 , す なわ ち点 か ら線 , さ らには面 へ と広 が るよ うな‑ ‑ ド, ソフ ト両 面 か らの幅広 い整 備 が望 まれ て い る

福 祉 の ま ちづ くりの考 え方 は ノ‑マ ライゼ ‑ シ ョンをベ ー ス と して い るがバ リア フ リー デザ イ ンを一 つ の実 践手 段 と して い るので,本 研 究 で は,バ リア フ リーの ま ちづ くりの実 態 を把握 し, これ か らの ま ちづ くりの あ り方 を探 る ことを 目的 と して い る。第1報 で は, 博多駅 周辺 にお け る歩 道 ・公 園 ・公 共交 通 機 関 につ いてのバ リア フ リー状 況 を明 らか にす

2.研 究 方法

(1) 調査 対 象地 区

福 岡市 は福 岡県 の県庁 所在地 で,県 の北 西部 に位 置 して い る 人 口

1 , 2 7 3 , 8 3 3

人 の うち 恒久 的な生活弱者 と もいえ る高齢者 は

1 5 9 , 7 5 7

人 (高齢化率

1 2 . 5 %,1 9 9 8

年9月

3 0

日現在), 身体 障著者 は

3 3 , 8 3 5

( 1 9 9 8

3

月現在 )であ った。身体 障害者 の うち,車 いす使 用者 は 把握 され てい ない が,

1 9 9 7

年度 に市 か ら車 いす を送 られ た人 は

5 8 0

人 (福 岡市社会 福祉協

(3)

秋 山 晴子 ・藤 田 昌子 ・金谷 玲子

表1 福 祉の まもづ くり時系列表

3

福 祉 の ま ち づ く り 関 連 の 主 な 施 策 国

海 外

地 方 自 治 体 等 ノーマライゼーシ ョンの動 き (北欧 )

身体障害者のアクセス基準 (栄 ) 建築物障壁法 (米)

仙台市で福祉 の まちづ くりの動 き始 まる

厚 生 省: 身 体

障害者福祉 モデル都市事業

建 設 省: 歩 道 及

び立体歩道施設 の構造 について

国連障害者生活環境専門家会議バ リア フ リー決議

建 設 省: 官 庁 営

繕 の身休障害者 に対する暫定処置

に つ い

て (1981設計指針) 町田市 ・.建築物等 に関す る福祉環境整備安納 リ‑ ビリテ‑ション法 504条 (障害者差別の禁止 )(栄 )

厚 生 省: 障 害 者

福祉都市推進事業

郵 政 省: 郵 便 局

出入 り口のス ロープ化 神戸市 :神戸市民 の福祉 を守 る条例 国際障害者年 (国連)

国連 ・障害者の10年 (〜'92)

運 輪 省: 公 共 交 通

ター ミナル身障者 用施設を備

ガイドライ ン (94年改訂 ) 国鉄 :点字ブロック設置義務化

建設省 :視覚障害者誘導用 ブ ロック設 置指針

閣議決定 :長寿社会大親

厚生省 :ふるさと21健康長寿 まちづ くり事業

障害 を もつアメ リカ人法 (ADA) (栄 ) ヵ年戦略 (ゴール ド

プラン)

厚生省 :住 みよい福祉 のまちづ くり事業

建設省:福祉 のまちづ くり事業

自治省:地域福祉推進特別対策事業 (高齢者 ・障害者 にや さ しいまちづ くり)

運輸省 ・.鉄道駅 におけるエ スカ レー ター整備指針

神奈川県、兵庫県 :建築基準条例改正 (福祉的対 応導入 )

大阪府、兵庫県 :福祉 のまちづ くり条例公布 福岡市 :「福岡型福祉社会」のための環境づ くり

指針

国連 ・アジア太平洋障害者 の10年 (〜2002)

999

障害者基本法

運輸省 :鉄道駅 におけるエ レベー タ1‑整備指針 建築省 :道路構造令改正

建設 省 :高齢者 ・身体障書者等が円滑 に利用で きる 特定建築物 の建築 の促進 に関す る法律 (‑‑ トビル法 )公布

建設省 ・.生活福祉空間づ くり大兵円 建設省 :人 にや さしいまちづ くり事業

厚生省 :障害者や高齢者 にや さ しいまちづ くり推進 事業

文部省 :学校施設等 における高齢者、障害者等の円 滑 に利 用で きる建築物 の建築促進 につ いて 建設省 ・厚生省 :福祉 のまちづ くり策定の手 引き 建設省 :バ リア フ リーのまちづ くりプ ロジ ェク ト

福岡県 :福祉 のまちづ くり条例 (一部施行 ) 福岡市 :福祉 のまちづ くり条例 (一部施行 )

国際高齢者年 ( 国連)

福岡県 :福祉 のまちづ くり条例 (完全施行 ) 福岡市 :福祉 のまちづ くり条例 (完全施行 )

(4)

4 福祉のまちづ くりに関する研究 第1報

議 会, ただ し, この制度 は昭和

2 2

年 か ら続 け られ,古 くな って また もらう人 や修理 しなか ら使 う人 が い るの で,延 べの人数 はわか らない),市 か ら レンタル してい る人 は,手動 が

