海 運 同 盟 に 關 す る 一 研 究
︵ 一
︶
− 特 に 米 国 合 衆 国 を 中 心 と し て 高 −
村 忠 也
一︑ 序
海運政策の概念如何に就ての見解は耗月であって︑今日猶軌を一にする所まで到達していないが︵註1︶︑これは︑
本質的に︑海運に対する保護助成政策と規制政策の両側面混包含している︑香その両者を包摂すべきであると断定し
ても︑正鵠を過当に失することはなかろう︒
と こ
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︑ 同
じ ‑
海 道
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海 運
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と 沿 岸 海 運 ( k i i s t e n S c h i f f a h r t ) の 吻 合 に よ っ て ︑ 壷 情 は 著 し く 興 る
︒ . 沿 岸 海 運 に あ っ て は ︑ 国 家 は こ れ を 鉄 道
︑ 自
動車︑道路等と同様に︑厳重.夜監督取柿下に置いている(註2)O これに反して'海外海運については︑その1大特
質たる国際性に鑑み︑出来るだけその活動に国家の干渉を加えることたく︑外国間莞者と平等の立場で自由に競争せ
しめようとする方針が堅持された︒然し自由放錘の結果として︑ヤ1もすれば︑自己の利益のみを眼目として︑海運
給付の雷襲者たる一般社会の利益を軽視する傾向を生するのは海運宝が営利企業である限り︑自然の趨勢である︒こ
1に於て︑同象が︑一般社会の為めに︑海運柴に対して規制を行う必要が発生する︒斯して国家は︑一方に於て︑海
海運同盟に関する一研究
一l経 蛍 と 経 済 外海運の有する国際性よりして︑その自由活動の必要性を認めるとおに︑他方
K 於
て ︑
を取締ら怠ければならないと言う破目に陥る乙とを余儀なくされる司 との時に当り︑海外海運業者と一般社会︑就中貿易業者との問に︑利害関係上︑新しい対立を見たのは︑海運同盟
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向 ︒
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円 28 ω 岳
民 宮
官 官
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﹀問題である︒
そとで本論文に於ては︑先づとの海運同県たるものは如何たる本質︑組織︑・対策を有するやに就て一般的に論じ︑
次で日本の場合に決定的な影響を及ぼした米国合衆国のこれに対する態度を︑一九一四年に発表された海運及び漁業
委員会(の︒
B B 5 2
︒ ロ
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宮 2 岳∞三宮良吉
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何 百 円 ぽ
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の調布報告を中心止して解明し︑更にその後の推移
の跡を辿る乙とを目的とする︒
一般社会の利益に鑑み︑とれ ( 註
1 )
同 5
0 4 7 5 5 8
は︑海運政策には保護助成と規制の両政策が含まれていることそ指摘している口開・戸︺
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は︑海︑運政策としては︑主として保詰助成的側面に触れ︑規制的側面として取扱っているのは船舶の安全︑乗 組員の資格︑‑乗組員の福利厚生等であって海運経包はその対象として含まれていない︒︺・
0 2 5 0 H h 3 m
丹 市
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岡 田
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旬 ︒ ロ 門 口 内
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( 註
2 )
例えば︑米国合衆国に於ては︑州際交通法
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g 言
