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土壌環境に導入された微生物の生残性を規制する要因

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三麓大法物資源紀要   第20号:23〜30   平成10年4月1E【  

土壌環境に導入された微生物の生残性を規制する要因  

妹尾啓史撃・西山難也ホホ  

◆三蔑大学生物資源学部 =東京大学大学院農学生命科学研究科  

FactorsArfeetingSurvivalorMicroorga.nisms  

Introduccdinto Soillミn\,ironmcntS  

KeishiSENOO・aIldMasayaNISI】王】YAMA=  

◆Faeultyor王∋ioresources,MieUniversity,王くamihama−Cho,Tsu,Mie514−8507,JapaI−  

‥アacultyorAgTricultureandAg・王†iculturalLireSciences,TheUniversityorTokyo,凱11kyo−ku,   

TolくyOl13−8657,Japan  

At)Sti、aet  

Environmentalrelease or benericialmicroorganisms,includingIgenetically en8:ト   neeredones,isama比erofconcerninthefield ofbioremediation andimprovemenもOf   crop production.Factors afぎecも1ng・SurVivaland death or tlle microorganisms   introducedinもO the environme王1t,SuCh as soilQCOSyStem,1nuSとbe clarified to obtain   efrectively and safely the expected rullCtion of■ 沈e microorganisms.Generally,  

microorganismsintI・Oducedintosoilenvironmerltdecreasein numberwith time,the   decreaseismainlycausedbythepredaもoryactまvityofsoilprotoヱOa,1ndigenoussoil   microorganismssurviveforalongp¢riodinthemicrollabitaとsw‡lereもheyareprotecとed   ag・al】1St the aもtack of grazlng prOもOZOa・でhe arもiricialmicrohabitats,SuCh as   MicroporousGlassarldberltOlli略Orferpr(〉もecもivemicrohabiはtsrorthebacもeriumarld   are userultoincrease the survivalof bacterialinoculairltO SOil.TIle pre−Culture   conditionofbacterialinoculaalsoa汀ectstheiI・survivalinsoil.Starvationtreaもmentor   沈ebacterialeellspr柑rtOinoculationimprovestheirsurvival.ThisinrorInationmust   beconsideredwhenutilizing・beneficialmicroorg・arlismsinsoileIl\壷onments,  

KeylVOrds:SOilenvirorlment・まnoculaとedbacterium・SuI、vivalirlSOil・  

protozoang・raZlng・microhabitats  

1.緒 言   るバイオレメディエーション(Bioremediation)が盛    近年,PC王蓋(polychlorinaとedbip】1enyl)やトリク  んになりつつあるl)。バイオレメディエ ションにはい   ロロエチレン,原油など,土壌環墳を汚染した難分解性  くつかの方法が考案されており,例えば汚染土域に有機   物質を,微生物を用いて分解しようとする試み,いわゆ  物や鰊機遥分を添加し,通気を行って土壌に元来存載す  

、ト成1郎l二1パび=蔓刊   三蕊蝿灘席上浜町1515  

東豪邸文京区弥生1・1・1   

(2)

2Ji   妹尾啓史   西山雅也   る微生物を活性化して汚染物質の分解を促進するという  

方法がある】〉。また,汚染物質を分解できる微生物をス   クリーニングし,その分解菌そのもの,あるいは遺伝子   工学的手法を用いて分解能をさらに強化した分解菌を大   旗に培養し,汚染土壌に散布して汚染物質を分解する方   法もとられる2)。後者の場合には,土壌環境中には元来   は存在しなかった微生物が大恩に放出されるため,周辺   の人間や動物も食めた‡当然環境への彩轡評肝)が琴榔に   必要となり,そのためのガイドラインも策定されている。  

望ましいのは,放出微生物が汚染物儲の分解という役割   を果たす聞は生残し続け,果たし終えた後には速やかに   消失することであろう。   

一方,作物法度の現場では,ダイズなど豆科作物を栽   培する際に根粒菌を接種して根粒形成・姿素固定を行わ   せ,化学肥料の低減を図ろうとする試みや,土壌病害歯   に対して抵抗能を持っ埴魔微生物を接種して病欝を防除   する試みが古くからなされている。この場合,接種微生   物は土壌中に生存し,土壌に元来存超する土着蘭との競   争に打ち勝って根粒形成や根圏への定番を行う必要があ   るため,血般に大農に接種を行う必姿がある。例えば,  

