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水難頻発箇所における流れ特性について 

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Academic year: 2022

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水難頻発箇所における流れ特性について 

 

岐阜大学大学院工学研究科        学生員  ○落合  繁  岐阜大学工学部      正会員    大橋  慶介  岐阜大学流域科学研究センター    正会員    藤田  裕一郎   

1. 研究背景 

  元来、河川と人間社会とのつながりは密接であり、

近年、カヌー、ウインドサーフィン、釣り、水泳な ど、リフレッシュの場として河川の自然を楽しむ 人々は増加している。このように河川の水辺は、人々 にとって格好の遊び場となっているが、プールなど の娯楽施設と違い安全が配慮されているわけではな い。このため、全国の河川では毎年水難事故が発生 しており、中には繰り返し犠牲者を出す場所が存在 する。このような場所の危険性は地元の人々には知 られているが初めての来訪者にとって的確に危険性 を判断することは困難である。そこで危険箇所と考 えられる地点において河道状況や流れ特性などの水 理学的調査を行い、その実態を把握した上で行楽客 等に危険性を示すことが重要となってくる。 

 

2. 河川における水難事故の発生状況 

  全国の河川における H12〜H17 年の水難事故の発生 件数・水死者の推移を図-1 に示した。事故件数は最 近減少傾向にあるが河川における水死者数は毎年 200〜300 人であって減少しているとは言い難い。岐 阜県内では長良川の関市池尻鮎ノ瀬橋上流側や美濃 市美濃橋付近などで水難事故による犠牲者が多発し ており、美濃橋付近に関しては平成 18〜20 年度では それぞれ 4,1,5 人の犠牲者が出ている。これらの地 点は他の水難事故が多発する箇所と同様に河原の十 分な行楽・駐車スペース、公衆トイレが設置されて いることなどが挙げられ、行楽客にとっては格好の 地点である。関市警察署の情報によると、橋からの 飛び込みによる事故以外は全てが岐阜県外の方々で あり、事故に遭う状況としては対岸まで泳ごうとす る際に発生する場合が多く、遊泳箇所における流れ の特性を把握していないことが大きな要因の一つで あると考えられている。 

   

  3.  

             

3.  流れ特性の調査箇所の概要 

  調査対象箇所として図-2 に示す関市池尻の鮎ノ瀬 橋上流側を選定した。この地点も前述のように美濃 橋付近と同様、過去に多くの死者・行方不明者を出 しており、既往の研究における測量等の調査より図 -2 の赤で示した湾曲部の左岸側において水深が 10m 以上の箇所であり右下に示すのは既往の研究の測定 値である。今回はそれらのデータを見直すとともに 浅水流解析や現地観察で見られる流速変動に着目し 調査・検討を行った。 

                                   

0 500 1000 1500 2000

H12 H13 H14 H15 H16 H17

水難事故発生件数 水死者数 河川における水死者数

図-1  水難事故発生件数・水死者の推移

図-2  池尻地区の長良川の概要 N

キーワード  水難事故、流れ特性 

連絡先  〒501-1193  岐阜県岐阜市柳戸 1 番 1  岐阜大学大学院工学研究科  TEL  058-293-2476

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑103‑

Ⅱ‑052

(2)

4. 流速変動の調査 

  既往の研究において二次元浅水流モデルを用いて 数値シミュレーションが行われた結果、左岸湾曲部 において瞬間的に流速が大きくなる結果が得られて いる。そこで今回はその付近での流速の定点観測を 行い時系列での流速変動を測定した。また 

測定方法としてはボートに ADCP(音響ドップラー流 向流速分布計)と PC を搭載し、両岸からロープ、杭 を用いて観測点に固定した。ADCP より得られたデー タ系列と流速の鉛直方向分布を図-4 に示す。なお赤 矢印で示したのは今回スペクトル解析で用いた区間 のデータである。 

 

5. 解析結果 

  図-3 における流速測定結果に対して時系列データ を抽出しスペクトル解析を行った結果を図-4 に示し た。  f=0.007 付近においてパワースペクトルのピー クが見られる。また図-5 に示すのは既往の研究で得 られた計算値のスペクトル解析を行った結果である。

測定結果の解析結果とは異なり、f=0.01 付近におい てパワースペクトルのピークが見られる。 

測定結果と計算結果の解析で少しずれは見られるが 実際の流れ特性として周期的に大きくなる傾向があ ると考えられる結果となった。 

 

6.今後の課題 

  本研究における今後の課題を以下に示す。 

 

・今後、水難事故が多発する夏期において、現地調 査等を実施し水難事故が発生する状況を把握する。 

 

・周期的に発生していると考えられる流速が大きく なる瞬間をより正確に把握し、水難事故との関連性 について検討する。 

 

・研究対象地点の夏期における来訪者の数を把握し、

どの程度の割合で水難事故が発生しているかを明確 にする。 

       

                                                             

[参考文献] 

藤田  裕一郎:河川における水難箇所の特徴に関す る水理学的検討、第 58 回年次学術講演会講演概要集、

Ⅱ-246 

井上  崇:河川における水難箇所の水理特性と危険 性の検討、卒業論文、2002 

玉腰  良樹:河川における水難箇所の危険性の評価 に関する研究 

     

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0

2300 2100 1900 1700 1500 1300 1100 900 700

0.00 0.40 0.80 1.20 1.40

標本番号

Bottom Top Q Bottom Q

(m/s)

図-3  流速の鉛直分布

(赤矢印で示すのは今回スペクトル解析で用いた区間)

図-5  計算値のスペクトル解析結果 図-4  測定値のスペクトル解析結果

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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参照

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