o ︒
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している︒詳細に就ては︑拙稿﹁米国州際交通法と海運 L ﹁ 海 運 ﹂ 昭 和 二 十 七 年 四 及 主 月 号 を 参 照 さ れ た い ロ ﹀え)が制定され︑川際交通委員会が厳重な取締を実施 0
( 上
・ 下
)
二
︑ 海 運 同 盟
般 論
︿ I
)
海 運 業
の 茄
芽 u r ‑ 変 遷
今日に於ては︑貿易業と海運業とは夫え独立した企業となクているが︑古代に於ては趣を全く異にしていた︒
往時にあクては︑商人︑船主及び船長は同一人であクた口然るに海上商業が漸次発達して来ると︑斯様な経営形態
は従前の如く持続し得たくなクた口船舶を抵当とする冒険貸借
3 2 8 E
円己︑或は羽成︑知人と盗本を合せて行う船
舶の共有
( 8
・ ︒ 巧 ロ
O 円
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丘
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‑ 2 2 a
円)と一一一口う方法で負金の融通のクかたい者は︑他人の所有給に単純なる a O
応長 l 雇傭船長!として乗組行乙とを余俵及くされ︑他方︑新経済情勢に応守るに足る大資本を有し若しくは前述の方
法で以て金融の道を講じ待た者は︑今や︑自らは船長として乗船する乙とを止めーその代りに雇傭船長を乗組ましめ
る l ︑専ら陸上で事業経営に釆配を振る乙と
L A
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た ︒
との時代には︑他に特殊紅海上商業経営形態が見られる︒それは商人同盟と特許会社である︒ローマ帝同崩壊後︑
世界海上商業の実権を掌握したのはヴーニス商人組合であり︑第十四乃至第十七世紀にあクては︑北ドイツ商業都市
のハンザ同盟(出
g ω g t
の戸内出
m g )
がパルテック海及び北海の貿易及び海運を支配し︑次で中世の後期に至るや︑
イギリス︑フランス︑オ一フ γ グの特許貿易会社 l
例えば︑イギリス束印度会社︑オヲシグ東印度会社︑米国に於て活
動した初期の貿易会社!が︑ヴェニス商人組合︑ハ Y ザ同盟に取クて代り︑世界の特定地域若しくは特定主要商品に
就て貿易の独占権を確保した︒
右の商人︑船主及び船長の職権を一人で担うている海上商業︑船舶共有による海上商業及び商人同盟並に特許貿易
会社による海上商業を考察するに︑とふでは貿易業と海運業とは猶未分化の状態にあり︑故一一目すれば︑自己 ω 船舶に
は自己の商品のみを積故するもので i 従クてこの海上運送は本来の目的たる貿易遂行上の一過程を桔成するに止まる l ︑所部自己運送(℃己
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円 立
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古門﹀と称せられる経営形態である口当時の斯様紅海上商業の実態
をアダム・スミスは g 口
M 1 g m
可足︒と言う剖切な言葉で以て表現している︒︹註
1 )
船舶共有形態の下で経営されるととを要する程海上商業の規模が拡大化するに及び︑往・復航土ハ K 自己の商品だけ
で満船状態にする乙とは必十しも期待し難く︑そ乙で他人の商品もとれを運送する場合 l
例えば︑往航には自己の商
品のみを積載し︑復航には他人の商品のみを積むような場合︑或は同一航海に於て自己の商品と他人の商品を同時に
混故する場合 i が発生した︒乙の際 K は︑貿易業と海運業との介化が部分的には窺われるが︑然し訟がら自己の船舶
には官己の向品のみを秘技するのが飽くまでも原則であクて︑他人 ω 向ロ聞を運送するのは例外的若しくは臨時的措民
海 川 一
M 別
叫 に
凶 す
る 一
研 究
経 営 と 経 済
四
であり︑従って未だ猶貿易・海運両業は確然たる分化の段階に到達していないと解するのが妥当と考えられる︒斯様
友海上商業の経営形態は︑半他人運送
( ω O E r g B E
︒ ロ g E o G
と呼称される︒
貿易業と海運業が同一企業として営まれる状態は何時まで継続したか︑乙れを確定する乙とは︑国によってその事
情を具にするから︑容易でないが︑凡そ第十九世紀の半頃まで持続したものと推測される︒
