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寒冷地農家の家計報告 : 昭和35年から昭和39年まで,北海道幌加内町母子里部落の場合

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Academic year: 2021

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(1)Title. 寒冷地農家の家計報告 : 昭和35年から昭和39年まで,北海道幌加内町母 子里部落の場合. Author(s). 清野, きみ. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭,体育編, 19(2): 66-77. Issue Date. 1969-01. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6525. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第19巻 第2号. 北海道教育大学紀要 (第二部C). 昭和44年1月. 寒冷地農家の家計報告 -昭和35年か ら昭和39年まで, 北海道幌加 内町母 子里部落の場合- 清. 野. き. み. 北海道教育大学函館分校家庭学研究室 i l t t Kimi KIYONO : A Report on the Fami s r c y Finances of the Farmers in a Cold Di l l ido i -- i Vi -The Case of N【 rom l960 to l964 cho oshi r age , Hokka ,f , Horokana. 1. 研 究 課題と経過. 北海道の僻地社会を自然的, 社会経済的, 文化的諸条件より総合的に把握した研究に, 「僻地社 ) 」 がある. 北海道雨竜郡幌加内町母子里部落を 会の開発計画と生活設計に関する教育的実験研究1 対象としたこの報告では, 地域農民の営農改善ならびに生活改善を中軸とする, 地域社会の生産計. 画と生活設計に関する基礎的課題を明確にすることをね らい, 今一つは, その方向と展望のもとに ) 」 に視点をあて, 家事作業のもつ対家 教育計画を提案することにあ った. そのうち, 「農家の生活2 家事作業と生産労働との関係を 族との関係,.決裁権の内容, 役割分担, , 経営志向と関連せ しめて, ) しか し な が ら 農 地区モノ グラフを作成 したのである, これはかなりの程度の基礎資料を得た3 , 家の生活実態を ビビッ トに描き出すためには, 年度を追った累積的資料も必要である. 幸いにも昭 和40年か ら41年にかけて行なった実地踏 査の際に, 当部落竹田力男氏より家計簿を見せてもらう ことが出来た. これは昭和35年から39年までの記録である, 当部落は昭和5年以降北大演習林林 内殖民者としてほぼ同じ条件のもとに入殖 した人々 が多く, 農業開拓を志向しなが ら林業労働に従 事したり酪農を手 がけたりして今日に至 っているのであるが, 今までもっとも生活安定がなされた 9年の台風15 号がもた らした風倒木 とみ られるのは昭和 2 ‐処理のために, 数年間林業雇用 が増大し ) 母子里部落 が出来て以来大きな変動 があ ったその一つに考えられたものである. た時であろう4 . 風倒木処理が続いた直後の年にあたるの が 昭和35年頃とみ られ, それか ら5年間の家計は, 北 海 道の僻地における寒冷地農家の実態及び変動の姿をみるに値する資料である と考え, 表記のもとに 分析を加えることに したものである. こうした研究は極めて少なく, あっても北海道でいうところ の, どん ぶ り か ん じよ う 式 の 記 載 が 多 い も の で あ る.. 一般 に家計簿の記入は, それ が物量的な金銭収支という体裁をとるために物資の動きが中心であ るが,その裏にある生活実態を累積的に把握するこ とも容易である.また生活記録的要素もそなえて いる. 5 年間にわた っての詳細な資料であるか ら, その推移を充分読みとることが出来るであろう. 此の家計簿は, 道内の各関係機関でつく られている北海道 農家簿記普及研究会が研究協議して作 成した 「やさしい家計簿」 に記入されており, 記入者は経営主の妻である. 内容は, 1 家族のあ らまし, (なまえ, 性別, 生年月日, 年齢, 身長, 体重, 胸囲, 足袋の大きさ) 6 7 1 1 注 1 ) 北海道教育大学僻地教育研究紀要 VO . ,1 , 昭和 40年度 (第1年次) 研究報告.19 ,14一 I 研究報告 4 1年度 ( ) 1 第2年次 1 5 - 同上紀要VO 昭和 . . 2 ) 同上紀要 VO1 . ,14-1 .41~53 ,p. I 同 上 紀 要 VO . .17~27 .15一1 ,p. 3 ) 同上紀要 VOI .1 , .14-1 ,p 1 5 1 - 4 ) 同上紀要 VOI p . . , .3. (66).