根粒磯の場合には根に形成される根粒の半数以上を接種   歯でl§めるためには,少なくとも土着根粒菌の1000倍   の菌数を接種する必要があるとされている・㌔すなわち,  

作物生産向上のためには接種菌をいかに土壌ゆで生存さ   せて目的の機能を発挿させるか,という点が霧要になっ   てくる。   

このように,馴勺によって,土壌への放出微生物に損   得する生存状況は異なってくる。凋持する効果を政大l嘱   にかっ安全に縛るためには,土壌への放出微生物の生残   性を規制する安l乱を明らかにし,放出微生物の挙動を予   乱 さらには制御できることが望ましいであろう。   

筆者らはこのような観点から土塊に接種した微生物の   動態,土着漸との動態の比較,それらを規制する要因の   解析などにl消する研究を行ってきた。ここでは筆者らの   研究を例として硯明しながら,土壌中に接種された微生   物の生残性を規制する薬園について関連の研究から縁ら   れている知見を紹介したい。  

2.戯童Y−HCH連用畑土壌とY−HCH分解菌   

有機塩索系殺虫剤γ仙HCH(γ…1,2,3,4,5,6…  

hexachlorocyclohexarle,通称γ岬BHCまたは   

1ilidane)は畑土城中での残留性が高く,環境を汚染す   る麓大な物質であり,現在ほほとんどの閣で使用が繋止   されている。東京大学盛挙部構内にはγ仙HC王iを10   年以上にわたって年に1回投与し続けた誠駿極細があり,  

適用による庖輩の消長の変化が調べられた。その結鼠   γ…HCHは土壌への投与回数が蛮なると消失速度が高   くなること,それは好気性の分解細菌が出現・集概した   ためであることが明らかになっているS)。   

その土壌からγ…HCH巻明ト・の炭素限として資化,  

分解で畜る土壌細菌均)妨1gOmO花αββα比Cfmoわ£〜£ぶ   SS86株が軍離され¢)(以下,γ…HC‡ま分解菌と紀述   する),これをモデル細蘭として実験に用いた。γ…H   CH分解菌は,つト…HCHを連用した土蟻には集敬し,  

土着蘭の山嵐として常に生息しているが,ア仙HCHを   一度も投与しなかった対照区土壌からは全く検出されな  

い梅)。また,仰山般に土壌中の特定の薗株を高感度に計数   することば困難であるが,γ山HCH分解菌は7仙HC   Hを唯仙−の炭素淑とする無機培地を用いた激碓値法  

(M壬)N法)により高感度・簡便に計数することができ   る7)。このような特徴を利用することにより,土壌に接   種された微生物の生残性,土潜蘭との挙動の比較などを   詳細に検肘することが可能である。   

血般に土壌中の特定の磯株を商感度に計数することば   困難であると述べたが,組み換えDNA微生物の自然   環境への導入利用が現実のものとなり,導入微生物の効   果や安全性評価の側面から,導入した微生物の消長を遺   跡する,すなわち,選択的に検出・針・致する技術が   1980年代後半から急速に開発された。その一つは,微   生物の培基法によらず,ターゲットとする微生物が有す  

る特定のDNA配列を検出する方法(DNAブロープ法)  

である&)。これは,土壌から恕接ONAを抽出・精製   し,あるいは微生物菌体を土壌から分両分離した後に   DNAを抽出・精製して,サザンハイプリダイゼーショ  

ンやPCRにより特定の塩基配列巷検出・定頗するもの  

である。樽魔の塩基配列としてほ,難分解性物質の分解  

系遺伝子,16SrRNAをコードするDNAの種特異的  

な配列部分がよく利用される。また,導入微生物に1ux  

退伝子を導入して生物発光紙を付与し,接種した土壌に  

生存する導入微生物から発せられる蛍光をルミノメーター  

で測定して導入微生物を定威する方法も用いられる9)。   

(3)

