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羊肉の理化学的特性等に関する調査報告書?

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(1)

平成 6 年度

めん羊振興対策事業

羊肉の理化学的特性等に関する調査報告書Ⅰ

雄子羊の枝肉特性並びに道産羊肉の 晴好性に関する調査

平成 7 年 3 月

日 本 緬 羊 協 会

法 人 社 団

(2)

ま え が き

(社)日本緬羊協会では、平成 3 年度から農林水産省が推進しているめん羊振興対策事業 を本年度も実施することとなりました。

この事業は、国産ラム肉及び羊毛の評価の高まり、めん羊の多面的活用による地域の活 性化事業等の増大に対応して、めん羊に対する国民のニーズの把握、振興方策の検討、生 産・利用技術の高度化と指導力の向上、めん羊産品の普及啓蒙等を推進しようとするもの であります。

そこで、平成 6 年度においては二つのテーマを調査事業の対象に取り上げ、その調査結 果を報告書に取りまとめることといたしました。そのうちの一つのテーマとして、めん羊 生産拡大に重要なポイントである羊肉(ラム肉)消費の挺進を図るため、生産物の規格や 特性を関係者はもとより、一枚の方々にも広く知っていただくことが大切なことから、こ れらを「羊肉の理化学的特性等」として取り上げ、生産・甲面からは枝肉特性を、また消費 の面からは晴好性について実態の調査等を実施いたしました。

これにより姓子羊の枝肉特性並びに羊肉の時好性に関する調査結果を得ましたので、こ れを取りまとめて報告書を作成いたしました。この報告書がめん羊振興のため、全国のめ ん羊関係者に広く活用されることを期待してやみません。

事業の実施に当たりまして、ご指導ご協力を賜りました畜産局の担当官並びに関係各位 に深く感謝申し上げます。

平成7年3月

社団法人 日本編羊協会

豊 田 晋

会 長

(3)

目 次

雄子羊の枝肉特性に関する調査

Ⅰ.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

Ⅱ.調査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

.調査したラム枝肉の内訳 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 1

.調査方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2

.評価方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 3

Ⅲ.調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

.枝肉重量及び枝肉歩留 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1

.体各部の重量と割合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2

.枝肉の部位別重量と割合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 3

.絶食体重及び枝肉重量に対する正肉歩留 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 4

5.脂肪及び赤肉生産割合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 6.仕上げ体重別の枝肉特性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15

道産羊肉の噂好性に関する調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

Ⅰ.調査の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

Ⅱ.調査の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17

Ⅲ.調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 1.供試した羊肉の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 2.噂好性調査の結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 1)調査人数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 2)全体の噂好性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 3)ラムとマトンの差の認識 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 4)部位別の噂好性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 5)性別の噂好性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 6)年代別の噂好性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 7)その他のコメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 3.まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33

(4)

雄子羊の枝肉特性に関する調査

Ⅰ.調査の目的

北海道における主要なラム生産地でのラムの生産と出荷状況を調査した報告(平成 4、 年度めん羊振興対策事業 羊肉の流通調査報告書及び北海道におけるラムの生産流通と 5

枝肉規格に関する調査報告書 社団法人日本緬羊協会刊)によると、枝肉の平均重量は 26 前後となっており( )、イギリス、ニュージーランド等のラム生産の先進国に比べ

kg 表1

て、かなり大型な枝肉が出荷されていた。大型ラムの生産は、1 頭当たりの枝肉量を増加 させ収益性を高めようとすることにねらいがある。

表1 北海道の主要産地における雄子羊の枝肉重量

一方、ラム枝肉規格案(平成 5 年度めん羊振興対策事業 ラム枝肉規格作成に関する調

5 3

査報告書 社団法人日本緬羊協会刊)作成の調査では、枝肉重量で 段階、背脂肪厚で 段階に区分され、ラム生産の中軸品種であるサフォークは勿論のこと他の品種についても 十分適応することが明らかにされた。しかしながら、この規格では背脂肪厚と枝肉重量の

要因を取り上げ、他の枝肉形質との関連性については未調整となっている。

2

本調査は、ラム肉生産の一層の進展と市場性の拡大に向けて、利用者が求める品質、規 格での取引きができる体制へと移行、改善していくために、雄子羊の枝肉特性を仕上げ体 重別に評価するとともに、今後の振興方策を検討する資料等を得ることを目的に実施した ものである。

Ⅱ.調査の方法

.調査したラム枝肉の内訳 1

調査したラム枝肉は、昭和61年から平成6年までの9年間、北海道立滝川畜産試験場に おいて、濃厚飼料主体により舎飼肥育した雄子羊計 387頭の記録である。表2 に内訳を示

(5)

したように、仕上げ体重は最小が31.3kg、最大が76.6kgの範囲にあり、その間を5kg刻み で 段階に区分した。8

表2 調査した雄子羊の内訳

.調査方法 2

屠殺解体は、これまで北海道立滝川畜産試験場が行ってきた方法に基づき実施した。す なわち、左側面を下に保定し、屠殺刀で左右頚動脈を切断し放血させた後、剥皮した。続 いて屠体を懸垂して頚部と内臓を除去し、冷蔵庫内で丸一日冷却した。翌日、枝肉重量を 測定し、背割りを行い、左半丸を 1 に示した部位に従い分割した後、それぞれの重量並 びに正肉歩留を調査した。また、断面 A については、ロース面積及びロース上と肋上の脂 肪の厚さを測定した。

