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第18回北海道小児循環器研究会 期 日 平成4年4月25日(土)

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日本小児循環器学会雑誌 8巻3号 475〜476頁(1992年)

〈研究会抄録〉

第18回北海道小児循環器研究会

期 日 平成4年4月25日(土)

会 場 山之内製薬大通りビル(札幌市)

 L遺伝性QT延長症候群の一家系

    (北海道大学小児科)

      三浦 正次,小田川泰久,信太  知       衣川 佳数,清水  隆

    (循環器内科)       桜井 正之  遺伝性QT延長症候群を呈する一家系を経験した ので報告する.母親が,3〜4年前から運動時のケイ

レンを伴う失神発作を生じていた.2人の姪が,水泳 中に失神発作を生じ,QT延長症候群と診断されたた め,母も内科で精査した所,QT延長症候群であった.

この母の3人の子供たちは,失神や難聴はないが,QT 延長を示し,遺伝性QT延長症候群(Romano−Ward 症候群)であることが判明し,β遮断薬を投与した.投 与前のトレッドミル運動負荷テストでは,運動後にさ

らにQTcの延長をみ,投薬後もQTcには著変を見な

かった.

 2.乳児期に拡張型の病像を呈した心筋疾患の予後     (札幌医科大学小児科)

      富田  英,池田 和男,長田 伸夫       沢田 陽子*,東舘 義仁**

       (*現 育愛こども医院)

     (**現 北海道立小児総合保健センター)

 乳児期に拡張型の病像を呈した心筋疾患の4例を経 験したので,その予後について検討した.発症時月齢 は,2ヵ月から10ヵ月で全例哺乳障害を主訴とした.

3例は原発性心内膜線維弾性症(EFE),1例は慢性心 筋炎と診断した.EFEの1例は11ヵ月時死亡したが,

他の3例では,心機能の改善をみた,EFEの1例では,

心機能の改善後も運動負荷試験にてST低下をみた.

発症時の臨床所見から予後を予測することは困難で,

初期治療に対する反応の良否と,その後の心不全症状 再燃の有無が参考になると考えられた.

 3.急性骨髄性白血病を合併した異形成弁による肺 動脈狭窄症の一治験例

    (市立旭川病院小児科)

      小西 貴幸,佐野 仁美,和田 敬仁       南雲  淳,今村 啓作,佐竹 良夫

    (同 胸部外科)

      吉田 秀明,青木 秀俊,村上 忠司  ダウソ症候群,severe PS(dysplastic valve)cASD

6TRの2歳の女児.1歳9ヵ月に急性非リンパ性白

血病(FAB分類のM7)を発病した.寛解導入療法に ひき続いて肺炎を併発し,重篤な心不全に陥るエピ ソードがあった.白血病が寛解状態となって6ヵ月が 経過し,化学療法の間隔が6週間毎となった時点で心 疾患に対する治療を計画した.心カテでは,RV圧

100/,MPA圧36/10(19), LV圧100/, Qp/Qs 1.3,

肺動脈弁輪径11mmであった.ダブル・バルーン法(直 径8mmを2本)での弁形成術は全く無効であった.化 学療法による骨髄抑制が回復した1ヵ月後に手術を 行った、肺動脈弁は3弁で交連部に癒合はなく,粘液 腫様に肥厚していた.一弁付きパッチ拡大術を行った が,右室の減圧が不十分なため弁切除を追加した.感 染や出血などの合併症は生じなかった.悪性腫瘍を合 併したCHDでも,骨髄機能と治療スケジュールを配 慮すると手術は安全に行いえる.

 4.Isometric Heartに対するBlalock・Taussig 短絡術後のBidirectional Glenn sh皿ntの効果

(札幌医大第2外科,同  森川 雅之,山田  菊地 誠哉,安喰  池田 和男*,富田  最近の小児循環器学の発展と共に,

な奇形を合併する,viscero−atrial

dromeに対しても,種々のapproachがなされており,

外科治療の適応も拡大されてきている.今回,われわ れは,左B−T短絡術後のII−C型単心室,共通房室弁,

心房中隔欠損,肺動脈狭窄,両側上大静脈,右側大動 脈弓を伴う無脾症の1例に対し,Bidirectional Glenn shunt術を施行し,良好な結果をえたので,その効果に つき,術後の肺血行動態検索を中心に報告した.

