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在日外国人留学生を対象とした アルバイト動機づけに関する研究

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Academic year: 2021

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(1)

学 位 論 文

在日外国人留学生を対象とした アルバイト動機づけに関する研究

平 成 30 年 度

えん

りん

岡 山 大 学 大 学 院

社 会 文 化 科 学 研 究 科

(2)

目 次

第 1章 在 日 外 国 人 留 学 生 の現 状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 1. 在 日 外 国 人 留 学 生 の 増 加

2. 在 日 外 国 人 留 学 生 に 関 す る 研 究

3. 在 日 外 国 人 留 学 生 の ア ル バ イ ト 活 動 に つ い て

第 2章 動 機 づけ研 究 の概 要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 1. 動 機 づ け 研 究 の 概 要

1-1. 認 知 論 的 ア プ ロ ー チ 1-2. 情 動 論 的 ア プ ロ ー チ 1-3. 欲 求 論 的 ア プ ロ ー チ

2. 自 己 決 定 理 論

2-1. 自 己 決 定 理 論 の は じ ま り 2-2. 自 己 決 定 理 論 の 下 位 理 論

3. 本 論 文 の 目 的

第 3章 アルバイト動 機 づけ尺 度 の作 成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 1. 予 備 調 査 ア ル バ イ ト 動 機 づ け に 対 す る 質 的 分 析

目 的 方 法 結 果

2.本 調 査 Ⅰ 在 日 外 国 人 留 学 生 を 対 象 と し た ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 の 作 成 目 的

方 法 結 果

3. 本 調 査 Ⅱ ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 の 再 検 査 信 頼 性 の 検 討 目 的

方 法 結 果 4. 考 察

(3)

第 4章 アルバイト動 機 づけ尺 度 の因 子 的 妥 当 性 の検 討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 問 題 と 目 的

方 法 結 果 考 察

第5章 基 本 的 心 理 欲 求 と動 機 づけの自 己 決 定 性 が職 務 満 足 感 に及 ぼす影 響 ・・・47 問 題 と 目 的

方 法 結 果 考 察

第6章 総 合 考 察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58

引 用 文 献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61

参 考 文 献 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67

謝 辞

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第 1 章

在 日 外 国 人 留 学 生 の現 状

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2 1.在 日 外 国 人 留 学 生 の増 加

2 0 08 年 に ,「 グ ロ ー バ ル 戦 略 」 展 開 の 一 環 と し て 「 留 学 生 3 0 万 人 計 画 」 が 発

表 さ れ た 。「 留 学 生 3 0 万 人 計 画 」 は , 在 日 外 国 人 留 学 生 を ,20 2 0 年 を 目 途 に 当 時 の 1 2 万 人 か ら 3 0 万 人 に 増 や す と い う 計 画 で あ る ( 文 部 科 学 省 ・ 外 務 省 ・ 法 務 省 ・ 厚 生 労 働 省 ・ 経 済 産 業 省 ・ 国 土 交 通 省 ,2 0 0 8; 独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構 ,2 0 0 8)。高 度 人 材 を 受 け 入 れ る と と も に ,優 秀 な 外 国 人 留 学 生 を 戦 略 的 に 獲 得 し , ま た , ア ジ ア を は じ め と し た 諸 外 国 に 対 す る 知 的 国 際 貢 献 等 を 果 た す こ と を 目 指 し て い る ( 文 部 科 学 省 ・ 外 務 省 ・ 法 務 省 ・ 厚 生 労 働 省 ・ 経 済 産 業 省 ・ 国 土 交 通 省 ,2 00 8)。「 留 学 生 3 0 万 人 計 画 」が 発 表 さ れ て 以 降 ,日 本 に 留 学 す る 外 国 人 学 生 が 増 加 し 続 け て い る 。 独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構 が 実 施 し た 『 平 成 2 9 年 度 外 国 人 留 学 生 在 籍 状 況 調 査 結 果 』 に よ る と ,2 00 8 年 時 点 で 在 日 外 国 人 留 学 生 の 数 は 1 2 3, 8 29 人 で あ っ た が ,2 0 1 5 年 に は 初 め て 2 0 万 人

(2 0 8, 3 7 9 人 ) を 突 破 し ,2 01 7 年 は 2 67, 04 2 人 と な り , 外 国 人 留 学 生 の 数 が 増

加 し て い る 趨 勢 が 明 ら か と な っ た ( 独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構 ,20 1 7)。

在 日 外 国 人 留 学 生 の 構 成 は 主 に ア ジ ア 地 域 か ら の 留 学 生 (2 4 9 ,2 4 2 人 , 全 体

の 9 3 .3% ) か ら な り , そ の う ち , 最 も 多 い の が 中 国 と ベ ト ナ ム か ら の 人 留 学 生

( 中 国 人 :1 0 7, 26 0 人 , ベ ト ナ ム 人 :61, 67 1 人 ) で あ り , 全 体 の 6 3 .3% を 占 め る 。次 は ,ネ パ ー ル 人 留 学 生(21, 500 人 ,全 体 の 8 . 1% ),韓 国 人 留 学 生(1 5, 740 人 , 全 体 の 5. 9% ), 台 湾 人 留 学 生 (8 , 9 4 7 人 , 全 体 の 3 . 4% ), そ の 他 (51 ,924 人 ,全 体 の 1 9 . 4% )か ら 構 成 さ れ て い る( 独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構 ,20 17)。

ま た ,在 学 段 階 に つ い て ,日 本 語 教 育 機 関 に 在 籍 す る 外 国 人 留 学 生(7 8 ,6 5 8 人 , 全 体 の 2 9 . 5% )が 最 も 多 く ,次 は 日 本 の 大 学( 学 部 )(7 7 ,5 4 6 人 ,全 体 の 2 9 . 0% ),

専 修 学 校 ( 専 門 課 程 )(58 , 77 1 人 , 全 体 の 2 2. 0% ), 大 学 院 (4 6 ,3 7 3 人 , 全 体 の 1 7 . 4% ), 準 備 教 育 課 程 (3 ,2 2 0 人 , 全 体 の 1 . 2% ), 短 期 大 学 (1 , 9 1 5 人 , 全 体 の

0 . 7% ), 高 等 専 門 学 校 (5 59 人 , 全 体 の 0. 2% ) と な っ て い る ( 独 立 行 政 法 人 日

本 学 生 支 援 機 構 ,2 01 7)。

2.在 日 外 国 人 留 学 生 に関 する研 究

在 日 外 国 人 留 学 生 の 増 加 と と も に , 留 学 生 の 異 文 化 適 応 に 対 す る 関 心 が 高 ま り , 留 学 生 を 対 象 と し た 研 究 も 増 え て き た 。 こ れ ま で の 研 究 で は , 在 日 外 国 人 留 学 生 の 対 人 関 係 の 問 題 や 言 語 能 力 , 日 本 に お け る 食 生 活 の 変 容 な ど の 問 題 が

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よ く 注 目 さ れ て い た 。 た と え ば , 在 日 外 国 人 留 学 生 の 対 人 関 係 に 関 す る 研 究 に お い て , 留 学 生 が 日 本 人 と の 対 人 関 係 に お い て 「 教 師 に 対 し て の 礼 儀 正 し さ , 自 分 の 意 見 を 主 張 す る の で は な く 和 を 保 つ , そ し て 親 密 に な る の に 時 間 を か け る 」 と い う 日 本 文 化 特 有 の ス キ ル を 獲 得 し た こ と が 明 ら か と な っ た ( 中 島 ・ 田 中 ,20 0 8)。ま た ,高 濱 ・ 田 中(20 14)は メ キ シ コ 人 留 学 生 5 名 の 食 生 活 の 変 遷 に つ い て 事 例 研 究 を 行 っ た 結 果 ,「 地 理 的 ・ 文 化 的 距 離 の 遠 さ に も か か わ ら ず , 彼 ら は 来 日 直 後 か ら , 和 食 を 健 康 で あ る な ど と 肯 定 的 に 捉 え て , 日 常 的 に 取 り 入 れ る こ と が で き て い た 」 と し て い る 。

と こ ろ で , 多 く の 留 学 生 に 関 す る 研 究 ・ 調 査 で は , 留 学 生 が 最 も 困 難 を 感 じ て い る の は 経 済 的 な 問 題 で あ る と 示 唆 さ れ て い る 。た と え ば ,藤 井・門 倉(2 003)

は 留 学 生 活 を お く る 中 で , 留 学 生 は 何 に 困 難 を 感 じ て い る か に つ い て 調 査 を 行 っ た 結 果 ,留 学 生 が 最 も 困 難 を 感 じ て い る の は「 経 済 的 な 問 題 」(8 4% )で あ っ た 。 ま た ,『 平 成 2 7 年 度 私 費 外 国 人 留 学 生 生 活 実 態 調 査 概 要 』 よ る と , 日 本 に 留 学 し て か ら 苦 労 し た こ と に つ い て ,「 物 価 が 高 い 」 と 回 答 し た 者 が 最 も 多 く , 約 全 体 の 7 割(70 . 5% )と な っ て い る( 独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構 ,2 0 1 6)。

