埼玉大学紀要 教育学部 (教育科学)
,5 5( 2 ):67 ‑ 91( 2 0 0 6)
母親 ・父親 の視 点か ら見 た現代家庭 の実相
‑ 子 ども ・母親 ・父親の関わ りと非行問題 ‑
馬場 久志*・原田 裕子**・坂西 友秀*
キー ワー ド:子育 て、家庭 、母 親 、父親 、相 談
問題 と目的
子育て と家庭 をめ ぐる問題状況
現在社会 は、子 どもの育 ちに くい社会である といわれ る。効率 と利潤 の追求が生活の隅々 ま で支配 し、絶 えざる競争の中で子 どもも大人 も 生活 している。大人社会の優勝劣敗的な価値観 にさらされた結果 として子 どもたちの間に生 じ ている他者へ の防衛 的同調 と競争 の強 い思 い は、 もって行 き場 のないほ どのス トレスをもた らしている。だがそんな子 どもたちに心か らの 安心 と憩いを与 えるほ どに大人たちの余裕 はな く、子 どもは、 自分たちの生活 を非現実的世界 に重ねてい くことで気持 ちを支 えている。現代 社会 においては、 さまざまの電子情報媒体が開 発 されて非現実世界である疑似空間 との親和性 を高 めて きた し、金銭 を媒 介 として子 どもに とっての非現実世界である大人世界 に出入 りす ることも可能 となっている。だが、そうした非 現実世界 に も生 きようとす る子 どもたちの行動 は、従来の一般的な家庭規範 には収 まらない。親 たちはこれ を自分たちの しつけの失敗であると 考 えるのだが、そう考 えた ところで親 の力で統 制で きるという性質の ものではない。そのため 親が子育ての上で抱 える問題 は、 さまざまに厳
*埼玉大学教育学部教育心理カウンセ リング講座
**子 どもと家庭研究会
しい。
こうした子育 ての問題 は、多 くの場合親が、し か も特 に母親が抱 え込 んで しまいが ちで ある。
そのため、周囲の知 るところ となった ときには 深刻 で修復 困難 な事 態 に陥 ってい る こともあ る
。2 0 0 4
年夏 に、埼玉県熊谷市で県内の中学生 が金属バ ッ トで男性 を襲 うとい う夜間路上強盗 事件が発生 した。 そのほかに も、中学生や高校 生が人 を殺傷す るとい う事件が 日本 の各地で起 きていも。 この ような事件の起 きるたびに、な ぜ もっ と早 くその子 どもに適切 な働 きか けが出 来 なかったのか、親 はなぜ もっ と早 く誰かに相 談で きなかったのか とい うことが言われ る。 し か しそれが難 しい というのが現状である。子 ど もの気がか りな行動があって も、それを家庭 内 で解消 しなければ とい う思いか ら逃れ られない のが、多 くの親 の実情 なのではないだろうか。家庭 の責任 を強調する考 え方 も強 く残 る一方 で、少子化問題 を背景 にして、社会が子育 てを 支 える とい う考 え方 もあ らためて広が りつつあ るが、子育ての上での困難 を家庭がすべて負 っ て しまう構図が変わ らなければ、社会の子育て 支援 は実現 しない。親たちが打 ち明 けて相談で きない人間関係や、家庭任せ になってい る地域 の暗黙の関係があるのだ ろうか。 この ことの解 明が必要である。
さらに、子 も親 も周囲の支 えや相互 の支 えが
得 られ るような環境づ くり ・居場所づ くりの条 件 は何かを探 ることが、求め られ る。
そこで本研究の第
1
の 目的 は、子 どもの生活 の問題や子育 ての困難 に対す る親の認識 をとら えることである。特 に思春期前後の子 どもをも つ父親 と母親が、家庭 の実態 をどうとらえ、子どもの どのような行動 を重大視 しているかを探 る。 また第
2
の 目的 は、親が他者 に相談するこ とや夫婦で問題 を共有す ることの難 しさを分析 す ることである。 さらに第3
の目的 は、相談 に までは亘 らない潜在的な相談動機 ・相談内容 を 掘 り起 こす ことである。方 法
研究
1
・研究2
質問紙調査上記の第
1
お よび第2
の目的のために、本研 究では思春期前後の子 どもをもつ親 を対象 とし た質問紙調査 を実施 した。調査内容
調査項 目には、次の観点 についてそれぞれ複 数の質問 を設定 した。
(∋ 家庭での親子の関わ り
‑食事 と会話 を手がか りとした。
② 子 どもと親 の葛藤
‑子 どもの行動や持ち物 な どについて、子 ど もの噂好 と親 の規制が葛藤状況 を引 き起 こし そうな場面 を設 けた。
③ 子 どもの状態や行動への不安
‑報道 され る少年事件 をわが子 に置 き換 えて みるとい う漠然 とした不安や、不安 をいだ き そうな子 どもの具体的行動場面 を設定 した。
④ 子育 ての自信 あるいは不安
‑根本 的 な信頼 の有無 や手応 えを問題 とし た。
(参 子育てについての相談関係
‑相談 の相手、相談手段 な どの リス トを設 け た。
⑥ 子育 てをめ ぐる夫婦の関係
‑夫婦での相談状況 を項 目として設 けた。
具体的な質問項 目は、結果の因子分析表の と ころに一覧が記載 されている。
また本研究 の契機の一つである埼玉県内外の 少年事件 を取 り上 げ、 その認知度 と自由記述 に よる所感 を求 めた。
調査対象 と調査手続 き
調査対象 は、埼玉県内の小学校
1
校 の5
年生 と中学校1
校 の2
年生 に在籍する児童 ・生徒の 保護者 とし、学級担任 に依頼 して質 問紙 を児 童 ・生徒 を通 じて配付 した。父母が回答者 とな ることを想定 して、質問紙 は2
人分ずつを配付 した。回答 は無記名 とし、家庭で記入 し、封入 して学校 を経ず直接著者 らの研究室 に郵送 して もらって回収 した。小中学校合わせて21 6
