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カリックス〔6〕アレーンの立体化学と機能化に関す る研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

カリックス〔6〕アレーンの立体化学と機能化に関す る研究

大塚, 英幸

九州大学工学応化分子合成化学

https://doi.org/10.11501/3119137

出版情報:Kyushu University, 1996, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

立 早

カリックス [ 6 J ア レ ー ン へ の 位 置 選 択 的 な 置 換 基 導入及び金属錯化挙動

51 序

分子認識は、 生命現象の根底を司る化学反応の初期過程で重要な役割を演じ ている。高選択的な分子認識系を生体外で構築することは、生命現象の分子レ ベルでの理解のためだけでなく、分離・分析といった実用的な側面からも極め て意義深い。これまで、大環状化合物を用いた「認識」の歴史は、 i)大きさの認識、

u)荷電の認識の二点に集中していた。しかし、水素結合系1)に代表されるように、

近年「方向性」の認誌という点が重要視されつつある。この「方向性」の認識 を顕著に評価できる系として、異なる位置に機能性官能基を有するカリックス [6Jアレーン誘導体を用いることが可能で、ある。

機能性分子カリックスアレーンに関する研究は、大量合成法が開発されて以 来、飛躍的な進展を遂げてきた2)。カリックスアレーンは他の大環状化合物と比 較していくつかの特徴を持つ。このためカリックスアレーンを基体として様々 な修飾を施し、金属認識、分子認識、触媒、酵素モデルといった機能化の研究 が各方面で進められてきた。しかしカリックスアレーンに精密かつ高度な機能 を持たせる場合、置?呉基を導入する際に、任意の位置に目的とする置換基を配 置することが必要で、ある。カリックスアレーンへの置換基の導入は、そのヒドロ

キシル基を利用したWilliamson反応が最も代表的である。精密なホスト化合物の 分子設計に際し、機能性置換基を位置選択的に配置することで、より高度な包 接環境の構築が可能になる。既に、カリックス[4Jアレーンにおいて、全アルキル 誘導体 (コンホメーション異性体も含む)が合成され、様々な条件下における 生成機構が明確にされているJ)。しかし、カリックス[4Jアレーンと比較して 2個 のフェノール単位を多く持つカリックス[6Jアレーンにおいては、そのアルキル 誘導体 (低置換体)の数は増大する。最近カリックス[6Jアレーン4) 及びカリツ

(3)

クス[8]アレーン5)に関してもいくつかの異性体については位置選択的な置 換基の導入法が報告されるようになってき

た。このような中、筆者は前章においてカ リックス[6]ア レ ー ン の 機 能 化 の 基 礎 的 ア プローチとして、置換基の位置選択的導入 法の確立という点から検討を行い、カリッ

クス[6]ア レ ー ン の メ チ ル 誘 導 体 に つ い て は全ての異性体の合成に成功した(図51)。

~C 心引引叫 Cωωωωa 剖訓山li以i以X仰

ne 

= Meth切ylgrOωU

V

V

川 企 川 ヴ

/ / 一

¥

¥

(

﹀ 日

V‑l 

Bu

8u

8u 8u

Bu

X  .  ‑

1.2.4.5  ¥ 

手 ‑3‑d‑ 惑

V‑4I.2

X

2.3.5/  V‑6 

Ö~O

V‑7 

v3l.2 V41.2.3 51.2.3.4 

図51 カ リ ッ ク ス[6Jア レ ー ン メ チ ル 誘 導 体

こ れ ら の 誘 導 体 に 対 し て は 、 残 存 す る ヒ ド ロ キ シ ル 基 へ 機 能 性 の 置 換 基 を 容

易に 導 入 す ることが可能である。 つま り、 メチ ル基 によ り水 酸基 を保 護し てい ると考えると、カリックス[6Jア レ ー ン に 対 し て は 「 導 入 し た い 位 置 に 導 入 し た い数だけ

J

機能性の官能基を配置できるということになる(図52)。このことは、

より精密な分子設計という点においてカリツクス[6]アレーンの基体としての重 要性を飛躍的に増大させるものである。

‑83 ‑

(4)

Bu ¥  Bu

│、 )(

(1 

〆~CH2 ドに〆~CH2

CH3 /n¥  OH  /6‑n 

I Bu

¥1

, . . . . , '  

CH2 ドk〆~CH2

OCH3  ¥ OX  /6n

functional  group  ) 

図子2 カ リ ッ ク ス [6]アレーンへの機能性官能基の選択的導入

機能性官能基(金属配位性、呈色性、蛍光性置換基など)を有する化合物に おいて、その位置異性と機能発現の相関関係を明確にする目的で、これらの位 置異性体に対し機能性官能基の導入を行った。本章では、イオン親和性の置換 基として知られている酢酸エステル基を導入したエステル誘導体を合成し、タ ーゲットとしてアルカリ金属イオン、アルキルアンモニウムイオンを選択し、

それらの抽出能の比較検討を行った。これまで、ヘキサエステル体を中心とし た研究6)は行われているが、置換基の数及び位置の違いによる親和性の検討を系 統的に行った初めての例である。

5‑2  実験

5‑2‑ 化合物の合成

ウ 命

9[.2  V‑I01.2 V‑111234 

=cd叫 叫Cωωωailix

③ =  OCH

OCH2C02Et 

。 。 命 全 争 事 申

V7  V‑8  V‑91. V‑10124  V‑lll23 V12 V‑13 

苧 卒

V‑91.i  101.3.5  V‑111.2.4.5 

84‑

(5)

51117232935・ヘキサ ‑tertブチルー37383940,4142‑ヘキサキス((エトキシ カルポニjレ)メトキシ)‑42・メトキシカリックス[6]アレーン[ヘキサエステル体]

