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鉄筋コンクリートはりの破壊性状と靱性設計に関する基礎的研究

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Academic year: 2021

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Title

鉄筋コンクリートはりの破壊性状と靱性設計に関する基礎

的研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

岩瀬, 裕之

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第001号

Issue Date

1994-03-24

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1722

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学位の種類 学位記番号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題目 学位論文審査委員 岩 瀬 裕 之(岐阜県) 博 士(工学) 甲第 1号 平成 6 年 3 24 生産開発システム工学専攻 鉄筋コンクリートはりの破壊性状と敵性設計に関する基礎的研究 (主査)教授 小 柳 拾 (副査)教授 六 郷 恵 哲 教授 中 川 建 治 論文内容の要旨 本論文は、曲げを受ける鉄筋コンクリート(以下RCと略)はりを対象として、荷 重変位曲線で表される破壊性状をもとに、とくに鉄筋降伏後のRCはり断面の特性 について検討するとともに、その成果をもとにRCはり断面の靭性設計を確立する ことを目的としており、8章からなっている。 第1章の序論では、RCはりの破壊性状と靭性設計について概説するとともに、 研究の目的と内容について述べている。 第2章では、全体・系とそれを構成する部分・要素の挙動の相互の関係を明らか にするため、まず要素モデルを用い、硬化・軟化を含めて要素の挙動を変化させ、 系の破壊挙動を解析している。また要素を直列に結合した静定系ならびに並列に結 合した不静定系の耐力とエネルギー吸収量の特徴を明らかにし、これらの改善の一 般的な方法について検討している。さらに、分岐、変形の分散と局所化、スナップ バックの各現象とその理由を示し、加えて、強度の寸法効果の原因として、弱い層

が形成されることによる強度低下、ならびに層内のひずみが不均一となることによ

る強度低下の2つの可能性を解析結果をもとに示している。 第3章では、RCはり断面の曲げ破壊過程を特徴づける点としての引張鉄筋の降 伏終了点の概念を定義し、この降伏終了点までにRCはり断面で消散するエネルギ ーの算定式を導くとともに、断面の消散エネルギーに及ぼすコンクリートならびに 鉄筋の材料特性および断面特性の影響について解析的に検討している。その結果と して、断面の消散エネルギーにはコンクリートの強度は直接は影響せず、コンクリ ートの靭性が影響することを明らかにしている。また、面の消散エネルギーに対す る圧縮鉄筋の寄与としては、圧縮鉄筋自体が降伏変形するよりも引張鉄筋の降伏変 形を増大させる効果が大きいことを明かにしている。また、引張鉄筋の降伏が生じ る限界である降伏限界鉄筋比、ならびに破断が生じる限界の破断限界鉄筋比を算定 する式を、コンクリートの靭性を用いた形式で提案している。また、RCはり断面

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-1-の靭性を評価するためのパラメーターとして、引張鉄筋の降伏開始点から降伏終了 点あるいは破断点にいたる間の消散エネルギーをもとに箕定される塑性回転能を定 義し提案している。 第4章では、第3章で提案したRCはり断面の靭性を評価する手法の応用として、 RCはり断面の設計条件として曲げ靭性と曲げ耐力の億が与えられた場合における 断面の計算方法を示している。RCはりの曲げ靭性パラメーターとして、引張鉄筋 の降伏開始点から降伏終了点までの間の引張鉄筋の降伏変形によるエネルギー吸収 能、あるいはその間の塑性変形能を採用したことにより、RCはりの曲げ靭性を曲 げ耐力と同程度の取り扱い易さでRCはり断面の設計計算に取り入れることが可能 となることを示している。 第5章では、RCはりの靭性評価手法を補強材特性の異なるプレストレストコン クリート(以下PCと略)はりに適用するとともに、ひびわれ抵抗性.耐力.靭性の 点で総合的に優れた高性能なPCはりの作成を行った結果を示している。また、P Cはりの靭性情が断面定数および材料特性から定まるタフネス指数によって概略の 推定が可能であることを示している。さらに、圧縮鉄筋の配置や鋼繊維補強コンク リートの使用等によって圧縮側コンクリートの靭性を増すことによってタフネス指 数が大となり部材の靭性値が大となるが、タフネス指数が過大になるとPC鋼材の 破断が生ずるため、鋼材破断を生ずることなく高靭性を確保する上でのタフネス指 数には上限が存在することを示している。 第6葦では、コンクリートはり中の鉄筋の降伏後の引張挙動を明らかにするため に、コンクリート中に埋め込まれた鉄筋の両引き試験を行った結果を示している。 これにより、鋼材に異形鉄筋を用いた場合には、鉄筋とコンクリートとの付着によ り降伏域の進展が拘束され、降伏踊り場がなくなり降伏後直ちに硬化域に入ること を明らかにしている。さらに、曲げを受けるRCはりの荷重変位関係の箕定にあた って、通常用いられている鉄筋のみの応力ひずみ関係のかわりに、両引き試験より 得られたコンクリートに埋め込まれた鉄筋の応力ひずみ関係を用いることによって、 荷重変位関係が実験値によく一致することを示している。 第7章では、RCはりの降伏後の変形性状に及ばす供試体寸法,圧縮鉄筋量t モ ーメントスパン内のスターラップの存在等の影響について実験的に検討した結果を 示している。その結果、部材変形能は、圧縮鉄筋比の引張鉄筋比に対する比が0.5 以上の複鉄筋はりではほぼ一定であるが、単鉄筋はりおよび上記の比が小さいはり では、はり高さが大きくなるほど変形能が小さくなり、部材変形能にも寸法効果が あることを確認している。また、モーメントスパンにスターラップを配置した場合 にはその拘束効果により、複鉄筋はりだけではなく単鉄筋はりの場合でも、最大変 位量が増加することを確認している。また、変形の局所化は最大荷重点以降に顕著 になることを示している。 第8章は、2葺から7章までの結論を総括して要約したものである。

