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最適成長径路について

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(1)

最適成長径路について ワ5

最適成長径路について

児 玉 元 平

1

 経済問題はこれを静学的に解釈すれば,或る時点またわ或る期間にあける競合的諸用途 間の資源配分の問題である。数学的に表現するど,あたえられた目的関数を極大または極 小ならしめるような変数の選択問題である。一般的に最適化問題と定義される。

 経済問題はこれを動学的に解釈すれば,最初の時点または期間から最終の時点または期 間にわたる時間的間隔の競争的諸目的,諸用途間の稀少資源配分の問題と定義できるであ ろう。動学的体系では,最初の状態があたえられるならば,一意的な時間的発展を決定す る連鎖が存在する。最近ではこのような動学的な最適計画についてコントロール理論と称 せられるべきものが展開されている。

      (1}

 ところで,この動学的体系は,一時点または期間では動学的制約条件にしたがう state variablesとよばれる変数の集合によって描写され,また,このような変数に影響をあた えるcontrol variablesとよばれる変数の時間的径路の選択が問題となる。即ち,体系は 適当なコントロール変数の選択によって,規定された可能な時間的運動を遂行するように 動学的に計画される。コントロール変数にたいする時間的径路の選択は,その体系の状態 を描写するstate variablesの時間的径路を含んでおり,これらの変数の時問的径路に 依存する目的関数を極大,極小ならしめるようなコントロール変数の時間的径路の選択が 問題となる。これは,一般的に動学的最適化計画の問題である。われわれはこの小論でこ のような動学的最適化計画やコントロール理論の詳細について言及しないであろう。ここ では新古典派的な成長モデルに関連した若干の問題に使用される分析ツールについてその 解説的要約を試みにとどめるであろう。

2

 経済発展に関連した最適化理論の最も古典的なモデルはラムゼイモデルである。ラムゼ イは,消費の関数としての効用の極大を至福(Bliss)の状態と同一視することによって,

最適貯蓄率決定のきわめて簡単なルールをあたえた。その後,ティンバーゲンは,同じく       (2)

効用関数を仮定してラムゼイ分析とは異なった手法で,より一般的な効用極大化的な貯蓄 率決定のモデルを提示した。:最適貯蓄率決定の問題は,きわめて価値判断的な要素を含む        (3)

時間選好の問題であり,また,その仮定される効用関数自体がいろいろな観点から批判に

さらされる余地を多分に含むものである。しかし,ティンバーゲンのモデルは,幾多の制

(2)

約をもちながらもこの問題に対する前進的な基盤をあたえたという意味で優れた開拓的研 究であった。ティンバーゲンモデルのごとく効用関数を仮定することなく,投資の生産力 的側面から最適貯蓄率を求めようとしたものにホーバットの研究がある。

       (4)

 ティンバーゲンでは効用は消費の増加関数であり,その限界効用は逓減的と仮定されて いる。さらに,ティンバーゲンは,将来消費を割引するモデルと割引しないモデルを提示 しているが,彼が将来消費を割引しない根拠はつぎの文章で示されているみ「将来消費を 割引しないことはつぎのような確信にもとづいてなされた。即ち,一国の計画にとっては,

将来の世代も,現代の世界も同じよように価値評価せらるべきである。この哲学によれ ば,個々人の計画にとっては割引は現実的であるかもしれないが,一国の計画にとっては 必ずしも現実的であるとはかぎらない。」適最貯蓄率決定の問題に時聞割引の要因を導入        (5)

することの可否については意見の対立がある。

      (6)

 ここでは効用は消費の関数と仮定するが,時間的割引要素を導入しないでおこう。また 技術的変化を無視する。また,人肉をP,労働をしで示すが,労働参加率を1としてP−

しと仮定する。一人当りの消費は。−C/しで示される。効用関数は,

      (7)

     u−u(c)      (1>

この関数はつぎの性質をもつ。

     豊暑〉・,豊<・       (2)

いま,計画目的が効用の極大化にあるとすれば,資本蓄積の出発時点t−oと最終時点 t−Tにわたる効用の合計について,

     t=T

      Σu[c(t)]△t−J(k)max      (3)

     t=0

ここではk一:K/しである。(3)式をみたす資本蓄積の時間的径路の選択が問題となる。

 生産関数は一次の同次と仮定して

     Y−F(K,L)      (4)

y=Y/しとおくと,

     y=f(k)       (5)

