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眼筋型重症筋無力症に対する治療方法の検討

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Academic year: 2021

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眼筋型重症筋無力症に対する治療方法の検討

班      員    松尾秀徳1

共同研究者    成田智子1 、永石彰子1、清水潤2 、村井弘之3、吉良潤一4、 川口直樹5、清水優子6、岩佐和夫7 、吉川弘明8、畑中裕己8 、       園生雅弘8、南尚哉9

研究要旨

  眼筋型重症筋無力症(OMG)についてのエビデンスが確立した治療方法はな い。本研究では、各専門施設にアンケート形式で調査を行い、OMGに対して行 われている治療方法について検討した。治療後も症状が残存、もしくは難治例 では、ステロイド治療されている割合が低い傾向にあった。また、OMGに対し て免疫治療を選択する割合が高い施設では、MGに対するOMGの割合が高い、

すなわち、全身型 MG の割合が低い傾向がみられた。OMG であっても、症状 改善のためには積極的な免疫治療が選択される必要があると考えた。

研究目的

  重症筋無力症(myasthenia gravis:

MG)の約半数は、眼瞼下垂や複視とい った症状で発症する。発症後2年以上 経過しても全身症状を呈さない群を 眼 筋 型 重 症 筋 無 力 症(ocular MG:

OMG) としている。一般的に OMG は軽症との認識が持たれやすいが、複

視や眼瞼下垂はADL、QOLに大きな 影響を及ぼす。治療は全身型重症筋無 力症(generalized MG: GMG)に準じ て行われていることが多く、エビデン スは確立していない。本研究では、

OMG に対する治療方法について検討 した。

研究方法

  厚生労働科学研究費補助金  難治 性疾患政策研究事業『エビデンスに基 づく神経免疫疾患の早期診断基準・重 症度分類・治療アルゴリズムの確立』

研究班の MG グループ施設を対象と して、2015 年 1 月 1日から 2015 年 12月31日の間に各施設で診療された

1NHO長崎川棚医療センター

2東京大学神経内科

3国際医療福祉大学三田病院

7.金沢大学

8帝京大学

9NHO北海道医療センター

4九州大学神経内科

5神経内科千葉

6東京女子医科大学

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MG および OMG 患者数を調査した。

さらに、OMG患者に対しては、アン ケート調査(性別、発症年齢、初発症 状、ADL/QOL への影響、経過、治 療歴、合併症な)を実施した。各施設 で選択されている治療方法や治療効 果についても検討を行った。

研究結果

  OMG137例(男68:女66)、発症年 齢は 1〜38 歳、AChR 抗体陽性率は 75.9%で あ っ た 。 自 然 寛 解 は 8 例 (5.8%)であり、治療抵抗性は11例(8%)

と同程度存在した。症状改善も残存、

治 療 抵 抗 性 を 合 わ せ る と 、 全 体 の 60.6%であった。ChE阻害薬で治療さ れたのは 119 例(86.9%)であり、免疫 治療は91例(66.4%)に実施されていた。

治療により無症状となった群では、ス テ ロ イ ド 治 療 さ れ た 割 合 が 高 く (77.2%)、一方、症状改善も残存、治 療抵抗性となった群では、むしろステ ロイド治療された割合は低い(62.5%) 結果であり、免疫抑制薬単独で治療さ れた群(10.0%)もみられた。

  アンケートの結果、各医療機関で選 択される治療方法が異なることが明 らかとなった。各施設において、MG におけるOMGとの割合と、OMGに 対して免疫治療が行われる割合との 間には、有意な相関関係が見られた (RR=0.55)。すなわち、OMGに対し

て免疫治療される施設では、GMG の 割合が低い結果であった。同様に、免 疫治療の内容(ステロイド使用歴、ス テロイドパルス使用歴、タクロリムス 使用歴)とOMGの割合を検討したが、

いずれも有意な相関は認めなかった。

考察

  OMG において、自然寛解が得られ たのはごく少数であり、過半数は何ら かの症状が残存している。OMG に対 して免疫治療介入する割合が高い施 設では、MGにおけるOMGの割合が 高い傾向があることから、免疫治療が 全身型への移行を抑制している可能 性が推測される。一方で、無治療でも OMGとして経過する群があり、OMG とGMGの発症年齢やAChR抗体価の 分布の違いなどの臨床的な相違点も あることから、OMGにはGMGと異 なる病態が存在する可能性は否定で きない。

結論

OMGにおいて、症状の改善には免疫 治療が有用であることが示唆された。

健康危険情報   なし

知的財産権の出願・登録状況   特許取得:なし

  実用新案登録:なし

参照

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