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地方行政官僚制における組織変革の社会学的研究

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Academic year: 2021

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地方行政官僚制における組織変革の社会学的研究

著者 田中 豊治

学位授与大学 東洋大学

取得学位 博士

学位の分野 社会学

報告番号 乙第72号

学位授与年月日 1993‑10‑18

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00004035/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

1       j

他 薦 に よ る ま ち づ く り シ ス テ ム を 求 め て

8^^

1987

獣 奈良 まちづくリセンター

(3)

図 し かけーま ちづ く り シ ス テ ム

1 。 「 まち づ く り フ ィ ー バ ー 」か ら「 まち づ く り シ ス テ ム」の時 代 へ2

. 社 団 法 人 奈 良 ま ち づ く り セ ン タ ー

3. ま ちづ くり 会社 の 設 立

84

‑9  5‑

j

(4)

1. 「 ま ちづ く り ワ イパ ー 」か ら「 ま ち づ く り シ ステ ム 」の時 代 へ

地 域  主 義

ま ちづ く り の時 代

汗 ・ 知 恵 ・ 金

今、 まち づ く り フ ィバ ー 時 代

昭 和5   0 年 代 の 初 めに「 地 域 主 義 」「 地 方 の 時 代 」が 叫 ば れ て か らヽ 全国各地 の ま ちづ く りヽ ひ らお こ し 運 動 に 火 が9 い た。 し かしヽ5  0 年 代 前 半はま だまだ 少 数 派 の 域 を 出 る 事がな か っ た がヽ5  0 年 代後 半に 入 って か らは 凄 まじ い勢いで 広 が っ た。 そ れ はヽ ま ち か ら ひ ら` ヽ む ら か らま ちへ とい う 空 間 的 広がり もさる 事 な が らヽ 生 活 者 とし て め 市 民か ら生 産 者( 大 分 県 の1 村1 品 運 動 に 代表 される 村 お こ し 運 動 )゛ヽ そし て 商 業声( 多 彩 な イベ ント に み ら れ る 商店 街活 性化巡蜘 へ 、 そし て 行 政 体( 市 政 ・県 政100 年 記 念 事業 や 回 覧 会の 開 催な ど、 行政主糾に よ るま ちづ く り イベ ント の 展開 )へ と… … … 。

ま ちづ く り の 空 間 的 な 広 が り と担 い 手 の 多 種 多 様 な 広 が り は、 今 まさにまちづ く りの 峙 代 を 迎え て い ると 言って も過S で は ない だ ろ う。 し かし 、 住民による自 王 ・ 白 立の ま ちづ く りが ど こ ま でお こ な わ れ てい るの か 、 とい う 点に ついてはは な は だ 疑問 が残 る。 とい う 小 は 、 今 は ま ちづ く り の お ま つ りの 時 代 と 規定 い│几 、

「 ま らづ く り フ ィバ ー時 代 」と 呼ん だ方 が い い よ う だ。

ま ち づく り の3 要 素

住 民に よ る 自 主 ・ 自 立 の ま ちづ く り を 進 め、 そ れ な り の 成 功 を納 めていくため に は、 究 極 的 に ど う も3 つ の 要 素 が必 要だ。J汗 と 知 恵 と 金 の3 要素である。つまり、

無 償の 汗を 流 せ る人 が 地 域 内 に ど れ だ けい るか。 住 民を 説 得 し 、 ま と め、 そして ま ちづ く りの 目 標へ と リ ー ドし て いけ るリ ー ダ ーが 何人 い る か ど うか が第1 の要 素で あ る。 第2 に は、 知 恵 の 集 積 力 を 持 って い る か ど う か。 つ ま り、 ま ちは様々 な 主 体 のm 成 休 で あ る と と もに 、 様 々な 要 素の 総 合 体で もあ る。 ま ちをつくつて い く た め には 、 ま ちを 読 み 取 る 高度 な 知 識 と、 ま ち を 再構 成し てい く 技 術がいる、

と い う 小は 、 総 合的 な 知 忠 や 技 術 の 渠 禎力 を 持 っ て い るか ど う か であ る。吊3 に は 、 自 前 の 資金 力 が あ る か どう か で あ る。 金 が あ れ ば ま ちづ く り が 成功 するとい う 錯 角が あ るよ う だ が、 こ れは 本 未転 倒で あ る。 地 域 を良 く す る ための やり こい 串 を や る た めに 、 金 が必 嬰に な る の で あ り 、 金 が 先 づ 初 めに あ りべ きで はない、 し か し 、 あ ま りい い カ ッ コを 言っ て も 始 ま らな い 。 ま ちづ く りm 働を持 蛸させる た め に は そ れ な り の 活 動 賢 金 が い る。 商店 街の 様 に、 活 動 費 を 出し たとし てい∩ 米 的 に も うけ に は ね返 って 来 る可 能 性 があ る 様 な ケ ー スは 別 とし てい かに地誠・ff

民が ま ちづ く り資 金 を 拠出 す るか とい う 事が、 ま ちづ く り パ ワ ーの バロ メータ ̄。

だ。

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(5)

永遠の 実 践 活 動

良質 の<J  ー グ

地域密 着 型 の シ ンクタン ク

まちづ くり 資 金

まち づ くり シ ス テ ム確 立 の時 代 へ

ま ちづ く り を 永 遠 の 実 践活m と定 義 付け る と、 一 時 的 なお まつ り 騒 ぎであ って は 困 るの であ る。 ま ちづ く りの 実践 活 動 は、 親 か ら 子、 子 か ら孫 へ と代 々引 き 継 れ て い か な け れ ば な らな い 行 為で あ る。 半 永久 的 であ れ ばあ る程 、 運動 持 続、 活 力 持 続の た め の 什 組 み( シ ス テ ム )づ く り を 活 動川 始 と 同時 に 考え て おか な け れ ば な らない 。

