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雑誌名 共立女子大学家政学部紀要

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(1)

女子学生のキャンパス・ライフにおける交感神経系 および副交感神経系作動の出現頻度分布

著者名(日) 坂野 世里奈, 芳住 邦雄

雑誌名 共立女子大学家政学部紀要

巻 58

ページ 1‑5

発行年 2012‑01

URL http://id.nii.ac.jp/1087/00002154/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

共立 lJ:.子大学家政学部紀要 第 58~J (2012) 

女子学生のキャンパス・ライフにおける

交感神経系および副交感神経系作動の出現頻度分布

坂野世里奈*・芳住邦雄市

Frequency distribution of sympathetic and parasympathetic nervous systems of female  college students on campus life 

Serina BANNO and Kunio YOSHIZUMI 

Sympathetic and parasympathetic nervous systems of female college students were  examined.  Their feelings of being stressed or relaxing on the campus life  were evaluat ed through the heart rhythm variations by using a Biocom heart rhythm scanner.  The  measurement was done in a laboratory in  a daytime to obtain the characteristics of the  48 female students on campus.  Total of 279 cases were computed to the levels of activi ties with respect to sympathetic nervous and parasympathetic nervous systems.  As a  result, the frequency distribution of sympathetic nervous system seems to be more supe rior than the one of parasympathetic nervous system.  Both of frequencies were  observed to  be distributed in  a logarithmic normal form.  In conclusion, in  general, the  female students were suffered from some stresses in a daily life. 

1.緒言

社会の複雑化の影響は、女子学生においても 避けることは出来ない。さまざまな生活環境ス トレスが原因で心身に悪影響をもたらすことが 知られている。女子学生が

L I

常的にどのような ストレスを感じ、どのような影響が及ぼされて いるのかを明らかにすることが、本研究の目的 である。ストレスを拍動に基づく生理学的指標 で評価することが本研究の特質である。

心虻l の変動に着 I~I してそのゆらぎより自律神 経系の作動状況を把握することが可能とされて

健常状態での

i

JliJ定結果の公表値は必ずしも充分 ではない。本研究では、女子学生を対象として 日常のキャンパス・ライフにおける特性を明ら かにすることを主眼としている。

すなわち、現代社会における若年女子の代表 的社会階層のーっと言える女子学生たちが、日 常生活において受けているストレス!惑に、本研 究は着目している。会全I:~ の勤務者・と見なり、

比較的自由度の高い日常を過ごしているはずの 女子学生において生じているストレス状況を検 討すると共に、それらにより表出するとみられ る現状を解明することに本研究の力点をおいて いる1‑1:1)。従来の研究の多くは、健常でない いる。

人々に着目してその疾病状態を改善ないしは緩

和することに力点がおかれている。換言すれば、 2.実験方法

拍動変動のパワースベクトル解析から被験者

‑家政学部被服学科・

(3)

(2012) 

3.実験結果および考察

3 .  

l.心拍の変動特性

心拍動は等時的ではないとされている。脈拍 R‑RI間隔を計測すると、一見不規則ともいえ る変動が示された。若年者ではその変動はかな り大きく、老年者では相当小さいことが確認さ れた(図2)。人体のエイジング過程において 血管の硬直化および心臓機能の低下により心拍 の変動l隔は狭小化することが認められたと言え る。

58

j~立女子大学家政学部紀要

璽 聖 日

0.2  0.3  周護教,Hz 

111))のパワースペクトル

日 一 割

I l

3.2.心拍の変動解析

心拍の変動の周波数特性を解析した。 0.04‑

0.lHz (低周波)の胤波怖のパワースペクト ルLF0

. 1

5‑0

. 4Hz 

(高周波)の周波帯のパワ ースベクトルHFとを高速フーリエ変換により 求めた。前者を、交換やjJ経系活動の指標、後者 を、副交感神経の指標と捉えた。拍動解析から 得られた交感神経系の作動の被験者全体におけ る頻度分布(図3)は、多くの自然現象に見ら れるとされる正規分布ではなかった。比較的低 レベルにおいてピークが存在し、高レベルへ向 けて緩やかに出現頻度が低減する特徴が認めら れた。対数正規分布と言いうる分布であった。

自律神経系の評価という言わば複合した現象 を研究対象として取り扱うことが本研究の学術 的特色と言える。

ストレスに対する生体応答の概念は, 1938年 に生理学者のHansSelye"'lにより「外界からの あらゆる刺激に対する生体の非特異的な応答J

と定義されている。ストレス生体反応は非常に 複雑なメカニズムに起因して現れるものである ため、ヒトによって刺激に対する感じ方が異な るだけではなく、同じヒトでも快適/不快なス トレス生体反応や、精神的/肉体的ストレス生 体反応など多様な反応がありうる。