海巡業を貿易業から分離独立せしめた要閃如何と言えば︑蒸汽機関の発明に上る海上交通機関の飛躍的進歩︑海底 電線の普及等も乙れに寄与する所は決して少くないが︑とれに対して決定的な役割を演じたものは︑一七七
O 年頃か
ら約百年に豆クて欧洲に発生したかの産業革命であると断定しても差支えたかろう︒産業革命の結果として︑世界に
は新しい産業構造の誕生を見るに至った︒即ち欧洲諮問 l 先進国 i に於ては︑従来の手工業から機械工業へ︑家内工
業から工場工業へと︑生産は犬規模経営へと頓に進化し︑その結果︑従前上り活に大号一の工業用原料を必要とし︑同
時に亦遣に犬量の製品を売捌く道を訴宇るととを要し︑他方︑植民地!後進国
lk 於ては︑工業用原料の供給地とし
て︑はた亦工業製品の販売市場として︑その霊要性が飛躍的に向上した︒換言すれば︑欧州諸国は工業用原料の治究
地であると共に工業製品の生産地であり︑他方︑植民地は工業用原料の生産地であると共に工業製品の泊費地となク
た︒斯して欧洲諸国と植民地相互間に︑大規模な物注の交流が恒常的に発生するのは自然である︒そとで︑従来の如
き自己運送若しくは半他人運送形態の海上商業では︑新レい経済情勢の要詰に充介応じ待たくたり斯様な経営形態は
根本的な修正を必要とするに至クた︒乙れは独立企業としての海運業発生の必要性と見るととが出来る︒他方︑今や 運送貨物の著しい増大に上クて︑海運業は専業として採算上充介維持するととが可能となクた︒とれは独立企業とし
ての海運業の発生並に存続の可能性と見るととが出来る︒乙の必要性と可能性の二要素が併存し得て始めて海運業の
独立が達成されるのである︒斯して誕生したのが︑・一般の顧客上り貨物の運送を引受け︑これを専業とする運送人
( ︒ ︒
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海運業が独立企業として成立した当初に於ては特許貿易会社を除けば︑海上に話勤する商船は凡て不定期姶(件
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岳民各円︒ l 貨物のある港であれば何処でも︑貨物を求めて七つの海を無制限に放浪する胎(註
2 )
ーであった口 今日見る近代的な不定期船は︑定期船と具って︑専ら穀物︑石炭︑鉱石︑木材等の大量貨物の運送をその使命とし
ているが︑帥めしたがら第十八世紀の不定期船は︑上述した大量貨物は勿論の乙と︑定期防の取扱商品たる雑貨類をも
運送していた(註
3 )
口とれは雑貨運送を専門とする定期胎が存在したかったことに閃る︒
斯して︑専門的海運業が成立して以来︑当八万の間は︑自己運送を除外すれば︑世界の海運外は不定期拾の独り舞台
と 化
し た
白 国際経済の発展に伴い︑不定期船の競争者として新しい経営形態の出現を見た︒それは定期治
ω 岳
民 各
)l 一定航路に於て規則的な航海予定計画に基づいて運航する船(註 丘
4 )
ーである︒
海運業が貿易業から令離独立する場合と同様に︑定期航海の成立に就ても二つの側面から考察がなされる︒定期航
海創設の必要性とその成立並に発民の可能性が乙れである口・経済社会の発展に伴い︑部分的に定期航海設置の必要性
が叫ばれようとも︑定期航海の成立及び持続を採算的に可能ならしめるようた種類及ぴ数量の貨物の出廻りが期待さ れなければ︑その希望も到底実現されるものではたく︑他方︑運送業者が︑不定期航海以上に︑定期航海の有利なる
ととを認識してこれを開始しようとしても︑経済社会が希望し友ければ︑画餅に帰する乙とは勿論である︒斯して︑
との必要性と可能性が共に政成した時に始めて︑定期航海の出現が期待されると言えるの
しからば︑定期航海を招来した原閃如何が課題となるが︑それは次の諸点に求めるととが出来る(註
5 )
( I )
定期航海発生の故も重要な前担条件は︑個品運送
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ω E p m B 長 m E O
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の出現 3
である︒海運が︑全部若しくは大部分傭船の形式︑即ち全始担供
ω 形式で行われる限り︑定期航海は全く発展し符な
いか︑或は小範囲に於てのみ発展し符るに過ぎたい︒
然したがら︑他方︑個品運送の出現は︑必十しも直ちに定期航海発生の条件となるとは限らたい︒個品運送は不定.
