鹿児島県民の生活・意識実態調査等の結果
平成 23 年3月 28 日
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目 次 》
I. 世代別にみた特徴と課題 ... 2 1. 20歳代... 2 2. 30歳代... 3 3. 40歳代... 5 4. 50歳代... 7 5. 60歳代... 8 6. 70歳以上... 10 II. 就業形態別にみた特徴と課題... 12 1. 正社員・職員... 12 2. 非正社員・職員 ... 12 3. パート・アルバイト ... 14 III. 調査結果の総括... 16I. 世代別にみた特徴と課題
1.20歳代
20 歳代は、60 歳代に次いで「非正社員・職員」の比率が高い。現在の就業形態を選 んだ理由も、「正社員・職員として働ける会社等がなかったから」とする回答が最も多 く、今後の就業形態については「正社員・職員」に変わりたいという希望が6割強と どの世代よりも高い。 意識の面でも、雇用・労働環境について、特に県内に正規雇用がないことに対する 不満が強い。 企業の採用の見通しを見ても、新規採用数は今後もほとんど変わらないとする事業 所が半数以上であり、若者を取り巻く雇用環境の厳しさは、今後も続くものと見込ま れる。 (注)以下の○は県民生活・意識実態調査、●は労働環境調査の結果であることを示す。 (1) 家族の状況 ○ 同居している家族の人数は「3人」(31%)が最も多く、「4人」(28%)が次に多い。 (図表1)また、父親・母親がいる回答者は9割程度であり、そのうち6割弱が父親・ 母親と同居している。配偶者がいる回答者は 24%、子どもがいる回答者は 17%であ り、他の世代と比べてその比率は最も低い。(図表2・3) (2) 就業・収入の状況 ○ 職業は「会社等勤務」(61%)が最も多い。また、他の生産年齢層1と比べて「会社等 勤務」が最も多い。(図表5) ○ 就業形態2は「正社員・職員」(64%)が最も多い。また、60 歳代に次いで、「非正社 員・職員(契約、派遣、嘱託等)」(16%)の比率が高い。(図表6) ○ 現在、非正規雇用にある者の就業形態の選択理由として「正社員・職員として働ける 会社等がなかったから」(55%)と答える者が最も多い。(図表7)。また、今後希望す る就業形態3は「正社員・職員」(65%)とする比率が、全世代の中でも最も高い。(図 表8) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(59%)が最も多く、「200 万円以上 400 万円未満」 (35%)が次に多い。年収が 400 万円以上である回答者は非常に少なく、他の世代と 比べ、70 歳以上に次いで「200 万円未満」の比率が高い。(図表9) ○ 20 歳代の者が主に家計を支えていると答えた世帯では,その年収(家族計)は「200 万円以上 400 万円未満」(48%)が最も多く、「200 万円未満」(24%)が次に多い。(図 表 10) 1本書においては20~50 歳代とする。 2 会社・官公庁等勤務の回答者に対して、就業形態を尋ねた。 3 正社員・職員以外で、今後も勤務を継続する意向のある回答者に対して、希望する就業形態を尋ねた。● 新規採用数について、3年前と比較すると、いずれの業種でも「ほとんど変わらない」 とする事業所が最も多いが、他の業種と比べて、建設業、卸売・小売業では減少して いると回答した事業所が多く、また、医療・福祉では増加していると回答した事業所 が多い。(図表 26) ● 今後の新規採用数の見通しについては、いずれの業種でも「ほとんど変わらない」と する事業所が最も多いが、新規採用数の増加と減少を比較すると、建設業、卸売・小 売業では減少を、医療・福祉では増加を見込む事業所が多くなっている。(図表 27) ● 新規採用時に評価する能力として「まじめに働こうとする意欲」(80%)が最も多く、 「周囲の人間とのコミュニケーション能力」(63%)が次に多い。一方、「高い学力・ 学歴」(0.8%)や「英語などの外国語能力」(0.2%)を求める事業所は少ない。(図 表 30) (3) 生活の意識 ○ 生活全体について「満足」「まあ満足」と感じている者は 46%である。(図表 13) ○ 充実感を感じるのは「友人や知人と会合、雑談しているとき」(57%)が最も多く、 他の世代と比べても、最も比率が高い。(図表 15) ○ 悩みや不安を感じている回答者は 72%である。(図表 16)悩みや不安の内容としては、 「今後の収入や資産の見通しについて」(64%)が最も多く、「自分の生活(進学、就 職、結婚)上の問題について」(59%)が次に多い。(図表 17) ○ 生活環境への不満感をみると、雇用・労働環境に対して「不満」「やや不満」と感じ ている者の割合が 40~50 歳代に次いで高く、県内に正社員・職員としての雇用がな いことに対する不満が強い。(図表 21~25)
