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学校施設における環境評価と建築計画的課題に関する研究 [ PDF

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(1)学校施設における環境評価と建築計画的課題に関する研究 今林 寛晃 1. 研究の背景と目的. 学校施設における建築環境評価. 規模改修や改築などの施設整備が必要な時期を迎えて 後の重要な課題といえるが、持続可能な社会の構築が 時代の要請であるいま、その尺度として環境評価が用 いられることが多い。現在我が国では、学校施設の建 築環境性能評価として「CASBEE 学校」が多く用いら れており、 「学校施設における総合的な環境評価手法」 としてまとめられたその評価によって施設全体として の評価を行うことが可能である。しかし複数の棟によっ て構成される大規模な建築物である学校施設において は施設内の場所によりその環境が異なるため、施設単 体での評価には問題がある。さらに子どもの成育環境 である小・中学校施設では、場所に応じた環境性能の 評価のみならず、利用主体と環境とをつなぐ環境心理. これまでの環境評価 所定面積を満たしている 施設のゆとり. 500lx≦CR ( 平均 ) <750→Lv.4 光環境. 50dB≦CR<60dB→Lv.2 音環境. 道路 閉じた窓. A. A. B 建築面積 3030 ㎡. 環境性能の見える化→施設単体での評価. 体育館. いる。既存施設について総括的な評価を行うことが今. 目的. 方法 評価部位の計測・測定など. ( 平均 ). 公園 B. 該当なし. 理科. 図書. CR A. CR B. 建築面積 3080 ㎡. 敷地面積に対する建築面積の 大きさ. ■建築計画的視点. 北向き窓面 A ≠南向き窓面 B. 大通りに面する A ≠公園に面する B. 理科室のとなりの A 図書室のとなりの B. 計画的視点を考慮した評価▲. 方法 類型化・体系化など. 目的. 施設の計画的な特徴の把握. ▲. ▲. 大量供給され、築後 30 年以上経過した多くの施設は大. ▲. 我が国における小・中学校施設は高度経済成長期に. ■環境性能評価. 意識調査、行動観測など. ■環境評価と利用主体の行動や意識との関連. 図 1. 学校施設における建築環境評価 表 1. 本研究の調査概要 調査方法 シミュレーション. 時期. 調査概要. 2011.11~ 2012.4. F 市 125 校を対象に CASBEE 学校 ( 既存 ) による建築 環境性能評価を行った。. 資料調査. 2012.4~ 2012.12. 資料分析や実測調査により、F 市 125 校の建築計画的な 特徴を整理・類型化した。. ヒアリング調査. 2012.10~ 2012.12. F 市 125 校より 5 校を抽出し、環境に関するヒアリング を行った。. アンケート調査. 2012.12~ 2013.1. 5 校を対象に、環境と指向する場所に関するをアンケート 調査を行った。. 観察調査. 2013.1. アンケートを行った5校に対して児童や教師の休み時間の 行動を観察した。. 的な側面への配慮も極めて重要な課題といえる。以上. を行った。④、③における結果と、①と②との関連性. より今後の学校施設整備において、これまでの環境性. を分析することで、学校施設整備における環境評価の. 能評価に加え、建築計画の視点や利用主体と環境との. 課題を考察した。. 関係を考慮した評価を行うことが重要であると考える。. 3. 環境性能評価. 本研究では、既存学校施設について建築計画的な視. 3-1.CASBEE 学校の概要. 点により施設環境を分析し、これまでの環境性能評価. CASBEE 学校の評価項目を図 2 に示す。本研究では主. との比較検討を行う ( 図 1)。また、その結果と学校施. に、CASBEE において「ユーザーの生活アメニティの. 設における利用主体の環境に対する意識や行動との関. 向上」として定義される「Q(環境品質) 」の暑熱、光、. 係を分析することで、小・中学校の施設評価として考. 