土壌環境に導入された微生物の生残性を規制する要因   25   3.接種薗と土潜菌の土壌中での生残性   

γ冊HCHタ}解歯を上記の試験i過場の対照区の土塊に   接種した場合の生残腰と,γ一HC王i連用区土壌に土着   のγ岬HCH分解菌蕊p根雨Ⅶ鋸損の生残性を室内系   インキェペーション実験で調べた結党をFig・.1に示   す10)。要約すると,①7…HCH(?00HCH分解菌の  

基質となる)を添加しない対照l真土域に接種された薗は  

増殖することなく死滅する。接種前に細胞庵飢餓処理す   ると死滅速度は緩やかになる。②?…HCHを添加した   対照区土壌に接種されたγ…HCH分解菌はγ鵬HCH   を資化していったん増殖するが,その後は死滅する。③  

γ−HC王iを運用した土壌に土着のγ−十HCH分解菌は   添加されたγ舶HCIiを資化して増殖後,103州10ソg   soil程度の菌数で長期間生存する。また,同様の結果   は野外拭憐憫閲においても輝揉されている11)。  

4.土壌中での接穂微生物の死滅要因   

血般に,この種の実験を行った場合,死滅速度の差こ  

そあれ,接種微塵物は死滅に向かうことが知られている。  

Lia咽らは,将来的に土壌環境での有効利用が期待さ   れる盈ぬ闇路∴椚ぬぬ沼払 ノ廟0わαC£er;㍑J乃などを土   壌に接種し,その生残性を調べたが,いずれの微生物も   接種後のl】別称経過と共に死滅に向かうことが明らかになっ   ている−2)(Fig.2)。   

土壌は極めて多様な微生物が存在して安定な生態系を   構築しており,外来の微生物に対しては山穐の排除圧が   かかる。その内容は土壌中に生息している原生動物によ  

る捕食である場合が多いユ3)。土壌によって異なるが,  

1g・の土壌あたり1000…500000個体の原生動物が生恩し   ている。そのうち,鞭毛虫類(flagellates).地毛虫類  

(ciliates),アメーバー(amoebae)は微生物菌体を   捕食することが知られており,事実,これらの原生動物   の捕食作用が土壌への接種磯塗物の死滅要因の山つであ   ることがいくつかの実験によって確認されている川。細   菌捕食他の長京染動物は土壌中の紬蘭数の制御園子の一つ  

であると考えられる1㌔   

γ仙HCH分解菌の場合も死滅要憐は主として原生動   物の捕食であることがいくつかの実験から確認されてい  

る1…)。例えば,原生動物を除去した土壌懸蘭液を滅蘭   土壌に添加して作成した原生動物フリーの土壌では?…  

HCH分解菌の死滅は著しく抑制される(ylg.3)1¢)。   

土壌に土潜のγ血HC‡iう}解蘭が艮糊間安定に生存し  

7   6   5   J−   3   2   −  

0  言OS甘む0︶呂SS薫召∈叫じ篭q︑明−0芯qEコ⊂ぎー    ぴ︑∽﹂J山0軋〇.OZぴOJ  

10  

5  

1拍1e(Weeks)   

yig・1Populationdynamicsor?州HCH仰decom・  

posユngぶ.卯αC地口白よZ£ぶSS86in soils・○,  

indigenousoneintheHCHsoil(amend¢d   wi抽γ岬HCH);◎,inoculatedoneinto the   controIsoil(amendedwith?岬HCH);療,  

growまngCeilsofとhebacと紺iuminoculaLed   into the controIsoil(γ蜘HC王ifree);日,  

starved cells or the bacteriuminoculated   intotheconもroIsoil(?・−HCHぎree).Soil   samplesweヱ▼eincubaもedaと30℃wiぬ60%of  

MaximumWaterHoはingCapaciもy.   Fig.2,Survivaiof rive bacteriaispeciesin  

nonsterilesoil12)   

(4)

妹尾蕃史・西山雅也   26  

/○\\\\\ 

、。  

9  

二■ニ∴ご∴一一=きっ≡−≡ま︑・ン・−ニ⁚J≡≡∴‡   

口  

5  

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8  

こ、=−−、、__=      \   

8Fplo【  

\   

\−\−−−、    Fig.4 ぶ.βα㍑C£moわ£〜よβSS86irltrOducedinto  

MieroporousGlasswi軌porQSOfl.2抑dia  

(crosssection).  