2.30歳代
30 歳代は生活全体に対して満足感や充実感を感じる者の割合が全世代の中で最も高 い。20 歳代と比べて、子どもがいる割合が高くなり、出産や子育ての経済的な負担への 不満が強く、収入や資産について悩みや不安を感じている。 職業で家事専業の割合が高くなり、家計の補助や家庭の事情(育児など)で非正規雇用 の就業を選択しているとする回答が増えていることから、出産を機に会社等の勤務を辞め て家事専業となり、子どもが少し大きくなると、家計を補うために非正規雇用の職種で働 くという者が比較的多いことがうかがわれる。 また、仕事と育児の両立が難しいと不満を感じ、収入よりも自由時間を増やしたいとい う比率が他の世代と比べて高いのも 30 歳代の特徴である。 企業の育児支援の環境をみると、育児休業制度や短時間勤務制度は、多くの事業所で導 入されているものの、男性による制度の利用は少ない。 (1) 家族の状況○ 配偶者がいる回答者は 67%、子どもがいる回答者は 62%であり、その比率は 20 歳代 と比べて高くなっている。(図表2) (2) 住宅 ○ 住宅は、20 歳代と比べて「一戸建て(持ち家)」の比率が低下する。これは両親と同 居している比率が低下し、親の持ち家に住んでいる回答者が少なくなるためと考えら れる。(図表 3・4) (3) 就業・収入の状況 ○ 職業は「会社等勤務」(49%)が最も多い。また、他の生産年齢層と比べて「官公庁 等勤務」「家事専業」(ともに 18%)の比率が高い。また,20 歳代と比べて,「家事専 業」の比率が高くなっている。(図表5) ○ 就業形態は「正社員・職員」(69%)が最も多い。(図表6) ○ 現在、非正規雇用にある者の就業形態の選択理由としては「正社員・職員として働け る会社等がなかったから」(32%)と答える者が最も多い。また、20 歳代と比べて「家 庭の事情(家事・育児・介護等)」(16%)「学費などの家計の補助」(14%)の比率が 高くなっている。(図表7) ○ 現在、非正規雇用にある者の今後希望する就業形態は、「パート・アルバイト」(45%) と「正社員・職員」(44%)が多い。また、20 歳代と比べて「パート・アルバイト」 を希望する者の比率が高くなり、「正社員・職員」を希望する者の比率は低くなって いる。(図表8) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(39%)が最も多く、「200 万円以上 400 万円未満」 (36%)が次に多い。(図表9)。 ○ 30 歳代の者が主に家計を支えていると答えた世帯では,その年収(家族計)は「200 万円以上 400 万円未満」(41%)が最も多く、「400 万円以上 600 万円未満」(33%) が次に多い。(図表 10) (4) 生活の意識 ○ 生活全体について「満足」「まあ満足」と感じている者は 54%であり、全世代の中で 最も高い。(図表 13) ○ 日常生活について「十分充実」「まあ充実」と感じている者は 59%であり、全世代の 中で最も高い。(図表 14) ○ 充実感を感じるのは「家族団らんのとき」(65%)が最も多く、他の世代と比べても、 最も比率が高い。また、他の生産年齢層と比べると、20 歳代とともに「ゆったりと 休養しているとき」(59%)の回答比率が高い。(図表 15) ○ 悩みや不安を感じている回答者は 76%である。(図表 16)悩みや不安の内容としては、 「今後の収入や資産の見通しについて」(63%)が最も多く、「現在の収入や資産につ いて」(51%)が次に多い。(図表 17) ○ 自由時間と収入に関する意識については、他の世代と比べて、収入よりも「自由時間 をもっと増やしたい」(31%)とする比率が最も高い。(図表 18)