期航海に於ても亦取扱われ符ベく︑而して初期にあクては専らこの不定期航海に於て運送され︑同時に不定期船は︑
( ロ
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海運同盟に関する一研究
五
経 蛍 と 経 済
. . . . L
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、
運賃採算が有利であると見られる場所に向けて個品質物左目指す口たる程個口問運送の出現が定期航海の発生を始めて
︐可能たらしめたのであるが︑然し個品運送は必やしも絶対的に定期経営を必要とするものではなかクた口
( E ) 一定の前提条件の下に於ける佃品運送に対して定期経営を採用する乙とに依クて︑荷主並に船主は共に著し
い利益を符る口
定期航海は︑荷主に対して︑確定した出帆並に到着日時を有クた規則的な航海計画を提供するので︑荷主に対し︑
利子の損夫︑価格変動及び商品損傷の危険を減少せしめる︒
他而に於て︑乙れまで不定期航海に於てのみ佃品運送を取扱クていた船主にとクては︑定期航海への移行に依り︑
運送給付を相互に調和せしめ︑而してそれに依クて︑無効な時間と有効な時間との間の比率及び積荷をより良くせし
められた口定期航海への移行によクて︑乙れと共に︑船主は︑待主に経営の規則性(問︒向︒
‑ B M Z
巴 m
‑ 8 3
及び正確性
( 司
ロ ロ
W 2
W E
r o 伊丹)を提供する代償として︑上り高率の運賃を取得する可能性を与えられる白
( E ) 不定期航海に比較して完全ではあるが︑然し亦本質的に複雑であり︑従クてより多矧の費用を要する経営形
態を採る定期航海は︑それに対して充分なる経済的需要が存在する場合にのみ実行され得る︒
第十九世紀にあクては︑海外個品運送に於て斯様な大変革を主として賀した所の相互に条件づけるこクの事実が存 在した︒旧文明諸国│欧洲諸国
l に於ける輸出向け生産に当る大工業 ω
発生と︑乙れ等の工業製品に対して吸収可能 友新海外市場の開拓が乙れである口乙れ等の製品は︑一年を通じて︑生産され又需要されるから︑定期航海に対して
必要なる載荷の規則性を保証する︒
とれに反して︑旧文明諸国の海外生産物に対する需要の増加が︑海外佃品迩送の仲張に寄与する所は比較的少かク
た︒なんと怠れば︑乙の際には︑その運送は大抵牧穫後に大量に殺到し︑従クて規則的友運送を必要とせ宇︑他方︑
金船がそれで以て満載と怒る程多量
K 運送される農産原料品が優位を占めるからである︒それにも拘わら宇︑定期航
海が不定期航海の強化から拍車をかけられ︐たととは確である︒たんとたれば︑乙れ等の生産物中高価品︑就中コーヒ
ー︑茶︑煙草︑香料等の如き植民地商品は︑定期迎送が不定期運送に比較して乙れ等の商品に提供するより侵れた諸
利誌の為めに︑直ち忙定期運送の千に帰する︒而してその他の原料品は︑たとえ定期航海に依存するものではなくと
も︑定期航海の有する諸利誌を充八 T
認識しているから︑定期航海業は︑他の商品から要求されたい船腹を満すために
とれ等の原︑科を吸引するととが出来るからである白
(刊)貨物運送に於ける近代的定期航海の出現につき本質的存原因とたったと見られるとれ等の事情に加えて︑た
とえ定期航海の発生はとれを惹起しなくとも︑なおその発生を真に促進せしめた所の他の原因がある口
それは︑沼一に︑押しい海外旅有迎送︑就中移民運送の出現である口定期航海業が予て工りとれを目当とした乙とは
明白である n 川んろに︑旅咋刊一辺は︑代物迎栄以上に︑一定の出帆並に到着目時を有った杭海計画に価侃を置いている
からである︒他阿に於て︑定期杭小川浩は︑旅山行述送をその営業に加えるととに依って︑貨物運送業務に於ける万一の
欠損を柏町し︑期してその