より,細菌の酎乾性が上界するこど}),土壌構成成分の   表蘭への吸着能が高まること22・23),吸潜能の上昇により   原生動物の捕食を受けにくくなるこど烹)などが報哲され  

ている。細胞の生理的状態と生残性との関わりは次に述   べるマイクロハビタットと共に,土壌深場での接種微生   物の有効利用に際して考慮すべき麓安な事柄ではないか  

と考えられる。  

5.土着分解菌か安定に生残できる理由   

3.で土着のγ−モiCH分解菌は原生動物の捕食を免れ   る何らかの方策を護符していると述べた。その方策とは   微生物の微視的生息部位(マイクロハビタット,  

microhabiLats)の独得にあるのではないかと推測し   た。   

土壌中には〟…〜爪■次鉱物,粘土鉱物,腐食物質,腐朽植物   遊休,糸状菌蘭糸などが複合して団粒構逓と呼ばれる立   体構造が形成されている紺。そして,団粒構造の内郭の   孔隙や豪雨,団粒仙団粒問の間隙には物理化学的にヘテ   ロな微細環境が存在して土壌微塵物に多様なマイクロハ   ビタットを提供し,土壌微生物フロラの多様性を維持し   ている25〉。例えば,胞子を形成できず,乾燥に比較的弱   いグラム陰性紬蘭闇蓬として土壌陛l挽肉部に生息し,胞   子を形成することにより乾燥条件下でも生残できるグラ   ム陽性鮒蘭はヨ三として土壌団園外郡に焦点していること   が古くから知られている狗。また,土壌の超薄切片の麗   子鋸徴琉観察から,土壌の毛管孔酢:‡:】,粘土鉱物表面,  

土壌有機物表面に紬磯細胞が存在していることが確認さ   

3   

BFPp】ot   

\ ム  

1  2  

4   6  

Incubalionp即iod(lV¢eks)  

Fig.3.Hffectofprotozoaon thesur\rivalorγ融   HCH…Wdecomposlng・且ガ㍑αCi〃ュ0わi〜isSS86   inoculatedintosoil.0,Sもerileso拭[ユ   sterilesoileonditionedwiもhbacteria alld   rtlngi(BIr);△,Sterije soilconditioned   withbacしeria,rungIまandproじOZOa(ByP).   

ているのは,この原生動物による捕食を免れる何らかの   方策を態得しているためと考えられる。これについては   後に許しく述べる。   

Fig.1に示したように,栄養培地で前培巷を行った細   胞を接潤した時の死滅速度は飢餓処瀾度した細胞のそれ   よりも高い。刷磯に土壌中のような貧栄巷環境下では微   生物は細胞のサイズが小さくなり,代謝活性が低下し,  

DNAやタンパク駿も低下した飢餓状態にある】了〉。生残   にはそれが有利であると考えられる。事実,飢餓処理さ   れた紬泡を土壌系ミクロコズムに接種すると栄幾組職庵   按椰したときよりも生残性が高まったことが報哲されて  

いる1郎。また,細胞のサイズが小さくなったり,細川包表   層が疎水的になることによりji琵生動物の捕食を受けにく  

くなるという事例も知られている19・抑。さらに,飢餓状   態で生残している紬劉こおいてしばしば観察されるのは,  

菌体外多糖などのbiopolymeI,の生産である。これに  

(5)

土壌環境に導入された微生物の生残姓を規制する要因   27  

めるアーバスキュラー蘭椴蘭においても報告されてい   る2郎。この場合には,炭を菌根薗胞子と共に土塊に混合  

したものである。炭を混合することにより,歯根歯の接   種効果が高まり,作物の生督が促進された。この場合も,  

炭の孔隙が蘭根蘭のハビタットとなり,土壌への定潜を   高めたものと考えられる。また,Heijnenらは,土壌   に,多孔質構造を有するベントナイト(粘土鉱物の血種)  