(3) . 清. = m. 野. き. み. 生活日誌 (月, 日, 曜日, 生活記録, 予定) 月別予算表. I V 月別集計集 V. 家計決算表. 円. 金銭日記帳. よ り成 り 立 っ て い る,. 従来, 農林漁家につし・ては一般にその経営と生計 が未分化に営まれ, ひいては未分 化 な も の と 考えられていたのであるが, 此の家計簿では経営 ・生計の両面を明確に区分し運営するように なっ ている. 具体的なことは後述す るが大きな特徴は予算表, 集計表, 決算表の入金の項目 が繰入とな 家計 っており, 主人や経営主か らの入 金をあてるよう説明されていることであ る. 入金は繰入に, 品の転用 転売などは家計収入に, 現金を払わない買物代としては借 金買の項目にとなっており, 農 家の家計における入金の枠組み をはっきりさせている, 農家の経営と家計との独立は同時に, 両者 を連絡させ照合させる方法をとって経営体全体を把握することが出来るのであるが, それが出来る ためには, 記帳しにく い家計簿の入 金を細分して書き込む作業 がなされる必要 がある. 最近, 農林 漁家向き家計簿記について, 農林省生活改善課, 生活改善綜合対策樹立のための調査研究委員らが ) している それによれ ば, 農林漁家の経営と家計 の分離を行なうのは, 農林漁家の家 試案を発表5 . 庭において経済生活に月給制を導入することにあるといっており, その前提は, 正確な現 金の収支 であることを強調している. さ らに農林漁家の家計では自給生産物を庭先価格をもって入金させな 0年年度調査によれば, 農家の, ければな らないとしている, ちなみに, 農林省統計調査部の昭和 4 0 0 2 5 全国平均年間一世帯当たりの家計費は, 62, 円, そのうち自家生産物率は22% (うち食物費に が3~5%, 物々交換 が1% であるとされ は全体の半数 が配分) , 掛買 が家計費の6~7%, 月賦買 ている. 農村漁家の入 金構造は, 他産業従事者の家庭に比して, 自家生産物の消費の発生頻度が高 く, 複雑である. 此の点竹田家の家計簿では, 入金の項目の内容を前述したように区分し明 らかに している, また各年度の決算表の最後には, 経営主の捺印と記入月日が示されてあり, 記入担当者 の能力と家庭内の地位が関与するにしても, 夫婦が共同して正確に記帳しようとする意欲 があらわ れている資料である, さてここで竹田家の プロフィ ールを述べれば, 竹田家は当母子 里部落に昭和9年入殖した畑作を 主とする専業 農家であ る. 此の頃について, 母子里部落の成立・展開に関する歴史研 究 部 門 の 報 )では 昭和4年~6年頃の全道的 大凶作期に入殖 が開始され昭和8年~12年に かけては, 生 告6 , 産.生活の諸施設 が整い, 昭和9年には村内小作者か ら区長・村会議員を送り出すこと が出来たと ある.即ち竹田家は, 母子里部落初期の入殖者である.その後農業開拓を志向しな が ら林業労働者と ,農業経営を して定着してきた. 此の地区では, 本来の生活志向として, 1 .山林労働者的なもの, 2 ニ 一時的生活手段とするものの 内小作農場を 3 北海道大学演習林 本来的終局的な目的とするもの, . つの類型 が考えられ, 竹田家では, その2に該当する専業志向農家であり, しかも, 馬鈴薯養 鶏志 )のである 営農基盤は母子里部落農家44戸のうち上層部5戸の一つで, 営農 向農家とみられる7 . 5 町歩, 他に雑穀をつくり年間農業粗収入と農外収入 意欲は A とランクされている. 馬鈴薯は3 , の 計 は 昭 和 39 年 度 に お いて 100 万 円 を 越 して い る. 部 落 内 で は 「経 営 の の びて い る 家」 と さ れ,. 経営主に対する人物評価では 「営農に対し指導力 がある, 実力者である」 と言われている. 公職と 5 ) 家政学雑誌 VO1 . 昭 和 42年 ,442 ,18‐6 ,p 6 ) 北数大僻地教育研究紀要 VOI . .3 .15一1 ,p 8 7 5 1 4 1 6 - 7 p p ) 同上紀要 VOI . , . , . . (67).

(4) . 寒冷地農家の家計報告 して農業委員をつと め, 妻はイ ンフ ォーマルグルー プのひな どり会の会長をしている等母子里部落 ) である における篤農家的存在8 . 家族の構成及び消費単位を表 1に示した. 消費単位は松下作成による, 経営主及び妻の消費単位 は変わ らないが, 子供たちの成長につれて大きく変化し, 昭和38年か らは405となった. 表1 家 族 の 消 費 単 価. 35 年. 6 年 3. (但し年齢は家計簿記載の年齢). 3 7 年. 38 年. 39 年. 年齢 消費単位 年齢 消費単位 年齢 消費単位 年齢 消費単位 年齢 消費単位 竹. 田. 力 ・. 男. 32. 100. 33. 100. 34. 100. 35. 100. 36. 100. 竹. 田. 良. 子. 28. 80. 29. 80. 30. 80. 31. 80. 32. 80. 竹. 田. 剛. 志. 9. 70. 9. 70. 10. 70. 12. 90. 12. 90. 竹 竹. 田 田. 良 晴. 治 美. 6. 65. 7. 65. 8. 65. 10. 70. 10. 70. 3. 50. 4. 60. 5. 60. 7. 65. 7. 65. 365. 375. 375. 405. 405. 家族生活周期と食糧消費単位 換算累計一覧表 松下作成に よる 松下他, 食糧経済学 p.240~241 、. =. 収入・支出と消費性向. ) にしたがって家計簿の構成を述べると入金と出金に大 あかるい家計簿の費目別一覧表 ( p .152 別され, 入金は勤労者家庭における実収入, 可処分所得にあたる, 出金は実支出にあたり消費支出. である. 入金は, 繰入 金, 家事収入, 借 金買の小科目によって構成され, 出金はさ らに, 飲食費を 細分して主食費, 副食費, 調味料費, 噌好品費となっている. 他に, 被服身回り品費, 住 居 家 具 費, 水道光熱費, 保健衛生費, 教育費, 修繕娯楽費, 交際費, 冠婚葬祭費, 諸負担費, 家計雑費, 繰出, そ して借金買の支払いの費目に分類されている, その内容を表 2にしめした, 表2 費 目 分 類 一 覧 表 費. 目. 1. 容. 内. 入 毒 醸穣キ灘富豪灘盗電 農繁毒鑓議謝絶擬装 家. 事. 収. 入. 金ー現今#払 埜 い 響 代 魔 米. 主. 麦. な 食. 善. 菜,. ど 魚 な 費 食 み そ, 正 油 な ど 費 調 味 料 こ な ど 酒, た を 噌 費 好 品 野. 反. 副. 物, シ. ャ ツ な. 被服身回り品費. ,. 舞品の受け取り. 古新聞や家計用品の売却代,. ど. 住宅小修繕や台所用 具な ど 住 居 家 具 費 水道代や石炭, 電 気 代 な ど 水 道 光 熱 費. 繍噸*犠 鳳鍬総. 入. 米, 麦, ソバ, ヒエ, アワ, キ ビなどの穀類や, パ ン, メソ類など加工食品 の購入代及び自家生産物の消費とその加工賃.. ‐ ,海藻類 ,つくだになどの購入代 騨自製生誕物憂廠 姿の嘉竪魚類. みそ, 正油, 食塩, 砂糖, 味の素, カレ←粉, とうがらし粉, コショー, ソ ースなどの調味料及び食用油, バター, マーガリンなどの購入代. 清酒, 焼酎, ウイスキー, ビール, ブドウ酒, サイ ダー, ジュース, たばこ 菓 子, あ め類, 茶, コー ヒ ー, アイ ス キ ャ ンデー, アイ ス ク リー ム 代.. 和洋服, 布地, 寝具, 肌着などの衣料, ハンカチ, 手拭, タオル, 帽子, 履 物, 靴下, 足袋, 手袋, マフラー, ネクタイ, 眼鏡, 腕時計, 指輪などの身 回り品の購入, 修繕. 生活用の建物の小修繕, 家具家財の購入修繕代, 並に食器, 台所用品, 電気 器具, 洗たく用具, 裁縫用具などの購入, 修理代, 電気, ガスの料金, 薪, 木炭, 石炭, 石油などの燃料代, 電球, マッチ, ロ ーソク, 水道代.. 8 ) 同上紀要 p.97. (68).