m w h m
いを符済的たらしめる可能性を与えられた︒ V
同慌に︑郵便物の為めに規則的運送免創設する必要性も亦︑屡々︑定期航海の発生を促進した︒ゑんと放れば︑郵便
物の運送に於ては︑貨物運送に於ける工りも︑更に亦旅客運送に於ける工りも︑運送の規則性と正確性
τ どが決定的な
役制を演︑予るからである︒
(マ)定期航海の発展は︑補助金の交付に依つでも亦著しく促進される口新枕路が直ちに充令友牧誌を濁す程︑強
い川氏 ω 裕一民主初めから当てにし得るととは秘めて稀である︒斯様友事情の下では︑同家は屡々補助金を突付して︑
経授充当の為めに M M
助する︒なんと友れば︑同家も亦種々の理由から︑航路網の建設には大いに関心を懐いているか
らである︒先づ︑同家は︑明る方法に依って︑同家間の競争に於て︑自己の問民経済に工り有利友地歩を椛保し得る口
次に︑自国の営む定期杭海を有しない同の貿易は︑仲介業務の可能性泣﹁有す&他の諸国の貿易に従属せしめられる︒
とれに加えて︑何れの定期航海業も亦︑自閏の貿易の要求に対して︑外国の貿易の要ボに対じ︐て'止りも︑より大たる
考慮を払うのは同然である︒
( H ) 最後に︑蒸気力の採用も亦定期航海の発足に豆要な関係を有する
n
定期航海は︑蒸気力が使用される以前に
既にげにい発一民主辿っている︒従って︑蒸気航海への移行は定期航海の発生には何らの関係も有したかクたが︑然し猶
海運同盟に関する一研究
七
w m 仇 と 料 治
入
その拡張と発展には M M 刈げを及ぼし︑而して非常な拡張 K 完'成を遂げた近代的定期航海が示した様相は︑蒸気力の使用
友しには︑生く仰向山し符ないであろう︒注んとなれば︑帆船杭海は風と天候に依存し︑極めて限られた民総性と規則
性な法山内し符るに過ぎな h
クたからである︒規則的航海に蒸気力が導入されて始めて斯る事情は根本的に変革を兄
た︒今や︑唯設遠隔地に対してすら似尖な航海で奉仕し得るのみならや︑規則性及び一止敵性の程度に関しても亦定期
航海の給付はげしい完成を遂げた︒
掛川仰な経緯で︑近代的定期航海業は発生し且発展し︑定期航海は不定期航海を圧倒して一定範囲に於て独占的地位
を獲得するに至った︒
そ乙で定期航海業相互間の競争如何が次の課題となる口
実際︑近代的定期航海が成立してから最初の五十年間に於ける情勢は︑定期航海業内に於ては競争に立到るような
模様はなかクた(註
6 )
︒在んとなれば︑定期航海業出現後の最初の五十年に於ては︑概して︑各運送に対してせ
い A
¥ 唯一つの業者が存するに過ぎなかったからである︒定期航海に特に依存する貨物の規則的供給は︑海外貿易発
展の貧弱なる為めに︑余りにも少量であったので︑競争線を設立しても︑採算が合わなかったからである︒往時に於
ては︑海外航路の設立は︑実に有利な企業としてよりも︑寧ろ重要た共同経済的使命として叉母国への義務として宕
倣されていた︒実際︑イギリスは幾何かの支線航路網を有していた唯一の国であるが︑然したがらと L に 於 て す ら ︑
通例︑各運送に対して唯一つの企業が存するに過ぎ‑なかった︒而して犬陸に於て漸次海外定期航海業が発生を見た時
にも亦︑乙れは他の業者との競争を考慮にいれる必要は殆んどたかった︒思うに︑初期に於ては︑各港にはせい
A L
一業者が発生するに過ぎや︑その結果︑同一港の杭海業者間の競争は問題在宅なり得たかった口叉諸潜の業者間には
述べるに価するようた競争は︑個々の出帆港向け及びその相互間の鉄道並に胎舶運送が猶発達するととが余りにも貧
弱であクた為めに︑発展し得なかった︒斯して︑特に大陸定期航海部次の故初の十年間には︑イギリスの業者に対して
競争は殆んど全く存しもなかった︒思うに︑イギリスと 4 へ陸相互間の運送は︑猶その発展が貧弱であクたからである︒