を混合することにより,原生動物の接近できない孔隙の   割合を商め,接種根粒菌の生残性を高めることができた  

と報皆している3打)。   

ただ,先に述べたように,マイクロハビタットとして   十分に機能する条件は,孔隙構造だけにあるのではない   であろう。そ紗孔隙を構成する物質の箪駁(有機物か細   機物か)や表面構造(疎水・親水軋 荷電,特異的な結   合郎位など),孔隙周辺に存在する気相や土壌溶液の性   質(駿爵濃度,溶液組成,p‡iなど)なども東要な条件   になると思われる。   

例えば,生存に好適な微視的生息部位を提胡する土壌   構成成分としてケイ酸塩粘土鉱物の竃要性が指摘されて   いる14)。ケイ酸塩粘土鉱物は綾経2〃以下の二次鉱物で   あり,表面積が大きく,表面に陰荷磯を持っために,陽   イオンの吸潜能が高い。このため,粘土鉱物表面は土腰   溶液とは異なるpHにあるとされている31)。粘土鉱物表   面にほCa21やMg2†イオンを介して,表面に陰荷機宜   有する土壌細菌機体が吸薯保持される31)。吸潜保持され   れているど8〉。   

筆者らの実験の土着†血HCH分解菌の場合は,団粒   内に形成される,原生動物が侵入・接近不可能な毛管孔   隙を生息灘位として麓得しており,Ⅵ山方,接種蘭は月絹屯   な按椰方法ではそのような孔隙には侵入できず,捕食さ   れてしまうのではないか,と推測した。この推測の妥当   性はいくつかの実験によって確認されている。例えば,  

土壌を粒径別に分画して閲牧内部と外郎に存在する分解   繭をそれぞれ経時的に誇〟1・致すると,安定に生残している   土着分解蘭は団粒内部を当三患部イ立とし,γ仙HCHの添   加により増殖した細胞は団粒外部へと進出すること,接   種薗は大多数が陛!粒外部に存在していることが示されて  

いる27)。   

このように,生存に好適な微視的生息部位を接種歯が   獲得できないというγ鵬王iCiiご桝肘掛こおける事例は,  

作物生産の場において,土壌に何らかの馴勺で接種され   る微生物もやはり生息部位を披得することが困難であり,  

土壌中での生存率は実はあまり高くないのではないか,  

ということを予測させるものである。先に述べたような,  

ダイズにおいて,土着根粒菌の1000倍の根粒菌数を按   椰しなければ着生根粒の半数を接横磯で占めることがで  

きないという事実1〉は,その予測の妥当性を支持するの   ではなかろうか。  

鉄 人エマイクロハビタットによる生残性の向上    微生物を土塊に接種する際に,接薄儀の生残性を高め   るために,菌体単独で接種するのではなく,人工マイク   ロハピッタトとともに導入することを試みた28)。人工マ   イクロハビタットとして用いたのは,腋粒∃犬のガラス内   部に均∴庵孔経の孔隙が張り巡らされたガラス素材(多   孔質ガラス.MicroporousGlass,(MPG),旭硝子   株式会社)である。多孔質ガラスの孔隙内に7血HCH   分解菌を導入し(Fig.4),それを土壌に混合してイン   キエペートし,経時朋に人工ハビタット内部ならびに人   工ハビタット外部の土壌中に生残している分解†素数を計   数した。Fig.5に示す様に,蔽径10.3〟mの孔隙を督   する多孔質ガラスはγ…HC王i分解菌の良好な塗残部位   となり,高い蘭密度が長期!矧雛持されている。   

多孔質の素材を微生物と共に土壌に投入することによ   り微生物の期待された効果を商めた事例は,土壌糸状菌   の山一櫻であり,植物の般に典塗して植物のリン吸収を商  