(V ‑13)の合成

ヘキサエステル体は参考文献勺こ従い51117232935‑ヘキサーtert‑ブチルカリ ックス[6Jアレーン(V1)より合成した。

51117232935・ヘキサte件ブチjー37レ 383940,41・ぺンタキス((工トキシカル ポ二jレ)メトキシ)‑42・メトキシカリックス[6]アレーン[ぺンタエステル体] (V‑ 12)の合成

モノメチル体(V・2)540 mg(0.55 mmol)をTHF(80ml) に溶解させカリウム fεTt-7~

トキシド615mg (5.48 mmo1)、ブロモ酢酸エチル0.6ml(S.48 mmo1)を加え、窒素気 流下、還流温度で24日寺間撹持した。減圧下溶媒を留去し、 1NHClで中性とし、

クロロホルムにより抽出した。7]¥.、で3回洗浄した後、経水硫酸マグネシウムで乾 燥した。減圧下溶媒を留去し、クロロホルムーエタノールにより再沈殿操作を行

った。

収率 64%;  融点 191‑1930C; IR(nujo1)νOH消失, νC=O 1750cm.lH̲NR (400MHz, (C])2'1300C, TMS, o /ppm) 1.00, 1.01, 1.14, 1.35 (それぞれ 18H 9H, 18H, 9H,各々 St‑Bu), 1. 25 (l5H, m, OCH2CH3), 2.18 (3H, S

α

H3)3.88,  3.97, 4.02(各 々 4H,各々 sArCH2Ar)  4. 18(l2H, mα:H2CH), 4.18, 4.19,  4.43(そ れ ぞ れ 2H4H, 4H,各々 S,Arぽ札), 6.72, 6.80, 6.92, 7.01, 7.17,  7.19(各々 2H, そ れ ぞ れ (J=2.2Hz), S, (J=2.2Hz), (J=2.2Hz), S, (J=2.2Hz),  ArH).  元素分析 (CS7ll60l6 + 0.45CHCl) )として計算値:C, 71.38;  H, 7.98%.  実 ?~IJ 値 :C , 71.32; H, 8.110/0. 

51117232935‑ヘキサーθf付ーブチルー373839,40‑テトラキス((エトキシカルボ ニル)メトキシ)‑442・ジメトキシカリックス[6]アレーン [1234‑テトラエステ

‑85 ‑

(6)

ル体](V・111,234)の 合 成 1

,2‑ジメトキシカリックス[6]アレーン(V・312)500 mg (0.50  mmol)をTHF(80 凶)とDMF(8ml)の混合溶媒に溶解させ、氷浴下、水素化ナトリウム(60%) 240 mg  (6.0  mmol)を 加 え た 。 還 流 温 度 で30分 間 撹 # 後 、 ブ ロ モ 酢 酸 エ チ ル0.69ml (8.0  mmol)を 加 え た 。 窒 素 気 流 下 、 還 流 温 度 で24日寺間撹持した。減圧下溶媒を留去し、

lN HClで 中 性 と し 、 ク ロ ロ ホ ル ム に よ り 抽 出 し た 。 水 で3回 洗 浄 し た 後 、 母 水 硫 酸 マ グ ネ シ ウ ム で 乾 燥 し た 。 減 圧 下 溶 媒 を 留 去 し 、 シ リ カ ゲ ル を 用 い た カ ラ ム クロマトグラフイー(展開溶媒 ア セ ト ン : ヘ キ サ ン=1: 4) により精製したっ

収率 580/0;  融点 100‑1020C;(nujol)νOH消 失 νC=O1740, 1760cm. lH‑N恥1R(400恥凹z,(CDCl)~ , 1300C, TMS, o /ppm ) 1.06, 1.09, 1.21 (各々 18H,  各々 S,t‑Bu), 1.22, 1.25 (各々 6H,各々 t(J=7.1Hz),ぽ岡田), 2.83 (6H, S,  OCH3), 3.81, 3.90, 3.99, 4.00(そ れ ぞ れ 2H,4H, 2H, 4H,各々 S,ArCH.,Ar),  4.15,  4.19(各々 4H,各々 q(J=7.1Hz),但H2CH3),4.20, 4.28(各々 4H,各々 S,ArOCH.,) ,  6.87,6.90,6.97,6.98,7.03,7.11(各々 2H,各々 (J=2.0Hz), ArH).  元 素 分 析 (C84Hll~OI4 0.75C6H14  )として計算値:C, 75.36;  H, 8.75%.  実iMIJ値:C,  75.50; H, 8.700/0. 

5,11,17,23,29,35・ヘキサーtertブチルー37,38,39,41・テトラキス((エトキシカルボ ニル)メトキシ)‑40,42‑ジメトキシカリックス[6]ア レ ー ン [1,2,3,5‑テ ト ラ エ ス テ ル体](V・111,235)の 合 成

13‑ジメトキシカリックス[6]アレーン (V・313)370 mg (0.37 mmol)をDMF(20 凶)に溶解させ、炭酸セシウム 1.45g (4.44 mmol)、ブロモ酢酸エチル0.49ml (4.44  mrnol)を加えた。窒素気流下、 700Cで1.5時間撹詳した。 lNHClで 中 性 と し 、 ク

ロロホルムにより抽出した。 71くで、3回 洗 浄 し た 後 、 無 水 硫 酸 マ グ ネ シ ウ ム で 乾 燥 した。減圧下溶媒を留去し、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフイー(展 開溶媒 酢 酸 エ チ ル : ヘ キ サ ン =1 : 3)に よ り 精 製 し た。

‑86 ‑

(7)

