2016 年 3 月 8 日 日本原燃株式会社 再処理事業部 部品交換(MSU 交換)の全体説明について
1.はじめに
再処理施設に設置するMSU(Mobile Sub Unit の略)の交換に係る許認可要否面談 においてご指摘・ご質問頂いたMSU 交換の全体像(交換の方法、交換治具使用の有無、 安全機能への影響)について説明する。 また、交換治具を用いたMSU の交換方法については、設工認申請に向けて準備中で あるが、交換治具を用いない MSU の交換方法(以下、「直接交換」という)および MSU に付属する駆動品の交換について、許認可上の扱いを改めて相談させていただき たい。 2.再処理工場に設置されているMSU の概要 セル内に設置されている機器には、経年劣化が想定される部品を、交換治具を用い て交換可能な設計としているものがあり、この交換可能な部品をMSU と総称している。 MSU は、交換治具を用いて交換可能な設計であるが、直接交換することも可能であ る。 再処理工場に設置しているMSU は 17 種 874 台である。添付資料 1-1、1-2 に再処 理工場に設置しているMSU の種類、主な機能、主な機能が喪失した場合の影響、交換 方法および建屋毎の設置台数を示す。 また、MSU の中には動作に必要となる駆動品(駆動源)をセル外に有しているもの があり、これらの駆動品の交換は交換治具を必要とせず、クレーン、チェーンブロッ クを用いて人手により交換可能である。駆動品をセル外に有するMSU の種類、駆動品 の種類および建屋毎の設置台数を添付資料2 に示す。 3.交換方法 (1)MSU の交換方法(交換治具、直接交換)について MSU の交換方法は、交換治具を用いた方法と直接交換の 2 種類に大別され、添付資 料3 に示す MSU 交換方法選定フローにより、交換治具を用いた交換か直接交換かを選 定する。交換対象MSU の推定線量当量率が高いと想定される場合には、作業員の被ば く低減の観点から、遮蔽機能を有する交換治具を用いて交換を実施する。交換対象 MSU の推定線量当量率が低いと想定される場合には、直接交換にて交換を実施する。 作業中は、適時周辺の放射線環境を測定し、適切に放射線管理を実施している。 なお、MSU の交換はセル等を開放する作業を伴うが、交換作業中は換気設備により 負圧が維持されていることを確認しながら慎重に作業することとしており、万一作業 中に負圧変動が生じた場合でも作業員が速やかにセル等を閉止することが可能である。 MSU の交換手順の概略を下記に示す。詳細な交換手順については、添付資料 4、5 に 示す。 2015年 月 日 日本原燃株式会社
2016 年 3 月 8 日 日本原燃株式会社 再処理事業部 ① 交換治具を用いた交換手順 a.作業準備 b.交換対象MSU 上に交換治具を設置 c.交換治具にてMSU 抜き取り d.交換治具にてMSU 挿入 e.交換治具を撤去 f.片付け ※交換治具の設置/撤去は、クレーン、チェーンブロックを使用する。 ② 直接交換の交換手順 a.作業準備(グリーンハウス設営含む) b.ビニールバッグを使用しMSU 抜き取り c.MSU を挿入(必要に応じビニールバッグを使用) d.片付け(グリーンハウス撤去含む) ※MSU の抜き取り/挿入は、クレーン、チェーンブロックを使用する。 (2)MSU 駆動品の交換方法 MSU の駆動品はセル外で MSU とカップリングで連結されており、セル等の開放、 遮蔽の考慮は不要でありセル外に設置するクレーン、チェーンブロックを用いて人手 により交換を行っている。駆動品の交換手順を添付資料6 に示す。 4.設工認の要否について (1)交換治具を用いた交換方法 交換治具を用いた交換については、交換対象 MSU の推定線量当量率が高く、作業 員の被ばく低減を目的として遮蔽機能を有する交換治具を用いる必要があると判断 された場合に実施する。当該交換方法については、遮蔽機能を有する交換治具を用 いることから、交換の方法を設工認申請すべく準備を進めている。 なお、MSU の交換はセル等を開放する作業を伴うが、交換作業中は換気設備によ り負圧が維持されていることを確認しながら慎重に作業することとしており、万一 作業中に負圧変動が生じた場合でも作業員が速やかにセル等を閉止することが可能 である。 (2)直接交換 直接交換については、交換対象 MSU の推定線量当量率が低く、遮蔽機能を有する 交換治具を用いる必要がないと判断された場合に実施する。また、セル等を開放す る作業を伴うが、交換作業中は換気設備により負圧が維持されていることを確認し ながら慎重に作業することとしており、万一作業中に負圧変動が生じた場合でも作 業員が速やかにセル等を閉止することが可能である。このため、遮蔽および閉じ込 め機能に影響を与えるものではなく、設工認申請は不要と考えている。
