黒 ぼ くの圧密お よびせ ん断特性 にお ける
腐植含有 の効果
清水
正 喜
*・有本
弘孝
*・藤 野
準一
**(1982年6月17日受理)
Effects of Humus
latters
on The Consolidation and Shear
Characteristics of an AndosOl
by
Masayoshi SHlMIzU*,F[irotaka ARIふ
/10TO*and Jun'ichi Fu」 INO** (Received」une 17,1983)For the purpose tc exa■ line the mechanical role of humus matters included in an Andosol(KurObOku), variOus physical and mechanical tests were performed for the natural sample and the sample treated with H202
Discussions for results are made based on the concept of aggrigate composed of humus matters and inOrganic nlinerals
有な有機物である,と されている」?腐植物質の うち
,ア
ルカ リに可溶の部分は,さ らにフルボ酸 と腐植酸に分画 され,前者はpH l以
下の酸に可溶,後者は腐植酸 として 沈殿する。 また,ア
ルカ リ抽出剤に不溶の物質はヒュー ミン(または腐植酸)と 呼ばれ,土
中の無機物質 と強固 に結びついているP 腐植の土中での存在形態は,次の 5つ に分 けられる°:1)遊
離 または殆んど遊離状態;2)ア
ルカ リおよびア ルカ リ土類金属のカチオンと結合 した腐植物質塩類の形 態;3)腐
植物質塩類 とAlゃ Feの 加水酸化物 との混合 ゲルの形態i4)腐
植―無機化合物の錯化合物の形態:5)腐
植―無機吸着化合物 (粘土鉱物 と結合)の
形態。1.序
論 我が国の全面積に対する黒ぼ くの割合は
,16.4%に
も 達すると算定 されているPそ の多 くが火山灰起源の有機質 上であ り,そ
の有機物質の大部分は,腐
植である。一般 に,火 山灰上の粘上部分では,結 品質の粘土鉱物の他に, アロフェンを主体 とした非品質成分が多量に含 まれてい て,多
量の腐植の集積は,ア
ロフェンと無関係でないと 言われている。 腐植は,「生物遺体が地中動物によって分解,さらに重 縮合を受 け,同
時に酸化酵素の働 らきで酸化作用を受け て,暗
色の高分子のコロイ ド状物質 となったもので,現
在のところ有機化学上 どのグループにも属さない上に特 手海洋土木工学科 Departlllent of Ocean Ci I Elagineering
ホホ
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
14巻
上記5)の
形態 は,上
に特有の団粒構造 をつ くり,内
部の小間隙 と大 きい比表面積 のために,特
有の水分保持 特性 を発揮す る。た とえば,竹
中働は,有機物含有量の異 な る上 についてpF∼含水比特性 の比較 を行 って,有機物 含有量の多い上で見 られるpF1 7付
近の脱水のピークが, 団粒間の粗間隙の水 の脱水 に由来 す るとして,有
機質土 の水分保持特性 における団粒構造 の重要性 を指摘 してい る。 腐植が上の化学性 に及 ぼす影響 は,腐植含有量 とCEC
や リン酸吸収量 との関係0が調べ られ,いづれ も腐植含有 量 の増大 とともに増加す る傾 向がある。 この ような水分保持特性 や化学性 に関 しては多 くの研 究が見 られ,黒
ぼ くの ような腐植土 は,農
耕地利用の観 点か らみれ ば有利 な条件 にある場合が多い。 一方,腐
植上の物理特性 や力学性 に関す る研究 は十分 と言 い難 い。 それ は,黒
ぼ くの占め る面積 は大 きいが, その堆積深 さが比較的浅 い, したが って量的 に少ないの で,ピ
ー トな どの高有機 質上が量的に多いのに比 べ,大
規模土木工事 の対象 となる機 会が少なかった か らと言 え よう。 ところが,近
年,大
規模 な農地整備事業や高速道 路建設 等によ り,黒
ぼ くの ような低有機 質上が上工の対 象 とな る機会が多 くな りつつあ るP働 竹 中 ら。は,有機物含有量 と上の物理的性質の関係 を調 べ,有
機物含有量が増 えれ ば上の比重 は減少 し,液
性限 界・塑性限界 は増力日す ることを見出 した。また,前田 らЮ) は,火
山灰お よび非火 山灰質有機質上 を対象 として,過
酸化水素水処理 によ り腐植 を除去すれ ば,原
試料 に比べ 比重が増大 し,液
性限界 が減少す ること,さ らに,そ
の 変化量 は初期腐植含有量が多いほ ど大 きい と指摘 してい る。佐藤 ら1ゆは ,粒径 に よる分画 を行 い,さ らに各分画 に 対 して比重 による分画 を行 って,20 μm以
下 の どの粒径 分画 において も,有
機物含有量 は比重が小 さいほ ど多い ことを見出 している。 この ことは,シ