収率 62%;  融点 1051070C; IR(nujol)νOH消失, νC=O1720, 1750cm.1lH̲  NMR (400 Iz,(COCl:)!, 130t, TMS, o /ppm) 0.91,0.92, 1.28, 1.37 (それぞれ 18H, 9H, 9H,18H, 各々 S,t‑Bu), 1.28, 1.32 (それぞれ 9H,3H,各々 t(J=7.1 Hz),  OCH2CH3), 2.16 (6H, S, OCH3), 3.92, 4.00, 4.07(各々 4H,各々 S,ArCHAr),4.23, 4.24,4.28(それぞれ 2H,4H, 2H,各々 q(J=7.0Hz),OCH2CH3), 4.44, 4.47(そ れ ぞ れ 2H,6H,各々 s,Ar町民), 6.65,6.74,6.87,7.19,7.22,7.29(各々 2H,それぞ れ d(J=2.0Hz)s, d(J=2.0Hz), d(J=2.4Hz), d(J=2.4Hz), s, ArH). 元 素 分 析 (C創刊12014)として計算値:C, 74.97; H, 8.390/0.  実測値:C, 74.69; H, 8.34%. 

5,11,17,23,29,35‑ヘキサ

‑ t

θ

r t ‑

ブチル‑37,38,40,41 ‑テトラキス((工トキシカルポ ニル)メトキシ)‑39,42‑ジメトキシカリックス[6]アレーン [1,2,4,5‑テトラエステ ル体]

( V

111,245)の合成

14‑ジメトキシカリックス[6Jアレーン(V314)180mg (0.18  mmol)をTHF(80 凶)とD[V[f(8ml)の混合溶媒に懸濁させ、氷浴下、水素化ナトリウム(60%) 86 mg  (2.16 mmol)を加えた。還流温度で30分間撹祥後、ブロモ酢酸エチル0.25ml (2.88  mmol)を加えた。窒素気流下、還流温度で3時間撹持した。減圧下溶媒を留去し、

lN HClで中性とし、クロロホルムにより抽出した。水で、3回洗浄した後、無水硫 酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、塩化メチレンーエタノールに

より再沈殿操作を行った。

収率 830/0;  融点 2800

C

以上分解;IR(nujol)νOH消失, νC=01750m‑l;lH‑

NMR (400肘凹z,(COC12)2'  1300

C

, TMS, o /ppm ) 1.06, 1.36 (それぞれ 36H,18H,  各々 s,t‑Bu), 1.29 ( 12H, (J=7.1Hz), OCH2CH3), 1.83 (6H, S, OCH3), 3.84,  3.99(それぞれ 8H,4H, 各々 s,ArCH.,Ar),  4.25 (8H, q(J=7.1 Hz), CX二日")CH3), 4.44(  8H, s, ArOC孔), 6.64, 7.15, 7.44(各々 4H, そ れ ぞ れ d(J=2.0Hz), S,  d(J=2.0Hz), ArH).  元 素 分 析 (CS4H112014 + 0.75CH2C12 )として計算値:C,  72.40; H, 8.06%. 実 i~!J

1

直:C, 72.31; H, 8.19% 

(8)

5,11,17,23,29,35・ヘキサーterトフチルー37,38,39・トリス((エトキシカルボ二jレ)メ

トキシ)‑40,41,42・トリメトキシカリックス[6]アレーン [1,2,3‑トリエステル体]

( V

101,23)の合成

1,2,3‑トリメトキシカリックス[6]アレーン(V・41,23) 500mg (0. 49rnmol)を

IF(80ml)とDMF(8ml)の混合溶媒に溶解させ、氷浴下、水素化ナトリウム(60%) 178mg (4.44mmol)を加えた。還流温度で30分間撹祥後、ブロモ酢酸エチjレ0.99ml (8.82mmol)を加えた。窒素気流下、還流温度で48時間撹持した。減圧下溶媒を留 去し、 lNHClで中性とし、クロロホルムにより抽出した。水で3回洗浄した後、

無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、シリカゲルを用いた カラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1 : 6)により精 製し、クロロホルムーエタノールにより再沈殿操作を行った。

収率 890/0;  融点 172‑1740C; IR(nujol)νOH消失, νC=O1730, 1750  cm‑1

IH‑NMR (400肘田z,(CDCI.)"  1300C, TMS, o /ppm) 0.93, 0.98, 1.25, 1.34 (それぞ、

れ 18H,9H, 9H,18H,各々 S, t‑u) , 1. 27 , 1. 29  (それぞれ 6H,3H,各々 t(J=7.2Hz) H2CH1), 2.25, 3.50 (それぞれ6H,3H,各々 S,OCH), 3.85‑ 4. 05(12H, m, ArCHゥAr), 4.04, 4.42(それぞれ 2H,4H,各々 S,ArOCH, ,) 4.22,  4.24 (それぞれ4H,2H,各々 q(J=7.2Hz)Q二H2CH), 6.70,6.79,6.89,7.16,7.17,  7.24(各々 2H,それぞ、れ S, S, S, d(J=2.4Hz), d(J=2.4Hz), S, ArH).元素分析 (C81H1ω012+ 0.35CHCl) )として計算値:C, 74.27; H, 8.30%.  実 ?~IJ 値: C, 74.14; H,  8.36%. 