1 1 0 8

人,電動 が

4 3

人 (福岡市高齢保健福祉課) とい う状況 であ る調査対象地 区は,九 州 で最 も人 の 出入 りが多 く,最 も繁華 で発展 してい るはず のJ

R

博多駅 博多 口周辺 す な わ ち表 (西 )側 1km圏内 とす る この地 区 は,∫R博多駅 博多 口か ら中洲 までの間 にあ た り,銀行,生命保 険会社, ホテル,都市計画 の一環 であ る複合商業施設キ ャナル シテ ィ 博 多 な どの ビル が林立 してい る ところであ る。地域住 民 の生活 の場以上 に他市 ,他県 か

らの来訪者 の多 い地 区で もあ る

(2)調査 項 目 :歩道,歩道上 の設備 ,公 園,公共 交通 機 関

(3) 調査 時期 :平 成

1 0

年7月

1 8

日,9月

1 2

日,9月

2 6

日,

1 0

月6日,

1 0

2 4

日 (4)調査 方 法

「福 岡市福祉 の まちづ くり条例」 は

1 9 9 8

年4月

1

日か ら施行 され てい るが,一部 のみで あるので,主 に

「福岡型福祉社会

のための環境 づ くりり指針 (

1 9 9 2

年)

に準拠 しな か ら,JR博多駅 博多 口周辺 す なわ ち表 (西)側1km圏 内の実測調査 を行 った。

3.括 黒 と考 察 (1) 歩道

1)歩 道 の整 備状 況

狭隆化 した国鉄博多駅 の移転 に伴 い,福 岡市 は博多駅地 区土地 区画整理事業 を

1 9 5 3

年 か ら本格 的 に進 めていた

。1 9 5 8

年 に都市改造事業 と して国 の認可 を受 け

,1 9 6 0

年 に竣工 し, 新博多駅 を中心 に幹線道路 が放射線状 に整備 されてい った

。1 9 6 3

年 に新博多駅 が開業 し, 線路 を連続 高 架 と して道路 と立体 交差 させ た ことによ り,新駅 周辺一帯 に近代 的 な道路 網 を形成す ることができ

,1 9 6 4

年 には駅前地下街 を完成 させ るな どさまざまな整備を して,

1 9 7 0

年 に駅前開発 は完 了 した。 なお,

1 9 6 9

年 と

1 9 7 0

年 には, この事業 が都市改造 の成果 を 十二 分 に達 成 した土地 区画整理事業 であ った と して,全 日本 建設技 術協会 と建設大 臣か ら連続 して表彰 を受 けてお り,開発事業 と しては進 ん だ ものであ った

。1 9 9 6

年 に工場跡地 の再 開発 と して建 設 され た複合商業施 設 キ ャナル シテ ィ博多 は,本 調査対 象地 区の西端 に位 置 して い る

1 9 7 3

年 には建設省 の 「歩道及 び立体横断施設 の構造 につ いて」 において,道路 の歩車道 の段 差 切 り下 げや誘導 ブ ロ ックの敷設 の しか た, 有効 幅員 の基 準 な どが示 され た(1)。 そ の後,

1 9 9 3

年 の道路構造令 の部分的改定 によ り,最低幅員 が従来 の

1 . 5 m

か ら

2 . 0 m

にな っ たことと,歩道の上 に置けなか ったベ ンチの設置が可能 にな ったことの2点が変更 され た

(D歩車道 の分離

図1に示 す とお り,調査対象地 区では幹線道路, キ ャナル シテ ィ博多周辺 の道路,∫R 博多駅 か ら市 役所 までの道路 の歩車道 は分離 して い る キ ャナル シテ ィ博多周辺 の道路 は, キ ャナル シテ ィ博多 の開業 に伴 い,近年整 備 され た箇所 であ る調査 対象地 区の う ち,上 記 か ら外 れ る北東 ,北西,南東 ,南 西部 には,歩 車道 を分離 す る もの は白線 しか ない. または 白線 さえ もない道路 が多 くな ってい る 歩道 の整 備 は,人 の通行量 と関係

してい る こ とが わか った。

地下 道 は,∫R博多駅 か ら北 西方 向 に整備 され てい る地 下 道 は,車 との接触 が ない

(5)

秋山 晴子 ・藤田 昌子 ・金谷 玲子 5

ため,通行 (水平移動 ) には非常 に安 全 な歩道 であ るが,垂直移動手段 と して はエ レベ ー ターは ほ とん どな く,階段 が多 い.。横 断 歩道 で は,二 輪 車 用 の スペ ー スが 区分 して あ っ て も,歩行 者 が多 いため混 在 して しまい,二 輪車 用 の スペ ース は用 を な して い な い と こ ろが あ る。 また,車 優 先 社 会 を象徴 す る歩道 橋 がない こ とは, 調査 対 象地 区 の特 徴 で あ る 歩 道 橋 が な い とい う点 で は, 歩行 者 ,特 に生活弱者 に と って や さ しい ま ちで あ る と いえ る

(塾有 効 幅 員

調査 対 象地 区 で有効 幅員 が2.0m以 上 あ った歩道 は, 図2に示 す通 りで あ る。 最大 有 効 幅員 は

T

通 りの4.3m (幅員7.4m)で あ る.有効 幅員 は

2 .