2016 年 3 月 8 日 日本原燃株式会社 再処理事業部 (3)MSU 駆動品 駆動品の交換については、交換治具を用いる必要がないこと、また、交換にあた り遮蔽および閉じ込め機能に影響を与えないことから、設工認申請は不要と考えて いる。 5.添付資料 添付資料1-1:MSU の主な機能および建屋毎の設置台数一覧表 添付資料1-2:MSU の概要について 添付資料2:MSU 駆動品一覧表 添付資料3:MSU 交換方法選定フロー 添付資料4:MSU 交換手順(交換治具使用) 添付資料5:MSU 交換手順(直接保守) 添付資料6:MSU 駆動品交換手順 以 上
添付資料1-1 前処理建屋 (341) 分離建屋 (233) 精製建屋 (142) 低レベル廃 液処理建屋 (16) 分析建屋 (22) 高レベル廃 液ガラス固 化建屋 (85) 1 サンプリングベンチツールホルダー サンプリングベンチ(非安重) 再処理工場各槽類の溶液の組成を確認するため溶液を採取する。 溶液の採取機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換交換治具 3 7 8 1 1 3 23 2 インペラ、シャフト たて軸遠心ポンプ (非安重) 再処理工場各槽類の溶液を移送する。 移送機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影響を与 えない。 交換治具 /直接交換 22 15 13 8 - 4 62 3 グローブバルブの弁体、弁座 配管(安重/非安重) プロセス流路の開閉を行う。酸回収工程においては、真空ラインの開閉および開度調整を行う。 開閉機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換交換治具 - 9 4 - - - 13 4 パルセーションバルブの弁体、弁座 配管 (非安重) 貯槽の間欠かくはん(貯槽内溶液・液温を均一化)を行うため、開閉に より圧縮空気の供給/排気を行う。 開閉機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影響を与 えない。 交換治具 /直接交換 8 - - - - 16 24 5 かくはん羽根 ミキサ・セトラ(非安重) ミキサ・セトラのミキサ部において水相と有機相を混合する。 かくはん機能が喪失したとしても、閉じ込め等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換※交換治具 - 38 37 - - - 75 6 アルファモニタ(検出器を除く) インラインモニタ(安重) アルファ線検出器を保持するとともに、検出の補助および校正用線源を使用した校正の補助を行う。 検出および校正の補助機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換交換治具 - 3 4 - - - 7 7 ガンマモニタ(検出器を除く) インラインモニタ (安重) ガンマ線検出器を保持するとともに、校正用線源を使用した校正の補 助を行う。 校正の補助機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影 響を与えない。 交換治具 /直接交換 - 1 - - - - 1 8 破砕金具 パルバライザー(安重) 溶液中の不溶解残渣を破砕する。 不溶解残渣を破砕する金具であり、金具が破損し、破砕機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影響は与えない。 /直接交換交換治具 2 - - - 2 9 ろ材 真空フィルタ (非安重) 廃ガス中の放射性物質を除去する。 除去機能が喪失したとしても、下流側の高性能粒子フィルタにより除去 できることから、閉じ込め機能に影響はない。 交換治具 /直接交換 80 - - - 80 10 ろ材 高性能粒子フィルタ(安重/非安重) 廃ガス中の放射性物質を除去する。 