①  大 づ くり( リ ー ダー づ く り )シ ス テ ム の 検 討

ま ちづ く り を 成功に 心 く 晨人 の 唆 累 は、 つ ま る と こ ろ良 肖 の リ ー ダ ーに 心 ま れ るか どう か に か か って い る。 良 町 の り ーダ ー 像 を 規定 す る 事は むつ かし い が 、 無 償の 汗 を 流 せ る ボ ラン テ ィア 精 神 が あ る 事。 地 域 創 造 に 夢 と ロ マ ンを 持 て る 大 。 大 と大 を 結 び付 け 、 意 見 の 調 整 か ら 対 外 接 渉 調 整 ま で の コ ーデ ィネ ート カ があ る 事。 そ の うえ 、 都市 計 画 や 建 築 的 な 知 識 を あ る程 度 持 ち、 企 画力 が 備 わ っ た プ ラ ン ナ ー的 要素 を 持 っ てい る 事。 以 上 が 、し い て い え ぱ リ ー ダ ーの 要件 とい え よ う。

さ て、 現 実 的に は こ うい っ た 全て の 要 素を 備 え た オー ル マ イテ ィの 人 材は 皆 無 に 等し い 。 もっ と もあ る 程度 の 唆 件を 備 え た大 は 既に 作 在し て い る が、 長 い 目 で ま ちづ く り 運 動を 定 着 さ せ てい こ う と す れ ば、 帛 まし い リ、− ダ ー養 成の だ め の シ ステ ムが 検 討 さ れな け れ ば な ら ない 峙間 に 米て い るの で は ない だろ うか。

②  知 恵 の 集 積シ ステ ム の検 討

ジ ン ク・ タン クとい う 言 葉 は 既 に 定 着し 、業 とし て ま ちづ く り の 調 査 研究 を 行 っ てい る 機関 も全 国 に 多 数 存 在し てい る。 し かし 、 地 域に 密 着し 、 地 域 の 知 恵 を 発 俐し 、 そ れ を簾 積し 、 地 域の ニ ー ズにあ っ た 川 答を 捉 案 す る た めに 、 地 域 外 の 専 門的 な 知 恵を 結 び 付 け る様 な 役 割 を 米 たす地 誠定 着型 の ジン ク・ タ ン クは 少 ない 。

住 民に よ る ま ちづ く りに と っ て必 要な の は 、 都 巾 計│山│に関 す る一 般 的 な 専門 知 識 プ ラ ス地 誠 の知 心 や生 の 情 報 な の であ る。 つ ま り 、 こ れ か らの ま ちづ く り に と って 、地 域 円 情 報 シ ス テ ム の 確立 や地 域 に 埋 もれ てい る人 材の バン クシ ス テ ム の 確立 が 要求 さ れ るの で あ る。

③  金づ くり シ ステ ム の 検討

ナ シ ョ ナ ル・ ト ラ スト、 シ ビ ッ ク・ト ラ スト の 検 討 が 昨 今 盛 んに 行 な わ れ て い る。 ま ちづ く り超 勤 の エ ネル ギ ー とま ち づ く り 資金 が 相 関 関 係に あ り、 自 前

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−9  7

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の 資 金 だけ で は 目 標 の達 成 は お ろ か 、 運 動 の 維 持 さ え もお ぼっ か な くな って来 てい る 現状 が 我 国 に お い て や っと 認 識 さ れ る様 に な っ て 来 た。 ヨ ー ロ ッ パや ア メ リ カに 比 ベ ト ラ スト 的 概 念 が 国 民一 般 に 根 付 い てい ない 我 国の 現 状 を 考える と、 ま ちづ く り 運 動 を 実 践し て い る リ ー ダ ー達 は 、 ま だま だ冬 の 時 代 が 続く事 を 覚 悟し て 、 活 動 資 金 づ く り'の た めの 独自 シ ス テ ムを 検 討 し な け れ ば な らない。

〈 参 考 〉

イギ リス のシビ ッ ク・ ト ラス ト

r プ ラ イド・ オブ・ プ レ イ スー シ ヴィ ック ・ト ラ ス ト ー 」井 手久 登・井 手 正 子 訳 鹿 島 出版 会 )に よ れ ば、

「 シ ヴィ ッ ク・ ト ラ スト は、 建築 その 他 計 画 分野 の 水 準を 高め、 歴史 的に 重 要 な 建 造物 を 保 存し 、 田 園の 美 し さ を保 護し 、 醜 悪な もの を 居住 環境 の巾 か ら除 去 す る目 的で 、1957 鯛 こ設 立 さ れ た。 その 活 動の 主 な目 的 は 、 これ ら の問 題に つ い て、 一 般 市 民の 関 心 を 政め ると 同時 に 、 市民 とし て の 誇 りを 鼓舞 す る こ とで あ っ た。 」 と 述べ てい る。

①  ト ラ スト 事業 の2 つ の 原 理

1 つ は、ど こ か 別の 場 所 で 適 用 出来 る様 な 教 訓を 得 られ そ うに ない 個別 の 計 画 は 取 り上 げな い。

2 つ は、 ト ラ ストが 戚接 手 を 貸 し た 期閥 の 後 で も 計 画を 継続 で きる適 切 な仕 組 みを 設 立す る こ と 。

② 事 業 の内容

1. ジン ク・ タン クとし て 、 調査 研 究 に 基づ く 提 言

・ 提案(SI 会の 要 請に 基づ く 提案 な ど ) 2. 建 築 保存 基金 の 管 理、 地 方 の 団 体 が 古 い 建築 物

を 買い 取 った り、 修 復す るの を 低利 の 資 金で 援助 す るための 基金 を 管 理。基 金 の 資 本 は150 万 ボ ン ド。3.