そ の よ う な 状 況 の 下 , 多 く の 在 日 外 国 人 留 学 生 が ア ル バ イ ト 活 動 に 従 事 し て い る と 考 え ら れ る 。 厚 生 労 働 省 が 外 国 人 雇 用 状 況 に つ い て ま と め た 結 果 , 在 日 外 国 人 労 働 者 の う ち , 在 留 資 格 が 「 資 格 外 活 動 ( 留 学 )」で あ る 者 は 2 5 9 ,6 0 4 人 で あ っ た ( 厚 生 労 働 省 ,2 01 8)。 し た が っ て ,2 67 , 0 42 人 の 在 日 外 国 人 留 学 生 の う ち , 約 9 割 が ア ル バ イ ト 活 動 に 従 事 し て い る と 推 定 さ れ る 。 ま た ,『 平 成 2 7 年 度 私 費 外 国 人 留 学 生 生 活 実 態 調 査 概 要 』 に は , 在 日 私 費 外 国 人 留 学 生 の 全 体 の 7 割 以 上 (7 4. 8 %) の 者 が 何 ら か の ア ル バ イ ト に 従 事 し て い る と 記 さ れ て い る

( 独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構 ,2 0 1 6)。1 週 間 の ア ル バ イ ト の 時 間 数 に つ い て ,「 週 2 0 時 間 以 上 2 5 時 間 未 満 」 が 最 も 多 く (3 3 .5% ), 週 1 5 時 間 以 上 と 回 答 し た 者 が 全 体 の 68. 8% を 占 め て い る( 独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構 ,2 0 16)。

し か し な が ら , 多 く の 在 日 外 国 人 留 学 生 は ア ル バ イ ト 活 動 を 体 験 し て お り , ア ル バ イ ト 活 動 は 留 学 生 活 に お い て 頻 繁 に 行 わ れ る 活 動 の 一 つ に な っ て い る と い う 現 状 に も か か わ ら ず , 在 日 外 国 人 留 学 生 の ア ル バ イ ト 活 動 に 関 す る 体 系 的 な 研 究 は あ ま り 見 ら れ な か っ た 。

3.在 日 外 国 人 留 学 生 の アルバイト活 動 について

ア ル バ イ ト は , ド イ ツ 語 で あ る A r be i t に 由 来 し , ド イ ツ 語 で 労 働 全 般 を 意 味

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す る 。『 逆 引 き 広 辞 苑( 第 五 版 )』に よ れ ば ,ア ル バ イ ト と は ,「 学 生 ・ 研 究 者 な ど が 本 業 の か た わ ら に 行 う 仕 事 」 で あ る 。 ま た ,『 新 明 解 国 語 辞 典 ( 第 五 版 )』

に も , ア ル バ イ ト は 「 収 入 の た め に す る 学 業 ( 本 務 ) 以 外 の 仕 事 」 で あ る と 説 明 さ れ て い る 。 現 代 の 日 本 で は , ア ル バ イ ト 活 動 は 非 正 規 雇 用 の 雇 用 形 態 の 一 種 と さ れ て い る 。 近 年 , 少 子 高 齢 化 や 景 気 回 復 な ど の 影 響 を 受 け , 外 食 ・ 物 流 な ど の サ ー ビ ス 産 業 に お け る ア ル バ イ ト 需 給 は 逼 迫 し て い る( 志 甫 ,2 0 1 5)。ア ル バ イ ト 活 動 に 従 事 す る 在 日 外 国 人 留 学 生 は , 産 業 を 下 支 え す る 必 要 不 可 欠 な 存 在 と な っ て い る 。 一 方 , 留 学 生 に と っ て も , ア ル バ イ ト 活 動 を 通 し て 学 費 や 生 活 費 を 稼 ぎ な が ら 勉 強 で き る こ と は , 日 本 を 留 学 先 に 選 ぶ 要 因 の 一 つ に な っ て い る ( 鈴 木 ,20 11)。

ま た , 一 般 的 に , ア ル バ イ ト 活 動 は 青 年 期 に お け る 学 生 の 成 長 に 大 き な 意 味 を も ち , ア ル バ イ ト 活 動 を 通 し て 社 会 化 1 が 促 進 さ れ , 対 人 関 係 能 力 が 高 ま る と 考 え ら れ て い る 。 た と え ば , 井 芹 ・ 河 村 (2 0 1 2) は , サ ー ク ル や ア ル バ イ ト な ど の 集 団 に お け る 活 動 が ソ ー シ ャ ル ・ ス キ ル の 活 用 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 検 討 し た 結 果 , サ ー ク ル 集 団 の 活 動 と ア ル バ イ ト 集 団 で の 活 動 を 両 方 と も や っ て い る 群 と , ア ル バ イ ト 集 団 で の 活 動 の み や っ て い る 群 は , サ ー ク ル 集 団 で の 活 動 の み や っ て い る 群 に 比 べ て ソ ー シ ャ ル ・ ス キ ル の 得 点 が 高 い こ と を 見 出 し て い る 。 さ ら に , 活 動 年 数 の 長 さ と ソ ー シ ャ ル ・ ス キ ル の 活 用 と の 関 連 を 検 討 し た と こ ろ ,2 年 以 上 ア ル バ イ ト 集 団 で 活 動 し て い る 大 学 生 は , そ れ よ り 少 な い 者 と 比 較 し て , か か わ り の ソ ー シ ャ ル ・ ス キ ル が 高 く な る こ と が 指 摘 さ れ て い る( 井 芹 ・ 河 村 ,20 13)。青 年 期 に お け る 学 生 に と っ て ,ア ル バ イ ト 活 動 は ,義 務 も 責 任 も 最 小 限 の 保 護 さ れ る 立 場 か ら 一 人 前 の 労 働 者 と し て 扱 わ れ る 初 め て の 体 験 で あ り , 金 銭 の 価 値 や 進 路 , 社 会 2 を 考 え 始 め る 良 い 契 機 に も な る こ と が 指 摘 さ れ て お り( 若 松 ,20 06),在 日 外 国 人 留 学 生 に と っ て も ,ア ル バ イ ト 経 験 が 社 会 化 を 促 進 し , 個 人 の 成 長 に 大 き な 意 味 を も つ と 考 え ら れ る 。

し た が っ て , 在 日 外 国 人 留 学 生 の ア ル バ イ ト 活 動 に つ い て 検 討 す る こ と は , 日 本 留 学 に 対 す る 魅 力 を 高 め る だ け で な く , 留 学 生 の 社 会 教 育 3 の 観 点 に お い て も 重 要 で あ る と 考 え ら れ る 。 し か し な が ら , 在 日 外 国 人 留 学 生 に と っ て , 学 業 と ア ル バ イ ト 活 動 を 両 立 さ せ る こ と は , 日 本 人 学 生 以 上 に 困 難 で エ ネ ル ギ ー を 要 す る 作 業 で あ る 。 時 間 的 な 余 裕 が 少 な く な り , 留 学 本 来 の 目 的 で あ る 学 業 が 疎 か に な る 危 険 性 を 孕 む に も 関 わ ら ず , 何 故 , 在 日 外 国 人 留 学 生 は ア ル バ イ ト 活 動 を 敢 行 し よ う と す る の で あ ろ う か 。 そ の 心 理 学 的 な 説 明 可 能 性 は , 行 為 を 生 起 し 持 続 さ せ る 条 件 と メ カ ニ ズ ム を 明 ら か に す る 動 機 づ け 研 究( 鹿 毛 ,20 04)

に 見 出 す こ と が で き る で あ ろ う 。ア ル バ イ ト 活 動 は 賃 金 の 獲 得 が 必 須 で あ る が ,

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本 研 究 で は ,そ の よ う な 外 的 報 酬 を 含 む 広 範 で 統 合 的 な 動 機 づ け 理 論 で あ る「 自 己 決 定 理 論 」 に 着 目 し , ア ル バ イ ト 活 動 に お け る 職 務 満 足 度 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 に つ い て 検 討 す る こ と を 目 的 と す る 。

1 , 2 , 3本 論 文 で は ,「 社 会 」,「 社 会 化 」,「 社 会 教 育 」 表 現 を 一 般 用 語 と し て 表 記 す

る 。

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第 2 章

動 機 づけ研 究 の概 要

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7 1.動 機 づけ研 究 の 概 要

日 常 生 活 に お い て , 我 々 は 日 々 「 理 由 」 に 直 面 し な が ら 生 活 し て い る 。 例 え ば , 海 外 旅 行 に 行 く た め , 塾 に 通 い , 英 語 の 勉 強 を 始 め る 。 翌 日 の 試 験 で 良 い 成 績 を と る た め , 徹 夜 で 勉 強 す る 。 ま た , 日 本 語 お よ び 日 本 文 化 を 学 ぶ た め , 日 本 へ 留 学 す る 。 こ の よ う に , す べ て の 行 動 が 何 か の 理 由 に 喚 起 さ れ て い る で あ ろ う 。 心 理 学 の 研 究 領 域 で は ,「 理 由 」 を 説 明 す る た め に ,「 動 機 づ け 」 と い う 心 理 現 象 が 用 い ら れ て い る 。 心 理 学 辞 典 で は , 動 機 づ け を 「 行 動 の 理 由 を 考 え る 時 に 用 い ら れ る 大 概 念 で あ り , 行 動 を 一 定 の 方 向 に 向 け て 生 起 さ せ , 持 続 さ せ る 過 程 や 機 能 全 般 を さ す( 赤 井 ,199 9 p . 6 2 2)」と 定 義 さ れ て い る 。ま た , 櫻 井 (2 0 1 7) は 動 機 づ け を 「 あ る 行 動 を 引 き 起 こ し , そ の 行 動 を 持 続 さ せ , 一 定 の 方 向 に 導 く プ ロ セ ス (p .16)」 と 述 べ て い る 。 動 機 づ け 研 究 の 目 的 は ,「 行 為 が 生 起 す る 心 理 的 メ カ ニ ズ ム と 条 件 を 明 ら か に す る こ と (p .2)」 で あ る ( 鹿 毛 ,2 0 0 4)。

