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幼児の筆順における順番と方向について (第3報)

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(1)

幼児の筆順における順番と方向について (第3報)

著者 村石 昭三

雑誌名 東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学

34

ページ 125‑130

発行年 1994

出版者 東京家政大学

URL http://id.nii.ac.jp/1653/00008891/

(2)

幼児の筆順における順番と方向について(第3報)

村 石 昭 三

(平成5年9月30日受理)

On the Order and Direction of Strokes      in Children,s Drawing

  Shozo MuRAIsHI

(Received September 30,1993)

問題

 本報告は,一定の条件によって作成した図形を幼児が 視写する際の筆順に着目し,その順番及び方向の特徴が 幼児の視写図形に占める線分の有価性認知に基づくこと を実験的に証明しようとする一連の諸報告の第3報であ

る.

ll 目的と分析の手続き

 1.村石 )では,NO群に含まれる図形番号70,80,9 0の各十宅型図形について,筆数の異なる反応図形の筆 順の順番と分岐・交差の方向を明らかにした.そこで,

3筆以上の筆数による反応図形の出現頻数は全体で70事 例を占あ,その割合は12.8%であった.そして,各事例 の筆順の方向をみると,70事例の全てが第1筆あるいは 中心孔から分岐する方向を示した(2例の複合を含む),

この結果は第1筆で書く線を主軸線とみなし,それに有 価性を与えるために,第2筆,第3筆と続く線分はそれ からの派生線とみなして分岐する方向で書くと考察ま た,4筆で書く事例についても,中心孔に「中心」とい う有価性を与えるため,各筆が共に拡散という分岐方向 を特徴づけると考察した.

 本報告は,この続報として,同一被験者群による図形 番号000,800,900の各十字型図形を刺激図形にした実 験結果を整理したものである.NO群との違いは,それ らの図形を45°右傾斜変換させたものであり,図形番号 70がOOO,図形番号80が800,図形番号90が900に対応す

る.その結果は,IIIAに報告した.

 2.村石2)では,ON,1N,2N,3N,4N,5N,

*児童学科 教育心理学研究室

6N及び7Nの各群のT字型をを原形とし,これに一 定の長さ比及び角度比の変換をした32図形にっいて,視 写における筆順の順番と方向を問題にした.村石1)で刺 激図形にしたものが十字型図形を元型にしたものであっ たのに対して,村石2)で刺激図形にしたものはT字型 図形であるという特徴をもつ.このT字型図形は交差 線及び被交差線という関係で成立しており,幼児の筆順 における順番と方向の特徴は,被交差線を長さの如何に かかわらず,主軸線と認知して第1筆に書く.交差線を 長さの如何にかかわらず,主軸線から派生する分岐線と 認知して第2筆に書き,主軸線に積極的な有価性を与え ると考察した.

 しかしながら,その分析は,T字型図形を2筆で書 いた資料に限って筆順の順番,方向にっいて分析をし,

それ以外の反応図形である3筆以上のものや異図形など については〈雑〉とし,それ以上の分析はしなかった,

そこで本報告は,村石2)に従い, 〈雑〉に含まれるもの のうち,3筆以上の反応図形を下記の要領で整理し,そ の筆順の順番と方向に関する事例を整理したものである.

(1)3筆以上で刺激図形通りに線分の長さ比及び角度変 換が正しくなされているものはほとんどなかった.

(2)「3筆以上」ということだけに着目して〈雑〉のう ちから,無答及び2筆による異図形以外を対象とした.

(3)線分の長さ比や図形の大きさ,角度比の正否は問わ ず,図示されているものを対象にした.

(4)全体あるいは部分的に回転移動することにより,刺 激図形の分岐・交差位置に合わせ,それに対応する筆順 とした.(図10)

(5)4筆以上のものは,第3筆までの筆順を基本として まとめた.(図11)

(3)

村石 昭三

 そして,その結果は,IIIBに報告した.なお,読み の水準に関しては,平仮名の読字力調査から(a)0字,(b)

1〜5字,(c)6〜20字,(d)21〜59字,(e)60〜71字の範囲 で71文字中に読めた字数を示している.村石,天野『幼 児の読み書き能力』(東京書籍)1972年による.

