2002年度冬季巡検会の報告 : 伊豆半島北端部プレ ート衝突域の第四紀地質の観察
著者 浜田 俊
雑誌名 静岡地学
巻 87
ページ 79‑82
発行年 2003‑06‑22
出版者 静岡県地学会
URL http://doi.org/10.14945/00025059
87号
平 成15年l月19日(臼)0
た。午前9持、御殿場甫役所駐車場に りが天候を気にしながら一路最初の
も入っていたが、天候不服のため次回へということ
1 • 1醐1
時 : こ こ か ら の 眺 め は 天 気 が 良 け れ ば 展 望 は 良 い の だ ろ う が 、 と に か く 寒 い 。 そ ん な 中 、 熱 心 に 説 明 さ れ1,‑ 0
お よ そ 十 万 年 前 か ら 始 ま る 富 士 火 山 の 火 前 、 数 十 万 年 前 に 箱 根 火 山 、 愛 鷹 火 山 が 噴 火 し た 。 富 士 火 山 の 側 火 山 や 箱 根 火 山 の 鵠 火 山 、 あ る い は 、 伊 豆 大 島 三 原 山 の 割 れ 目 噴 火 口 、 い ず れ も 北 北 西 一 南 南 向 に 延 び て い る こ とO 北 伊 立 地 震 で 動 い た 丹 那 断 履 に お い て も 北 北 西 ‑ 南 南 東 方 向 に 圧 縮 さ れ 、 こ の 応 用 を2方 向 の
「ずれj と し て 、 丹 那 断 層 、 姫 之 湯 断 層 (西北西一東南東)に代表され、北伊豆断 系 が 生 じ た こ と を 図 を 使 っ て 説 明 さ れ
た(図1, 2)0 国1
こ れ は 、 フ ィ リ ピ ン 議 プ レ ー ト が ユ ー ラ シ ア プ レ ー ト の 下 に 沈 み 込 ん で い る た めで、 GPSの観測では3cm/年の速さで、
日本列島側は圧縮されているというO
長 尾 峠 の ハ イ キ ン グ コ ー ス 脇 の 露 頭 表 1 mには、富士火山の活動に静穏な時期 が あ っ た こ と を 示 す 、 柔 ら か く ふ か ふ か
家桐陽高等学校
国2
‑79‑
委主
. ; J 、
IIIIHTを中心に行わ*1.マイクロパスで20名ほどが参加、 30名 向かう の lま
図3
した黒土「富士黒土層 j が堆積していて、この 上部には、指標テブラの「砂沢ラピリ
J
、「仙石 スコリアJ
なども見ることができる(図3 ) 0
2 .
皿2
I I
I予のトンネルを抜けた所の展望台から、
箱根火山の火山地形を見るO 眼下に1111
ノ湖が一望できるO ネr}lIJJの中央火口丘、吉期外 輪出が見られるO 箱根火山の活動は、およそ数 十万年ほど前からで¥大量の火山灰や溶岩を噴 出し、成層火IJJを形成するが、やがて中心部の 陥没に伴いカルデラを形成し、外輪山が出来た
(図 o
関ヰ
K開Ar法による年代測定では、外輪山南東部の外輪111を構成する白銀山は、その他の外輪山より新 しく生成年代にばらつきがあるというO 外輪山の生成後、軽石流の活動末期に、神
I J J
の傾面で、水蒸 気爆発が起こり、山体の一部が崩壊し冠ケ丘が生じた。火砕流は、比高200m
もある外輪山の急、産を 乗り越え御殿場鵠に流れた。また、火砕流はイ111石原のカルデラ床に流れ込み、河川をせき止め芦ノ 湖が形成され、仙石原は沼沢地としに伐つ大桶谷では、 2001 年 6 月 ~9 月にか を打ち込み、 300~500
m
の深さからし、一時緊迫した状態であった。ここでは鉄 を取り出し、上から水を散布して温泉を造ってい るが、地震に伴ってより高温高圧の蒸気が発生し、パイプが破壊したことがあったというO 芦ノ湖 には「逆さ杉」が見られるo
1 4 C
年代1JtU定によると、2
.10 0
年前、1.6 0 0
年前、1 . 0 5 0
年前という測定結 果を示しているO 神山中央火口丘斜面の地すべりが繰り返されたことを示す。87号 (2003 )
3. Stop 2
峠から乙女峠へ向かう古期外輪出には、
寄生火山、丸山を構成する溶岩と火山砕屑物とが なっているのを
ローム層と
火山の溶岩流の傾斜は、
を示す古期外輪山溶岩の傾斜と
4薦 Stop3
る。この できるO
山であること なる(図
5
午後、小山lH
J
0を見学する。
の鮎沢)11
i
可床で、更新世中期 は南南東方向からの圧力 は、山北町からづ、山lHJ 1
す近にかけて 中にはしばしば火山砕屑 まれており、まれているO 地層の中に見られる
された後、中心部にマグマが上昇し石英緑関 な隆起で激しく侵食され、足柄層の上に
5聞駿河磯層の露頭を見る:Stopヰ
の塩沢層上部ともいわれているこの
頭では、 がほ にう疋つ
っているのが見られるO この中にホルンフエ ルスの黒っぽいものや、割れた石英安山岩や 砂岩の擦が見られるO 周辺から大きな圧力が かかっていることを感じる(図6)0
「駿河擦層jは、丹沢
w
の隆起に伴って古河内)11が丹沢の山体を浸食して、駿j可湾(黄瀬 JI[) 方自に流れ込み、浅い海を埋めていって生じた。
これによって形成されて河成段丘擦層が見ら れるO
6. Stop 5
神縄断層は、生土西沢の林道沿いに日本列 をのせたユーラシアプレートと、伊豆ブロ ックをのせたフィリピン海プレートが衝突し 付加した現場とされているO ほほ垂直の断層
を観察できる(閣のO
‑81‑
し き、プレートの沈み込みを感じるO
を主体とする地層で、その 只化石も の衝突により がかかり、変成岩が形成
伴う丹沢UJ地 し
図
e
図 7
7. Stoゃ§
上紫怒田の露頭は約 15~20mの高さの産で、この露頭には御殿場泥流や古期富士火山のテブラが 観察されるO 風化火山灰層の中に、 23,000年前の姶良カルデラ起源の IATJ姶良丹沢山の白色火山 ガラスを見ることができるO この IATJには細かなシャボン玉が割れたような曲面をもった、細か な火山ガラスが合まれているO これは噴火の際、急上昇するマグマの中のガラスが発泡し、壊れ、
偏西風にのって飛来したものであり、特異な火山組成を示し、他と区別されるO 本体の火砕流は鹿 児島湾をつくる姶良カルデラ周辺にシラス台地をつくっている(図
8 ) 0
図8
午後から小雨が降り出し、寒い日であったが熱心に案内説明していただいた高橋副会長にお礼申 し上げる(参考資料:神奈
) 1 1 1
県丘博物館, 1991;保坂, 1993;袴田, 1993) 0ヲ
神奈川県立博物館編(1991):南の海からきた丹沢一プレートテクトニクスの不思議, 226p,有隣堂 保坂貞治 (1993):富士山東麓の地形@地費 (その 1).静両地学, 67,7‑16.
袴田和夫 (1993):かなしんブックス39箱根火山探訪, 189p,神奈川新聞社.