図1 枝肉の分割

(6)

.評価方法 3

仕上げ体重ごとに測定した枝肉形質の平均値を算出し、雄子羊の枝肉特性を現象面から 把握するために、直線ないし重回帰式を求めた。

Ⅲ.調査の結果

.根肉重量及び根肉歩留 1

枝肉重量及び枝肉歩留を表3に示した。また、図 、2 3には仕上げ体重ごとにその平均 値をプロットした。

平均±標準偏差( 、%)

表3 根肉重量及び積肉保留 kg

図2 仕上げ体重と積肉重量の関係

(7)

図3 仕上げ体重と積肉歩留の関係

枝肉重量は仕上げ体重が大きくなるに伴い直線的に高くなり、最小と最大の差は約20 kgにも及んだ。仕上げ体重ごとにプロットした枝肉重量の平均値との間にはr= 0.996(P

<0.01)の高い相関を示し、下記の回帰式が得られた。

Y=0.526X−3,377

:枝肉重量 Y

:仕上げ体重 X

R2=0.993

枝肉歩留もまた、仕上げ体重が大きくなると高い値になっているが、標準偏差でみる限 り、仕上げ体重が小さいほど個体間のバラツキが大きかった。仕上げ体重ごとにプロット した平均値では、31〜35kgと51〜55kgの間で上昇の幅が小さく、56kg以上になると傾斜が 急になり、枝肉重量の推移とは異なる。枝肉歩留( )に対する仕上げ体重( )の関係Y X について回帰式を求めたところ、下記の式が得られた。

Y=0.151X+28.355 R2=0.880

Y=0.006X2−0.418X+54.873 R2=0.975

Y=0.00013X3−0.013X2+0.474X+41.307 R2=0.978

:枝肉歩留 Y

:仕上げ体重 X

三つの式の寄与率を比較すると、直線回帰式より2次の重回帰式の方が高い値を示す

(8)

体重と枝肉歩留との関係は、体重が大きくなるに伴って直線的に増加するのでなく、むし ろ 次ないし 次の童回帰式の曲線を描き増加していくことが推察されよう。2 3

.体各部の重量と割合 2

体各部の重量と絶食体重に対する重量割合を表4に示した。

表4 体各部の重量と割合

体各部位の重量は、仕上げ体重が大きくなるに伴い高くなっているが、割合でみると頭 部、内臓及び址端は、体重が大きくなるほど低い値を示す。一方、生殖暑封ま仕上げ体重 31〜35kgで最も低く、以降1.0%前後の値で推移している。雄子羊の性成熟期は生後6〜7 カ月齢とされている。本調査の場合、屠殺月齢としては 6 〜8カ月齢が多く、すでに性成 熟に達しているものと思える。雄子羊ではしばしば雄臭を問題視することがある。雄子羊 の肉については、従来行われてきた肉眼による評価に加えて、官能検査などの客観的な方 法に基づき評価する必要がある。

(9)

.枝肉の部位別重量と割合 3

枝肉の左半丸で分割したショルダー、ロース、バラ及びモモの部位別重量を 5 に、仕 上げ体重ごとにプロットした重量割合を図4〜7に示した。

表5 積肉の部位別重量(左半丸)

図4 積肉に対するショルダーの重量割合

(10)

図5 植肉に対するロースの重量割合

図6 枝肉に対するバラの重量割合

図7 桟肉に対するモモの重王割合

(11)

部位別重量では、いずれの仕上げ体重においてもモモが最も多く、次いでショルダー、

ロース、バラの順となっている。

部位別にその重量割合をみると、ショルダーでは41〜45kgの仕上げ体重の場合が最も高 い割合を示すが、他の仕上げ体重では26%前後の値でほぼ一定していた。ロースでは仕上 げ体重弘〜60kgまでやや上向きに上がり、61〜65kgでは低下した。バラでは仕上げ体重41〜 で低く、 〜 で高い値を示した。これに対して、部位別重量で最も高かったモモ

45kg 61 65kg

は仕上げ体重が大きくなるに伴って減少していく傾向をみせた。

.絶食体重及び枝肉重量に対する正肉歩留 4

絶食体重に対する正肉歩留を 8に、枝肉重量に対する正肉歩留を 9に示した。いず

図8 正肉歩留(絶食体重比)

図9 正肉歩留(積肉重量比)

(12)

れも仕上げ体重ごとにその平均値をプロットしている。

なお、正肉とは、枝肉から切り出した部分肉から骨を除いた肉を意味し、一般的には余 分な脂肪その他を除去した肉を言う場合が多い。本調査での正肉は、各部位から除骨し終 わった肉を指す。

絶食体重に対する正肉歩留は、仕上げ体重が大きくなるに従って直線的に増加し、 =r

( < )の高い相関が認められた。枝肉重量に対する正肉歩留もまた、仕上げ体 0.990 P 0.01

重とともに高くなったが、仕上げ体重61〜65kgと66kg以上との間では差はなかった。この ように枝肉重量に対すると正肉歩留は、仕上げ体重が61kgを超えると頭打ちになることが 予想されるが、両者間の相関係数はr = 0.972( <P 0.01)であり、いずれの正肉歩留の場 合も絶食体重、枝肉重量が大きくなるに伴って直線的に増加していくとみなしても差し支 えないように思える。それぞれ直線回帰式に当てはめてみると、下記の式が適合した。

