都市の平均住宅地価について
(昭和62年6月20日 原稿受付)
開発土木工学教室 佐々木 昭 士
開発土木コニ学教室森光宏樹
(大 学 院 生)
On Mean Value of Residential Land
Price in Cities.
by Shoji SASAKI Hiroki MORIMITSU
Abstract
O…pid・・d high 9・・…h・f・・…mi・d・・e』pm・nt, th・…id・・ti・11、。d prlce。、1。, incr,、、,5
[・the m・v・bl・p・。pe・ty・Thi・・ep・・t d・・1…i・h the・e・ult・・f…Iy。i,。, th。,t。t。。f th, citi,, a。d the mean value of the residential l品d price, The re5ults are as follows;
(1)The distributions of the value of the factor dependent on the city scale show the normal distribu−
・i・n・・dth・・e d・p・nd・・t。・th・d・n・ity・h… th…p・n・nti・l di,・,ib。ti。n.
②F・・m・he re・ul・・。f・h・p・i・・ip・1…p・n・…n小i・∫・・642 dd・・,・he p・i・dp・1・。mP。1,。n・gi。es the scale of the city space.
(3}Th・m・・n・・1・・。f・h・…kl・n・i・I I・・d p・i・e i・・i・ies f・・m・e・・1…f・he・,g,,,,i。n an。ly,i, is P=L277×1一立1ヨ311×20・244×30・679・exp(−0.003678×4十1.603×5)
刊回上にともなう住宅地ぶ要の描的増加の・みならず.産 1.緒 言
業,交通などの多方面からも急激な増加をもたらしてき 最近我が国では,住宅地価に深い関心が払われている。 た。しかし,才イルショックを境とする経箭社会情勢の 交通網の発注により通勤圏の」広大がもたらされ、人々は 変動は土地需要を急変させ,それ以後の沈、靴をもたら よりよい生活環境の得られる住宅地を広範囲に求めるこ しが,住宅,lr情はよくなり持ち猿は一般的なものとなっ とになり,その結果,従来に比較すると住み変えること た.一方,大打ll市における地価の高騰は,個人のn担能 も頻繁に行われるようになってきた。本来.都市におけ 力を超えるものになり,少しでも地価の安いところでマ る人川の都市活助において,その住む場を求める行為す イホームを持つために郊外へ流れざるをえないのが現状 なわち住宅立地は個人にとって重要な問題であるととも である。すなわち,職と住との極端な空間的分離が生じ に.都市の構造にも重要な髭郷を及ぼす。 ている。今後,職と住との川の交通体系が整佃されてく 近年,住宅立地に閲する研究は多くの面からのアブ れば,ますますこの傾向が助長されることは明らかであ ローチがなされてきてはいるが,その根底に存在する地 る。また,このような大間;市の傾向は,大都市圏ほどの 下構造に聞する充分な解析結果は得られていない状況に 職と住との距離をもたなかった地方獅;市においても周辺 ある。 市町村1に居住する傾1句がみられる。
とくに,高度経済成長期以降 こおける土地需要は,所 そのような.人々の住み変え行動は,地価そのものを
12 佐々木昭士・森光宏樹
不動産から動産的性質のものへと変革させた。この結果 平均年令・所得なども加えた。