音、規模に関する項目を対象に研究を行った。. 慮すべき項目や課題について考察し、今後の学校施設. 3-2.BEE(全体の評価点)による施設評価. 整備における新たな指針を得ることを目的とする。. F市小・中学校 125 校に対して CASBEE による環境. 2. 研究の方法. 評価を行った。評価結果を図 3 に示す。BEE=0.9 の学. 調査概要を表 1 に示す。まず① F 市内の全小・中学. 校は 10 校(小学校 8 校、中学校 2 校) 、BEE=0.8 の学. 校 125 校について、 「CASBEE 学校」による環境評価. 校は 100 校(小学校 69 校、中学校 31 校) 、BEE=0.7. シミュレーションを行い、 その傾向を分析した。②また、. の学校は 15 校 (小学校 8 校、 中学校 7 校) となっており、. 学校建築計画の諸要素を、環境心理的な視点により整. BEE=0.8 に該当する学校が最も多く、また BEE=0.9 に. 理し、①の特に空間に関わる項目との比較を行うこと. 該当する学校は少ない。. で、既存校舎の環境について分析した。③それらをも. 3-3.CASBEE 評価項目別施設評価. とに調査対象校 5 校を選定し、各学校における利用主. 続いて、BEE からみた分類別に CASBEE における. 体の環境に対する意識傾向を得るため、児童や教師に. 評価項目 Q1 ~ LR3 について , その得点の分析を行っ. 対して場所の指向に関するアンケート調査や観測調査. た。BEE の評価別(0.9、0.8、0.7)に Q1 ~ LR3 の. 36-1.

(2) 平均点を見ると、各評価での平均点の差が最も大きい. CASBEE学校の概要. Q1 と Q2 では BEE 評価 0.9 における平均点が高く、. ■BEE評価計算式. Q 建築物の環境品質 = LR 建築物の環境負荷. LR2 と LR3 では差が殆ど見られなかった。以上から、. ■評価項目. や太陽光発電の設置などを重点的に行っている学校が. Q. CASBEE 評価において高得点を得ていると言える。ま た、直接計画的な条件と関係する騒音などの音環境は. *. Q1. 室内環境. Q2. L. 敷地内環境. エネルギー. LR1. 資源・マテリアル. LR2. LR3. A. BEE=1.5. BEE=1.0. B⁺ B⁻. 50. BEE=0.5. C. 0. 0. 50 100 建築物の環境負荷L. 本研究で対象とする直接空間に関わる評価項目. 音環境、 暑熱環境、 光・視環境、 空気室環境. サービス性能. Q3. BEE=3.0 S. 出典:学校施設における総合的な環境性能評価手法評価マニュアル 文部科学省. も影響を与えていることが推測され、生物環境の充実. 敷地外環境. 機能性、 耐用性・信頼性、 対応性・更新性 生物環境の保全、 まちなみ・景観への配慮、 地域性への配慮 熱負荷抑制、 自然エネルギー利用、設備システム効率化、 設備運用 水資源保護、 非再生性資源削減、 汚染物質含有材料 地球温暖化対策、地域環境配慮、周辺環境配慮. 図 2.CASBEE 学校の概要 . Q1-1( 音環境 ) に、室温や湿度は Q1-2( 暑熱環境 )、照 度などの光環境は Q1-3( 光・視環境 )、空間のゆとりや. CASBEE評価の分布 ■F市BEE得点分布. 54. 機能性に関しては Q2-1( 機能性 ) で評価されるが、BEE. S. A. いことがわかる。. 53. B⁺ B⁻. 環 境 品 質 Q. 評価における得点に関わらず、Q1-2、Q1-3 は変化がな. 52. C 環境負荷L. CASBEE による評価で取り上げた「暑熱」 、 「光」 、 「音」 、 「大きさ」について、施設内における環境の変化 や、利用主体の意識と環境の関係を考慮した評価を行 うため、環境心理学における環境認識の条件として多 で取り上げられている「要素の相対」. や「要素に関する情報の量」などを手掛りに、学校施 5)。本研究では建設時期、敷地面積、接道条件、校舎 配置、CR 窓面方位、オープンスペース(以下 OS)の 有無をその要素として抽出し、図 6 に示す方法によっ て施設環境を評価した。