九州地域自動車産業の部品調達率向上 に向けた課題
講演者 居城 克治(福岡大学商学部 教授)
2006年2月8日
財団法人 九州地域産業活性化センター
九州地域自動車産業の部品調達率向上に向けた課題
- 資 料 目 次 -
1.自動車生産の現状 ··· ····1
(1)世界 ··········1 (2)東アジア ······2 (3)日本 ··········3 (4)九州 ··········4 ①九州の生産能力と完成車メーカーの立地状況
②自動車関連企業の立地状況 ③生産台数の推移
④生産額の推移
2.九州の自動車部品調達構造 ···8
(1)完成車メーカー ······8
①域内調達の現状 ②域内調達率向上策
(2)一次部品メーカー ······12 ①九州への進出状況
②域内調達率向上策
(3)地場系部品メーカー ······15 ①特徴
②自動車産業への参入状況
③自動車産業参入に向けた課題と域内調達向上の機会
3.九州における域内調達率向上のための方策 ···18
4.自動車産業参入事例 ···19
1.自動車生産の現状 (1)世界
・世界の自動車生産台数6,396万台
・アジア大洋州を中心に伸びる自動車生産台数
・日本の完成車メーカーもアジアを中心に海外生産増
● 2004 年の世界の自動車生産台数は前年より約 338 万台増の 6,396 万台であ
った。地域別にみると、アジア大洋州 2,395 万台(うち日本 1,079 万台)、 欧州 2,083 万台、北米 1,470 万台の順となっている。特に、アジア大洋州 は、中国国内での生産台数が伸びていることもあり、2003 年、2004 年は いずれも前年比 200 万台増となっている。● アジア諸国の経済成長などを背景に、日本の完成車メーカーの海外生産の動
きは活発化している。特に、2000 年以降の生産台数の伸びは顕著であり、2 004 年における日本の完成車メーカーの海外生産台数は 979.8 万台と、国内 生産台数に迫る勢いである。これを地域別に見ると、アメリカ 384 万台、ア ジア 364 万台となっている。図 1 世界の自動車生産台数推移 図 2 日本メーカーの海外生産台数
資料)日本自動車工業会
0.0 200.0 400.0 600.0 800.0 1,000.0 1,200.0
1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 2001 03
大洋州 アフリカ 中南米 北米 欧州 中近東 アジア
04年
(万台)
89.1
326.5
555.9 537.1 628.8
979.8
資料)日本自動車工業会 0
1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000
2002 2003 2004年
アフリカ計 アジア大洋州*
日本 中南米 北米 欧州
5,895 6,058 6,396
(万台)
1.自動車生産の現状 (2)東アジア
● アジア大洋州の主要国の自動車生産台数をみると、日本が 1,000 万台で推移
している一方で、中国は 2002 年の 329 万台から 2005 年には 571 万台と 成長著しい。● また、九州から半径 500kmの圏内には近畿地方と同様に、韓国における4
工場が含まれ、1000km の圏内には韓国の全域と上海市の各工場が含まれる ことになる。● これら九州、韓国、上海市を総合した自動車の生産台数は約 550 万台となり、
国内生産台数の半分に相当することから、九州における自動車産業は対中国、
韓国への拠点としても重要な位置を占めていることがわかる。
● なお、中国、タイ、インドネシア、フィリピン等には日本の完成車メーカー
の生産拠点や関連会社が多く、中でも中国は 29 カ所と群を抜いている。図 3 アジア大洋州の主要国自動車生産台数推移 図 4 東アジアにおける各国・地域の自動車生産規模
・ 成長著しい中国の自動車産業 生産台数550万台突破
・ 九州における自動車産業は対中国、韓国への拠点としても重 要な位置を占める
資料)日本自動車工業会
329 315
33 1,029
444
318
39 507
347
43 571
1,026 1,0511,080
370
- 200 400 600 800 1,000 1,200
日本 中国 韓国 台湾
2002年 2003年 2004年 2005年 (万台)
資料)自動車工業会資料、各種資料、新聞記事より作成
1.自動車産業の現状 (3)日本
● 日本における自動車製造から運送、ガソリン、販売・整備までに至る自動車
関連産業の就業人口は、全就業人口の 7.9%にあたる 507 万人となっている。● 2005 年の日本国内の自動車生産台数は、1,079 万台。1970 年の 529 万台
と比較すると、ちょうど2倍の規模に成長している。一時自動車の生産台数 は 1,350 万台まで伸びた(1990 年)ものの、海外生産の拡大などもあり、1990 年代後半から 2005 年まで 1,000 万台前後で推移している。
● 生産の内訳をみると、1970 年代は自動車生産台数の 39%を占めていたトラ
ックのシェアが 15.8%にまで縮小し、乗用車が 60%から 83.5%にまで拡大 している。図 5 日本の自動車関連産業と就業人口(2004 年) 図 6 日本の完成車メーカーの国内生産台数推移