0m以上確 保 して あ って も,逮 法 駐車 ・駐 輪 ,看 板 な ど不 法 に 占有 され たバ リア によ って狭 め られ て い る所 もあ る 育 効 幅員 を狭 め る もの‑ の対 策 と して,電 柱 ,標識 ,樹 木 な どの恒 久 的 な もの に対 して の 設 置位 置 や電線 を地 中 に埋 め るな どの配 慮 が な され るべ きで あ る 今 回数 多 くみ られ た 不 法 に 占有 され る もの に対 して は,指導 の継続 ・強化 ,違 法物 の強制 撤 去 ,標 識 な どに よ る啓発 , 車止 め等 に よ る物 理 的対策 な どに よ って有効 幅員 を狭 め られ る こ との な い よ うに してい くことが望 まれ る

地 下道 の有 効 幅員 は十 分 に確 保 され てい たが,側溝 に蓋 が な い とい う点 は,配 慮 が足 りない所 で あ る。横断歩道 に関 して は,幅員30mに対 して,青信号 の点灯 時 間 が30秒 とい う, 晴 れ た 日で も健常者 が や っ と渡 り切 れ るよ うな時 間 しか な く,安 全 か つ 容 易 に渡 る こ とが で きな い所 が あ る 車 優 先 で は な く,歩 行者,特 に生 活 弱者 を優 先 した横 断歩 道 の整 備 が必 要 とな る

③ フ ラ ッ ト型 の歩 道

歩道 は,歩行者保護 の ため に昭和40年代 の交通戦争 と言 われ た時代 に車道 よ り一段高 く つ くられ た。 この マ ウ ン ドア ップ型 の歩道 は現 在 で も多 く存在 して い るが, 交差 点 や車 の 出人 用 の切 り下 げの た め,歩 道 面 が 凸凹 にな ってい る その切 り下 げ部 分 の勾配 は8

% (約

4 . 5

0)以下 (2)とされ て い るが, 図

3

に例 を示す よ うな基準以 上 の勾配 の切 り下 げ

図 1 歩車道 の分#状況

(6)

6 福祉のまちづ くりに関する研究 第1報

が み らる特 に,急な横断勾配 が あ る歩道 や,縦 断傾斜 がつ け られず最高9cmの段差 の まま とな っ て い る歩道 が あ り,車 いす ・バ ギ ー使 用者 や視覚 障尊 者 な どの生 活弱者 のみ でな く,一 般 の歩行 者 に と って も危 険 な状態 とな ってい る 路肩 ブ ロ ッ ク,植 樹帯 ,車止 めな どによ り,歩車道 を分離 す る ことによ って安全性 は確保 で きるので,車 道 と ほぼ 同 じ高 さに し,歩行 が安 全 かつ楽 にで きる切

り下 げのない フラ ッ ト型 の歩道 が現在 で は望 ま し い と されてい る しか し, 図4に示 す よ うに,調 査 対 象地 区 で フラ ッ ト型 の歩道 は近年 開発 され た キ ャナル シテ ィ博多 の周辺 に しか整備 され て いな い。

④ 視 覚 障書 者 用誘導 ブ ロ ック

調査対 象地 区で視覚 障書者 用誘導 ブ ロ ックが整

①交差点にお ける切 り下 げ

②車 の出入 り用の切 り下 げ

図3 歩道 の切 り下 げ

備 され てい た歩 道 を図

5

に示 す。線 状 ブ ロ ック ・点状 ブ ロ ックと もに,主要 な幹 線 道 路 と市 役 所 周辺 , キ ャナル シテ ィ周辺 の歩 道 しか設 置 され て お らず,視 覚 障書者 が安 心 し て移 動 で き る範 囲 は ご く限 られ て い る そ の上 , ブ ロ ック上 に看板 ,遵法 駐輪 自転 車 の み な らず市 の ごみ箱 が設 置 され て い る と ころ もあ り, ブ ロ ックは機能 して い ないば か り かバ リア とな り危 険 な状 況 とな って い る また, ブ ロ ックの形状 や色 は さま ざまな もの が あ る.点状 ブ ロ ックの形状 は統一 され て い るが,線 状 ブ ロ ックの形状 は通 りに よ って 異 な ってい る(図6)。色 に関 しては,原則 と して黄色 とされ てい るが,薄 い茶色 のブ ロ ッ

クな どは舗 装 の色 との コ ン トラス トが悪 く, み に く くな って い る 弱視 の人 に とって ブ ロ ックの色 は重 要 で あ るの で,景観 との調 和 を考 慮 した上 で の,改 善 が必 要 と され る

図 4 フラッ ト型の歩道の状況

■状 ブロック+点状 プロッタ ー一

点状 ブロ ック

図5 視覚障害者誘導用ブ ロックの投覆状況

(7)