都市の住宅:腰で決定される」也価は,蹴的に酬する 以」・,これら2腰国についてパ1純県の澗「を除く こと桐能となった。本研究は,地方都市帥心とした 642市の平削lllならびに酬{艦を表 1{こまとめて示 蓄醐、おけ碓宅地価繊の要因を検討し冷理的な土 す:}なオ・,資料はいずれも聯158年を中心とした伽・
地利用縣を陣:討することを目的に難したものであ 住宅・一ン三鞠地順らびに敷地耐責と1ま住宅金融公庫
る。 が住宅暇に貸し出した際醐二定麟とした値であ1,・
まず最初に,地鵬都市の状態を示すものであるから. この」蜥は,酬・轍綱謝胎を除いて公示地価と良 642市から,産業.人・,土地の利用状況を示す要因を く一致し,両者の酬1認も0・92と高し ・
拾い,とくに,それらの要田が特5這の麟をもつものに ・)とくに・示さない場合は・この酬番号によ・て腰肥 牌らないように選出した。次に,融の要因の搬図 去わす
を作成し.それぞれの姻の搬の型を検討した.次・・, 肝・これらの要因について図一 のような手鵬 要醐互の酬を求め,またこれらの姻・ついて主成 従って・地輪分析を実施した・
分酬を実施することにより明らカ・にした.喘に,こ 次にほ一1磯駆ついては肺の酬の1剃数とみ れら鵠考にして重回締椛行・・.鞠住宅地価に対 なさ描姻と都市の酬ならびに人゜の部の閲数と する回繊を作成した。 みなされ磯因とし大別させ・その1ill者の砒して綱
人口,後者の例としてその人ロユ人当たりの所得の2要 2.地価形成の要因と頻度 因の頻度図を.図一2と図一3に示す。
地価は,その都市の自蜘条f牛.地理的条件あるいは 図一・の都蹴・の搬分布につし ては・平均値はE 絵.繍蹴や制度の酬を受けている.また.土地 ・万人であるが 5万人肝の都市が焔分をしめ・そ 利用や地域剛ひいては,都肩・の社会・騨の状態へ逆 の舳・は撒分布に近い興をしている・図 3の人゜
に影纏及ぼす.したがって.その分欄象となる獺 1人当たりの所{}の搬分布については・平均{齢砺 は,麟パ・,土地の孝・凧i兄燗する姻など広範 円・騨{蹴17醐でぽの分布は正規分荊〒に近いもの 囲な領域肋たる. となっている・他の要因についても・1111述の指数酬型 まず,麟に凹す躍国についてみると.工業生瓢,か醐分布型もしくは・その刺ll]醐数正規分布型に分 商店年間蹴額,麟生酬]}が挙げられる.工継産 類さ才・ることが明らかとなった・これらの二‡細はすでに 額,酷馴販売額は肺白り要因として.麟生産所得 結した・また詣数分布型に潮さオLる要田は・肺 麟酬要阯してその都市の特性を示すものでもある。 畑印{剛酬i・DID耐i・コニ業生産額商店年問 次に垣に聞する要田{・ついては,都市人・.人・の 1阪う 甑麟生産所得却難宅戸臨新繰面積 住 増減があり.髄の生活1醐の{広ゴ・を郷すると,地方 宅・一ンの平均地臓び敵地舩示地脈あ1〕・いず 生活圏中心都市酷人・,人田人当剖の流出人・, れも者肺酬的特性に支配され易い要因であること棚 人田人当たりの流入旭など調辺・間栂で対象域 らかである・次に・正規分布1網n別さ描獺は・住 を拡げ端要がある.土地利鰍1兄に肌て河住地面 宅・一ンの可三均敷地面積・人・増加・平均年齢及び個人 積が,撒とな肺酬のf立置的棚・を示蛭因として 所得であり・いずれの酬・っいても側・白嚇性もしく 地方蜻囮中心縮との宴巨離が挙げられ.さらに躍白勺 は継に支配される要因であること醐らかとなった・
な土地棚状況として産業に剛 る獺を可住地耐iで 以下の酬it漸は品卿]の雛が醜分オ1「になる 蹴たイ、睦酬に採肌た.また,戊橡が住宅地価であ ものとして・・ることから描数分布に近い要因について ることから,蹴地の公示地価,腔・一ンの・胸地価 は対徽数蝋を行い,正規酬に近似され紛才百に改 住宅。一ンの平均敷地耐責.新築付…宅戸故新築床鰍・ めた後に分1斤韓施した・