○ 生活環境への不満感をみると、20 歳代と比べ、出産や子育て、教育に対して「不満」 「やや不満」と感じている者の割合が高くなっている。特に育児の経済的な負担や、 育児と仕事・家事の両立が困難、保育園や幼稚園に子どもを預けられないといった子 育て環境に関する不満が他の世代と比べて強い。(図表 21~25) ● 育児休業制度について、女性の利用実績※がある事業所は 54%となっているが、これ に比べて、男性の利用実績※がある事業所は4%と少なくなっている。(図表 31) ● 育児・介護のための短時間勤務制度は 76%の事業所で制度化されており、30%の事 業所で利用実績※がある。(図表 33) ● 事業所内託児所や子育て・介護サービス費用の援助、在宅勤務は他の支援制度と比べ て、制度化されている事業所も利用実績※のある事業所も少ない。(図表 33) ※ 「利用実績」は,回答した事業所における全労働者についての実績
3.40歳代
40 歳代は 30 歳代から一転して、生活に対して満足感を感じる者の割合が全世代の中で 最も低く、悩みや不安を感じている比率が最も高い。特に、今後の収入や資産については 6割以上の者が不安を感じ、雇用や労働環境への不満も高い。 30 歳代では、収入よりも自由時間を増やしたいとする回答が多かったのに対し、40 歳 代では自由時間よりも収入を増やしたいとする回答が多くなることや、非正規の就業(非 正社員・職員、パート・アルバイト)の理由を学費などの家計の補助のためとする回答が 多いことからも、この世代で経済的な負担が急に大きくなっていることがうかがわれる。 他の世代と比べて、家族の生活(進学など)に関する問題について不安を抱える方が多 く、教育やその経済的負担への不満が高いことから、上記の経済的負担感は子どもの教育 費用と密接に関連していると考えられる。また、30 歳代と比べて、住宅の持ち家比率が 大きく上昇していることから、住宅取得費や住宅ローンの返済なども、家計を圧迫する要 因となっていると考えられる。 一方、4割の事業所が退職後の職場復帰支援制度を持ち、利用実績は3割弱である。ま た、育児等による退職者の優先的な再雇用は1割強の事業所で行われている。 (1) 家族の状況 ○ 同居している家族の人数は「4人」(31%)が最も多く、「3人」(22%)が次に多い。 また、他の世代と比べて、4人以上と同居している比率が最も高い。(図表1) ○ 配偶者がいる回答者は 81%、子どもがいる回答者は 78%である。(図表2) (2) 住宅 ○ 30 歳代と比べ、住宅は持ち家(一戸建て,集合住宅)の比率が上昇し、7割弱にな る。(図表4)(3) 就業・収入の状況 ○ 職業は「会社等勤務」(53%)が最も多い。また、30 歳代と比べて、「家事専業」 (11%)の比率が低くなっている。(図表5) ○ 就業形態は「正社員・職員」(64%)が最も多い。(図表6) ○ 現在、非正規雇用にある者の就業形態の選択理由として、他の世代と比べて「学費な どの家計の補助」(31%)の比率が最も高い。(図表7)今後希望する就業形態は「パー ト・アルバイト」(48%)が最も多く、次に「正社員・職員」(39%)が多い。(図表8) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(42%)が最も多く、「200 万円以上 400 万円未満」 (21%)が次に多い。(図表9) ○ 40 歳代の者が主に家計を支えていると答えた世帯では、その年収(家族計)は「400 万円以上 600 万円未満」(27%)が最も多く、「200 万円以上 400 万円未満」(21%) が次に多い。(図表 10) (4) 生活の意識 ○ 生活全体について、「満足」「まあ満足」と感じている者は 42%であり、他の世代よ りもやや低い。また、所得収入など各項目についても他の世代と比べ、全体として満 足感が低くなっている。(図表 13) ○ 充実感を感じるのは「家族団らんのとき」(59%)が最も多い。(図表 15) ○ 悩みや不安を感じている回答者の比率は 85%であり、全世代の中で最も高い。(図表 15)悩みや不安の内容としては、「今後の収入や資産の見通しについて」(62%)が最 も多く、「老後の生活設計について」(58%)が次に多い。また、他の世代と比べ、「家 族の生活(進学、就職、結婚)上の問題について」不安を感じる比率が他の世代より 高く、ほぼ半数(47%)の回答者が不安を抱えている。(図表 16) ○ 自由時間と収入に関する意識については、他の世代と比べ、自由時間よりも「収入を もっと増やしたい」(51%)とする比率が 50 歳代と並んで最も高い。(図表 17) ○ 生活環境への不満感をみると、他の世代に比べ、全体として「不満」「やや不満」と 感じている者の割合が高い。特に教育や雇用・労働環境について、「不満」「やや不 満」と感じている者の割合が高く、子どもの塾や習い事、大学・高校への進学にかか る経済的負担、県内で子どもに学ばせたい学校がないといったことについて、全世代 の中で最も不満が強い。(図表 21~25) ● 職場への復帰支援は 42%の事業所で制度化されており、27%の事業所で利用実績※が ある。(図表 33) ● 育児等のための退職者の優先的な再雇用は 11%の事業所で制度化されているが、こ れを上回る 15%の事業所で再雇用の実績※がある。(図表 33) ※ 「利用実績」「実績」は,回答した事業所における全労働者についての実績