・ 生産台数は 1970~2005 年の 35 年間で2倍の規模に成長
・ 生産の内訳をみるとトラックのシェアが縮小し、乗用車のシ ェアが拡大
・ 自動車関連産業の就業人口は507万人
(全就業人口の7.8%:2004年)
資料)日本自動車工業会 日本の全就業人口
6,432万人
○自動車製造部門・・・・・・・719,000人 ○利用部門(運送等)・・・・・2,724,000人 ○関連部門(ガソリン・保険等)・337,000人 ○資材部門・・・・・・・・・・・・・・68,000人 ○販売・整備部門・・・・・・・1,222,000人 自動車関連就業人口
507万人(7.9%)
資料)日刊自動車新聞社「自動車年鑑2004年版」
200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600
1970 80 90 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05
(万台)
(年)
529 1,104
1,349
1,014 1,080
バス
トラック
乗用車
1.自動車産業の現状 (4)九州 ①生産能力と完成車メーカーの立地状況
●
1976 年の日産自動車九州工場の生産開始以降、1992 年にはトヨタ自動車 九州、2004 年にはダイハツ車体が九州での自動車生産を開始している。2005 年には、トヨタ自動車九州とダイハツ車体が相次いで生産増強してい る。最新鋭の工場が集積する九州地域の自動車生産能力は 100 万台を超えた。
(2006 年 1 月現在)
図 7 九州に立地する完成車メーカー
資料)九州経済調査協会作成
・ 100万台を超えた九州の自動車生産能力
1.自動車産業の現状 (4)九州 ②自動車部品メーカーの立地状況
● 九州の自動車部品メーカー
1数は 463 社となっている(2005年九経調調査に よる)。● 上記企業数から金型や治工具、設備関連メーカーを除くと自動車関連企業数
は 463 社となり、うち進出系部品メーカーは 249 社、地場系部品メーカー は 214 社という構成になっている。なお、進出系部品メーカーのうち 125 社は、自社又は親会社が完成車メーカーの協力会に所属している。地場系部 品メーカーで一次部品メーカーとしての取引があるのは 1 社となっている。● これを県別にみると福岡県が 194 社(41.9%)と最も多く、以下、大分県の
91 社(19.7%)、熊本県の 63 社(13.6%)と続いており、福岡県、大分県、熊 本県の3県で全体の九州に立地する自動車部品メーカーの4分の3を占め ている。表 1 九州の自動車関連企業の県別割合 表 2 進出系・地場系メーカーの内訳
1 自動車部品メーカー数とは、九州経済調査協会調査によって把握した自動車関連部品企業(自 動車部品を製造等している企業(金型、冶工具等も含む))から金型、治工具、設備等を取り扱 う企業を除いたものである。
・ 九州の自動車部品メーカーは福岡県に最も多く立地
・ 福岡、熊本、大分の3県で九州全体の7割を占める
事業所数 比率(%) うち進出企業 比率(%)
福岡県
194 41.9 87 34.9
佐賀県
41 8.9 15 6.0
長崎県
9 1.9 8 3.2
熊本県
63 13.6 45 18.1
大分県
91 19.7 53 21.3
宮崎県
36 7.8 22 8.8
鹿児島県
29 6.3 19 7.6
九州7県計
463 100.0 249 100.0
注)金型、治工具、設備関連の企業を除く
資料)九州経済調査協会 『データ九州 九州・山口の自動車関連部品工場 等一覧』をもとに作成
進出系 地場系 一次*1
125 1
二次・三次124 213
計
463
*1)ここでの進出系一次は、親会社もしくは自 社がトヨタ、日産、ダイハツの各協力会に加盟 している企業を指し、地場系一次は、完成車 メーカーへのヒアリング結果による。
*2)「データ九州」の企業から、金型、治工 具、設備関連の企業を除いた数字
資料)九州経済調査協会『データ九州 九州・
山口の自動車関連部品工場等一覧』より作成
1.自動車産業の現状 (4)九州 ③生産台数の推移
● トヨタ自動車が本格的に生産を開始した 1993 年から 2005 年の 12 年間に、
九州の自動車生産台数は、44.5 万台から 87.5 万台へと倍増すると共に、九 州の全国シェアも増加していることから、完成車メーカーの国内における生 産戦略上、九州の位置づけが向上していることが伺える。
● この理由の一つとして、東海や関東と比べて人材を集めやすいことがあげら
れる。2004 年の地域別有効求人倍率をみると、東海の 1.22 に対し、九州は 0.59 となっており、九州は他の地域と比較して人材確保が容易な状況にある。● 2004 年のダイハツ車体による生産開始や 2005 年のトヨタ自動車九州の第
2工場増設等を考慮すれば、自動車産業に占める九州の位置づけは今後ます ます向上することが期待できる。図 8 九州の自動車生産台数推移と全国シェア 図 9 地域別有効求人倍率推移
・ 増加を続ける自動車生産台数、12年間で約2倍増
・ 九州の全国シェアも増加しており、完成車メーカーの国内に おける生産戦略上、九州の位置づけは向上している。
