海上保陰に於けろ招致危陰
一272一
海 上 保 険 に 於 け ろ 招 致 危 瞼
一二
三
四五 招致危瞼に封する保瞼者の責任
危瞼招致の主艦
招致危瞼菟責の理由
危瞼招致の法律的性質
招致危瞼憺保の特約
久 木
︑
久
一嗣
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航海に關連して稜生し海上保瞼の目的に損失損害を生ぜしめる事故の種類は多種多様であつて︑これ等はそれぞれ
の観黙から種々に分類匪分されているのであるが︑今佛國の∪㍗且oβがなしたように原因から見て旺別すると︑
バ ねH不可抗力(頃自8岩菖①日o暮o器皆罵ε冒)に因るもの︑即ち自然力並びに被保瞼者以外の第三者の行爲
(3)口保険の目的の性質蝦疵自然の消耗(<ざ①腎O筒o創①のoぽO孤$●舘︒・霞似①︒・)
薗被保瞼者の使用人の故意過失(費暮①伽$bΦ話O昌昌$㊥ロ覧O愚$娼㌶一.葛ロ昌価)
,
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⑳ 被 保 瞼 者 自 身 の 故 意 過 失 ( 営 暮 ① 娼 ① 話 O 置 β Φ 昌 窪 自 ︒ 一 .器 ︒︒ 昌 鼠 ) ,
る となや︒本稿で問題とするのは後の二つに關して壁あつて︑本質的には最後の被保瞼者の故意過失に就て野ある︒
海上保瞼の初期に於ては其の目指す目標は天災(8昌噺①・︒o誹)及び突稜の不鮮事(目鑑げ雷屋ま昌巳︒︒)に樹する
お 保障にあつたもので︑海上保瞼者は不可抗力に封してのみ責任を負捲したのである︒そして其の後前世紀の経り頃迄
は法律家学者の間に於ても︑保瞼は偶然なそして被保瞼者の心意に關係なく稜生した事故に封してのみ(翼自σq①σq①鐸
旨建崔σq"暮菩ぽぎ讐σqくo置類崖①昌価$頃①脅o馨Φ昌巴口σq①首①昌①国岩一σq三・︒︒・)保護を與えるものであるとの観念が支
ね 細的であつたのである︒從つて被保瞼堵の行爲に因る事故に封レては保瞼者は責任を負捲すべきものでないとされて
いたのであるが︑この慣行は海上保瞼初期の法律にも明かにされており︑即ち一五六〇年の]W日多o勅令(第四八
章)一五五六ー八四年のOβ峯Oβ山①冒目①円(第一五章第四條)更に一六八一年のO巳昌碧︒Φ動o冒日鴛甘Φ(第
三冊第山ハ巻第二七條)は︑保瞼者は被保瞼者の故意又は過失に因る損失損害に責任を負憺しない旨を明かにしている
ハお のである︒斯かる傳統的な思想は近世諸國家の商法典に糠承され︑佛商法第三五一條第三五二條に猫商法第八二一條
白商法第二〇六條伊商法第四三四條和商法第二七六條等に其の旨規定せらる﹂に至つたのである︒
而して當時に於ては︑斯る考之方は自明のものであり殆んど議論の飴地がない位であつた︒從つて當時の攣者は︑
人は如何なる方法によるも自己の過失の結果から冤責され得ないという事は絶封的な原則でありたとえ保瞼にょつても
もこれを救濟することは許されないものとして︑この慣行を一般原則として取り上げ︑之に謝する反樹の特約をも認
めない態度であつたのである︒即ち碩学国巳α昌σQo昌は﹁被保瞼者は自己の責に齢すべき損失に就て︑他人より損害の