名分 を配付 したが、回収数 は1 07
名分であった。回 答者 の内訳 は、母親66
名、父親35
名、その他 及び不明が6
名であった。両親か らの回答 は35
組 あった。父母 回答者の年齢 は32
歳か ら59歳 の範囲であ り、中央値 はお よそ4 3
歳であった。(表 1)
表
1
回答者の年齢分布 年齢(歳) 人数(人)3 0‑34 3 35‑39 1 7 40‑44 40 45‑49 23 50‑5 4 9 55‑5 9 6 60‑6 4 1
無回答等8
合計1 07
研究
3
集団および個別面接 による聞 き取 り 上記の第1
お よび第2
の 目的 に も関わ るが、特 に第
3
の目的のために、本研究では小集団お よび個別 の面接 による聞 き取 り調査 を行 った。第
1
回聞 き取 り調査埼玉県内の小学校
1
校 に子 どもが在籍す る母親
9
名 に参加 して もらい、2時間 に及ぶ集団内 での調査者の とのや り取 りで話 された ことを聞 き取 った。発言 は録音 によ り記録 された。主 に 母親の視点か ら見た子 どもの様子や子育 てで rh' んだ り苦労 をした経験 を語 って もらった。第
2
回聞 き取 り調査埼玉県内の中学校
1
校 に子 どもが在籍す る母 親1
1名の協力 を得て、調査者1
名 との個別面接 形式での聞 き取 りを行 った。発言 は録音 によ り 記録 された。第1
回 と同様 に、母親の視点か ら 子 どもの様子や子育ての悩 みを自由に語 って もらった。 (馬場久志)
研究
1
「親子の人間関係」に関する母親 と父親の回答の 全体的傾向
目 的
研究
1
で は、母親 と父親の回答の全体的な傾 向を、次の4
点 に焦点 をあてて分析 し、検討す る。まず、母親 と父親 は、(∋ 家庭 内の親 と子の 人間関係や近隣の友人 との人間関係 をどのよう な視点か らとらえているのか、認知 された人間 関係 は どの ようなカテゴ リーに分類 で きるの か、 これ らの点 を探索的 に明 らかにす る (親子 の人間関係項 目の分析)。家庭 の内外 における人 間関係 には、質的に異 なるいろいろな面がある。家庭 内の人間関係 を見てみよう。夫婦関係 に関 わ るもの もあれば、親 と子 どもの関係 に関する もの もある。 さらに、夫婦 の関係 にも、二人の 間の 日常会話 の満足度 に関す る もの もあれ ば、
子 どもの養育上の悩 みに関するもの もあるか も しれない。子 どもとの関係 において、母親 と父 親が もっ とも重視す るのは、子 どもの勉学上の 問題、交友関係上 の問題であるか もしれない し、
インターネ ッ トやメール利用上の問題であるか もしれない。次 に、(丑 の視点 に関わ る要因 ・カ テゴ 1)‑を明 らか に した後 で、(診 各要因の認 知 には、母親 と父親の間で違いがあるか否か を 検討す る (親子の人間関係)。仮 に (丑で夫婦間 の コミュニケーションの とらえ方や親子間の葛
藤 に関連す る要因が抽出された としよう。 これ らの要因の評 定値 を母親 と父親 で比較 した場 合、両者の間 に差異が生 じるか もしれない。 な ぜな ら、一般 に家庭生活への関与が弱 く、家事 への参加率が低 い父親 は(雇用職業総合研究所、
1 9 8 7 )
、母親 より夫婦間のコ ミュニケーションや 親子間の葛藤 に関心が薄 く、母親 よ りも家族及 び親子の関係の現状 を楽観的に とらえている可 能性があるか らだ。さらに、③ 子 どもに関 して 困 りご とや悩 みが生 じた とき、 どの ような方 法 ・媒体 (電話 ・メール ・直接面会) を通 じて 人 に相談す るのか、夫婦間に利用する方法 ・媒 体 に違 いがあるか否かを吟味す る (交信手段 の 利用)。 また、利用す る媒体 は、親子関係 ・子育 て仲間の人間関係 の善 し悪 し、親子間の葛藤等 の要因によって どの程度強 く影響 され るのであ ろうか。手軽 さが重宝 され る 「電子 メール」は、「電話」や 「直接的対面」よ りも、 どの ような事 態 において も困 りごとや悩 みを相談する媒体 と
して利用 されやすいのであろうか。 こうした点 を考慮 しなが ら、④(彰で抽 出 した因子 と各 交 信手段 (メール ・電話 ・直接面会)の利用 との 関わ りゐ強 さを明 らかにする (交信手段 の利用 と 「人間関係」因子の係わ り)。最後 に、⑤ 「熊 谷事件」が母親 と父親 にどの程度知 られている のか を明 らか にす る (熊谷事件 の認知 につ い て)0
方 法
論文全体 の調査方法で記述 した ように、埼玉 県内の公立小学校 1校及び中学校
1
校の父母 を 対象 に調査 を実施 した。質問紙 は、各学校で開 催 された父母会 の際 に封筒 に入れて依頼 ・配布 し、家 に持 ち帰 って記入 していただ くよう要請 した。記入 した質問紙 は、同封の返信用の封筒 に入れて返信 していただ くこととした。質問紙、返信用封筒共 に無記名で、調査者が記入者 を特 定す ることはで きないように配慮 した。
結 果
分析 にあたっては、母親 と父親 を夫婦単位で 対応 させて比較 しているわ けではない。母親 と
た項 目を合計 し、その合計値 を項 目数で除 した 値 (平均値) を回答者個人の各因子 に対す る評 定値 とした。
主 な結果 親子関係 の現状認識 に、母親 と父 親 の間 に違 いが あるか否 か を吟味 す るために、
抽出 した
4