 また,被験者は幼稚園,保育園児,計77名.年齢4歳0 月〜5歳4月,平均4歳7月である.

lll A 結果 図形番号000,800,900

(1)図形番号000,800,及び900において,読みの水準別に 第1筆の線分をみたのが表1である.第1筆が左肩上が り線分の事例は89,右肩上がり線分の事例は60例であっ た.これにより,第1筆に関する左右の線分の差をみる

と,

x2=2,848 P<0.10 df=1

で,左右の肩上がり線分間に有意な差はなく,傾向的に 左肩上がり線分が右肩上がり線分より先に書くという結 果である.次に,読みの水準にっいて,a, b, cをL 群,d, eをH群とに分け,両群間に第1筆の線分に関 する左右の線分の差をみると,

X2=4,797 P〈0.10 df=2

で,読みの水準間にいずれを第1筆とするかに有意な差 はなく,傾向的に左肩上がり線分が右肩上がり線分より 先に書くという結果であった.

表1 000800900における水準別第1筆の線分

(2)図形番号000,800,及び900において,読みの水準別に 交差と分岐の事例数をみたのが表2である.これによれ ば大部分が2筆による交差であり,3筆以上で書いた図 形は11例で,全体の4.7%であった.その11例について,

分岐・交差の方向をみると,図1の通りである.11例の うち,9例が第1筆に対して第2筆以下が分岐の方向を 示した.そのうち,中心孔から3筆以上が全て拡散の分 岐を示すのは1例であった.いっぽう,分岐方向を示さ なかった2例は,短い線を補う分岐・交差を含む複合型

であった.

表2 000800900における交差と分離数     (筆順1を主軸として)

      図    形

  000      800      900 a b・cd・e 言十  a b●cd●e 言十  a b・cd.e 言十

 交差  1 82736 0 21315 2 52633

\ 分離  0 1 1 2 0 1 0 1 0 2 0 2  小計  1 92838 0 3 13 16 2 72635  交差  1 6 8 15 2 71524 0 6 915

/ 分離  0 0 1 1 0 0 1 1 0 3 1 4

 ノ」、言十16916271625091019

異図形  3 7 919 3131733 3 71323

無答 013400330000

合計 523497752349775234977

000

800

形㎜

 ce計

 じ己ト   ノa

第一筆︵\︶ 1

9 28

0 3 13

2

7 26

3 19 67

38 16 35 89

 ce計

   ノ じ己b a

第一筆︵/︶ 1

6 9

2

7 16

0 9 10

3 22 35

16 25 19 60

 C 

e

 じ砿 a

異図形 3

7 9

3 13 17

3 7 13

9 27 39

小 計 19 33 23 75

無 答 4 3 0 7

分 岐la(5)

図 形

方 向 頻数例

誌c(2鶏 姦e寄)

× o 0 1》〈

⁝×

× 0

・:吏 2 3

× 0 21〆 o 1

⁝×

× 0 01 2

× 0 、\ ・\ 2

×

0 ・〉く× 0 2

⁝\

× 0

1X

0 1

6

×

0

o 1

合  計 0 7 4 H

合 計 77 77 77 231 図1 000 800 900における分岐・交差方向

(4)

川B 結果 図形番号ON群〜7N群

(1)図形番号ON群〜7N群の32刺激図形による反応図 形について,読みの水準a,b, c(L群), d, e(H群)

の両群に分けて,3筆以上による反応図形に限って,そ の交差方向と順番の実例を示したのが図2〜図9である.

3筆以上による反応図形は257例であった.

図         形

水準 08  ⊥ 06 v_ ・7

・・

11

1

 1

R ◎ 2G−r  → 1 逸」三3

3←﹂2

1

,113噸一一 一一う

1 ll2←  →

1

,⊥、 1

1

 1ウ」41  1T_La1 1 、113←  → 1

§?C︵28︶

1

1乙L⁝

1 毎し

虫3 1 1

寿

1

3 0 6 1 2 1 4 0

1= 3(7) 7(8) 3(8) 4(7)

亀⊥像 1 2  1

オ↑』

逸L駐1

3

ド﹄3

1 斗・ 1

→罠1  1zLζ

11 夢

守e︵49︶ 1

 1゚↑」 1

←﹄

1

1 1

1

6 0 4 0 3 1 2

6(22) 4(12) 4(ll) 2(12)

9(29) 11(20) 7(19) 6(19)

図2 3筆以上による交差方向と順番〔ON群〕

これら257例にっいて,3筆以上の筆JI頂反応を第3筆ま でに限り,分岐,交差,及びその混合を示す複合の3類 型に分けて整理すると,次の通りである.