填補を受け得るという.事は事實上許すべからざることであらう∩一︒・Φ旨騨o昌①鴫①酔冒8慰暴げ♂宕①一.蟄器珪α
の︑冒自o日昌透黒︒︒脅匿酔巨一伽.離PΦ娼o詳o自o暮昌q︒①冨詳一.瀞暮雪肖)﹂﹁この原則は基本的原理の一である(Ooま①
海上保険⁝に於けろ招致危険'
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海上保陰値於けろ招致危険'︑
ね 冨σQ﹃師曾ぞΦ自$鴇①昌Φ同︒・鷲冒︒首①巴Lと述べている︒<聾P団9ぼ霞も同様の見解を有し︑被保瞼者自身の過
失を保瞼につけること卵出來るとしたら︑被保瞼者は彼の不注意に因つて生する総べての損失の墳補を受け得るとい
う安心を與えられることによつて︑事故を豫測し得る個人的興味を惹き起し︑そしてその爲に航海の安全性を害うよ
うになる︒然るに航海は船主や荷主の財産の蓮命を握つている許りでなく︑國家の利釜國防上の利害がそしてまた族
客や船員の生命が之に懸つているのであるつ從つてかような保瞼は反道徳なものである許りでなく公盆にも反するこ
とになる︒のみならす既に述べたように︑保瞼の目的とするところは被保瞼者に封し偶然に封する保謹を與へること
にあるのであつて︑特に海上保瞼は海の危瞼を負櫓することにある︒然るに被保瞼者の行爲は不可抗力でもなければ
海の危瞼でもない︒從つて被保瞼者自身の過失による危瞼は絶謝に海上保瞼に附せらるべきものではないのである︒
故にこれ等の危瞼は明白に海上保瞼の分野に入るべきものでなく︑當薯者間の約束によつても之を保瞼者の責任とす
るこどは許さるべきてはないとして︑国塁α昌σqoβも﹁これは反封の特約により之と異る取極めを許されない一般原則
む である﹂と謂い︑<鑑百も﹁斯かる特約は無暴な無稽なそして詐欺的なものである﹂又℃含ぼ霞も﹁自已の犯した
り過失を相手に負捲させようと誰とでも有効に契約することは︑自分としては揖來ない事が明かではないか﹂と言つ
ハ ロて︑その反封の特約をも否定し去つているのである︒
の然るに後日海上保瞼以外の陸上の諸保瞼が焚達するにつれ︑被保瞼者の行爲に因る危瞼を保瞼者の負憺から除外す
るということは︑保瞼の實際に適した方法でなくなつた︒殊に火災保瞼に於て被保瞼者の輕過失に因る火災即ち失火
の危瞼を総べて保瞼者の責任外とすることは︑火災保瞼の効果を著しく減殺するものでありその経濟的意義を小なら
しめるとの見解から︑被保瞼者の過失による危瞼冤責に封する検討が行はれ︑その實際的必要から斯かる危瞼の保瞼
者負憺が行はれるようになつた︒そして保瞼者の負捲は公釜に反するものでもなければまた違法のものでもないとし ︑
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て先づ火災俣瞼の分野に於ける保瞼者責任の据張となつて現われ︑これに封して拡何等の異論も生するととなく︑寧
ろか玉る保瞼に於ては當然なものであり必要不可欠なものとして考乏られるに至ったのである︒かくて古來から支配
的であつたところの被保瞼者の錦責危瞼に劉する保瞼者責任の除外と謂う原則は︑十九世紀の中葉に至り拠棄される.