因子 それぞれ を従属変数 に、母親 と 父親 を独立変数 にした分散分析 を行 った。なお、子 どもの数や子 どもの性構成 (女子だけの姉妹 構成か、男子だけの兄弟構成か、男女の兄弟姉 妹構成か) によって親の子 ども理解 と子育て仲 間のコ ミュニケー ション、親子間の葛藤、子 ど
もの私生活 に対す る親の不安 ・心配、子育て方 針の夫婦間の一致 に差異が生 じる可能性がある ことを考慮 して、両親 (母 ・父)の他 に兄弟数/
兄弟姉妹 の性構成 も独立変数 にした。いずれ も 被験者間要因である。以下で は、既述 の
4
因子 を従属変数 にして、母窺 ・父親 (2)×兄弟数 (2 人か3
人以上か)の分散分析 および母親 ・父親( 2 )
×子 どもの性構成( 3 )
の分散分析 を行 った。なお、前者 の分析では有意 な効果 はまった く認 め られなかったので以下で は言及 しない。
4因子 に関す る各条件 (母親 ・父親 ×子 どもの 性構成)の平均 と標準偏差 をまとめた ものが表 2であ り、悩 みごとや困 りごとが あるときに母 親 と父親が、 どのような交信手段 を用いて人 に 相談するのかについて、各条件 の平均 と標準偏
5 4 . 5 4
評
3 . 5
走 3
; 2.5
倍
2 1 . 5 1
0.5 0
差 をまとめた ものが表
3
である。1
親子の人間関係「子 ど も理 解 と子 育 て仲 間 の コ ミュニ ケー ション」 についての母親 と父親の全体的な評定 傾向をまず見てみ よう (図 1)。全体的 には母親 の評定値が、父親の評定値 を上 回っている。「子 ども理解 と子育 て仲間の コ ミュニケーシ ョン」
は、父親 よ り母親 の方が良好であると認知 して いるが、両者の評定 は
5
段階評定の4 . 3 7
と3. 5 8
であることか ら、夫婦共 に概ね子 どもを良 く理 解 し、家族 のコミュニケーションもあると受 け とめていると考 えられ る。「親子間の葛藤」、「子 どもの私生活 に関す る不安」の両因子で も母親 の評定値 は父親 の評定値 よ り大 きい (前者 母2 . 8 5
、父2 . 1 4
;後者 母2 . 0 5
、父1 . 7 3 )
。いずれの 因子で も父母 の評定値 は3. 0 0
以下で小 さ く、子 どもとの葛藤や子 どもに対す る不安 は両親共 に それほ ど大 き くはない と認知 している。 とりわ け、子 どもの私生活 に対す る父親の不安 は1 . 7 3
と小 さい。「夫婦 の子育 て方針一致」の因子では、結果 は 逆転 し、父親 の評定値
( 4 . 1 4 )
は母親 の評定値( 3 . 8 3 )
より大 き く、父親 は、夫婦間で子育て方 針 は一致 していると認知す る傾 向が強い。各条 件 の母親 と父親の評定値 は4 . 0 0
前後 にあ り、全4 . 3 7
3.83....
a .P O
2.85
i.li
z . U D
1 7つ
≡ … 巨 ≡
家庭内・近隣人間関係 親子の葛藤 子どもの私生活心配 子育て方針の一致 親子関係
4
因子図 1
母親 ・父親の親子関係4
因子の評定平均表3 子どもの性 別 構成 と関 わ らせてみた母親 ・父親の家庭内 ・近隣の人間関 係の認 知
蛸 女'男詣 姉弟 n. m 432 3.21 23 12 a+
052 0.63
3.08 2.15 27 14
b**
0.79 075
227 1.69 27 13 b+,ab△
0.85 059
3.72 4.12 25 13 b*
061 0.60
畑一諾551・‑6
0・‑7 4・1
30
nl n2 16 8 15 10 15 11 16 8 女ホ
母親 父親 国子1 4.39 381
0.71 086 因子2 2.934 2.21 0.58 0.90 因子3 191 1.47
nl n2 母親 15 7 431
0.81 14 7 2.34 0.90 13 8
1. 77
074 0.20073
因子4 3.97 4.18 14 83 8 9
0.59 031
0
.47(注)**p
く0
1, *pく.05.+pく01を表す。Nlは母親の回答者
数、N2は父親の回答者数を表す。因子1,子ども理解と子育て仲間のコミュニケーシ ョン因子;
因子
2,親子間の葛藤因子因子3:子どもの私生活に
関
する不安の因子,因子4;夫婦の子
育て方針一致の因子 兄弟姉妹の性構成は要因a.母親・父親は要因bとする。表
4
子どもの性別構成と関わらせてみた母親 ・父親の子育てに関する交信手段/熊谷バット事件既 知度母親 父親
n
ln 2
母親≡三話で相談
260 138 1 5 8 220
083 0. 52 0. 68
メールで相談
1 . 73 125 1 5 8 1 . 60
0. 70 046 051
直接会って相談
2. 31 200 1 6 8 229
0. 70 107 0. 73
熊谷市内路上事
128 1 . 88 1 6 8 1 . 5 0
件を知っている
062 083 063
畑
一議 川 は M 3 ・ ‑3 ー ・ ‑5 0
母親 父親
n
ln 2
2. 29 127 28 11 b**
053 0. 65
1 . 74 1 . 00 27 11 b**
086 000
21 8 142 28 1 2 a **. a. b+
0. 61 051
1 . 58 185 26 1 3 064 080
n 】 ∩ 2
1 5 9 1 5 9 1 4 1 0 1 6 11
、N2
は父親の回等(注 )
** p
く01
,*pく
.05 . + p く
0. 1
を表す。Nl
は母親の回等 兄弟姉妹の性構成は要因a
,母親・父親は要因b
とする。体的に夫婦間の子育て方針 は一致す る傾 向にあ る、 と認知 していた。
