• 検索結果がありません。

素形材特集号の発刊にあたって山口育廣

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "素形材特集号の発刊にあたって山口育廣"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

神戸製鋼技報/Vol. 60 No. 2(Aug. 2010) 1

■特集:素形材  FEATURE : Material Processing Technologies

(巻頭言)

素形材特集号の発刊にあたって

山口育廣

代表取締役副社長

Recent Trends in Material Processing Technologies

Ikuhiro YAMAGUCHI

 世界経済はリーマンショック後の混乱が収束に向か い,回復の兆しが見られつつある。本号で特集する素形 材の主なユーザである自動車・造船・航空機などの各業 界も同様に回復に向かいつつあるが,技術面では省エネ ルギー・省資源等の環境対策が今後の大きな課題となっ ている。

 この環境対策を始めとした高度化・多様化する課題を 解決するための機械装置や機械システムを検討するにあ たって,鋼材等の一般的な素材では,特性やコストの面 から要求に応えられない場合がある。このような課題の ソリューションとなり得るのが素形材技術である。素形 材技術とは,高強度・軽量・耐食等の要求特性に合った 材料を用いて,ユーザの最終要求形状どおりの形状に高 歩留り・高生産性で製造する技術であり,今後ますます 需要が高まる分野であると考えられる。

 当社は創業以来 100 年の歴史を持つ鋳鍛鋼,業界のパ イオニア的存在であるチタン,鉄粉,アルミニウム鋳鍛 造品の各事業を有し,それぞれの業界をリードする総合 素形材メーカである。今回の特集号では,鋳鍛鋼・チタ ン・鉄粉・アルミの各事業分野で,素形材製品に適用さ れた最新の技術について紹介する。

 当社の鋳鍛鋼事業は,船舶用ディーゼルエンジンのク ランク軸,エンジンとプロペラを結ぶ軸製品,舵周辺製 品等,舶用鋳鍛鋼品における世界のトップメーカであ り,その他にも圧延用ロールや圧力容器用リング等の鍛 鋼品を生産している。特にクランク軸については,生産 開始以来 60 年を超える歴史の中で,当社独自材料の開発 や様々な工程改善により疲労強度向上を実現し,ディー ゼルエンジンの高出力化・コンパクト化の推進に貢献し てきた。本稿では,クランク軸等の疲労強度向上を目的 に適用される冷間ロール加工による残留応力や加工硬化 の評価技術,鍛造時の生産性を向上するための工程設計 の改善,防災や作業環境の改善を目的とした焼入媒体の 変更,高度な品質を求められる圧延用ワークロールの生 産を目的に導入した新 ESR 装置等について紹介する。

 当社のチタン事業は,1949 年の研究開発着手,1959 年 のチャージ溶解法実用化,1979 年の原子力発電用チタン 管納入など,わが国初の業績が多く,チタンのパイオニ アと呼ばれている。加えて,国内で唯一,溶解から最終

製品まで一貫して手がけるトップメーカでもある。この ような立場から,当社は素材の開発のみならず,製品の

「使い勝手」を高める技術開発にも注力し,産業民生に おけるチタン利用拡大に大きく貢献している。本稿で は,燃料電池用セパレータ適用に向けた表面処理と熱処 理技術,従来の航空機部材用 Ti6Al4V 合金の代替を目指 した廉価材の加工性向上と特性改善,圧延製品の高強度 化や薄肉化に寄与する材料開発とプレス成形時の潤滑改 善,板材の表面凹凸による温度差発電の伝熱効率向上,

マフラー用耐熱廉価合金の諸特性,生産性向上と品質向 上を目的としたハンマ鍛造技術の改善について紹介する。

 鉄粉事業は 1970 年,神戸製鉄所岩屋工場にて国産初の 水アトマイズ法による鉄粉の生産・販売を開始し,さら に 1992 年高砂製作所への移転を機に生産規模を拡大し,

需要の増加に対応した。焼結部品用鉄粉はプレアロイ型 鋼粉,部分拡散型鋼粉,快削鋼粉などメニューの充実を 図り,また黒鉛偏析防止処理粉として開発した セグレ は被削性改善材 KSX や高離型性潤滑剤 KPA 等との組み合わせにより,高機能材料として発展を続け ている。さらに,環境への関心の高まりに呼応して土壌 浄化鉄粉 エコメル を開発,実用化を果たした。そし て自動車の分野はハイブリッド,電気自動車といった環 境性能重視へと変化し,磁性用鉄粉へのニーズが高まり を見せている。本稿では焼結部品,磁性部品用途に開発 された最近の製品および技術について紹介する。

 素形材技術は金属材料技術だけでなく,鍛造・鋳造・

圧延・粉末冶金・機械加工と幅広い要素技術から構成さ れ,これらの要素技術はいずれも長年にわたる経験とそ れに基づく技術蓄積を必要としているものの,高度な要 素技術のみでお客様に満足頂ける新技術が開発できるも のではない。素形材製品は,お客様からの要求仕様に基 づき製造することが基本であり,素形材に関する新技術 の開発は,正にお客様と一体となったコラボレイション の成果であると言える。従って,今後ますます高度化・

多様化すると予想されるお客様のニーズに確実に応えて いくためには,従来以上にお客様との連携を深めていく ことが重要であると感じている。読者の皆様を始めとし て各方面からの忌憚のないご意見をお待ちする次第であ る。

参照

関連したドキュメント

製品開発者は、 JPCERT/CC から脆弱性関連情報を受け取ったら、ソフトウエア 製品への影響を調査し、脆弱性検証を行い、その結果を

当社より債務保証を受けております 日発精密工業㈱ 神奈川県伊勢原市 480 精密部品事業 100 -.

ㅡ故障の内容によりまして、弊社の都合により「一部代替部品を使わ

Reduced-Risk Products (RRP): 喫煙に伴う健康リスクを低減させる可能性のある製品。当社製品ポートフォリオにおけるheated tobacco sticks (HTS), infused-tobacco

近年の食品産業の発展に伴い、食品の製造加工技術の多様化、流通の広域化が進む中、乳製品等に

(a) ケースは、特定の物品を収納するために特に製作しも

活用することとともに,デメリットを克服することが不可欠となるが,メ

造船に使用する原材料、半製品で、国内で生産されていないものについては輸入税を免除す