除去機能が喪失したとしても、予備のフィルタに切り替えを行うことから、閉じ込め等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換※交換治具 76 20 20 - 4 8 128 11 手動ダンパ 高性能粒子フィルタ (安重/非安重) 高性能粒子フィルタの前後で、廃ガス流路を開閉する。 開閉機能が喪失したとしても、閉じ込め等の安全機能に影響を与えな い。 交換治具 /直接交換 76 20 20 - 4 8 128 12 ろ材 よう素フィルタ(安重) 廃ガス中の放射性物質を除去する。 除去機能が喪失したとしても、予備のフィルタに切り替えを行うことから、閉じ込め等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換交換治具 4 4 3 - - 6 17 13 手動ダンパ よう素フィルタ(安重) よう素フィルタの前後で、廃ガス流路を開閉する。 開閉機能が喪失したとしても、閉じ込め等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換交換治具 8 8 6 - - 12 34 14 DOG切替ダンパ 配管 (安重) せん断処理・溶解廃ガス処理設備において、廃ガス流路の切替えを行 う。 開閉機能が喪失したとしても、閉じ込め等の安全機能に影響を与えな い。 交換治具 /直接交換 6 - - - 6 15 廃ガス仕切りダンパ 配管(安重/非安重) 高レベル濃縮廃液廃ガス処理設備および不溶解残渣廃液廃ガス処理設備において、流路を開閉する。 開閉機能が喪失したとしても、閉じ込め等の安全機能に影響を与えない。 /直接交換交換治具 - - - 2 2 16 界面計、電導度計 ミキサ・セトラ (安重/非安重) ミキサ・セトラにおいて水相と有機相の界面位置の検出および水相/有 機相混合液の電導度を確認する。 界面位置の検出機能、電導度の確認機能が喪失したとしても、閉じ込 め機能等の安全機能に影響を与えない。 交換治具 /直接交換 - 43 44 - - - 87 17 スチームジェットポンプのシールホル ダー、ノズル 配管 (安重) 蒸気の流路を形成し、再処理工場各槽類の溶液を移送する。 移送機能が喪失したとしても、閉じ込め機能等の安全機能に影響を与 えない。 ただし、一部のスチームジェットポンプは漏えい液回収槽からの移送用 であり、機能喪失した場合、当該槽の閉じ込め機能に影響を与える恐 れがあるが、予備系があるため、影響を与えない。 交換治具 /直接交換※ 56 63 20 7 13 26 185 874 ※直接交換実績あり 交換方法 (交換治具 /直接交換) MSUの主な機能 設工認名称 (安重/非安重) MSUの種類 MSUの主な機能が喪失した場合の影響 合計
MSUの主な機能および建屋毎の設置台数 一覧表
設置台数 (建屋合計) 合計 No.前処理建屋 (341) 分離建屋 (233) 精製建屋 (142) 低レベル廃液 処理建屋 (16) 分析建屋 (22) 高レベル廃液 ガラス固化建屋 (85) 1 サンプリングベンチツールホルダー サンプリングベンチ 電動機 ・サンプリング箇所選定のため、ツールホル ダーのバレルを回転させる。 ・サンプリングのためツールホルダの昇降を 行う。 ・ニードル交換のためグリッパを昇降させ る。 3 7 8 1 1 3 23 2 インペラ、シャフト たて軸遠心ポンプ 電動機 インペラ・シャフトを回転させる。 22 15 13 8 - 4 62 3 グローブバルブの弁体、弁座 配管 シリンダー型駆動ユニット 弁体を開閉させる。 - 9 4 - - - 13 4 パルセーションバルブの弁体、弁座 配管 シリンダー型駆動ユニット 弁体を開閉させる。 8 - - - - 16 24 5 かくはん羽根 ミキサ・セトラ 電動機 かくはん羽根を回転させる。 - 38 - - - - 38 6 アルファモニタ(検出器を除く) インラインモニタ 電動機 検出器校正のためアルファモニタのディスク を回転させる。 検出のためアルファモニタのドラムを回転さ せる。 - 3 4 - - - 7 7 ガンマモニタ(検出器を除く) インラインモニタ 電動機 検出器校正のためガンマモニタのローテーションプラグを回転させる。 - 1 - - - - 1 8 DOG切替ダンパ 配管 シリンダー型駆動ユニット ダンパを開閉させる。 6 - - - 6 合計 添付資料2
MSU駆動品 一覧表