1戸当たり噺醗宅戸数欄ずられる・ここで・都市 @3.地価形成要因相互の関係
の地形による制約状況を示す尺度として,これらの要因
を可剛緬鰍した齢取1,挙げた.さらに,人・の 多変1∬酬斤を行うにあたり1そ酬1耐象の要剛互
集中度舗す要11]としてDID面端細した.また, の1縣嫌する・まず・断11・示した27要因について,
表一1 住宅地価分析要因とその平均値及び標準偏差
]
2 3 4 5 6 7 8 9
1⑪
11 12 13
ユ4
15
]6
17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27
1 指 標 中i・位
*可住地面租
*DID面研
(DID面積)÷(可住地面砧)
*総人口(都市人口)
(総人ロ)÷(可住地i耐∫D 人口坤1減(S59−58)
(人口増減〕÷〔可住地面租)
平均年齢
*商業地の公示価格 人口1人当たりの所得
*工菜生産舐
(工菜生産額〕÷(可住地面栢)
*商店年間販売額
(商店年間販光額)÷(可住地面積}
住宅ローンの平均敷地而苗
*農業生産所i!}
儂業生産所得)÷(可住地面研)
*新築住宅戸数
{新築住宅戸数)÷(可住地面栢)
*折築床而ll7
(斬築床面積)÷〔可住地而積)
(新築床面II「D÷(新築住宅戸甦)
幸住宅ローンの平均地価 地方生活圃中心而;市との距離
*地方生活圏中心都市の総人口
{流出人口)÷(都市の穏合人口)
て流出人口)÷〔都市の総合人口)
1㎡
厨/田 千人
千人/扁
千人
千人ハ証 歳
百円/m」
千人 十位円 十芭1エ1/厨 十億円 十{o:円/k㎡
mソ戸 百万円 百万円/扁 戸 戸/耐 nf n1ソ㎞
nf/戸 千円/nf km 千人
人ノ人 人/人
72、27 14.認 0.23 141.35 2.30 D.96 0.02 3・1.19 4763.5ユ 765.97 295.19 ・1.61 737.78 5,30
2ヨ3.07
252028 34.75 1460.97 21.0ヨ 120885 1801.08
】伽.52 77.39 33.36
16・1・1,39
0.14 0、12
61.82 33.38 0.26 391.84 3.ア3 2,82 0.03 2.54 7593.24 ]70.71 788.95 6.96 6997.43 16.75 81.58 2306.112 21.26 5159.71 28.26 3・10257 1985.91 19.76
63、・[9213,ヱ2 2755.48 0.10 0.06
≧il対数変数変摸した要田
要口]の選択
頻度分布の解折
{胴分祈
圭成分分折
地価分析モデノレ
頻度分布の解折 証耶
{1間分祈 三 口 1[o 誉
圭,紛酬 藍1巴
当 10 ls
冊1∫人口{十万人)
図一1 解析手順 図一2 都市人口の頻度図
14 佐々木昭士・森光宏樹
単酬係数を軸した初結晃…鎌一2に示す。 の酬係雛α98と高い・次に・人゜噺嶽醐との 始めに湘閏の高い要因について欄すると.新緯 酬係数は・・96.人・と鰹住宅戸数との酬係数が・
宅戸数と新鉱疏の相閲係鋤・α99と高く酷築戸数 ・.94といずオ・も柵対端い・これは・人・カζ大きいほど とその床面猫はほぼ比例している。同様に,可住地面租 新築される住宅も多い。また床面積も広くなることを示 当た1〕の新難宅戸趾可住地面積当たりの新築床酬 している・さら1こ・人・と商店年間販売額とのオ醐係数 がG.91で,人口の大きい都市ほど商店の規模が大きく.