動 機 づ け を 理 解 す る た め ,動 機 づ け の「 強 度(i n ten s i t y)」と「 方 向 性(d ir ec t io n)」

と い う 2 つ の 視 点 に 注 目 す る 必 要 が あ る 。 強 度 の 視 点 は 動 機 づ け を 心 理 的 エ ネ ル ギ ー の 「 量 」 と し て 捉 え , そ の 量 が 大 き け れ ば 大 き い ほ ど , 行 動 が 生 起 し や す い と 想 定 さ れ て い る( 鹿 毛 ,2 004)。例 え ば ,英 語 学 習 へ の 動 機 づ け が 強 け れ ば 強 い ほ ど , 一 日 あ た り の 学 習 時 間 が 長 い で あ ろ う 。 方 向 性 の 視 点 は 行 動 の 目 的 を 示 す 。 例 え ば , 同 じ 英 語 学 習 と い う 行 動 で あ っ て も , 趣 味 と し て 英 語 学 習 を 続 け て い る 人 が い れ ば , 留 学 す る た め に 勉 強 す る 人 も い る 。

動 機 づ け に 関 す る 理 論 は 多 々 あ り , 鹿 毛 (2 0 0 4) は 動 機 づ け 理 論 を 「 認 知

(c o g n i t io n)」,「 情 動 (e mo t io n)」,「 欲 求 (n ee d)」 と い う 心 理 的 要 素 を そ れ ぞ れ 重 視 す る 3 つ の 理 論 群 に 分 類 し て い る 。ま ず ,「 認 知 」と は「 当 人 の 主 観 的 な 解 釈 」 と 「 認 知 の あ り 方 」 を 指 し , こ れ を 重 視 す る 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ を 「 認 知 論 的 ア プ ロ ー チ 」 と 呼 ば れ て い る ( 鹿 毛 ,2 0 0 4)。 次 に ,「 情 動 」 と は さ ま ざ ま な 場 面 に お け る 多 様 な 情 動 ( 感 情 ) 体 験 で あ り , こ れ を 重 視 す る 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ を 「 情 動 論 的 ア プ ロ ー チ 」 と 呼 ば れ て い る ( 鹿 毛 ,2 0 04)。 ま た ,「 欲 求 」 と は 「 人 を 行 動 に 駆 り 立 て て , そ の 行 動 を 方 向 づ け る よ う な 比 較 的 安 定 し た 心 理 的 エ ネ ル ギ ー 」の こ と を 指 し ,こ れ を 重 視 す る 心 理 学 的 ア プ ロ ー チ を「 欲 求 論 的 ア プ ロ ー チ 」 と 呼 ば れ て い る ( 鹿 毛 ,2 0 0 4)。

1 -1. 認 知 論 的 ア プ ロ ー チ

認 知 論 的 ア プ ロ ー チ で は , 認 知 の 内 容 と 認 知 の 在 り 方 が 動 機 づ け の 強 度 と 方

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向 を 規 定 す る と 指 摘 さ れ て い る 。 例 え ば , 徹 夜 で 勉 強 す れ ば 翌 日 の 試 験 で 良 い 成 績 が と れ る と い う 良 い 期 待 に よ っ て , 動 機 づ け が 高 ま り , 勉 強 と い う 行 動 が 喚 起 さ れ る 。 一 方 , 会 議 の 際 に 意 見 を 主 張 し て も 採 用 さ れ な い と い う 悪 い 結 果 を 予 想 す る こ と に よ っ て , 会 議 参 加 へ の 動 機 づ け が 低 く な り , 会 議 に 出 席 す る 気 が し な い に 違 い な い 。 認 知 論 的 ア プ ロ ー チ に 関 す る 代 表 的 な 理 論 は 「 期 待× 価 値 理 論 」 で あ る ( 鹿 毛 ,20 04)。「 期 待 (e x p ec ta nc y)」 と は , あ る 行 動 を 引 き 起 こ し た 場 合 の 「 主 観 的 な 成 功 可 能 性 ( 鹿 毛 ,2 0 0 4 p .7)」 に 関 す る 信 念 で あ る 。 努 力 す れ ば 良 い 結 果 が で る と 期 待 し て い る か ら こ そ , 勉 強 を 頑 張 る と 考 え ら れ る 。 期 待 に 関 し て , 達 成 動 機 づ け 理 論 を は じ め ,Lo c u s o f C o n tr o l, 学 習 性 無 力 感 ,自 己 効 力 感 な ど の 多 様 な 理 論 が 提 唱 さ れ て い る 。ま た ,「 価 値(va l ue)」

と は , 生 起 し た 行 動 の 「 主 観 的 な 価 値 づ け ( 鹿 毛 ,2 0 0 4 p . 7)」 に 関 す る 信 念 で あ る 。意 見 が 採 用 さ れ る か ら こ そ ,会 議 に 出 席 す る 意 味 が あ る と 考 え ら れ る 。 価 値 に 関 す る 研 究 に は , 達 成 目 標 理 論 が あ る 。 期 待 × 価 値 理 論 で は , 動 機 づ け を 期 待 と 価 値 と の 積 と し て 捉 え ら れ て い る 。

1 -2. 情 動 論 的 ア プ ロ ー チ

情 動 論 的 ア プ ロ ー チ で は , 日 常 の 情 動 ( 感 情 ) 体 験 が 動 機 づ け に 影 響 を 与 え る と 指 摘 さ れ て い る 。 認 知 論 的 ア プ ロ ー チ は , 行 動 の 主 体 が 期 待 や 価 値 を 意 識 し , 合 理 的 に 判 断 で き る こ と を 前 提 と す る 理 論 で あ る 。 し か し な が ら , 日 常 生 活 に お い て , 我 々 が 常 に 冷 静 に 考 え て 行 動 す る こ と が で き な く , 情 動 体 験 に 影 響 さ れ る こ と が 少 な く な い 。 例 え ば , 通 勤 手 段 を 選 ぶ と き , 車 で 通 勤 す る 場 合 は , 渋 滞 に 巻 き 込 ま れ て 出 勤 時 間 に 間 に 合 わ な い 可 能 性 が あ っ て も , 運 転 の 楽 し さ と 車 の 便 利 さ を 体 験 し た こ と に よ っ て 車 と い う 通 勤 手 段 を 選 択 し て し ま う 可 能 性 が あ る 。 鹿 毛 (20 0 4) は , 情 動 体 験 は 現 在 進 行 式 の 行 為 の 在 り 方 に 影 響 を 及 ぼ し , ま た , こ の よ う な 情 動 体 験 の 積 み 重 ね が 現 在 , あ る い は 将 来 の 行 為 に も 影 響 す る と 述 べ て い る 。 情 動 論 的 ア プ ロ ー チ の 代 表 と し て フ ロ ー 理 論 が 盛 ん に 検 討 さ れ て い る 。

1 -3. 欲 求 論 的 ア プ ロ ー チ

欲 求 論 的 ア プ ロ ー チ で は ,我 々 の 行 動 が 欲 求 に 規 定 さ れ る と 指 摘 さ れ て い る 。 欲 求 に は , 食 欲 や 性 欲 な ど の 「 生 理 的 欲 求 」 以 外 , 達 成 や 親 和 , 権 力 な ど に 関 す る「 社 会 的 欲 求 」,自 律 性 ,有 能 感 ,関 係 性 に 関 す る「 心 理 的 欲 求 」も 存 在 し て い る( 上 淵 ,20 12)。動 機 づ け の 欲 求 に 関 す る 理 論 に お い て ,自 律 性 へ の 欲 求 , 有 能 感 へ の 欲 求 , 関 係 性 へ の 欲 求 と い う 3 つ の 欲 求 を 生 得 的 な 欲 求 で あ る と す

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る 自 己 決 定 理 論 は 代 表 的 な 理 論 で あ る( 山 口 ,2 0 1 2)。19 7 0 年 代 に ,D ec i と Ryan は 「 自 己 決 定 理 論 (S el f -de t er mi na t i on t heo r y: D ec i & Ryan , 19 8 5 ; Rya n & D ec i ,

2 0 0 0)」と い う 動 機 づ け 現 象 全 般 に 関 わ る 新 し い 理 論 を 提 唱 し た 。自 己 決 定 理 論

は 人 間 に 関 す る 基 本 的 な 理 論 で あ り( 櫻 井 ,2 0 1 7),精 神 的 健 康 や 適 応 な ど を 予 測 す る 理 論 と し て 注 目 さ れ て い る 。 本 論 文 で は , 在 日 外 国 人 留 学 生 の ア ル バ イ ト 活 動 に 着 眼 し , ア ル バ イ ト 活 動 の 持 続 に つ い て 検 討 す る た め , 自 己 決 定 理 論 を 理 論 背 景 と し て 研 究 を 進 め る 。