駆動品の種類 No. MSUの種類 設工認名称 設置台数 (建屋合計) 主な機能添付資料3
MSU交換方法選定フロー
直接交換による 交換実績があるか MSU 交換 判断 1 Y N 直接交換による交換を選定 交換治具による交換を選定 Y N 判断 3 N Y 判断 2 交換治具(MSU 内包)表面の 線量当量率が検出限界値未満であったか 交換治具による 交換実績があるか Y 判断 4 Y N N 判断 5 グリーンハウスの 設置が可能か MSU の推定線量当量率 が直接交換が可能な値か添付資料4(1/3)
MSU 交換手順(交換治具使用)(その1)
1.MSU 交換の準備を行う(上部品取り外 し等) 2.交換治具①を設置する 3.交換治具②を設置する 4.交換治具①,②の仕切りを移動する 5.グリッパを下降させ、交換対象MSU を把持する 6.グリッパを上昇させ、交換対象MSU を交換治具②内に収納する 7.交換治具①,②の仕切りをする 8.交換治具②を移動する 9.予備品MSUを収納した別の交換治具 ②を設置する 10.交換治具①,②の仕切りを移動する グリッパ 仕切り 交換対象MSU 交換治具① 交換治具② 予備品MSU添付資料4(2/3)
MSU 交換手順(交換治具使用)(その1)
11.グリッパを下降させ、予備品MSU をアングリップする 12.グリッパを上昇させる 13.交換治具①,②の仕切りをする 14.交換治具②を移動する 15.交換治具①を撤去し、復旧を行う(上 部品取り付け等)添付資料4(3/3)
MSU 交換手順(交換治具使用)(その2)
①MSU 交換の準備を行う(上部 品取り外し等) ②予め予備品MSU を収納した交換 治具を設置し、交換対象MSUをグ リップする。 ③グリッパーを上限位置にした後、バレルを回す。 ④グリッパーを下限位置にし、予備品 MSUを設置した後、予備品 MSU を アングリップする。 ⑤交換治具を撤去し、復旧を行う (上部品取り付け等)。 バレル 予備品MSU 交換対象MSU添付資料5(1/2)
MSU 交換手順(直接交換)その1
1.MSU 交換の準備を行う(グ リーンハウス設置および上部品取 り外し等) 2.ビニールバッグ固定治具、ビ ニールバッグ、吊り治具を設置す る。 3.玉掛けを行い、クレーンにて MSU を吊り上げ、MSU 上部にビ ニールバッグを固定する 4.ビニールバッグを MSU にテ ープで巻きつけながら、MSU をグ レーンにて吊り上げる 5.矢印箇所を捻り込み、テープで 養生したうえで、切断する。また、 切断部をテープ養生する。更に、全 体に二重目の養生を施す。 6.交換対象MSU をグリーンハウス外に移 動し、養生を施したまま容器に収納する グリーンハウス内 グリーンハウス内 7. MSU 予備品を容器から取り出し、グリー ンハウス内に移動する。 8.据付箇所の上部までMSU 予備 品を移動する 9.ビニールバッグを取り外す。 10.MSU 予備品を挿入し、着底さ せる。 11.治具類を取り外した後、片付け を行う。(上部品を復旧、グリーンハウ ス撤去等) グリーンハウス内 交換対象MSU ビニールバッグ 吊り治具 予備品MSU クレーン添付資料5(2/2)
MSU 交換手順(直接交換)その2
1.MSU 交換の準備を行う(グ リーンハウス設置および上部 品取り外し等) 2.ビニールバッグ固定治具、 ビニールバッグ①、吊り治具を 設置し、固定治具にビニールバ ッグ①を固定する。 3.玉掛けを行い、クレーンに てMSU を吊り上げる。 4.ビニールバッグをMSU に テープで巻きつけながら、MSU をグレーンにて吊り上げる 5.矢印箇所を捻り込み、テープ で養生したうえで、切断する。ま た、切断部をテープ養生する。更 に、全体に二重目の養生を施す 6.交換対象MSU をグリーンハウス外に移動し、養生を 施したまま容器に収納する グリーンハウス内 グリーンハウス内 7. MSU 予備品を容器から取り出し、ビニールバッグ ②を取り付けた後、グリーンハウス内に移動する。 8.据付箇所の上部までMSU 予備 品を移動し、ビニールバッグ②を固 定治具に固定する。 9.ビニールバッグ①を取り外し、ポ ケットに収納する。 10.MSU 予備品を挿入し、着底さ せる。 11.治具類を取り外した後、片付け を行う。(上部品を復旧、グリーンハウ ス撤去等) グリーンハウス内 交換対象MSU ビニールバッグ① 吊り治具 予備品MSU クレーン ビニールバッグ② ビニールバッグ① ビニールバッグ①添付資料6