秋 山 晴子 ・藤田 昌子 ・金谷 玲子

福 岡 市 地 下 道

7

線状 ブロック

点状 ブ ロック

線状 ブ ロック

点状 ブ ロック

(JR博 多駅表側 1km圏内 )

m m

m

00 0 0 0 0 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 0 〇 0 0 0 0 0 0 0 0

JR博多駅

コ ンコー ス ホーム

地下鉄博多駅 コ ンコー ス・ホーム

00 0 0 0 0 00 0 〇 〇 〇

〇〇 〇 〇 〇 〇 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

図6 障 害者 誘 導 用 ブ ロ ックの形 状

⑤歩道上 のバ リア

調査 対象地 区 で歩道上 のバ リア とな ってい た ものを ま とめてみ る と,舗装状態 は もちろ んの こと,2

cm

以上 の段差,違法駐車 ・駐輪 ,看板 , ごみ箱 , 自転車止 めの札 グ レーチ ング, マ ンホール の蓋 .切 り下 げ,欠捜 した タイルな どが あ る。 これ らは,特 に生活弱者 に とって不便 かつ危 険 な箇所 とな って お り,数多 く存在 してい るの は考 え ものであ る0

2)歩道上 の設備

歩道上 の設備 を,情報 的配 慮,身体 的配慮 の2つ の視 点 か ら見 てい く。

①情報 的配 慮

情報 的配慮 に関 して は, サイ ンと公衆電話 を取 り上 げ,調査 対象地 区 における設置状況 を図

7

に示 してい る。

(8)

8 福祉のまちづ くりに関する研究 第1報

a.サイン

サイ ンとは目的地 まで の人 の移 動 を助 け る(3)もの で あり, その 中のま ち の構 成 を 知 らせ る案内サイ ンと主 要 な建 物 や場 所 な どの方 向 を指 示 す る誘導 サ イ ンを取 り上 げ る (4)。 そ の 方法 には,狭義 サ イ ン ・音 声 ・触 知 ・光 情 報 に よ る もの が考 え られる。

a‑ 1.案 内 サ イ ン

案内サイ ンで あ る案 内地 図 に英 語 表 示 を して い る点 は,外 国人 に と って最 低 の配 慮が な されていたが, そ の地 図 や文 字 は小 さ く, 生 活 弱 者 の み でなく一 般 の 人 に と って もみ に く い もの とな って い る。 サ イ ンの整 備 に は景 観 との調 和 を考慮 しな け れ ば な らな い が , 景 観 との調和の方を重 視 した た め に, 情 報 を わ か りや す く伝 え る こ と が で き な くな っ て い る。

また,その案内地 図 に は音 声 案 内 に よ る音 声 情 報 や 点 字 , 触 知 図 に よ る触 知 情 報 は な い 。 視覚障害者 にと って は ま ちの情 報 を知 る こ とは ほ とん ど で き な い こ と, 及 び案 内 地 図 が 偏 在 していることの 改 善 が望 まれ る。

a‑ 2.誘 導 サ イ ン

誘導 サイ ンの う ち, 不 特 定 多 数 の人 が利 用 す る公 共 建 築 物 へ の 指 示 と して は , 狭 義 サ イ ン情報 しかなく, 音 声 情 報 ・触 知 情 報 に よ る誘 導 サ イ ンは な い 。 誘 導 板 (案 内 地 図 の 下 に ある小 さい誘導 サ イ ンは除 く) は, 区役 所 ‑ の誘導 と して 5カ所 (う ち英 語 表 示 3カ所 ) , 警察署へ 2カ所 (うち英 語 表 示 2カ所 ) , 郵 便 局 へ 1カ所 (う ち英 語 表 示 1カ所 ) の 計 8

カ所 (うち英語 表 示 6カ所 ) のみ で あ る。 それ らは 170‑ 200m手 前 か らの表 示 で あ る。 そ の 誘導板 は,景観 との調 和 は とれ て い

たが,季節によっ

て は木 の 茂 み な どで 見 え づ ら くな る 場合が あ る。 ご く近 くか らで は

あるが地下鉄へ

誘導板はあったものの,

∫R博 多 駅 や キ ャ ナルシテ ィ博多 へ の誘導 板 はな

い。調査中に幾度もJR博多駅やキャナル シティ博多‑の

道 を尋 ね られ た ことを考 え る と,

これら‑

誘導板

整備はぜひとも必要 である。また,

横断歩道 では,信号機42カ所 中,音

声情報として

メロディ付き信号機が 6カ所( うち音声

菓内地回 t) メロディー付何号▲

誘ir8i ● 音声♯書付信号 Jゝ 美辞付辞書8iO 残り時何表示■ ○ 事いす対一応のt者ボックス ■

図7 歩道上 の設備 の設置状況 一情報的配慮

ベ ンチ 花4jEベ ンチ ‑ 公オ

ー コ

図8 歩道上 の設備 の設置状況 一身体的配慮

(9)

秋山 晴子 ・藤田 昌子 ・金谷 玲子 9

誘導付 き1カ所 ),光情報 と しての青赤残存時間表 示機 が 1カ所 あ っただけで あ った。清 水(5)の調査 によると,高齢者 の 5割強 が,横断歩道 にお ける改善点 と して青赤残存時間表 示機 を挙 げて い ることか らも,音声信号機 と共 に青赤残 存時 間表示機 も今後整備 してい く 必要 が あ る

b.