暑熱環境については学校施設 の「棟別教室窓面方位、教室配置、廊下形式の関係」を、 光環境は「教室の棟別窓面方位、建物形状、廊下形式、 建築面積の関係」を、音環境については、 「教室の棟別 窓面方位、教室配置、廊下形式、OS の有無の関係」を、 空間のゆとりに関しては「敷地面積と建築面積、建築. 5. 6. 50. 8. 6. 13. 49. 1. 2. 3. 19. 1. 3. 1. 14. 2. 1. 1. 46. 1. 12. 1. 6. 1. BEE=0.7 (15 校) 30 20 10 該当校数. 45 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62. ■BEE詳細評価分布 3.6. 3.4. 2.8. 3. 2.6. 2.8 2.6. 100 50 10. 100 50 10. 2.4. 該当校数 Q2. BEE=0.8 (100 校). 5. 3.2. Q1. 3. 1. 3. 2. 2 3. 1. 3.2. 平均点. 高さ、校舎形状、廊下形式、クラスルーム(以下 CR). -. ■BEE項目別評価分布. 2.4. BEE=0.9 (10 校). 2. 1. B. 47. F市小中学校125校 ・小学校85 校 ・中学校40 校. 2.2. 設における建築計画の諸要素について整理を行った ( 図. +. 48. 対象. 4-1. 環境評価における建築計画的視点. B. 51. 拡大範囲. 4. 建築計画と環境. 文 2). 25×(SQ-1) 25×(5-SLR). SQ:Q の得点 SLR:LR の得点. F 市の場合、Q3 と LR1 の値の変化が BEE の値に最. くの既往研究. 100. 建築物の環境品質Q. 項目は Q3 であり、次いで LR1 となっている。また、. ■評価方法. Q3. LR1. LR2. BEE=0.9 (10 校). LR3. 2.2. 該当校数 Q1-1. Q1-2. Q1-3. Q2-1. (音環境) (暑熱環境) (光・視環境) (機能性). BEE=0.8 (100 校). BEE=0.7 (15 校). 図3.F 市の小中学校 (125 校 ) の CASBEE 評価の分布. して教室配置は多様であるため、敷地外から影響を受 ける騒音等の音環境について施設ごとの差は大きく なっている。また廊下形式の違いによってもその差は 見られる。空間のゆとりに関して、相対的に敷地面積 に対して建築面積の大きな施設について、建物形状は L 字型と並列型が多い傾向にある。L 字型に対して並列 型は棟ごとで空間のゆとりに対する認識に差が見られ ると予想され、また CR 間の環境に差が生じていると 考えられる。施設の光環境について、F 市の場合、CR. 高さ、OS の有無の関係」を環境認識の条件として分析. の窓面が南向きとなる校舎が多いが、敷地条件や CR. を行った。. 配置によってその方位は多様である。また空間のゆと. 4-2.F 市小中学校の施設環境傾向 まず、校舎形状、CR 配置、接道条件、教室窓面方位、 校舎高さ、OS の有無、敷地面積、建築面積について F 市小・中学校 125 校を調査し、類型化を行った ( 図 4)。 それらをもとに、前節で示した方法に従って建築計画 の諸要素を整理し、施設環境の傾向を分析した ( 図 6)。 なお、評価の「+」 「−」は CASBEE と評価軸を統一さ せるため、明、広、静、暑を「+」とし、その対を「−」 として判断した。 F 市の場合、校舎に対する 3 面接道が最も多く、対 36-2. り同様、L 字型校舎や並列型校舎の場合、施設内 CR 間 の環境差が大きい。暑熱環境に関しても光環境と同様、 教室窓面の方向や CR 配置に影響を受ける。また数棟 に分かれた並列型の CR 配置では、建築高さが大きい 施設ほど、その暑熱環境は「+」に傾く。 4-3. 建築計画と環境性能評価の関係 CASBEE による環境性能評価の結果と、前節で得た 傾向を比較した。まず CR 窓面、校舎形状等の違いに より施設や施設内 CR 間の暑熱、光環境の差は多様で.