5,11,17,23,29,35‑ヘキサ ‑tertブチルー37,38,41‑トリス((エトキシカルボ二jレ)メ トキシト39,40,42‑トリメトキシカリックス[6]ア レ ー ン [1 ,2,4‑トリエステル体]

( V

10124)の合成

1,2,4‑トリメトキシカリックス[6]アレーン (V・41,24) 160 mg (0.16 rnmol)を

(9)

THF(40 ml)とDMF(4 ml)の混合溶媒に溶解させ、氷浴下、水素化ナトリウム(60%) 57 mg (1.42 mmol)を加えた。還流温度で30分間撹祥後、ブロモ酢酸エチル0.99

(8.82 mmol)を加えた。窒素気流下、還流温度で48時間撹祥した。減圧下溶媒を 留去し、 1NHClで中性とし、クロロホルムにより抽出した。水で3回洗浄した後、

無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、クロロホルムーエタノ ールにより再沈殿操作を行った。

収率 75%;  融点 266‑2680C; IR(nujol)νOH消失, νC=O1760cm1,IH̲NR (400悶‑Iz,(COCl~)~ , 1300C, TMS, o /ppm ) 0.99, 0.99, 1.13, l. 19, l. 22, l. 36 (各々 9H,各々 s,t‑Bu), 1.28, 1.29, 1.30 (各々 3H,各々 t(J=7.1Hz) , ぽ H~CH3)' 2.05, 2.66, 2.93 (各々 3H,各々 s,OCH3), 3.80‑4.00 (12H, m, ArCH刈), 4.15,  4.15, 4.15(各々 2H,各々 q(J=7. OHz), Q二H~CH3)' 4.15, 4.41, 4.46 (各々 2H, 各々 s,Ar

α

H,)、6.64,6.74,6.87,6.9 ,l6.92,6.94,7.05,7.16.7.20.7.20.7.27  7.36 (各々 2H,各々 d(J=2.4Hz), ArH) 元素分析(CgIHIOgOl~ )として計算値:C, 76.38; H, 8.55%.  実視1J1直:C 75.99;H, 8.47%. 

5,11,17,23,29,35・ヘキサteバーブチルー37,39,41‑トリス((エトキシカルボ二jレ)メ トキシ)‑38,40,42‑トリメトキシカリックス[6]アレーン [1,3,5‑トリエステル体]

(V10135)の合成

135‑トリエステル体は参考文献7)に従い、 5.11.17.23.29.35‑ヘキサィerιフーチル ー37,39,41‑トリヒドロキシ‑38,40,42‑ト リ メ ト キ シ カ リ ッ ク ス [6]アレーン (v‑ 4135)より合成した。

5,11,17,23,29,35‑ヘキサーθf件ブチルー37,38‑ビス((エトキシカルボニル)メトキ

)‑39,40,41,42‑テトラメトキシカリックス[6Jアレーン [12‑ジエステル体]

( V

912)の合成

‑89 ‑

(10)

1,2,3,4‑テトラメトキシカリックス[6]アレーン(V51,234)600 mg (0.58 mmol)  をηI‑F(60ml) と D~(6 ml)の 混 合 溶 媒 に 溶 解 さ せ 、 氷 浴 下 、 水 素 化 ナ ト リ ウ ム (60 %) 140 mg (3.5 mmol)を加えた。還流温度で30分 間 撹 祥 後 、 プ ロ モ 酢 酸 エ チ ル 0.52 (4.67mmol)を 加 え た 。 窒 素 気 流 下 、 還 流 温 度 で24時 間 撹 持 し た 。 減 圧 下 溶媒を留去し、 1NHClで 中 性 と し 、 ク ロ ロ ホ ル ム に よ り 抽 出 し た 。 水 で3回 洗 浄 し た 後 、 無 水 硫 酸 マ グ ネ シ ウ ム で 乾 燥 し た 。 減 圧 下 溶 媒 を 留 去 し 、 塩 化 メ チ レ

ンーエタノールにより再沈殿操作を行った。

収率 71%;  融点 243‑245 oC;  IR(nujol)νOH消失, νC=O 1770cm‑' ; 'H̲  NMR (400 z,(COC12)2'  1300C, TMS, o /ppm) 1.06, 1.13, 1.24 (各々 18H,各々

S, t‑Bu), 1. 29 (6H, (J=7. 1 Hz), OCH

H1),2.54, 3.10 (各々 6H,各々 S,CH

3), 3.8‑4.1(12H, m, ArCH2Ar),  4.24 (4H, q(J=7.1Hz), OCH2CH3), 4.30(4H, S, Ar

α

H),ヲ 6.80,6̲90,7.00, 7.02,7.08,7.23 (各々 2H,各々 d(J=3.0Hz), ArH).  元 素 分 析 (C7SH[ω010 + 0.4CH2C1)として計算値:C, 76.32; H, 8.52%.  実測値:C, 76.49;  H,  8.44%. 

5,11,17,23,29,35‑ヘキサーte件 ブ チ ル‑37,39‑ビス((エトキシカルボニル)メトキ

)‑38,40,41 ,42‑テ ト ラ メ ト キ シ カ リ ッ ク ス[6]ア レ ー ン [1,3‑ジ エ ス テ ル 体 ]

( V

913)の合成

1,2,3,5‑テトラメトキシカリックス[6]アレーン(V51,235)600 mg (0.58 mmol)  をTHF(60ml) と D~仔(6 ml)の 混 合 溶 媒 に 溶 解 さ せ 、 氷 浴 下 、 水 素 化 ナ ト リ ウ ム (60 %) 140 mg (3.5 mmol)を加えた。還流温度で30分 間 撹 祥 後 、 ブ ロ モ 酢 酸 エ チ ル 0.52 (4.67mmol)を加えた。窒 素 気 流 下 、 還 流 温 度 で24日寺間撹持した。 j威圧下 溶媒を留去し、 lNHClで中性とし、クロロホルムにより抽出した。水で、3回 洗 浄 し た 後 、 無 水 硫 酸 マ グ ネ シ ウ ム で 乾 燥 し た 。 減 圧 下 溶 媒 を 留 去 し 、 エ タ ノ ー ル より再結品を行った。