(5) . 清 く すキリ 代 や 医 療 代 な ど 保 健 衛 生 費 教 科 書 や ノ ー ト な ど 教 育 費 新聞, ラジオ, おもちやなど 修 養 娯 楽 費 お祝いやお見舞などのつき合 交 際 費 結 婚 や 法 要 な ど 冠 婚 葬 祭 費 税 金 や 寄 付 金 な ど 諸 負 担 費 家族の 小遣い やその 他 家 計 雑 費 経 営 や 主 人 へ の 出 金 繰. 出. 借金買の支払い. 野. き. み. 、 ェ 離鵠翻馬織芦野欝農療 暴け?鱈整髪炎半熟料. 教科書, 参考図書, 文房具, 授業料, 通学費, P・T・A会費 ,. 新聞雑誌類, ラジオ聴取料, 芝居映画観覧料, おもちや その他教養文化用 , 品, 娯楽用品,. 鞠 髪 # 儀, 香典, 見舞, 中元, 歳暮, 来客の接待費‐ 祝賀会, 同窓会な. 自家の婚礼, 葬式, 法要, 還暦, 出産, 入学, 卒業 就職祝いなどの経費 , , 神社, お寺などの寄付金や負担金, 生活関係の税金 (市町村民税 道民税 , , 所得税, 犬税, ミシン税など) 家族の小遣いやその他雑費, 生活費として受け取った金の中から経営のための費用を支払ったり 貯金を , 預け入れた金額, 生活用として購入したものや家計仕向け済みのものを経営 に転用した代金, 借金買をした代金の支払, 表3 実収入 (繰入収入) と内訳. \\ 項日 年度 \\ぐ 3 5 6 3 3 7 38 9 3. 年 年 年 年 年. 繰 入 金 円 1 92 ‐ ,929 187 う354 241 ,620 373 ,251. 339 ,431. 家事収入 円 2 ,574. 10 ,473 3 ,372 9 ,190. 10 ,647. 借 金 買 円 7 ,143 9 ,206 7 ,207 6 ,535 7 ,189. 計 円 207 ,126. 207 ,033 252 ,199 388 ,976. 357 ,267. 昭和35年~3 9年. 残. 消費単位. 円 4 ,942. 円 365. 1 ,670 350. 375. 239. 405. 27 ,946. 405. 375. 月別集計表より作成. 各年度の実収 入即ち繰入収入と内訳は表3のとおりである 年度末の残金もあわせて示 した 繰 , . 入金はいう までもなく経営主か らの入金であり 家事収入は家計品の転用転売など 借金買は現金 , , の支払いを伴わない買物代金である. 繰入金は昭和36年を除いて年々増加 し て い る が 家 事 収 , 入の実額は平均していない, 借金買は, 繰入金の増加の程度に比べてそれ程変化はなく 65 , ,00円~ 9 20 0円までの幅がある 繰入収入の一番 少ない36年において借金買の額が高 い 繰入収入は , . 昭和 . 37年までは, 年間20万円台 昭和38年 39年では35万円を越 している なお残金は , , , , 家計簿記 載上では翌年への家計の繰越金とはな らず 年末に一応経営部門に繰り入れ られる仕組みにな て , っ い る,. 家事収入の内訳を金銭日記帳より調べてみると,昭和35年では 1月-年玉 大豆 澱粉とりん ご , , , の交換,2月-花豆,色豆,澱粉とりんごやとろろ昆布と交換 3月-色豆 小麦 澱粉とり んご みそ , , , , , 正油と交換, 4月一茶売, 澱粉とりんご交換 5月一茶売 6月一茶売 7月-茶売 9月-茶売 , , , , ,. 10 月 - 小 豆 売, 11 月 一 色 豆 売 却 大 豆 一 俵 売 却 12 月 - 小豆 と り ん ご 交 換 し 計 2574 円 と なJ ,、 , , , て いる, 昭 和 36 年 で は 1 月 - 年 玉 豆 と り ん ご交 換 3 月 - 入 学 祝 い と して ラ ン ドセ ル (1500 , , , ,. 円) を現金入れ,4月-澱粉, 豆とりんご交換 びん25本売却 5月-卵売却 新聞紙売却 7月 - , , , , 雑品販売,11月-貯金箱より繰り入れ,12月一新聞売却 卵販売 茶販売となっており 細かく みる , , , 473円のうち, 教育費に該当する収入5870円 副食調味料代1780円 他が雑品等を売却し と10 , , , , , た金額となる. 各年度を通 じて36年の雑品等販売代金が多い 繰入収入と家事収入 しかも雑品等 , 販売金で補充 している. 昭和37年度では 36年の1/ 3に減少し, 内訳は1月-年玉 3月空びん , , 4 売却, 月-茶販売, 夏季間はなく, 12月そばとうどん一箱交換とあり 計3372円である 昭和38 , , . 190 円 で 37 年 の お よ そ 3 倍 と な る しか し内 訳 を み る と 夫 より こ づ か い 5000 が 1 年では9 , , 円 , , , (69).