以上の結果 をさらに詳細 に吟味す ることにし よう(表
3)
0「子 ども理解 と子育て仲間のコ ミュ ニケーション」の因子 について、既述 の子 ども の性構成( 2 )
×母親 ・父親( 2 )
の2
元配置の分 散分析 を行 った結果、子 どもの性構成 の主効果 に有意傾 向が認 め られた( F( 2 , 7 5 )‑2 . 8 9 ,♪<
. 1 0 )
。子 どもが女子 のみ、男子のみの場合 の方 が、女子 と男子両性がいる場合 よ り、親子の全 体的な関係 は良好 になる傾 向がある。 また、父 親 と母親 の主効果 が有意 で あった( F( 1 , 8 1 ) ‑
1 2 . 2 5 ,9<. 0 1 )
。父親 よ り母親 の方 が全般 的 な「子 ども理解 と子育 て仲間の コ ミュニ ケーシ ョ ン」 は良好だ と認知す る傾 向が強い。
「親子間の葛藤」因子の分散分析 の結果、母親 と父 親 の 主効 果 が 有 意 で あった (F
( 1 , 8 1 ) ‑
1 2. 2 5 , ♪く0
1)。父親 より母親の方が、子 どもと の葛藤 を強 く感 じてお り、子 どもともめた り、子 どもの扱 いに困 ることを多 く経験 している。「子 どもの私生活 に関す る不安」の因子の分散 分析の結果、母親 と父親 の主効果が有意傾向に あった
‑( F
(1
,8 1 )‑2 . 7 3 , ♪<. 1 0 )
。父親 よ り母親 の方が、「子 どもの私生活 に関す る不安」が強い 傾向が認 め られた。「夫婦 の子育 て方針一致」の因子の分散分析 の 結果、母 親 と父親 の主効 果 が有意 で あった
( F
( 1 , 7 8 )‑4 . 3 8 ,♪<. 0 5 )
。母親 よ りも父親 の方が、子 どもの しつ けや問題 について は夫婦 で相 談 し、二人の考 えは一致 していると認知す る傾 向 が有意 に強い。
2
交信手段の利用子 どもに関 して困 りご とや悩 みが あった と き、母親 と父親 は周囲にどのような手段 を通 じ て相談 した り話 した りしてい るので あろうか。
図
2
は、父親 と母親 の相談手段利用の現状 を、全 回答者 についてグラフ化 した ものである・。全体 的 に父親 よ り母親 の方が、友人 な どに相談す る 頻度が高 くなっている。 しか し、母親 も父親 も相談・既知の程度
0 0 5 0 2 2
Z . 3 4 2 . 2 4 2 . 1 0
1
.701 6 9 1 . 7 9
1 . 3 2
1.ll電話で相敢 メ‑ルで相放 直接会って相敬 熊谷事件既知 相談方法 ・手段/熊谷事件
図2 媒体別 にみた母親 ・父親 の困 りご と ・悩 みの相談/熊谷事件 の既知度
評定値 は、「電話」・「メール」・「直接的面会」の いずれ も
5
段 階評定 の2 . 5 0
以下 になって い る ことか ら、父母が第三 に対 して行 う相談 その も のが少ない ことがわかる。 とりわけ父親 は評定 平均値が1 . 0 0
台であ り、相談頻度 は極めて少 なくなっている。
子 どもの性構成 によって母親 と父親 の友人へ の相談頻度 に差異があるか否か を検討 した。各 条件 ごとに評定平均値 をまとめた ものが表
3
で ある。友人 との交信手段 ごとの評定値 を従属変 数、母親 ・父親 を独立変数 にして、既述の2
元 配置の分散分析 を行 った。電話で相談す る場合、父母 の主効果が有意であった (F(
1 , 8 0 )‑4 8 . 9 3
,♪<. 0
1)。母親 は父親 よ り、電話で子 どもの こと相談する程度
3. 50 3, 00 2. 50 2. 00 1 . 50 1. 00 0. 50 0. 00
について友人 と電話 で話 す ことが有意 に多い。
メールに関 して も同 じように父母 の主効果が有 意であった
( F
(1 , 7 9 )‑1 4 . 5 2 , ♪<. 0 1 )
。母親 は、父萩 より子 どもに関す る悩 みを第三者 と 「メー ル」でや りとりす ることが有意 に多い。
直接会 って相談す る場合 について同様 の
2
元 配置の分散分析 を行 った結果、子 どもの性構成 の主効果(F( 2 , 8 2 )‑3 . 1 2 , p<. 0 5 )
と父母 ×子 ど もの性構成の交互作用が、有意 または有意傾向 であった(F( 2 , 8 2 )‑2 . 4 1 , ♪<. 1 0 )
。母親では、子 どもの性構成の違 いによって、子 どもに関す る 困 りご とや悩 み を相談 す る頻 度 に違 いが ない が、父親で は大 きな差異が生 じている。父親 は、子 どもが男兄弟のみの場合 に、女子のみまたは
▲′ー′ヽ′ヽ
2. 31
ヽ′.ヽノヽ′2. 29 ‑ ∫ ‑; ; ; ; ; ≡ ; ; ≡ = ; 奄 ‑軸 物 牡 と ; ; ; ; 萱 ; ; ; ; ; ; 2, 18
母親 父親
評定値
図3 子 どもの性構成 と父母 の困 りご との相談
・ =
ここ二男兄弟 儲頑 桓診女・男兄妹姉弟女子 と男子混合の兄弟姉妹の性構成 の場合 よ り も、子 どもに関す る困 りごとや悩 みを人 に相談 す る傾向が有意 に強い (図3)0
3
交信手段の利用 と 「人間関係」因子の係わ り 親子間の人間関係4
因子の うち どの因子が ど の交信手段 の利用 と関連が強いのか を検討す る ために、4因子 を説明変数 (独立変数)にし、「電 話」、「メール」、「直接面会」それぞれ (困 りご とや悩 みの相談)の評定値 を従属変数 にして、重 回帰分析 を行 った。電話 の利用( R2 ‑. 2 9 )