(3) あるが、Q1-2 が 3.0、Q1-3 が 3.6 と CASBEE 学校に. 校数. よる評価においては一定の得点となっている。また音. (凡例). 10. く変動しているのに対し、Q1-1 の評価では 2.6 と 3 の. 4. 中学校校舎(40校) 小学校校舎(85校). 中 小. 環境に関して、接道条件に影響を受けその環境が大き. 8. 類型. F市 小・中学校施設の建築計画的要素の類型 ■建設時期 *現存する最も古い校舎の建設年 ■建物形状の類型. 旧旧耐震: 旧耐震: 新耐震: ~S45 S46-S56 S57~. 6. 1955 1958 1960 1962 1965 1967 1969 1971 1973 1976 1979 1981 1983 1985 1989 1991 1994 2000 2007. 片廊下型. 中廊下型. 東向き教室 20. 東向き教室 2. 15. 84. 6. 1 棟数 施設長軸方位. 7. 施設建築高さ. 西向き教室. 西向き教室. 並列型. 直列型. 90 60 30. 2棟. 一字型. 90 60 30. 並列型. 90 60 30. GR 側. 直列型. 並列型. 90 60 30. 変形型. 90 60 30. 他. 直列型. 90 60 30. コの字型. 変形型. 90 60 30. 90 60 30. *幅員 15m 以上. 2辺接道. 校舎側. 90 60 30. 一体型. 90 60 30. 3棟. 90 60 30. 1辺接道. 90 60 30. 建築計画の諸要素とその組み合せ. 環境や光環境、音環境に関しては建築計画の諸要素に. GR 側. 90 60 30. 3辺接道. 校舎側. 90 60 30. GR 側. 90 60 30. 4辺接道. 校舎側. 全面. 90 60 30. 90 60 30. a. 光環境. b. 空間のゆとり c. 音環境 d. 暑熱環境. 学校施設における建築計画の諸要素 環境要素. よる影響がその評価結果に十分に反映されていないこ とが分かる。理由として、CASBEE 学校の評価が施設. a.. 敷地面積. 接道条件. 建物形状. 建築高さ. 建築面積. 廊下形式. CR 配置. 窓面方位. b. c.. d.. の場所や時間について計測数値の平均によって得られ. 図 5. 建築計画の諸要素とその組み合せ . 建築計画と施設環境. るものを根拠としており、時間変化や場所による環境. ■評価概要. *F 市の小・中学校125校を対象に調査. の変化などが評価結果に反映されていないこと等が考. 暑熱環境 : 棟別教室窓面方位 , 教室配置 , 廊下形式 , の関係. えられる。. 音環境 :CR 窓面方位 , 教室配置 , 廊下形式 ,OS 有無 , の関係. 静か 明るい 広い 暑い. 光環境 :CR 窓面方位 , 建物形状 , 廊下形式 , 建築面積 , の関係 空間のゆとり : 敷地面積 , 建築面積 , 建築高 ,OS の有無 , の関係. ■光環境と建築計画 ■音環境と建築計画. 5. 環境評価と利用主体の意識. -. +. +. 配慮が求められる小・中学校施設について、利用主. CR 差小. +-の評価は CASBEE と 統一させるため , 明 , 広 , 静 , 暑を+, その対を-とする 施設内の CR 間の環境差. CR 差大. -. +. +. -. 中廊下型. 1階. 2階. 3階. 4階. 5階. Q1-2=3. 建築面積S=. CR 差大. 片廊下型. 39. 賑やか 暗い 狭い 涼しい. -. ■暑熱環境と建築計画. Q1-3=3.5. 31. +. CR 差小. 児童や教師と環境とをつなぐ環境心理的な側面への. ~4,000㎡. CR 配置. 関連性を得るため、学校施設の中で児童や教師が指向. 4,000~6,000㎡ 6,000㎡~. 建物形状. 体の意識や行動と、環境評価で評価される空間との. 暑熱環境については学校施設の「棟別教室窓面方位、教室配置、廊下形式の関係」を、光環境は「教室の棟別窓面方位、建物形状、廊下形式、建築面 積の関係」を、音環境については、「教室の棟別窓面方位、教室配置、廊下形式、OS の有無の関係」を、空間のゆとりに関しては「敷地面積と建築面 積、建築高さ、OS の有無の関係」. 20. 11. 北. 窓面 方位. の3校 ( 前章の評価方法において CR 間の環境面での. 