2.自 己 決 定 理 論

2 -1. 自 己 決 定 理 論 の は じ ま り

幼 児 が 小 学 校 に 入 学 す る に つ れ て , 好 奇 心 や 探 求 心 が 失 わ れ る 現 象 に つ い て 検 討 す る た め ,D e c i ( 1 9 7 1 ) は ,大 学 生 を 対 象 に ,内 発 的 動 機 づ け に 対 し て 金 銭 と い う 外 的 報 酬 の 効 果 を 検 討 す る 実 験 を 行 っ た 。 こ の 実 験 で は , 実 験 群 ( 報 酬 を 与 え る 群 ) と 統 制 群 ( 報 酬 を 与 え な い 群 ) を 設 け , 実 験 協 力 者 で あ る 大 学 生 に ソ マ パ ズ ル を 解 く 課 題 を 遂 行 さ せ ,3 試 行 に よ っ て 構 成 さ れ て い た 。 第 1 試 行 で は , ど ち ら の 群 に お い て も 普 通 に パ ズ ル を 解 く 課 題 を 遂 行 さ せ た 。 第 2 試 行 で は , パ ズ ル が 解 け た 場 合 は , 実 験 群 に 一 定 の 報 酬 を 与 え る に 対 し て , 統 制 群 に 何 も 与 え な い と 設 定 し て 課 題 が 行 わ れ た 。 第 3 試 行 で は , 第 1 試 行 と 同 様 に , ど ち ら の 群 に 対 し て も 報 酬 を 与 え ず に 課 題 を 遂 行 さ せ た 。 す べ て の 試 行 に お い て ,2 個 目 の パ ズ ル を 完 成 し た 時 点 で , 実 験 者 が 口 実 を 作 っ て 退 室 し ,8 分 間 の 自 由 時 間 を 入 れ た 。 雑 誌 や 玩 具 を 用 意 し , 実 験 者 が 戻 る ま で 何 を し て も い い と 教 示 し た 。 こ の 自 由 時 間 の 間 に , パ ズ ル 解 き を 継 続 し た 時 間 が 内 発 的 動 機 づ け の 指 標 と さ れ た 。 そ の 結 果 , パ ズ ル を 継 続 し た 時 間 は , 実 験 群 に お い て パ ズ ル を 継 続 し た 時 間 が 有 意 な 低 下 が 見 ら れ た 。 一 方 , 報 酬 を 与 え な か っ た 統 制 群 に お い て そ の よ う な 変 化 が 見 ら れ な か っ た 。 金 銭 的 な 報 酬 が 内 発 的 動 機 づ け を 低 下 す る 効 果( ア ン ダ ー マ イ ニ ン グ 効 果 )が 確 認 さ れ た ( 外 山 ,20 11)。こ の 効 果 を 説 明 す る の は , 自 己 決 定 理 論 の 最 初 の 下 位 理 論 で あ る 「 認 知 的 評 価 理 論 」 を 提 唱 し た 。

2 -2. 自 己 決 定 理 論 の 下 位 理 論

自 己 決 定 理 論 は 認 知 的 評 価 理 論 (cog ni t i ve e va l u a t io n th eo r y), 有 機 的 統 合 理 論(o rg a n i s mi c in t eg ra t ion t he or y),因 果 志 向 性 理 論(cau sa l i t y o ri en ta t io n s t h eo r y),

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10

基 本 的 心 理 欲 求 理 論(bas i c p s yc ho log y n eed s th eo r y),目 標 内 容 理 論(g o al co n ten t s th eo r y), 関 係 動 機 づ け 理 論 (re l at i on sh ip s mo t i va t io n th e o r y) と い う 6 つ の 下 位 理 論 に よ っ て 構 成 さ れ て い る 。

1) 認 知 的 評 価 理 論

認 知 的 評 価 理 論 は , 自 己 決 定 理 論 に お い て も っ と も 早 く 研 究 さ れ た 下 位 理 論 で あ り , 三 つ の 命 題 か ら 内 発 的 な 動 機 づ け に 影 響 を 及 ぼ す 報 酬 の 効 果 を 検 討 し て い る (D ec i & Rya n , 19 85)。 第 1 の 命 題 は , 制 御 的 側 面 (c o n t ro l l in g a sp ec t) を 反 映 す る「 知 覚 さ れ た 因 果(pe rc ei ved c aus a li t y)」で あ る 。自 ら 行 動 し て い る と 知 覚 す る 場 合 は 内 発 的 動 機 づ け が 高 ま り , 一 方 で 金 銭 的 報 酬 な ど の 制 御 的 側 面 が 強 い 報 酬 に よ っ て 他 者 か ら 統 制 さ れ て い る と 知 覚 す る 場 合 は 内 発 的 動 機 づ け が 低 下 す る と い う 自 律 性 に 関 す る 命 題 で あ る 。 第 2 の 命 題 は , 情 報 的 側 面

(i n f o r ma t i o na l as pec t)を 反 映 す る「 知 覚 さ れ た 有 能 さ(p er ce i ved co mp e te n c e)」

で あ る 。 あ る 程 度 の 自 律 性 を 感 じ て い る こ と を 前 提 と し て , 言 語 的 報 酬 な ど の 情 報 的 側 面 が 強 い 報 酬 に よ っ て 有 能 感 を 高 く 感 じ る と , 内 発 的 動 機 づ け が 高 ま る と い う 有 能 さ に 焦 点 を 当 て た 命 題 で あ る 。 第 3 の 命 題 は 「 機 能 的 重 要 性

(f u n c t io n a l s ign i f ica n ce)」 で あ る 。 報 酬 を 含 め た 多 く の 出 来 事 に は 制 御 的 な 側 面 ( 第 1 命 題 ), 情 報 的 な 側 面 ( 第 2 命 題 ), お よ び , 課 題 遂 行 そ の も の に 動 機 づ け ら れ て い な い 非 動 機 づ け 的 な 側 面 (a mo t i va t in g) が 存 在 し , ど の 側 面 が 主 に 機 能 す る か は , そ れ ら の 顕 現 性 の 高 さ に 依 存 す る と さ れ る ( 櫻 井 ,20 0 9)。

2) 有 機 的 統 合 理 論

有 機 的 統 合 理 論 は , 外 発 的 動 機 づ け の 内 在 化 プ ロ セ ス に 関 す る 下 位 理 論 で あ る 。D e c i & Rya n (1 98 5 ) で は , 外 発 的 動 機 づ け は 必 ず し も 他 律 的 で は な い こ と が 指 摘 さ れ , 外 発 的 動 機 づ け は 自 己 決 定 性 に よ っ て , 自 律 性 の 高 い 順 に 「 統 合 的 調 整 (in te gr at ed re g u l at i on)」,「 同 一 化 的 調 整 (id en t if i ed re g u l at io n)」,「 取 り 入 れ 的 調 整 (in tr o jec t ed re gu la t io n)」,「 外 的 調 整 (ex te rn a l re gu la t io n)」 に 分 類 さ れ た 。 こ の よ う な 考 え に よ っ て , 内 発 的 動 機 づ け か 外 発 的 動 機 づ け か と い う 従 来 の 二 分 法 的 な と ら え 方 の 代 わ り に , 非 動 機 づ け か ら , 外 的 調 整 , 取 り 入 れ 的 調 整 , 同 一 化 的 調 整 , 統 合 的 調 整 , 内 発 的 動 機 づ け へ と 一 次 元 の 連 続 帯 上 に 位 置 す る よ う に な っ た (Fi g u re 2 . 1)。

(14)

11

具 体 的 に 述 べ る と ,(1)非 無 動 機 づ け は ,行 動 を 起 こ さ な い 無 力 状 態 で あ る 。

(2)外 的 調 整 は ,最 も 非 自 己 決 定 的 な 動 機 づ け で あ り ,報 酬 と 罰 , ま た ,ア メ

と ム チ を 随 伴 し , 外 部 か ら コ ン ト ロ ー ル さ れ て い る 段 階 で あ る 。 た と え ば , 生 活 の た め に ,働 か な け れ ば な ら な い 。「 や ら さ れ て い る 」や「 し な け れ ば な ら な い 」 な ど の よ う な ネ ガ テ ィ ブ な 気 持 ち が 強 い 動 機 づ け で あ る 。(3) 取 り 入 れ 的 調 整 は , 不 安 や 罪 な ど を 回 避 し , 達 成 感 や 有 能 感 な ど を 獲 得 す る た め に , 義 務 感 が 伴 っ て 行 動 を 行 う 段 階 で あ る 。例 え ば ,親 や 先 生 な ど に 怒 ら れ な い よ う に , 友 達 に 笑 わ れ な い よ う に 勉 強 に 頑 張 る 。(4) 同 一 化 的 調 整 は , 行 動 の 価 値 が 認 識 さ れ て お り , 本 人 に と っ て 行 動 が 大 き な 価 値 が あ り , 重 要 で あ る た め , 行 わ れ る 段 階 で あ る 。例 え ば ,理 想 の 大 学 に 合 格 す る た め ,現 段 階 の 努 力 の 必 要 性 , 受 験 勉 強 の 重 要 性 を 非 常 に 重 視 す る 状 態 で あ る 。(5) 統 合 的 調 整 は , 外 発 的 動 機 づ け に お い て 最 も 自 己 決 定 的 な 段 階 に 位 置 づ け て い る 。 行 動 の 価 値 が 内 在 化 さ れ て お り , 本 人 の 価 値 観 や 目 標 な ど に 適 合 し て い る 段 階 で あ る 。 例 え ば , 外 国 語 学 習 の 価 値 を 理 解 し た う え で , 自 ら 遊 び を や め て 勉 強 す る 。(6) 内 発 的 調 整 は , 行 動 内 容 に 対 す る 関 心 や 興 味 な ど か ら 行 動 が 喚 起 さ れ , 行 動 自 体 が 目 的 に な っ て い る 段 階 で あ る 。 例 え ば , 思 考 す る こ と が 好 き な の で , 実 験 に 熱 中 す る よ う に , 興 味 や 楽 し さ な ど の ポ ジ テ ィ ブ な 感 情 に よ っ て 行 動 が 喚 起 さ れ て い る 。 自 己 決 定 理 論 の 連 続 性 仮 説 に し た が え ば , 理 論 的 に 隣 り 合 う 動 機 づ け タ イ プ の 間 に 最 も 正 の 強 い 相 関 が み ら れ , 理 論 的 に 離 れ る に 従 っ て 相 関 が 低 く , あ