この関数では,

     霊一〉。,誰〈・       (6)

一人当りの消費は,

       dK

       dt      (7>

     c−f(k)一        L

(7)式はさらに,

       dK  1

      ・k      (8)

     c−f(k)一

      dt K

(3)

 最適成長径路について       77

また,資本労働比率の増加率は,

     町長一一誓長一薯髭      (9)

労働人口の成長率を9とおいて,

     豊二一薯一長一9      (1①

(8)は,

     ・一f(k)一壽一gk       (11)

となる。ここで境界条件がおかれる。出発点における資本労働比率をk(0)一k。とおこ う。さらに最終時点における資本労働比率をk(T)=kTとおく。そこで問題の形式は,

この境界条件と,

(3)の目的関数を連続形式にして       T

     J(k)一∫u(・)dt      (12

         t=0

と(11)によって表現される。いま,オイラーによって展開された公式によってこの問題を解 く。問題の形式をさらにつぎのごとく示そう。

      T

     J(k)一∫Fdt・m・x      ㈲

         t=O

     F−u(c)       (1の

      dk

      −gk       (15>

     c−f(k)一       dt 上の式より,

     F−u[f(k)一二一gk]      (16)

限界効用は,効用関数より,

      du   ノ

       (17)

        ≡u       dc

(16)をkについて微分して,

     Fk=u [f (k)一9]       (18>

      

(16》をdk/dtについて微分して, (dk/dt≡kとおく。)

     F長一u [一1]=一u       (1窃

さらに(19)より,

     dF k    duノ      (2〔》

      dt −  dt

そして,オイラーの方程式は,

(4)

       て21>

        dF藍      Fk一一

       =O          dt であるから,

     廿[f・(k)一9]+蕃一Q      ⑫2)

     讐畜一一[f (k)一9]      (23

f (k)は生産関数によって資本の限界生産物を示すから,これを利子率rで示すと,

     窪 ナー《・一9)       e4)

最:適な成長径路の必要条件は,限界効用の低落率が利子率と労働人口の成長率との差にひ としい率であるように資本蓄積と消費とが連続的に調節されることである。

 最適計画を位相図で示して見よう。二つの微分方程式を示す。

     dk

       =f(k)一gk−c(uノ)       (25)

     dt

     器一一u [f・(k)一9]       (26)

限界効用は。の関数であるから,逆関数を求めて(25!の。(u )をうる。いま(25)の全微分を 零とおくと,

     fノ(k)dk−gdk−c (uノ)du!=0       (2り

     [f (k)一9]dk−cノ(u )duノ;O       (28)

     器こf湿ろ剖       (29)

cノ iUノ)<0である。そこでkが非常に小さくr>9であると(25>のisokinesは右下りであ る。反対に,kが非常に大でr<9であると右上りとなる。そこで曲線はr−9となるk       dk

      =0の曲線のみを考えると,c (u )〈Oであるからuノ で最:低点をもつU字型となる。

      dt が上昇的であると」畿は塀する.

そこで,dk/dt=0の曲線より上の領域ではdk/dtは正である。これを+の記号で示す。

反対にdk/dt−0曲線の下の領域ではdk/dtは負である。これを一の記号で示す。 du /dt

=0のisokineは〔26>で見出される。消費の限界効用はr−9が成立するkで定常的であ

る。そこでこのkの値で重直線となる。このkの値より大であるとr<9,du /dt>Oで

あり,このkの値より大であるとr>9,そこでduノ/dt〈0となる。そこでdk/dt−O

線とdu /dt−0線の二つの線は位相図を四つの象限に分割する。4の象限ではu とkは

共に減少的で2の象限では共に上昇的である。ユと3の象限ではuノとkとは反対の方向

にうごく。E点における均衡は鞍点均衡である。1と3の象限で矢印がE点に向けられた

径路にそうたu とkの動きのみが経済をして終極的にE点に達せしめる。それ以外の運

動はすべて経済をして上に発散せしめるか(2の象限),下に発散せしめる(4の象限)。

(5)

最適成長径路について ワ9

0

幾・・

E

τδ亀〇 4絶

十 一

第 1 図

ところで,第1図では⑳をみたす無数の成長径路が存在する。これらの径路のうちの一つ にそって成長することが最適の必要条件である。そこで,既述の境界条件をみたす径路が 選択されねばならない。