シビ ッ クト ラ スト 賞 1983 年 は 大 ロ ン ドン 区 と、 エジ ン バ ラお よ び グ ラ スゴ ー大 都 市圏 で の 都 市 復興 計 画に 対し て 、 優 秀作 品 に 賞が 授 与さ れ た エ ン トリ ー は550 件 、6  7 の 計 画が 受 賞 。 4.  環境 教 育 ト ラ スト の 理 事 の1 人で あ るBri‑ggs

卿を 代 表と す る「 遺 産 保 存 教 育 グルー カ の活 動 が9 年 間 も続 い てい る。 ま た、 若 い 人 を 巻 き込

ん だ「 よ きブ リ テン」 キ ャン ペ ーン と い う環 境 プ ロ ジェ クトに も携 わ って い る 。

その 他、トラストディレ クターは英 国 鉄道 評 議 会 の 環 境委員 会、 王 位英 国 建 築 家 協会(EIBA )設立150

 周年 記 念建 築 フェ ステ4 バル運 営委 員 会 の メ ー バー など 、多 く の 委 貝 会 や審 査 会に 関 りし てい る。

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薦4

③  役 員m 事会  ト ラ スト の 創設 者 であ り総 裁で あ る ダン カン ・ サ ン ズ卿 を 筆頭 に 計2  3 人 の 理事 で 構成 され てい る。

④  スタッ フ 2  0 名

⑤  財政  赤字 財政 が 続い て い る。

1981‑82 1983‑83 1983‑84  (予m) 収 入  £192,600  £249.698  £272.000 支出  £210,876  £293,346  £323.000 差 額 ・£18.276 4 £43.648 4 £51,000

註:1982‑1983 の 数字 は, 会 計上 の手 続 きの 変 化 と 個 々の 支 援 プ ロ グ ラ ムを ト ラ ストの 全 体の 数 字に 統合 し た こ と が 反映 し てい る。

1983 −84 年 の ト ラ ストの 収入 は以 下の 通 りで あ る。

委 託 金(C ovenants  )と寄 付 金 … … … ……iz % 政 府 補助 金  … … …… … … … …… … … …18 % シ ビ ッ クト ラ スト 賞 後 援金 … … … \h%

建 築遺 産 保 存 基金 か ら の 寄 付金 … … … … …  ≫7  /O 出 版物 印 税 … … … … …… … … … …… … … … 6 % そ の 他  … … … … ●●

合 計

9 %100

(  c の 情報 は ㈱ 都 市計 画設 計 研究 所 の

熊 沢 雄一 氏 に 負 うて い る )

98 −

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z 社団 法人奈良 ま 石づ くりセン タ ー

まちづ く り の 必 要性

まちづ く り の 定

曹ちづ く り の サ ポート

中 間  組  織

何 故 ま ちづ く り セ ン ター が 必要 な の か

社団 法 人 奈 良 ま ちづ く り セ ン タ ー は、 昭 和5  9 年5 月に 設立 し た。 前 身 の奈 良 地 域 社 会 研 究 会 発 足 か ら5 年 半 、 住 宅 に よ る ま ちづ く り運m の 実 践 経 験 を 踏 ま えて 社目1法人 と し た 訳で あ る。 社HI 法人 とい う公 益 法 人に し た 殼 人 の ポ イ ン ド と は 、「 ま ちづ く り は 、。住 民 相 互 の 永 遠 の実 践活 動 」 とい う定 義 にあ る。

ま ちづ く り は一 過 性で あ って は な ら な い し 、 具 体的 な 成 功 もそ う 簡 単 に手 に 入 る もの で もな い 。 ま た、 ま ちづ く り とい う行 為は 、 そ の 地 域に 住 む 住 民の 日 常 生 活 に 溶け 込 ん だひ と つ の く らし の 不> ベイフレ。と し て 定 着 させ な け れ ばな らな い 。 し かし 、5 年 半 の 経 験 か ら 、 そ う は 言 っ て も実 際地 域 の 住民 が そ こ ま で ま ちづ く りの 必 要性 を 感 じ て い ると い う事 は 皆 無 に 等し い し 、 実 践 活動 が 永遠 に 持 続 す る事 も不 可 能 に 近 い 。 と い う 事は 結 局 、 誰 か がま ちづ く り の必 要 性 を 説 き地 域に ま ちづ く りを 定 着 さ す 事 を心 掛 け なけ れ ばな らな い と い う事 で あ り、 誰 か が 地 域の ま ちづ く り をサ ポ ート し て や らな け れ ぱな らな い とい う事 に な る訳 で あ る。 その 場 合 。 任 意 団 体で は 社 会的 信 用 もな い し 、 社 会 的 影響 力 も弱い 。 公 益 性 を持 っ た団 体 とい うUりこな る と、 社団 法人 と 財団 法 人 の ど ち らか とい う 小 に な り、 金 が無 くて も比 較 的 設立 がし や す く 、 か つ活 動 内 容に 柔 軟性 を 持 て る 事 の 出来 る公 益 法人 と い う事ic な れ ば 、 施 行 公 益 法人 制度 の 枠内 で は 社団 法人 し か ない 。 奈良 地 域 社 会 研 究 会 を、 余良 県 で の 住 民に よ るま らづ く り を進 め て い く 総 合 セ ン タ ーとし て 位 置 付け 社 団 法人 とし た の も以 上 の 理由 か らで あ る。

セン ター の位 置付 け と 役 割

セ ン タ ーは 、 地 域 と 行 政 体 と の中 間 領 域 に 属 す る中 間 組 織 と位 置付 け て お り 、 行 政 と住 民 との 隙 間 を 川 め る役 割 を 米 たし たい と 考 えて い る。 ま ちづ く りは 、