東. 南. 西. 北. ■音環境と建築計画 ■音環境と建築計画 +. 5 校を対象に、児童や教師の指向する場所やその理由. 5. 場所として多くあがった場所について観察調査を行い、. (1). CR 配置. についてアンケート調査を行った。また特に指向する. 4. 4. 1 1 4. することで、小・中学校の施設評価において考慮すべ. 4. 5. 5. 1. 7 6 (1). 8. 9 7. 6. 7. 6. 3. 5. 2 3. 5. 3. 3 7. 4. 9 6 (1). 6. 2. 9 6 (2)(1). 5. 4. 3. 6. 3 2. 5. 4. 1. Q1-1 3. 各学校施設における利用主体の指向する場所やその. 39. 21. 4. 1 3. 0. 接道 条件. 凡例. +. 9. 2. 3 2. -. CR 差大. 5 4. 2. 3. 2 (1). 1 2. 北. CR 差小. それらの結果と 4 章で行った環境評価の分析とを比較. 1. 4 5. 西. CR 差小. 2. 1 (1). 南. CR 差大. 格差が多く見られた 2 校、見られなかった 1 校 ) の計. 東. ■空間のゆとりと建築計画 ■音環境と建築計画. 3 (1). 北. 窓面 方位. 建物形状. CASBEE において高い評価を得ている 2 校、低い評価. CR 差小. 38. CR 差大. する場所に着目し、下記の調査を行った ( 図 7)。まず. 5-1. 利用主体の指向する場所とその理由. 90 60 30. 図 4.F 市小・中学校施設の建築計画的要素の類型 . 以上より、CASBEE 学校の評価項目について、暑熱. き項目や課題について考察する。. コの字型. 90 60 30. ■接道条件. 15m 12m 9m 6m 3m. 中 小. ることが考えられる。. 9. 2. 南向き教室. 138. 北向き教室. 的な評価要素の一つである「建築面積」が含まれてい. 15m 12m 9m 6m 3m. 南向き教室. 北向き教室. 1. 1棟. 類型. いて一致しているといえるが、理由として Q2-1 に計画. 中 小. ■CR窓面方位と施設高さ. の比較においては他の要素と比べて、その変動幅につ. 類型. みである。一方、空間のゆとりに関する Q2-1 の評価と. L 字型. 90 60 30. ■CR配置の類型. 2 0. 細長型. 90 60 30. 6. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 敷地面積(×1000 ㎡). 校数 2.6. 2010 (1). Q1-1=3の校数 Q1-1=2.6の校数 ()内は中廊下型形式の校数. 建築面積S ~4,000㎡ 4,000~6,000㎡ 6,000㎡~. 階数. 1階 3階 5階. Q2-1 2階 4階. 2.8 3 3.2. 2.9 3.1 3.4. 図 6. 建築計画と施設環境. 理由のアンケート調査結果を図 7 に示す。. にあり、Th 小、Mh 小、Cy 小では「ものが多いから」. まず指向する場所について、Mh 小では指向する場所. などの物理的要素に起因する理由が多かった。教師の. として授業中、休み時間ともに CR を選択する児童が. 場所に対する指向については全校共に職員室を除いて. 多く見られた。対して Cy 小、Iz 小は CR 以外の特別教. 基本的に児童と同様の傾向にあり、理由に関しては環. 室や廊下等を選択する児童が多く、観測調査により「明. 境的な要素に起因するものを選択する傾向がみられた。. るい - 暗い」など環境の境目となる場所に集中している. 5-2. 環境評価と指向する場所の関係. ことが分かった。Ht 小については、選択場所に CR と. アンケート調査で得た利用主体の指向する場所と環. それ以外の場所が混在する傾向がみられた。. 境評価との関係を図 8 に示した。CASBEE 学校の項目. 次いで指向する場所の選択理由について、Iz 小と Ht. 評価において高得点であった学校 (Mh 小、Ht 小 ) に. 小に関しては「静かだから」 「明るいから」など環境的. ついて、児童が指向する場所として CR が多く見られ、. な要素に起因する理由項目を選択する児童が多い傾向. その指向理由としては物理的な要素に起因するものが. 36-3.