4.50歳代
50 歳代は 40 歳代と同様に、他の世代と比べて生活に対して満足感を感じている者の割 合が低く、悩みや不安を感じている比率も高い。今後の収入や資産について6割弱の者が 不安を感じ、雇用や労働環境、教育への不満も高く、自由時間よりも収入を増やしたいと する回答が多いことなども、40 歳代と同様の傾向を示している。 40 歳代との違いに着目すると、50 歳代では、子どもとの同居率が大きく低下しており、 大学等への進学やこれに伴う仕送りなどが教育の経済的な負担となっていると考えられ る。 また、50 歳代の大きな特徴は、医療・介護・福祉への不満が全ての世代の中で最も高 く、老後の生活設計に不安を感じる比率が 40 歳代から大きく上昇していることにある。 子どもの教育の経済的負担に加えて、新たに親の介護等の問題に直面し、さらには、自身 や配偶者の定年が間近に感じられるようになるといった環境の変化が、こうした回答の背 景にあるものと推察される。 非正規雇用の就業の選択理由も時間の融通がきくことを重視するようになり、正社員よ りもパート・アルバイトを希望するようになっていることも、こうした生活環境の変化へ の対応を反映したものと考えられる。 (1) 家族の状況 ○ 同居している家族の人数は「2人」(36%)が最も多く、「3人」(30%)が次に多い。 40 歳代以下と比べて「2人」の比率が高くなっている。(図表1) ○ 配偶者がいる回答者は 80%、子どもがいる回答者は 85%であるが、子どもとの同居 率は 35%で、40 歳代以下と比べて大きく低下している。また、父親がいる回答者は 28%であり、40 歳代以下と比べて大きく低下している。(図表2・3) ○ 50 歳代の者が主に家計を支えている世帯では、他の年代と比べて子どもに仕送りを している世帯の比率(18%)が高い。(図表 11) (2) 就業・収入の状況 ○ 職業は「会社等勤務」(44%)が最も多い。また、他の生産年齢層と比べて「自営業」 (14%)「農林水産業」(7%)の比率が高い。(図表5) ○ 就業形態は「正社員・職員」(56%)が最も多い。また、他の生産年齢層と比べて「パ ート・アルバイト」(30%)の比率が高く、「正社員・職員」(56%)の比率が低い。(図 表6) ○ 現在、非正規雇用にある者の就業形態の選択理由として、「時間の融通がきくから」 (37%)とする回答の比率が全世代の中で最も高く、今後希望する就業形態としても 他の年代と比べて「パート・アルバイト」(56%)の比率が高い。(図表7・8) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(45%)が最も多く、「200 万円以上 400 万円未満」 (26%)が次に多い。(図表9)○ 50 歳代の者が主に家計を支えていると答えた世帯では、その年収(家族計)は「200 万円以上 400 万円未満」(27%)が最も多く、「400 万円以上 600 万円未満」(22%) が次に多い。(図表 10) ○ 労働継続期間として、「61~65 歳まで」(38%)を望む比率が全世代の中で最も高 く、40 歳代以下と比べて、労働の継続を希望する期間が伸びている。(図表 20) (3) 生活の意識 ○ 生活全体について「満足」「やや満足」と感じている者の割合は 44%である。(図表 13) ○ 充実感を感じるのは「仕事に打ち込んでいるとき」(47%)が最も多く、他の世代と 比べて、最も比率が高い。(図表 15) ○ 悩みや不安を感じている回答者は 82%である。(図表 16)。悩みや不安の内容として は、「老後の生活設計について」(70%)が最も多く、「自分の健康について」(59%)、 「今後の収入や資産の見通しについて」(58%)がこれに続く。特に、「老後の生活設 計について」不安を感じる比率は、全世代の中で最も高い。