公衆 電話

公衆 電話 は67カ所設置 してあるが,国際電話対応 の もの は24カ所,電話 ボ ックスがある も のは

3 8

カ所,車 いす対応の ものは1カ所 にとどま り,聴覚障害者対応の ものは1カ所 もない。

さ らに,電話 ボ ックスがない公衆 電話 のなか には,設置場所 が悪 いため,車 と接触 して し ま うよ うな危 険 な ところ もあ る携帯 電話等 の普 及 な どに伴 い,公衆電話 の設 置台数 は減 少傾 向 に はあ るが,誰 もが使 いやす い公衆電話 の設置 が望 まれ る。

②身体 的配 慮

身 体 的配慮 に関 しては,手 す りとベ ンチを取 り上 げ,調査 対象地 区におけ る設置状況 を 図8に示 して い る

a.手 す り

地 下道 や地下 道 ‑ の階段 には手す りが取 付 け られ てお り,生活弱者 に対す る配慮 がみ ら れ る いずれ も太 さはほぼ基準値 よ り大 き く (表2・図9),手 す りは1段 しか ない点 は

表2 手す りの投覆状 況

設 置 場 所 i .a(cL) 太 さ(外的 取り

横 川 1本 の場 合 80.0〜85. 12.5程 度 両 側 2本 の場 合 上 段 85.0程 度

下 段 65.0程 度

地 下 連 絡 道 (通 路 ) 85.5 13.8 片 側 地 下 連 絡 道 へ の階 段 85.5 13.8 両 側 F公 園 ス ロ ー プ 上 段 90.0 16.0 両 側

下 段 60.0 ll.5 両 側

JR博 多駅 階 段(改札口〜中2肝中央朗 ) 88.0 14.0 両 側 JR博 多駅 階 段(中2肝中央納 〜ホーム) 78.0 5.0×10.0

角口

両 側

地 下 鉄 博 多駅 階 段(遣〜地鉄コンコース) 85.5 13.8 両 側

F公園 の ス ロ ー プ上 段 16.00(舟5,1) 地 下 連 絡 道 13.88■(拍4.4)

標 準 12.5皿 程 度(84.0)

F公 園 の ス ロ ー プ下 段 11.5q■くね3.7)

( ) 直径 4

図9 手す りの寸法図

(10)

10 福祉のまちづ くりに関する研究 第1報

不 便 であ る。地下道 の方 には片側 しか手 す りが取付 け られ てい ない上 に,途 中何 カ所 も広 告 用の看板 によ って とぎれ てい る水平 移動 を助 け るための手 す りが取 り付 けて あ るの は 地 下道 のみであ るが,十分 な配慮 はな され てい ない。地 下道 へ の垂直移動手段 と して, エ レベ ー ターやエ ス カ レー ターが ほ とん ど整備 され ていないので,歩行者 にと って特 に階段 の手 す りは必要 とな る 安 全 かつ容 易 に歩行 を行 うため に も,手す りの連続性 の確保 や取 付 け高 さな どに配慮 した整備 が望 まれ る

b.ベ ンチ

ベ ンチは,大通 りと市 役所 の周辺 に集 中 して お り偏 りが み られ る その上 ,ベ ンチの前 に遵法駐輪 自転車 やバ イ クがあ った り,周辺 の木 が生 い茂 っていた りして利用で きな くな っ て い る ところ もあ る ベ ンチをいつ で も利 用 で き るよ うに看板 を設置す ることに よ り注意 を促 した り,定期 的 に周辺 の手入 れ を した りす る よ うな配慮 が必要 とな ってい る

(2) 公園

公 園 の出入 口 ・園内通路 ・便所 ・洗面 所 にお け る生活弱者 に対す る配慮 の状況 を ま とめ た ものを表3に示す。

出入 口 ・園内通路 に関 しては,狭 い幅員 ,段 差 ,急 な勾配 ,舗装状態 が悪 いため に,特 に車 いすやバギ ー使 用者 が,公 園へ の アプ ロー チや公 園内 での移動 がで きない ところが7 カ所 中

3

カ所 もあ る。 出入 亡=こ関 して は,指針 (7)で は最 低

1

カ所車 いす使用者等 が 出入 り で きれ ば よい ことにな って い るが, どこか らで もアプ ローチで きるよ うな公 園で あ って ほ しい もの であ る しか し, た とえ段 差 を な く した と して も,安 全性 を確保す るため にバ イ ク等 の侵入 を防 ぐ柵 の設置 が必要 とな るが, その柵 はバ リア とな り,生活弱者 はア プ ロー チで きな くな るので,新 たな出入 口の形 態 が考 え られ てい る それ はバ イ クの方 が半 径 が 小 さい ことを利用 した円形 のゲー トであるが,す で に製品化 されているのに もかかわ らず, 実際 に公園の出入 口に設置 した もの は ほ とん どな い状況 であ る。 ス ロープに関 して は,