収率 850/0;  融点 240‑2420

C ;  

IR(nujol)νOH消失, νC=O1740, 1760cm‑'; 'H̲ 

(11)

Nrv (400 1Z(COCl:)2' 1300

C

, TMS, o /ppm) 0.90, 1.01, 1.29, 1.36 (それぞれ 18H9H, 18H, 9H,各々 St‑Bu), 1.29 (6H, (J=7.1Hz)

α

H2CH3)2.34, 2.69,  3.29 (それぞれ 3H6H, 3H,各々 SOCH3), 3.91(12H, m, ArCHAr) 4.25 (4H,  q(J=7.1Hz), OCHICH3), 4.47  (4H, S, Ar

α

H2)6.70, 6.80, 6.83, 7.09, 7.21,  7.24(各々 2H, そ れ ぞ れ d(J=3.2Hz)d(J=3.2Hz), S, d(J=3.1Hz), S, d(J=3.1Hz),  ArH).  元素分析 (C78Hl~Ol o)として計算値: C, 77.96;  H, 8.72%.  実測値:C,  77.93; H, 8.72%. 

51117232935‑ヘキサte凡ブチルー37,40‑ビス((エトキシカルボ二ル)メトキ

)‑38,39,41,42‑テトラメトキシカリックス[6]アレーン [1,4‑ジエステル体]

(V914)の合成

1245‑テトラメトキシカリックス[6]アレーン(V51245)600 mg (0.58 mmol)  をTHF(60ml)とD肘fF(6ml)の混合溶媒に溶解させ、氷浴下、水素化ナトリウム (60 %) 140 mg (3.5 mmol)を加えた。還流温度で30分間撹祥後、ブロモ酢酸エチル 0.52ml(4.67 rrnol)を加えた。窒素気流下、還流温度で24時間撹祥した。減圧下 溶媒を留去し、 lNHCIで中性とし、クロロホルムにより抽出した。水で、3回洗浄 した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、エタノール より再結晶を行った。

収率 810/0;  融 点 314‑3160C (分解);IR(nu jol)νOH消失, C=u1760cm. IH̲Nル1R(250問‑1ZCOC13, 250

C

, TMS, o /ppm ) 1.06, 1.20 (それぞれ 18H36H, 

各々 SιBu)l.30 (6H, (J=7.2Hz), OCH2CHJ̲)'  2.79 (12H, S, OCH3), 3.91(12H, 

m, ArCH2Ar)  3.9‑4.2(4H, m, Ar

α

H2)4.25 (4H, q(J=7.2Hz), OCH2CHJ, 6.96,  7.21 (それぞれ 8H4H, そ れ ぞ れ ms, ArH).  元素分析 (C84Hl12014)と し て 計 算値:C, 77.96; H, 8.720/0.  実測値:C, 77.83; H, 8.760/0. 

51117232935‑ヘキサーteバーブチルー37‑(工トキシカルボ二ル)メトキシー

‑91 ‑

(12)

38,39,40,41,42・ペンタメトキシカリックス[6]アレーン[モノエステル体](V・8) の合成

ペンタメチル体(V・6)300mg (0.29 mmol)をDMF(30ml)に溶解させ、炭酸セシウ ム 468mg (1.44 mmol)、ブロモ酢酸エチル0.16ml (1.44 mmol)を加えた。窒素気 流下、 700Cで5時間撹祥した。 1NHClで中性とし、クロロホルムにより抽出した。

水で3回洗浄した後、蕪水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、

エタノールにより再沈殿操作を行った。

収率 86%;  融点 231‑2330

C ;  

IR(nujol)  νOH消失, νC=u 1760cm‑1lH̲N恥依

(400阻む, (CDCl:)1'  1300C, TMS, o /ppm ) 0.97, 1.06, 1.21, 1.26 (それぞれ 9H, 18H,9H, 18H,各々 S,ιBu),1.29 (3H, (J=7.0Hz),町民CH), 2.72,2.91,3.20  (それぞれ 6H,3H, 6H,各々 S,CH3),3.8‑4.0 (各々 4H,各々 S,ArCH,Ar),  4.25(2H, q (J=7.0Hz), ~二日 1CH3)' 4.38 (2H, S, Ar

α

H),ヲ 6.84,6.86,6.92,7.05, 7.06, 7.19(各々 2H,それぞ、れ S, d (J=2.1Hz), d (J=2.1Hz), d (J=2.2Hz), S, d  (J=2.2Hz), ArH)  元素分析 (C75H108+ 1. 15CHC13)として計算値:C, 72.16;  H,  8.17%. 実 i~IJ 値: C, 72̲20; H, 8.05%. 

5,11,17,23,29,35‑ヘキサイθバーフチjー37レ ,38,39,40,41 ‑ペンタキス((t

e

バーブトキシ カルボ二jレ)メトキシ)‑42‑メトキシカリックス[6Jアレーン

( V

14)の合成

モノメチル体(V・2)190 mg (0̲19 mmol)をTHF(30mJ)とDMF(3ml)の混合溶媒に 溶解させ、氷浴下、水素化ナトリウム(60%)69 mg (2.89 mmol)を加えた。還流温 度で30分間撹祥後、ブロモ酢酸tert‑フーチル0.62ml (3.85 mmol)を加えた。窒素気流 下、還流温度で24時間撹持した。減圧下溶媒を留去し、 1NHClで中性とし、ク ロロホルムにより抽出した。水で、3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥 した。減圧下溶媒を留去し、塩化メチレンーヘキサンにより再沈殿操作を行った。

収率 50%  ; 融点 233‑2350

C ;  

IR(nujol)  νOH消失, νC=u 1750cm1 , 'H‑ N肘iR(400MHz, (COCI2)2'  1300C, TMS, o /ppm) 0.96, 1.09, 1.32 (それぞれ 18H,

(13)

18H, 9H,各々 s,t‑B u 0) , 1. 33, 1. 43, 1. 47, 1. 48 (それぞれ 9H,9H, 18H, 18H,  各々 s,t‑BuAr),  2.29 (3H, s, OCH3), 3.0‑5.0 (l2H, br, ArCHヲAr), 4.25, 4.34, 4.40  (それぞれ4H,2H, 2H,各々 s,ArOCH2), 6.5‑7.3 (l2H, m, ArH).  元 素 分 析 (CS9H120016 )として計算値:C, 73.93; H, 8.37%.  実測値:C, 74.34; H, 8.810/0. 