︵−岬OS朝︼乳旨SS再t明瑚レ乱コhU︶   冶SS書芸S︼0トぷ∈ヨぎ︼  

0   5   10   15  

lIICl血tio‡1Peri∝‡(Weeks〉  

Fig.5 Population denslty Orγ−HC壬‡−decom−  

posimg S.β!エαe£moわ£JZぶ SS86in Micro・  

porousGlass(MPG)wiもh pores of(○)  

10.3〟nュdia;(△)2∫紬mdia;and(口)0.47  

〃mdia;andinsoilinctlbatedwithand血en   s叩araもedrromMPGwithporeswith(⑳)  

10.3〃mdia;(A)2.8〟mdia;and(戯)0.47  

〃rndia.C】?U:Colony】㌻ormationUnit.   

(6)

28   妹尾啓史・西山難題   ることにより,細菌蘭体は原生動物による捕食やファー  

ジによる溶菌を受けにくくなること32),土壌溶液のpH   の急激な変化から保護されていること33),粘土表動こ保   持されている無機養分が利用できる点で,土域溶液中に   存在するよりも有利であるこど3〉などが指摘されている。  

肇宴実,粘土食塩の商い土壌中での方が接種された根粒   菌al)やタぶe㍑domo托αぶβ昆OreぶCe花ざ3S)の生残性が良好で   あること,陽イオン吸着保持能の異なる政務の粘土鉱物   に接種されたダ.β昆OreぶCe托ぶの生残性を調べると,陽   イオン吸潜保持能の高い粘土戯物中での生残性が良好で   あること狛などが報哲されている。  

7.おわりに   

環境浄化や低没入当空戯業の蛮嬰性はこれからますます   増加する両方であり,そこでは有周微生物をl∃然環境中   で少なくとも山定期問生存させ,機能を発揮させること   を期待する墟蘭がしばしばあらわれる。これを達成する   ためにほ,微生物の有用な機能の探索・西成とともに,  

自然環境中でそれを有効に用いるための微生物の制御技   術の確立が必姿であろう。ここで述べた事例は微生物の   生残裾こ掛こ焦点を絞り,前培巷条件やマイクロハビタッ  

トの重要性を示したものであるが,利用できる基質の極   めて限られる玄米益な自然環境下で,いかに胃的微塗物   の代謝活性を高めて活発に機能を発現させるか,また,  

根粒菌のように土着蘭として類似した微生物が存在する   場合には,いかにして土着蘭との競争に打ち勝たせるか,  

などについての技術の確立が必要となり,それらは今後   の重要な研究課題であろう。  

謝  辞  

多孔質ガラス(MicropoI・otlSGlass)を提供して下   さいました旭硝子株式会社,中村和雄博士に感謝いたし   ます。  

れた微生物の歯数ほ時間の経過と共に減少する。これは   主として土壌に生息する原生動物により接種菌体が捕食   されることによる。土壌に元来存在する土着微生物は原   生動物の捕食から逃れるための微視的生残部位(マイク  

ロハビタット)を披持しており,艮糊間の生残が可能で   ある。多孔質ガラスやベントナイトなどの人工的なマク   ロハビタットを利用することにより接稀菌の生残性を高   めることが可能である。また,接種商の前培養条件は土   壌中での生残性に影響する。例えば接種前に飢餓処理さ   れた紺泡は土壌中での生残姓が高まる。これらの知見は   土壌環境における微生物の有効利用に際して有益であろ  

う。  

引用文敵  

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9)SAU‡ヾDERS,J.R‥ and SAUND】ヨRS,Ⅴ.A,   

要  約  

環境汚傑物鷹の浄イヒや作物圭ヒ疲向上の目的で,有用微  

生物を自然環境に放出利用する試みが盛んになりつつあ  

る。その際に,!姜l的とする機能を効果的,かつ安全に機  

能させるためには放出微生物の生残・死滅を班制する瀕  

囚を明らかにしておく必資がある。山般に土壌に導入さ  

(7)

土壌環境に導入された微生物の生残性を規制する要因    29  

ガ花Uよro71.財か0あ£oZ‥ 58:583w589(1990).  