につ いての標準偏 回帰係数 は、「子 ども理解 と子育て 仲間のコ ミュニケーシ ョン」でのみ有意であっ た( β‑0 . 5 2 ,♪く0 0 1 )
。困 りごとや悩 みの相談 は、全般的に「子 ども理解 と子育て仲間のコ ミュ ニケー ション」が良好であるほ ど電話 を利用 し て行われることが示 された。メールでの相談 に ついては( R2 ‑. 1 6 )
、「親子間の葛藤」( β‑0 . 3 7
,9<. 0 0 5 )
と 「子 ども理解 と子育 て仲間の コ ミュニケーシ ョン
」( β‑0 . 3 3 ,P<. 0 0 5 )
の2
因子が 有意 な関係 をもっていた。子 どもに関わ る困 り ごとや悩みの相談では、親子間の葛藤が強いほ どメールが利用 されやす く、 さらに 「子 ども理 解 と子育 て仲間のコ ミュニケーシ ョン」が良好 である場合 に用い られやすい ことがわか る。直 接会 って子 どもについての困 りごとや悩 みを相 談する場合 には( R2 ‑. 1 4 )
、「子 ども理解 と子育 て仲 間 の コ ミュニ ケーション」( β‑0 . 3 6 ,9<
. 0 0 1 )
の良好 さが強 く関係 している。4 熊谷事件の認知 について
熊谷事件の既知度 を従属変数 にして、子 ども の性構成
( 2 )
×母親 ・父親( 2 )
の2
元配置 の分 散分析 を行 った。その結果、有意 な効果 は認 め られなかったO各条件の評定値 の レンジは、1 . 2 8
か ら1 . 8 8
であ り、事件 について よ く知 っている ほ どではないが、少 しは知 っている状態 にあっ た.母親 ・父親( 2)
×既知度( 3
;よ く知 ってい る ・知 ってい る ・全 く知 らない)の x2検定 を 行 った。既知度別の人数分布 は、「よ く知 っている」(母親
2 7
人、父親1 4
人)、「知 っている」(母 親3 0
人、父親1 3
人)、「知 らない」 (母親7
人、父親
7
人)であった。母親 と父親 の間に事件 につ いて 「知 っている人」 と 「知 らない人」の割合 に有 意 な差 は な い。母 親 の8 9 . 0 6%
、父親 の7 9 . 4 1 %
の人 は事件 について知 っていた。考 察 親子関係
本研究で は、子 どもと親の人間関係 を中心 に 分析 を行 った。親子間の関係が、主 に 「子 ども 理解 と子育て仲間のコ ミュニケーシ ョン」、「親 子間の葛藤」、「子 どもの私生活 に関す る不安」、
「夫婦 の子育 て方針一致」の
4
つに大別で きた こ とは、私たちの 日常の経験か らして了解 しやす い ものである。中で も、子 どもと親 の係わ りに 関 しては、3
つの因子が抽 出され、質的に異なる 内容の難 しさが親子の関係 にあることが示唆 さ れている点 は興味深 い。思春期の子 どもを目の前 にして、子 どもの行 動が理解で きず、親が悩 む ことは少 な くない。
「子 どもが親 の言 うことをきかず、苦労す ること が多い」 と感 じることは、 どこの家庭 において も日常的な ことで はないだ ろうか。 また、困 り ごとを気軽 に話題 にで きる第三者が身近 にいる か否かは、子 どもの問題 を親が抱 え込 まないた めには とて も重要な ことである。「普段子 どもの 話 をす る相手 は子 どもを通 じてつき合 っている 友人 (親)だ」、「普段子 どもの話 しや世間話 を す る相手 は近所 の友達だ」、「子育ての ことで、知 人や友人か ら相談 され ることが よ くある」、子育 て仲間 との コミュニケーションに関す るこれ ら の項 目が、親子関係 を考 える上で大 きな役割 を 果たす ことが確認 された ことは重要である。
「子 どもと言 い争 い にな り、子 どもの扱 いに 困った ことがある」、「子 どもに言 うことをきか せ ようとつい手が出て しまうときがある」、「子 どもともめることが よ くある」、「学校 の先生か ら子 どもの問題 を指摘 され親 として 自信 をな く した ことがある」、「子 どもが親 の言 うことをき
かず、苦労す ることが多い」、「子 どもが ときど き『キレ』そうにな り、恐 い」。 これ らの内容 も、
子 どもが思春期 にさしかかる頃 には、多かれ少 なかれほ とん どの親が経験 しているものではな いだろうか。残念 なが ら、今回の調査では、 こ うした葛藤が親子間 に生 じた とき、母親 と父親 が どのようにして難局 を切 り抜 けたかについて まで明 らかにすることはで きなかった。親子間 の乳樺 をどのように解決 し、健全 な親子関係へ と修復 し発展 させてい くのか を明 らかにす るこ とは、青少年問題 を考 える上で とて も重要であ る。今後、 どこの家庭で も経験す ること柄 とし て、丁寧 な聞 き取 り調査 を行 うな ど、親子間の 葛藤の具体的な中身 とその解決法 を明 らかにす
ることが課題 である。
さらに、次の内容 も思春期 の子 どもを育 てる ほ とん どの家庭 で経験 す る もので あろ う。「髪 型、染髪で子 どもともめることがある」、「服装 の ことで子 どもともめることがある」、「携帯電 話 の利 用料金 で子 どもともめ る こ とが あ る」、
「子 どもがイ ンターネ ッ トで アダル トサイ トを 見 るので はないか と心配 だ」、「子 ど もが イ ン ターネ ッ トで トラブル に巻 き込 まれないか心配 だ」、「子 どもがゲームセ ンターに遊 びにい くこ とで もめることがある」、「子 どもが休 日に都内 に遊 びに行 くことで もめることがある」、「子 ど もが ときどき 『キレ』 そうにな り、恐 い」、「子 どもの帰宅が夜遅 くな り、子 どもともめること がある」。インターネ ッ トの利用 と犯罪 との関係 などについては、関連す る各種 の調査が行われ、