52‑2 測 定

5‑22‑液 液 抽 出 実 験 ( ア ル カ リ 金 属 イ オ ン )

以 下 に 示 し た よ う な 条 件 で 、 種 々 の カ リ ッ ク ス[6]ア レ ー ン エ ス テ ル 誘 導 体 を 用いて、種々のアルカリ金属イオンの液液抽出実験を行った。

‑抽出条件 有機相

相 度 水白血

d

B

[カ 1)")クスアレーン]=2.5

103 M塩 化 メ チ レ ン 溶 液 [MPic]=2.5 

10・~ M  [MOH]=0.1 M  [MCl]=0.5 M 

5ml  5ml  2S.00

‑実験操作

両相 Smlずつをスクリューキャップ付きサンプルビンに入れ、 30分間援とう した。 10分 間 静 置 後 、 水 相 を 分 取 し 、 瞬 間 マ ル チ 測 光 シ ス テ ム MCPひ100で 吸 光度を測定した。

‑瞬間マルチ設定条件

Slit  220‑400 nm  Sampling Time  100 msec  Accumlation Tirnes  100 times 

Mo~ ABU 

抽出率は水相中のピク 1)ン酸アニオンの吸光度の減少量より算出した。

Ex(%)=[Abs(Bl)‑Abs(Ex)]j[Abs(Bl)] X 100  Abs(Bl):ホ ス ト 非 存 在 下 で の 抽 出 操 作 後 の 吸 光 度 Abs(Ex):ホ ス ト 存 在 下 で の 抽 出 操 作 後 の 吸 光 度

‑93 ‑

(14)

522‑2 液 液 抽 出 実 験 ( ア ル キ ル ア ン モ ニ ウ ム イ オ ン )

種々のカリックス[6]アレーンエステル誘導体を用いて、 n‑7・チルアンモニウ ムピクレートとの相互作用の特性を検討するため、液液抽出を行ったっ

.抽出条件

有機相 [カリックスアレーン]=3.5X103M 塩 化 メ チ レ ン 溶 液 5ml

水 相 [KPic]=7.0X 105M 5ml  温 度 25.00

‑実験操作

両相5mlず、つをスクリューキャップ付きサンプルビンに入れ、 6時間接と うした。 10分間静置後、水相を分取し、瞬間マルチ測光システムMCPD‑100で吸 光度を測定した。抽出率の算出方法は前項に同じ。

5‑3  カリックス[6]ア レ ー ン エ ス テ ル 誘 導 体 の 合 成 に 関 す る 考 察

エステル誘導体はメチル誘導体と同様、モノ置換体が 1種類、ジ置挨体が3種 類、トリ置換体が3種類、テトラ置換体が3種類、ペンタ置換体が 1種類、ヘキサ 置換体が1種 類 で あ り 、 全 12種 類 が 存 在 す る 。 メ チ ル 誘 導 体 を 出 発 原 料 と す ることで比較的高収率で、全エステル誘導体の合成に成功した。通常の直接的な 合 成 法 と は 異 な り 、 位 置 異 性 体 の 混 合 物 に な る こ と が な い た め 、 精 製 は 簡 便 で ある。一連の化合物は、主に'H‑Nt¥伎により同定を行っているがメチル誘導体の 場合とは異なり、反転の速度が室温で、'H‑NMRの タ イ ム ス ケ ー ル に 重 な り 多 く の 化 合 物 で ブ ロ ー ド な シ グ ナ ル を 与 え て い る の で、実 際 の 同 定 に は 昇 温 測 定

(1122‑テトラクロロエタン‑d 1300

C )

を行い、得られたスペクトルの分裂パ ターンから化合物の対称性を考えることにより決定した(表子 1)。

‑94 ‑

(15)

5l エステル誘導体のIH‑NMR分裂パターン(化合物番号の

v ‑

は省略)

Bu ArCH2Ar  OCH2CHj 

12 

:2:2: 1  4:4:4 

91. 2:2:2  2:4:4:2 

:2:2: 1  4:4:4 

91.) 

2:4  4:8 

91.1 

:2:2: 1  4:4:4  3:6 

101.2.3 

1:1:1:1:1:1  2:2:2:2:2:2  3:3:3 

10 1.2.~

3:3  6:6[ABパターン]

101.3.5  (12) 

2:2:2  2:4:4:2  6:6 

11 1. 2.3.~

:2:2: 1  4:4:4  3:6:3 

111.2.3.5 

2:4  4:8  12 

11 1.2.~.5

:2:2: 1  4:4:4  3:6:6 

12 

( 8  

12  18 

‑95 ‑

(16)

54 カリックス[6]ア レ ー ン エ ス テ ル 誘 導 体 を 用 い た ア ル カ リ 金 属 イ オ ン の 抽 出

カリックス

[ 6 ]