そとで各業者は殆んど孤立状態に於て︑不定期航海に対して占める権勢の枠内で︑
来 た
︒
一方的に運賃を決定する乙とが出
然したがら︑個々の業者が︑往時に於て︑特定の運送に排他的に関与するととに基づいて所有する所の独占は︑そ
'の発展過程 ω
中に於て再び治滅するに至った︒斯る百に於ける決定的か変遷は︑第十九世紀の七十乃至八十年代に生 じた︒定期航海業の数が今や著しく増加し︑その結果︑唯一業者のみたら宇︑多数の業者が相並んで同一運送に従事
する︒更に︑安通機関︑殊に鉄道の一一回の発達に伴い︑各港の背後地の場所的隔離が亦漸次消失する︒各港の運送範
凶は実質的拡張を遂げる︒とれまで︑自己の運送領域を有っていた個々の大世界港及びそ乙の海運業者は︑相互に競
争に入るとと与なった︒
斯して︑個々の業者が︑一運送に於ける独占を有する場合は︑漸次稀有となった︒今日では︑斯様た場合は︑時折 世界海洋の傍道に於てのみ見得るに過ぎや︑その幹道に於ては︑殆んど到る所︑多数の業者が運送に関係している
0
.若し乙れ等の定期業者間の競争を自然的に自由に放任して置くならば︑その結果として︑その航路の運賃は過度
K
下落し︑ハ取思の場合には︑業者の共倒れと一一一口う事態の発生も想像に難くない n
そ乙で︑関係業者が︑独占を維持する
目的で︑何ら一かの適切た措置を議ぜんとするのは︑自然の趨勢である左一一一日わたければならたい︒
定期航海内部に於ける独占の形成は︑種々な方法で実行される(註
7 )
( I )
運送に於て︑一定期航海業がその経営を荷主の大部令が︑当該企業を頼りとする程︑拡張すること口
( E )
一定期航海業が︑他の同業者に依る運賃制定に対して決定的な影枠を及ぼす程︑競争業者に関与すること︒
(支配権獲得の場合)
( E )
競争関係にある業者が財政的に単一企業に合同するとと︒
との場合には︑次の二方法に依る︒
(イ)従来競争関係にあった企業が解散するとと︒ (融合の場合)
海運同盟に関する一研究
九
経 営 と 経 済
O
︿ロ)新しい一会社即ち支配会社が︑競争関係にある企業の株式の多数を獲符する乙と口!との場合には︑乙れ
等の企業は解散はしないけれども︑財政的た独立性を喪失する
i (
T ラストの場合)
︿日)一企業に対して︑他の企業が対抗し若しくはとれと並んで地位を保特するととが出来ない程︑その企業の牧
治能力を有利たらしめる制助金を安付するとと︒
︿ V
)
競争関係にある企業が︑その独立性を廃棄することたく︑契約に依り︑市場の独占的支配を目的として︑結
合するとと︒(カルテルの場合﹀
斯の如く︑独占を形成する方法は︑種々あるけれども︑少数の例外を除けば︑今日まで︑定期航海に於ける独占は
カルテルの形式に依クて樹立されていると一一一日クても差支え友い口
( E )
カ
ノ v
‑ 7
ノ v
般
海運同却は︑海運経営上の一種独特のカルテル形態であると見る乙とが出来る︒そとで次には︑カルテル'一般に就
て検討する乙とにしよう︒
カルテルとは︑単に法律的のみもなら宇︑経済的にも亦︑独立を保持した企業或は経済主体若しくはそれ等の団体の
同盟!相互の競争の排除若しくは制限を目的として︑市場競争者の決定的多数を合行 l を一言い(註 8 ) ︑或は亦︑自
由な協定若しくは市場の独占的支配左目的とする独立性を有クた同種企業相互間の結合を意味する︒(註
9 )
以下カルテルの本質を︑乙れど類似する諸形態の主要なものと対照し︑ながら究明し工う︒(註叩)
カルテルは︑独占的目的を有する企業者同盟
( d E 2
ロ 各
自 己
J 1 2 g
口 弘
) で
あ る
︒
カルテルを通じて独占的作用を及ぼし得る可能性は︑当該市川切に於て競争する企業者の大部八刀が協定を締結した時