(図表 17) ○ 自由時間と収入に関する意識については、他の世代と比べ、自由時間よりも「収入を もっと増やしたい」(51%)とする比率が 40 歳代と並んで最も高い。(図表 18) ○ 生活環境への不満感をみると、他の世代に比べ、全体として不満感が高い。特に県外 に進学した子どもにかかる経済的な負担や家業の後継者がいないことに対する不満 感が全世代の中で最も高い。また、医療・福祉・介護の環境についても、経済的・肉 体的な負担等への不満感がこの世代で最も強くなっている。(図表 21~25) ● 介護休業制度について、男性の利用実績※のある事業所は 2.4%となっており、女性 の利用実績のある事業所は 13.2%となっている。(図表 32) ※ 「利用実績」「実績」は,回答した事業所における全労働者についての実績
5.60歳代
60 歳代では、会社や官公庁等の勤務者の多くが定年退職を迎える。退職者のうち、無 職となる方が多いが、非正社員・職員の比率が 50 歳代から大きく上昇していることから、 一定数が退職後に嘱託社員・職員等として就業を継続しているものと考えられる。 主な収入源は、年金が約6割で就労収入を大きく上回るようになり、2割強の回答者が 年金の受け取りが始まる 61~65 歳まで働きたいとしているが、50 歳代と比べて資産・貯 蓄に対して満足を感じている者の割合が上昇し、収入や資産についての不安感も低下して いる。 家族についてみると、子どもとの同居率は2割まで低下し、父親・母親(または配偶者 の父親・母親)がいる比率もそれぞれ1割以下~2・3割まで低下している。こうした家 族の変化に伴って、60 歳代の子どもの教育、自分や配偶者の雇用、医療・福祉・介護へ の不満は、50 歳代よりも低下している。 また、60 歳代の2割強が 65~70 歳まで働きたいと回答し、働く目的が「生きがいをみ つけるため」とする比率も 50 歳代の2倍程度まで上昇している。さらに、60 歳代では、趣味に熱中しているときに充実を感じるとする回答が最も多い。 こうした生活意識の変化からみると、子どもが独立し、父親・母親の介護等の負担もあ る程度減少する 60 歳代は、老後の生活設計や自分の健康に不安を感じつつも、自分自身 の生活を楽しむことを重視していることがうかがわれる。 (1) 家族の状況 ○ 同居している家族の人数は「2人」(51%)が最も多く、「3人」(24%)が次に多い。 50 歳代以下と比べると、子どもが独立し夫婦のみとなった世帯が多いことがうかが われる。(図表1) ○ 配偶者がいる回答者は 82%。子どもがいる回答者は 86%であるが、子どもとの同居 率は 19%まで低下する。また、50 歳以下と比べて父親、母親のいる比率は大きく低 下している。(図表2・3) (2) 就業・収入の状況 ○ 職業は「無職」(29%)が最も多い。また、他の世代と比べて「家事専業」(18%)「自 営業」(14%)の比率が高い。50 歳代以下と比べて「無職」の比率は高くなっている。 (図表5) ○ 就業形態は「正社員・職員」と「パート・アルバイト」が同程度(ともに 33%)で ある。また、他の世代と比べて「非正社員・職員」(28%)の比率が最も高い。これ は定年後に、嘱託社員・職員として働く方が多いためと考えられる。(図表6) ○ 現在、非正規雇用にある者の今後希望する就業形態は「パート・アルバイト」(48%) が最も多く、次に「非正社員・職員」(36%)が多い。(図表8) ○ 主な収入源は「年金」(59%)が最も多く、「就労収入」(28%)が次に多い。50 歳代 と比べ、「年金」の比率は大きく上がり、「就労収入」は大きく下がっている。(図表 12) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(57%)が最も多く、「200 万円以上 400 万円未満」 (31%)が次に多い。30~50 歳代と比べ、「200 万円未満」の比率が高くなっている。 (図表9) ○ 60 歳代の者が主に家計を支えている答えた世帯では、その年収(家族計)は「200 万円以上 400 万円未満」(43%)が最も多く、「200 万円未満」(21%)が次に多い。(図 表 10) ○ 労働継続期間として、「66~70 歳まで」(25%)を望む比率が全世代の中で最も高 く、40 歳代以下と比べて、労働の継続を希望する期間が伸びている。(図表 20) (3) 生活の意識 ○ 生活全体について、「満足」「やや満足」と感じている者は 49%である。また、50 歳 代以下と比べ、「資産・貯蓄」(28%)に対する満足感が高くなっている。(図表 13)。 ○ 「趣味やスポーツに熱中しているとき」(42%)に充実感を感じるという回答が多い が、全体として回答比率が低い。(図表 15)