資料)厚生労働省「職業安定業務統計」
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
1995 96 97 98 99 2000 01 02 03 04年
南関東 北関東・甲信 東海 九州
1.2 1.0
0.9
0.6
注)全国シェア:九州の乗用車生産台数が全国の乗用車生産台数に占める割合を指す 資料)日本自動車工業会、九州経済調査協会のデータより作成
44.5 41.1
55.5 58.2 60.2 60.2 54.8 52.7
64.8 65.4 73.4 72.8
87.5
4.0 3.9
5.4 5.6 5.5 6.0 5.5 5.2
6.6 6.4 7.1 6.9
8.1
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
1993 94 95 96 97 98 99 2000 01 02 03 04 05年 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 九州の生産台数
全国シェア
(万台) (%)
1.自動車産業の現状 (4)九州 ④生産額の推移
● 九州における自動車部品出荷額は、2000 年前後にやや落ち込んだ時期があ
るが、1981 年の 1,008 億円から 2003 年には 5,843 億円に増加している。● この自動車部品出荷額の変動を他地域と比較してみると、自動車の総生産台
数には大きな変動がない(ほぼ 1,000 万台前後で推移)にもかかわらず、東 海地区の部品出荷額は向上している。● 一方、九州においては自動車生産台数シェアが増加しているにもかかわらず、
部品出荷額の伸びは東海地区に比して緩やかであり、生産台数の増加に域内 調達が追いついていない状況があらわれているといえる。
・ 1993~2005 年の間で九州における生産台数は約 2 倍に増加し ているにも関わらず、自動車部品出荷額は 1.2 倍と緩やかな 伸び。
資料)経済産業省「工業統計表(品目編)」
1,0151,303 1,712
2,2262,0162,367 3,2993,501
3,936 4,5464,813
4,4104,701 5,283
5,843 5,708
5,627
5,228 4,852 4,904 5,250
1,008 1,387
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000
1981 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03年
(億円)
図 10 九州における自動車部品出荷額推移
図 11 地域別自動車部品出荷額推移
資料)経済産業省「工業統計表(品目編)」
0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000
1981 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03年 関東(1都6県)
東海(4県)
近畿(2府4県)
中国(5県)
九州(7県)
その他
(億円)
111,487
8,836 10,331 5,843 43,744
12,656
2.九州の自動車部品の調達構造 (1)完成車メーカー ①域内調達の現状
● 自動車産業では、開発・最終組立を行う完成車メーカー、自動車部品の供給
を担う部品・材料メーカー、種々の機械加工等を担当する中小企業が有機的 に連携する効率的な生産システムが構築されている。また、単に生産活動の 分業が行われるのではなく、製品開発・試作、生産設備・技術の高度化、VA/VE 活動2等の生産コスト低減等、幅広い分野で企業間の協力関係が構築されてい る。一般的に完成車メーカーで必要とされる部品の 30%はメーカー内製で、残りの 70%は主として傘下に組織化された数百社からなる協力会所属企業 が生産を担当しているといわれている。
● 日産自動車関連の企業集積が厚い関東、トヨタ自動車の本拠地である東海地
区におけるこれら完成車メーカーの外注費に占める域内調達率は 84%に達 しているほか、近畿、中国地区においても 7 割近くの水準となっている。こ れに対して九州地区の域内調達率は 50%にとどまっており、自動車部品企 業集積の脆弱性が指摘される。表 3 各メーカーの協力会組織数値 表 4 外注費に占める域内調達率(地域別)
2
VA(value analysis)/VE(value engineering)
:VA
とは価値分析、VE
とは最低のライフサイクルコストで、必要な機能を確実に達成するため、組織的に、製品またはサービスの機能の研究を行う方法である。
・ 完成車メーカーが必要とする部品の30%は内製、70%
は外部調達(金額ベース)
・ 完 成車メ ーカーの 外注費 に占める 九州の 域内調達 率は 、 約50%
メーカー 協力会名 加盟数
トヨタ 協豊会 205社
日産 日翔会 185社
日産九州工場 新浜会 66社
ダイハツ ダイハツ協友会 144社
デンソー デンソー飛翔会 81社
資料)「日本の自動車部品工業」
地域 域内調達率(%)
関東 84
中部 84
近畿 68
中国 67
九州 51