。住 民 と行 政 との 共 同 作業 と い わ れ てい る が 、 ス ムー ズに 共 同 作業 が 進 め ら れ て い る地 域 や市 町 村 は 稀で 、 一 時 期 、 住 民 参加 の ま らづ く り とい う 言 葉 が もて は や さ れ たが 、 現 在 は そ の 言 葉 も色 あ せ た感 が あ る。 今 の 時 代は 、 住 民 主 体 の ま ちづ く り に 如 可 に 行 政 が か か わ り、 そ れ を サ ポ ー トす るか が問 わ れ て い る時 代 な の で あ る。 し か しヽ 一 般 的 に はヽ 地 域 住 民は 享雛 を ま ちづ く りの 共 同 作 業 者 と と は み て お らず 、 依 然 とし て 補 助 金支 給 者 、あ るい は 地 域 の 実 情 を 分 か ろ うと もし な い、 あ るい は 地 域 の 問 題 や 課 題 に 真 剣に 取 り組 も うとし ない 伊 り に な ら な い 存 在 とし か み てい な い。 こ うい っ た 関 係 図式 が 成 り 立 ってい る 分 にお い て は 、 ま ちづ く りは 一向 に 進 ま な い。 そ こ で 、 そ うい っ た図 式 を 打 ち 破 り、 住 民

84/

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接 着 剤的 役 割

第3 セ ク タ ー

第 三 の 新しい パ ワ ー

によ る ま ちづ く りを 推 進し て い く た め に は、 そ の中 間に おい て 住民 と 行 政を繋 ぐ 、 あ るい は 住民 と行 政 を 結 び付 け る 接 着 剤的 役 割を 持 っ た組 織 体 が 必 要にな って く る。 住民 か ら も 信 頼 さ れ、 か つ 行 政 か ら も信 頼 さ れる 、 地 域 の ま ちづく り推 進 に ー 役買 って 出 る事 の 出来 る 頼 り にな る団 体 が求 め ら れ る事 に な るの で あ る。 奈 良 まら づ く り セ ン タ、− は 、 そ うい っ た 図式 の中 で の位 置付 け を 目 指そ

う とし て い る。

また、先 見 性 とベンチ ャ―精神 を 持 った 第3 セ ンタ ーとし て の 役 割 を果 たそ う とし て い る 。我 国 にお い て は 、 第3 セ ク タ ー とい う と、 自治 体 と 民 間 出 資によ る 財 団 法人 や 株 式 会 社 な どが こ れ に当 た る。し か し 、 アメ リカ に おい て の 第3 セ クタ ーの 分 類 は 、 第1 セ クタ ーが 政府 や 自 治 体で 、 国民 や 地 方 自 治 体住民 の 税 金 に よ って 事 業 を 行 う 主 体 。 第2 セ・クータ ーは 、 営利 を 目的 とし た株 式 会社を い い 、 第1 セ クタ ーで も ない 、 ま た 第2 セ クタ ーで もない 非 営 利 の 益 益 法人を 第3 セ ク タ ー と 呼 ん でい る。 こ こ で 重 要 な の は 第3 セ ク ター の 役 割 で 、 第1 セ ク タ ーで も 第2 セ クタ ーで もや れな い 事 を 先 見性 と ベ ン チ ャ ー 精 神 で もって 大 胆に チ ャレ ン ジ す る役 割 が 課 せ ら れて い る の であ る。 地 域 の問 題 や 課題 に 先手 を打 っ て 取 り 組 み 、 その 解 決 の 糸 口 を 見い 出 し 、 積 極的 に 第1 セ ク タ ーや 第2 セ クタ ー に 提 案 ・ 提言し 解 決へ の 行動 を 促し 、 自 ら も行 動 す る。 こ れ が 第3 セ ク タ ーに 課 せ られ た本 分で 、 こ う い った 第3 セ クタ ー的 な 取 組 や 団 体 が 地域で 育 つ か 、 あ るい は 地 域に 育 て る風 土 が あ るか ど うか が 地 域 発 展 の バ ロ メ ーター と もい え る。

最 後 の役 割 とし て 当然 の 事 で あ るが 、 奈 良 の 未来 創造 の推 進 母 体 とし て、 ま た リー ダ ー とし て の 役 割 を果 た そ う とし て い る。 温 故知 新 とい う 言 葉 があ るが、

歴 史 の 古い 奈良 に おい て は 温故 が 支 配し 、 知 新が お ろ そ か に さ れ る き らい があ る 。 ま た既 存の 組 織 や 団 体 にお い て も、地 に 付 い た 未来 の 構想 力 や 提 案力 、そ し て 実 践力 に欠 け る きら い が あ る 。 そ うい っ た状 況 の中 で 、 第三 の 新し い パワ ー とし て 奈 良 ま ちづ く り セ ン タ ーを 位 置付 け 、 若 い力 で も って 奈良 の 未来 創造 の リ ー ダ ー母 体 と な らん とし て い る。

U6

100

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推 進 機 能

地な ら し の ま ち づく リ

支 援 機 技術 的 支 援

セ ン タ ー三 つ の 機 能

奈良 ま ちづ くり セン タ ーは 、 住民 に よ る ま ちづ く りの 総 合 セン タ ー とい う 性 格か らし て 当 然 、 住民 に よ る ま ちづ く り を 県 下一 円 に広 めてい く ため の 推 進 機 能 と 、 住民 に よ る ま ちづ く り を サ ポ ート す る た め の支 援 機 能を 持 って い る。 推 進 機 能 と は ズバ リ 、ま ちづ く りでり ー ダ ー の 養 成で あ る。 ま ちづ く りは 人 づ く り。