○ 悩みや不安を感じている回答者は 72%であり、30~50 歳代に比べて低い。(図表 16) 悩みや不安の内容としては、「老後の生活設計について」(65%)が最も多く、「自分 の健康について」(59%)が次に多い。50 歳代と比べると、「今後の収入や資産の見 通しについて」(41%)の回答比率が大きく低下している。(図表 17) ○ 50 歳代以下と比べ、働く目的を「生きがいをみつけるために働く」(21%)とする比 率が高い。(図表 19) ○ 生活環境への不満感をみると、他の世代と比べ、全体として「不満」「やや不満」と 答える者の割合がやや低い。(図表 21~25)
6.70歳以上
70 歳以上は、多くが夫婦2人または単身の世帯である。無職が過半数を占めるものの、 他の年代と比べると、農林水産業の従事者が多い。 主な収入源は年金がほとんどであり、本人及び同居家族の年収も全世代の中で最も低い が、資産・貯蓄に対して満足感を感じている者の割合が高く、収入や資産を不安とする比 率は低い。 70 歳以上は、全体的に生活に対して満足感を感じている者の割合が高く、悩み・不安 を感じる者の比率が低いが、多くが自身の健康に関する不安や悩みを抱えている。他年代 と比べて、生活環境への不満は総じて低いが、高齢者施設への入所、近隣での買い物、自 治会や集落の機能に関することに不満をもっている。 (1) 家族の状況 ○ 同居している家族の人数は「2人」(53%)が最も多く、「1人」(20%)が次に多い。 高齢者夫婦のみ、または高齢者単身の世帯が多いことがうかがわれる。(図表1) ○ 死別等によるものと考えられるが、配偶者がいる回答者の比率(63%)は 60 歳代よ りも低い。また、子どもがいる回答者は 81%であり、そのうち同居しているのは 14% である。(図表2・3) ○ 70 歳以上が主に家計を支えている世帯では、3%の世帯が子どもから仕送りをもら っている。(図表 11) (2) 就業・収入の状況 ○ 職業は「無職」(57%)が最も多い。また、他の世代と比べると、「無職」「農林水産 業」(11%)の比率が高い。(図表5) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(62%)が最も多く、「200 万円以上 400 万円未満」 (27%)が次に多い。(図表9) ○ 70 歳以上の者が主に家計を支えていると答えた世帯では、その年収(家族計)は「200 万円以上 400 万円未満」(36%)が最も多く、「200 万円未満」(33%)が次に多い。 他の年代と比べて、「200 万円未満」の比率が最も高い。(図表 10) ○ 主な収入源は「年金」(90%)がほとんどである。(図表 12)(3) 生活の意識 ○ 生活全体について「満足」「やや満足」と感じている者は 54%である。全体的に満足 感が高く、特に資産・貯蓄(33%)に対する満足感が他の世代と比べて最も高い。(図 表 13) ○ 充実感を感じるのは「友人や知人と会合、雑談しているとき」(39%)が最も多いが、 全体として回答比率が低い。(図表 15) ○ 悩みや不安を感じている回答者の比率は 61%であり、全世代の中で最も低い。(図表 16)。悩みや不安の内容としては、「自分の健康について」(73%)が最も多く、「老後 の生活設計について」(47%)が次に多い。「自分の健康について」の比率は全年代の 中で最も高いが、それ以外については他の世代と比べて全体として低い。(図表 17) ○ 働く目的として「生きがいをみつけるために働く」(28%)が全年代の中で最も多い。 (図表 19) ○ 生活環境への不満感をみると、家業の後継者がいない、高齢者施設への入所が難し い、近くに商店がなく買い物が不便、自治会や集落の機能が低下しているといったこ とについて、やや不満を感じる者の割合が高い。(図表 21~25)
II.就業形態別にみた特徴と課題
1.正社員・職員