資料)九州経済産業局「2003 - 2004 九州経済 Review&Preview」
2.九州の自動車部品の調達構造 (1)完成車メーカー ①域内調達の現状
● 完成車メーカーが域内調達している自動車部品は、車体パネル部品・シート
といった車体部品が大半を占め、これに以下の部品の中で多額の物流費を必 要とする大物部品を加えたものである。<車体部品以外で一部が九州内で生産されている自動車部品>
エキゾーストパイプ・エアクリーナといったエンジン部品、ステアリングホイー ル・ブレーキチューブといった駆動部品、ヒーターユニット・A/C といったエレ クトリカル部品
表 5 九州域内未調達主要自動車部品
・ 域内調達率50%の中身は、車体部品が大半。
・ 大物部品の多くは既に域内調達に切り替わっている
エンジン部品 駆動部品 電気部品
シリンダヘッド トランスミッションアッセンブリ ヘッドランプ
シリンダブロック トルクコンバータとチェーン フォグランプ
ギヤカバーとエンドプレート トランスミッション ケース リヤコンビネーションランプ
クランクシャフトとピストン オイルクーラとチューブ センタストップランプ
カムシャフトとバルブ トランスファアッセンブリ ホーン
オイルポンプ トランスファギヤ バッテリとケーブル
オイルフィルタ リヤ アクスルハウジング ワイヤリングとクランプ
ウォータポンプ フロントアクスル ハウジング インジケータ
マニホルド ドライブシャフト EFI
オルタネータ トランスミッションコントロール(MT) クルーズコントロール
スタータ シフトコントロール(AT) オーバードライブとECT
EFIシステム トランスファコントロール ABSとVSC
リヤ アクスルシャフトとハブ エアバック
フロントアクスル ハブ 盗難防止システム
ステアリングコラムとシャフト ラジオとテーププレーヤ
フロントステアリング ギヤ スピーカ
ブレーキブースタ マルチディスプレイ
フロントディスク ブレーキ リヤ ディスクブレーキキヤリパ フロント アクスル アーム フロントスプリング リヤスプリング 資料)ヒアリングより作成
2.九州の自動車部品の調達構造(1)完成車メーカー ②域内調達率向上策
● 九州域内での部品調達率向上の鍵を握っているのは一次部品メーカーの動
向である。トヨタ自動車九州、ダイハツ車体、日産自動車九州工場といった 九州自動車メーカーの生産拡大を契機に、①未進出自動車部品企業が九州に進出し、新たな部品生産を開始、或いは
②既進出自動車部品企業が新たな部品生産を手がけること
によって九州域内の自動車部品供給能力の向上が図られ、この結果域内調達 率も向上する。このような域内調達率向上の動きは九州で発生する仕事量と 九州内で調達できる部品や加工コストの比較優位によって加速化される。
● 今後、九州におけるエンジン・トランスミッションの生産本格化や、自動車
生産台数の更なる増加に伴って、九州に営業拠点のみを置いている部品メー カー(30 社程度)が、本格的な進出を行う可能性もあり、このような機会 を利用した域内調達率の向上が期待される。● 自動車の開発は完成車メーカーと一次部品メーカーとの間で量産開始の約 2
年前から始まる。完成車メーカーは必要とする部品の構想や必要スペックを 提示し、一次部品メーカーが要求に基づいて製品開発・製品設計・生産設計・品質保証を行い、発注側の承認を得て生産を行っている。こうした協力関係 は一次部品メーカーと二次・三次部品メーカーの間でも積極的に進められて おり、現在では、試作段階から中小企業からの設計改善・工法改善提案が期 待されている。九州の地場系部品メーカー3(以下「地場系メーカー」という。) が参入していくためには、一次部品メーカーに対して開発スケジュールに併 せた積極的な売り込みが肝要となってくる。
3九州を地場とする一次、二次、三次部品メーカーの総称
・ 未進出の一次部品メーカー誘致が域内調達率向上の鍵
・ 九州の地場企業は一次部品メーカーに対して 1 日も早く
売込みを
表 6 九州域内に営業拠点のみを持つ部品メーカー
エトー㈱北九州営業所 北九州市 切削加工品、樹脂成型品、精密切削加工品、プレス加 工品
キーパー㈱九州出張所 北九州市 オイルシール,ブーツベロー,オイルゲージ
㈱小糸製作所九州業務所
※2006年佐賀市に進出予定
北九州市 リヤコンビネーションランプ
㈱ナブテスコ北九州営業所 北九州市 自動車用ブレーキ装置
㈱ニフコ九州営業部 北九州市 プラスチックファスナー 日本板硝子㈱輸送機材営業部 北九州市 自動車安全ガラス 日本金属工業㈱九州営業所 北九州市 ボディ外装
マハ日本事業所 北九州市 自動車検査装置
イナベアリング 福岡市 ベアリング等の営業、物流
空研工業㈱ 福岡市 燃料タンクのキャップ
㈱小糸製作所福岡営業所
※2006年佐賀市に進出予定
福岡市 リヤコンビネーションランプ
中興化成工業㈱ 福岡市 フッ素樹脂製品
ミトヨ㈱九州事業所 田川市 レゾネーター、エアーダクト/中空成形加工 柳河精機㈱福岡出張所 柳川市 トランスミッション、足廻り部品 イワタボルト㈱福岡営業所 行橋市 ネジ類
日本ボデーパーツ工業㈱西日本支社 宮田町 自動車ボデー材料,用品
㈱中外福岡流通センター 若宮町 自動車用防音部品
エトー㈱苅田営業所 苅田町 切削加工品、樹脂成型品、精密切削加工品、プレス加 工品