一 般 的 な傾 向 は把 握 で き る (社 団 法 人 日本
PTA
全国協議会,2 0 0 4
、警視庁,2 0 0 5 )
。 しか し、実際 に親が、子 どものインターネ ッ ト利用 や都内への外出、深夜帰宅 な どについて、家庭 内で どの ように対応 をしているのかは明 らかで はないo この点 も面接調査で明 らかにすべ き課 題である。母親 と父親の養育への係わ り
本調査では、父親 に比べ母親の子 どもの養育 への関わ りが強い ことを示唆す る結果が得 られ
たo これ は、他で行われている調査結果 と一致 す る傾向である (厚生労働省大臣官房統計情報 部
,2 0 0 4 )
o注意すべ き点 は、乳幼児の世話が母 親 に偏 る傾向があるだけでな く、 この調査で対 象 にした小学生や中学生 に対する親の関わ りに おいて も、父子関係が母子関係 に比 して弱いこ とが示 された ことである。 さらに、子 どもを育 てる上で夫婦が交わす コ ミュニケーシ ョンの密 度や、子 どもに対 する対処方針が夫婦間で一致 している程度 に関 しては、母親 よ り父親の方が 密度や程度が大 きい と認知す る傾 向が強い。 こ れ は、指摘 してお くべ き傾 向であろう。 日常の 子 どもとの関わ りや葛藤 を強 く感 じる母親 とは 対照的に、父親 は夫婦で協調 して子育てをして いると強 く認識 しているため、夫婦間にズ レ . 敵街が生 じる可能性が大 きいか らである。子 どもの問題の相談 と利用媒体の違 い
現在、家庭への携帯電話の普及率 は
9 0%
を越 えている(総務省情報通信政策局,2 0 0 5 )
。いっ で もどこで も利用で きる携帯電話の利便性 は高 い。携帯電話の こうした利用 しやすさは、親子 間 に困 りごとや悩 みが生 じた ときに、母親 また は父親が人 に相談す ることと結びついているの であろうか。本調査の結果 は、子 どもの問題 を 親が人 に相談す るためには、子 ども理解 と子育 て仲間のコ ミュニケーションが良好であること が重要な条件であることを示唆す る( 4
因子 を 独立変数 とし、各媒体 による相談 を従属変数 に した回帰分析で は、決定係数R2
が小 さ く重 回 帰モデルへの "あてはまり"はよ くなかったが、探索的 に手がか りを得 るために とり上 げた)0 子 ども理解 と子育て仲間のコ ミュニケーショ ン全体が良い ことは、「電話」、「メール」、「直接 的面会」 による相談のいずれに別 )て も必要条 件であった。 この結果 は、重要な意味 をもつよ うに思 える。つ まり、親子間で問題が生 じ、乱
擦がのっぴ きな らない状態 にまで達 している場 合、父母が周 りと結ぶ人間関係や コ ミュニケー ションが、全体 として良好 に維持 され ることは 稀 だ と考 えられ るか らである。親子間の葛藤や
困難 を抱 える家庭 ほ ど、問題 を表 に出す ことを はばか る。人 との接触や子 どもに関わ る会話の 回避 は、子育 て仲間を作 りに くくし、孤立す る 可能性 を高めるか もしれない。 とすれば、小 ・ 中学生 をもつ親の 「子育て支援」を考 える場合、
「子育 て仲間」に基盤 を求めるだけでは問題 は解 決 しない ことになる。親子関係 に悩 みを抱 え、か つ 「子育て仲間」 との関係が うま く作 り出せな い母親 ・父親が、相談 を受 けやす くす る他の手 だてを工夫 しなければな らない。この点で「メー ル」は、1つの有効 な媒体 になる可能性 を持つ も のか もしれない。 なぜな ら、子 どもに関わ る親 の悩みが大 き くなるほ ど、「電話」や 「直接的面 会」ではな く、「メール」の利用が多 くなる傾 向 があったか らだ。ただ し、前述 のように子育て 仲間 との良好 な人間関係が基本的な必要条件で あるとすれば、 この条件がな くて も、親が子 ど もに関する悩 みを 「メール」で相談で きるよう 入 り口の 「敷居」を低 くす ることが欠かせない。
そのためには、隣近所 の耳 目を気 にせ ざるを得 ない相談者 に、「匿名性」を保障す ることが重要 な条件 の一つになるのか もしれない。
(坂西友秀)
研究
2
親 の危機 感 と支援 の必要性 の所 在 目 的
子育 てをしている家庭 を見 るとき、一般 に考 えられがちな ことは、子 どもの問題行動な どが 明 らかなほど親 は支援 を求 めているし、親が未 熟 なほ ど支援 を求 めてい る とい う ことで あ ろ う。だがそのように客観的な状況が支援の必要 性 の認知 に対応 しているとは限 らない とい うこ とが、昨今の少年事件の例や著者 らの見聞する ところか ら伺われ る。 ここでの分析 は、子 ども の行動 と親 の危機感 との関係や、親 の人生経験
とかか える困難の関係、相談 と被相談 の関係な どを検討す ることによ り、周囲が考 える支援の 必要性 と親 自身のかか えている困難 との一種の
ずれ を検 出することを目的 とす る。
結 果
子 どもの行動 と親の危機感
子 どものさまざまの行動 は親 に とって許容限 度 を超 えるものであ り、そのためこれ を規制 し た り注意 を与 える親 とそれを干渉 と考 える子 ど もとの間に葛藤状態が生 じる。 この ことを本調 査では 「もめる
」
「苦労 をす る」
