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法 定 監 査 と 監 査 人 の 独 立 性

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(1)

法 定 監 査 と 監 査 人 の 独 立 性 平

日         次

一 ︑

内 部

監 査

の 本

二︑外部監査の必要性

三︑法定監査に於ける監査人の独立性

四︑監査人の指導的機能の開顧

二 内部監査 の本質

凡そ監査はもともと企業の主人がその使用人に会計事務を委任した場合に於て︑その会計担当者のなした会計処理

の適否を確かめることに発生したものである︒主人自身ですべてを行う所謂ワンマン・ビジネスでは監査は必要では

ない︒業啓重の増大に伴い︑その一部叉は大部分を使用人に委任せざるを得なくなる︒常時面も直接的に﹁眼と耳に

よる﹂管盤が行われるところでもその要はないが︑企業が大規模になり︑その業務組織が複雑化すると︑権限の委譲

が広範囲に行われざるを得ない︒

業務権限の受任者より業務執行結果の報告を受け︑この報告内容の真実性と適否を監査することによって委任業務

は 完

結 し

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法定監査と監査人の独立性

一 四 一

(2)

経 営 と 経 揖

会計制度の複雑化に従い︑その監査も叉専門的な学識及び技術を要することとなり︑監査業務を担当する別個の係

を設け︑監査の権限を之に委任せざるを得なくなる︒私は之を経営内部監査と称す︒

更に叉︑企業の犬規模化は︑多数の者の資本を集中することを要し︑株式会社制度の出現を必然化したのである

が︑出資者集団たる株主総会は企業の経営を取締役に委任すると共に︑毎事業年度の営業成績等を財務諸表にまとめ

て報告せしめるが︑この報告内容の真実妥当性を監査するために︑監査役を選任し︑監査業務を之に委任する訳であ

る︒この監査役の監査も︑企業資本の出資者であり︑企業の所有者たる株主がその経営業務を包括的に取締役に委任

したことを完結するところの監査であるから︑経営内部監査と同じく内部監査であるが︑私は之を前者と区別するた

め企業内部監査と呼ぶことにしたい︒

即ち私は内部監査を権限委譲のしめくくりとしての監査︑権限を委任した者の行う監査︑或は委任者のために行わ

れる監査と考える︒従って委任者自身が行おうが︑監査課とか監査役とかの機関を設けて行おうが︑叉臨時的に外部

の専門家に之を依頼して行おうが︑内部監査の本質には変りはない︒

従って内部監査においては︑監査人は監査権者たる業務権限の委任者に従属し︑その監査権限を代行するわけであ

るから︑監査人の独立性は業務権限を委譲された受任者たる会計過当者に対する独立性をさすことは明らかなことで

あり︑監査の依頼者からの独立性は何らその必要がない︒

然し乍ら内部監査人の独立性についても︑諸種の問題がある︒経営内部監査に於ては監査人たる監査課職員が被監

査者たる会計担当者と同じ会社内の同僚であるという点に問題の根源があり︑叉企業内部監査人たる監査役について

は ︑

最近論議の的である監査能力の問題や外部監査人たる会計士監査との調整問題については考察すべき点が多い

が︑独立性の問題に限っても︑取締役とは別個に選出され形式上は一応独立性が維持されているが︑その実情は取締

(3)