とい われ るが 、ま ちづ く り の 成 功は ひ とえ に そ の 地 域 に良 質 の リー ダ ーが 出現 す るか ど うか に か か ってい る。 も っ と も、 そ の 地 域に リ ーダ ーが 突 如現 われ る 事 は 希有 とい わ なけ れ ば な らな い 。 現 実 に リ ー ダ ーが 突 如 現 れてい る 例 もあ る が 、 一 般 的 に は リ ーダ ー の出 現 は 相 対 的 な 関 係に おい て 生 ま れ る と考 えて おい た 方 がい い 。 相対 的 とい う 事 は 、 あ る地 域の 重 要性 や ま ちづ く りの 必 要 性を 誰 かが 、 あ るい は 地 域 外 の 団 体 が そ の 地 域に 着 目し て 声を あ げ る。 た とえ ば我 々 の セ ン タ ーが 、ま ち づ く り の必 要 性 を 講 演会 や シ ン ポジ ウム等 で 訴 える。 ま た 、

イ ベ ント を うつ な どし てい く 事 に よ って 、 そ の 地 域 の 住 民の 中 に ま ちづ く り 推 進 の必 要性 とい う 免 疫 が 生 れ て い く 。 こ れを 地 な らし の ま ちづ く り とい う。 一 方 、 地 域内 の 住民 の 誰 か が ま ち づ く り の 旗を 振 り 始 め た 時 、 間 違 い な くい つ い つ ま で もバ ッ クア ップし て く れ る 頼 り に な る 人や 団 体が 存 在す る とい う厳 然 た る 事実 が 必 要な の で あ る。 地な らし が出 来 て 、 そ の う え 頼 りに な る応 援 団 が 存 在 す る とい う 関 係 図式 の 中 に 置 い て ま ち づ く り りー ダ ーが 出 現し 、自 信を 持 って 地 域 の中 で ま ち づく りの 旗 を 振 れる ので あ る。 そ うい っ た 意味 か ら も推 進 機能 と は 、ま ち づく り り ーダ ー の 養 成 、 リ ーダ ー を 養 成 す る ため の 講 演会 、 セ

ミナー 、 シン ポ ジ ウ ム等 の 開 催 とい う 事に な る 。

次 に 支 援 機 能 であ る が 、 そ の 内 容 は 大 き く 三つ に 分 か れ る。 その 第一 は 、 技 術 的 支 援 で あ る。 地 域 の 住 民 が ま ちづ く りを 進 めて い く た め の 組織 づ く り の ノ ウ ハ ウか ら 、 イ ベ ント の 打 ち方 、 都 市 計 画 法 や 建 築基 準法 の 解 説な ど、 ま ちづ く りの 初 歩的 な技 術 アド バ イ スか ら 、 歴 史 的町 並 み地 区 に ふ さ わし い 住 宅 や 商 店 の デ ザ イ ン 、 土地 の 有 効利 用 方法 、 地 域に ふ さ わし い 商 店 の 業 種 業 態 、 ま た は 建築 協定 の 結 び方 な ど の 専 門 的 技 術 アド バ イ スに 致 るまで 相 談内 容は 様 々で あ る。 ま ち づく り セ ン タ ーで は 、こ うい った 相 談に 気 軽 に 乗れ る 無 料の「 ま ち づ く り 相 談 室 」を 開 設 し てい る。 事 務 局 レ ベルで 相 談を受 付 け 殆 ん ど 対応 し て い るが 、処 理 出来 な い 相 談に つい て はケ ースバイケ ースで セ ンタ ーに 登録 さ れて い る専 門 技 術 者 に バト ン タッ チ をし 、 適 切な アド バ イ スを お 願 いし てい る。 二

u

101 −

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資 金 的 支 援

まち づく リ公益 信 託

ま ちづく リ 情報 の 提供

シ ン ク タ ン ク

つ 目 の支 援 は 、 資 金 は支 援 で あ る。 こ の 機 能 は現 在 稼動し て い ない 。 とい うの はヽ ま ち づ く り セン タ ー自 体 の 経 済 的 基 盤 が 確 立 さ れて い な い か ら で あ る。し かし 、 セン タ ーで は 僅か で あ るが 約150 万 円 の ま ちづ く り 基金 を プ ー ルし てい る 。こ の 基 金 は 、 セ ン タ ーの 正 会 員 入 会 と同 時 に1  p  1 万円 を 支払 う よ う義務 付 け てい る もの で 、 会 員が 増 え れ ば 自 動的 に 貯ま る 仕 組 み とな って い る。 将来 的 な 方 向 とし て は 、 ま ちづ く り 公 益 信 託 等 とし て発 展させたい と考えており、 あ る程 度 の 基 金 が 貯 れ ば 行政 や 企 業 等 か ら の出 資 をあ お い で 大 口 の 公 益 信 託にし た い と考 え てい る。 ま ち づ く り セ ン タ ーの 経 営 基 盤 の 確 立 も一 に そ れ に かか って い る とい え よ う。 ま ち づ く り 運 動を 長 期 的 に持 続 さ せて い く 為に もあ る程 度 の 資 金的 支 援 は 必 須 で 、 早い 段 階 で の 公 益 信 託 を は か り たい と 考 えてい る。

三 つ 目 の支 援 は ま、ち づ ぐ り情 報 の 提 供 であ る。 ま ち づ く り 情 報 とい って も色々 な 情報 レ ベ ルが あ る が 、地 元 行 政 体 の ま ちづ く り 情 報 の提 供か ら 、 各地 の行政 体、 あ るい は 住民 に よ る ま ちづ く り 情報 の 提 供 な どは い う ま で もない が 、 もっ と身 近か な 地 域↑n報 の 提 供 が 有 効 で あ る。 た とえ ば 、「 ど こ どこ の 家 が 売 りに 出 さ れ た 」と か 、「 どこ ど この 家が 空い て い る 」と か 、「 ど こ どこ の 空 地 にマ ン ショ ン 建設 の 話が あ る 」とか い った 地 域 の生 の情 報 は 、 ま ち づ くり が ソ フト か ら ハー ド 整 備 の 段 階 に入 った時 に は 非常 に有 効で あ る。 ま た 、 地 域に 誰 が移 り住 ん だ とか 、こ の 話は 誰 々 に 相 談し た 方 がい い とかい う パ ーソ ン 情 報 もなく て は な ら な い 情 報 だ。 こ うい った 情 報 を 入 手し よ う と 思 え ば 、絶 え ず 地 域内に 情 報 ア ン テ ナを 張 り め ぐ らし て お か な け れば そ う 簡単 に 手 に 入 る もの で は ない、