(6) . 寒冷地農家の家計報告 350円 が家事収入となっている 000円を含め, 此の月に7 , 月にあ, り, 年玉, 協同組合割引の代 金1 , 220円, 3月-薪払いもどし,5月茶販売, ため, 増加したものである. 2月-国保37年度減税分1 , 1 1月空びん売却となって, 例年より品目も頻度も 金額も少ない. 38年度の収入は5 年間で最高で 5030 円 で 購 入 して いる. あ る. 妻 は 1月 に 夫 よ り 受 け た 金 額 で ス ー ツ 上 下 と, 子 供 ズ ボ ン 2 足 を ,. 家事収入の内訳と繰入金からみて消費生活の内容の拡 がっていることが推定されるのである. 昭和 39年になると家事 収入は1万円台となっ た. この年もまた, 38年と同様, 2月-茶販売, 3月- 内訳 卵ととろろ昆布交換, 5月-卵, 茶売却とあるのみで, 他は, 消費生活の拡 がりともみ られる 900 円, 4 月 -500 円 程 度 戻 り と い う よ う に であ る. が 続 く, 例 え ば, 3月 に は 入 学 祝 い に 6 , , 次に年度別 に支出をみる あかるい家計簿 V 家計決算表 より整理したものである. 昭 和39年. , の決算 が一部なされていなかったので, 著者が行ない他は決算表のままである. A は家事支出, B は家事収入, C は家事支出か ら家事収 入を引いたところの, 家庭経済が主体 が D の, 1 人 的に意図して支払った金額即ち純家計 費である. その金額を消費単位で割 ったもの 当たり費目別生活費である, 表 4参照. 表4. 35 年 目. 費. 霧一 罰 計. 被 服 身 住 居 水 道 保 健 教 修 養 交 冠 婚 負 諸. 回 り 品 具 家 光 熱 生 衛 育 娯 楽 際 葬 祭 担. 費 費 費 費 費 費 費 費 費 出. 繰. 費. 雑. 計. 家. 計 計. 合. 52 ,855 19 ,641. C. B. A 家 事 支 出. 純 家 計. 家 事 収 入 円. 円. 4 ,355 370. 19 ,647. 1 ,000. 31 ,730. 123 ,873. 1. ‐. 26 ,891. 4 ,646 5 ,266. 446. 8 ,713 3 ,750. I 103. 3 ,667 7 ,159. D. 580. 3 ,986 520. 1人当たり費目別生. 費. 52 ,855 15 ,286. 円. C /消費単位 活費 (. 虻. 14 ,480 4 ,170. 19 ,277. 30 ,730. 5 ,630 8 ,420. 118 ,148. 32 ,370. 26 ,891 4 ,646. 7 ,360 1 ,230. 3 ,750 3 ,564. 1 ,030 970. 4 ,820 8 ,713. 1 ,650 2 ,380. 6 ,579. 180. 3 ,986 520. 1 ,090 140. 59. 59. 10. 7 ,106 71 ,763. 1 ,329. 6 ,906 70 ,434. 1 ,890 17 ,290. 195 ,636. 7 ,054. 188 ,582. 51 ,690. 53 ,086 18 ,993. 14 ,420 5 ,060. 15 ,990 27 ,174. 4 ,260 7 ,240. 111 ,683. 29 ,760. 29 ,462 12 ,390. 7 ,860 3 ,300. 200. 36 年 、. 食. 主 味 i. 料 品. 被 服 身 回 り 品 費 具 費 居 家 住. 53 ,086 17 ,213. 15 ,990 27 ,174. 29 ,462 2 1,390. (70).

(7) . 清 費. 水 保 教 修 交. 養 婚 負. 冠 諸. A. 目. 道 健. 光 衛 育 娯 際 葬. 野. き B. 家 事 支 出. 家 事 収 入 円. 費 費 費 費 費 費 費. 熱 生 楽 祭 担. 貯. み. 5 ,870. 借 金 買 の 支 払 い 家 計 雑 費 計. 計. 9 ,638 8 ,178. 2 ,823. 1. 2 ,580 2 ,420. 12 ,276 6 ,731. 3 ,270 1 ,790 1 ,270. 2 ,515 327. 670. 6 ,660 9 ,141. 1 ,770 2 ,430. 4 ,775. 金. 合. 搬C識 1 鹸当惑溜黙 円. 80. 84 ,707. 22 ,580. 跳,鋤 1. 5 2 ,抑. 52 ,454 26 ,656. 13 ,980 7 ,100. 124 ,627. 123 ,087. 32 ,800. 34 ,982 11 ,747. 34 ,982 11 ,747. 9 ,320 3 ,130. 13 ,176 5 ,160 7 ,584. 3 ,510 1 ,370 2 ,020. 7 ,850 1 ,000. 2 ,090 308. 郷 筋3 1. , o ,焔 1. 3 7 年. 獣ルー 食. 計. 被 服 身 回 品 費 住 居 家 具 費 水 道 光 熱 費 保 健 衛 生 .費 教 育 費 修 養 娯 楽 費 交 際 費 冠 婚 葬 祭 費 担 諸 負 費 機 立 械 積 雑 費 家 計 計 合. 計. 53 ,754 26 ,656. 1 ,300. 30 ,512. 240. 13 ,705. 15 ,602 7 ,022. 432. 13 ,176 5 ,160. 8 ,984. 1 ,400. 7 ,850 1 ,000. 11 ,578 117 ,101 241 ,728. 3 ,372. 13 ,705 30 ,272. 15 ,170 7 ,022. 3 ,650 8 ,070. 4 ,040 1 ,850. 11 ,578 115 ,269. 3 ,020 30 ,740. 237 ,356. 63 ,290. 66 ,412. 13 ,940 8 ,450. 38 年 主. 費ー璽. 食. 蓬. 料. 67 ,172 34 ,228 20 ,476. 34 ,228 20 ,476. 45 ,580 167 ,896. 被 服 身 住 居 水 道 保 健 教. 回 り 品 家 具 光 熱 衛 生 育. 費 費 費 費 費. 2 ,170. 63 ,577 19 ,720 25 ,739 11 ,995. 44 ,610. 5 ,050 11 ,010. 165 ,726. 40 ,920. 58 ,577 19 ,720 25 ,739. 14 ,460 4 ,860. 11 ,995 12 ,552. 12 ,552. Z) (7 ‐. 6 ,350 2 ,960 3 ,090.