3

 以上の分析と第1図は資本労働比率と限界効用との関係に焦点がおかれた。ここで,焦 点を消費水準と資本労働比率との関係に転位せしめよう。限界効用は消費に依存するか

ら,

     u 一uノ(c)       (1)

この関数では,

     器<・       (2>

(6)

時間について微分して,

     duノ =_旦u二 dc

     dt  dc dt

いま,消費についての限界効用の弾力性を絶対値で      ε一一一器番一u

とおくと,

     du     u.ノ      dc =一ε c

(3)に代入して,

     乳量L一ε・u 一器÷

       dc l      du! l

     dt  u  =一ε● dt  c一

消費の限界効用の低下率は消費水準の上昇率と結びつく。前節の(26}により,

     暑1一一:[f・(k)一9]

をうる。前節の㈲を再びとりあげて,

   一両トf(k)一gk一・

       蕊(ン        τピ昌0

0

十 一

C

① ②

\ E

、、 、

、 、

、 十 己迄

、 民t

ρ、

A

、\

絶。 是T 鬼

第 2 図

(3)

(4>

(5)

(6>

(7)

(8)

(9)

(7)

最適成長径路について 81

(8)と(9)の二式でkと。の微分方程式体系をあたえる。第1図で示された位相図はまた11 の代りに。とkの関係を示す位相図に変換しうるであろう。ここで,われわれは,限界条 件をみたす最適資本蓄積径路を求めよう。資本労働比率が最初k。でありT期間の後にち

ょうどk。に達する径路にそって動くところの初期の消費水準を求めればよい。第2図を 見よう。出発点で資本労働比率がk。ではじまる丁期間計画は矢印をも線で示されてい

る。これらの計画の丁期間終了点を結んで一つの点線をうる。この点線上では,初期の境 界条件,オイラーの方程式がみたされている。しかし,この点線がk。の垂直線を切る点 においてのみ終期の境界条件がみたされる。それはB点で示される。そこで,求ある最適 径路はA点ではじまり,B点で終るものである。この径路のみが計画;期間にわたる効用の 合計を極大化し,且つ制約条件をみたしている。

 以上の考察では最終の資本労働比率k,と計画期間Tはあたえられたものと仮定とした がこれらの選択がまた問題となる。二つの選択は関連した問題であるが,これを分離し て,Tを所与とした場合の最終値k選択の問題と,最終値kを所与とした場合の計画期間 T選択の問題にわけて考えることができる。まず,いろいろな最終値kの決定を考えよ う。第3図を見る。A, B, Cの計画はオイラーの方程式をみたし, T;期間で完了する。

三つの計画の性質を吟味すると,A計画は消費優先で資本は減少する。将来には殆んど資 本は残されない。T;期間終了点ではkA>k。となる。 B計画は節約的な計画である。消費

と資本とは或る期間共に上昇するが,dc/dt−0一ここではr−9である。一将来により

(b)

@    A

       G

f

A

巽・・_  (α)

CB

o

T 泥A 老。 8   老

A       C B (G)

t

第 3 図

(8)

c 畿・・

    O       危       第 4 図

多くの資本を残すたあに消費は犠牲にされる。計画期間がより多くなるほど,消費は終回 的に零に近づく。C計画では全期間にわたって消費と資本は増加する。計画期間が無限に 延長されるならば経済は終展的にE点に達する。つぎに,k。とk,をコンスタントとした 場合に計画;期間の延長によってどのような現象が生起するかを考える。第4図を見る。計 画期間が長いほど,資本労働比率増大の速力をゆるめるために曲線はE点の方向にたいし てより弓形の曲線となるであろう。計画期間が長くなれば長くなるほどE点の近傍で時間 を長く費さねばならない。E点ではr=9の関係が成立している.。そこで黄金律径路は消 費ターンパイクと考えて最適計画はTが十分に大となるとターンパイクの近くで十分に長

い時間を費さねばならないということができる。

       (8)

      4

 ここで,技術進歩と時間的割引の要素を導入しよう。技術進歩はハロッド的な労働増大       ム

的技術進歩と仮定する。能率労働をしで示すと生産関数は       ム

     Y=F(K:,L)      (1)

