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論文の内容の要旨 氏名:長

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:長

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:膵β細胞からのインスリン分泌におけるTspan33の役割

2型糖尿病は、複数の遺伝因子と環境因子による膵β細胞からのインスリン分泌不全と、骨格筋・脂肪 細胞・肝臓におけるインスリン抵抗性の両者がさまざまな程度に関与し発症する。糖尿病の発症メカニズ ムおよび治療を考える上で、膵 β細胞のインスリン分泌に関連する遺伝子の抽出・検討が重要であると考 えられる。当教室では、膵 β細胞におけるインスリン分泌に重要な役割を果たす遺伝子を同定するため、

MIN6 細胞由来のインスリン分泌能の良いサブクローンと比較的低下したサブクローンの両群間で DNA マイクロアレイ解析を行った。その結果、両群で発現が異なる遺伝子に、Tspan33が認められた。興味深 いことに最近、TSPAN33 2 型糖尿病患者のインスリン分泌に影響を与える遺伝子の候補として見出さ れたが、そのメカニズムについての検討はされていない。そこで、本研究では、膵 β細胞モデル細胞株で

あるMIN6細胞のTspan33の発現を変化させ、膵β細胞からのインスリン分泌におけるTspan33の役割

を検討した。DoxycyclineDox)存在下でTspan33の発現を誘導するMIN6細胞を作成し、Tspan33 過剰発現させたところ、5 mMグルコース刺激で1.94倍(60.0 ± 4.4 ng/well/hr (Dox なし) vs. 116.1 ± 2.3 (Dox 1 µg/ml) , p = 0.0051, n = 3)、20 mM1.52倍(737.2 ± 41.2 vs. 1120.5 ± 204.2, p = 0.0253, n = 3 に増加した。一方、small interfering RNAsiRNA)を用いてTspan33の発現を抑制したところ、イン スリン分泌は20 mMグルコース刺激で0.60倍(401.0 ± 38.1 (Control siRNA) vs. 239.5 ± 20.7 (Tspan33 siRNA) , p = 0.0004, n = 6)に低下した。次に、Tspan33がインスリン分泌を調節するメカニズムを検討 するため、DNAマイクロアレイ解析にてパイロット実験を行ったところ、Tspan33の過剰発現で一部の小 胞体ストレス応答分子の発現の低下が認められた。ウエスタンブロット法でTspan33と小胞体ストレス応 答分子のタンパク発現を検討したところ、Tspan33を過剰発現させると一部の小胞体ストレス応答分子の 発現は低下した。しかし、Tspan33の発現を抑制しても、小胞体ストレス応答分子の発現の増加は認めら れなかった。これらの結果から、MIN6細胞においてTspan33はインスリン分泌を正に制御することが示 唆された。その制御機構として小胞体ストレスを介するメカニズムが考えられるが、すべてを説明するこ とは出来ず、今後他のメカニズムの検討も必要と考えられる。

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