のみ︑存在する口経験に依れぼ︑通例︑関係企業者の略々四八 γ の三が参加しなければなら友い︒
カルテル類似形態として同業組合
q R F b E R 図 ︒ 円 正 2 当 0 E )
なるものがある口乙れは︑唯間接的に︑煽勤︑詰
願及び同様な手段に訴えて︑関係営業部門の経済的状態を一一回改善ぜんと試み︑若しくは︑一般に︑共同利益の促進に
役立たんとする組織である︒
出来符る限り関係経済主体を包含する乙とを必要とする点に於て︑カルテルはこの同業組合と具なる︒
カルテルは︑例えば︑販売条件に関する協定︑専門化の椋準︑原料の共同購入或は共同販売所若しくは代理局の設置︑
このようた目的に関する協定を追及する非独占的な企業者同盟(ロ宵宮
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口 弘
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とも著しく追う︒乙れは︑一定の面で︑その梢成員の経済的活動を規制し叉制限するから︑なる程同盟ではあるが︑
然しながら独占的目的を追及しないから一︑独占的同盟即ちカルテルでは・ないの従クて斯様た同盟は関係営業部門の会
出成員を包含することを要せ十︑唯それ等の若干の間に於でさえ︑締結され得る白例えば︑同一営業部門中の若干の業
者が材料の共同購入︑共同販売︑生産の共同経営条件︑専門化並に椋準化に就て協定する︒乙れに対して︑カルテル は︑共同の独占的目的に関して︑その措成員の経済的活動を制限し︑従クて自由た価格決定権︑随意の生産若しくは
供給権を有し︑以て外部に対し全営業の総括を実行するものである︒
次にカルテルは︑各企業の独立性を完全に廃楽する所まで至っていない︒乙れ亦カルテルの本質のー一クと看倣され
る︒従クてカルテルは︑企業が他の企業へ融合して︑従来の所有者がその所有権を完全に喪失する所謂フュージョン
( 内 5
ロ)︑特に︑同一営業部門の企業者若しくはその大部分が単一企業に合同し︑これまでの個別的企業の独立性 E
が完全に停止する独占的ブユ 1
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Y とも同一でたい口
カルテルと屡々対比される形態に T
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( 5 円)怒るものがある口 T 可
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T は︑独占的コシヅエルシ(問︒ロ
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!人えは︑多数企業の財政的総括をコ γ ツエルンと称する口!と解せられる︒
独占的目的を故も重視する点に於て︑
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t とカルテルとは共通性を有する︒従クて T
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T
は︑麗々の点に於 て︑カルテルの発展形態として把握する乙とも出来る口然したがらfラス?とカルテルとは決して同一なものではな
く︑否そ乙には確然たる相具点が厳存する︒
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ス
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は︑企業の財政的総括であり︑従クて︑との場合には︑各企業 はその独立性主夫い︑単一の共同企業
1 ・営利企業即ち会社 i に移行する︒その限りに於て︑ T