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24)TISi〕ALしJ.M.arld OÅDES,㌔.M.01官anicmaもter    andlVater州Stableaggr喝ateSinsoils.よ汲)£ヱ励£,  

33:14】】163(1982).  

25)HA′11√rORI,rr.「工 11emicroenvironlne山Or microbesin    抽esoil(2):aggr咤ateSlevel.I11Microbia11ife    intlleSOil.Marceli〕eItker,NewYork,p263山一312   

(1973).  

26)Fos′IIER,R.C.Microenviro11mentS Or SOilmicro−   

or卵nisms.戯oJ.ダだ㌻£払 ぶof〜β‥ 8:189】203   

(1988).  

27)NiSHIYA丸1A,M‥ Si壬NOO,K‥ WADA,H‥ and   MA′1、SUMOTO,S.IdentiricaLion or soil micl・0−   

llabitats ror g・rOWth,death alld survivalor a   bacteriu王1l,γ−11eXaCi1lorocyclohexane−aSSinlilaL−   

11唱勒妨ぽOmOJlαぷpα比C;moわ£〜£s,by rractio11a信on   of soil. ダ∬朗S財よcroむ£oZ.Ecoヱ‥101:145・人▼一∨‖150   

(1992).  

28)NユS】iIYAMA,M‥SENOO,K.,and MATSUか王01、0,S,  

Survivalor a bacLeriumiIllllまcropol・OuS glassin   soil.50£gβ£og.βよocぁだnl‥ 27:1359血1361(1995).  

29)斎藤難曲.多孔質ⅤÅ菌根薗接種資材の玉ネギ,艮ネ   ギおよびアルファルファに対する効果ゝ東北農業研究  45,139・・・1′iO(1991).  

30)HEIJNIミN,C.E‥ HoK−A−HIN,C.H‥ arldl′£ln  

VじHN,一.A.王mprovenュents toとlle uSeOr bentonite   cla〉7aSaprOteCtiveag・entinc王¶eaSl咽Sur、・ivallevels   or bacteriainもroducedinとO SOil.艮〕よ〜 月よoj.  

劇ぬ戚脚㍑:24,533拙538(1992).  

31)服部勉 微生物生態入門 東京大学出版会 東京 p43仙   6∠i(1978).  

32)RopEiミ,M暮 M‥ and MA艮SillALL,K.C.Modiri−  

cation orとlleinte】1aCもio】1betwee11励c九ビアl〜cんよαCO〜£  

and bacteriopha酢iIISalirle Sediment.朗正和凝血  

∬co乙,1:トル13(柑74).  

33)S∫110■】、Z重く1r,G.Mecha】1ismorad主1eSionorcla)7S,WiもIl    GenoもyplCand phenoとyplCme抽odsrorthe detec−   

もion or speciricI、eleased microoェ・garlisms.In    Monitorlng gelletically ma王1叩ulated microorg・a】1−   

ismsinthee】1ViI、Onment.(ed.by‡壬dward,CりWi    l叩.)p27−60(1993),  

10)SlミNOO,K‥ N】SIilYAMA,M‥ WADA,H.and   

MA′1、SUMOTO,S.Dirferencesまn dy】1amics b8hveen    indi酢nOuS alldinoculated勒ゐ〜托gO7乃071αぶpα比C〜一   moむ;ヱよぶS£rα£rとSS86in soils,Wノけ£cJぺ0む∫0ヱ.  

gcoし 88:311血320(1992).  

11)SENOO,Ⅰ(.aIld WADÅ,H.yaもe of a bacterium,   

タぶe比domoJlα叩α㍑C£7乃0むfヱよぎSS86,in upland rield.   

励まヱ励£.ダ〜α托£〃uれ,36:593亜598〈1990).  

12)LIANG,L.N‥SINCLAIR,J.L‥MALLORY,L.M‥   

and Al.EXANDER,M.Fatei王1n10delecosystem or    王nicrobialspecies oilpoもen血1usein genetic    engineering.頻頑,助u£rom泌croわよog..朋:708−…  

714(1982).  