サンノハシ九州営業所 苅田町 ボルト
㈱城南製作所九州出張所 苅田町 ドアウインドレギュレーター,ドアロックヒンジ,リクライ ニングシートヒンジ,サンルーフ
㈱トープラ九州営業所 苅田町 ボルト,小ネジ,タッピングネジ
二引㈱九州支店 苅田町 石油製品
明和eテック九州営業所 苅田町 自動車向け計測制御、生産システムの設計、営業
フコク物産㈱九州営業所 勝山町 防振ゴム
自動車電機工業㈱椎田流通センター 椎田町 ワイパーモーター,パワーウインドモーターの販売・物 流拠点
建設ゴム㈱九州営業所 佐賀県 上峰町 自動車部品、付属品、電力向ゴム部品
㈱荒井製作所熊本出張所 熊本市 自動車部品・用品店
大同工業㈱熊本営業ブロック 菊池市 二輪自動車用ドライブチェーン,エンジンカムチェー ン,リス,スポークアンドボルト
日本精機㈱熊本営業所 菊池市 スピード・タコ・TEMP・FUEL等の計器,ユニット,
ハーネス,バイザー
㈱ウチゲン熊本営業所 大津町 塗料材
資料)各種資料より九州経済調査協会作成 福岡県
熊本県
事 業 内 容 企 業 名 県 市町村
DEPOのみをおいている企業一覧を添付
図 12 自動車メーカーと部品メーカー間のやりとり(イメージ)
資料)ヒアリング等より作成 完
成 車 メー カー
一 次 部 品 メー カー
二 次
・ 三 次 部 品 メー カー 目標価格
製品・生産設計
情報交換 2年前 車両開発
1年前
量産
(製品コンセプト)
(品質保証)
VA/VE提案
承認・量産化
売り込み
(設計改善・工法改善)
(発注図面・価格)
(VA提案)
量産化 生産設計・品質保証
2.九州の自動車部品の調達構造(2)一次部品メーカー①九州への進出状況
● ダイハツ車体の中津進出やトヨタ自動車九州の増設にあわせる形で、2000
年以降、新規に 20 社近い一次部品メーカーが進出を果たしている。今後も ダイハツ車体の増設等にあわせて、一次部品メーカーが更に九州へ進出する 可能性は高い。● 今回の進出ブームにおいては、一次部品メーカーの立地場所は福岡県と大分
県に集中している。とりわけ、北九州市から中津市にかけての地域への立地 が目立っている。表 7 2000 年以降に九州に進出した主な一次部品メーカー
企業名 市町村 進出/参入
年次 事業内容(生産品目等)
東プレ九州㈱ 久留米市 2001 自動車用プレス部品
九州シロキ㈱ 北九州市 2002 シートリクライナー、シートアジャスタ、ドアサッシ
㈱イノアック九州 行橋市 2002 シート用ウレタンモールド品
イナジー・オートモ-ティブ・システムズ㈱北九州工場 北九州市 2003 樹脂製燃料タンク
フォルシア・ニッパツ九州㈱ 苅田町 2003 自動車用シートの製造
㈱ナミユニット 北九州市 2004 自動車プレス溶接部品
千代田工業九州㈱ 北九州市 2004 ブレーキ、クラッチペダル、ドア補強部品
ムロオカ産業㈱九州工場 豊前市 2004 プラスチック成形自動車部品
トヨテツ福岡㈱ 宮田町 2004 溶接部品製造
㈱シーゲル 中津市 2004 インストルメントパネル
富双シート㈱ 中津市 2004 自動車用座席・内装品
豊田合成㈱北九州工場 北九州市 2005 車体シール部品、セーフティシステム製品
トヨタ紡織九州㈱第二工場 宮田町 2005 シート順立て、ドアトリム、エアフィルター
葵機械工業㈱中津工場 中津市 2005(予定) 金属プレス、板金部品
㈱フタバ伊万里直方工場 直方市 2006(予定) 自動車用プレス部品
小糸九州㈱ 佐賀市 2006(予定) 自動車用照明機器の製造
資料)九州経済調査協会『データ九州 九州・山口の自動車関連部品工場等一覧』、新聞記事等より作成
・ 5年間で20社近い一次部品メーカーが立地
・ 北九州市から中津市にかけての地域(北部九州)に集中
2.九州の自動車部品の調達構造 (2)②一次部品メーカーからみた課題
● 多くの一次部品メーカーは域内調達には前向きであるものの、九州に立地す
る二次、三次部品メーカーの「生産管理面」が一定のレベルに達していない ために、九州域外企業や進出企業と取引を行うケースも少なくない。● また、九州には自動車に関連する鋳造、メッキ、熱処理、塗装等を行う企業
が少ないために、九州外へ外注又は内製化している一次サプライヤーも多い ことを考慮すると、九州の域内調達率向上にあたっては、地場系メーカーの「生産管理面のレベルアップ」と、「自動車関連のメッキ、熱処理、塗装等 への新規参入(又は事業拡大)」が鍵を握っているといえる。
● さらに、一次部品メーカーは、コスト削減に向けた取引先の絞込みに力を入
れているところも多く、二次、三次部品メーカーに対し、複数工程を担うこ とを期待している。● 他方、未進出の一次部品メーカーの多くは、現在の九州の自動車生産台数で
は、『規模の経済性』を発揮できないとみている。九州で新規に設備投資し て生産するよりも、現在の設備で生産し、物流コストを上乗せした方が、減 価償却費がかからないために部品を安く提供できる。エンジン、ミッション といった高付加価値部品の分野や、鋳造・鍛造など大規模な設備投資を要す る工程において、この傾向が強い。・ 多くの一次部品メーカーは域内調達に前向き
・ 生産管理面のレベルアップとメッキ、表面処理、塗装等の分 野への参入が域内調達率向上の鍵