Y=0.200X+28.355 R2=0.980

:正肉歩留 Y

:絶食体重 X

Y=0.201X+69.219 R2=0.944

:正肉歩留 Y

:枝肉重量 X

なお、仕上げ体重に対する正肉歩留には =r 0.986( <P 0.01)の相関があり、下記の直 線回帰式が適合した。

Y=0.172X+26.882 R2=0.972

:正肉歩留 Y

:仕上げ体重 X

(13)

枝肉に占める各部位別正肉歩留を図10〜13に示した。

図10 枝肉に占めるショルダーの正肉歩留

図11枝肉に占めるロースの正肉歩留

(14)

図12 桟肉に占めるバラの正肉歩留

図13 枝肉に占めるモモの正歩保留

各部位ごとに正肉歩留をみると、まずショルダーでは仕上げ体重41〜45kgまでが76%前

。 後、56〜60kgまでが79%前後、61〜65kg以降が82%の値となり、三つにグループ化された ロースでは仕上げ体重が大きくなるに伴って増加し61〜65kgで弘3%になったが、仕上げ 体重が66kg以上ではむしろ低下した。バラは仕上げ体重が41〜45kgまで74%になり、そ

、 。

れ以降やや上向きに上昇するが 61〜65kgと66kg以上の仕上げ体重間では差はなかった モモでは、先のショルダーと同様に三つにグループ化され、仕上げ体重 41 〜45kgまでが 79%前後、56〜60kgまでが81%前後、61〜65kgと66kg以上は同じ値の83.5%となった。

(15)

.脂肪及び赤肉生産割合 5

、 ( ) 、

本調査では 部位別に脂肪 外面脂肪:皮下に発達している脂肪組織 と赤肉とを分離 秤量していないが、先に北海道立滝川畜産試験場から発表された。報告した肥育開始月齢 別の成績(サフォークラム生産における月齢別肥育期間の検討昭和63年鹿北海道農業試 験会議)から回帰式を求め、その式を使って枝肉全体 と一般に高級部位と称されている ロース、モモについて脂肪及び赤肉の生産割合を推算し、仕上げ体重別に平均値をプロッ トしたのが図14〜16である。

図14 梅肉の脂肪及び赤肉生産割合

(16)

図16 モモの脂肪及び赤肉生産割合

枝肉に占める脂肪の割合は仕上げ体重が大きくなるに伴って増加し、一方赤肉の割合は減 少した。ロースにおいても同様の傾向が認められた。これに対してモモの場合は、仕上げ 体重を大きくすると脂肪の割合は増えるが、赤肉の割合も同時に増加しており、ロースと は異なる様相を呈した。また、ロースとモモの脂肪の割合を比較すると、ロースでは、仕 上げ体重46〜50kgから急速に脂肪の生産(蓄積)が進み、61〜65kg以降では更に加速する のに対し、モモへの生産(蓄積)は緩慢な増加となっており、部位によっても脂肪の生産

(蓄積)過程に差のあることが認められた。

ロース上脂肪厚及び肋上月旨肪厚を図17に示した。

図17 脂肪厚

(17)

両脂肪厚の増加様相は、前述のロースにおける脂肪生産割合を裏付ける結果となってい る。すなわち、ロース上脂肪厚、肋上脂肪厚とも仕上げ体重が41〜45kgまで緩慢な増加を みせ、その後ロース上で約5mm、肋上で約11mmに増加し、66kg以上になるとロース上で

、肋上で へと厚さを増加させていく。ラム枝肉規格では、ロース上脂肪厚

8.5mm 19.4mm

を4mmと 7mmで分類の境界を設定し、その範囲内にある枝肉を格付けの脂肪付着で「背 脂肪厚及び腹部脂肪の付着が適度なもの」としている。この基準に照らし合わせると 「背、 脂肪厚及び腹部脂肪の付着が適度なもの」に分類されるのは、46kg〜65kgまでの仕上げ体

、 重が適合することになるが、仕上げ体重61〜65kgの場合肋上脂肪厚が15mmを超えており やや厚脂気味ではないかとの印象を受ける。仕上げ体重と飼料効率との関係を調べた報告 によれば 、体重が大きくなると濃厚飼料を多く必要とし、飼料効率は低下するとしてい る。

大型化を目指し肉量の増加を期待する余り、いたずらに肥育期間を延長することは、厚 脂の枝肉をつくることになり、結果として生産コストの上昇を招く。肥育期間における増 体重や飼料の摂取量、それらから求められる増体速度や飼料効率と枝肉構成との関連性に ついては、早急に検討しなければ課題と言える。

仕上げ体重に対するロース上脂肪厚の回帰式を求めると、下記の式が得られた。

Y=0.154X−3.297 R2=0.911

Y=−0.612X2+12.430X+9.219 R2=0.956

Y=−0.098X3+0.958X2+4.906X+19.923 R2=0.957

:ロース上脂肪厚 Y

:仕上げ体重 X

寄与率では 2次の重回帰式と 3 次の重回帰式に差がなく、直線回帰式がそれより小さい 値を示す。すなわち、ロース上脂肪厚と仕上げ体重との関係は、枝肉歩留と同様に、2 次 ないし3次の重回帰式の曲線をたどって厚さを増すことを示唆しているものといえる。

(18)