非動機づけ 内発的動機づけ

(Amotivation) (Intrinsic Motivation)

無調整 外的調整 取り入れ的調整 同一化的調整 統合的調整 内発的調整

(Non-Reguiation) (External Regulation)

(Introjected Regulation)

(Identified Regulation)

(Integrated

Regulation) (Intrinsic Regulation)

(Ryan & Deci (2000) を参考にして作成した)

非自己決定的(Nonself-Determined) 自己決定的(Self-Determined)

外発的動機づけ

(Extrinsic Motivation)

Figure 2.1.動機づけタイプの自己決定連続帯

      統制的な動機づけ   自律的な動機づけ

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る い は , 無 相 関 に な る と 仮 定 さ れ て い る (Rya n & C o n ne l l , 1 9 8 9)。 自 己 決 定 理 論 を 応 用 し た 多 く の 研 究 で は , そ の 連 続 性 が 妥 当 性 の 証 左 と し て 検 討 さ れ て い る ( 岡 田 ,2 0 10)。

近 年 , こ の 理 論 は , 精 神 的 健 康 や 適 応 な ど を 予 測 し 得 る 理 論 と し て 注 目 を 集 め て お り , よ り 自 己 決 定 的 な 動 機 に 基 づ い て 行 わ れ た 行 動 は 適 応 的 な 結 果 と 関 連 が あ る こ と が 明 ら か に さ れ て い る (e .g. , Kas se r & Ryan , 1 9 9 9; 永 作 ・ 新 井 , 2 0 0 3,2 0 0 5; 岡 田 ,2 00 5; 加 藤 ・ 伊 藤 ・ 石 橋 ・ 小 石 ,2 0 0 2)。 ま た , 多 く の 研 究 で は , 動 機 づ け の 上 位 概 念 を 捉 え る た め , 内 発 的 調 整 と 統 合 的 調 整 , 同 一 化 的 調 整 を 合 わ せ て「 自 律 的 な 動 機 づ け 」,外 的 調 整 と 取 り 入 れ 的 調 整 を 合 わ せ て「 統 制 的 な 動 機 づ け 」 と し て い る (e .g ., 岡 田 ・ 中 山 ,2 0 11 ; 閻 ・ 堀 内 ,2 0 1 7 b)。

3) 因 果 志 向 性 理 論

因 果 志 向 性 理 論 は , 有 機 的 統 合 理 論 で 扱 っ た 動 機 づ け の 自 己 決 定 性 を パ ー ソ ナ リ テ ィ 特 性 と し て と ら え , 理 論 化 し た 下 位 理 論 で あ る (Rya n & D ec i, 2 0 02)。

こ の 理 論 で は ,因 果 志 向 性 は 自 己 決 定 性 の 程 度 に よ っ て 自 律 的 志 向 性(au to n o m y o r ie n t a t io n),統 制 的 志 向 性(co n tr ol l ed o r ie n t at io n),非 自 己 的 志 向 性(i mp e r son al

o r ie n t a t io n) に 分 類 さ れ る 。 自 律 的 志 向 性 は 有 機 的 統 合 理 論 に お け る 自 律 的 な

動 機 づ け に 相 当 し , 興 味 や 関 心 , 自 己 の 中 に 統 合 さ れ る 価 値 を 基 に 行 動 を 行 う 傾 向 で あ る 。 統 制 的 志 向 性 は 統 制 的 な 動 機 づ け に 相 当 し , 他 者 に 統 制 さ れ て 行 動 を 行 う 傾 向 で あ る 。 非 自 己 的 志 向 性 は 非 動 機 づ け に 相 当 し , 無 気 力 で あ り , 行 動 が 起 き な い 傾 向 で あ る ( 櫻 井 ,200 9)。

4) 基 本 的 心 理 欲 求 理 論

基 本 的 心 理 欲 求 理 論 は , 従 来 の 自 律 性 へ の 欲 求 (n eed fo r a u to n o m y) と 有 能 感 へ の 欲 求 (n eed fo r co mp et en ce) と い う 自 己 内 部 の 欲 求 と と も に , 関 係 性 へ の 欲 求(n eed f or r el a t ed ne s s)の よ う な 社 会 的 な 欲 求 の 必 要 性 を 主 張 し , こ れ ら の 3 つ の 欲 求 が 人 間 の 基 本 的 な 欲 求 で あ る と 提 唱 し た 下 位 理 論 で あ る (D e ci &

Ryan , 1 9 9 1)。 自 律 性 へ の 欲 求 は , 自 ら 行 動 を 起 こ し た い と い う 欲 求 で あ る 。 有 能 感 へ の 欲 求 は , 環 境 と の 相 互 作 用 の 中 で 個 人 の 能 力 を 表 現 し た く , ま た , 行 動 を 通 し て 能 力 を 高 め た い と い う 欲 求 で あ る 。 関 係 性 へ の 欲 求 は , 他 者 と 良 い 関 係 を 持 ち た い と い う 欲 求 で あ る 。 こ れ ら の 心 理 的 欲 求 は 人 間 の 基 本 的 な 欲 求 で あ り , 心 理 的 欲 求 の 充 足 に つ れ て , 人 間 が 完 全 に 機 能 す る 状 態 に な り , 精 神 的 健 康 お よ び 適 応 的 な 状 態 を も た ら す と 指 摘 さ れ て い る ( 櫻 井 ,2 0 0 9)。 ま た , Ryan & D e c i (20 00 ) は ,動 機 づ け の 内 在 化 を 促 進 す る た め ,自 律 性 の サ ポ ー ト ,

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有 能 感 の サ ポ ー ト お よ び 関 係 性 の サ ポ ー ト が 必 要 で あ り , す な わ ち , こ れ ら の 心 理 的 欲 求 が 満 た さ れ る こ と に よ っ て 動 機 づ け の 自 己 決 定 性 が 高 く な る と 述 べ て い る 。

5) 目 標 内 容 理 論

目 標 内 容 理 論 は , 人 生 目 標 に 注 目 し , 基 本 的 心 理 欲 求 理 論 を 応 用 し た 下 位 理 論 で あ る 。Ka ss er & Rya n (1 9 93 ) は , 人 生 目 標 を 「 内 発 的 な 人 生 目 標 (in t r in s ic asp i ra t io n)」 と 「 外 発 的 な 人 生 目 標 (ex t ri n si c a sp i ra t io n)」 に 分 け た 。 内 発 的 な 人 生 目 標 は 人 間 と し て の 成 長 や 社 会 へ の 貢 献 , 良 好 な 関 係 な ど を 求 め る 目 標 で あ り , 心 理 的 欲 求 の 充 足 お よ び 精 神 的 健 康 を 促 進 す る 。 一 方 , 外 発 的 な 人 生 目 標 は 有 名 に な る こ と , 富 や 外 見 な ど を 求 め る 目 標 で あ り , 心 理 的 欲 求 の 充 足 を 促 進 せ ず ,そ の 目 標 が 達 成 さ れ て も 精 神 的 健 康 や we l l -b e in g が 得 ら れ に く い( 櫻 井 ,2 0 0 9)。

6) 関 係 動 機 づ け 理 論

関 係 動 機 づ け 理 論 は , 所 属 集 団 や 他 者 と の 関 わ り に お け る 関 係 性 の 機 能 に 関 す る 下 位 理 論 で あ る 。 こ の 理 論 で は , 良 好 な 関 係 性 を 持 つ こ と が 基 本 的 心 理 欲 求 理 論 に お け る 関 係 性 へ の 欲 求 だ け で な く , 自 律 性 へ の 欲 求 を も 充 足 し , さ ら に 僅 か な が ら 有 能 感 へ の 欲 求 も 充 足 す る と さ れ る (D e ci & Ry an , 2 0 1 4 ; 吉 崎 , 2 0 1 6)。

3.本 論 文 の目 的

本 論 文 は 自 己 決 定 理 論 を 理 論 的 背 景 と し , 在 日 外 国 人 留 学 生 の ア ル バ イ ト 活 動 を め ぐ る 諸 問 題 に つ い て 検 討 す る こ と を 目 的 と し て い る 。ま ず ,第 3 章 で は , 自 己 決 定 理 論 に お け る 有 機 的 統 合 理 論 に 立 脚 す る こ と に よ り , 在 日 外 国 人 留 学 生 を 対 象 と し た ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 を 作 成 し , そ の 信 頼 性 と 妥 当 性 に つ い て 検 討 を 行 う 。 次 に , 第 4 章 で は , 確 認 的 因 子 分 析 を 用 い て , ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 の 因 子 的 妥 当 性 に つ い て 検 討 す る 。 ま た , 内 発 的 調 整 , 統 合 的 調 整 , 同 一 化 的 調 整 か ら な る 「 自 律 的 な 動 機 づ け 」 と , 取 入 れ 的 調 整 と 外 的 調 整 か ら な る 「 統 制 的 な 動 機 づ け 」 と い う 高 次 因 子 を 仮 定 し た 高 次 因 子 分 析 モ デ ル に つ い て 検 討 し ,2 つ の 高 次 因 子 の 存 在 を 確 認 す る 。 最 後 に , 第 5 章 で は , 自 己 決 定 理 論 に お け る 基 本 的 心 理 欲 求 理 論 に 基 づ い て , ア ル バ イ ト 活 動 に お け る 基 本 的 心 理 欲 求 尺 度 を 作 成 す る 。 ま た , ア ル バ イ ト 活 動 に お け る 職 務 満 足 感 に 影 響