セ ン タ ーで は 地 域 に 住 む 、あ るい は 地 域に お 店 を 構え る会 員 か ら そ うい った情 報を 入 手し て い る。 そし て 、 時 に 応 じ て 相談 者 に あ るい は ま ち づ く り を 推 進し て い る 地 域 に 情 報を 捉 供し て い る。

さて 、 推 進 ・ 支援 機 能 に つい て 述 べ て来 た が 、 セ ン タ ーの 最 大 の 特 徴 とし て は 調 査 研 究 機 能 を 持 って い る事 で あ る。 つ ま り セ ン タ ーで は 、 シ ン ク タ ン クで もあ る とい う 事 であ る。 シ ン クタ ン ク的 機能 を 持 だ なけ れば な らな い と考 えた の は 、 そ もそ もま ち づ く り とい う 総 合的 な 行 為を 推し 進 めて 行 く場 合 、 い わゆ る学 際 的 な 知 識 や 発 想が 必 要 で 、 そ の 量 と質 にお い て 総合 的 な 集 積 力 が ものを い う と判 断し たか ら で あ る。 ま た 、 都 市 政 策 や 地 碑 政 策 能力 に 劣 る行陣 に 一定 の 刺 激を 与 え 影 響力 を 行 使 す る 為 に`も強 力 な 頭 聊 集 積を 持つ 事が 有 効で あ ると 考 え たか らで あ る。

8:3i)  ‑102‑

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シン クドウ タ ン ク

ま た 、 一 般 的 な 調 査研 究 機 関 と 異 って 、 セ ン タ ーの 調 査研 究 スタ イ ルは 、提 案 後 や 調査 研 究後 の フ ォ ―ロ ー ア ップ 体 制 を と ってい る とこ ろ に特 徴 があ る。

一 般 的 に は 提 案 のしっぱなし 、調 査 報 告 書で お し まい とい う 訳であ るが 、 セン タ ーの 場 合 に は その 内 容 に 近付 か せ る 為に 地 域を 動 かし た り 、地 域 の動 きを フ ォ ロ ー ア ップ す る とい う ド ウの 部 分 を 備 え てい る。 ま さし く シ ン クド ウタ ン クな の で あ る。

第4 期(6  2 年 度 )事 業 計 画

①  基 本方 針

1. 会員 の 参 加性 を 高め る と と もに、 セン タ ーか ら の 情 報 発 信の 安 定化 を 図 る。

2. 事業 展 開 として は、 ま ちづ く りの 推 進 事業、 支 援 事業 、 調 査 研究 事業、 ネ ット ワー ク事業 とい う4 本柱 を 堅持し 、 その 内容 充 実 を図 る。

3.    2 1 世紀 へ向 け て 奈良 を イノ ベ ート( 革 新 )し てい く 、,キ ー・ ステ イ シヨ ン の 役割 を 果 たす 。

② 事 業 内容

な ら ・ イ ノベ ー ショ ン セ ミ ナー 2  1 \]i紀を 担う 人 材 育成

な ら・ シル クロ ードm  ひと り ひと ま ゆ 夢織 る シル クロ ー ド イ ベン ト62.3 〜63.11

ま ちづ く り セ ミナー 旅 行 会 津 復 古 会と の交 流

「 地 域 創 造 」の 発行  会 員 の 参加 性 各 事業 と の 連動 性 情 報発 信性を 高め る

ま ち づ く り 相談 室 ま ちづ く り りー ダ‑ 及 び団 体 への 技術 的 支 援 と 情 報 提供

ま ちづ く り 帖 報の デー タベ ー ス化  セン タ ーに スト ッ クさ れて い る 悄 報整 理

奈良 の 未 来 像 な ら・ 未 来 創 造100 人 会議へ の 対 応

ま ち づ く り基金( ま ちづ く り 公益 信 託 ) セ ン タ ーの経 済 基盤 確立 の 検討

ま ちづ く り セン ター のC  I の 確立

なら・ 未来 創 造会 議 奈良 県 の未 米 像を 創 案し、 提言 す るこ と を目 的 と す る セ ン ターか ら ユ メ ン バー派 遠 な ら ・ 未米 創造 拡大100 人 会 議  セン タ‑ か ら委 員 派 遠 地区 ま ちづ く りの 推 進 奈良 町 、 大 佑^山、 今井 町 、 その 他 奈良I ・P  ・ C  高 齢化 、 国際 化に 対 応し た ま ち づく り の 検討 女性 サ ロ ン

奈良 デザ イン 協 会 奈良 県 在 住 の デ ザ イ ナー、 クリ エ イ ター の団 体

8o し^103‑

(12)