ロース面積を図18に示した。

図18 ロースの面積

仕上げ体重ごとにプロットしたロース面積の平均値をみると、ロース上脂肪厚及び肋上 脂肪厚と対応する形で曲線を描いた。仕上げ体重が大きくなるに伴って、ロース面積は増 加していくが、最近レストラン関係者から、ロース芯が大きいと料理の盛り付けの際に支 障を来すとの声を耳にする。今後は利用者側の意見を取り入れながら、枝肉規格基準の見 直し時には「利用者側が求める適度の大きさ」について再考を要しよう。

.仕上げ体重別の枝肉特性 6

仕上げ体重ごとに枝肉の特性をまとめ、平成 5 年度に策定したラム枝肉規格に照合した のが表6である。

表6 仕上げ体重別の積肉特性

(kg・ ・% mm) 仕上げ体重 枝肉重量 枝肉歩留 正肉歩留1) ロース 上脂肪 肋上脂肪 枝肉規格

31〜35 15.1 47.4 35.1 2.3 5.2

36〜40 17.3 47.6 36.7 2.7 5.2 S1

41〜45 19.4 48.2 37.0 3.2 6.0

46〜50 22.1 48.8 37.9 4.8 1.5 M2

51〜55 24.0 48.7 38.9 4.5 11.8

56〜60 26.5 49.6 39.4 4.9 11.6 L2

61〜65 29.7 51.3 40.9 25.8 15.5

66以上 34.5 53.3 42.9 8.5 19.4 LL3

(19)

枝肉重量では、仕上げ体重31〜35kg、36〜40kg、41〜45kgが「 」に、仕上げ体重S 46〜 50kg、51〜55kgが「 」 、M に 仕上げ体重56〜60kg、61〜65kgが「 」 、L に 仕上げ体重66 短以上が「LL」となる。

ロース上脂肪厚では、仕上げ体重31〜35kg、36〜40kg、41、45kgが「 」に、仕上げ体1 重46〜50kg、51〜55kg、56〜60kg、61〜65kgが「 」に、仕上げ体重2 66kg以上が「 」と3 なる。

その結果、仕上げ体重31kg〜45kgまでが規格「Sl」、仕上げ体重46kgから55kgまでが 規格「M2」、仕上げ体重56kgから65kgまでが「L2」、仕上げ体重66kg以上が「LL3」 に分類される。

枝肉歩留及び正肉歩留(絶食体重比)についても 6 に示すように、それぞれ仕上げ体 重31kg〜45kgまでが亜%及び36%に、仕上げ体重46kg〜55kgまでが49%及び38%に、仕 上げ体重56kg〜65kgまでが51%及び40%に、仕上げ体重66kg以上が53%及び43%に変化 していく。しかしながら、正肉歩留の場合、先に述べたように本調査で求めた正肉は、部 分肉から骨だけを外し余分な脂肪その他を取り除いていない状態にある。雄子羊の枝肉を より正確に評価するためには、今後 USDA が採用しているカッタビリテイ(実際に販売で きる部分肉重量の枝肉重量に対する割合)を求めるか或いは枝肉に占める赤肉量を測定す るか、いずれにしても客観的で精度の高い評価法を模索する必要がある。

(20)

道産羊肉の晴好性に関する調査

Ⅰ.調査の目的

道産羊肉におけるラム及びマトンの違いが、一般消費者の嗜好性に与える差の有無と、

その理由を明らかにし、今後の道産羊肉の生産・流通・消費の上での参考に資する。

Ⅱ.調査の方法

調査に用いた羊肉は、いずれもサフォークの肉で、ラムは 6 カ月齢の雄子羊から、マト ンは 4歳の成雌羊から得た、ロース、モモ、バラの肉である。試料の調製日程は表1 に示 したとおりで、試食の 5 日前に屠殺された、いずれも新鮮な羊肉である。屠殺前の管理は いずれのめん羊も放牧革のみで飼養されており、特に肥育されたものではなかった。

表1 供試した羊肉の調製日程 月 日 放牧地より隔離、絶食・純水 8 22

月 日 屠殺後、− ℃の冷蔵室で保冷

8 23 2

月 日 枝肉 分割、引き続き保冷

8 24 4

月 日 除骨、一口大に切り、ラップで被覆保冷 8 27

月 日 試食。調理時に塩・コショーで味付け 8 28

「ラム」と「マトン」の時好性に関する調査は、例年、北海道滝川市で開催されている 農業祭的なイベント「コスモス祭」への北海道立滝川畜産試験場の出展の機会を利用し、

イベント参加者の中で任意の協力者を村象に「ひつじ肉の食べ比べ」コーナーを設置して 実施した(写真1)。午前10時頃からロース、11時過ぎから 時過ぎまでモモ、イベント終1 了の2時過ぎまでバラの試食調査を順次行った。

それぞれの肉は、 〜1 2 口で食べられる小片とし、 %の食塩と1 0.05%のコショーで味 付けをしながら、ホットプレート上でローストし、それぞれを各自の好みの焼き加減で食 べてもらう2点比較法により行い、図1の調査用紙に記入をお願いした(写真2)

(21)

写真1

写真2

(22)

ひつじ

食べ比べ

、 それぞれの肉を 切れずつ食べて次の質問に答えて下さい。

A B 1

あなたは、 、 、 ですが?

( ) 1

A B

どちらの肉が好き

. の方が好き。

1 A

. の方が好き。

2 B

( ) 2

Aの肉とBの肉との

違いはありますか?

