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第12回 北海道小児循環器研究会 日 時 平成元年4月22日(土)

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日本小児循環器学会雑誌 5巻3号 524〜526頁(1990年)

〈研究会抄録〉

第12回 北海道小児循環器研究会

日 時 平成元年4月22日(土)

会 場 札幌市山之内製薬大通りピル 会議室

 1.小児における体表面加算平均心電図法の使用

川崎病罹患児について一

    旭川医科大学小児科     土田  晃  川崎病患児15例と同年齢の正常小児15例について体

表面加算平均心電図を記録した.ART社製LVP101

を用いシムソンらの法式で記録した.全例において遅 延電位は検出されなかったが,川崎病患児では40μV 以下の持続時間が有意に長く,QRS終末部20,10msec における実効値が有意に低値である事より,川崎病患 児においては,心室の脱分極の不均一性が充進してい

ると思:われた.

 2.先天性完全房室ブロック20例の検討     北海道大学小児科

      太田八千雄,信太  知,小西 貴幸       清水  隆,長谷 直樹

    同 第2外科        酒井 圭輔     国立札幌病院心臓外科    明神 一宏  CCAVB20例(男11,女9)について検討した.発見 時期は胎児期7例,新生児期3例で10例が1歳6ヵ月

9歳で発見され,経過観察期間は1年〜15年であっ た.母親が膠原病だった症例はなく,新生児期心不全 のためTemporary PMを必要とした症例は3例で,

ASD(II)2例・Wide QRS 1イ列であった. CHD合併 例は4例(20%),Adams−Stokes発作は2例(10%)

にみとめられた.PM植え込み例は6例(30%)でA−S 発作2例,心不全2例,PVC(QT延長一R on T)1 例,Wide QRS一高度徐脈1例であった.

 3.緊急ドレナージ手術を施行した特発性心膜炎の 小児例

    札幌医科大学小児科

      長田 伸夫,富田  英,沢田 陽子       東舘 義仁,轟 伊佐雄,横山  隆       山中  樹

    同 第2外科  安喰  弘,浅井 康文       馬場 雅人,中村 雅則  心膜炎は小児には比較的稀な疾患であるが,今回大 量の胸水貯留と心タンポナーデを伴い緊急ドレナージ

術を施行した小児例を経験したので報告する.

 症例は,12歳男児,咳順と呼吸困難を主訴に近医受 診し胸水貯留を指摘され紹介入院となった.入院後た だちに胸腔穿刺を行い大量の胸水排出を認めた.第3 病日には,頻呼吸腹部膨満著明となり心エコーの結果 心タンポナーデと診断し,緊急ドレナージ術を施行し た.ステロイド剤の使用により症状軽快していったが,

ステロイド剤減量に伴い再度胸水及び心嚢液の貯留を

認めた.

 4.当科におけるPA banding症例の検討     国立札幌病院心臓血管外科

      清水 元良,松浦 弘司,明神 一宏     北海道大学第2外科     酒井 圭輔  1985年8月から1989年4月までに,新生児及び乳児 期の肺血流量増加性先天性心疾患14例に対してPA bandingと施行した.手術時体重は平均4.0±1.9kgで あり,全例に心不全を認めた.

 PA bandingは4mmEPTFE graftに血管テープを 通したものを用い,Pp/Ps=0.5,経皮酸素分圧モニ

ター上SaO2>90(FIO21.0)を目標に行った.

 bandingはTruslerの基準の120±10%とやや弱め であったが,術前状態が極めて重篤であった1例を除

くと,bandingによる死亡はなく,心不全の改善も良好 であった.またチァノーゼ群,非チアノーゼ群でPA bandingの強さ及び効果に大きな差は認めなかった.

 5.肺高血圧を伴う複雑心疾患に対する肺動脈絞拒 術の効果

    札幌医大第2外科

      馬場 雅人,中村 雅則,浅井 康文       安喰  弘,小松 作蔵

    同 小児科   沢田 陽子,富田  英  1965年1月より1989年4月までに肺動脈絞拒術を施 行した肺高血圧を伴う複離心奇形のうち乳児期症例26 例を対象に手術成績及び,肺動脈絞拒術の効果につい て検討した.

 Truslerの基準を参考にする以前の成績は,9症例 中早期死6例,67%,遠隔死1例,11%と不良であっ

Presented by Medical*Online

(2)

日小循誌 5(3),1990

たが,Truslerの基準を参考にしてからの成績は,17例 中早期死1例,5%,遠隔死2例,11%と成績の向上

を見た.

 肺高血圧を伴う乳児期複雑心奇形に対するTrusler の絞拓基準に基づいた肺動脈絞拒術は,現在のところ,

患者の救命,症状の改善,2期的根治手術まで閉塞性 肺動脈病変進行を予防する上で有用な術式と考えられ

た.

 6.乳児期に逆短絡を来した動脈管開存症の2例     旭川医科大学小児科

      岡  隆治,土田  晃,伊藤 真也       白井  勝,西條i政幸

    深川市立病院小児科     井関 憲一     旭川医科大学第1外科    田村 正秀  4ヵ月時に逆短絡を生じた動脈管開存症の2女児例 を報告した.2例とも典型的な心雑音を指摘された時 期がなく,肺動脈II音の元進と右室肥大を認めて入院 し,心臓カテーテル造影検査で高度の肺高血圧と肺動 脈造影で動脈管を介する右左短絡が診断された.新生 児期から高度の肺高血圧が持続していたと考えられ た.剖検し得た1例では,肺にヘモジデリン沈着を認 めたが肺血管の閉塞性病変は軽度であった.1例は術 後の心不全で,1例は気道感染後の肺出血で永眠され

た.