   ム ここでし−e剛しとおく。Lは自然単位で測った労働を示す。この関数は一次の同次と仮 定する。

  ム      ム

いまk−K/しとおくと,

      ム

     y=emtf(k)      (2)

一人あたりの消費は,

輌E

+騰・・

滝よ 煮T

(9)

 最適成長径路について      83

      重

     c_⊥__】L_一一一Φ一      (3)

        L   L   L

     ・一…f(〈k)躍一長・k    ・ (4)

資本の成長率は,

      ム      ハヒ

     瓢+÷一+一幌     (5)

で示されるから,(4)は,

     ・一…f(k)一(審一実+監ミー)♂曇    (6)

      k

      L 自然単位で測った労働の成長率を9とおくと,

      ム

     ・一…f(〈k)一[面出+(9+m)]…k    (7)

      〈 k

     ・一…[f(め一品一(9+m)食]     (8)

ここで,目的汎関数を定義しなければならない。現在消費の効用に比して将来消費の効用 を割引するとする 二期間モデルでは,O期間に対して第1期間の効用関数は

     u(c)、=(1十ρ)U(c)。       (9)

ρは割引率を示す。ρ一1であると次期の効用の100単位は今期の効用の50単位にひとし

い。(9>式より,

     ・(・)・一(涯ρ一)u(・)・      (10)

1/(1+ρ)は割引ファクターである。同様に第2期間については,

     u(・)・一σ早ρ)・u(・)・       (11)

一般的に,

     u(c)、一(1十ρ)もu.(c)o      (12)

     u(・)・一(∴)・U(・)・       (13)

時間の連続的なモデルでは複利計算の回数を」で示すと,

     ・(・)・一(ユ+9俵・)・      (14)

     i聖(1+←)L・・      ㈲

そこで,

     u( c )t =  eρt・ 1ユ( c )o       (16)

     u(c)o=e一ρtu(c)、       (15)

(10)

割引された効用の合計は将来期間において享受される効用の現在値の和である。

      T       ∫

       e一ρtu(c)dt,  u(c)=u(c)、      (1④

     t漏0

(1④を極大化の目的とする汎関数とするならば一人あたり消費の効用のみが問題である。と ころで,同じ一人あたりの効用を享受する人の数が増加すると考えよう。この場合に,各 期間において享受される一人あたりの効用に,それを享受する人の数で以てウエイトをつ けることができよう。いま,適当な測定単位を選択することによって,最初の人口L。を

1としよう。そこで,

     Lt=egtLo=g9も      (17》

(16)の汎関数をつぎのごとく示そう。

         T

     j(〈k)一∫U(・)e(ρ一咄U(・)一U(・)・  (1鋤         t=0

       ム この汎関数を極大化ならしめるkの時間径路を求める。

 ここでオイラーの公式を使用する。

         T

     J(ハ、k)一∫亘dt       1(1窃

        t・=O

     F−U(C)e一(ρ『9)亀       ⑳       ム

     ・一…[ ムf(k)一亀ト(9+m)倉]     ⑳

ム kの時間径路はつぎのオイラーの方程式をみたものでなければならない。

食とおくと

     F貧一岳(  F〈 k)一・

消費の限界効用はdu/dc=u とおくと,

     F食一ゴ[f (食)一(9+m)]e一(・一・一m)・

     F人=一u/e(9一ρ+皿)亀

      k

     岳(噌一一[u・(9一ρ柳)+舗e一・一・)・

オイラーの方程式に代入すると,

     ガ[f・(食)一(9+m)]一ピ(ρ一9+m)+窪 一・

     害呈 一一u・[f・の一(9+m)+m一(ρ一9)]

        ム

生産関数によりf (k)は資本限界生産物を示し,

  ム いまdk/dt≡…

(劉

(2の

(2θ

利子率(r)にひとしい。そこで,

(11)

 最:適成長径路について      85

     讐 一イ[・一(9+m)+m一(ρ一9)] 1  ⑫8)

この式で(9+m)は黄金経済の自然成長率を示し,(ρ一9)は人口成長率でウエイト をつけた効用の割引率を示している。(28)を利子率について解くと,

     ・一(ρ一9)+9一讐÷       (29

       へ

 ⑳はまた能率労働一単位あたりの消費はkに依存することを示しうる。効用は消費の関 数であるから,限界効用について,

     uノーu (c)      劒 この式より,

     du,   du/ dc

      dt =一蕊…噌『石モー       (31)