.かなり違う。

1

.まあまあ違う。

2

.ほとんど違いがない(わからない 。

3 )

は次のどれですか?《 をつけて下さい》

( )好きな理由 3 2つまで○

. (香ばしい、風味がある)から。

1

香りがよい

.適度な があるから。

2

歯ごたえ

.適度な だから。

3

やわらかさ

. (コク)があるから。

4

うまみ

, (さっぱり)しているから。

5

あっさり

.適度の から。

6

あぶらがのっている

. (食感)がよいから。

7

舌ざわり

その他、 があれば書いて下さい。

( ) 4 気づいたこと

あなたの

性別

は 男・女

あなたの

年齢

〜小学生 中学生〜19歳 20代

代 代 代 代以上

30 40 50 60

ありがとうございました

図1 官能試験調査用紙

(23)

Ⅲ.調査の結果

.供試した羊肉の概要 1

供試した羊肉の枝肉成績を 2 に示した。マトンの屠殺体重及び枝肉重量は、ラムの約 倍の大きさであった( )。また、ラムは育成雄群で管理され、濃厚飼料を用

2 写真 、3 4

いず放牧草のみで飼養されていたため、通常の肥育ラムに比べ、ロース上脂肪厚、肋上組 織厚とも薄い仕上がりであった。

表2 供試した羊肉の枝肉成績

ラ ム マトン

6 51

屠 殺 月 齢(月)

kg 42.8 79.4

屠 殺 体 重( )

kg 20.9 41.9

枝 肉 重 量( )

% 48.8 52.8

枝 肉 歩 留( )

c 13.0 17.8

ロ ー ス 芯 断 面 積( ㎡)

mm 1.8 13.1

ロ ー ス 上 脂 肪 厚( )

GR mm 8.6 29.4

肋上組織厚( )( )

3 4

写真 写真

(24)

にはロース赤肉と背脂肪の理化学性状を示した。

表3

一般組成では、ラムがマトンに比べ水分が高く、タンパク質が少ない傾向にあった。肉 色ではマトンがラムより暗赤色の強い傾向が示され 両者の色差も、 6 27. と感覚的にも 著「 しい差」である事が示された。赤肉のテクスチャー特性では、硬さでは差がなかったが、

、 。 、 、

凝集性ではマトンの方が数値が高く 筋肉繊維の細かい傾向が示された 一方 ガム性は ラムの方が小さく、飲み込むまでに噛み砕くエネルギーが小さくて済む傾向にあった。背 脂肪は赤肉とともに口にする皮下脂肪の代表としての分析値であるが、ラムでは放牧育成 中の個体であったことから水分含量は高い値であった。また、融点はラム、マトンとも 40

℃前後で差がなかった。

表3 供試した羊肉のロース赤肉及び背脂肪の理化学性状 ラ ム マトン 一 般 組 成 (%)

76.5 73.0

水 分

20.0 23.2

タンパク質

1.3 2.2

脂 肪

2.2 1.6

灰 分

5.6 5.7

pH

76.9 80.5

加 圧 保 水 力 (%)

33.9 27.1

伸 展 率 ( ㎡ )c /g

肉 色

28.9 22.7

L 値(明度)

11.0 11.5

a 値(赤味)

5.8 5.0

b 値(黄味)

赤色テクスチャー特性

2.9 2.9

硬 さ(kg/w)

0.56 0.63

凝 集 性

163 183

ガ ム 性 背 脂 肪

14.6 5.9

水 分 (%)

39.0 40.2

融 点 (℃)

脂 肪 色

62.5 71.3

L 値(明度)

1.7 0.4

a 値(赤味)

12.7 10.0

b 値(黄味)

(25)

.時好性調査の結果 2

1)調査人数

調査に協力してくれたパネラー の性別、年代別の構成人数及び割合を表4〜7に示し た。調査協力者数はロース部位が77名、モモ部位が142名、バラ部位が45名、総数264名で あった。性別では不明の回答を除くと、ロース部位では男性が、バラ部位では女性が若干 少なかったが、全体では男女半々となった。調査協力者の年代別構成では、調査時間が短 く調査人数の少なかったバラ部位の食べ比べでは、年代ごとの協力者数に凸凹があり、一 定の傾向は認められなかったが、ロース部位、モモ部位及び全体の傾向としては、40 代の 協力者数が最も多く、その前後の年代で徐々に協力者数が減少する山型の分布を示し、そ の中で20代の協力者数が例外的に少ない傾向が見られた。「ひつじ肉の食べ比べ」コー ナーを通過したイベント参加者のうち、特定の年代での調査拒否はなく、また、一昨年の 同イベントで行われた鶏肉の時好調査の際の協力者の年代別構成も同じ傾向であったこと から、20 代の人が特別に羊肉を嫌った結果ではなく、調査実施時のイベント全体の参加者 の年代別構成を反映した結果と考えられる。なお、最年少者は男性、女性とも 7 歳、最高 齢者は男性72歳、女性75歳であった。

表4 調査協力者の性別及び年代別構成(ロース)

年代(歳代) <10 10 20 30 40 50 60 70 不明 合 計

男 人 3 4 2 6 10 4 6 35

(%) (4) (5) (3) (8) (13) (5) (8) (45)

女 人 1 4 1 6 9 12 4 3 40

(%) (1) (5) (1) (8) (12) (16) (5) (4) (52)

不 明 人 2 2

(%) (.3) (3)