・ 二次、三次部品メーカーには複数の工程を担うことが期待さ
れている
表 8 九州における各分野の事業所が全国に占める割合
九州 構成比 九州 構成比 九州 構成比
工業用プラスティック製品製造業 4,859 127 2.6% 139,150 6,389 4.6% 3,044,114 106,198 3.5%
鋳型製造業 285 6 2.1% 3,114 0.0% 29,387 0.0%
銑鉄鋳物製造業 834 55 6.6% 25,305 1,398 5.5% 564,909 22,524 4.0%
可鍛鋳鉄製造業 78 3 3.8% 4,164 29 0.7% 111,214 119 0.1%
鋳鋼製造業 84 8 9.5% 6,535 402 6.2% 133,171 8,277 6.2%
鍛工品製造業 396 18 4.5% 12,552 352 2.8% 345,563 7,889 2.3%
鍛鋼製造業 11 1 9.1% 1,771 0.0% 68,378 0.0%
銅・同合金鋳物製造業 255 9 3.5% 4,340 0.0% 67,307 0.0%
非鉄金属鋳物製造業 449 13 2.9% 8,255 132 1.6% 167,073 1,274 0.8%
アルミニウム・同合金ダイカスト製造業 554 6 1.1% 18,603 432 2.3% 478,598 7,972 1.7%
非鉄金属ダイカスト製造業 202 0.0% 4,039 0.0% 53,142 0.0%
非鉄金属鍛造品製造業 98 1 1.0% 2,131 0.0% 57,022 0.0%
アルミニウム・同合金プレス製品製造業 684 19 2.8% 15,503 370 2.4% 492,868 20,669 4.2%
金属プレス製品製造業 3,553 94 2.6% 60,251 2,597 4.3% 997,824 31,180 3.1%
粉末や金製品製造業 135 4 3.0% 10,423 0.0% 235,136 0.0%
金属製品塗装業 1,953 54 2.8% 27,164 616 2.3% 282,666 6,217 2.2%
溶融めっき業 209 13 6.2% 5,863 629 10.7% 91,635 8,461 9.2%
電気めっき業 1,571 40 2.5% 31,549 1,944 6.2% 404,133 22,817 5.6%
金属熱処理業 569 22 3.9% 13,044 488 3.7% 236,377 6,477 2.7%
合計 16,779 493 2.9% 393,756 15,778 4.0% 7,860,517 250,074 3.2%
資料)工業統計(2003)より作成
全国(事業所数) 全国(従業員者数(人)) 全国(製造品出荷額(百万円))
図 13 九州地域を中心とした自動車産業の全体像
資料)各種資料、ヒアリング等をもとに九州経済調査協会作成 完成車 メーカー
3社
一次部品メーカー 協力会加盟企業中心
(関連子会社含む)
約130事業所
二次・三次部品 メーカー
(地場系メーカー中心)
約350事業所
・車体部品、大物部品中心
・一部で域内調達に積極的
・調達窓口ない
・プレス、各種加工中心
・設備が小型で仕事が限定的
・QCD、小ロット生産への対応 が参入のネックに
・エンジン、ミッション等に使われる高付 加価値部品の多くは、東海、関東地区か ら調達
・車体部品の域内調達は限界点に近づく
・部品調達の窓口は本社
・設計・開発部門も基本的に本社 日産自動車九州工場、トヨタ自動車九州、
ダイハツ車体
デンソー北九州製作所、CKK、
シーゲル、富双シートなど 本社工場
設計・開発 調達窓口
高付加 価値部品
・高度な 加工技術を 要する部品
・鋳造
・メッキ、塗装、熱処理
・大型設備を導入し、大量 生産、低コスト生産可能
東海、関東、広島地域など 九州地域
≪九州地域の各層の特徴≫
一次部品メーカー 協力会加盟企業
・完成車メーカーと 共同開発
・調達窓口あり
二次、三次部品 メーカー
・一次部品メーカーと 共同開発
・生産管理技術
高付加価値 部品
九州域内の一次部品メー カーを支えるこの部分
九州の裾野拡大
2.九州の自動車部品の調達構造 (3)地場系部品メーカー ①特徴
● 地場系メーカーの特徴として、自動車部品の製造を専業とする企業の割合が
非常に低いことがあげられる。売上に占める自動車関連事業の比率をみると、100%と答えた企業は進出系 43%に対して、地場系メーカーは 11%にとど まっている。これは、地場系メーカーが受注する量が小ロットであることや、
地場系メーカーの多くが自動車関連事業に特化することに消極的であるこ となどが背景にあると考えられる。
● 次に、地場系メーカーの生産領域をみると、比率が高かったのは車体部品、
電装・電機及び電子部品・装置であり、エンジン部品や懸架装置・制御装置 の比率は低い。車体部品は重く、容積も大きいため、完成車メーカー、一次 部品メーカー共に現地調達する傾向が強く、結果として地場系メーカーも車 体部品関連の仕事を多く手がけることとなっている。
図 14 自動車関連事業の売上比率 図 15 進出・地場系メーカーの生産領域
・ 自動車部品事業へ特化している地場系部品メーカーは少ない
・ 九州では重くかさばる車体部品の生産比率が高い