ル ト径の粒子 に も かな りの有機物質 (腐植)が
結合 してい ることを示唆 し ている。 の関係 を調べた。有機物含有量が多いほ ど凝集粒径が大 き くなること,二
次圧密速度 は大 き くなるが,圧
密係数 は小 さ くなること,せ
ん断特性 として,変
形量 は大 きい が強度 が増加 す るとい う結果が示 された。山内 ら1つ は,黒 泥の繊維分 を取 り除 いて抽 出 した有機物 をカオ リンに添 加 し,有
機物含有の効果 を調べた。 その結果,有
機物含 有量が多 くな る と,圧
縮指数や二次圧密速度 は増大す る が,圧
密係数 は反対 に減少す る :圧 密 による非排水強度 増加率が有機物含有率が大 きいほ ど大 きい等の知見 を得 た。 これ らの結果 を有機物質のセメンテー ション効果 と 関連づ けて考察 している。上記 の研究 はいづれ も,結
晶 性 の粘土鉱物 と分解度の低 い有機物質の複合体 に関す る ものであ り,黒
ぼ くのような火 山灰質上の組成 と異 な る と推察 され る。 しか し,そ
の力学的性質 に及 ぼす有機物 含有量 の影響 は,黒
ぼ くの特性 と比較す る上 で有益 であ ろう。 本研究 は,鳥
取県内で採取 された大山火山灰起源の黒 ぼ くを対象 として,過
酸化水素水処理 を施 じ腐植 を除去 した試料 を作製 し,物
理的性質 と力学的性質 に及 ぼす腐 植 の影響 を明 らかにするこ とを目的 としてい る。物理 的 性質 として,比
重,液
性・ 塑性限界,粒
度 を, また力学 的性質 に関 しては,一
次元圧密特性 と,三
軸試験 による 非排水せん断変形特性 な らびに排水 ク リープ特性 をと り 上 げ,そ
れぞれ について,腐
植 を除去 した土 ともとの試 料 の比較検 討 を行 う。2.試
料2.1
原試料 原試料土 は,鳥
取県東伯郡 において採取 された黒 ぼ く であ るも1原試料 は空気乾燥状態で420 μmふ
るいを通 し, 礫お よび砂分 を取 り除いて実験 に供 した。以下,本
論文 にお い て は,こ
の粒 度 調 整 した試 料 を黒 ぼ く (Non― Treated)と 呼 び,後述の過酸化水素処理 を施 して腐植 を 除去 した試料 を処理土 (Treated)と 呼ぶ。2.2
腐植除去の方法 有機質上の力学的性質は,泥
炭などの高有機質土や関黒ぼ くに過酸化水素処理 (H202処理)を 施 し
,腐
植 を 東ロームについてその特性がかなり明 らかにされている121 除去 した。処理方法の手順を記す。 が,黒
ぼ くについては未だ十分 と言えない。①黒ぼ く100 gfに対 し
,6%H202500 mlを
加え,攪 はん 松尾 ら131は,海 底堆積ヘ ドロに対 して,化 学的。 物理的しなが ら加熱する。H202の 分解により生 じる発泡を確か 性質を明 らかにしたうえで
,そ
の力学特性 と腐植含有量め十分反応 させ る。 *1 鳥取県地方の黒ぼ くは、表土層を形成 し,大 山上部火山灰に属する。大山上部火山灰は,洪積世末期の大 山火山活動に由来 し,C“ 年代で17200年とされている
P
清水正喜 。有本 弘孝・藤野準一:黒ぼ くの圧密お よびせん 断特性 における腐植含有の効果 ② 慣次200,100,100,100 mlずつ加 え,各段階で攪 はん。 加熱す る。各段階 における溶液の温度 は
,70∼
95°C,反
応時間 は110分,終
了後 の溶液 の量 は800 mlを目安 とし た。` ③以上 のH202処理後,室温 まで 自熱冷却 させ,ろ 紙 を用 いて自然 ろ過 し
,蒸
留水 による水洗・ ろ過 を5回行 う。 ④空気乾燥後,ろ紙 か ら土 を取 る。ろ紙 に付着 した土 は, コロイ ド分 の損失 を防 ぐため蒸留水でバ ッ トに流 し,水
分 を蒸発 させ る。 ⑤乳ば ちで国結 した部分 を軽 くと,きほ ぐし,420 μmを
通 過するようにす る。1 1
Photo l lこ黒 ぼ くと処理土 を示 す。H20数と理 によ り,Photo l Comparison of the color betveen
Treated Sample ahd Non―
TreatedSample:(a)POWdered;(b)Remoulded
with water. 黒 ぼ くの黒色が消 え,黄
土色 を呈 することがわか る。 こ の色は,鉄
の酸化物 に由来す るなゆ2,3 H202処
理方法の検討 上述のH202処理方法が適 当か どうか,すなわ ち,腐植 除去の効果 の有無,H202の
量,煮
沸・ろ過 をす ることの 影響について検討 した。 (1)腐植除去の効果 Photo lに示 した ように,H202処
理 によ り黒色味 は消 えたので,少
くとも腐植 は分解 。溶 出 した と考 えられ る。 実際,黒
ぼ くと処理土 に対 して同条件 で重 クロム酸法 に よ り有機物含有量 を測定 した結果,Table lに 示 すように 黒 ぼ くで155%,処
理上 で125%と
な り,大
部分の有 機物が除去 された といえる。Table l Physical propeFties of samples.