13)DÅNSO,S.K.A‥KEYA,S,0‥a】1d ALEXANDにR,  

M.Protozoa and decline or月たまzoわ∠㍑m pく)pula−  

tionsaddedtosoii.Cα柁.よ朗fcJtOあioエ,29:1.59肋    164(1975).  

14)ENGLAND,L.Sり LむニE,H.,arld T民Ⅰ王VO王ミS,J.T.   

Bacterialsurvi閥Iinsoil:Erfectorc払ysand prot   ozoa.助∠〜β£0ム戯ocたe771‥ 25:525肌531(1993).  

15)CLAR‡IOL軋M.ProtozoallgraZing or bacteriai11    soil−impacもandim】)Orもance.財よcJtOむ.励0〜‥ 7:  

鋸3_350(1981).  

16)妹尾啓史,西山雅也.土壌系における接種蘭と土瀾憾   の生態の比絞 ≠==BHC分解薗をモデル紬蘭として川∴  

土と徹そ1三物,45:41仙50(1995).  

17)MoRll、A,R.Y.8ioa\†ailabilityanditsrelationsl−ip    とOgrOWtIlaIldsはrvationsurvi17alillna紬re・C肌   J〟£げ0わ£oJ‥ 34:∠ま36血4∠11(1988).  

18)1−HOM!】SON,Ⅰ.P‥C(〕Oiく,Ⅰく.A‥LⅣt、描きRIDGE,G‥  

a11d】ヨURNS,RtG‥Survivalor two ecolog・1Cally   distinct bacteria (動転川玩椚池永Ⅳと d撒ブ ノ毎油    roわα如「)iIlullplanted and rllizospllel・e SOil:   

1abol嶋atOryStudies.段)〜∠β£og.戯0ごんem‥22:1029   仙1037(1989).  

19)GuRIJAlモA,‡く.R‥arまd ALIミⅩANuER∴M.Errect or   

grolVthrateandhydl、OPi10bicityonbacは・iasul〜、riv−   

i咽prOtOZOangraZing・.八月βヱ.肋u£ro軋 滅亡′、0−  

わ£og‥ 56:1631血1635(1990).  

20)GoNZALEZ,J.M‥Smm‰E,B‥a】1dSl】まlミER,B.F‥  

Size−Selectiveg・1・aZlngOrbactQriabyIlaもuralassQnュー   

blag・eSOi−estu貰・illerla酢11atesandciliates.劫堪J・  

(8)

妹尾替史・i独力雅也  

rererenceもOSOilsystems.Ⅰ】1BactorialAdhesion:  

Mechanismsa11d Physiolog・icalSigniricance.(ed,  

by SÅVAGl王,D.C‥andlrL貯i、C】〟王ER,M‥plenum   Pl†eSS,NewYoI・lく.)p195醐253(柑85).  

34)Pos−rOⅣlA,J‥ HoK・Å−HIN,C.H‥ aIld OuDE,   

Vos王1AAR・J・H・Inrlue−−CeOrtheinoculumdensity    Ontl−e grOWt王−and survivalor Rhizobiumle糾−   

1Tlinosarum bioval−trifoliiintroducedinto sterile   a11dnon−SterileloaInySandandsiltloam.且談ばぶ   ÅグfcJ・0わよog.励og‥ 73:49−叫58(1990).  

35)va】1EはAS,よD‥TiモⅠ…VO王ミS,J.で‥1ranOvERBE狐  

L.S‥alld Sl、ARODし;B,M.E.凱11、\ri\ナalorダse比_   

domo門′αβ/∠uorだβCだ那COmtaining・plasIllids RP40r   

pRK2501and plasmidstabiiれy arterintroductioll    inとO tWO SOils or difでerQnと texture.Cα乃.㌔−  

Aグよcroわねg‥ 35:95ト959(1989).  

36)Sl、UTZ,E‥ⅠくAllR・G‥and DEyAGO,G.Clays    involvedinsuppressionortobaccoblaciくrOOと1・Otby    astrai110f盛餌doJ乃0乃αぶ刀比OreぶCだ那∴助£ZβよoJ.  

月£0ごんビデれり 21:361仙366(1989).   

参照

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