役と共に所謂重役陣を構成し帽も取締役の支臨下にあるのが一破的である︒これら内部監査人の独立性の問題につい

ては本稿の主題ではないので︑ その考察を別の機会に譲りたいと思う︒

一 一

外 部 監 査

の 必

要 性

凡そ会計に関する報告のあるところ︑その報告内容の真実性を立証する手段としての監査が必要である︒近代資本

主義社会に於ける私企業に於ては︑内部的会計責任とそれを明確にするための内部監査以外に︑

て︑その会計を報告する義務なきゃ否や︑従って外部的監査の必要なきゃ否や︒ 企業の外部に対し

債権者保護の立場からする商法の規定即ち商法第二八三条第二項には﹁取締役は貸借対照表を公告することを要

す﹂と規定し︑叉法人税法その他の税法は申告納税制度を採用すると共に︑税務の申告に対する税務当局の調査の権

限を保有しておることは勿論であるが︑証券資本主義と云われる現代経済社会に於ては︑資本集中の方法として株式

制度をもち︑一向も株式の自由流通により資本投下をしていよいよ広範囲に叉容易にしている︒この証券の発行と流通

こそ︑現代経済社会に於ける企業の成立と活動の基本的前提である︒普通の商品と同じく株式は絶えず売買され︑今

日の株主は必ずしす明日の株主ではなく︑今日はその会社と無関係の者が明日は株主となるわけである︒企業とこの

様な関係にある所調投資者層︑投資大衆の存在こそ証券資本主義社会の特徴であり基盤でもある︒この様な投資大衆

がその投資活動を実行し特定の企業の株式を取得するかどうかの判断の最も重要な資料は結局企業の発表する財務諸

表に他ならない︒然し之については現実として︑各個の投資者がその投資活動を財務諸表により判断していることは

殆んど稀であるとの反論がなされるが︑証券業者その他専門家の判断を通じて︑或はか L る判断の集積の結果たる株

価の変動を通じて間接的にその判断が企業の財務諸表につながっていることは納得されるものと思う︒

法定監査と監査人の独立性

(4)

経 営 と 経 済

一 四

ところで債権者は債権者としての権限にもとづき財務諸表の公正妥当性を監査し︑徴税者は文その権限に基いて別

途に調査をなしている︒然し乍ら︑投資大衆については︑投資活動の判断の基礎である財務諸表が果して真実なもの

であるかどうかについて監査をなすいかなる権限も存在しない︒真実ならざる財務諸表を基礎にした判断が︑投資者

に多大の損害を及ぼした例は枚挙にいとまないが︑かくては財務諸表に対する一般の信頼を失い︑企業会計が信頼さ

れない社会に於ては︑その基盤たる証券の発行及び流通に円滑さを欠き従って資本主義的国民経済の適切な運営や発

展は期待できないのみならず︑ひいてはか L る社会制度そのものの崩壊さえ危ぐされるのである︒

か t ふる見地より国民経済の適切な運営及び投資者の保護に資するため有価証券の発行及び売買その他の取引を公正

ならしめ︑且つ有価証券の流通を円滑ならしめることを目的として︑証券取引法が制定され︑有価証券の届出制度及

び報告制度を規定し︑ E つ之ら届出報告書類に添付される財務諸表について︑公認会計士の監査を要するものとした

のである︒この証券取引法に基づく公認会計士の監査を法定監査と呼んで昭和二十六年七月から実施され︑当初に於

ける制限的な数次の段階をへて︑昭和三十二年よりいよいよ正規の監査が行われることになったのである︒

一 一

法定監査に於ける監査人の独立性

凡そ監査は独立性ある監査人により公正に行われるのでなければその意義を有しない︒監査人が監査を受ける者と

特別な利害関係があったり︑或は特別な意図を以て監査に臨んでは︑監査の結果に対する一般の信頼は得られない︒

実に監査人の独立性こそ監査の基本的前提条件である︒

法定監査は内部監査の如く︑企業内部に於ける権限の委譲者がそのしめくくりとして行うものでもなく︑経営者の

命をうけ経営者のために行うものでもなく︑叉株主により委任され︑株主のために行う監査でもない︒実は特定の依

頼者のない︑投資大衆という現代資本主義社会に於ける集団の利害を保護するため︑更には︑証券の発行と流通を円

(5)

滑ならしめ︑資本主義社会制度の基礎を確保するための社会的な監査制度であるという点に於て本質的特徴を有する

ものである︒従ってか L る法定監査に於ける監査人たる公認会計士の独立性は被監査者たる企業よりの独立性でなけ

ればならない︒取締役及び株主からの独立性でなければならない.