(8) . 寒冷地農家の家計報告. 家 事. 費 費 祭 費 冠 婚 費 担 負 諸 ブ ラ ザ ー ミ シ ン積 立 費 雑 計 家 養. 修 交. 娯 際 葬. 楽. 支 出. 39 ,317. 純 家. 入. C. 円. 円. 13 ,372. 800. 5 ,890 5 ,800. 1 ,220. 377 ,917. 58 ,452 38 ,607. 計 費. 当惑鰯雛 会 需 岳. 39 ,317 12 ,572. r 円 9 ,700. 円. 3 ,100 1 ,150 1 ,430. 4 ,670 5 ,800. 12 ,059 203 ,001. 2 ,970 50 ,120. 9 ,190. 368 ,727. 91 040 , .. 1 ,900. 58 ,452 36 ,707. 1 ,443 9 ,060. 500. 39 ,172. 5 ,860 9 67O ‐ ,. 160 ,471. 157 ,871. 38 ,800. 費 費 費 費 費 費 費 費 費 金. 49 ,624 13 ,557. 49 ,624 13 ,559. 12 ,400 3 ,346. 19 ,620 15 ,823. 19 ,620 15 ,823. 4 ,860 38 ,600. 6 ,840 5 ,709. 1 ,680 1 ,420. い 費. 6 ,840 5 ,709. 6 ,060 14 ,774 168 ,850. 617. 329 ,321. 10 ,647. 計 計. 合. B 家 事 収. A. m. 項. 12 ,059 210 ,021. 39 年. 寵 被 服 身 居 住 水 道 保 健 教 修 養 交 冠 婚 負 諸 立 積 借 金 買 計 家 合. ‐好. 霊 品. 計 回 り 品 家 具 光 熱 衛 生 育 娯 楽 際 葬 祭 担 貯 の 支 払 雑 計 計. 23 ,740 672 39 ー ,. 23 ,740. 10 ,504 16 ,592. 2 ,349 2 ,590 2 260 . ,. 9 ,515 10 ,504 9 ,192. 230. 9 ,745. 7 ,400. 1 ,480 3 ,470. 6 ,060 14 ,157 160 ,603. 39 ,655. 318 ,674. 78 ,455. これ らの資料を中心に, 年度別費目別の家事支出から1 人当たり現 金費目別家計費の実額を割り 出し, さ らに, 昭和35年を100 とした場合の格 差指数を求めれば, 消費水準の対前年比が出され, 年々増加しているのがわかる. 特に昭和38年度の向上が目立つ, : 年か ら38年にかけての1 人当たり 昭和37 生活費は60%も上がり35年か ら39年までの ) を 差 し引 け ば 29 % 増 と 物 価 騰 貴 率 31 %9 な る. こ の 年 間 に は, 物 価 の 値 上 が、り が 特 に. 生 鮮 食 料 品, サ ー ビス 料 金 に 著 しく, そ れ が 家 計 や 経 営 体 に 与 え た 影 響 が 大 き か っ た.. 00 昭和35年を1 C 警 糠 逢瀬髪 /消費人員 とした格差指 数 対前年比 昭和35年 36 37 38 39. 円 1 27 39 ,・ 41 72 ,3 48 3 , 45 75 ,583 65 ,864. 1 0 0 I o o 6 10 123 92 1 167. .‐ + 6% 十 4% 14 十1 十 % 6% 十5 3% 一1 13 % -. 資料ではそれが昭和39年にあ ら わ れ て お り, 38年より13%下 がっ た繰入となって 1人当たり生活 費が少なくな っている. しかしながら38 年の生活費増はめ ざましく昭和35年に比べて約 2倍となっている. その一端 が前述したよう に 夫 9年度全国消費実態調査報告第8巻 p.3 9 . ) 昭和3 (72).