消費についての限界効用の弾力性は,

        du/ c

     ε=一dc−u・       圃

     du,    uノ

      一一一      (33)

     一配}コ}ε一。

そこで,

     各ll一一1一器二寺      岡

(28)より,

     釜一÷一÷[・一(9+m)+m一(卜9)]   (33

能率労働については,

     〈  C   C

      エも

     c=一r「「画「=ce         G6)

そこで,

      ム

     亀1実一臨÷一m       (3の

        C

㈲より,

      ム

     窟一一先一÷[・一(9+m)+一(ρ一9)]一m  (38

        C

      <     <

     亀1一÷[f・の一(9+m)+(1一ε)一(ρ一9)] (39)

⑳を能率労働について表現すると,

      ム

     合一f・(〈k)一薯一(9樋)食      働

      ム

     薯一f・(〈k)一(9+m)食一⑤      但1)

(12)

       ム  ム そこで(39と働は。とkに関する微分方程式体系をあたえる。グラフで吟味してみよう。ま        ム       ム ず,技術は変化せずとしてm−0,したがってk−k,c−cと仮定し,割引率について 慮ρキ9とおき,

     薯ll一÷[f・(k)一9一(ρ一9)]    (42

     dk

       =f(k)一gk−c       (43>

     dt の体系を示そう。

 dc/dt−0,dk/dt−0の曲線を第5図であたえよう。 E点では9一ρの場合が示され,

E 点では,9〈ρのケース,Eゲ点では9>ρのケースが示されている。この三つの点が

      C     (牙くρ)     (多・=2)  (牙〉,ρ)

いく号

卜・号

卜〉

巽・・ 器・

E

巽・o

E

       1      1        1      1        1         1

一一一一一一一一 ィ___一__⊥____

       l         l        l        l        l        I        I         l        I      8        1        1        1        1 一一一一一一一一一一 ゥ一一一一一一一

       3        1        I        l

E

+蕗・

チ七逐)斗

第 5 図

(13)

最適成長径路について

:8ワ

無期限計画の意味ある終点を示している。ところで,9>ρのケースでは,無限期間計画 は動態的には非効率的であると考えることができよう。E 点に達するように向げられた       (9)

計画では,黄金時代はr<9において成立する。この黄金時代はE とEとの間において 成立する他の黄金時代に比較すると劣っている。kがより大となる消費水準は他の黄金時 代にくらべて低位である,反対にρ>9の場合を吟味してみよう。E 点はE点の左側に 位置し,資本の蓄積がなされと消費水準は上昇する。そこで,r−9で成立する黄金時代

E点は動態的に非効率的な計画と効率的な計画とを分割る。r−9は黄金律を意味するか ら,黄金律は効率的計画と非効率的計画とを分離する役目をはたしている。

 つぎに,技術進歩を導入する。位相図第6図を見る。dδ/dt−oでは,

     r=(g十m)一(1一ε)m十(ρ一9)      (43)

     r=ρ十一εm      

(44)・

   ム   dk

    曲線の極大点では, また

  dt

     r−9+m      ㈲

0

γ』F+∈孤,

r〈3+帆

r・F+ε肌 卜3+肌

r・匹Eηし ト〉号+肌

(9+孤く伶∈筑)

 霧・・

A

E

E

B

E

  危。 ; 養T{

      l         l       l         l

      l    l

      I      l       l         l       l         l       I      雷       l         l

      I    l

      l         l       へヘ g            ;

      1       1

+捨・

デ(勧謬ト

第 6 図

(14)

となる。働と(45)とが一致する点はE点である。E点の左側ではr>9+rn, E点の右側で はr〈9+mである。

 いま,r>9+mで(9+m)〈(ρ+εm)のケースを考えよう。計画はA点ではじま り,丁期間後にはB点で終る。E 点の黄金時代に向って進行する。計画期間が長期にな        ム ればなるほど,k増大のスピードをゆるめるためにはE1に向ってますます接近するアー チをえがくであろう。そこで,計画がますます接近したアーチをえがくほど,Eノ点の近傍 でますます長い期間が費される。そこでこのE 点をターンパイクと考えることができ,