 5.吸収糸による弁輪縫縮術の経験     (市立旭川病院胸部外科)

      鮫島 睦生,青木 秀俊,吉田 秀明

小児科*)

陽,酒井 英二 弘,小松 作蔵

英*

 解剖学的に重症 heterotaxy syn一

Presented by Medical*Online

(2)

476−(76)

      佐々木一匡,村上 忠司

    (同 小児科)       小西 貴幸     (旭川医大小児科)

      岡  隆治,境野 環樹  高度な房室弁逆流を認めた2例に対し,吸収糸を用 いて弁輪縫縮術を試みた.症例1は3歳7ヵ月の女児 で,完全型心内膜床欠損症の根治手術後,cleftの離開 により高度のMRをきたし再手術となった.症例IIは 2歳10カ.月の女児で,ASDとPSに高度のTRを合併 していた.2例とも4−OMaxon糸を使い,症例1は全 周性に,症例IIはDeVega法に基づき弁輪縫縮術を 行った.術後は急性期の心不全症状は軽減されたが,

術後50〜60口の時点で中等度の弁逆流は残存してい た.また,遠隔期の弁輪径の成長に期待して,吸収糸 を用いたが,現在までの時点では,明らかな拡大傾向 は見られなかった.今後この2点について心エコーな どでの慎重な経過観察が必要と思われた.

 6.Unroofed Coronary Sinusをイ半った三心房心 に対する一治験

    (札幌医科大学第2外科,小児科*)

      山田  陽,森川 雅之,菊地 誠哉       安喰  弘,小松 作蔵,池田 和男*

      富田  英*

 三心房心は左房が異常隔壁により,肺静脈の還流す る副室と,左心耳や僧帽弁に続く本来の左房とに分か れており,心房中隔欠損症や総肺静脈還流異常などの 合併を有する心奇形である.今回我々は,Unroofed coronarv sinusを伴った二心房心(Lucas−Schmidt!

A)に対し,経右房,経心房中隔的に異常隔壁を切除し,

拡大した心房中隔欠損をパッチ閉鎖し,根治しえた1 例を経験したので報告する.

 7.最近1年間に経験した,5例のPPAとcritical PS−BR。cK術中のballoon catheterによる肺動脈弁 形成術の併用,及びシャントの追加に関して一     (北海道立小児総合保健センター内科)

      東舘 義仁,一木 崇宏,津田 哲哉     (同 胸部外科)

      樫野 隆二,菊地 誠哉,田宮 幸彦     (北海道立釧路病院心臓血管外科)

      山本 直樹     (札幌医科大学小児科)   池田 和男  BR。cK術中に, Balloon catheterによる肺動脈弁形成

術を併用した.施行した2例の右室肺動脈間の圧較差

日小循誌 8(3),1992

は16mmHG,14mmHGと軽減し,同手技は,術中の

トラブルや合併症もなく,有効な方法であった.術後 急性期のhypoxiaのため, BT shuntを追加した2例 では,遠隔期にshuntは不用となっていた.また,シャ ント部の肺動脈狭窄をきたしたため,経皮的肺動脈形 成術を必要とした.従って,BT shuntは,慎重に考え るべきである.

 8.当料における総肺静脈還流異常症の経験     (国立札幌病院心臓血管外科)

      前田 憲志,国原  孝,猪俣  斉       佐々木重幸,俣野  順,明神 一宏

 1986年3月から1992年3月の6年間に9例の TAPVCを経験し最近2年間の後期症例4例につい

て検討した.

 4例中心臓型(Type IIa)が2例,下心臓型(Type III)が2例.4例とも心エコー検査のみで早期診断し 手術施行した.

 補助手段は全例拍動下中等度低体温体外循環で,心 臓型にはCut−BackとASDパッチ閉鎖術,下心臓型

にはCPV・LA吻合術を施行した.

 4例中手術死はなく,2例にPVOをきたし吻合部

の切開開大とその内膜化により,再pVOは現在の所

認めない.

 他病死の1例を除き現在3例が生存している.

 9.ファロー四徴症開心術後遠隔期に突然死した症 例の検討

    (北海道大学循環器外科)

      近江  亮,大場 淳一,松居 喜郎      合田 俊宏,佐久間まこと,安田 慶秀  ファロー四徴症の根治術後9年目と,姑息的右室流

出路拡大術後4年半で突然死した症例を経験した.1 例は不整脈が,別の1例では不十分な右室流出路拡大 が、直接,間接に死亡に関わっていると推測された.

両症例とも,外来での緊密なフォローにも関わらず,

突然死の予測は困難であった.

 先天性心疾患を有する児は,根治術前後にかかわら ず,突然死の可能性を持っている.外来での緊密なファ ローとともに,異常所見があれぽinvasiveな検査もや むを得ない.また,適応があれば,できるだけ早期の 手術介入も必要である.なお,ファロー四徴症では早 期の根治術が,遠隔期の不整脈を予防できる可能性が

ある.

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