(4) 指向する場所の分布 ■Th 小学校 (BEE=0.9). ■調査概要. 授業で好きな場所、休み時間や放課後 で好きな場所について、それぞれ一箇 所図面をプロット。(グラウンド除く). 30 人 11 人 -30 人 1人 -10 人. 休み時間 授業. ❶明るい ( 暗い ) から. ❺自然を感じるから. ❷暖かい ( 涼しい ) から ⑥外に近いから. 行動と 環境の 関係. 3年 6年. ⑥0 10 指向理由の選択番号. 4年 5年 担任教師. 20. 敷地面積. 0. 1F. 3F. アルコーブ CR. ❺. 体育館. ⑨. 2402 ㎡. RC 造地上 5 階. 建設年度. 1967 年. 敷地面積. 18791 ㎡. 建築面積 構造 / 階数. 20. 30. ❷ ❸ ❹. 渡り廊下. ❺. 1F. ⑦. 3F. ⑩. ⑧ ⑨. 2F. ⑩. 建設年度. 1964 年. 敷地面積. 15059 ㎡. 建築面積. RC 造地上 4 階. ⑦ 渡り廊下. CR. ⑨. ⑥. 図書室. ⑧. 2371 ㎡. 0. 計画的要素 . 7700 ㎡. B. ❶ 体育館. 計画的要素 . 敷地面積. (人). A.. ❺. 2F. 10. RC 造地上 3 階. ❹. 渡り廊下. 1F. 2817 ㎡. ■Cy 小学校 (BEE=0.7) *空調有. ❸. 3F. 渡り廊下. ⑧. 計画的要素 . 2000 年. 30. ⑥. ⑩. 建設年度. 20. ❷. 4F 廊下. ⑦. 5F. 2F. 10. ⑩. 15880 ㎡. 建築面積. B. ❶. A.. ⑥. 4F. デッキテラス. 構造 / 階数. ❹. 敷地面積. 0. (人). ⑨. 1992 年. 構造 / 階数. ■Iz 小学校 (BEE=0.7). ❸. 体育館. 建築面積. 30. 建設年度. RC 造地上 3 階. ⑧ 2F. アンケート集計分布. ❷. 20. ⑦. 3F. アンケート集計分布. アンケート集計分布. B ❶. A.. 10. 3169 ㎡. 構造 / 階数. 指向する場所として多くあげられた場所について行動観察 (人). 28389 ㎡ ( 小中併設 ). 建築面積. ⑥. 図書室. ⑩. 2007 年. ❺. 多目的スペース. 1F. ⑨. 2F. 30. ❹. 体育館. ⑧ CR. 建設年度. 授業 30 -( 人 ) 休み時間. ②観察調査. ■Ht 小学校 (BEE=0.8) *os 有. ❺. 計画的要素 . (❶-❺: 環境的要素起因の理由 ⑥-⑩: 物理的要素起因の理由 ). 3F. 20. ❸. 多目的スペース 芝生. ⑦. 10. 計画的要素 . ⑩( 遊ぶ・勉強する ) ものが多いから ⑧人が多い ( 少ない ) から. B. ❶ ❷. ❹. CR. 0. (人). A.. ⑥. 図書室. ❸賑やか ( 静か ) だから ⑦移動しやすいから ❹広い ( 狭い ) から. CR 芝生. ⑨好きな教科の・ 自分の教室だから. ■Mh 小学校 (BEE=0.8). 30. ❸. 1F. B. その場所を指向する理由(項目を選択). 20. ❷. 体育館. A. 指向する場所(図面をプロット). 意識と 環境の 関係. 10. B. ❶. アンケート集計分布. ①アンケート調査(対象:3年 -6 年の1クラス児童とその担任教師). 0. (人). A.. アンケート集計分布 . CSBEE による評価の高かった学校と、CR 間の環境差が 大きいと評価した学校 計 5 校. 対象校. 3079 ㎡. RC 造地上 3 階. 構造 / 階数. 図 7. 指向する場所の分布. 多い傾向にある。また、計画的な視点による施設評価. 利用主体の指向する場所と環境評価の関係 Th 小学校. 指向理由. の項目において「−」が多い学校 (Iz 小、Cy 小、Ht 小 ) では、CR 以外の場所を指向する傾向にあり、施設内の. **. 学校 (Th 小 ,Mh 小 ) は物理的な要素に起因する理由を. CR 廊下 b.. 61%. 65%. 45%. d.. CR CR a.. b.. 61%. 