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-2-論文審査の結果の要旨 本論文は、曲げを受ける鉄筋コンクリート(以下RCと略)はりを対象として、荷 重変位曲線で表される破壊性状をもとにとくに鉄筋降伏以後のRCはり断面の特性 について検討するとともに、その成果をもとにRCはり断面の靭性設計を確立する ことを目的としており、得られた成果は次のとおりである。 ① 硬化・軟化を含む要素の挙動をもとに、要素の集合体である系の破壊挙動を 解析し、系の耐力とエネルギー吸収量の特徴を明らかにするとともに、これらの改 善の一般的な方法について明らかにしている。また、強度の寸法効果の原因につい ての2つの可能性を明らかにしている。 ② RCはり断面の曲げ破壊過程を特徴づける点として引張鉄筋の降伏終了点に 着目し、降伏終了点までにRCはり断面で消散するエネルギーの算定式を導くとと もに、この断面の消散エネルギーに及ぼす使用材料の特性および断面特性の影響に っいて解析的ならびに実験的に明らかにしている。また、引張鉄筋の降伏が生じる 限界である降伏限界鉄筋比.ならびに破断が生じる限界の破断限界鉄筋比の算定方 法を、コンクリートの靭性を用いて明らかにしている0 ③ RCはり断面の靭性を評価するためのパラメーターを消散エネルギーにもと づいて提案し、設計条件として曲げ靭性と曲げ耐力の値が与えられた場合の断面の 設計計算方法を明らかにしている。 ④ RCはりの靭性評価手法を補強材特性の異なるプレストレストコンクリート (以下PCと略)はりに適用するとともに、ひびわれ抵抗性・耐九靭性の点で総合 的に優れた高性能なPCはりの作成方法を明らかにし、またこの方法で作成された PCはりの靭性値が断面定数および材料特性から定まるタフネス指数によって概略 の推定が可能であることを明らかにしている。 ⑤ コンクリート中に埋め込まれた鉄筋の両引き試験の結果より、コンクリート 中にある鉄筋の降伏後の引張挙動を明らかにし、異形鉄筋を用いた場合には付着に ょり降伏域の進展が拘束され、降伏踊り場がなくなり降伏後直ちに加工硬化域に入 ることを明らかにしている。さらに、曲げを受けるRCはりの荷重変位関係の算定 にあたっては、この両引き試験より得られた鉄筋の応力ひずみ関係を用いることに ょって、荷重変位関係が実測値に一致することを明らかにしている0 ⑥ RCはりの降伏後の変形性状に及ぼす供試体寸法t圧縮鉄筋鼠 モーメント スパン内のスターラップの存在等の影響について検討し、単鉄筋はりでは部材変形 能に寸法効果が認められること、単鉄筋はりの場合でもスターラップの効果により 最大変位量が増加すること、また、変形の局所化は最大荷重点以降に顕著になるこ とを明らかにしている。 以上要するに、本論文は鉄筋コンクリートはり断面の力学特性ならびに破壊性状 および靭性におよばす各種の要因について多くの知見を得たものであり、学術上 実際上寄与することが少なくない0よって、本論文は博士(工学)の学術論文とし て価値あるものと認める。

参照

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