ア レ ー ン ヘ キ サ エ ス テ ル 体 が 提 供 す る 空 孔 径 は ア ル カ リ 金 属 の 中では、カリウムイオン、セシウムイオンに対して適合することが知られてい る。そこで、カリックス [6]ア レ ー ン エ ス テ ル 誘 導 体 を 用 い て 二 相 系 で の 抽 出 実 験を行った。

図5‑3、図54に抽出率をまとめた。

UU

4l i 

1 0 0  9 9 . 8  

7  8  13 

̲  8 0  

5

、 ¥

主 60

c

84O 

20 

53

今回測定した条件では、ヘキサエステル体では100%、ヘキサメチル体では0%

近 く の 抽 出 率 を 示 し 、 部 分 的 に エ ス テ ル 基 を 導 入 し た 化 合 物 で は 主 に エ ス テ ル 基の個数を反映した階段状の抽出率を示した。両グラフより明らかなように、

全般的にカリウムイオンよりもセシウムイオンの方が高い抽出率を示している。

この点に関しては、これまでしばしば言われてきたカリックス[6Jア レ ー ン の 提 供 で き る 歪 孔 径 と 大 き さ と そ の ア ル カ リ 金 属 イ オ ン 選 択 性 と の 議 論 に お け る

[セシウムイオン選択性

J

と良い一致を示している8.9)

(17)

100 

1 0 0  1 0 0  

n A  Ll A A F I   11

、、.

じ と : : r r : ぐ ' l H : ご ご ' l t

80  b¥ 

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c

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e・・I 1: 1:1  1:1  1:1  1: t 司、'・、~; [‑1  +~、+~,、

20 

0 7 8 9 9 9 1 0 1 0 1 0 1 1 1 1 1 1 1 2 1 3  

1 13  1,4  ,213  12,4  135 123,4  12312,4, 54 エステル誘導体によるセシウムイオンの抽出(化合物番号のV・は省略)

一方、異性体問での差異に注目すると、大雑把にはエステル基が隣接した異 性体ほど高い抽出率を示す傾向が見られる。しかしながら、カリウムイオンの 抽出ではトリ体に関して、対称、性のよい1,3,5‑トリ体が最も高い抽出率を示して いるが、これは一般的に1.3.5‑メチルー2人6‑アルキル体で観測される"f1aened‑ cone"構造10.11)によりカリウムイオンに対して最適の空孔径が提供されたためと

は考えにくい。というのも"f1attened‑cone"構造で、は通常のヘキサヘキサ置換体の 場合よりもエステル部位が広がった構造をとるためである。 1,3,5‑メチルー2,4,6‑

アミド誘導体においては、ナトリウム、カリウムイオンに対してのみホスト:

ゲスト=1: 2の化学量論比にある錯体の形成が確認されたという実験結果も報告 されている。本抽出系においてこのような錯体の形成が可能であるか否かは詳 細な議論ができないが、単純な抽出機構のみとは考えに くい。対j照的に、セシ ウムイオンの抽出では1.3.5‑トリ体は他の異性体と比較しでも抽出率は低い値 となっている。この点に関しでも、本来、アルカリ金属の配位に対しては方向

‑97 ‑

(18)

性 の 因 子 は あ ま り 重 要 で は な く 、 二 相 系 の 抽 出 実 験 の た め 化 学 量 論 比 に 関 し て も 正 確 に 規 定 で き て い な い と い う の が 実 状 で あ る 。 化 合 物 の コ ン ホ メ ー シ ョ ン 自由度の違いに基づく錯体構造の違い(全ての異性体が"cone"型 の コ ン ホ メ ー シ ョ ン を と っ て い る と は 限 ら な い ) が 反 映 さ れ た 可 能 性 も 考 え ら れ る 。 以 上 の よ う な 様 々 な 因 子 に よ り 、 123‑ト リ 体 の 方 が 高 い 抽 出 率 と な り 、 "135‑

K

"123‑Cs+"と い う 異 性 体 に よ る 選 択 性 の 違 い が 発 現 さ れ た も の と 考 え ら れ る。

5‑5  カリックス[6]ア レ ー ン 工 ス テ ル 誘 導 体 を 用 い た ア ル キ ル ア ン モ ニ ウ ム イ オンの抽出

カリックス[6]ア レ ー ン ヘ キ サ エ ス テ ル 体 は 水 素 結 合 に よ り ア ル キ ル ア ン モ ニ ウ ム 塩 と 錯 化 す る こ と が 知 ら れ て い る 九 そ こ で 、 カ リ ッ ク ス[6]ア レ ー ン エ ス テ ル 誘導体を用いて二相系での抽出実験を行った(図5づ)。

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V‑13  V‑16  V‑17 

‑98 ‑

(19)

UU

EEA

20 

6

ι80 

三 6 0

cj 

υ 

4 0  

>< 

V‑I013,5  V15 V12 V14 V13

Compound 

V‑16  V17

55 エステル誘導体によるか7・チルアンモニウム塩の抽出

ヘキサエステル体では40‑70%程度、トリエステル体では0%の抽出率を示した。

基 本 的 に は 末 端 ア ル キ ル の 脂 溶 性 が 上 が れ ば 抽 出 率 が 上 昇 す る と い う 傾 向 が み られる。最も特徴的なことは、 V‑12では

v

13と比較して抽出率が半分以下に落 ちているのに対し、 V‑14ではV‑16と比較しでもかなり高い抽出率を維持してい ることである。V‑13は ア ル キ ル ア ン モ ニ ウ ム 塩 の 添 加 に よ か'cone"コンホメー ションへ変化することが報告されていたが、この結果は、 V16にneチルアン モニウム塩を添加しでも "cone"コンホメーションのみにはならず、 5つ の エ ス テ ル 基 が 配 位 し た よ う な 錯 体 構 造 が 存 在 す る 可 能 性 が あ る こ と を 示 唆 す る も の で ある。そこで、 lH‑NMR測 定 を 行 い 錯 体 構 造 の 解 析 を 試 み た ( 図5‑6)。

‑99 ‑

(20)

. .