3。 まちづくり会社の設立

ソ フト のま ちづ く リ

ハー ド の ーち づ くリ

ボ ラ ンテ ィア の 限 界

奈良 ま ち づ く り セ ン タ ー の 限 界

ま ちづ く りセ ン タ ーの ま ちづ く りの 推 進 活 動 に よ り 、 地 域 に ま ちづ く いト ダー が 育 ち、 その りー ダ ーの もとに ま ちづ く り団 体 が 生 ま れ 活 動 が 地 域主導の も とに 行 わ れ 出 す と、 セ ン タ ーは 基 本的 に は 支 援 側に 回 る。 リ ー ダ ーの 悩み事 相 談 や 情報 提 供 、技 術的 ア ド バ イ スな どを 行い 、 活動 が ス ム ー ズに 運 ぶ手助け を す る 訳で あ る。 ま ちづ く り 運動 が 、 地 域 の 歴 史的 、文 化 的 資産 を 見 直す地域 の再 発 見や イ ベ ン ト の 展 開 な ど を 通じ て ア イ デン テ4 の 確 立 や 地 域 の 将来性を 描く とい っ た 様 な、 い わ ゆ る ソフ ト の ま ち づ く り の 段 階 レ ベ ル に おい ては、セ ン タ ー の 支 援 活 動 は 充 分 に 対 応 出来 る。 し か し 、 ま ちづ く り 運 動 が ス ムーズに 発 展し て い って 、 地 域 の ま ちづ く り の コン セ プ ト も固 ま り、 そ れ に 基 づい たハ ー ド 整 備 の ニ ー ズが 生 ま れて く る と 、 例 え ば 古い 蔵 を 利 用 し た ミニ博 物 館を経 営し たい と か 、 町 家 を 利用 し た 商 業 施 設 を 検 討し たい と か、 地 域 に 根 ざし た新 し い 土 産 物 や商 品 を 開 発 し たい とい った ハ ー ド 実 現の 欲求 が 高 ま っ て くるとセ ン タ ー で は 手 に 負 え な くな って く る。 先 方 の 投 資 や 経 営 に 責 任 を 持 って対応山 来 るか とい う と 、 ボ ラ ン テ ィア の限 界 が ど う し て も出 て く る 。 相 手 方 も恐 らく 不 安 だろ う。 ま ちづ く り 運 動 は 、 ソ フ ト。包 ら。切 願し て ハ ード 整 備 に 発 脛し なけ れ ば 成 功 とは い え なり。。 ま た 、 目 に 見 える 、 手 に 振 れ られ る 成 米が 地 域 住民に プレ ゼ ン テ ー シ ョ ン さ れ て 始 めて 、 ま ちづ く りに 参加 を 拒 ん で い る、 あ るいは 参加 の 機 会 を 伺 っ てい る 住民 に イ ン パ クト を 与 え る 事に な る。 そし て 、結米と し て 新 た な るま ら づ く り メ ン バ ーを 地 域内 に増 や す 事に な る ので あ る。 そうぃ っ た 意 味 か ら も、 ハ ー ド 整 備 の ニ ー ズに応 え ら れ る受 皿 が ま ちづ く り セ ンター 外 に セ ット され な け れ ば な らな い 。 そ れ が 出 来 る事 に よ り 、 セ ン タ ーの限 界も よ りカ バ ーさ れ るの であ る。

地域 経 営 の 時 代

地 域に お け るま ちづ く り 運 動 の 展 開 と は 無 関 係に 、 高齢化 社 会 へ の 移 行とい うト レン ト はま ぎ れ もな い 事 実 であ る 。2010 年 に は 、生 産年 齢人 口(15 心4 歳 )比 率 が約6  3 % に 低 下 す る と い う数 字 が 示 す 様 に 、6  5 才以 上 の 高 齢者2 人 を 生 産 年 齢 人 口3 人 で 養 な わ な け れ ばな ら ない とい う 計 算 に な る。 人 生8 0 年 時 代を 考 え合 わ せ る と 、 サ ラ リ ーマ ンの リ タ イ ヤ ー組 の 職 場 確 保 とと ○ こ高

齢 者 の 職 場 確 保 の 問 題 が 緊 急 の 課 題 とし て 浮 か び 上 が って く る。 ま た、 高齢省 の ケ ヤ ーや 医 療 に 対 す る行 財 政 の 逼 迫 化 も一 段 と厳 し さを 増 し 、 そ れ らの シワ

85^ ‑104‑

(13)

地域経 営 発 想

地域経営 研 究 所

ならま ち ー く ら しりフ ァ ク ト リ ー

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柏 竹言ト4 犬

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ヤ 言 を 被 う 事 に な る。 そ こ で 結 局、 連帯 と 相 互 扶 助 精 神に 基 づ い て 、、行 政 に  ら ず に地 域 住民 自 ら が 地 域 登総 合的 に 運 営 ・ 経 営 し てい か なけ れ ばな ら な いm 域経 営 発 想 が 必 要 に な っ て く るの で あ る 。 地 域 住 民 の出 資 によ る 地 域医 ヽ療 サ ー ビ ス 会 社 の 設立 や、 サ ラリ ー マン リ タ イ ヤ ー組 や 老 人 が 働 け る 、 例 え ば 協 同 組 合 方 式 に よ る工 場 や 職 場づ く り な ど も地 域 住 民 自 ら が 行 ってい か なけ れ ば な ら ない だ ろ う 。 そ う す る 事 に よ って 、 地 域 の 経 済 的 ・ 文化 的 活 力 の 維 持 を 図 る 事が 出 来 る の であ る。 こ れ か ら の ま ちづ く り 運 動 は 、 上 記 ト レ ン ト に もシ フ ト す る地 域 経 営 シ ス テA を 創 り 上げ てい か なけ れ ば な らな い 。

ま ち づ く り 会 社

ま ちづ く り セ ン タ ーの 活 動 を リカ バ ーす る と と もに 、 高齢 化 社 会に お け る地 域 経営 発想 に も対 応 す る地 域 密 着 型 の ま ちづ く り 会 社 と し て 有 限 会 社地 域経 営 研 究所 を こ の1 月 末( 昭 和6  2 年 )に 設 立し た。 セ ン タ ーが 長 年 か か わ っ て来 た 奈良 町 の ま ち づ く り は 、 リ ー ダ ー も生 ま れ 、 ま ちづ く り 団 体 も組 織 さ れ、 ま ちづくりがソフト段 階 から、い よ い よ ハ ード 整 備 段 階 に 差 し 掛 って い る。 そ うい っ た 状況 に 対 応 す る た め に 、 地 元 の ま ちづ く りり ー 弧‑‑ どと。もに 、 資 本 金450