合 計 人 4 8 3 12 19 16 10 3 2 77

(%) (5) (10) (4) (16) (25) (21) (13) (4) (3) (100)

表5 調査協力者 の性別及 び年代別構成 (モモ)

年代(歳代) <10 10 20 30 40 50 60 70 不明 合 計

男 人 6 7 4 10 17 13 11 2 70

(%) (4) (5) (3) (7) (12) (9) (8) (49)

性 ( )1

女 人 3 5 6 12 22 14 5 3 70

(%) (2) (4) (4) (8) (15) (10) (4) (2) (49)

不 明 人 1 2

別 1

(%) ( )1 (.1) (1)

合 計 人 9 12 10 22 39 27 16 6 1 142

(%) (6) (8) (7) (15) (27) (19) (11) (4) (1) (100)

(26)

表6 調査協力者 の性別及 び年代別構成 (バラ)

年代(歳代) <10 10 20 30 40 50 60 70 不明 合 計

男 人 1 5 3 5 3 2 3 1 1 24

(%) (2) (11) (7) (11) (7) (4) (7) (53)

性 ( )2 ( )2

女 人 2 3 2 7 2 1 2 19

(%) (4) (7) (4) (16) (4) (2) (4) (42)

不 明 人 2

別 1 1

(%) ( )2 ( )2 (4)

合 計 人 3 8 5 12 5 4 6 1 1 45

(%) (7) (18) (11) (27) (11) (9) (13) (2) (2) (100)

表7 調査協力者の性別及び年代別構成(全体

年代(歳代) <10 10 20 30 40 50 60 70 不明 合 計

男 人 10 16 9 21 30 19 20 3 1 129

(%) (4) (6) (3) (8) (11) (7) (8) (49)

性 ( )1 (−)

女 人 6 12 9 25 33 27 11 6 129

(%) (2) (5) (3) (9) (13) (10) (4) (2) (49)

不 明 人 3 6

別 1 1 1

(%) (−) (−) (−) (.1) (2

合 計 人 16 28 18 46 63 47 32 10 4 264

(%) (6) (11) (7) (17) (24) (18) (12) (4) (2) (100)

(27)

) 全体の時好性 2

調査を行った部位全体の「ラム」または「マトン」に対する晴好性を 8 及び図2 に示 した。全体の56%に当たる148名がラムを支持し、44%、116名がマトンを支持した。それぞ

、 「 」 「 」 、

れの支持理由から ラムはマトンに比べると 柔らかさ が適度で あっさり していて

「舌触り」の点でもやや優れた肉であり、一方、マトンはラムに比べ「香り」がよく 「歯、 応え 「うまみ」の点でも優る肉であるという、それぞれの特徴が示された。」

また、調査協力者全体の「好きな理由」を集計した結果は、ラム、マトンを込みにした 新鮮な羊肉に対する評価と考えられるが 「柔らかさ 「うまみ 「歯応え 「あっさり」感、 」 」 」 の順に高い支持を得た。

表8 全体の嗜好性とその理由

(人)

好きな理由

香 歯 柔 う あ 脂 舌

好 み り 応 ら ま っ の 触

え か み さ の り さ り り

148 9 40 72 41 52 19 34

ラ ム

116 18 40 40 40 22 15 22 マトン

264 27 80 112 81 74 34 56 計

図2 全体の時好性とその理由

(28)

) ラムとマトンの差の認識 3

ラムとマトンの違いに対する回答結果を表9及び図3に示した。228名、86%の人が か「 なり違う」または「まあまあ違う」と答え、大部分の人がその遠いを認識したと判断され た。

違いを認識した人の中では、130名、57%がラムを支持した。その支持理由から、ラムは マトンに比べ「柔らかさ」が適度で「あっさり」している点が評価され、他方、マトンは ラムに比べ「香り」と「うまみ」の点で評価されたが 「歯応え 「脂ののり 「舌触り」で、 」 」 は、ラム、マトンそれぞれの支持理由としての差はほとんどなかった。

一方、「ほとんど違いがない」とした人では、ラム、マトンそれぞれ半々の支持に分か れたが、違いがよくわからない場合の好みの決定には、ラム支持者ではイ柔らかさ」が、

マトン支持者では「歯応え」が、それぞれ大きな判断基準になっていることが伺われた。

表9 差の認識と嗜好性

(人)

差の認識 好 み

228 130

かなり違う ラ ム

まあまあ違う マトン 98

36 18

ほとんど ラ ム

違いがない マトン 18

(わからない)

図3 差の認識と嗜好性及びその理由

(29)

) 部位別の嗜好性 4

羊肉の噂好性を部位別に比較し、表10及び図 〜4 6に示した。ロース部位ではマトンの 支持の方が高く、ラムの支持率は45%であったが、モモ部位では59%、バラ部位では65% と、ランクの低い部位ほどラムの支持率が高い傾向にあった。最高級部位であるが量的に は少ないロース部位でよりも、部位のランクはやや劣るが量的に多いモモ部位やバラ部位 で、ラムの支持率が高くなったことは、枝肉総体としてみればラムがマトンよりも高い評 価で有利に消費される可能性を示している。

表10 部位別の時好性

(人)

好 み 部 位

ロース モ モ バ ラ

35 84 29

ラ ム

42 58 16

マトン

77 142 45

図4 ロースの嗜好性とその理由 図5 モモの嗜好性とその理由

(30)