生理学的な精神的ストレス刺激に対するスト レス生体応答には,①自律神経系と②内分泌系 がある。自律神経系のストレス生体応答では,

11

匂)

悶~.-

a

相 「

信却←一一一一一一一一

却 一 一

60  (b)  回 │

10 一一ー 一一一一一

Oct 

ひとつの駆と漢の援の慣の間関秒

人体の拍動におけるゆらぎの特性 l時HH: 511日測定 (a) 抗年女子,

(b) 老年リj

10  C!S 

l12

の交感神経系および副交感神経系の作動状態を 評価し、ストレス状態を定量化した。本研究で は、 Biocom社製 HeartRhythm Scannerを用 いて「心拍変動のスベクトル解析」ソフトによ り実施した。図1にその解析例を示した。本研 究の被験者は20‑23歳の女子学生48名である。

測定期間は20091‑200912月であり、大 学の研究室において延279回の測定を行った。

‑ 2 ‑

(4)

女子学生のキャンパス・ライフにおける交感神経系および高JI交感神経系作動の出現頻度分布

交感神経の活動が優位となる非常に速い生体応 答が生じ、ストレス刺激に対抗する生体防衛l機 構が働く。内分泌系のストレス生体応答は、副

l

i¥皮質ホルモンなどの分泌により, 生体内部環 境を変化させ適応状態の維持を行う生体応答が 生じる。

本研究では、前者の評価に力点を置いた。自 律神経系は、交感神経系と副交感神経系の2つ の桔抗する部門から成り立っている。体の器官 は前者によって活性され、後者によって抑制さ れる。一般的に睡眠中やリラックスし落ち着い た状態の時、生体の心臓やJli

i l

J(11管などは高JI交 感神経系のコントロール下にある。また、運動 中や精神的 ‑感情的に高ぶり、ストレスのある 場合は交感神経系によってコントロールされて いる。本来、健康な生体は、外部からの影響に 対し交感神経の迅速かつ十分な反応によって調 整されるように制御されている。また同時に、

その目的が達成されると、副交感神経活動が増 加して全体の自律神経活動はバランスの取れた 状態に戻る。しかしながら、交感神経緊張の連 続や自律神経の種々の病的状態が原因で、交感 神経もしくは副交感神経活動が著しく場加する あるいは減少すると、自律相'l経の全体のバラン スが崩れることになる。これが、ストレスの状 態であり、リラックスさが失われている状態で ある。

図4には副交感神経系の作動の頻度分布を示 した。全体として交感神経系に比較して低いレ ベルにある。また、対数正規に近い分布と言え る。さらに、副交感神経系に対する交感神経系 の比率も同様に対数正規分布とみなせるもので あった。その比率がl以下は、 26.2%~ 44.8%2以上は28.0%(図 5)であった。 つまり、副交感神経系が優越している状態の被 験者は全体の1/4強しか存在しなかった。女子 学生全体ではいわゆる緊張度が高い状態にある

ことがうかがわれた。

40 

30 

20 

10 

5 1αlO パワースペクトルE

n=279 

1~13 交換神経系 [LF(低周波領域)J

の久子学生におけるIl¥}Jl頻度

40 

20

.0 

n=279  15∞ 

10 15 パワースベクトル麿度

1~14 交換事11経系 [HF(高周波領域)J

の女子学生における出現頻度

30 

20

10 

η279

lF川F

1~1 5 交換神経系LFの別交感神経系活動HFに 対する比率の女子学生における/:11現頻度

4.総括

人間の日常生活は、 ljiに疾病状態にはないと

(5)

;J~立女子大学家政学部紀吹: 58 (2012)  いうだけではなく、ストレスを

M

避しながら、

快適なものでなくてはならない。精神的にも肉 体的にも、豊かでなければならない。こうした 概念のもとに日常の快適性を確保するための方 策に資する基礎情報取り纏めることが本研究の 主眼である。すなわち、日常におけるストレス を回避し、リラックスできることを目指したい。

本研究の結果では、女子学生の少なからぬ比率 でストレスが高いことが認められた。勉学の場 であっても、リラックスしては過ごし難い実態 にあることが、明らかになったわけであり、副 交感神経系の活性化への方策が求められている

と言える。

引用文献

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3)  T.  Kageyama, Noriko Nislukido, Yasushi  Honda: Effects  of obesity, current  smoking status, and alcohol consump‑

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‑ 4

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5) Takada Haruko, Okino Kazuo, Niwa  Yumiko: An Evaluation Method for  Heart  Rate  Variability, by Using  Acceleration Plethysmography, Health  evaluation and promotion, 31 (4)547551 

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(6)

1;:子学生のキャンパス ライフにおける交感神経系および副交感神経系作動のIIIJJl.頻度分布

(6)504512(2005) 

12)早野

l l l t i ‑

郎,岡田 i焼宣,安

1 1

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‑ 5  

参照

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