「心配だ」な ど の表現で尋ねた。 その結果、親 の危機感 には二 つのレベルがあることが示唆 された。一つは「子 どもが何 を考 えているかわか らない」
「事件 を聞 くと自分の子 どももと不安 になる」
「子 どもの扱 いに困った ことがある」
「子 どもともめる」
「親 のい うことを聞かない」
「子 どもが ときどきキレ そうに」
「親 に心 を開いていない と感 じる」の各 項 目に関す るものである。表5
のように、 これ らの質問への回答間 には相互 に強い相関関係が ある。他方、「髪型で子 どももともめる」
「服装 で子 どもともめる」「アダル トサイ トを見 るので はないか と心配」
「携帯電話 の料金で もめる」
「イ ンターネ ッ トで トラブルに巻 き込 まれないか心 配」
「ゲームセ ンターに遊 びに行 くことで もめ る」
「休 日に都内に遊 びに行 くことで もめる」の 各項 目に関す るもの もあ り、 これ らの項 目の回 答間 には相互 に強い相関がある。 (表5)だが前 者 の項 目群 と後者の項 目群 との間には、群 内で み られ るほ どには有意 な相関関係がない とい う 特徴がある。つ ま り、前者 の質問群 に肯定回答 す る親たち と後者 の質問群 に肯定回答す る親た ち とが別々に存在す るとい うことを意味 してい る。前者 は特定の行動や場面 に限定 された もの でないので、漠然的危機感 と呼び、後者 は具体 的材料 に関 しての ものなので、具体的危機感 と 呼ぶ ことにす る。では、漠然的危機感 をいだ く親 と具体的危機 感 をいだ く親 とでは、子育て態度や悩みの相談 傾 向について違 いがあるのだろうか。 この こと
を確かめるために、上記各項 目への回答 を肯定 の度合いに応 じて
6 ‑1
点で数値化 し、それぞれ表5 親の感 じる危機感項目間の相関係数
漠然的危機感 具体的危機感
4 5 6 8 21 22 32 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 20 一 笑 4
1. 39 ** . 36 ** . 2 4* . 44** . 35 ** . 47 ** . 06 . 09 . 20* . 20 * .06 .1 2 .05
的 6 . 36 ** .3 2* * 1 .7 0* * . 48 ** . 50 ** .31 ** ー1 2 .2 2* .1 5 .0 3 . 08 . 3 2** .1 8 危 8 . 24* . 28 ** .7 0 ** 1 . 43 ** .55 ** . 41 ** .25 * * .31 *串 .1 0 .1 2 . 05 . 2 8** .1 0 機21 . 44 ** .29
**. 48** . 43 ** 1 . 40* * . 38 ** .1 8 . 24 * . 22 * ,1 6 ̲1 6 . 2 4* .1 4 感22 . 35 ** .25 ** . 5 0** .55 * * . 40
**1 . 3 4** . 20 * . 23 * .1 5 .2 6** . 00 .3 5 ** . 24*
32 . 47 ** .37 * * . 31 ** . 41 ** . 38 ** . 3 4
**1 .0 8 .0 6 . 22* .1 2 .1 2 . 2 2* . 09 具1 4 . 06 . 05 .1 2 . 25 * .1 8 . 20* . 08
1.7 6 ** . 43 ** .3 7 ** . 28 ** ,35 * * .
42**体1 5 . 09 .23 * . 22* .31 ** , 24* . 23 * . 06 .7 6 ** 1 . 35 ** . 43 ** ,23 * .3 2 ** .31 * * 的1 6 . 2 0* . 29** .1 5 .1 0 . 22 * .1 5 . 22 * . 43 ** . 35 ** 1 .4 0** .5 9** . 43 ** .
40**危1 7 . 20* . 21 * . 03 .1 2 .1 6 . 26** .1 2 .37 ** . 43 ** . 40* * 1 . 42
** .2 8** .
29**機1 8 . 06 .1 9 . 0 8 . 05 ー1 6 . 00 .1 2 . 28* *..2 3* . 59* * . 42 ** 1 . 44 ** .2 4*
感 1 9 .1 2 .1 5 . 3 2** .2 8** . 24* . 35 ** . 22 * .3 5 ** .3 2 ** . 43 ** . 2 8** . 43 ** 1 .
47*** ) p<. 0
5*
*) p <.01
表
6
危機感の種別と身近な相談相手の有無の関係 子どものことで不安や心配なことがあっても身近に相談する相手がいない全くあて ほとんど あまりあ 少 しあて かな りあ よくあて 合 計
はまらな あてはま てはまら はまる てはまる はまる
い らない ない
漠然的危機感 高群
1 2.2% 31 .7 % 31 .7% 1 4.6% 9.8%
0%1 00%
低群
39. 6
%35.4 % 1 6.7 % 6.3 % 2.1 %
0%1 00 %
( x2 ‑1 2.22, p<.02)
全くあて ほとんど あまりあ 少 しあて かなりあ よくあて 合 計 はまらな あてはま てはまら はまる てはまる はまる
い らない ない
具体的危機感 高群
23.3% 25.6 % ̲ 27.9% 1 8.6% 2.3% 2.3 % 1 00%
低群
32.1 % 33.9% 1 9.6 % 5. 4% 7.1 % 1 . 8% 1 00 %
(x2 ‑6.95,N.S.)