監査基準の一校基準第一に﹁企業が発表する財務諸友の監査は︑監査人として適当な専門的能力と実務経験を有 し︑且つ当該企業に対して特別の利害関係のない者によって行わなければならない︒﹂第二に﹁監査人は事実の認

定︑処理の判断及び意見の表明を行うに当って常に公正不偏の態度を保持しなければならない﹂と規定しておる︒第

一を経済的独立性︑第二を精神的独立性或は判断の独立性と呼んでいる︒この二者のうち何れがより基本的であるか

については︑意見が分れている︒この点について経団連の内山氏は﹁独立性というものは︑経済的独立性と判断の独

立性にわかれるけれども︑その根本はやはり判断の独立性があればい L のであって︑経済的独立性が必要だというの

は︑判断の独立性を確保する手段として必要だ﹂と云い︑黒沢教授も

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本 的

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は︑判断の独立性であって︑どういう利害関係があろうと︑ その判断の独立性さえ確保できれば差支えない﹂と云っ

て お

る ︒

処が私はこの関係は全く逆だと考える︒即ち被監査会社と何らの経済的利害関係のない監査人にして始めて︑公正

妥当な監査を行いうるのであって︑特に法定監査が社会的制度であるが故に︑制度的に或は客観的に監査人の独立性

が立証できるものでなければならない︒被監査会社と特別な利害関係があるが︑然し公正な監査を行ったと如何に強

調しても︑それは監査人の自己証明にしか過ぎない︒被監査会社と特別な利害関係がないことが監査人としての第一

要件であるが︑この経済的独立性があれば常に公正な監査が行われるとは限らないので︑その上に判断の独立性を念

のため置くことによって独立性を完全ならしめているものである︒経済的独立性の基盤の上に判断の独立性︑精神的

法 定

監 査

と 監

査 人

の 独

立 性

一 四

(6)

経 営 と 経 済

一 四

六 独立性が期待でき︑叉要求できるものと考える︒

さて︑か

t A

る 経 済 的 独 立 性 の 条 件 も 色 々 と 考 え ら れ る が

︑ 要 す る に 監 査 人 が 被 監 査 会 社 と の 聞 に 特 別 な 利 害 関 係 を も た な い こ と で あ る か ら

︑ そ の 特 別 な 関 係 の 範 囲 を ど こ に お く か に よ っ て 広 く も 狭 く も 規 定 で き る 訳 で あ る

︒ 具 体 的 には公認会計士法第二十四条及び証券取引法第一九三条の二に規定し︑更に之らを‑つけて︑財務諸表の監査証明に関 する省令第二条に於て細かに定めている︒

財務詰表の監査証明に関する省令

法第一九三条の二第一項に規定する特別の利害関係とは︑次の各号の一に該当する関係をいう︒

公認会計士が監査証明を受けなければならない法人(被監査会社﹀との聞に有する公認会計士法第二十四条に規定する関係

公認会計士又はその配偶者が監査契約締結の白から当該監査に係る監査報告書の作成の日までの間(監査期間)に被監査会

桂の額面株式を一万株(券面額が五十円でない株式については︑

する︒)以上所有する場合 第二条

一万株に五十を乗じて当該株式の券面額で除して得た株式数と

公認会計士又はその配偶者が監査期間内に被監査会社の社債を券面総額百万円以上所有する場合

公認会計士又はその配偶者が監査期間内に被監査会社に対し︑当該公認会計士叉は当該配偶者の財産の状況に照し多額の債

権又は債務を有する場合(財産の額のおおむね三割以上に相当する額の債権叉は債務をいうものとする U

五公認会計士又はその配偶者が監査期間内に被監査会社から無償若しくは著しく低い対価で(通常の取引価格のおおむね五割

以下の対価)事務所若しくは資金の提供を受けること叉は顧問掛︑謝礼金その他名儀のいかんを問わず継続的な報酬(公認会計

士の業務に関する報酬を除く︒)を受けること等により経治上の特別の利益の供与を受けている場合

六公認︽計士の二親等以内の親族︑当該公認会計士が被監査会社について行う監査に補助者として従事する者叉は当該公認会

計士との聞に前号に掲げる関係を有する者が当該被監査会社と前各号に掲げる関係に準ずる関係にあると大蔵大臣が認めた場合

(7)

℃ 

その他前各号に準ずる関係で大蔵大臣が特別の利害関係を有するものと認めた場合

公認会計士法

第二十四条公認会計士は︑財務書類のうち︑左の各号の一に該当するものについては︑監査又は証明をなす業務を行ってはなら

なし て公認会計士叉はその配偶者が︑役員︑叉はこれに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり︑文は過去