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を 及 ぼ す 一 連 の 心 理 プ ロ セ ス を 明 ら か に す る た め , 基 本 的 心 理 欲 求 理 論 お よ び 有 機 的 統 合 理 論 を 基 に 仮 説 モ デ ル を 生 成 し , 基 本 的 心 理 欲 求 , 動 機 づ け の 自 己 決 定 性 , お よ び , 職 務 満 足 感 の 関 連 に つ い て 共 分 散 構 造 分 析 を 用 い て 検 証 を 行 う 。

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第 3 章

アルバイト動 機 づけ尺 度 の作 成

脚 注

本 章 の 内 容 の 一 部 は 岡 山 心 理 学 会 第 6 3 回 大 会 お よ び 31 s t In te rn at io n a l C o ng re ss

of P s yc h o lo g y で 発 表 さ れ , 学 会 発 表 論 文 集 に 収 録 さ れ て い る 。 ま た , 本 章 の 内

容 の 主 要 部 分 は 「 パ ー ソ ナ リ テ ィ 研 究 」 に 掲 載 さ れ た 論 文 に 含 ま れ て い る 。

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16

1 . 予 備 調 査

ア ル バ イ ト 動 機 づ け に 対 す る 質 的 分 析

目 的

予 備 調 査 で は , 在 日 外 国 人 留 学 生 の ア ル バ イ ト 活 動 に お け る 動 機 づ け 尺 度 を 作 成 す る た め , 留 学 生 を 対 象 と す る 面 接 調 査 に よ っ て 項 目 を 収 集 し , 自 己 決 定 理 論 に お け る 有 機 的 統 合 理 論 を 基 に 尺 度 を 作 成 す る こ と を 目 的 と し た 。

方 法

調 査 時 期 お よ び 調 査 協 力 者 201 4 年 1 2 月 に ,O 県 内 に あ る 大 学 お よ び 大 学 院 に 在 籍 す る 外 国 人 留 学 生 1 0 名 ( 男 性 3 名 , 女 性 7 名 , 平 均 年 齢 は 2 4 .9 0 歳

S D= 2 . 9 1)) を 対 象 に 半 構 造 化 面 接 調 査 を 実 施 し た 。

調 査 内 容 お よ び 手 続 き は じ め に , 本 調 査 の 目 的 を 説 明 し , 参 加 者 が 自 由 意 志 で 面 接 を 受 け る こ と を 確 認 し た 。次 に ,「 在 日 外 国 人 留 学 生 の ア ル バ イ ト 活 動 に つ い て ど う 思 い ま す か 、 ア ル バ イ ト 活 動 を 続 け る 理 由 は 何 で す か 」 を め ぐ っ て , 過 去 の ア ル バ イ ト 経 験 , ま た は 現 在 の ア ル バ イ ト 活 動 に つ い て な る べ く 詳 し く 話 す よ う に 求 め た 。 そ の エ ピ ソ ー ド を 基 に , あ ら か じ め 用 意 し た 質 問 項 目 に 沿 っ て 面 接 を 進 め た 。 回 答 は メ モ を と る と 同 時 に 参 加 者 の 了 承 を 得 て ス マ ー ト フ ォ ン の ボ イ ス メ モ (ip hon e5,io s7) に 録 音 し た 。 回 答 時 間 に 制 限 は 設 け な か っ た 。

結 果

1. 調 査 協 力 者 の 内 訳

調 査 協 力 者 は 中 国 人 留 学 生 9 名 と 韓 国 人 留 学 生 1 名 か ら な っ て い る 。 す べ て の 調 査 協 力 者 は ア ル バ イ ト 活 動 に 従 事 し て お り , ア ル バ イ ト 活 動 の 平 均 継 続 年

数 は 33. 80 ヶ 月 で あ っ た 。 ま た , 職 務 内 容 に つ い て , 飲 食 店 の ホ ー ル ス タ ッ フ

や コ ン ビ ニ の 店 員 な ど の よ う な 接 客 の 仕 事 と い う 回 答 が 最 も 多 く(8 名 ),次 は ,

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飲 食 店 で の キ ッ チ ン の 仕 事(1 名 ),ホ テ ル で の 仕 事(1 名 ),中 国 語 教 師 の 仕 事

(1 名 ) と な っ て い る 。

2. 分 析 の 手 順 お よ び 結 果

KJ 法 ( 川 喜 田 ・ 田 中 ,1 970; 川 喜 田 ,1 99 6) の 分 析 手 順 に 基 づ い て , 心 理 学 を 専 攻 と す る 学 部 留 学 生 1 人 , 日 本 人 大 学 院 生 1 名 と と も に 面 接 調 査 で 得 ら れ た 質 的 な デ ー タ を 分 析 し た 。 ま ず , 書 き 起 こ し た 面 接 調 査 の 内 容 か ら , ア ル バ イ ト 活 動 に 関 す る す べ て の 語 句 を 取 り 出 し ,1 枚 の ラ ベ ル に は 1 つ の 事 柄 を 書 く よ う に ラ ベ ル を 作 成 し た 。語 句 内 容 の 特 徴 に よ っ て「 動 機 づ け 関 連 グ ル ー プ 」 と「 そ の 他 グ ル ー プ 」を 作 成 し た 。次 に ,「 動 機 づ け 関 連 グ ル ー プ 」が 5 つ の 小 さ い グ ル ー プ に 分 け ら れ ,自 己 決 定 理 論 を 参 考 し な が ら「 外 的 」,「 取 り 入 れ 的 」,

「 同 一 化 的 」,「 統 合 的 」 と 「 内 発 的 」 と 命 名 し た 。 内 容 的 に 重 複 に な っ て い る 語 り を 1 つ の 項 目 に ま と め , 職 務 内 容 に 限 る 語 り や 宗 教 の 差 , 文 化 の 差 な ど の よ う な 個 人 差 の 高 い 項 目 に つ い て , 在 日 留 学 生 1 名 の 意 見 を 尋 ね た う え で 修 正 し た 。 さ ら に , 日 本 人 大 学 生 を 対 象 と す る ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 ( 加 藤 ・ 伊 藤・石 橋・小 石 ,20 02)を 参 照 し な が ら 計 4 0 項 目 を 尺 度 の 予 備 項 目 と し た(Tab le 3 . 1)。 予 備 項 目 の 内 容 的 妥 当 性 お よ び 日 本 語 の 難 し さ に つ い て , 心 理 学 を 専 門 と す る 大 学 教 員 2 名 ,心 理 学 を 専 門 と す る 学 部 留 学 生 1 名( 中 国 人 ),他 学 部 に 在 籍 す る 学 部 留 学 生 2 名 ( 中 国 人 1 名 , 韓 国 人 1 名 ) に よ っ て 確 認 さ れ た 。 「 外 的 調 整 」 は ,“1. と に か く お 金 が ほ し い か ら ” や “2. ア ル バ イ ト を 辞 め る と , 経 済 的 な 問 題 が 生 じ る か ら ” な ど の , 経 済 的 困 難 の よ う な 外 的 要 因 を 示 す 項 目 か ら な り ,計 6 項 目 が 収 集 で き た 。「 取 り 入 れ 的 調 整 」は ,“7.ア ル バ イ ト を 辞 め る と ,親 に 早 く 自 立 し な さ い と 言 わ れ る の が 嫌 だ か ら ”や“8.ア ル バ イ ト を 辞 め る と , 何 と な く 不 安 だ か ら ” な ど の , 不 安 や 義 務 感 な ど を 伴 っ て , 罰 を 避 け る た め に 行 動 を 続 け る こ と を 示 す 11 項 目 が 得 ら れ た 。「 同 一 化 的 調 整 」 は ,“1 8.ア ル バ イ ト を す る こ と は 大 事 な こ と だ と 思 う か ら ”や“1 9.ア ル バ イ ト を す る こ と は 良 い こ と だ と 思 う か ら ” な ど の , ア ル バ イ ト 活 動 を 続 け る こ と の 重 要 さ を 認 識 し な が ら 行 動 す る こ と に 関 す る 8 項 目 か ら 構 成 さ れ る 。「 統 合 的 調 整 」は ,“2 6.ア ル バ イ ト が 自 分 に と っ て 他 の こ と よ り 大 事 だ と 思 う か ら ”や

“2 7. ア ル バ イ ト を 通 じ て 目 標 が 達 成 で き る の で , 他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ” な ど の , 自 分 の 価 値 づ け ら れ た 目 標 と の 適 合 度 が 高 い こ と に 関 す る 7 項 目 が 得 ら れ た 。 他 に 何 か や り た い こ と が あ っ て も , 葛 藤 が な く そ の 行 動 を 優 先 さ せ て し ま う こ と を 示 す 。「 内 発 的 調 整 」 は ,“3 3. ア ル バ イ ト を 通 じ て 自 分 の 成 長 を 感 じ る か ら ” や “3 4. ア ル バ イ ト を 通 じ て い ろ い ろ な 人 に