図6 バラの嗜好性とその理由

部位ごとの「好きな理由」からその特徴を見ると、ロース部位では、ラムはマトンに比

「 」 「 」 、 、 「 」

べ あっさり した 柔らかさ が適度な肉であり 他方 マトンはラムに比べ 歯応え が適度で「香り」のよい肉であると評価されている。

モモ部位では、ラムはロース部位と同様に「あっさり」した「柔らかさ」が適度な肉で あり、他方、マトンはラムに比べ「うまみ」の点でやや優る肉であると評価されている。

バラ部位では、ラムはマトンに比べ「柔らかさ」が適度で「舌触り」のよい肉であり、

他方、マトンはラムに比べ「歯応え」が適度で「うまみ」があり「脂ののり」もよい肉で あると評価されている。

また、ラムとマトンを込みにし、部位ごとに「好きな理由」を集計した結果から、ロー ス部位は「香り 「うまみ 「あっさり」感が、モモ部位は「歯応え」が、バラ部位は「柔」 」

」 「 」 、 。

らかさ と 脂ののり が それぞれの部位間を比較した場合の特徴であると考えられる

) 性別の晴好性 5

ロース部位の時好性で、ラムよりもマトンの支持が高かったことから、部位ごとに性別 の噂好性を調べ次頁表11及び図7〜10に示した。

(31)

表11 性別の部位別嗜好性

(人)

性 別 好 み 部 位

ロース モ モ バ ラ 全 体

15 40 15 70

ラ ム

20 30 9 59

男 マトン

35 70 24 129

20 43 13 76

ラ ム

20 27 6 53

女 マトン

40 70 19 129

問題のロース部位の性別の晴好性を図7に示した。ラムの支持率は男性で50%を割った が、女性では半々であり、無条件にラムの支持が低いわけではないことが示された。「好 きな理由」をみると、男女間でかなり違いがあることがわかる。ロース部位において、ラ ムのマトンに村する評価では、「あっさり」した肉であるという点は男女とも共通してい るが、男性ではこれに加え「柔らかさ」が適度で「うまみ」があり「脂ののり」がよい肉 であるとし、女性では「舌触り」のよい肉であるとしている。他方、マトンのラムに対す る評価では、「歯応え」があり「香り」のよい肉であるという点は男女とも共通している が、男性ではこれに加え「舌触り」がよい肉であるとし、女性では「うまみ」のある肉と している。また女性では「柔らかさ」に関してはラム、マトンともに最も高い支持理由で ありながら差がなく、ロース部位については、マトンにおいてもラムと同程度に柔らかい と判断されたものと思われる。

(32)

図7 性別の嗜好性とその理由(ロース)

。 、 、

モモ部位の性別の時好性を図8に示した ラムの支持率は男性で57% 女性で61%と いずれもロース部位での支持率より高かった 「好きな理由」をみると 「舌触り」のよう。 、 に男女間での評価が一致しない項目もみられたが、ロース部位の場合ほど顕著な違いでは なかった。モモ部位の評価は、ラムがマトンに比べ「柔らかさ」が適度で「あっさり」し た肉であるという点は男女とも共通していた。他方、マトンに対しては、男性ではラムよ り「うまみ」のある肉であるという評価であったが、女性では特にラムより優れている点 は指摘されなかった。また、男女とも「歯応え」に関してはラム、マトンの間にほとんど 差がなかった。

図8 性別の嗜好性とその理由(モモ)

63 68

バラ部位の性別の噂好性を次頁の図9に示した ラムの支持率は男性で。 % 女性で、

%と、いずれもモモ部位での支持率よりさらに高かった 「好きな理由」から、男性では、。

「柔らかさ」が適度で「あっさり」した、その上「舌触り」のよいラムが 「歯応え」が適、 度で「脂ののり」がよいマトンよりも好まれたと考えられ、女性では、「柔らかさ」が適 度で「舌触り」がよいというラムの「触感」が 「うまみ」があり「脂ののり 「香り」が、 」 よいというマトンの「味覚」よりも好まれたと考えられる。

(33)

図9 性別の嗜好性とその理由(バラ)

部位全体の性別の噂好性を に示した。ラムの支持率は男性で %、女性で %で

3 図10 54 59

あった。3 部位全体でみれば、ラムがマトンに比べ「柔らかさ」が適度で「あっさり」し た肉であるという認識は、男女とも共通していた。他方、マトンのラムに対する評価につ いては、男性では「歯応え」があるとし、女性では「香り」があるとしている。

(34)

図10 性別の嗜好性とその理由(全体)

) 年代別の晴好性 6

0 10 羊肉の時好性を年代別に比較し、表12及び図11に示した 年代別のラム支持率は。 〜 代では55%、20〜30代では59%と高くなったが、その後は40〜50代で56%、さらに60代以 上では 52 %と下がる傾向にあった 「好きな理由」のうち、年代を通じて評価が変わらな。 かったのは「柔らかさ」と「あっさり」感がラムで高かった点で、それ以外は年代によっ て異なる評価がなされた。特に「香り」と「うまみ」はマトンでの支持がラムより高い全 体の傾向にあったが、20〜30代ではラムでの支持の方がマトンより優り、これらの評価も ラムの高い支持率につながったと考えられる。一方、60 代以上では、同じ「香り」と「う まみ」の支持がマトンで非常に高く、この評価がラムとマトンの支持率が括抗した一因と して考えられる。

表12 年代別の時好性

(人)