Organic Matter cOntent(%)
Specific Cravity Cs Specific Gravity of Organic〕vttatter Liquid Limit L L (%) PIas,c Limit P L (%) PIasticity lndex P I 1 25 2 72 48 5 3 2 7 15 8
(2)6%H202の
量 の検 討6%H202の
総量 お よび分割数 と各分割毎のH202の量 は,経
験的 に判断 した。0
ろ過の影響 ・ a。 分解 した腐植以外 の物質が ろ過 によって流出す る 可能性 が考 えられ る。 そのため,ろ
過 による重量減が, 除去 された腐植 の重量 と腐植以外 の物質の流出分の和 で あると考 え,黒
ぼ くの乾燥重量 (処理前の含水比 と全重 量 よ り計算)と
ろ過後 の試料 の炉乾燥重量 との差 (ろ過 による重量減)を
黒 ぼ くの腐植含有量 と比較 した。 ろ過 による重量減の平均 は161%と
な り,腐植含有量155%
よ り,約
06%多
い。すなわ ち,重
量比 で約06%の
腐 植以外の物質が ろ過 によ り流出 した と推定 され る。流出 した物質 は,処
理前か ら黒 ぼ くに含 まれてい る微細粒分 (コロイ ド分)やH202によ り酸化 した金属 イオ ンが流出 したためであろ う。 しか し, これ らの量 は微量であ るた め,本
研究 においてはこの影響 を無視 した。b.H202処
理後 の ろ過 の必要性 について検 討 した。H2 02処 理 (手順①②)を
施 した後,溶
液 をろ過 させずに炉 乾燥 させた ときの重量減 を黒 ぼ くの腐植含有量 と比較 し た。 その結果,ろ
過 しない場合の重量減の平均 は70%
とな り,腐
植含有量(155%)よ
りかな り少 ない。 この ことは,H202処
理 を施 して もろ過 しなけれ ば,腐
植の分 解物の うち約8%が
溶液 中 に残存 す ることを意味す る。 腐植の分解物 による影響 を入れないため,や
は りろ過す べ きである と思われ る。 ●)加
熱の影響 加熱・ 攪 はん とい う物理的作用 による影響 を調べ た。鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
14巻
H202溶液のかわ りに,蒸留水だけを用 いて手順①②の加 熱・攪はんを行 い,ろ
過 した ところ037%の
重量減 とな った。 これ は,腐
植の親水性 と加熱・ 攪はんの物理的作 用 とによ り,遊
離 した形態で存在 していた腐植物質の流 出の可能性 お よび,処
理前か ら存在 するコロイ ド分 の流 出のため と考 えられ る。 但)そ
の他の問題点ヽ 黒 ぼ くに含 まれた無機物 の うち,A1203や Fe203な どの 金属酸化物 が
,酸
によ り多少溶出す る可能性 が ある。一 方,単体 の無機物 イオ ンは,H202の添加 によ り,H十と置 換 して溶 出す る可能性 もあるが,ろ
過 による腐植以外の 重量減が1%未
満 という前述(2)の結果 を考慮 す ると, こ れ は無視 で きる と思われ る。 3。 試 料 の 物 理 的 性 質 黒 ぼ くお よび処理上の各々 について,比
重,i液性・ 塑 性限界,粒
度分析 を行 った。 それ らの物理的性質 におけ る腐植含有の影響 について考察す る。3,1
比重(1)方
法 JISA 1202 1970に準 じて比重試験 を行 った。測定数 は 黒 ぼ く10,処理±7であ り,それぞれ,平
均値 との差 が003よ
りも大 きい測定値 は除外 し,再び平均値 を とって ,ヒ重 とした。 鬱)結
果 と考察 Table lに 結果 を示す。有機質上の比重 は,有機物含有 量が多 くなる と小 さ くなると言われている°コの'11)が,実 際 黒 ぼ くの比重 は処理上のそれに比べて小 さい ことがわか る。 これ は,有
機物 (腐植)自
体 の比重が無機物 のそれ に比べて小 さいためである。Table lの 結果か ら,腐植 自 身の比重 を推定 してみる。黒 ぼ くと処理上の有機物含有 率 (重量%)の
差 を ИOと
す ると(1)式が成立 す る。希
==野│=宕
…………
虫→
ここに,CN:黒
ぼ くの比重:GT:処
理上の比重:Gsi無
機物 の比重:Gο :有機物 の比重。 ここで,GT≒ Gs,す
なわち,処
理上 には有機物 を含 まな い と仮定すれば,G。 は次式で与 え られ る。G9=
… … 刊GT,Gゎ
ИQに
Table lの 結果 を代入 して,Gο=179を
得 る。この値 は,竹中 ら働によってまとめ られたGοの範囲13∼
1,8に 入 っていて,妥
当な もの といえる。 さて,竹中 らりによる本邦の火山灰土お よび非火山灰土 の黒 ぼ くの腐植含有率 と比重の関係 に,Table lの 結果 を プロッ トす るとFig.1のようにな る。 また,前