(9) . 清. き. 野. み. 000円の小づかい費支給にみられそれで被服の支払いとなって労働着でない被服に金 額 か ら妻へ5 , が配当され たというように, 消費生活の拡がりがなされたのである,. 此の年は, 澱粉 がよく売れたという, 25 号台風による風倒木処理のため数年間続いた 林業 雇 用 と, 馬鈴薯澱粉の売れ行きのよさは次の39年までは続かなかっ た. ところで支出の変動に 対 し, 収入と支出の関係でみた消費性向によって収支のバ ランスをみる.. 表 5のように, 繰入金と繰越金の計を可処分所得とし, 消費支出との比率をみれば消費性向が知. られ る,. 表5 家 計 収 支 の バ ラ ン ス 可 繰. 分. 処. 所. A. 入 金 1 繰 越 金 1 円 207 ,126. 昭和35年 36. 円 305. 207 ,033. 37. 1 ,500 1 ,700. 252 ,195 388 ,976. 38. 350. 357 ,267. 39. 500. 得 計. 消費支出 B. 円 207 ,431. 円 195 ,636. 208 ,533 253 ,549. 206 ,863 241 ,728. 389 ,326 357 ,767. 377 ,917 329 ,321. 円 11 ,795. 64 99. 1 ,670 11 ,821. 94 99. 11 ,409 27 ,946. 92. 昭和 35 年 -94 ,37 年 -94 ,36 年 ‐99 , 38 年 -99 ,そ して 39 年 に は92と な っ て いる. 36 年 及 び38. 9 年が一番多い, 36年の消費性向の高さは可処分所得 年がもっとも高い, 黒字では金額において 3 が, ほぼ35年と同額にもかかわ らず, 消費単位が大きくなったこと が影響している. 38年の高さ は, 第 一 子 が 中 学 に 入 学 す る た め の 準 備 と, 消 費 単 位 が 従 来 の 375 か ら, 405 に 上 昇 した こ と に よ. る, もちろん物価上昇の影響もある, 母子里部落の消費性向は, 総理府統計局, 家計調査による消 費性向より高い. すなわち家計予算に対 し, また繰入収入に対し消費生活の支払し・の割合が大きい ことを意味する. 家庭経済力の著積の度合が ・さ い と いえ よ う. 農家の収入 が都市勤労者の家庭のように, 毎月経常的に, ほぼ同額の収入ではなく, 家計に必要 な額を経済的に見込んで随 時適当な時期に繰り入れていく姿を, 昭和39年月別集計表 (表 6)によ っ て み よ う.. 431 円 で, 月 平 均 繰 入 額 は 28 年 度 当 初 の 500 円 の 繰 越 金 を 入 れ た 繰 入 総 額 は, 339 285 円 と な る, , , 表6 昭和39年度月別集計表. 月 別 繰越金. 繰. 入. 蕎麦 借金買. 円 500 15 ,200 32 ,930 30 ,618 12 ,000. 33 ,920 35 ,548. 円. 200 8 ,300 1 ,117. 1 ,030. 29 ,400 19 ,631 10 ,000 25 ,500 12 ,500. 82 ,184. 339 ,431 10 ,647. 計. 円. 円 15 ,200 934 34 ,064. 890 39 ,808 13 ,117 34 ,950 650 36 ,198 29 ,400. 195 19 ,826 ー 10 ,000. 味 主食費 副食費 調 料 費. 冨憂 被服身 回品費. 円 4 ,336 6 ,423. 円 2 ,093 3 ,089. 1 ,258 6 ,843. 3 ,781 ,574 1 ‘2 752 4 0 5 9 , , 3 ,693 ,057 1 1 3 0 7 7 ,836 ,. 8 ,041 860. 8 ,647 4 ,245. 601. 3 ,295 2 ,339. 893. 円 1 ,391 2 ,688 1 ,675 1 ,809. 1 ,139 2 ,845. 円 3 ,336 3 ,499. 円 1 ,298 8 ,573. 住. 居. 円 445. 円 40. 329. 795. 4 ,114 2 ,007. 3 ,845 2 5 ‐ ,04. 3 ,520 250. 4 ,954 70. 55 1 ‐ ,4 650. 560. 2 ,564 3 ,663. 1 ,388 1 ,538. 2 ,190 259. 396. 3 ,392 5 ,041. 787. 5 ,991 6 ,760. 1 ,075 980. ー 25 3 ,500 6 ,473 ,542 2 ,132 5 ,658 ′ 9 5 3 1 1 5 6 9 5 3 1 3 6 0 80 1 0 4 9 2 2 3 3 3 3 7 7 , , , , , , ,195 2 5 8 5 9 1 3 3 8 1 9 2 1 0 8 9 5 8 8 2 6 7 3 0 7 7 2 3 7 3 1 , , , , , , , 26 , 6 7 2 4 0 6 5 8 4 5 2 7 2 3 3 9 6 2 4 9 6 4 8 0 7 1 3 7 2 3 7 ,189 357 , , , , , ,559 ,. (73). 水 道. 家具費 光熱費. 36 36 896 35 1 ,927 9 ,745.

(10) . 寒冷地農家の家計報告 修 養 交際費 冠 婚 搬 鰯 徹立 繰出 ・罪 過 薩嚢 薩 鎚雑 譲 獅・ 娯楽費 島 瞥・ 霧 盈 費 積 葬祭費 生讐円 教育費 円 円 円 円 円 円 円 円 家 計. 510. 240. 500. 20. 929. 500. 1 ,306 800. 500. 1 0 33. 1 ,130 760. 1 ,010 320. 1 ,824 822. 909. 530. 4 ,170 1 ,281. 500. 4 00 ‐. 1 ,100 3 ,685. 1 ,100 210. 610. 10. 440. 1 ,000 500. 124 914 1 ,790 ,009 14 6 2 0 1 5 5 0 4 6 5 9 2 1 9 1 10 ,823 , , ,. 2 ,352 ,800 2 4 6 8 4 0 1 ,774 ,. 5 ,709. 50. 450. 160. 525. 457. 500. 1 ,203 1 ,035. 4 ,139 1 ,071. 100. 953. 2 ,325 595 433 315 476 1 ,680. 1 ,657 930 1 ,785. 1 ,944 5 ,120. 150 150 1 ,610 450. 571. 1 ,300 2 ,250 973. 340. 850 470. 1 ,560 50. 〆計 円. 円 15 ,189 28 ,327. 11 5 ,737. 4 00 39 772 ‐ ,035 17 ,886 - 4 ,769 25 9 06 ,644 ,36 40 4 5 5 8 6 40 5 0 3 1 1 1 ,3 , , 35 29 335 ,065 348 22 48 -2 ,174 - ,38 60 8 1 4 0 8 60 1 ,5 , 12 28 12 ,012 - 2 ,55 89 589 15 ,106 325 25 4 ,3 ,184 17 ,510 66 946 9 2 2 9 4 6 0 6 0 3 2 3 1 7 , 6 , ,. 500. 三. 300. 500. こ の 金 額 よ り 少 な か っ た月 は, 1 月, 4 月, 8 月, 9 月, 10 月, 11 月, で あ り, 赤 字 に な っ た 月 629 円, 例 年 あ る い は 例 月 よ り 若 干 の 支 出 増 は, 4 月, 8 月, 10 月 の 各自 で あ る, そ の 総 額 は 9 ,. になっている費目と照合すると, 4月は交際費, 8月も交際費, 10月は被服身回り品費の各 費 目 でオーバ ーした. それ等の品目別内容を 金銭日記帳でみると, 此の家庭にと って社会生活を継続す るためには止むを得ない費用, 社会的半強制費目にあたる支出に支払われている. したがって出金 443円を基礎に毎月の繰入収入が コンスタントに家庭経済 に入るようになれ ば 家 庭 の平均総額27 , 管理は容易になるであろう, 第 1図は, 昭和39年月平均入金額及び同年月平均出金額を中心に, 各年度の収入の入り方を各自でみたものである. 平均していないのがよくわかる.. 3 9年 3 8年. /. ノ/ / 35年 / / ノ. ′ ′ ′ ′ ′ ′. 3 6年. ′ ′ 月 均 平 支 零さ / ; × 〆 ゞ /. 1. 7 年 ノ3. ・′ \. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 第1図 年度別月別繰入収入. (74). 1 0. 日. 1 2.