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出 会 う こ と が 好 き だ か ら ” な ど の , 賞 罰 や 義 務 , 強 制 な ど の 目 的 が な く , ア ル バ イ ト 活 動 に 対 し て 好 奇 心 や 興 味 , 楽 し さ な ど の ポ ジ テ ィ ブ な 感 情 を 持 っ て 行 動 を 持 続 す る こ と に 関 す る 8 項 目 で 構 成 さ れ る 。

(22)

19

1とにかくお金が欲しいから

2アルバイトを辞めると,経済的な問題が生じるから 3アルバイトを辞めると,日本での生活が続けられないから 4アルバイトの収入で,どうしても買いたいものがあるから 5アルバイトで生活費を稼がなければならないから

6アルバイトで授業料を稼がなければならないから

7アルバイトを辞めると,親に早く自立しなさいと言われるのが嫌だから 8アルバイトを辞めると,何となく不安だから

9アルバイトを辞めると,バイト先に迷惑をかけるのが嫌だから

10アルバイトを辞めると,周りの人に持続力がないと評価されるのが嫌だから 11アルバイトを辞めると,周りの人に責任感がないと評価されるのが嫌だから 12アルバイトを辞めると,日本人に悪い印象を与えるのが嫌だから

13アルバイトを辞めると,自立できないと思われるのが嫌だから 14アルバイトを辞めると,悪い気がするから

15アルバイトを辞めると,外部との繋がりがなくなり,不安だから 16アルバイトの一つもしていないと,大人として恥ずかしいから

17アルバイトによって貯金しないと,後でお金に困ると心配しているから

18アルバイトをすることは大事なことだと思うから 19アルバイトをすることは良いことだと思うから

20アルバイトをすることが日本語の練習になると思うから 21アルバイトをすることは留学生活の一環だと思うから

22アルバイトをすることによって周りの人に認められると思うから 23アルバイトをすると,日本語が上達すると思うから

24アルバイト経験が社会では必要だと思うから

25アルバイトによって学んだ社会経験が将来の就職に役に立つと思うから

26アルバイトが自分にとって他のことより大事だと思うから

27アルバイトを通じて目標が達成できるので,他のことより優先したほうがいいと思うから

28アルバイトを通じて学校生活では得られない経験ができるので,他のことより優先したほうがいい と思うから

29アルバイトを通じて日常生活では得られない経験ができるので,他のことより優先したほうがいい と思うから

30アルバイトを通じて自分の存在感を感じるので,他のことより優先したほうがいいと思うから 31アルバイトを通じて学校で教えてくれない日本の常識が得られるので,他のことより優先したほう

がいいと思うから

32アルバイトと勉強が両立できるようになりたいので,他のことより優先したほうがいいと思うから

33アルバイトを通じて自分の成長を感じるから

34アルバイトを通じていろいろな人に出会うことが好きだから

35アルバイトを通じていろいろな人とおしゃべりすることが好きだから 36アルバイトを通じて自立する力が高まるから

37アルバイトに熱中することが好きだから 38アルバイトの仕事そのものが好きだから 39アルバイトの仕事内容がおもしろいから 40アルバイトをすると生活が充実するから 統合的調整

内発的調整

Table 3.1

在日外国人留学生のアルバイト活動における動機づけを表す項目 外的調整

取り入れ的調整

同一化的調整

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20

2 . 本 調 査 Ⅰ

在 日 外 国 人 留 学 生 を 対 象 と し た ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 の 作 成

目 的

本 調 査 Ⅰ で は , 予 備 調 査 で 作 成 し た 予 備 項 目 に 因 子 分 析 を 適 用 す る こ と に よ っ て , ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 の 因 子 構 造 と 因 子 項 目 を 決 定 す る 。 加 え て , 当 該 尺 度 の 信 頼 性 と 妥 当 性 を 検 討 す る 。

方 法

調 査 時 期 お よ び 調 査 協 力 者 201 5 年 7 月 ~1 0 月 に , 日 本 の 大 学 , 大 学 院 , 日 本 語 学 校 お よ び 専 門 学 校 に 在 籍 す る 留 学 生 2 0 0 名 を 対 象 に , 講 義 時 間 中 に 質 問 紙 を 配 布 し た 。1 週 間 後 の 同 じ 授 業 で 回 答 を 記 入 し た 質 問 紙 を 回 収 す る 際 に ,

1 7 2 部 が 回 収 で き , 記 入 も れ や 回 答 ミ ス の あ る デ ー タ , お よ び , ア ル バ イ ト 経

験 が な い 者 の デ ー タ (7 名 ) を 除 外 し た 。 そ の 結 果 残 っ た 有 効 回 答 者 数 1 5 2 名

( 男 性 7 0 名 , 女 性 8 0 名 , 不 明 2 名 , 平 均 年 齢 は 2 3. 3 0(S D= 3 . 1 3) 歳 ) の デ ー タ を 本 調 査 の 分 析 対 象 と し た 。

調 査 内 容

1) ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 : 予 備 調 査 で 作 成 し た 4 0 項 目 を 使 用 し た 。「 ア

ル バ イ ト 活 動 を 続 け て い る 理 由 に つ い て , 以 下 の 項 目 は , あ な た に ど の 程 度 あ て は ま る で し ょ う か 。6( 非 常 に あ て は ま る ) か ら 1( 全 く あ て は ま ら な い ) の 数 字 の う ち 最 も 近 い も の 1 つ を 〇 で 囲 ん で く だ さ い 」 と 教 示 し 回 答 を 求 め た 。 な お , 本 研 究 の 対 象 は 外 国 人 留 学 生 で あ り , 出 席 率 の 低 下 や 留 年 が ビ ザ の 更 新 に 影 響 す る た め , 勉 強 よ り ア ル バ イ ト 活 動 を 優 先 す る こ と が 考 え に く い こ と か ら , 統 合 的 調 整 の 7 項 目 , す な わ ち,“a 2 6. ア ル バ イ ト が 自 分 に と っ て 他 の こ と よ り 大 事 だ と 思 う か ら ”,“a 2 7.ア ル バ イ ト を 通 じ て 目 標 が 達 成 で き る の で , 他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ”,“a 2 8.ア ル バ イ ト を 通 じ て 学 校 生 活 で は 得 ら れ な い 経 験 が で き る の で , 他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ”,“a 2 9.ア ル バ イ ト を 通 じ て 日 常 生 活 で は 得 ら れ な い 経 験 が で き る の で , 他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ”,“a3 0.ア ル バ イ ト を 通 じ て 自 分

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の 存 在 感 を 感 じ る の で , 他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ”,“a3 1. ア ル バ イ ト を 通 じ て 学 校 で 教 え て く れ な い 日 本 の 常 識 が 得 ら れ る の で , 他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ”,“a 3 2.ア ル バ イ ト と 勉 強 が 両 立 で き る よ う に な り た い の で ,他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ”に 関 し て ,

「 他 の こ と 」 と は 勉 強 以 外 の 活 動 に 限 ら れ る こ と を 補 足 教 示 し た 。

2) ア ル バ イ ト 活 動 に お け る 満 足 感 : 加 藤 ら (2 0 0 2) が 作 成 し た 職 務 満 足 尺 度(1 0 項 目 )を 用 い た 。職 務 満 足 尺 度 は 仕 事 に 対 す る 満 足 感 を 測 定 す る も の で あ り ,職 務 内 容 と 対 人 関 係 に 関 す る 項 目 に よ っ て 構 成 さ れ て い る 。「 ア ル バ イ ト 活 動 に つ い て ,以 下 の 項 目 は ,あ な た に ど の 程 度 あ て は ま る で し ょ う か 。4( と て も あ て は ま る ) か ら 1( あ て は ま ら な い ) の 数 字 の う ち 最 も 近 い も の 1 つ を

〇 で 囲 ん で く だ さ い 。」 と 教 示 し 回 答 を 求 め た 。

3) フ ェ イ ス シ ー ト :「 学 年 」,「 年 齢 」,「 性 別 」,「 出 身 国 」,「 在 留 資 格 」,「 ア

ル バ イ ト の 職 種 」,「 勤 務 頻 度 」,「 平 均 時 間 」,「 ア ル バ イ ト 活 動 の 継 続 年 数 」 に つ い て 調 査 協 力 者 の 基 本 情 報 を 求 め た 。

手 続 き 各 学 校 の 担 当 教 員 に , 質 問 冊 子 の 日 本 語 が 回 答 す る 留 学 生 に と っ て 平 易 で 分 か り や す い 表 現 に な っ て い る か に つ い て 確 認 し て も ら っ た う え で , 講 義 時 間 中 に お い て , 筆 者 ま た は 授 業 担 当 教 員 に よ っ て 集 団 調 査 を 行 っ た 。 本 調 査 の 目 的 , 調 査 へ の 参 加 は 自 由 で あ る こ と , 回 答 し に く い 項 目 や 意 味 不 明 の 項 目 に 対 し て は 飛 ば し て も い い こ と , お よ び , 調 査 に よ る 不 利 益 は 生 じ な い こ と に つ い て 口 頭 で 説 明 し た う え で , 自 宅 に 質 問 紙 を 持 ち 帰 り 回 答 す る よ う 依 頼 し た 。1 週 間 後 の 同 じ 講 義 で 回 答 を 記 入 し た 質 問 紙 を 回 収 し た 。