         分岐 交差 複合

     L水準 90 28 39      H水準 34  8 58

      計1243697

 これに従い,分岐,交差,複合の各類型間で反応数の 差をみると,

x2=27,984 P<0.001 df=2

で,有意な差が認められた.そして,分岐反応は複合反 応との差は認められなかった(x2=1,656 P<0.20 d f=1)が,交差反応とは有意な差が認められた(X2=

図形 18\

16\

17》

19/

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3\11

@\2

1《.3

@\ 1鑑@1v1へ1臭/1\2 1 気/1.2 1

11\ノ2

@\ 1陳 1

〜︽

1 叙/1

A3 2

    ︶a・b・c   認    ︵

気/1 A2

1

ζ/1 A3 3

窟1 1

2 2 2 1 7 0 4

4(12) 3(12) 7(14) 4(10)

蟹匁

11 1》 1 ︽ノ︑3

・マ 1気/1.2 2

3\メ1

t 1 1 1

   ︶d.e    49   ︵

1 》ζ 1

1

2 0 3 0 4 1 3

2(19) 3(16) 5(18) 3(18)

6(31) 6(28) 12(32) 7(28)

図3 3筆以上による交差方向と順番〔1N群〕

図形

・8ト

26 m

27ト

29  ト

 聰箪アみ 方β フ水邸

1

→2−●1←3

1

巴2←1 ↑藍」3ォ且 1

↑3 P←一一ォ2 1

な1.

2

匂←2

1

↑3

ソ 1

↑2

。1 1

↑2

ォ夢 1

→b1←3

1

 §bこ︵28︶

・鯵一 1 ・」㌧ 1 ↓2→

ォ31 1 1

ギr 1

1 ・捻了1

0 3 0 3 1 5 2 3

3(14) 3(10) 6(7) 5(9)

↑2

P塔 1 争3

ノ2 1

↑2

P庁

?L⁝む2 1

1ぜ﹂1←3

・L§壷2

2 ←11

d乙︵49︶

   1P創1

0 1 1 0 0 1 3 ︸3

」8 1(24) 1(10) 1(12) 6(13)

4(38) 4(20) 7(19) 11(22)

図4 3筆以上による交差方向と順番〔2N群〕

(5)

村石 昭三

図形 38/

36/

37ぺ 39\

/且 Rレ!ヤ

1ク1⁝/︑

・シζ 1シζ 1ぺ 1ぺ i ?A瑠2

1

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1

2

    ︶a︒b・c    認    ︵

メζ 1

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m辞

1 5 1 3 1 3 0

6(13) 4(14) 4(14) 4(12)

1多・

^≧iI シζ 11湧 1

1ぎ気2

1属11 2

     ︶d・e    49     ︵

1

1

1

12 1 1 o 1 4 0

3(15) 1(13) 5(20) 1(i5)

9(28) 5(27) 9(34) 5(27)

図5 3筆以上による交差方向と順番〔3N群〕

図形 58\ 56\ 57 59ノ\

蔓1〆\

2

唄1へξ

・浮\ 3、

Pイ》 3

㌔ρ1

3

1

1\1R〆マ

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1溢 1

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1

レ饗 1

1

3 0 3 3 7 0 5

3(16) 6(12) 7(17) 5(11)

ム1〆博 1

く1〆博

2 2\

^、 23>LU1

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3 2 1 1 3\C〉 2

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^} 1

   ︶d・e     49   ︵

3へ1

^) 1 !1 i

2 0 3 0 5 1 5

1・計く雑) 2(2D 3(13) 6(18) 6(17)

,計 5(37) 9(25) 13(35) ll(28)

図7 3筆以上による交差方向と順番〔5N群〕

図形 48  −「 46 −「 ・7T ・g T

 1勇続みの水邸

11

1

3  2←  →@←︐1 5

2  1噌一一 ↓ ← 3

2

§︳2 ← 1

4 ← →R112 2 q− →ォ12 4

了←﹃

1

2  3φ一 →@← 1

1 1 Q.13司●一 → 1 ↑一〇3411 1

§b乙︵28︶

3 21 2  2P→ 1

7 2 5 0 5 0 6 1

」轟 9(10) 5(6) 5(3) 7(7)

3  2} 1

2 1

3  2中﹁ 1

i

R112  → 1

7←3

2

Q13つ_1→ 1

1

d二︵49︶ 1

1

2

i1

1 0 2 2 2 0

」認の 3(9) 1(5) 4(6) 2(8)

12(19) 6(11) 9(9) 9(15)

図6 3筆以上による交差方向と筆順〔4N群〕

図形 ・8→ 66 67−o 69 −一{

 ,巳箪

@ 方β続み

フ水摩

i

1 1

・判2 1

 →31↑1 92

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自 3←

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1  2←1←?ォ 1

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1 1」・↓  2 1

1 0 0 1 0 4 0 1 4

」甜雑)l o(18) 1(16) 4(9) 5(11)

言十      5  (28)       1     7  (24)      ,

8(13) 12(21)

図8 3筆以上による交差方向と順番〔6N群〕

(6)

