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論文の内容の要旨

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Academic year: 2021

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様式8の1の1 別紙1

論文の内容の要旨

専攻名 システム創成学工学専攻 氏 名 FANNY MOSES GLADYS

(2,000字程度とし,1行43文字で記入)

本論文は,光コヒーレンストモグラフィによってメダカを生きたまま高速3次元断層計測 を目指したものである.メダカの性決定遺伝子が哺乳類以外の脊椎動物において最初に解明 されたことから,メダカは人間を含む脊椎動物の普遍的な発生の仕組みや遺伝病の研究に盛 んに使われている。特に,様々な器官の生理学における研究のために,メダカはライフサイ クルの短い実験室用モデルとして使用されている.メダカを通しての研究により,遺伝およ び環境要因の器官変化や機能変化が明らかにされている.これらの実験におけるイメージン グ技術は,古くから i)光学顕微鏡や共焦点顕微鏡,ii)蛍光イメージング, iii)組織染 色,が利用されてきた.これらは,孵化後の発達段階における組織の様々な微視的な特徴を 高解像度にイメージングできる.一般に,魚は孵化後,ゆっくり透明性をゆっくり失ってい く.さらに,多くの臓器はこの段階でも成長し続けるため,前述の顕微鏡では高解像度の画 像を得ることが難しいという問題があった.本論文では,超高解像光コヒーレンストモグラ フィ(UHR-OCT)による3次元断層イメージングを提案している.この研究の目的は,メダカの 孵化後の様々な形態および発達状況を3次元断層イメージングするために,超高解像度スペ クトラルドメインOCTを提案し,実際に同じ生物の組織を生きたままで経時変化を捉えるこ とである.

提案されている超高解像度スペクトラルドメインOCT(SD-OCT)システムは,中心波長 840nmおよび135nmの帯域幅を持つスーパー・ルミネッセント・ダイオード(SLD)を光源とし ている.空間領域を変化させ,空間解像度と焦点深度を得るために3種類のNAの異なる対物 レンズを用いている.実際のシステムは,3.9μmの軸方向解像度および対物レンズの違いに よって6,12,30μmの空間解像度,検出感度は, ロールオフ4.3dB/0.5mm の時100dBとなっ た.1回の3次元断層イメージングに要した時間は33μsであった.実際の実験においてメダ カは、最初に氷水に浸けることによって動きを止めた上で,サンプルアームに設置し3次元 断層イメージングしている.イメージング終了後,再びメダカを水槽に戻すと元気に動き出 した.このような実験条件で孵化後1,2,3,4,5週目における脳、心臓、脊髄、歯、および生

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殖腺の発育状況を3次元断層イメージングし,さらに大きさの変化の定量化することに成功 している.本結果の有用性を確認するために,同じ魚のスライス染色法と比較した結果,OCT とスライス染色の結果ともによい一致が見られた.

本論文は7章で構成されており,各章の概要は以下の通りである.

第1章は,研究背景と動機や意義について述べている.

第2章では,メダカの内蔵諸器官について述べている.さらに,ともに実験室用モデルし て用いられるメダカとゼブラフィッシュの違いについて比較している.また,脳,心臓、骨 格結合,脊髄,生殖腺および歯における形態学的な機能および発達情報の関連性について述 べている.

第3章では,メダカの種々のイメージング手法についてまとめている.光学顕顕微鏡,蛍 光顕微鏡や共焦点顕微鏡についてその長所,短所を示している.この中で光コヒーレンスト モグラフィの有効性を明確にした.

第4章では,光コヒーレンストモグラフィによる3次元断層イメージング全般の原理を述 べている.まず,低コヒーレンス干渉縞解析法として,タイムドメインOCT(SD-OCT)につ いて述べた後,スペクトラルドメインOCT(SD-OCT)について一般論について説明してい る.さらに,機能性OCTである分光OCT,偏光OCTおよびドップラーOCTについて詳細に述べて いる。

第5章では,提案する超高解像度スペクトラルドメインOCT(UHR-SD-OCT)について,理論 の体系から,システム構築,波長選択,メダカ観察系の設計,分光器の設計,システムのキ ャリブレーション法について説明している.さらに,空間イメージング領域の広視野化のた めに対物レンズを変えた場合における分解能の違い,焦点深度,感度,ロールオフ特性,高 解像度化を理論および実際に実験においても確認している.

第6章では,実際に生きたままのメダカの3次元断層イメージング計測の実験について述 べている.ここでは,メダカの脳,脊椎と血管,生殖腺,歯と耳および心臓を3次元断層イ メージングで時系列に計測することを可能とした.さらに,これらOCTの結果と従来のスラ イス染色法と比較して有効であることを示した。また,メダカの3次元断層イメージング結 果から孵化後1,2,3,4,5週目における脳全体, 端脳,視蓋,小脳の大きさの計測が可能であ ることを示した.

第7章は, 本研究で得られた成果を総括し, 今後の展望や課題をまとめた.

参照

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