1 数も多いことを示している。可住地面積当たりのDID 面積と新築床面領との相閲係数は0.87,可住地而積当た
三
詩 田 75
田
一
2
三
4 む 已 10 1コ
りのDID面積と可住地面積当たりの新築住宅戸数の相 関係数はO.84で,これも前述と同様の傾向があり,人口 が集中し密度が高い都市ほど新築住宅戸数またその全床 面積も広くなることを示している。次に,商店年llll販売 額と新築住宅戸数との相閲係数は0.86.商店年間販売額
畑_焔剖の所相緬円) と新築床面積との相閲係数はo・88と高い・また弛にo・8
以上の相関係数ととなるものは,いずれも人口と閲りを 図一3 人口1人当たりの所得の頻度図
表一2 分析に採用した27要因の相関図
ll・3・567891。1ユ・2・314151617】8 92°21222324252627
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
]1
12 13 14 15 16 17 18 19 20
2]
22 23 田 25 26 27
1
.16 1
−.44 .48 1
.39 .69 .5・1 1 噛_34 .27 .67 .41 1
.26 .35 .2B .54 .19 1
..22 .26 .47 .35 .32 w48 1
.20−.52−.57−.52−.36−、33−.58 1
.ユ9 .6ユ .56 .85 _38 .47 .35−.47 ユ ー.25 .53 .70 .56 .45 .37 w58.−69 .57 1
.27 .59 .dO .75 .22 .38 .19−.50 .60 .49 1
−.26 .33 ●66 .39 .40 .18 w25−.45 .33 .43 ●6D 1
.49 .66 .40 .9] .24 .49 .18−.37 .82 .42 .70 .28 1
.12 .28 .40 .48 .31 −3D 『09−.13 .42 .24 .33 .32 .52 ]
.36−.47−.64−.5D一声45−.26−.44 、61〔61−.61−.44−.4B一奄38−≠25 1
.74 .(L1㌔55 .10−.4⑪ .08二32 ,27 .0 −.41 .10−.34 .19−.10 _38 1
.17−.2]一.43一唱22−−28−.1】 .16 .24..20−.39−.18・㌔301]7−、19 .27 ▲61 1
.33 .68 .54 .94 .33 −59 .45−.58 .82 .61 .69 、35 ・呂6 ・44−・48 ・06−−22 1
−.34 ▼38 ,84 .52 .{]0 .40 .58−.50 .57 .67 .30 .50 _3〔} .50 .56−.48−.35 ●60 1
.39 .68 .48 .96 ・30 .60 ,42−.56 ,82 .59 .72 .33 .88 .44 .47 .]1−.20 .99 .54 1
−.38 .42 ▲87 .55 _62 .41 .61−.56 .58 .72 .33 .52 .40 .」16 .62㌔52−.37 .[E1 .98 .57 1
』9−.36,.5▲一.48..33−.30三40.46−.49−.44−.26−.32㌔4。一.26−・35・21・21・・64−・60−・53−・561
−.39.50.78.58.53.33.55三6B.69.76.48.5U2.32・呂7−・41告25・59・73・56・77−」8]
一.07..G3..0].,05.0−,02.02.03 .03.02・02.0−.07−』2・02・・。3・0−・07−・02・07・02』4・01
−.36.34.66.42,45.3田57・.65.42,68.36.46ほ。.21・6]一・35・・19・46 63・42・67−・45・75・041
,,63.15.64」L38.14.50..56」7.65.]3.4]一.10.1L51−.48・田・17・59・13・63−・27・67−・OL 751
、盟27.47.27,25」4.20 .31.3B.47.4L48.詞. 19.34・21−・】L30・46・28・45−・24・48−・G3・36・451
持っ要因となることが明らかとなった。以上のように,
都市規模が大きくなるほど,住宅戸数もそのために必要 1 な土地も広くなることを示している。
ロユユ
続いて抽閲係数が負の仙をとり・その鰍きいも 1ぴ㌔11 ・・
のについて検肘する。まず,住宅ローンの平均敷地面積 ; 哩・6 と住宅ローンの平均地価との相閏関係は一〇.87で、新築 司4
0
蕊鴬1斑:隠質と;1㌶麟ll謬ぽ
ヨ お 都市ほど広い敷地に住宅を建設している。次に,平均年 一〇.5 ロ 齢と人口1人当たりの所得との相閏係数は一〇.69で,若 部
い働き手が多い都市ほど1人当たりの所得も高いことを 示している。また,平均年齢と住宅ローン平均地価との 相閲係数は一〇.68で,若い働き手が多く活発な都市ほど 家の価格力塙いことを示している。
最後に,対象である住宅ローン三1均地価に園して,こ
れらの要因との相閲が高いものについて検討する。まず, °? 0 5
脳酬係数棚い要因は 可住地r醐当たりのDID ….、
而積の0.78であり,人口集中度の高い都市ほど地価力塙 引o 町6
くなっていることを示す.次に,可住地面有て当たりの新 23 lt°2°2 。
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