正社員・職員は、30~50 歳代が8割弱を占め、7割に配偶者と子どもがいて、家計を 支えている。 本人の年収は、非正社員・職員やパート・アルバイトのほとんどが年収 200 万円未満で あることに比べて、200~400 万円が約4割と最も多く、400~600 万円が2割強、600~800 万円も1割強となっている。生活全体に対して満足感を感じている者の割合が高く、特 に、他の就業形態と比較して「所得・収入」「資産・貯蓄」に対して満足感を感じる者の 割合が高いが、その一方で、収入よりも自由時間を増やしたいとする回答は他の就業形態 を上回る。 (1) 年齢の状況 ○ 正社員・職員では、「40 歳代」(28%)が最も多く、「50 歳代」(25%)、「30 歳代」 (24%)がこれに続く。(図表 45) (2) 家族の状況 ○ 配偶者がいる回答者は 71%、子どもがいる回答者は 70%である。(図表 34) (3) 就業・収入の状況 ○ 年収(本人)は「200 万円以上 400 万円未満」(43%)が最も多く、「400 万円以上 600 万円未満」(25%)、「600 万円以上 800 万円未満」(14%)がこれに続く。(図表 38) ○ 正社員・職員のうち 64%が主に家計を支えている。他の就業形態と比べ、家計を支 えている比率が最も高い。(図表 39) (4) 生活の意識 ○ 生活全体について、「満足」「やや満足」と感じている者は 53%であり、全就業形態 で最も高い。(図表 40) ○ 悩みや不安を感じている回答者は 78%である。(図表 41)悩みや不安の内容としては、 「今後の収入や資産の見通しについて」(56%)が最も多く、「老後の生活設計につい て」(53%)が次に多い。また、他の就業形態と比べ、「勤務先での仕事や人間関係に ついて」(36%)の比率が高い。(図表 42) ○ 自由時間と収入に関する意識について、収入よりも「自由時間をもっと増やしたい」 (33%)とする比率が他の就業形態と比べて高い。(図表 44)2.非正社員・職員
非正社員・職員のほぼ半数が、正社員・職員として働ける会社等がなかったために非正 社員・職員として就労しており、4割強が今後の就業形態として正社員・職員を希望している。 本人の年収は、200 万円未満が約6割を占め、収入や資産について満足感を感じる者の 割合は正社員・職員よりも低く、生活全体の満足度でも正社員・職員を下回る。また、半 数強の回答者が時間よりも収入を増やすことを重視している。 なお,事業所アンケートでは、非正社員の賃金水準は例え正社員と同様の業務に従事し ていても正社員より低くなる傾向が見られる。 また,他の就業形態と比べ、今後の収入や資産の見通し、老後の生活設計,自分の生活 (進学、就職、結婚)上の問題について不安を感じるとする回答比率もやや高い。 事業所アンケートの回答では、ほぼ半数の事業所に非正社員から正社員への転換制度が 整備され、転換の実績もあるが,非正社員の割合は今後も「ほとんど変わらない」とする 事業所が多い。 (1) 年齢の状況 ○ 非正社員・職員では、「60 歳代」(33%)が最も多い、「50 歳代」(23%)が次に多い。 (図表 45) (2) 家族の状況 ○ 配偶者がいる回答者は 61%、子どもがいる回答者は 65%である。他の職業と比べて、 子どもがいる比率がやや低い。(図表 34) (3) 就業・収入の状況 ○ 就業形態の選択理由は「正社員・職員として働ける会社等がなかったから」(47%) が最も多く、パート・アルバイトと比べ、その比率は高い。また、パート・アルバイ トと比べると、今後希望する就業形態を「正社員・職員」(43%)とする比率が高い。 (図表 35,36) ○ 就業形態の継続期間は「5年以上 10 年未満」(23%)が最も多いが、一方で「1年未 満」(22%)、「1年以上3年未満」(19%)といった短期の回答も多く、他の職業と比 べ、就業継続期間が短い傾向がある。(図表 37) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(61%)が最も多く、「400 万円以上 600 万円未満」 (36%)が次に多い。(図表 38) ○ 非正社員・職員のうち 37%が主に家計を支えている。(図表 39) (4) 生活の意識 ○ 生活全体について、「満足」「やや満足」と感じている者は 42%である。また、正社 員と比べて、「資産・貯蓄」(16%)について満足感を感じている者の割合が低く、「所 得・収入」(24%)については全就業形態の中で最も低い。(図表 40) ○ 悩みや不安を感じている回答者は 80%である。(図表 41)悩みや不安の内容としては、 「今後の収入や資産の見通しについて」(61%)が最も多く、「老後の生活設計につい て」(57%)が次に多い。また、他の就業形態と比べ、「自分の生活(進学、就職、結 婚)上の問題について」(28%)の比率が高い。(図表 42)