F

公 園の にのみ手 す りがつ いてい る その手 す りは両側 しか も2段 にな ってお り, 生活弱者 に対 してや さ しい もの とな ってい る しか し,上段 の手 す りの太 さは基準 よ り大 き く, ス ロー プの勾配 も5.50(基準4.50(8))と急 で あ り,利 用 しづ らい もの とな ってい る

表3 公 園の整備状況

公 園 出入 口評価 有効幅員の確保 平坦性の確保 移動評価Eg 内舗装 1以上30ch 便 便 13以上0CJn8以上5cm 段差無 勾配8以下 出入 口平坦性 便

出入 口

平坦性 車 い ー プ 自 動

A

( × × × × ) × × ×

B × × × × × × ×

× × × × × × × × ×

C × × × × × ) ×

D ×

× × × × × × × ×

E

⊂) × × ( × × ×

F × × × ×× × × × × ×

G

× × × × × × ×

○ 適合 × 不適合 一 非汝 当 兼公園の出入 り口に車止めの柵を投 げた場合

(11)

秋山 晴子 ・藤田 昌子 ・金谷 玲子 it!

便所 に関 して は,車 いす使 用者等 に配慮 した もの は1カ所 もな く,便所 や便房 の出入 口 にお け る平坦性 の確保 と手 す りの設 置 によ って,生活弱者 に対す る若干 の配慮 かな されて い るだ けであ る。洗面所 に関 して も,手 す りや 自動 の水栓器具 は1カ所 もな く, プ ッシュ 式 の ものが1カ所 あるのみで あ った。第 1回 目 と第2回 目の調査 の間 に新 しくつ くりかえ られた便所 で さえ,車 いす使 用者等 に配慮 した もの はな く,手 す りや プ ッシュ式 の水栓器 具 の設置 に とどま ってい る

(3) 公共交通機関

公共交通機 関 の うち,個別性 の高 い タ クシーを除 き,JR博多駅 ,地 下鉄博多駅 ,福 岡 交通 バ スセ ンターのバ リア フ リー状況 につ いて,表4にま とめた。 なお,地下鉄 は,調査 対象地 区で利用者 が多 い博多駅 と した。

公共交通機 関へのアプ ローチは, いずれ において もバ リア フ リー化 されてい る。特 に, JR博多駅 か ら地下鉄博多駅 へ のアプ ローチは, エ レベ ー ター, エ スカ レーター,階段 と 整備 されてお り, 自分 に合 った手段 を選択 で きるよ うにな ってい る

構 内移動 における水平 ・垂直移動 を調 べ てみ る と,水平移動 に関 して は,∫R博多駅 と 表4 公共交通機 関の整備状況

JR 博 多 駅 地 下 鉄 博 多 駅 福岡交通バ スセ ンター栽

I

チ 歩l 平坦性

手す り (階段 ) ‑ ○ ‑

エ スカ レーター上 り 2基 .下 り 2

JR

エ レベーター ‑ 1

エスカレーター 上 り 2基 .下 り 3

エスカ レーター+階段 1カ所

手す り (階段 )

手す り × × (

視覚障害者誘導 ブロック () (⊃ (⊃

(改札 口) 央 口 西 口 東 口 北 口 博多口 中央 口 筑紫 口 1 2

拡幅改札 口× ○ ⊂) ○ ○ ○

エスカレーター 設 置 中 上3.下1上1.下1 上1.下1 り 2基 .下 り 2.

エ レベーター 1基 (申 し出必要 ) 1 1

1基 (東 口.申 し出必要 ) × ×

手す り(階段 ) ○ (⊃ 工 事 中

(改札 口) 央 口 西 口 東 口 北 口 博多 口 中央 口 筑紫 口 1 2 券売積 金搬入口楓.1 12′1 8ノ/8 9/9 1/1 9/9 6/6 10′10 0/6 0/5

点字表 示 1/1 1一/8 1/9 1/1 1/9 1/6 1/10 0/6 0/5

o 有 り × 無 し 一 非該 当 楽福岡交通バ スセンターは現在改築 中

(12)

12 福祉のまちづ くりに関する研究 第1報

地下鉄 博多駅 と も移動 を助 け る手 す りす らな く,視覚障書者誘導 用 ブ ロ ックと拡 幅改札 口 のみであ る 視覚障尊者誘導 用 ブ ロ ックの形状 は,

∫R

博多駅 の コンコース とホーム,地 下鉄博多駅 とで はそれ ぞれ で異 な ってい る (図6)。 また,歩道 と も形状 が異 な り,視覚 障書者 はすべてのパ ター ンを覚 えない と安心 して歩 けないような状況 とな ってい る ブ ロ ッ

クの形状 は, まちと交通機 関 の統一 だ けでな く,全国 レベルでの統一 が望 まれ る.