結 果

1. 調 査 協 力 者 の 内 訳

分 析 対 象 と な っ た 調 査 協 力 者 1 5 2 名 の 出 身 国 は ,中 国(13 8 名 ),韓 国(6 名 ),

ベ ト ナ ム (3 名 ), イ ン ド (1 名 ), ミ ャ ン マ ー (1 名 ), ド イ ツ (1 名 ), ロ シ ア

(1 名 ), 不 明 (1 名 ) で あ っ た 。 ア ル バ イ ト 活 動 の 勤 務 頻 度 は 週 に 平 均 3. 41

S D= 1 . 0 8) 回 , 毎 回 の 平 均 勤 務 時 間 は 4 . 7 3(S D= 1 .1 5) 時 間 , 平 均 継 続 年 数 は

14 .9 7 ヶ 月 (S D= 17. 6 5) で あ っ た 。 ま た , 職 務 内 容 に つ い て は , 飲 食 店 の ホ ー

ル ス タ ッ フ や コ ン ビ ニ の 店 員 の よ う な 接 客 の 仕 事 が 最 も 多 く (6 1 名 ), 次 は , 飲 食 店 で の キ ッ チ ン の 仕 事(4 5 名 ),ス ー パ ー で の 惣 菜 の 仕 事(2 3 名 ),工 場 で

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の 製 造 の 仕 事(1 4 名 ),通 訳 や 家 庭 教 師 な ど の よ う な 専 門 性 の 高 い 仕 事(8 名 ),

不 明 (8 名 ) と な っ て い る 。

2. 因 子 構 造 の 決 定

ま ず ,ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 4 0 項 目 の う ち ,天 井 効 果 が 見 ら れ た と 考 え ら れ た 1 項 目( 項 目 2 4)を 削 除 し た 。続 い て ,残 り の 3 9 項 目 に 対 し て ,S P S S 19. 0 を 用 い て , 最 尤 法 , プ ロ マ ッ ク ス 回 転 に よ る 探 索 的 因 子 分 析 を 行 っ た 。 自 己 決 定 理 論 か ら は 5 因 子 構 造 が 予 測 さ れ る が , 第 1 因 子 か ら 第 6 因 子 ま で の 固 有 値 は 1 0 .8 0 0,4 . 932,2 . 8 7 2,2.3 14,1. 724,1 . 5 8 4 で あ り , ス ク リ ー プ ロ ッ ト の 減 衰 パ タ ー ン と 累 積 寄 与 率 (51. 25%) か ら も 5 因 子 構 造 で あ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 そ こ で 因 子 数 を 5 に 指 定 し , 二 回 目 の 因 子 分 析 を 行 っ た 。 今 回 作 成 し た 尺 度 の 対 象 は 外 国 人 留 学 生 で あ り , 今 後 日 本 語 で 回 答 す る こ と に 係 る 協 力 者 の 負 担 を 最 小 限 に 抑 え る た め , 因 子 ご と に 因 子 負 荷 量 の 大 き い 3 項 目 だ け を 残 す こ と に し た 。得 ら れ た 1 5 項 目 に つ い て 三 度 目 の 因 子 分 析 を 行 っ た が ,5 因 子 構 造 と 項 目 の 因 子 負 荷 パ タ ー ン に 変 化 は な く ,多 重 負 荷 も 認 め ら れ な か っ た(Tab le

3 . 2)。 次 に , 探 索 的 因 子 分 析 で 得 ら れ た 5 因 子 1 5 項 目 に 対 し ,A mo s 1 9 .0 を 用

い て 確 認 的 因 子 分 析 を 行 っ た (Fi gu r e 3 . 1)。 そ の 結 果 ,χ²( 8 0 )= 1 26 . 68 (p< . 0 1), G FI= .9 1,A G F I= .8 6,R MS E A = .06,C F I= . 9 7 で あ り ,一 定 の 適 合 度 を 有 す る こ と が 示 さ れ た 。 以 上 の 分 析 手 続 き を 経 る こ と に よ り , 最 終 的 な ア ル バ イ ト 動 機 づ け 尺 度 の 5 因 子 構 造 を 決 定 し た 。

第 1 因 子 は ,“a11 .ア ル バ イ ト を 辞 め る と ,周 り の 人 に 責 任 感 が な い と 評 価 さ れ る の が 嫌 だ か ら ” な ど の , 不 安 や 義 務 感 な ど を 伴 っ て ア ル バ イ ト 活 動 を 続 け て い る こ と に 関 す る 3 項 目 か ら 構 成 さ れ る こ と か ら 「 取 り 入 れ 的 調 整 」 因 子 と 解 釈 し た 。 第 2 因 子 は ,“a3 .ア ル バ イ ト を 辞 め る と , 日 本 で の 生 活 が 続 け ら れ な い か ら ” な ど の , 経 済 的 な 理 由 で ア ル バ イ ト 活 動 を し な け れ ば な ら な い こ と に 関 す る 項 目 で 構 成 さ れ る こ と か ら「 外 的 調 整 」因 子 と 解 釈 し た 。第 3 因 子 は ,

“a3 8 .ア ル バ イ ト の 仕 事 そ の も の が 好 き だ か ら ” な ど の , ア ル バ イ ト 活 動 自 体

に 対 し て 興 味 が あ る こ と に 関 す る 3 項 目 で 構 成 さ れ る こ と か ら 「 内 発 的 調 整 」 因 子 と 解 釈 し た 。第 4 因 子 は ,“a29 .ア ル バ イ ト を 通 じ て 日 常 生 活 で は 得 ら れ な い 経 験 が で き る の で , 他 の こ と よ り 優 先 し た ほ う が い い と 思 う か ら ” な ど の , 自 分 の 価 値 づ け ら れ た 目 標 と の 適 合 度 が 高 い こ と に 関 す る 3 項 目 か ら 構 成 さ れ る こ と か ら 「 統 合 的 調 整 」 因 子 と 解 釈 し た 。 第 5 因 子 は ,“a2 0 .ア ル バ イ ト を す る が 日 本 語 の 練 習 に な る と 思 う か ら ” な ど の , ア ル バ イ ト 活 動 の も つ 価 値 が 認 識 さ れ ,「 重 要 だ 」と 思 い な が ら 行 動 す る こ と に 関 す る 3 項 目 か ら 構 成 さ れ る こ

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と か ら 「 同 一 化 的 調 整 」 因 子 と 解 釈 し た 。 こ れ ら の 5 因 子 は , 内 容 的 に も 自 己 決 定 理 論 の 5 段 階 構 造 , す な わ ち 「 内 発 的 調 整 」,「 統 合 的 調 整 」,「 同 一 化 的 調 整 」,「 取 り 入 れ 的 調 整 」,「 外 的 調 整 」 に そ れ ぞ れ 対 応 す る も の で あ る こ と が 確 認 さ れ た 。

1 2 3 4 5 Mean SD 共通性

a11 アルバイトを辞めると,周りの人に責任感がないと評価さ

れるのが嫌だから .98 .02 .02 -.01 .03 2.74 1.53 .98

a10 アルバイトを辞めると,周りの人に持続力がないと評価さ

れるのが嫌だから .89 .02 .05 .03 -.06 2.76 1.55 .84

a12 アルバイトを辞めると,日本人に悪い印象を与えるのが嫌

だから .87 -.04 -.06 -.04 .03 2.89 1.53 .70

a3 アルバイトを辞めると,日本での生活が続けられないから .04 .92 .02 -.01 -.03 3.32 1.61 .87 a2 アルバイトを辞めると,経済的な問題が生じるから -.07 .90 .01 .01 .02 3.89 1.52 .78 a5 アルバイトで生活費を稼がなければならないから .03 .82 -.04 .01 .02 3.97 1.49 .67

a38 アルバイトの仕事そのものが好きだから -.07 .06 1.01 -.07 .00 3.08 1.33 .94 a39 アルバイトの仕事内容がおもしろいから -.03 -.03 .81 .06 .01 3.01 1.34 .67 a37 アルバイトに熱中することが好きだから .12 -.05 .74 .08 -.01 3.26 1.37 .66

a29 アルバイトを通じて日常生活では得られない経験ができる

ので,他のことより優先したほうがいいと思うから -.08 -.03 -.04 1.01 -.03 3.53 1.26 .94

a31 アルバイトを通じて学校で教えてくれない日本の常識が得

られるので,他のことより優先したほうがいいと思うから .02 .07 .00 .76 .03 3.74 1.31 .62

a28 アルバイトを通じて学校生活では得られない経験ができる

ので,他のことより優先したほうがいいと思うから .06 -.03 .11 .75 .03 3.45 1.34 .67

a20 アルバイトをすることが日本語の練習になると思うから .03 -.02 -.04 .00 .91 4.87 1.04 .82 a23 アルバイトをすると,日本語が上達すると思うから -.05 .01 .11 -.13 .76 4.64 1.12 .58 a21 アルバイトをすることは留学生活の一環だと思うから .01 .03 -.08 .19 .59 4.84 0.97 .41

3.07 2.65 3.07 3.00 2.06

5.同一化的調整(α=.79)

因子寄与 Table 3.2

アルバイト動機づけ尺度の因子分析の結果(最尤法,プロマックス回転,N=152

1.取り入れ的調整(α=.94)

2.外的調整(α=.91)

3.内発的調整(α=.89)

4.統合的調整(α=.88)

Figure 2.1 .動機づけタイプの自己決定連続帯
Figure 3.1. アルバイト動機づけ尺度の確認的因子分析の結果 外的調整調整調整的調整調整内発的統合的同一化的取り入れ.93.84.81.92.84.80.91.73.621.00.91.83.94.88 .81.18.32.18-.09.10.28.41.25.21.23
Figure 4.2. 5因子構造における高次因子分析モデル(1因子)(モデル2)
Figure 4.3. 5因子構造における高次因子分析モデル(2因子)(モデル3)
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参照

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