田 らlωに よる研 究結果 に,Table lの結果 をプ ロ ッ トす るとFig. 2(a),(b),(C)が得 られ る。結局,本研究 で用 いた試料 の比0 10 20 30 40
0rganic Matter Content (%)
Fig。 l Relationship between specific gravity
and organic matter content for various organic soils. 8 6 4 2 、 中 ∵ > O L Φ O r ﹂ 十O Φ α ∽ 8 4 0 卜 り い 才 一 (a) vs.organlc (a)Specific gravity(av,θT) matter content(σο) Z Φ ︲ 卜 り
0.4
0.3
0.2
0。1 (b) (b) つ 0Differences in specific gravity between treated sample and no■―
trcated sample
256
清水正喜・ 有本弘孝・藤野準一:黒ぼ くの圧密 お よびせん断特性 における腐植含有の効果2.0
1.8
り°1.6
1.4
`。 ゝ (C)Organic Matter Content c。
(%)
(C)Specific gravity of organic matter(θο)VS, Organic matter content
(σο
) ,
Fig.2 Comparison of specific gravity between samples treated with H202 and nOn一 treated samples; 重 は
,本
邦黒 ぼ くの平均的な値で あるといえる。3.2
粒度特性(1)粒
度試験 の 目的i
通常,黒
ぼ くの ような有機質上の粒度 は,含
まれた有 機物 を分解処理 (H202処理)した後 に測定 され る。.した が って,得
られ る結果 は,黒
ぼ くの無機物質 (ケイ駿塩 鉱物)の
粒度 である。一般 に,上
の粒度特性 はその力学 的性質 と関係 が深いので,黒
ぼ くの力学的性質 を考察 す るためには,有
機 。無機複合体 としての粒度,す
なわ ち 団粒の大 きさを知 ることが重要である。 ここでは,無
機 物質の粒度 は処理上の粒度分析 か ら,有
機 。無機複合体 として黒 ぼ くの粒度 は,有
機物 の分解処理 を行わないで 黒 ぼ くの粒度 を測定 することによ りそれぞれ調べた。 彼)黒
ぼ くの沈降特性 一般 に,上
粒子の溶液中での凝集 には2つのパ ター ン が考 えられ る。す なわち,有
機物 な どに起 因する安定 な 団粒構造の形態 を とる凝集 と,溶
液中の電解質 によって 生 じる綿毛化現象であると°後者の最終沈降体積は大 きく な るので,綿
毛化現象 を防 ぐための分散剤の適否 は,沈
降体積 を比較 すれ ばよい。 黒 ぼ くに適 した分散剤の種類 と濃度 を決定するために, 分散剤 としてNaOHぉ
ょびHCIを選び,それぞれの濃度 お よびス ラ リー濃 度 を変 化 させ て沈 降実験 を行 った (Photo2)。 ス ラ リー濃度 は, lg/6 mlからlg/24 ml の範囲で4通りに変 えたが,ス
ラ リー濃度 による影響 は 明瞭でなかったので,そ
れ らの平均値で議論する。 Fig.3に沈降体積 (同一規格 の試験管 を使用 してい るPhoto 2 Sedimentation test of No■ ―Treated sample;
(a)in HCI solutions (b)in NaOH solutions
(b)
H20 NaOH o.oo5N NaOH O.01N NaOH o.lN
一矧
oS
﹁
>
c 割
〓
詢
oF
静
∽
.02 ∫05 .4 ,2 .5 1 1 5 10 (HCl ,%) .002 .01 .02 .05 ,1 .2 .5 1 (NaOH,N) Concentration Of so]utionsFig.3 Relationships between sedimentation height (S'a) and cOncentration of
solutio■s ので試験管底 か ら沈積面 までの高 さで表わ してい る)Sd′ と分散剤濃度 の関係 を示 した。図中,タ ッピングによる 変化 とは
,試
験管壁 を軽 くたたいた ときの沈降体積 の変 化であ る。NaOH,HClと
もに,濃
度が増せ ば沈降体 積 が大 き くな り,綿
毛化現象が顕著 になる。 また,両
分散 剤 ともに,使
用 した範囲で濃度が うすいほ ど分散性 が良 い とい う結果 になっている。参考 までに,分
散剤 を入 れ ない場合(H20)の沈降体積 も示 したが,タ