図形 ・8/

76/

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2./3レ! 1316

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2

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1

1 1

1 2 1 4 0 4 0 3

3(17) 5(22) 4(20) 3(18)

9(30) 10(40) 9(37) 5(35)

図9 3筆以上による交差方向と順番〔7N群〕

 21/\へ13一2ー     ー2/−︾/︑M ヲ

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   図10 3筆での群内異方向図形修正一覧

〔群ごとにまとめたものであるから長さ・角度は記録図 と必ずしも同じでない.〕

回転による修正図

図形群

i畷以う 記録図回転図 分類 記録図回転図 分類 記録図回転図 分類

0︵i︶

 1      1

A義  ・」一、

1︵3︶ 3\・4マ/2\./》・、1\31\・

・−撃倹sぐζ ×、 風

2︵0︶

4筆以上なし

3←f㌧報, ㌔!〆メ まプ㍉ζ/ζ

3︵7︶

㌢∵紗ζ やぐズ  そ3π↓1 (雑のま9

4︵1︶ 4  3      3  2ぐ7じ   「→

P 2        1

5︵3︶ ㍉3織薯〉 ※、 メ、 愚 聾

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7︵7︶

衝  y

㌔/1   \/1ュ    ξ メ γ

>54   \/2 R/1   《1

図11 4筆以上の記録図を3筆筆順方向図に合併したも の一覧〔群ごとにまとめたものであるから長さ・角度は 記録図と必ずしも同じでない.〕

26,180P〈0.001 dfニ1).すなわち,分岐反応が交差 反応より有意に多いことを示す.次に,読みの水準L 群,H群間で分岐,交差,複合の各類型間で反応数の 差をみると,

 x2=28,902 P〈0.001 df=2

で,有意な差が認められた.すなわち,読みの水準の低 いL群は読みの水準の高いH群より有意に分岐反応が 多いことを示す.

(2)ところで,上記の整理は,交差線と被交差線をコミ にした上での3筆問に示された分岐,交差,複合の各類 型であり,特に交差線に限ったものではなかった.そこ で交差線に限って整理すれば,分岐,交差の方向特性が はっきりすると予想される.これに従い,交差線に限っ た上で,分岐,交差,複合の3類型方向を分けて整理す ると,次の通りである.

         分岐 交差 複合      L水準 102 53  2      H水準 58 32 10

      計1608512

 これによって分岐,交差,複合方向間の反応数の差を みると,

(7)

村石 昭三

 x2ニ78,058 P<0。001 dfニ2

で,有意な差が認められた.そして,分岐反応は有意な 差が交差反応(x2=11,756 P〈0.001 df−1),複合 反応(x2=78,136 P<0.001 df=1)との間にあり,

分岐反応が交差及び複合反応より多いことを示ず次に,

読みの水準間で分岐,交差,複合の各類型反応数の差を みると,

 x2=10,492 P<0.01 df=2

で有意な差が認められた.すなわち,読みの水準の低い L群は読みの水準の高いH群より分岐反応が多いこと を示す.もっとも,複合反応では有意にH水準が高い

(x 2 =10,359P<0.005 df=1)が,分岐,交差反応 の割合にはL,H水準間で有意な差はなかった(Z2=

0.047 P〈O.50 df=1).

lV 考察とその課題

 本報告は,報告1,2に続く第3報である.主として,

刺激図形が2筆からなるものに,3筆以上で書かれた反 応図形を整理対象にして,その順番及び方向の特性を取 りあげた.ここで明確になったものは,筆数で基準外反 応とされる反応図形においても,分岐方向が交差方向よ

り有意に多かったことであり,このことは報告1,2の 結果を改めて追認することになった.しかし,H水準 に複合型が多いのはなぜか.交差線における複合型とは 被交差線の長さに対する補正行為の結果と考えてよいか ら,刺激図形に対してより正確な視写行為がH水準に より強く意識されたと考えられないか.また,本来L,

H水準共に分岐の方向が交差の方向より多いという点 は,その有価性の視点から認められる.それが交差線 被交差線をコミにして整理すると差が出るのはなぜか.

それには,L水準では被交差線を2筆で書き中心孔から 拡散する方向が強いのに,H水準では刺激図形通りに

それを1筆で書き,主軸線と認知することが多いためで はないか.以上の2点は,先行論文の村石D,2)と関連 づけて考察するのが今後の課題となる.

1

2

〔文献〕

村石昭三「幼児の筆順における順番と方向について

(第2報)」埼玉大学紀要教育学部(教育科学II)42−

1  3〜17 (1993)

村石昭三「幼児の筆順における順番と方向について」

埼玉大学紀要教育学部(教育科学)41−1 1〜19

(1992)

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