資料)九州経済調査協会「自動車関連産業の立地環境に関するアン ケート調査」(2005年1月実施)を再編加工
10%
5%
9%
43%
11%
15%
11%
8%
4%
21%
16%
13%
15%
19%
20%未満 20~39%
40~59%
60~79%
80~99%
100%
無回答
外円:地場企業 内円:進出企業
資料)九州経済調査協会「自動車関連産業の立地環境に関するアンケート調査」
(2005年1月実施)を再編加工
24.1 29.0 19.3 11.0
40.0 9.7
16.6 6.9
14.3 24.8 16.2 6.7
41.0 8.6
19.0 12.4
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 エンジン部品
電装・電気及び電子部品・装置 駆動・伝導・操縦装置 懸架装置・制動装置 車体部品 用品・アクセサリー その他 無回答
進出 地場
N=145 N=105
(複数回
(%)
2.九州の自動車部品の調達構造 (3)地場系部品メーカー ②自動車産業 への参入状況
● トヨタ自動車の設備増強、ダイハツ車体の中津進出等に伴う 2000 年以降の
自動車産業参入の動きは、1970 年代の日産自動車進出、1990 年代前半の トヨタ自動車九州進出に続く第 3 次自動車産業参入ブームと捉えることがで きる。● 2000 年以降自動車産業に参入した企業を進出、地場別にみると、地場系メ
ーカーの自動車産業への参入は、1980 年代、1990 年代前半は活発である のに対し、1990 年代後半、2000 年以降の動きは鈍く、第 3 次ブームは進 出系メーカーが主体となっている。図 16 自動車関連産業への参入時期
資料)九州経済調査協会「自動車関連産業の立地環境に関するアン ケート調査」(2005年1月実施)を再編加工
38
20
43
20 23
21
39
26
4 7
0 10 20 30 40 50
1970年代 1980年代 1990~1994年 1995年~1999年 2000年以降 進出 地場 (事業所)
第1次ブーム 第2次ブーム 第3次ブーム
・ 期待される地場系メーカーの自動車部品産業への新規参入
2.九州の自動車部品の調達構造 (3)地場系部品メーカー ③自動車産業 参入に向けた課題と域内調達向上の機会
● 基礎的な技術力は有しているものの、生産管理技術(多品種変量生産・工程
複合化の取り組みの遅れ)が未熟であり、マーケティング力、設計力も弱い。● 規定値を超えて高品質を目指すチャレンジング精神の不足
● 地場系メーカーにとっての「規模の経済性」
⇒受注量がそれほど大きくないので、大型設備の導入が進まず、関東・東海 地域に比べて生産コストが高くなってしまう。
● 完成車メーカーや大手一次部品メーカーのR&D拠点が九州から離れてい
るために新製品開発過程への参加に不利(新規参入のための開発提案が困 難)⇒「情報のすりあわせ」の機会が少ない。
● 自動車部品に対応できるメッキ、熱処理、ダイキャスト、塗装等が少ないこ
とがボトルネックとなっている。● ダイハツ車体㈱の操業開始やトヨタ自動車九州㈱の増設に伴う生産台数の
増加● トヨタ自動車九州㈱の苅田工場新設に伴う、エンジン部品の域内調達可能性
の向上● 生産台数の拡大による地場系メーカーの「規模の経済性」の克服可能性
● 生産台数の増加に伴う新たな一次部品メーカー進出可能性の向上
● 進出企業の物流コストの削減を目指す動き
● 系列を越えた新たな生産ネットワーク構築の動き(リングフロム九州、パー
ツネット北九州、GAMADAS 等)・ 地場系メーカーの課題
・ 地場系メーカーを取り巻く環境の変化(域内調達向上の機会)
3.九州における域内達率向上のための方策
①自動車部品に関するボトルネック業種(メッキ、ダイ キャスト、熱処理等)の解消
②高速道路網の整備による立地エリア拡大と安定した 輸送の実現
③労働需給を考慮した最適な企業の立地誘導
④東アジアを視野に入れた生産戦略立案による規模の 経済性の発揮
⑤中小企業大学校等の研修を活用した地場系メーカー の生産管理能力の向上
⑥ ISO9000 シリーズ・ 14000 シリーズ又はエコアクション 21 の取得による品質・環境対応能力の向上と取引機会 の拡大
⑦九州各自治体実施の企業誘致策やマッチング商談会 を活用した新規参入及び事業拡大
⑧リングフロム九州、 GAMADAS 等を活用した受注機会 の確保
⑨完成車メーカーの開発拠点(現時点では㈱トヨタ車体 研究所のみ)を通じた新製品開発作業への参加
九州における域内調達率向上のための方策
4.自動車産業参入事例 ①
■A社(福岡県:プラスチック成形)
参入前の状況、参入のきっかけ
○ プラスチック成形原料製造に加えて、弱電向けにプラスチック部品を製造。
○ 1970 年代前半、アメリカのメーカーとプラスチック原料の技術提携を結 んだことを契機に、ある大手メーカーとの取引が始まる。その後、その大 手メーカーを通じて、一次部品メーカー向けのプラスチック成形を手がけ るようになる。
参入後に苦労した点など
○ 一次部品メーカー側からの品質に対する要求が厳しい。品質とともにコス ト、納期も守らなければならない。
○ 見積もり提出から価格決定、生産開始という段取りが、これまでの弱電業 界とは異なること。