一年以内にこれらの者であった失社その他の日体の財務書類

二︑公認会計士がその使用人であり︑叉過去一年以内に使用人であったん一一社その他の者︑その他公認全計士が著しい利害関係を

有し︑叉は過去一年以内に著しい利害関係を有した会社その他の者の財務書類

‑乙国家公務員若しくは地方公務員又はこれらの職にあった者は︑その在職中叉は退職後二年間は︑その在職し︑叉は退職前二

年間に在職していた職と職務上密接な関係にある営利企業の財務について監査又は‑証明の業務を行つてはならない︒

監査人の被監査会社からの経済的独立性について︑その範囲をいくら事こまかに規定しても現行の制度に於ては︑

何か一本重要な基礎的なものが欠けているのではないかと考える︒

それは︑監査の依頼者が被監査会社側であり︑監査人の選定が企業の経営者によって行われ︑

従って叉報酬たる監

査料が企業から監査人に直接支払われる点である︒

この様な制度の下で果して社会的な監査制度としての法定監査が真に公正に行われるであろうか︒被監査側は一般 に形式的な監査を期待するが故に何かの縁故をもとめてその意図に副うが如き監査人を見出さんとし︑会計処理の公

正ならざる企業粉飾された財務諸表を作成し︑ 一 時 を 糊 塗 し ︑

投資者をぎまんせんとたくらむ経営者ほどこの要求は

激烈であり頑強である︒

法定監査と監査人の独立性

一 四

(8)

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監査契約状況

監当査り責契約任者会社一数人 I  /  2  3  4  5  6  7  8  ヲ I  1 川向上│ 計 監査責任者数 136  5 1.f.  32  31  21  ヲ 7  5  /  10  2  308  I 

会社数(延総数〉 136  108  96  12 1.f.  105  5 1.f.  1.f. 9  1.f. 0  ヲ 132  5 1.f.  907  会う社ち数 単独契約 128  99  85  //0  96  51  35  38  ヲ 79  39  769  会う社ち共数 同契約 8  ヲ //  I I.f.  ヲ 3  I I.f.  2  。 53  15  138 

注) 1. この調査は昭和 30 年末現在の被監査会社 865 社のうち,契約状況不明の 27 社を除く 838 社につき実施したものである。 単独契約会社数 769 と共同契約会社数 138 の二分のーを加えると,調査対象 838 社となる。 2. 昭和 30 年末の公認会計数は,朗らかでないが,昭和 31 年末現在の登録者は 1 , /67 名である。これから監査責任者 308 名

を波じた 859 名は,監査補助者か監査を担当しない者となるが,補助者としての公認会計士は 15/ 名であるので,監査 を担当しない公認会計士は 708 名である。

会.A ~~手馬記終\-'創鮒 -<~t{ð~ 穏佃 ñliñ~~ 震以議\-'~写 ÜI~Q~ 講指先 l摸心制綱領:rij必 j鎚~~キ J ...  ミ..lJ ...)'制矧‑<..lJ穏品目矧

(9)

会社の双方相携えて経済的独立性の規定をして益々細かにせざるを得なくしている︒厳格な監査人は忌避され︑場合

によっては次回から解任されるが如き機運の下に於て︑どうして判断の独立性を期待することが出来ようか︒監査人

の自覚をいかに強調しても︑その基盤としての制度にゆるみがあっては︑単なる空虚な精神主義にだしてしまうのは

明 ら か で あ る ︒

従って私は法定監査に於ける監査人の経済的独立性吐確保するための前提として︑特定企業の監査人の選定を企業

の自由に委ねることなく︑之を公的な機関に於て選定すること L し監査料も︑この公的な機関に支払うが如き制度に

改正することを提案するものである︒

そしてこの公的な機関としては只今のところ公認会計士協会を考えておるが︑その場合の同協会の運営方法及び協

会と監査人たる公認会計士との関係などに相当の問題があることを意識しておるので︑その点の考察を次稿に予定し

て い

る ︒

現行法定監査制度の改正即ち監査人の選定権を例えば公認会計士協会に委ね︑且つ監査料を同協会に支払うが如き

制度に改正する私見に対する賛否の意見を会計学者︑公認会計士︑被監査会社関係者各二十名を選び照会したところ

次の如き回答を得たので︑次表の如き結果を得た︒この問題に就いての各界の考え方の一斑をうかどい得られると思

う の

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る ︒

法定監査と監査人の独立位

一 四

(10)