好 み 年 代

〜19歳 20〜39歳 40〜59歳 60歳〜

24 38 62 22

ラ ム

20 26 48 20

マトン

44 64 110 42

(35)

図11年代別の嗜好性とその理由

(36)

) その他のコメント 7

「その他気づいたこと」として寄せられた声には次のようなものがあった。ラムに対す るプラスの意見としては、ロース部位で「食べた瞬間美味しいと感じた (男」 53)、「柔ら かく、甘味があり、まろやかで、とてもおいしい (女」 43、46)、「とてもあっさりしてい る (女」 59 他 、モモ部位で「乳臭くない (男) 」 26)、「どちらも美味しいけれど歯の弱い人 は柔らかいラムの方がよい (男」 69)、バラ部位で「臭みがない (男」 64)、「食べて嫌味が ない (男」 56)などがあり、反対にマイナスの意見としては、ロース部位で「後味が好き でない」(男34)、モモ部位で「少々臭みを感じた」(男32、女42、 )55 、「少しかたい」(男

)などがあった。

13

一方マトンに対するプラスの意見としては、ロース部位で「とてもおいしかった」(女

)、「羊臭さがない」(男 )、「脂味が少なく歯触りがよい」(女 )、モモ部位で「脂が

8 40 61

少ないようだ (男」 63)、「ジューシーだと思う (男」 28)などがあり、反対にマイナス意見 としては、ロース部位で「豚肉のような気がする (女」 44)、モモ部位で「羊肉らしさでは あるが臭みがある (男」 40)、「肉臭さが口に残る (女」 48)、「かたい (男」 67)、「もう少し 歯触りがよければ (男」 56)、バラ部位で「臭みが強いと思った (女」 38)、「すじっぽかっ た (女 )などがあった。」 9

ラム、マトンをとおして、何らかの表現で「臭いがする」との指摘があったのは 264 名 中 6 名のみで、新鮮な道産羊肉の場合、臭いが問題となることはほとんどないと考えられ る。

その他、ラム、マトンの差以外に向けられた意見としては、「味付けの濃淡、焼き加減 が美味しさを左右する」など調査方法の問題点の指摘や、「塩コショーだけでなく他の味 付けでも食べてみたい」という感想もあった。

.ま 3

道産羊肉の食べ比べで今回用いたマトンは、ジンギスカン用に市販されている輸入寸ト ンに比べると、鮮度と無凍結貯蔵の点で、はるかに条件のよい肉であったことから、一般 消費者にとってラムとの遠いが果たして認識されるのだろうかと懸念しながら、この噂好 性の調査は実施された。

しかしながら、全体の86%の人がラムとマトンの違いを認識し、56%の人がラムを支持 した。ラム支持者の共通する「好む理由」から、ラムは「柔らかさ」と「あっさり」感が 身上であると考えられた。部位別では、ロース部位のラム支持率は45%であったが、モモ 部位では59%、バラ部位では65%と、ランクの低い部位ほどラムの支持率が高い傾向にあ り、枝肉総体として見ればラムがマトンよりも高い評価で有利に消費される可能性が示唆 された。また、いずれの部位においても男性よりも女性でラムの支持率が 5 %前後高かっ た 年代別では。 20〜30代の層でラムの支持率が最も高く この年代層では 香り や う、 「 」 「

(37)

まみ」の項目でもラムでの支持がマトンを上回っていた。

以上の結果から、ラムに高い支持のある消費者層、すなわち男女別では女性、年代別で は20〜30代をターゲットに「柔らかさ 「あっさり」感をキーワードに枝肉総体で販売す」 ることが道産ラムの消費拡大戦略として考えられる。

また、部位ごとの「好きな理由」の集計結果から、ロース部位は「香り」「うまみ」「あっ さり」感が、モモ部位は「歯応え」が、バラ部位は「柔らかさ」と「順ののり」が、身上 であると考えられる。

さらに、全体の「好きな理由」の集計結果から、新鮮な道産羊肉には「柔らかさ」「う まみ 「歯応え 「あっさり」感の順に高い支持のあることが判明した。」 」

図 3 仕上げ体重と積肉歩留の関係 枝肉重量は仕上げ体重が大きくなるに伴い直線的に高くなり、最小と最大の差は約 20 kg にも及んだ。仕上げ体重ごとにプロットした枝肉重量の平均値との間には r = 0.996 ( P < 0.01 )の高い相関を示し、下記の回帰式が得られた。 Y = 0.526X − 3,377 :枝肉重量Y :仕上げ体重 X R2 = 0.993 枝肉歩留もまた、仕上げ体重が大きくなると高い値になっているが、標準偏差でみる限 り、仕上げ体重が小さいほど個体間のバラツキが大きかった。仕上
図 5 植肉に対するロースの重量割合
図 10 枝肉に占めるショルダーの正肉歩留
図 12 桟肉に占めるバラの正肉歩留 図 13 枝肉に占めるモモの正歩保留 各部位ごとに正肉歩留をみると、まずショルダーでは仕上げ体重 41 〜 45kg までが 76 %前 。後、 56 〜 60kg までが 79 %前後、 61 〜 65kg 以降が 82 %の値となり、三つにグループ化された ロースでは仕上げ体重が大きくなるに伴って増加し 61 〜 65kg で弘 3 %になったが、仕上げ 体重が 66kg 以上ではむしろ低下した。バラは仕上げ体重が 41 〜 45kg まで 74 %になり、そ 、
+7

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