 7.1型VSDの手術成績

    北海道大学第2外科

      椎谷 紀彦,松居 喜郎,合田 俊宏       酒井 圭輔,田辺 達三

 昭和56年より昭和63年までに経験した1型VSD37 例につき,大動脈病変に基づき分類し検討した.また 昭和63年までに経験したVSD(II型を含む)+AR17例 につき,術式とARの予後に関して検討した.

 RCC prolapseこAR群の平均手術時年齢はRCC

prolapse CAR群よりも若く,prolapsing ARは必ずし もRCC prolapseからの進展ではないことが示唆され た.2度以下のARは,小児例では放置しても軽快し たが,成人の2度例では増悪し,異なる対応が必要と

考えられた.3度以上のARに対しては小児例では

AVP,2次的な弁病変をきたすと思われる成人例では AVRが必要と考えられた.

 8.右室非切開によるファロー四徴症根治術の検討     札幌医科大学第2外科

      中村 雅則,安喰  弘,馬場 雅人       浅井 康文,小松 作蔵

525−(159)

    同 小児科   富田  英,沢田 陽子  今回教室では,1987年より経右房的に,あるいは必 要によって肺動脈切開を加え,右室非切開によるファ

ロー四徴症に対する根治手術を6例(1群)に施行し た.その術前・術後の血行動態,解剖学的差異につい て,同期間に右室切開下に右室流出路パッチ形成術を 併用せざるをえなかった9例(II群)と比較検討した ので報告した.(結論)右室非切開によるファロー四徴 症根治術では,経右房的に漏斗部の狭窄除去が可能で あり,肺動脈弁狭窄合併例に対しては肺動脈切開によ る肺動脈弁切開術を併用することによって修復が可能 であり,人工心肺時間の短縮,術後心不全の軽減及び 右脚ブロック発生防止に有利と考えられた.

 9.TGAI型に対する左室トレーニング後の

Jatene手術の経験

    市立旭川病院胸部外科

  青木 秀俊,今村 道明,内田   久保田 宏,村上 忠司 旭川医大小児科

  岡  隆司,伊藤 真也,土田 恒

晃  TGAI型に対する根治術式の選択には未だ議論の分

かれているところである.当科では過去1年間に3例 のTGAI型に対し左室トレーニソグを行ない,今回初 めてJatene手術を経験したので報告する.症例は1歳

6ヵ月の男児で,生後2日にBAS施行,9ヵ月時に

BTシャントとPAB(LV/RV=0.86)を行なった.術 前LV/RV=0.94, LVEDV248%normal, LVEFO.68,

PWT6mm, LVmass110%normalで手術可能と判断

し,Jatene手術(Lecompte変法)を施行した.冠動 脈走行はShahe I型であった.術後経過良好で,元気

な日常生活を送っている.

 10.中等度肺高血圧症を伴ったIII型単心室症に対

するFontan手術の1治験例

    札幌医大第2外科

      渡辺  敦,木村 希望,渡辺 祝安       安倍十三夫,小松 作蔵

 三尖弁閉鎖症(以下TA)に対するFontan手術は,

そのcriteriaが明確にされると共に成績も向上し,確 立された術式となっている.

 近年,単心室などの複雑心奇形に対してもFontan 型手術が応用されるつつあるが,その手術適応に関し ては未だ確立されたものはなく遠隔期に於ける心機 能・合併症など不明な点が多い.今回,我々は11歳,

女児の中等度肺高血圧症を伴ったC−III型単心室

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526−(160)

(SLL)に対しmod茄ed Fontan手術を施行し遠隔期に 於いても良好な結果を得た.適応に関して,TAに対す るそれに準じているが,これまで,本症例の様な中等 度肺高血圧・肺血管抵抗上昇例に対しても適応を拡大

し,現在までに単心室6例,DORV 6例, TA 3例(計 15例)に施行し,手術死1例とほぼ満足すべき成績を 修めている.

 若干の文献的考察と共に報告する.

 11.単心房・単心室症に対するTotal Cavop1−

monary Shunt(TCPS)の経験     市立旭川病院胸部外科

      今村 道明,青木 秀俊,内田  恒       久保田 宏,村上 忠司

日本小児循環器学会雑誌 第5巻 第3号     同 小児科         三浦 正次     旭川医科大学小児科

      岡  隆治,伊藤 真也,土田  晃  症例は17例女性,乳児期よりチアノーゼと心雑音を 認めていた.心エコー,カテーテル検査により単心房,

右室型単心室,共通房室弁,右上大静脈,下大静脈欠 損,弁性・弁下の肺動脈狭窄,及びhemiazygos connec−

tionの診断によりTCPSを施行した.術後02satで

8%の上昇を認め,運動能も改善した.

 TCPSの術式として優れた点,問題点,術後早期の 管理,術後早期・遠隔期の問題点について考察を加え

た.

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参照

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