ッピング後 の 沈降体積 はHClやNaOHと
変 らないが,タッピングによ鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
14巻
る変化が非常 に大 きい ことがわか る。つ まり,分
散剤 を 用 いなければ,HCIやNaOHの
高濃度時 ほどではないに して も,か
な り綿毛凝集がお こっている。 しか しその凝 集 は簡単に崩れ る弱 い ものである といえる。 以上 の結果 よ り,H202前処理 を施 さない黒 ぼ くの分散 性 は,NaOHや
HCIいづれ も濃度が小 さいほ どよい と言 えよう。 俗)処
理上の粒度 火 山灰性有機質上 の分散剤 は,粘
土鉱物 とくにアロア エ ンの含有量 と風化の程度 に依存 して変 えるべ きである といわれてい るPそこで処理上 に対する分散効果は実際に 粒度分析 を行 って調べた。ng,4は
,分散剤 としてNaOH
(0.005N)とHCI(0.35%)を
用 いた ときの処理上の粒 度分布 であ る。 この図か ら,処
理土 に対 しては,NaOH
が分散剤 として適 してい る と判断 した。(4)粒
度特性 に及 ぼす腐植 の効果 上記(鋤,俗)の検討結果 に基づいて,処
理土 と黒 ぼ くに 1 2 5 10 20 50 100 Paeticle Size(wm) Fig,4 Grain size distribution ofSample Treated っぃて
,NaOH(o.005N)を
分散剤 として用いた場合 の 粒度分布 を比較 した(Fig.5)。 黒 ぼ くの曲線 は右側 にあ って,腐
植 を含有 することによる団粒の形成が明 らかで ある。両試料 の粒度 か ら,三角座標 による分類 を行 うと, 処理土 はローム∼粘土 ロームであるのに対 し,黒
ぼ くは 砂質 ローム と判定 された。 尚,序
論 で も触れ たように,黒
ぼ くは,NaOHに
よ り その有機成分 の うちフルボ酸 と腐植酸が溶出す るが,粒
度分析 で使用 したNaOHの
濃度 は小 さいので,その影響 を無視 してい る。 これ は,Photo 2に
おいて,濃
度が小 さい場合,溶
液の色が透明 に近 い ことか らも頷 ける。3.3
液性限界,塑性限界(1)方
法 黒ぼ くおよび処理土 について,JISA 1205∼6 1970に
準 じて液性・ 塑性限界 を求 めた。 似)結
果 と考察 結果 をTable lに示 した。L.LもPLも
黒 ぼ くの方 が 大 きい。P.Iは黒 ぼ くの方が大 きいが,あ
まり差 は無 い。0 10 20 30 40
0rganic Matter cOntent (%)
0 10 20 30
0rganic Matter Content (%)
〓 O E 十 ﹂ , C O O 〓 り ∝ 生 O E ∵ ﹂ , E O υ ヽ 0 ﹂ ︵ま ︶ や TE 一コ O r 夢σ rコ ︵ゞ ︶ , 中E 一コ O rや∽ o 一∝ 1 Fig,5 2 5 10 20 50 100 Particle Size (l」 m)
Comparison of grain size
between Treated Sample
Treated Sample
200 500
distribution and Non―
Fig。
6 (a)Liquid Limit
matter content (b)Plastic Limit matter content (L.L.)vs. organic (P.L.)vs. Organic Treated pH(H20) 。 NaOH O.005N 9.2 n HC1 0.35% 1,3 ― Treated 一 Non―Treated
清水正喜・有本弘孝・藤野準一 :黒 ぼ くの圧密およびせん断特性 における腐植含有の効果 この結果 を
,竹
中 ら9によって報告 されたL.L,P,Lと有 機物含有量 との関係 にプ ロッ トす る とFig.6(a),(b)の よ うになる。同図 よ り本研究で用いた試料のLL,PL値
は, 我国の黒 ぼ くの平均的な もの といえる。L.L,PLと
もに, 黒 ぼ くの方が大 きい ことは,腐
植 による団粒構造が発達 しているため,団
粒 内の微細間隙 (ミ クロポア)内
に保 持 され る水分量が多 いか らと解釈 で きよう。換言すれば, 液性限界や塑性限界 を求 める際のね り返 しによっては, そのような団粒が壊れない ことを意味 してい ると思われ る。4.力
学 試 験 の 方 法 2。 で述べた方法 によ り準備 した黒 ぼ くお よび処理土 に対 して,一
次元圧密試験,三
軸圧縮試験 を行 った。4.1 -次
元圧密試験 Table 2に一次元圧密試験 の条件 と初期含水比 を一括 して示 した。Table 2 List of oedometer tests. Test Type Initial