65%. 45%. d.. 47%. 53%. 56% CR アルコーブ. 44%. CR. a.. b.. c.. d.. Cy 小学校 82 人 65 人. 41%. 回答総数 N=134. 39%. c.. Iz 小学校. 68 人 64 人. 49% 51%. 回答総数 N=142. 39%. c.. Ht 小学校. 55 人 66 人. 61% 39%. 回答総数 N=134. 計画 BEE 環境評価 *. において物理的要素に起因する理由が多くみられたが、. 回答総数 N=146. CR 以外. 39%. 廊下 33% 渡り廊下. a.. b.. c.. 49 人. 57% 43%. 59%. 回答総数 N=114. 61%. CR 以外. 67%. 廊下 渡り廊下. d.. a.. 67%. 33%. 59%. 41%. b.. c.. d.. 3.6 2.8 2.6 3.0 3.6 3.0 3.0 3.0 3.6 3.2 2.6 3.0 3.6 2.9 2.6 3.0 3.6 2.9 2.6 3.0. **. この理由として、Cy 小が空調の設置により環境の条件. 差 CR. が他の小学校と異なることが考えられる。このことか. +. +. -. +. +. +. +. -. -. -. -. +. -. -. +. -. -. -. +. -. 小. 小. 小. 小. 大. 小. 大. 小. 大. 小. 大. 小. 大. 大. 小. 大. 大. 大. 大. 大. * a. 光 Q1-3( 光・視環境 ) b. ゆとり感 Q2-1( 機能性 ) c. 音 Q1-1( 音環境 ) d. 暑熱 Q1-2( 暑熱環境 ) **体育館、図書室等を除く場所のうち回答の多かったものとその割合. ら空調の設置と児童の場所に対する指向性の関連が予. 図 8. 利用主体の指向する場所と環境評価の関係. 想される。また教師については計画的な視点の評価で. 反映されていないこと。. 「−」が多い場合、指向する場所の選択理由に物理的な. 2)空間のゆとりに関して、CASBEE 学校の評価と建築. ものが多くなる傾向が見られた。この傾向は高い学年. 計画の視点による施設評価は同傾向であること。. の児童ほど見られ、環境的な要素への意識と学年や年. 3)施設内諸室の環境差と、利用主体の指向場所、指向. 齢との関連が予想される。. する理由には関連があること。. 以上の傾向分析から、計画的な視点による施設評価. 4)児童と生徒、また学年により、指向する場所と環境. と CR 以外の場所への指向性、指向する理由、学年や. との関係に異なる傾向が見られること。. 年齢による指向の差等の関連を得る事ができた。小・. 今後の課題として、より詳細な検証によって環境的. 中学校施設における教育環境の質的向上のためには、. な要素と建築計画的な施設評価との対応分析を行い、. これらの結果を考慮し、利用主体の意識や行動に対す. 多角的な視点で児童や教師と施設環境の関係について. る環境評価のあり方を考察する必要があると考える。. 考察を行う事で、施設内の場所に対する環境の変化や、. 6. まとめ. 利用主体の意識に応じた学校施設整備の在り方を提示. 本研究により、以下のことが明らかとなった。 1) 暑熱や光環境に関する CASBEE 学校の評価について、 建築計画の諸要素による影響がその評価結果に十分に. 物. a.. 選ぶ傾向がみられた。CR 間の環境差が見られる Cy 小. Mh 小学校. 73 人 87 人. 33% 67%. 休. 択理由に環境的な要素に起因する理由を、みられない. 61 人. 授業. 指向場所. CR 間に環境差が多く見られる学校 (Ht 小 ,Iz 小 ) は選. 環. する必要がある。 【参考文献】 1) 学校施設における総合的な環境性能評価手法評価マニュアル 文部科学省 2) 環境心理学の新しいかたち 誠信書房 著者 : 南博文. 36-4.

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