経 営 と 経 済

一 五

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四︑監査人の指導的機能の問題

次にこの監査人の独立性に附随して問題とすべきことは︑法定監査に於ける監査人たる公認会計士は︑会社の経理

顧問として指導的機能をもつべきであるか否かの点である︒ 大蔵省庭山経済課長は︑財務諸表の監査証明に関する

省令の制定に際して﹁監査は批判的機能と指導的機能の二つの機能をもっているが︑批判的機能は︑いわば

BH

伝家の

宝刀

BH

であって︑伝家の宝刀は屡々使用しないところ旧その尊さがあるのである︒公認会計士は会社側と協力して︑

その会社の会計処理が適正になされるように指導し助言を与えなければならない︒監査人は助言者なのである︒﹂と

説 明 し て い る ︒

監査と監査人の性格をこの様に考えることは︑我々が以上考察して来た監査人の独立性を極めてあいまいなものに

引き戻す危険がある︒私見によれば︑証券取引法による法定監査は特にその本質よりして批判的機能をもつものであ

(11)

り︑指導的機能とは全く別個のものである︒この場合︑批判的機能とは︑被監査会社の会計︑その総合的表現として

の財務諸表が公正妥当であるか否かを監査し︑正しきは正しと︑妥当ならざるは妥当ならずと︑監査人の意見を表明

することであり︑必ずしも虚偽粉飾を摘発することを意味しない︒勿論監査実施の過程に於て不適正な会計処理を発

叉必要でもあるが︑ 一般的に監査に指導助言の機酔

法定監査の本質的機能と監査人の独立性を侵害する結果になると考えざるを得ない︒会社が常に

その会計処理を監査人に相談し︑その指示を仰ぐことは︑実質的にはその監査人が会社の会計を代行することとな

り︑後あらためて監査を実施したとしても︑それは所謂自己監査に等しく︑法定監査の本質を全く有しないものに質 見した場合は︑これを修正するよう指導することはあり得るし︑ をもたせることは︑

的変化をとげる訳である︒叉一方︑継続的指導が行われることにより顧問料的なものが授受されることとなり︑之は

監査人の経済的独立性の要件に抵触すること L

な る

公正なる監査が継続的に実施されて行くことにより︑間接的に企業の会計が改善され︑適正化されるという結果的

な効果をこそ期待さるべきであって︑監査人が企業と不離不即の関係にあって直接に助言し︑指導することは外部監

査の本質からしても︑叉監査人の独立性からしても之をさけなければならないと考える︒昭和三十一日平二月に法制審

議会に︑大蔵省案として提出された﹁監査役監査と公認会計士監査との調整に関する要綱案﹂に於て﹁公認会計士

は︑三年以上継続して同一会社の計算書類について監査証明をなすことができないものとすること︒﹂とあるのも監

査契約が同一監査人に長期にわたって継続した場合︑以上述べた如きその企業の会計に対する公認会計士の直接的指

導助言が拡大強化されることによって︑その会計士の監査が実質的には自己監査に質的変化をなし︑法定監査の本質

を失うようになるであろうことを念頭においているものと考えられる︒然るにこの要綱案は経団連の強い反対の気運

におさえられ只今のところ法案として立法措置を講ずることは見合せられることになった︒従って現行制度のま L で

法 定 監 査 と 監 査 人 の 独 立 性

一 五

(12)

経 蛍 と 経 済

一 五

直規の監査に移るわけであるから︑ 法定監査に於ける公認会計士の直接的指導的機能を強調することは深くつ与しま

るべきものであると考える︒

参考文献

一︑監査基準

二︑財務諸表の監査証明に関する省令

三︑江村稔著﹁正規の監査業務﹂

四︑渡部義雄著﹁強制監査と受入態勢﹂

五 ︑

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﹀ 2258 件

コ出規の監査と会計士の独立性﹂

( 座

談 会

一九五七年三月号﹁企業会計﹂

九︑庭山慶一郎﹁財務諸表の監査証明に関する省令の制定に際して﹂ 一九五七年五月号﹁企業会計﹂

参照