垂直移動 に関 しては,地 下鉄 ,バ スセ ンター内ではエ スカ レーター ・エ レベ ーター ・手 す りを用 いて 自由に移動 で きるよ うにな ってい る。 しか し,∫R博多駅 ではエ レベ ー ター と昇 降機 が設置 され ていたが,駅 員 に申 し出 る必要 があ り, しか も利用者 が最 も多 い1つ のホー ムに しか設置 され ていない。他 の ホームへの移動 は駅員 が対応 す ることにな る。

その他 の設備 と しては, ∫R博多駅 と地下鉄博多駅 で は,金銭投入 口の低 い タイプの券 売機 によ り車 いす使 用者 や子 ど もな どに対す る配慮 や,点字表示 の券売機 と点字運賃表 の 設置 によ り視覚 障書者 への育己鹿 が な されてい る ∫R博多駅 では コ ンコースに触知案 内板 を設置 してお り,触知情報 の整備 は一 番進 んでいる。 さ らに,∫R博多駅 や地 下鉄博多駅 で は電光案 内板 によ り,聴覚 障尊者 に対す る若干 の配慮 がな されてい る

4.まとめ

(1) 最 も繁 華 で発展 してい るはず の博多駅周辺 です ら,生活弱者 が安心 して利用 で きる のは,大通 りに面 Lかつ,新 しく整備 された歩道 の一部 のみであ る 大通 りに面 していて も以前つ くられた歩道 の幅員 は広 い ものの,音声信号機 や視覚障尊者誘導 ブ ロ ックがな く, 2セ ンチ以上 の段差 や切 り下 げな どのバ リアが多 くみ らる また,視覚 障尊者 の安全 のた め残 され た交差 点 におけ る2cmの段差 は,車 いす使用者 や高齢者等の他 の生活弱者 にとっ ては逆 にバ リア とな ってお り, この段差 の取 り扱 いには課題 が残 ってい る

(2) 調査対象地 区では,情報 的,身体 的 に配慮 された設備 は十分 に設置 してあ る とはい えない。情報 的配慮 の うち,視覚 障書者 に対す る ものはメ ロデ ィー付 き信号機 と音声誘導 付 き信号機 の音声情報 が あ るのみで,不十分 であ った。最 も整 っていた狭義 サイ ン情報 で さえ も,最低 限の 日本語 と英 語 の2カ国語表示 がな されてい る ものがあ るだ けで,外 国人 に と って も十分 に情報 的配慮 はな され ていなか った。車 いす対応 の公衆電話 ・電話 ボ ック スは駅前 の1台 のみでは不十分 であ り,杖使用者 や乳児 を連 れた人 な ど も利 用 しやす い車 いす対応 の電話 ボ ックスの整備 が必要 とされ る聴覚 に障害がある者 に対す る配慮 と して, ファックスを備 えた公衆電話 の設置 な ども課題 とな って くる。 また,身体 的な配慮 と して, 連続 した手 す りや 2段 式 の手 す りを取 り付 けた り,ベ ンチを一定 間隔 ごとに設置 した りす

るな どの改善 が望 まれ る。

(3) 公園 は, ビルが多 い調査対象地 区 にあ って,唯一 自然 に触 れ ることので きる貴重 な 空 間であ る に もかかわ らず,公 園のバ リアフ リーは進 んでな く,利用者 が制 限が されて い る。新 たに整備 され た公 園 では, 出入 口や園内通路 はバ リア フ リー化 され て はい るが, 便所 や洗面所 は生活弱者 に対 す る若干 の配慮 が な されているだけで,前者 に比 べ て整備 が 遅 れ てい る。今後 は公園の全体 的 な整備 が必要 とな って くる

(4) 公共交通機 関の うち, JR博多駅 は垂直移動 のバ リア フ リー化 が,福 岡交通バ スセ ンターは触知情報 の整備 が遅 れてい る水平移動 に関 しては,視覚 障書者用誘導 ブ ロ ック の形状 が,

∫R

博多駅 の コ ンコース, ホーム,地下鉄博多駅,歩道,地下道 とで それ ぞれ

(13)

秋山 晴子 ・藤田 昌子 ・金谷 玲子 13

異 な って い るの で, 全 国 レベ ル で考 慮 が な され るべ きで あ る と思 われ る 垂 直 移 動 で は もっ と利 用 者 に対 応 した設 備 の設 置 が望 まれ る。

これ らの こ とか ら, 現 時 点 で は歩 道 ・公 園 ・公 共 交 通 機 関 のバ リア フ リー化 が進 ん で い る とは い い が た く, 利 用者 に対 して十 分 に配 慮 され て い る と は い え な い状 況 で あ った。 し か し, マ ウ ン ドア ップ型 の歩 道 か らバ リア を取 り除 くよ うに して い た時期 を経 て ,交 差 点 等 に切 り下 げ が な く安 全 な フ ラ ッ ト型 の歩 道 が新 し く整 備 され るな ど, 初 め か らバ リアを 存 在 させ な い よ うな デ ザ イ ンが な され るな ど生 活 弱 者 に対 す る配 慮 が次 第 にな され る よ う に な って き て い る。 公 園 や 公 共 交 通 機 関 も少 しず つ で は あ るが, バ リア フ リー化 の方 向 に 向 か って お り, 今 後 の福 祉 の ま ちづ く りに は期 待 が で き る といえ る特 に, 運 輸 省 が2010

