学 位 論 文 審 査 要 旨 公開審査日 2014 年 4 月 23 日(水)
報告番号: 甲 第 1638 号 氏名:青木 真哉
論 文 審 査 担当者
主査 教授 土田 明彦 印
副査 教授 井坂 惠一 印
副査 教授 行岡 哲男 印 審査論文の題目:
Functional evaluation in cruciate-retaining-type TKA: Anatomical relationship between tibial osteotomy level and PCL attachment
(CR型TKAにおける脛骨骨切り高位とPCL付 着部の解剖学的関係及び機能評価)著 者:
Masaya Aoki, Takaaki Shishido, Yasuhito Takahashi, Yoichi Katori, Kosuke Kubo, Taichiro Takamatsu, Kengo Yamamoto
掲載誌:European Journal of Orthopaedic Surgery & Traumatology (in press, 2014) 論文要旨:
後十字靭帯温存(CR)型人工膝関節全置換術(TKA)では、後十字靭帯(PCL)付着部の付着高 位や形態は個人差が大きく、TKA手術における脛骨骨切り後のPCL機能は不明な点が多い。そこで CR型TKAにおけるPCL付着部への切り込み量及び残存PCLの機能について評価した。対象は2009 年1月から2010年6月までにCR型TKAを行った変形性膝関節症 76例76関節。術前にPCL脛 骨付着部の高位を測定し、術後に骨切り高位より PCL 脛骨付着部に対する切り込み量及び残存した PCL の縦径、屈曲位バランサートルク値、脛骨後方移動量の関係を検討した。PCL 付着部の縦径お よび付着高位はばらつきが大きかった。脛骨骨切り高位がPCL付着部より尾側にあるのは39例であ った。脛骨骨切り高位が PCL 付着部最下点より頭側となる PCL 残存例と非残存例の屈曲トルクは PCL 残存例において屈曲位でのテンションが軽度高値を示した。PCL残存量と屈曲位でのテンショ ンは相関関係を示さず、PCL 非残存例でも切り込み量と屈曲トルク値間には相関関係は認めなかっ た。PCL残存例と非残存例の術後の後方移動量の比較では明らかな有意差は認めなかった。
審査過程:
1.手術時の後十字靭帯(PCL)切除有無の確認方法について適切な説明がなされた。
2.PCL切除群と非切除群の後方移動量について適切な説明がなされた。
3.PCL切除例に対する人工膝関節の選択について適切な説明がなされた。
4.PCL残存量の評価方法について適切な説明がなされた。
5.PCL残存量と屈曲位テンションについて適切な説明がなされた。
価値判定:
今までに、人工膝関節全置換術における脛骨骨切り後の後十字靭帯(PCL)機能に関する検討はほ とんどなされていない。本研究の結果、PCL残存の有無および残存PCL機能と屈曲位バランサート ルク値、脛骨後方移動量との関係が明らかとなり、学位論文としての価値を認めた。