Height (Cm)
Initial Water Content(%)
Non‐ frreated Treated
2 71.2(2.44) 63.3(1 94) 54.0(1 47) 6 78.2 98.7(3.08) 69。 1・(1.24) 79.9(2.99)
(1)One‐Day Loading Tetts:zrp/p=1;Иt=1440
(2)LonをTer4 Loading Tests:И´/ケ=1;И ナ≧
20000 min * Liquidity lndex
(1)初
期 含水比 圧密,圧
縮特性は,試
料の初期含水比 により変化する と考えられるので,Table 2に 示すように,3通
りの初期 含水比 場 を選んだ。黒ぼ くは,含
水比が約70%以
下で は練 り返 しが十分出来ず,一
方,処
理土は,含
水比が80%以
上では液体状になり圧密できない。 このような理由 か ら,黒 ぼくと処理上で 物 は同じになっていないが,3
通 りの 駒 に対応する液性指数が等 しくなるように,処理 上の含水比 を決定 した。ただ,黒
ぼ くの最小の液性指数 (1.24)に 対応する含水比では,練
り返 しが出来なかっ たので,約 15と
せざるを得なかった。 鬱)試
験 方法 圧密容器 は,内
径6.O calの円筒形 であ り,試
料高 さが 変 え られ るようになっている。載荷 は,荷
重増加率 И夕/ ´=1で
標準圧密試験 の方法 に準 じた。各荷重段階 におけ る載荷時間 は,1440分
の もの (1日載荷試験)と 20000 分以上 の もの (長期圧密試験)の
2通りである。 1日 載 荷試験 では,初期試料高 さ 比 を Table 2に 示 す3通りで 行 った。4.2
三軸圧縮試験(1)供
試体 の作製 圧密試験 同様,黒
ぼ くと処理土で液性指数がほぼ等 し くなるように含水比 を調整 して練 り返 し,一
次元圧密容 器で予備圧密(ク=39.2 kPa)し た後,三
軸試験用供試体 (直径約3.6 cm,高さ約 8 cm)に 成形 した。練 り返 し時 の含水比 は黒 ぼ くで80%(rL=19),処
理上で63%(rL=
1,9),三 軸試験 開始時の含水比 ωοは,後述 の試験法 とと もに一括 してTable 3に示 す。Table 3 List of triaxial tests.
Test Type
ミぶter Content a■ er
Consolidation (%)
Non‐Treated Treated
CD ク‐COnSt 66.3, 67.4 σ,‐const
?=0
200 66.5C9
σ,‐const 45.9,47.8 300 64.3(2)排
水三軸圧縮試験 (CD) Fig,7に 有効応力径路 を示す。すなわち,平
均有効応(KPa)
300
。「200
100
0 100 200
‐300 (KPa)
pFig.7 Stress paths for CD tests.
だ 。 砒 。 や ∽ C O O t a
カ タ
=,ま
で等方圧 密 した後,平均有効応カー定で破壊す るまで?(=晩―●)を増加 させ る もの(´一定);根1圧げ 一定で破壊す るまで,,?と
もに増カロさせ る もの (じ‐ 定);お
よび等方的 に,だけ増加 させ る もの(?=0)の
3通りである。Fig,7にOで
示 した点が各荷重段階 を表 わす。´一定試験 と σイー定試験 は,Tの増分が等 しくなる ように,また,σ /一定試験 と?=0試
験 は クの増分が等 し くなるように各荷重段階 を定 めた。各荷重段階 における 載荷時間 は,1440分
とした。 ●)非
排水三軸圧縮試験 (CU) 所定の圧密圧力 ´=ば
まで等方圧密,その後 ひずみ制御 による側圧一定の非排水三軸圧縮試験 を行 った。軸 ひず み速度 は,供
試体高 さ8 cmの場合 に2.6×103%/分
であ る。圧密圧力Jc′において,バ
ックプレッシャー 仇=100
kPaを作用 させた。 5。 一 次 元 圧 密 試 験 の 結 果 と考 察 5。1
圧縮特性 Fig.8に 1日載荷試験 の初期試料高 馬=2 cmの場合 10 100 ConsolヽdationFig。
8 9-log P curves
oedometer tests.
1000 Pressure(kPa)
of one―day loading
0.5 wO(%) WO ( Treatedし :│:争 10 25 50 100 250 500 10oo Consolidation presuure(kPa)
Fig。9 Compression index vso conSOlidation
stress. WO(%)
と
:i;!Non― Treated :│:i}Treated 10 100 1000 0onsolldation Pressure (kPa)Compressi,ility Coefficie■
t vs.