このターンパイク上では(r一ρ+εm)である。(9+m)は技術進歩を導入した場合の 自然成長率を示した。これと対応的に(ρ+εm)を自然利子率とよぼう。既述のごとく,

技術進歩がない場合9>ρならしめるような無限期間計画は動態的には非効率的であっ た。技術進歩を導入した場合,(9+m)〉(ρ+εm)ならしあるような無限期間計画は動 態的に非効率的であるということができる。そこで,E点でr−9+m一ρ+εrn,自然 成長率と自然利子率とが一致する点で,能率労働一単位当りの消費水準含は極大黄金時代 の値に達する。この点をこえた資本深化が(9+m)〉(ρ+εrn)を必要ならしめるなら ば,そのような計画はオイラーの方程式によって示されるような最適ではないと認識され る。計画当事者は将来効用の割引率ρを引上げて自然利子率を上昇せしめ,能率労働一単 位当りの消費水準を引上げることができる。自然単位で測った労働と能率単位で測った労 働との比が外生的に所与であると,能率単位の労働で動態的に非効率的な計画はまた自然 単位の労働で測っても動態的に非効率的である。そこで,技術進歩を導入した場合の黄金 律r−9+mは効率的な計画と非効率的な計画とを分離する役目をはたす。r〈9+mで は資本労働比率は常に黄金律の値より大であり,黄金時代の消費は常に達成可能な値より 小である。

    ㈹

(註)(1)L.S. Pontryagin, The Mathematical Theory of Optimal Processes,1962.

    R.Bellman and R. Kalaba, Selected Papers on Mathematical Trends in     Control Theory,1961.

    S.S. L. Chang, Synthesis of Optimal Control Systems,1961。

    E.B. Lee and L. Markus, Foundations of Optimal Control Theory,1967.

  (2)F.P. Ramsey, A Mathematical Theory of Saving, Economic Journa1,

    1928,P.543.

    ラムゼイの分折についてはロバートソンの批判がある。D. H. Robertson, Lectures     on Economic Principles,1958, P.89,

  (3)J.Tinbergen, The Optimum Rate of Saving, Economic Journal,1956.

    J.Tinbergen and H:. C. Bos. Mathematical Models of Economic Growth,

    1962.

  (4)B.Horvat, Optimurn Rate of Investment, Econornic Journal,1958, P,747.

(15)

最適成長径路について 89

   B.H:orvat, The optimum Rate of Saving:ANote, Economic Journa1,

   1958,P.157.

  最適貯蓄率論については,拙稿「最適貯蓄率について」(長崎大学東南アジア研究所年    報第4集1962)及び拙稿「最適貯蓄率論の考察」(長崎大学東南アジア研究所年報第5    集1963)参照。

(5)」.Tinbergen and H. C. Bos, Mathematical Models of Economic Growth,

   P.25.

(6) F.P。 Ramsey, ibid., P.543.

   R.Harrod, Towards a Dynamic Economics,1948, P.40.

   A.K:. Sen, A Note on the Optimum Rate of Saving, Economic Journa1,

   1957,P.746.

   A.K. Sen, Choice of Techniques,1968, P.83

   0.Eckstein, lnvestment Criteria for Econolnic Development and the Theory    of Intertemporal Welfare Economics, Quarterly Journal of Econornics,

   1957,P.75.

(7)以下の分折は主としてP.A. Neher, Ecollomic Growth and Development,1g71,

   に負うている。本書については,D. G. Champernowneの書評がある。 Economic    Journa1,1971, PP.627〜28.

(8)P.A. Salnuelson, A Catenary Turpike Theorem Involving Consumption    and the Golden Rule, American Economic Review,1965, P.491.

(g)E.S. Phelps, Second Essay on the Golden Rule of Accumulation, American    Econornic Review,1965.

(10)新古典派的成長モデルにそくした最適成長径路の分折ツールの解説についてはつぎの:書    を参照。

   E.Burmeister and A. R. Dobe11, Mathematical Theries of Economic Growth,

   :L970, Chapter 11, PP.352〜427.

   M.D. Intrigator, Mathematica10ptirnization and Economic Theory,1971,

   Chapter l6, PP.398〜448.

   W.H. Branson, Macroeconomic Theory and Policy,1972, Chapter 12, PP.

   413〜429.

   最適成長理論の展望については,K. She11, Essays on the Theory of Optimal

   Economic Growth,1967.

参照

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