 

。 ‑ ー ー

~O

~ 0t17 

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守‑r‑r‑r‑‑‑‑γー‑r‑‑r‑r ー‑ーー・『ーーーーーー一i寸ーア‑r‑rー,'"一「

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, 一 一 「 一 一 一 「 ー

4 . 8   4 . 0   ppm 

9 . 0   7 . 0   5 . 0   3 . 0   1 . 0   ppm 

図56 n7'チルアンモニウム塩存在下でのV16 lH‑NνRスペクトル及びlH̲1HCOSYスペクトル

その結果、アルカリ金属イオンを添加した場合とは異なり、複雑なシグナル が観測された。しかしながらい'cone"構造を示すシグナルは含まれており、これ らのシグナルを消去すると、前述したような5つのエステル基が配位したような 錯体の存在が浮上する(カリックス[4]アレーンの"partialcone"構造に類似)。な ぜ、末端のエチル基と tertフびチル基の遣いにより、このような現象が起きるのか

‑100‑

(21)

は未だ不明であるが、抽出結果からの考察とは矛盾しないものである。

56 総 括

合 成 に 関 し て は 、 全 て の 異 性 体 に お い て 良 好 な 収 率 で 得 ら れ た 。 こ の よ う に 機 能 性 の 置 換 基 を 選 択 的 に 導 入 す る 手 法 は 、 カ リ ッ ク ス[6]ア レ ー ン に お い て は 非 常 に 困 難 で あ る が 、 今 回 の よ う に メ チ ル 誘 導 体 を 出 発 原 料 と す る 方 法 は 極 め て 有 用 で あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 つ ま り 、 メ チ ル 基 で 水 酸 基 を 保 護 し て い ると考えると、カリックス[6]ア レ ー ン に 対 し て は 『 導 入 し た い 位 置 に 導 入 し た い数だけ

J

機 能 性 の 官 能 基 を 配 置 す る こ と が 可 能 に な っ た と 言 え る 。 更 に 、 得 ら れ た エ ス テ ル 誘 導 体 を 用 い た 、 ア ル カ リ 金 属 イ オ ン 、 ア ル キ ル ア ン モ ニ ウ ム イ オ ン 、 に 対 す る 親 和 性 に つ い て 比 較 検 討 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 エ ス テ ル 基 の 数 ・ 位 置 及 び コ ン ホ メ ー シ ョ ン 自 由 度 に よ り そ の 親 和 性 が 変 化 す る 様 子 が 系 統 的 に 示 さ れ た 。 今 後 、 本 系 は 分 子 認 識 へ の 展 開 に お い て 基 質 分 子 に 合 わ せ て 機 能 性 置 換 基 を そ の 方 向 及 び 官 能 基 数 の 両 面 に お い て 自 在 に 配 置 す る こ と が 可 能 である。

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‑102‑

(23)

第六章 架橋型カリックス[句アレーンの合成と構造特性

61 序

カリックスアレーン類は、内部空孔を有する環状構造であるため、適度な修 飾を施すことでホスト・ゲスト型のレセプターや触媒分子の設計において有用 な基本構造となり得る1)。精密なホスト化合物の分子設計に際し、機能性置換基 を位置選択的に配置することで、より高度な包接環境の構築が可能になる。更 に、カリックスアレーンの最大の特徴であるコンホメーション異性を制御する ことにより、これまでの環状化合物では構築できなかったような三次元的に修 飾された機能空間の創裂が可能となるであろう。カリックスアレーンへの置換 基の導入には、上端(upperrim)への芳香族求電子置換反応、下端(lowerrim)へ の Williarnson反応によるアルキル化があるが、後者がより簡便で頻繁に使用されて いる。カリックス[4Jアレーンと比較して、フェノール単位を二つ多く持つカリ ツクス[6Jアレーンでは、置換基の導入法に関して系統的な研究は数例しか行わ れていなかった~。) これは二つのフェノール単位の増加によるコンホメーション の柔軟性の増大、及び選択的な置換基導入の困難さに起因している。しかしな がら筆者は第四章で示したように、カリックス[6Jアレーンのメチル誘導体にお いて全誘導体の合成(位置選択的な置換基の導入)に成功した。また第五章で 述べたようにメチル誘導体に対して残存する水酸基を利用した機能性置換基の 選択的な導入が可能になった。そこで本章では、残されたもう一つの問題、す なわちカリックスアレーンの最大の特徴であるコンホメーション特性(固定化、

制御法)に関して検討を行った。

第二章、第三章で得られた知見を考慮すると、単純に立体障害を導入するこ とは無意味である。p‑tertブチルカリックス[6Jアレーン誘導体では、水酸基側か らの反転に加えて、パラ位の置換基側からの反転が起きるためである(図6‑1)0

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表 5 ・ l エステル誘導体の IH‑NMR 分裂パターン(化合物番号の v ‑ は省略)
図 7 ‑ 9 銀イオン添加による VII‑l の lH‑N 肘 R化学シフト変化 また、錯化種と非錯化種のシグナルの融合温度 ( T c ) に関して検討したところ (溶媒:1 , 1 , 2 , 2 ‑ テ ト ラ ク ロ ロ エ タ ン ‑ d 2 : D 恥1F ‑ d 7 = 4 : 1 v / v ,  400 加出 z ) 、1 3 S0 C 以上(広 幅化は起き始めており、タト挿すると 140‑1S00 C 付近)であることが明らかになった。 因 み に テ ト ラ プ ロ ピ ル カ リ

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