Consolidation pressure. 鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第14巻
259 の ¢―Io鬱 (9:間 隙比;ψ:圧 密圧力)関
係を示す。処 理上の初期含水比が黒ぼ くに比べて小 さいので処理上の 方が全体 として θが小 さい。黒 ぼ く,処
理土 とも,ど
の ωοに対 しても処女圧縮曲線は直線的でな く,夕の増加 に 対 してその勾配 は大 きくなっているようだ。この曲線性, すなわち圧縮指数の圧密圧力依存性 を調べるため,各
荷 重段階における圧縮指数Q′を次式により評価 した。 Cと=(つど.1-2r)/10g(´ F+1/´ど)…
……・・………,(3) a D 〇 一 や \ 0 つ ︱︲ 一υ 0 ω O 中 や 0 ∝ 0 十 0 > ^ばn ﹁ ・2 ︵ ・ ! に ∝ V [ ︲ 〇 一 ︶ > E 一 や E o 中 υ ≡ ﹂ ﹂ ω O O 、 や ≡ 卜 r う r ∽ ∽ ω L α E O ① . B ▲ Non―Treated O □ △ Treated HO=2.0 (cm) Fig.10260
清水正喜・ 有本弘孝・藤野準― :黒 ぼ くの圧密およびせん断特性 における腐植含有の効果 ここに,91,少どは,第
1番 目の載荷段階に対応す る間隙比 と圧密圧力である。 Fig.9に α と´ の関係 を示す。クが小 さい間 は,C′は ωοに拘 らずほぼ一定の値(たとえば,″=25 kPa付近 で α=0.15∼ 025)をとるが,´が大 きくな ると,黒
ぼ く, 処理土 ともに ち が大 きいほどQ勢
ゞ大 きくなっている。ま た,以
上 の傾 向は,腐
植 の有無 に拘 らず見 られている。 初期含水比 ω。の影響 を考慮 で きる体 積圧縮 指数 ηυ (=―】り/((1+♂ )砂})で
圧縮性 を評価 す るとFig。 10 が得 られ る。同図において,″≦ 20 kPaの 部分 を除いて, 盟υは黒ぼ く,処理上の別や,″οの大小 に拘 らず クとほぼ ―義的な関係 にあることがわかる。換言すれば,ηυで圧 縮性 を評価 すれば腐植含有 の効果 は,圧
縮性 に現れて こ ない, とい うことが明 らかである。 5。2
圧密特性(1)黒
ぼ くに対 する圧密理論の適 甲性 Fig。 ■(a),(b)に,乳
=2 cmの場合の黒 ぼ くと処理土 19.6(kPa) の沈下量∼時間曲線 の一例 を示す。処理土 には,所
謂一 次圧密 と二次圧密の境界が見 られ るのに対 し,黒
ぼ くで はそれが見 られ ない。黒 ぼ くの沈下曲線 は,時
間の対数 に対 して,下
に凸あ るいは直線形状 を示 してい る。 他の初期含水比 の場合 に も,全
く同 じ傾 向が見 られ て いる。これ らの結果 に,7γ法,曲
線定規法 お よび10g― 10g法を適用 して,TerZaghi理論 による圧密諸係数 を求 めよ うと試 みたが,黒
ぼ くの場合 は求 め られ なか った。Hg.12は ,黒
ぼ くの 島=9 cmの場合の沈下量∼時間 曲線 であ る。比=2 cmの場合 (Fig。 ■ (a))に 見 られ な かった上 に凸の部分が現れ,所
謂一次圧 密 と二次圧 密の 境界が存在す るようだ。実際,図中で破線 で示す ような, Terzaghiの圧密理論 との フィッテ ィングが可能 で ある。 図 は省略す るが,乳
=6 cmの場合 に も同様 の フ ィッテ ィ ングが可能であった。したがって,島
=6 cmおよび9 cm の場合 には,曲
線定規法 による圧密係数等の値 を算定 で きる。'
Fig。 13は,島
=6 cm, 9 cmの場合 に対 して,曲
線定 規法 によ り決定 した チ1。O(実際 は,圧密度99.95%で
代 用) と圧密圧力 の関係 を示 した ものである。Terzaghiの圧密 理論 によれ ば,あ
る圧密度 に対 して,圧
密時間 は排水距 離 の2乗に比例 す る。今,圧
密度100%の
ときに,比
=
6 cmの場合の圧密時間 を チloo,19_6と書 くと,′iO。,rrD_6=(FrrFciHH√。)2.ナI。。,rr9_9……… ・(41
ここに
,湧
跡6は,島
=6 cmの供試体 の現在 の供試体高 さである。ng.13に ,各
荷重段階で,⑤
式 の関係 ︵目 g く こ 罵 ど o 5 け , ゛ 桝 39.2 78.5 156.9 313 8 627.6 1255 Non―Treated wO・79.3(%) HO・2.00 (cm) 1 10 IElapsed Time Δt (min)
E]apsed Time Δt (min)
Fig,1l Consoldation curves ;(a)fOr Non― Treated sample,(b)fOr Treated Sample
Non Treated H0 9「
ミ 章■ミ煙
wO・78.2 % ``ヽ、_12 8 ︵ E E 0 〇 一 \ 一 ︶ 0 ﹃ P C ω E O 一 P , O ∽ ︵ E E 0 〇 一 ヽ こ 0 ﹃ Fig。 12 1 10 100 1000 Elapsed TimeAt(min)Consolidation Curves from a
consolidation test using a thick specimen(Non― Treated sample)
II:::i;1'∫h H202 HO=2.00 (cm)
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
14巻
Fig,14 ヽK、 、 (6/9)2x t100′ HO=9ヽ
irィ
労
後
瑞
叫
∵
全 磨 09 苫 ︶ 0 ﹁ ︵ 雪 ﹁ 営 ︶ o o , や 0,1 0。2 0,5 1 2 5 10
Consolidatlon stress p(1 00kPa) Fig,13 Consolidation tilne ; measured andestildated by the theory.