(11) . 清. 皿. き. 野. み. 各費目とエンゲル係数. 5年~39年までの年度における飲食費などの各費目の構成費を表7に示 した あわせて総 昭和3 ,. 理府統計局 家計調査によって全国世帯のそれも示 した.. 表7 家計費における構成比 36年 飲. 食. 費. 被服身回 り品 費 住 水 保 教 修. 居 家 具 費 道 光 熱 費 健 衛 生 費 育 費 養 ご ら く 他 計. 3 7年. 38年. 39年. 63. 54. 51. 44. 48. 13. 14. 14. 17. 15. 5. 4. 5. 4. 6. 6. 3 ,9 3. 2 ,9 5. 3. 3. 2. 13 ,1 100. 15 ,1 100. 2 ,4 2 ,7 4. 1 .4 1 ,3. 12 ,2 100. 3 ,3 1 0 ‐,4 11 .3. 100. 3 .5 3 2 ,8 4 5 18 ,7 100. 全. 国. 世. 帯. 39年. 34年. 38 ,2 12 ,1. 45 .2 11 ,7 7 ,8. 10 ,7 4 ,9 34 ,1. 100. 4 ,7. 30 ,6. 100. 所得に対する飲食費の割合は38年がもっとも低く, 昭和35年から, 順次低くなっている. エン ゲル法則によって消費生活の向上とみてよい, 飲食費の割合の低下と同時に, 相対的に教育費, 修 養娯楽費, 他の雑費が漸増していくが, 特に目立つのは昭和38年の修養娯楽費, 被服身回り品費 の増である. 内訳を金銭日記帳でみると, 修養娯楽費ではテ レビ購入のため38年に3 万円, 39年 に 1 万 円 を 支 払 っ て お り, 被 服 身 回 り 品 費 で は 外 被 と して の アノ ラ ッ ク ス ー ツ 中 着 と して の 胴 , , 着 及 び 下 着 と な っ て いる,. その主なるものの金額を下記に示す, 修養 娯楽 費. 38 年 3 月 6 日. 12 月 31 日. 39 年 12 月 31 日. 被服身回り品費38 年 3 月 2 日. - テ レ ビ内 金 2 万 円 〃. 1万 円. 〃. 1万円. ス ーツ上 下. . 「 士 ぷ・ リ 一 《Qハにロ ロ ソ 一壮 っ . 」. カノミト. 3 月 16 日. メ リヤ ス ズ ボ ン 他 L. 毛糸加工料. Qm m 2 230円 ,. 10 月 22 日. ズ ボ ン下 着. 10 月 25 日. 学生服2着. 11 月 2 日. 美 容 院, ピ ン. ヒ q四 円 v リW1 J ’ 帽 子, バ ー バ リ ーj. 長 靴 下, 手 袋. 1 820円 , 530円. アノ ラック. 0 3 , 00円. 子 供オ ー バ ー. 1 550円 , 1 800円 ,. 時計修理代他 11 月 19 日. . 12月 4 日. 綿代他. 9日. 編物代. 23 日. 腹巻. 430円. 300円. 3 500円 , (75).

(12) . 寒冷地農家の家計報告 640円 3 , こ の よ う に 38 年 の被 服 身 回 り 品 費, 修 養 娯 楽 費 の増 は, ス ー ツ, バ ー バ リ ー, テ レ ビ購 入等, 25 日. 乗 馬 ズ ボ ン他. 被服生活 が一まわり大きく なり, またテ レビが備えられるため家庭生活団祭にいままでになし、要素 が加わる等の変化を予想させる,. と こ ろ で 表 7 の エ ン ゲル 係 数 を み る と, 35 年 63 %, 36 年54 % で, 我 国 の 終 戦 後 の そ れ と 似 て. いる. その後38年になって漸く 40%台になった が, 家計調査 (昭和 39年度) の 「市町村階級消 0 ) 」 の項でみた全国町村平均 のエンゲル係数38%と比べて 格 差 費支出とその内訳における構 成比1 が大きい. 入殖以来, 昭和35年以降, 正 しくは, 37年になってほぼ農業経営 が定着し始めたとみ. られるものの, 全国の勤労世帯 が戦後の混乱から脱しいわゆる経済の高度成長下の消費内容に入り 始めたのに比べて, 5年~8年位にわたって回復のテンポの遅れをもっている. その原因は種々あ げ られるであろう が, 主因はやはり寒冷地農業による低生産性であろう. 厳寒時には零下30oC を 越 し, 積雪は11月か ら5月頃まで及ぶ自然的条件を度外視 して経済的条件は成立しないが, 今 母 子里部落にとってどう今後の展望をもつかという立場に立たされている. これ らの課題については 最初に述べた研究報告を参照されたい.. 食物費の内容につし・て, 食料費の実質構成比を中心に考えてみよう, 全国全世帯の比較では次の. よ う に な る,. 昭和39年食糧費実質構成比. 主 食 の 比 率 が 高 い の で あ る が, 39年. 度全国勤労者世帯について’ 現金収入五. 分位暗影“食を 影 窄馨些 冬 ネ ドキ. . ムーた, ‐ 形’ 助 嬰 測 る’1 切 似 ▲ム. 6 %, V 分 位 19 4% と なっ IV 分 位, 21 . . て い る. ち な み に月 額 で み る と, 全 国 全. 1昭 ふ 翠度象 湖 査 亀. 母子里部落 竹田家. 食料費. . ほ 品. 俣. 調 味 料 噌好品費他. o o ・ %. . i. }3 8 3 i i ; : . 24 .6. m% l. . 繕わ 縁 熱 . 27 .5. . 392 円 と なる, 竹 田 家 で は 平 均 866 円,年 額 に す る と 主 食 費 が, 46 世 帯 は, 昭 和 39 年 に は 月 平 均 3 , , 855 円 と な り, 主 食 依 存 度 が 高 い. 品 目 別 に み る.と 米, ス パ ゲテ ィ, パ ン, 871 円, 年 額 で は 52 4 , , 6 % で, 全 国 全 マ カ ロ ニ, う どん等 主 食 の選 択 の 範 囲 が 広 い の に も特 徴 が あ る. 副 食 で み る と, 33 .. 512 円 と な 607 円 で あ っ た か, 全 国 全 世 帯 で は 106 3% に 比 べ て 低 い, 実 額 で は, 年 額 38 世 帯 の 47 , . ,. っている. 此のように食物費の内容は費用の低さか らきて当然主食の占める率が高くなるというわ けで, 生活水準が低いと判断せざるを得ない.. しかしなが ら特記しなけれ ばな らないのは, 金額配当の絶対的低さにもかかわらず, 竹田家の日 常食品の選択範囲は広く,当部落で最高の食品選択数である, このことについては,北教大僻地教育 2 )したが その時の知見についてあわせ述べれば, 食品群を穀類, いも類, 砂糖, 紀要に詳細に報告1 , 油脂, 豆及び加工品, 魚, 卵, 肉, 乳, 小魚, 海草, 緑黄野菜, 淡色野菜にわけて, そのうち日常. 選択されている食品は, 穀類, 豆類, 魚, 緑黄野菜, 淡色野菜であ った. 注意して摂取すべき食品 には, 油脂, 海草, いも類をあげておいた, 他の家庭の 多くは油脂, 海草, いも類の他に緑黄野菜, 魚類が不足 していたの に比べて, 食品選択数が大であ ったのである. ここ母子里では馬鈴薯をつく っ て い る の に 常 食 し な い, 他 府 県 に み られ る よ う に 売 る た め の 生 産 品 は なる べ く 食 べ な い と い う わ け で も な い, う ま い も の と み て い な い こ と に よ る.. 9年度全国消費実態調査報告 第8巻 p.34~35 10 ) 昭和3 . 11 ) 上掲書 p.23 . I 12 ) 北教大僻地教育紀要 VO . .15‐1 .24~25 ,p (76).