年 まで にJ

R

や私 鉄 の駅 の バ リア フ リー化 を 目指 す 方 針 を打 ち出 して い るの で , 今 後 は利 用者 にや さ しい駅 とな るで あ ろ う これ に は,遵 法 駐 輪 自転 車 な ど 日々バ リア を作 り出 し て い る生 活 者 側 の意 識 の改 善 や公共 交 通 機 関 ・行 政側 の理 解 が重要 な鍵 とな って お り, ハ ー

ド面 の 問 題 と と もに これ らの意 識 面 の改 善 が望 まれ る。

引用文献

(1) 坂 口隆男,秋山哲男 :福祉のまちづ くりの実際 秋 山哲男,小坂俊吉編 まちづ くり日本評論社

1996 pp.22‑23

(2)福岡市都市整備局都市計画部地域計画課 : 「福岡型福祉社会」のための環境づ くり指針 福岡市

1992p.127

(3)井上由美子 :バ リアフリーー サイン計画 とまちづ くり一 中央法規 1998 p.148 (4)井上由美子 :バ リアフリーーサイン計画 とまちづ くり一 中央法規 1998 p.151

(5) 清水港志郎 :高齢化社会における交通計画学的視点 とその対策 交通学研究 研究年報

1994p.35

(6)運輸省運輸政策局消費者行政課 :バ リアフリーと交通 一運輸省高齢者 ・障書者関連施策‑ ン ド ブ ックー 中央法規出版 1997 p.32

( 福岡市都市整備局都市計画部地域計画課 : 「福岡型福祉社会」のための環境づ くり指針 福岡市 1992p.144

(8)福岡市都市整備局都市計画部地域計画課 : 「福岡型福祉社会」のための環境づ くり指針 福岡市 1992p.144

(14)

14 福祉のまちづ くりに関する研究 第1報

響考文献

秋山哲男,小坂俊吉編 :まちづ くり 日本評論社 1996 朝 日新聞 :r「やさしい駅」に変わ ります』 1998年10月21日

浅野房世,亀山 始,三宅 介 :人にやさしい公園づ くり ‑バ リアフリーか らユニバーサルデザイン

1996

道路広報セ ンター :ゆとりある生活空間づ くりに向けて 「21世紀 に向けた新たな道路構造のあ り方」

建設省 1993

福岡県 :福岡県福祉のまちづ くり条例 1998 福岡市総務局 :福岡の歴史 福岡市 1979

福岡市都市整備局都市計画部地域計画課 : 「福岡型福祉社会」のための環境づ くり指針 福岡市 1992

古瀬 敏 :バ リアフリーの時代 都市文化杜 1997

古瀬 敏垢 :ユニバーサルデザイ ンとはなにか‑バ リアフリーを越えて一都市文化杜 1998 現代書館発行 :季刊 福祉労働 第59号 特集 建物 ・住まい ・移動のアクセス権 1993

茨城尚子 :バ リアフリーのまちづ くり‑辞書を もつ人のア クセス権の保障一 社会福祉研究第70号 鉄道弘済会社会福祉部 1997

井上由美子 :バ リアフリー‑サイ ン計画 とまちづ くり一 中央法規 1998 自由国民社発行 :現代用帯の基群知識 1996年度版 1996

自由国民社発行 :現代用帯の基礎知識 1998年度版 1998

公共建築協会 :公共建築 とノーマライゼーション 公共建築 Na156 1998 高齢社会をよ くする北九州女性の会 :第16回全国大会 ・北九州大会報告書 1998 高齢者 とまちづ くり研究会 :高齢者 とまちづ くり 風土杜 1997

日本都市セ ンター :福祉の都市づ くりの実態に関する訴査報告書 1995 野村みどり :バ リアフリー 慶慮通信 1995

野村みどり籍 :バ リア ・フリーの生活環境論 第 2版 医歯薬出版 1997

小川信子,野村みどり,阿部祥子,川内美彦 :先端のバ リアフリー環境 ‑ カルフォルニアにみるまち づ くり一 中央法規 1996

太田勝取.岡 並木 (監修) :移動制約者の交通環境整備 地域科学研究会 1997 真田 是 :地域福祉の原動力一住 民主体論争の30年‑ か もがわ出版 1996

日石其澄 :バ リアフリーのまちづ くり 日本鐘済新聞社 1995 集英社発行 :情報知識 imidas 1998年度版 1998

高橋儀平 :高齢者 ・陣尊者 に配慮の建築設計 マニ ュアルー 「福祉 のまちづ くり」実現 に向 けて‑

1996

田中直人 :福祉のまちづ くりデザイン 学芸出版社 1996

運輸省運輪政策局消費者行政課 :バ リアフ リーと交通 一運輸省高齢者 ・辞書者関連施策‑ ン ドブ ッ ク‑ 中央法規出版 1997

参照

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