7
項 目の 回答値 を親 ご とに合 計 して、漠 然 的危 い う質 問 に対 す る回答傾 向 に、℡一 つの特徴 が見 機感 得点 、具体 的危機 感 得点 とした。 そ して そ いだ され た。表6
か らわか る よ うに、相 談相 手 れ ぞれ につ いて、得 点 の高 い親 と低 い親 との間 が い ない とい う回答 は、具体 的危機感 得点 の高 で、子育 て態度 や悩 みの相談 傾 向 を比較 した。 低 に よって は変 わ る こ とが ないが、漠然 的危機 その結 果 、 「身近 に相 談 す る相 手 が いない」と 感 得 点 の高 い親 の群 で は、低 い群 に比 べ て相談相手がいない と回答す る傾向が見 られたのであ る。 この ことは、相談相手がいない とい うこと が、単 に人が見つか らない とい うことなのでは な く、具体的な子 どもの行動のように相談内容 の明確でない諸々の不安材料 を話題 にで きる話 し相手 はなかなかいない とい う問題の可能性 を 示唆 している。
親の人生経験か らみた子育て意識
いわゆる新米の親 とベテランの親 とい う言い 方がある。単 に子育て経験年数 をさす こともあ るが、たいていはその親 自身の年齢 を念頭 にお いて称 される。そ して より年長の薫別ま年少の親 に比べ ると子育 ての見通 しが もてて余裕がある ように言われ、 したが って支援 を必要 とす るの はもっぱら若い親であるとい うことにな りがち である。だが実際 はどうだ ろうか。 この点 を検 討す る。ただ しベテランの親 といって も、子 ど もの年齢のみな らず、子 どもの人数、親の生涯 時間における子育て期 の占有時間、子育てへの 関与度 な ど多 くの関連要因がある。だが本研究 で は特定 の学級 を通 じて協力 を依頼 したため、
子 どもの年齢すなわち子育て時間に大 きな違い がない ことか ら、 さしあた りの試み として、親 の現年齢 のみを指標 とした単純 な とらえ方で、
年少の親 と年長 の親 とを比較 す る ことにす る。
そこで、回答者 を年齢分布 のほぼ中央値 にあた る 43歳以下 と44歳以上 とに分 け、各項 目に対 す る回答 を比較 した。
その結果、表
7
か ら明 らかなように、年少の 親 と年長の親 の間で回答 に有意 な違 いが見 られ た項 目がい くつかあった。① 思春期 の特徴が反映
年長の親 の回答では、年少の裏削こ比べて食事 中に家族で よ く話す ことが少 ない。ただ しそれ で も肯定的回答 は合計で
7 7. 1 %
あ り、年少の親 の9 6%
に比べれば少 ない ものの、過半数 は食事 中の会話があると答 えている。 また、子 どもと の話 の際に目を合わせない傾向が強い。年少の 親 には肯定す る回答が皆無であることと比べ る と、顕著な傾 向である。 これ らは親側 の要因 も考 えられ るが、思春期の子 ども側の要因 も想定 され る。
② 乏 しい相談相手
子育て を通 して知 り合 う人 は単純 に考 えれば 蓄積 され るのだが、実際 にはいろいろの角度か らみて も相談相手 が乏 しいのが年長 の親 で あ る。身近 に相談相手がいない という直接的質問 に対 して、約
3
割の親が肯定 しているのは、年 少の親では「少 しあてはまる」とい う回答が6%
あったほか はすべて否定的回答であった ことを みると、多い といえる。 また祖父母 と話す こと も少な くなる。子 どもが年少の時には祖父母 の 育児支援 を受 ける機会が多いが、子 どもの身辺 的 自立や祖父母 の高齢化がすすむ と、そうした 機会が少な くなる。 これ に合わせて、相談や会 話 の機会 も減少す ることが考 えられ る。
さらに年長の親 は、年少の親 に比べ ると相談 を受 けることも少 ない。知人友人か ら子育ての 相談 を受 ける こ とが よ くあ るか とい う質 問 に
「まった くあてはまらない」と 「ほ とん どあては まらない」 とい う強い否定回答が過半数 にのぼ り、否定回答全体で約
7
割 になっている。 これ に対 しそ年少の親 は否定が5
割弱、肯定が5
割 強である。子 どもの友だちの親 との関係 も年長 の親 は比較的疎遠で、気軽 に話がで きるか とい う質問 に肯定否定が半々である。年少 の親 は8
割が肯定的である。いずれの視点か らも、年長の親の相談相手の 乏 しさが特徴づ けられている。
③ 相談手段 の限定
相談手段 に対す る回答 をみる と、電話、電子 メール、直接対面のいずれの相談手段で も年長 の親 は年少の親 に比べて用いていない。つ まり 相談 自体が少 ない。特 に電子 メール は用 いず、
「全 く使わない」とい う回答が年少親 の
2
倍の約8
割 にのぼる。相談することと相談 されること
「子育 ての ことで相談 され ることがある」とい う質問 と 「子育 ての ことを相談で きる友人がい る」 とい う質問の回答分布 を見てみる。 (表
8)
表
7
親の年齢層別回答分布 食事をす るときは家族でいろいろな ことをよく話す全 くあて ほ とん ど あま りあ 少 しあて かな りあ よくあて 合
計
はま らな あてはま てはま ら はまる てはまる はまる
い らない ない
44
歳 以上 0%6.3 % 1 6.7 % 22. 9% 39.6% 1 4.6% 1 00 % 43
歳 以 下0 % 0% 3.9% 23.5% 43.1 % 29.4% 1 00 %
全 体0 % 3. 0% 1 0.1 % 23.2% 41 . 4% 22.2% 1 00 %
子 どもと目を合わせて話 をす ることはほとん どない
全 くあて ほ とん ど あま りあ 少 しあて かな りあ よくあて 合 計 はま らな あてはま てはま ら はまる てはまる はまる
い らない ない
44
歳 以上41 .7 % 22.9% 1 0. 4% 1 8.8% 4.2% 2.1 % 1 00%
43
歳 以下66.7% 23.5% 9.8% 0%
0% 0%1 00%
子 どものことで不安や心配な ことがあって も身近に相談す る相手がいない
全 くあて ほ とん ど あま りあ 少 しあて かな りあ よくあて 合 計 はま らな あてはま てはま ら はまる てはまる はまる
い らない ない
44
歳 以上1 9.6 % 26.1 % 23.9% 1 5.2% 1 0.9 % 4.3 % 1 00%
43
歳 以 下32.7 % 36.7 % 24.5% 6.1 % 0%
0%1 00%
ふだん子 どもの話や世間話 をす る相手は祖父母だ
はま らな あてはま てはま ら はまる てはまる はまる
い らない ない
44
歳 以上34. 8% 23. 9% 1 3.0% 1 5.2% 8.7 % 4.3 % 1 00 % 43
歳 以 下1 5.7 % 7. 8% 21 .6% 31 .4% 21 .6 % 2. 0% 1 00 %
子育てのことで知人や友人か ら相談 され ることがよくある
全 くあて ほ とん ど あま りあ 少 しあて かな りあ よくあて 合 計 はま らな あてはま てはま ら はまる てはまる はまる
い らない ない