、万 円 で 設 立 し た。奈良 町 の まちづ くりは 、1リ ー ダー の 田中 宏‑ 氏 を 中 心 に 着 々 と 進 め ら れ て い る 。 まち づ く りの 前 提とし て 、 ①商業 イノ ベ ー タ ー( 革 新 者 )に

`よ る自 主 ・ 自立 の ま ちづ く り 。 商業 者が 地 域 革 新 の リ ーダ ーと な って ま ちづ く り を 進 め てい く こ と。 ②歴 史的 町 並 みな ど の 地 域 資 産 の 高 付 加 価 値 経 済活 用。

活 用 に よ る もうけ の一 部 を 地 域 資産 の保 存・保 全に役 立てる。③くらし のにおいを 大 切に 、 住 商 共 存 の ま ちづ く り。 ④地 域産業 お こし に結 び 付 く 商 品 開 発 。 以 上4

点 を 掲げ てい る。 な ら ま ち ー くらし の フ ァ クト リ ー を ま ちづ く り の 目 標 に 、 奈良 町 の 歴 史・ 文 化 を ペ ー スにし たフ ァ ッシ ョン グ ッズ( 奈良 町 の ラ イ フ スタ イ ル を 表 現 、 あ るい は 楽し ひ た めの 商 品 )を来 街 者 に 提 供 す る 事 に よ って 、 奈 良 町 を 楽し ん で も らお う と い う 訳であ る。 そ の た めに。、 四 方道 路 で 囲 ま れ たブ

ロ ッ ク内 の 裏 庭 を 活 用し て 、 商 品 を 開発 ・ 生 産 す る た め の工 房 や コ レ

フ ァクト リ ー( 地 域内 の 老 人 や 主 婦 が 働け る 地 域に 密 着 し た ミニエ 場 )を 建 設 し 、 そ こ で 生 産 さ れ た工 芸 品 を 表 側 の保 全 さ れ た町 家 ギ ャラ リ ーな ど で 販売 し ょ う とい う もので あ る。 こ うい った ま ちづ く り コン セプ ト は 、約5 年 間に 渡 る ま ちづ く りや 実 践 の 調 査研 究 活 動 を通じ て 導 き出 さ れ た もの で あ り、 地 域の 経 済力 無 く し て 歴 史的 資産 は 守 れ ない とい う結 論 に 表 打 ちさ れてい る。

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(14)

以 上 の ま ちづ く りJ ン セ プ トに 対 応 す る た めにヽ ま ちづ く り会 社地 域経営研 究 所 の 当 面の 事 業 内 容 は 次 の 様 に な っ てい る。

・ 地 域 計 画 及 び 振 興 、 開 発 に関 す る企 画 調 査

O  マ ーケ テf ン グ リサ ーチ 、 セ ール スプ ロ モー シ ョ ン及 び コン サルテーショッ

・  商品 開 発及 び 流 通 開 発

・ 施 設 計 画 、 運 営 計 画の 立案 及 びプ ロ デ ュ ー ス

・  講 演 会 、 セ ミ ナ ー、 そ の 他 イ ベ ント に 関 す る企 画 プ ロ デ ュー ス

将来 的 に は 、 不 動 産 の 売 買 、 賃 貸 借 、 仲 介 、 鑑 定 及 び 管 理 や 、 古い 町 家の改善、

改 修事 業 な どに も手 掛 け たい と 思 って い る。 我 々と し て は、 こ うい っ た事業を 地 域 に 密 着し て展 開 し て い く 小 に よ っ て 、2   1 111‑紀 社会 に対 応 す る地 域経山シ ス テ ムを 確 立 し たい と 考 え て い る。

こ れ か ら の ま ち づ く り シ ス テ ム

犬 う

匯 〕

奈 良 町 再生 計画 模型( 道 路に 面 する 表 側 町 並 み 保全 ・ 裏側 開 発 )

8o‑ に106 −

(15)

な ら ま ち ー く ら し の フ ァ ク トリ ー 奈良 町 の 歴 史・ 文 化を 工 作し ま す。

く らし に うる お い と色 ど り を 添 え る 、 く らし の 工 芸品 を つ く り ま す 。 街 が 工房 。

雨 が ギ ャラ リ ー。

雨 が く らし の フ ァ クト リ ー。

コ ミ ュ ニ テ‑I ー フ ァ ク ト リ ー で 製 作 し

コ ミュニ テ ィー シ ョ ップ で 販 売 す る 。

コミ ュニ テ ィフ ァ ク ト リ ーと コ ミ ュニ テ ィショ ップ

アト リエ ・ ギ ャラ リ

路地 を活 用し た フ ット パ ス

集 合 住 宅

駐 市 場

広 場

集 合 住宅

奈良 町 の 新商 業 地お こ し の イ メ ージ 図 0 510 20 30 40 50

蔵 の 盾用 に よ る コ ミュ ニ テ ィ‑ ≪g設

ミ ュ ニ テ ィ ア ク ト リ ー

町 家の 改造 す る店 舗 社 寺境 内 地 の 活用 に よる 広 場 槃 合 住宅

ま ちな かの 散策路 町家 ・蔵 の 改 造 に よ る 資 料 館 町家 の 改造 に よる 店 舗

lOOM

コ ミ ュニ テ ィーフ ァク トリ ー

の イ メ ージ う ら ゾ ー ン の 開 発 イ メ ー ジ

83.)

−107

図 し かけーま ちづ く り シ ス テ ム 1 。 「 まち づ く り フ ィ ー バ ー 」か ら「 まち づ く り シ ス テ ム」の時 代 へ2 . 社 団 法 人 奈 良 ま ち づ く り セ ン タ ー 3

参照

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