に至つたのであ惹︒そして陸上保瞼に於て可能なまた適法な被保瞼者の有責行爲に因る危瞼に劉する取扱いが海上保
瞼に於て容認されない理由はなく︑保瞼の進歩漫達に俘い次第に海上保瞼の分野に於ても實際上もまた法的にも陸上
保瞼同様の取扱い'が行われるに至つたのである︒U聾甘昌な海上保瞼制期に於ける被保瞼者招致危瞼の緋除は十八
お 世紀法律家の不幸な獲明であるとさえ言つているのである︒而して海上保瞼の初期に於て何故か玉る招致危瞼保瞼
者免責の原則が探用され︑然も今日の法制の上にも依然として引綴がれて來たのであるか︒その實際上の理由は︑
な 国ぼ︒三δ目σqの謂うように海上保瞼に於ては被保瞼者自身の過失は一般に重要な役割を持つていなかつたもので︑積
荷保瞼に於ても船舶保瞼に於ても被保瞼者は保瞼の目的に封して直接事實上の取扱が行はれ得ないからであり從つて
實質的に保瞼の目葡の蓮命を決するような地位にないからである︒然るに陸ヒ保瞼はこの瓢で全然異つているのであ
るとしている︒
斯くて海上保瞼に於ては︑被保瞼者の過失であつても航海の普通の事故として生するような危瞼は契約の上でも考
/慮されるようになり保瞼者の責任は擬張されて來たのであるが︑同時に不可抗力的な危瞼でも航海L饒りに異常な事
故は豫測危瞼の範園外に拉し去られ︑この方面に於ては反つて保瞼者の責任は制限されるに至つたのであるコ︑
次に今日各國の法律は招致危瞼に閣し如何に規定せるや︑保瞼者の之に蜀ずる法律上の責任に就て見るに︑先づ佛
蘭西に於ては=ハ八一年の海事勅令の規定を再現せる一八〇八年の商法第三五一條は︑被保瞼者の行爲に因る凡ての
損失損害は保瞼者の責任外なることを明かにし︑同第三五二條は更に荷主傭船者叉は荷邊人の行爲並びに過失に因る
海上保険に於ける招致危瞼‑・
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海上保陰に於ける招致危瞼.
損害をも除外している︒然るに一九三〇年の保瞼契約法第+二條は陸上保瞼に關し故意に因る事故に謝し保瞼者の免
一師責を認むるも過失に就ては其の重輕を問わす然らすとなし︑依然海上保瞼と陸上保瞼との間に冨別をなしている︒同一様なことは白耳義に就ても謂い得る︒即ち一八七四年の商法第=ハ條は陸上保瞼に關しては︑被保瞼者の故意並びに
・重過失に就てのみ保瞼者の冤責を認いているが︑一八七九年及び一九〇八年の法律は第二〇五條二〇六條に於て海上
保瞼に關し佛商法同様の規定を有し︑過失に就て重輕の匠別を認めていない︒猫乙商法第八二一條第四號は被保瞼者
の故意又は過失(ぐ○話晋聾︒げ09皆膏崔・︒︒︒一嬉(但し航海上の過失を除く)に於て︑叉第五號は積荷・利釜保瞼に於
ける荷逡人荷受人叉は上乗の故意適失に劉する保瞼者の冤責を規定し︑損害保瞼一般に關し一九〇八年の保瞼契約法
め 第六一條は保瞼契約者の故意叉は重大なる過失に就てのみ保瞼者の冤責を認め海上保瞼のそれと匪別している︒濁乙
海上保瞼定則第三三條また商法と同様である︒︑
吹に英法に就て見るに︑被保瞼者の故意(毛一一用9一BP一ロ駐OO買自d[O酔O冷ゆ犀①勲ロΩロd一HO自)の場合に關しては同國海上保瞼
法第五五條②㈲に規定せるところであつて︑これに因る損害が直接なものであるとまた間接なものであるとを問わす
保瞼者免責されるとなす︒即ち⇔9塁o貯︒三言βoβ弓霞町蟄酔日(故意は間接たるを容赦せす)の原則による︒然るに
過失に就ては法に特別の規定がないが︑同國の判決は被保瞼者の重大なる過失(Qきu︒︒・︑昌o¢Q崔σq①口8)鵬に就ては保瞼者
り は當然免責されるものとしており︑其の他の過失に關しては︑被保瞼者の過失が損害の直接原因となる場合には保瞼
おり者は冤責されること﹂なるが︑それが間接に即ち損失の原因である危瞼が被保瞼者自身の過失に因る場合には(類富置
爵①娼o邑oo︒器ご昌冒σqゆ岸Φ一〇︒︒︒︒ぽ器び$戸自昌①8爵①昌oσq嵩σqo浮80協鏑o器ロ霞oq酔げoB器才窃)保瞼者はその過
お 助失の理由により饗されることはない︒即ち馨と過失と間に被保瞼危瞼の介在したる場合を指すのであつて︑その6理由とするところは英法の所謂近因主義(O銘撃宥o答日勘βo旨冨目09憩①蕊暮脅)の適用によるものであつて︑保
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