○ 自由時間と収入に関する意識について、自由時間よりも「収入をもっと増やしたい」 (56%)とする回答の比率が、他の就業形態と比べて最も高い。(図表 44) ● 事業所における非正社員割合ついては、3 年前と比較して,いずれの業種でも「ほと んど変わらない」とする事業所が最も多いが、非正社員割合の増加と減少を比較する と、製造業,建設業では減少を、卸売・小売業,医療・福祉では増加と回答する事業 所の割合が多い。(図表 28) ● 非正社員割合の今後の見通しについても、いずれの業種でも「ほとんど変わらない」 とする事業所が最も多いが、非正社員割合の増加と減少を比較すると、製造業,建設 業では減少を、卸売・小売業,医療・福祉では増加と回答する事業所の割合が多い。 (図表 29) ● 事業所の非正社員の正社員転換制度についてみると、ほぼ半数の事業所に制度があ り、そのうち6割の事業所が「転換実績がある程度ある」としている。(図表 46) ● 正社員とほぼ同じ業務に従事する非正社員(出向・派遣社員を除く)がいる事業所に、 その非正社員の賃金水準を尋ねたところ、(正社員を 100%として)「80~90%未満」 (23%)とする回答が最も多く、「70~80%未満」(21%)が次に多い。(図表 47) ● 事業所において、非正社員を活用している理由としては、「賃金の節約のため」 (39.9%)とする割合が最も高く、次いで「高齢者の再雇用対策のため」(30.5%)とす る割合が高い。(図表 48) ● 事業所における非正社員を活用する上での問題点として,「仕事に対する責任感」 (41.2%)とする割合が最も高く、次いで、「良質な人材の確保」(35.3%)となってい る。(図表 49)
3.パート・アルバイト
パート・アルバイトは、非正社員・職員とは異なり、時間等の融通がきくことや、家計 の補助を理由に、自発的にパート・アルバイトを選択して勤務していることが多い。今後 の就労も、約7割がパート・アルバイトを希望し、正社員・職員の希望は3割弱にとどま っている。 女性が9割弱を占めるパート・アルバイトでは、子育てや介護など、自身の生活の時間 制約との関係でその就労形態を選択しているケースも多いと考えられるが、生活全体に対 して満足感を感じている者の割合は他の就業形態よりも低い。 (1) 年齢の状況 ○ パート・アルバイトでは、「50 歳代」(30%)が最も多く、「40 歳代」(27%)が次に 多い。(図表 45) (2) 家族の状況 ○ 配偶者がいる回答者は 74%、子どもがいる回答者は 79%である。(図表 34)(3) 就業・収入の状況 ○ 現在、非正規雇用にある者の就業形態の選択理由として「時間の融通がきくから」 (34%)が最も多く、「正社員として働ける会社等がなかったから」(20%)が次に多 い。また、非正社員と比べ、「時間の融通がきくから」「学費などの家計の補助」(18%) 「家庭の事情(家事・育児・介護等)」(12%)の比率が高い。今後希望する就業形態 は「パート・アルバイト」(70%)が最も多く、「正社員・職員」(27%)は次に多い。 (図表 35) ○ 就業形態の継続期間は「5年以上 10 年未満」(26%)が最も多く、「1年以上3年未 満」(18%)が次に多い。(図表 37) ○ 年収(本人)は「200 万円未満」(89%)がほとんどである。(図表 38) ○ パート・アルバイトのうち 19%が主に家計を支えている。(図表 39) (4) 生活の意識 ○ 生活全体について、「満足」「やや満足」と感じている者は 39%であり、全就業形態 の中で最も低い。また、他の就業形態と比べて、特に「住生活」(56%)「耐久消費財」 (42%)について満足感を持つ者の割合が低い。(図表 40) ○ 悩みや不安を感じている回答者は 84%である。(図表 41)。悩みや不安の内容として は、「老後の生活設計について」(67%)が最も多く、「今後の収入や資産の見通しに ついて」(61%)が次に多い。また、他の就業形態と比べ、「老後の生活設計について」 「家族の生活(進学、就職、結婚)上の問題について」(48%)の比率が高い。(図表 42) ○ 働く目的として「社会の一員として、務めを果たすために働く」(4%)とする回答の 比率が、他の就業形態と比べてやや低い。(図表 43) ○ 自由時間と収入に関する意識について、自由時間よりも「収入をもっと増やしたい」 (53%)とする回答の比率が、正社員と比べて高い。(図表 44)