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Academic year: 2021

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Vol.9 No.1      原子力バックエンド研究      

会議参加記

第 11 回ゴールドシュミット会議参加記 

 

福士圭介 

1 会議の概要

2001年5月20日から5月24日にアメリカバージニア 州ホットスプリングのリゾートホテルThe Homesteadにて Eleventh annual V.M. Goldschmidt Conferenceが開催された.

会議の名称である V.M. Goldschmidt は地球化学の開拓者 であり,彼の業績をたたえ本会議は彼の生誕100年である 1988 年から毎年北アメリカとヨーロッパを中心に行われ ている.V.M. Goldschmidt は地球化学の創始者であるが,

鉱物学者・岩石学者としても知られ,本会議の対象もまた,

地球化学を中心に岩石学・鉱物学・環境科学など多岐にわ たっている.各国からの参加者は800人程度であり,日本 からの参加者も多数みられた.高級リゾートホテルでの開 催ということもあり,家族同伴で参加している研究者も多 かった.午前のセッションは9:00から12:00,午後のセッ ションは3:00から6:00というゆったりした時間配分で行 われ,長いお昼休みはサッカーやテニスなどを楽しむ研究 者の姿もみられた.

2 セッションの内容 

会議では約40のさまざまな分野にわたるセッションが,

The Homestead内の会場にて平行して行われた.ここでは

報告者の研究分野であるこれに関係するセッションにつ いて報告する.鉱物-水溶液相互作用の地球化学に関係す るセッションは「Mineral-Organic Interaction in Aqueous Systems」「Controls on Chemical Weathering」「Of Earth and Microbes: Active Participation of Microorganisms in Geochemical Processes」「Geochemistry of Contaminant Aquifer」「Metals in the Weathering Environment」「Advances in Oxide and Sulfide Mineral Surface Chemistry」「Aqueous Geochemistry」など多数挙げられ,本会議における主要ト ピックといえた.いくつかのセッションタイトルから示さ れるように,とりわけ有機物や微生物に関するテーマに高 い関心が集まっていた.「Mineral-Organic Interaction in Aqueous Systems」では,有機物が介在する系における鉱 物への重金属吸着に関する研究や,溶存有機物の表面吸着 が鉱物の溶解速度に及ぼす影響に関する研究が目立った.

目新しい研究手法を展開する報告は多くなかったが,天然 環境における吸着や溶解プロセスに対する有機物の重要

性を強く認識させられた.「Of Earth and Microbes: Active Participation of Microorganisms in Geochemical Processes」で は微生物の関与する地球化学プロセスに関して議論され た.本トピックでは,バクテリアによる還元作用に関する 研究発表が大半をしめた.鉄還元バクテリアに関する研究 が特に多かったが,酸化的環境で有害種に対する吸着体と して振舞う鉄酸化物が還元溶解にともない環境へどのよ うなインパクトを与えるかが注目されているようであっ た.鉄以外に関しては,還元環境において沈殿する種のバ イオミネラリゼーションに関する研究など興味深い発表 が み ら れ た . ま た 微 生 物 関 係 で は 「Genomics meets

geochemistry」というセッションも設けられ,遺伝子解析

の地球化学への応用というきわめて新しい発想に大きな 関 心 が 寄 せ ら れ て い た .「Metals in the Weathering

Environment」においても,微生物による鉄鉱物の還元に伴

う重金属の挙動が注目されていた.また本セッションでは 休廃止鉱山地域における重金属やメタロイドの挙動とい う,報告者の発表と類似のテーマが数多く取り上げられて おり,鉱山排水処理問題の国際的な重要性やサイエンティ フ ィ ッ ク な 関 心 の 高 さ を 感 じ た . 本 セ ッ シ ョ ン や

「Advances in Oxide and Sulfide Mineral Surface Chemistry」

では鉱物表面への重金属種吸着現象に関する発表も多く 見られたが,バッチ式実験からのマクロな評価とモデルと の適用性の議論といった従来の方法を展開する報告は少

なく,EXAFSなどを用いた分光学的手法によるミクロの

表面錯体構造の解析という直接的手法が主流であった.バ ッチ式吸着実験結果の表面錯体モデルの適用から推定さ れる表面錯体構造と,分光学的手法により直接観測される 吸着種の表面錯体構造の不一致が近年指摘されているが,

双方の一致をはたす研究手法が必要であることを痛感さ せられた.「Aqueous Geochemistry」では,鉱物の溶解速度 に 関 す る 研 究 が 主 と し て 発 表 さ れ た .Transition State Theory やProton promoted dissolutionなど実験結果の速度 理論にもとづく解析が多かったが,AFM による鉱物溶解 のその場観察など新しい方法による報告も多数発表され た.本セッションにおいても理論的な解析とその場観察は 互いに独立したものであり,それらのリンク,そしてその 天然現象への適用性の議論が重要になると感じた.

3 おわりに 

Report on Eleventh Annual V. M. Goldschmidt Conference, by Keisuke Fukushi([email protected]).

*金沢大学大学院自然科学研究科地球環境科学専攻Division of Global Environmental Science and Engineering, Graduate School of Natural Science and Technology, Kanazawa University

〒920-1192 石川県金沢市角間

本会議は地球化学に関する国際会議であるが,上述のよ うに有害溶存種の移動・循環・隔離における溶液-鉱物相 互作用に関して幅広い分野から幅広い手法によって議論

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       原子力バックエンド研究       September 2002

されており,廃棄物処理に関しても重要な多くの知見を得 ることができたと思う.本会議へはバックエンド部会若手 研究者の海外発表に対する助成の援助を得て参加するこ とができました.本部会関係者に感謝いたします.

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参照

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