自動車産業参入のメリット
○ 商品の売れ行きによって短期間で生産量が上下動する弱電に比べると、自 動車向けの生産量は比較的安定しており、計画的な生産が可能である。
今後の課題・公的支援等について
○ 取引先からの品質、コスト、納期に対する要求は年々厳しくなる一方であ り、それらに対応するためにも、省力化、無人化など、生産工程の見直し を進めていかなければならない。
○ 取引先への提案力強化のためにも、CAD/CAMの技術者が必要である。
そうした人材を育成する環境整備への公的機関の支援が求められる。
・ 弱電中心から自動車中心へ
・ 一次部品メーカーの協力会社を通じての取引
・ 自動車向けは生産量が安定しているのが大きな魅力
4.自動車産業参入事例 ②
■B社(熊本県:アルミ加工)
参入前の状況、参入のきっかけ
○ 1976 年より二輪車向け部品製造を開始。アルミ加工が大部分を占める。
本田技研熊本製作所では軽自動車のエンジン生産も行っていたことから、
自動車のエンジン部品も手がけるようになる。
○ 独自のアルミダイキャストの加工技術がトヨタ自動車の目に留まり、
2003 年ごろから直接取引きが始まった。
参入後に苦労した点など
○ 自動車向け部品は、量産化のプロセスが二輪車の2~3倍になる上に、耐 久テストの水準も厳しく設定されている。
自動車産業参入のメリット
○ 九州では、トヨタ自動車が新たにエンジン工場を立ち上げることから、エ ンジン部品を手がける当社にとってはより近くに納入するという点で物 流コスト削減が期待できる。
今後の課題・公的支援等について
○ 自動車メーカーからのコストダウン要求に対応するには、より高い生産技 術のほか、開発力、生産管理技術、人材確保、資金力が求められる。
○ 当社が力を付けていくためには、地場企業の成長も不可欠である。ただし、
自動車向け設備投資は額が大きく、参入のネックとなるので、公的機関に よる資金面での支援は必要である。
○ 材料工学分野は、大学とメーカー間で共有できるものが多いと思われるこ とから、共同研究などの可能性は高い。
・ 二輪車向け部品からスタートし、自動車のエンジン部品も
・ 独自技術により自動車メーカーとの直接取引を開始
・ 加工工程の外注先として地場企業の存在は重要
4.自動車産業参入事例 ③
■C社(福岡県:シート部品製造)
参入前の状況、参入のきっかけ
○ C社は配管工事を専門とする設備会社で、日産自動車九州工場進出時に給 排水関連設備を受け持ったことが自動車産業との最初の関わりである。
○ 1988 年頃、日産系の一次メーカーからシート用部品の仕上げ加工を打診 されたことから、本格的に自動車関連部品分野に参入。1995 年には自動 車関連部品製造を専門とする子会社を設立。
参入後に苦労した点など
○ 品質向上、コストダウンの要求への対応。
自動車産業参入のメリット
○ 本業の設備関連では、日産系の一次メーカーの九州地区の工場はもちろん、
本社工場の設備を担当するなど関係が深まっている。
○ 自動車関連部品分野では、参入当初はシート用部品仕上げ加工のみだった が、その後、ウレタン加工、シート部品の設計も担当するまでに至った。
関連メーカーからの打診もあり、山口、広島にも事業所を開設している。
今後の課題・公的支援等について
○ 今後、小さな部品の設計などは九州の企業が担当するケースが増えるとみ られることから、設計での力をつけることが重要になってくる。同時に、
加工分野でも、今は一部品納入に留まっているものをある程度組み立てて セットで納入したいので、生産技術分野でも努力が必要である。
○ 地場の中小企業が自動車産業に参入する際は、信用保証や低利融資といっ た資金面での支援が効果的である。
・ 工場の配管設備担当から、シート部品製造分野に展開
・ 山口、広島の完成車メーカー向けの事業所も開設
・ シート部品の設計だけでなく、セット納入を目指す
4.自動車産業参入事例 ④
■D社(熊本県:金属プレス加工)
参入前の状況、参入のきっかけ
○ D社は、戦前は農具、戦後は農機の構成部品を手がけていた。
○ 1990 年より二輪車の構成部品製造を開始し、1999 年からはトヨタ系一 次部品メーカーと、2004 年からはダイハツ車体と取引を開始している。
○ トヨタ系一次部品メーカー進出当初から毎年欠かさずコンタクトを取っ ていたところ、仕事の打診があった。ダイハツ車体の場合は、先方から話 があった。当社の①小ロット生産対応可能、②メンテナンスを含めた金型 取扱いが可能、②自動車関連製造実績ありの3点が評価された。
参入後に苦労した点など
○ 長年にわたって不良品を出さずに作り続けること。
自動車産業参入のメリット
○ 農機に比べると部品点数も少なく金型等の管理コストを抑えられる。
○ ロット数も農機より大きく、生産量が安定する。
今後の課題・公的支援等について
○ 自動車向けプレス部品の生産を拡大するためには、設備の大型化は避けて 通れない課題である。また、プレス部品にボルト・ナット、溶接、めっき・
塗装を加えたコンプリートでの納入を増やしていきたい。
○ 金属プレス分野に参入する場合、大型機械導入時の融資・リース制度の充 実といった資金面での支援は心強い。
○ 自社の強みを表現、発表するというマーケティング手法の講習会も、これ から参入を目指す地場企業にとっては効果的である。