(13) . 清. 野. き. み. 次に住居 家具費では全体と して比率が小さく 金銭日記帳でみた品目では 釘 ナ ッ ト 敷物等 , , , , の支払いである, 住家具として耐久性のある品目が見当たらない 水道光熱費では マッチ ろう , , , そく, 乾電池の購入が記録されている 被服身回り品費の品目は前述したが作業用被服が入ってい .. るため率は高い. 以上エンゲル係数を中心に生活水準をみてきたが 主食依存度の高い家計であり , 労働力再生産費が食と被服を中心に配分されているといえる . W. 摘. 要. 北海道僻地寒冷地農家の昭和35年か ら39 年までの家計簿を分析し 農家の消費性向を探り生活 , の実態を把 握したが, 結果は次のようにまとめ られた , 先づ収入は経営主か らの家計に対する繰入金としてなされ 家庭経済では繰入金及び家事収 入 , , 借金買よ り構成される. 繰入金は家計の可処分処得にあたり 全国平均の農家収入のほぼ60%の ,. 額である. 昭和37年までは年間20万円台, 38年か ら35万円台となったが 各年度の消費性向は , 90%を越 し, 36年度などは99%と家庭経済力 の蓄積は小さい その場合でも収入は依然として家 . 事収入に, 平均して 4%の依存率, 借金買には2%前後の依存率をもって構成されている 消費性 , 向の高かっ た昭和35年, 36年では物々交換による家事収入 雑品販売による家事収入 が大きかっ , た, 比較的消費性向の低かった38年, 39年では現物贈与がその内容となっていた 38年には大幅 , な収入増があ って, 1人当たり消費水準が対前年比で十56%となったため 修養娯楽費 (テ レビ) , , 被服身回り品費 (外被, 外出着, 下着等) に配当され始め たので 消費内容が変 わってきた ま , , た ヱソ ゲル 係 数 で み れ ば, 昭 和 35 年 の 63 % か ら 40 年 に は 40 % と 順 次 低 く な っ て い る が 依 然 と ,. して食料費における主食の占める割合が大きく, 全国の水準より10%も多い 金額配当でも 実 質 , 的に20% 程度多く配当されている等, 主食依存度は極めて強い しかしながら当家計は 母子里 , , 部落においては上層に属する家庭のそれで, 営農基盤, 営農意欲共に優れた家庭のものである 44 . 戸中の大部分の家計の記録の詳細はおよそ類推出来るであろう これ らにあって竹田家の妻は食生 ,. 活の上に特に注意を払い健康維持に努めている, 家計簿の記録を永続させることは容易でない ま . して, 他産業と異なって随時元帳か ら繰り入れ られる仕組みとなっている農家の場合 また出金に , 伴わない入金構造等は記録を困難にするものである, これを克服した能力と努力は 最近指摘され , ている月給制の導入に近づける基礎的態度といわれなければならない 1年のうち毎年にわたって , 6 ヶ月が, 平均月の消費金額に及ばず そのうち3 ヶ月が赤字の月である等極めて困難な事情にも , かかわ らず公開を快く引き受けて下さった竹田力男, 良子夫妻に感謝を申し上げる なお此の小稿 , は, 40 年, 41 年 に わ た っ た 母 子里 研 究 の 追 稿 と な る も の で ある こ と を つ け添 え る , 参 1 ) 2 ) 3 ) 4 ). 考. 文. 献. 松平他 ( 196 7) 農林漁家向き家計簿記につし・て, 家政学雑誌 Vo l 4 2~4 4 8 .18-6 .4 . ,p 総理府統計局, 昭和39年全国消費実態調査報告, 第2巻, 第8巻, 松下他 ( 196 7 ) 食糧経済学. 家政教育社, 北海道教育大学僻地教育研究所紀要 ( 196 7 ) 僻地社会の開発計画と生活設計に関する教育的実験研究40年度 ,1 研究報告, 196 8 同紀要 ( ) 同課題41年度報告, ,3. (77).

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参照

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