ラス}は︑純粋に契約
的のカルテル形態よりも一一回緊絡な結合である︒
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経 営 と 経 済
( E )
海 運 同 盟 の 意 義 と そ の 締 結 の 理 由
以上に於てカルテル一般に関する特質に就て論究したのであるが︑次には︑カルテル形態の一種である海運同盟主
直提研究対象台して採上げることにしよう口
海運同盟
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︒ 含 門 ∞ 岳 山 片 山 岳 立 件 ︒ ロ 向
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とは︑白由怒る競争を制限する目的を有った︑.独立
性を保ク海運業者相互間の協定であると一寸一口い(註日)︑或は特定の一航路恭しくは数航路に於ける運送上の競争を規制
若しくは机限する為めに形成された多少とも秘統的な海運業者の結合であると定義さ m
て い
る (
註 ロ
) ︒
定期航海業内部にが︑ける独占の完全なる実現はカルテル形成に活保される︒カルテルは︑競争の制限涜しくは排除
に依って︑カルテル形成者の経済的地位を維持し︑改北口する乙とを目的としているが︑とれは︑他の凡てのカルテル
に就てと同様に︑海運同盟にも勿論妥当する口
海速にが︑ては︑他の企業に於けるよりも︑逸早く又大規模にカルテルが形成された︒それは︑他の何れの企業に於
ても︑現代の海運に於ける程︑競争が自由に発生する乙とは不可能であるからである︒その原凶は次の諸点に求める
乙とが出来る口(註日)
( I
)
海路の特質!海路の利用は各企業者に経営上詐されて b り︑旦法律上出入自由である!と近代的自由主義海
運政策の原則 l
全世界の港を均等な条件で凡ての国家の船舶に開放する!とに依り︑その結果︑競争の起り符べき範
岡は原則的に無制限である︒
( E )
海巡業の新設立には比較的少額の浜本を要するに過ぎや y ︑又例えば新しい鉄道の建設 l 一般に︑予め股将官
庁の認可を必要とし︑而して単に車輔が調達されるべきのみならや︑就中亦︑停車場と軌道が建設されねばならない
ーよりも︑それは逢に容易且迅速に可能︑なる乙とに依クて︑海運に於ける競争は︑特に激化される︒
( E )
海運に於ける競争は︑乙 λ に於ては︑運送原価の低廉化を苅す技術的発達が前世紀の後半期 K 特に著しく︑
叉特に迅速に続発したことに依って︑特別に活設となり︑斯して︑運賃は継続的に下落し︑競争は不断に尖鋭化した︒
( 阻 )
海 運 同 盟 と 定 期 並 に 不 定 期 航 海
海運同盟たるものは︑定期航海独特のものであろうか︒
海運同盟の必要性は唯定期航海にとクてのみたら守︑不定期航海にとクても亦︑認識され︑後者に就ては特に然り と言える︒たんとなれば︑不定期航海は︑或る関係に於ては︑定期航海以上に強力危競争を考慮しなければならたい からである︒定期航海業者は︑少くとも︑その運送の大部介に就ては︑唯他の定期航海業者の競争のみを考慮じ而も 同一の運送領域に配船する定期航海業者に限られ︑不定期航海業者の競争を顧癒するを要したいが︑不定期航海業者 は︑唯当該航路に活動する定期航海業者
ω 競争に止まら宇︑金不定期世界商船隊の競争にも亦曝されている︒乙れに
加えて︑不定期航海に於ては︑新企業の設立は︑殊に同企業の院本需要の僅少たるに閃り︑定期航海に於けるよりも︑
遣に容易である︒従クて︑不定期航海に於ては︑定期航海に於けるよりも︑工り早く︑少くとも同程度に︑カルテル
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