嵐ヽ …61■‐
_9=6/9…
……… …… … … 低) を仮定 して14)式により求めた チIoo,rrc_6を プロッ トした(図 中,破
線 で示す)。図か ら明 らかなように,曲線定規 法 に より求めた ム。Oと ,(4)およ引5)式の関係か ら求めた ナi。。は, よ く一致 している。この考 え方 を 島=2 cmの場合 に も適 用 して,チ10。,29‐2を俯)式か ら求 め,Hg.13に
プ ロ ッ トし た。 ナi。。,rrp‐2=(2/9)4チiO。,ち‐9'………・。(6) Fig,13に示 した サloo,Ъ=2の 値 を用 いて,現
=2 cmの場 合の圧密曲線(Fig。 11(a)に示 した もの)に曲線定規 を あ てはめるとFig.14が得 られた。ここで,各荷重段階で,あ=0と
している。曲線定規 と実験値 はなめらかに結ばれ て いることがわか る。この図か ら,比
=2 cmの場合 には, Terzaghi理論 に従 う一次圧密部分のデータが,通常の圧 密試験 の測定時間(′≧6 sec)には読み とれていない こ とがわか る。 その傾 向 は,と くに圧密圧力が大 き くなる と顕著 である。 結局,ng,11(a)に示 した黒ぼ くの圧 密曲線の特異性 は, 所謂一次圧密が早期 に終了 して しまっている事実 を物語 っていたのであ り,それ は,試料高 比 を大 きくす ること によ り解消 し,TerZaghiの圧密理論の適用が可能 になる, といえる。 似)圧
密係数t一次圧密比 Fig,15に圧密係数 と圧密圧力 の関係 を示 した。黒 ぼ く の 島=9 cm,6 cmの 場合 は,実際のデータを用 いて曲線 定規法 によ り決定 し,島
=2 cmの場合 には,上述 の方法 に したが って求めた。一方,処
理土の場合 には,Fig。 11 (b)に示 した ように,比
=2 cmの場合で も,曲線定規法 が 適用で きた。ng.15か
ら,圧
密係数 ち は,黒
ぼ くも処理土 も少 が 増加 す ると増加 し,その傾 向 は,黒ぼ くに限 って言 えば, Δt(min)Consolidation curves by a oedometer test , comparison betveen theoretical and measured curves,
10 20 50 100 200 500 1000 Consolidation Pressure p(kPa)
15 Consolidation coefficient vs.
consolidation pressure ︵ o ω ∽ ヽ 朝 g o ﹁ ︰ 〇 . X ︶ > o や C ω 中 0 中 学 い 0 0 ⑭ C O r や 、 0 中 F o ∽ L O Φ p(kPa〕 wO・7 Fig.清水正喜・ 有本弘孝・藤野準一 :黒 ぼ くの圧密およびせん断特性 における腐植含有の効果 試料高 力らに関係 しない ことがわか る。さらに,いづれの 荷重段階において も,黒ぼ くの ちは処理上 に比べ約7倍 も大 き くなっている。 また
,絶
対値 も非常 に大 き く,一
次圧密が載荷後6秒以前 に終 了 して しまった とい う事実 が頷ける。 序論で も触れたように,山
内 ら1。 や松尾・嘉門161は,有
機物含有量の増加 に対 し,圧密係数 θυは低下す るとい う 結果 を示 してお り,Fig。 15の結果 と異 なっている。両研 究で用い られた有機質土 は,そ
の無機成分が結晶性 の粒 土鉱物 を主体 とする ものであ り,本
研究の ような火山灰 性土 と異 つている点 に注意す る必要がある。 さて,一
次圧密比 を計算す る と,島
=2 cmの場合 に黒 ぼ くで42±2%,処
理上で85±4%で
あ り,黒ぼ くにお いて二次圧密が卓越す ることがわかる。 また,試
料高の 影響は,比
=6 cmで 67±4%,比
=9 clnで71±6%と
な り,試
料高が大 きいほ ど一次圧密比が増加 している。5, 3
二次圧密特性(1)二
次圧密速度 Fig.16は ,1日 載荷試験 における,Иチ≧260分での二次 圧密速度 働(=dε/d10gオ)と ,の関係 を黒 ぼ くと処 理 上で比較 した ものであ る。図か ら明 らかなように,黒
ぼ くも処理土 もつの増加 に対 してGerが増加 していて,その 増加の割合 は黒ぼ くにおいて大 きい。 また,初
期試料高 島=2c14の場合 に限れば,初期含水比 晦 が大 きいほ ど 10 20 50 100 200 500 1000 Consolidation Pressure p (kPa) Relationship between strain rate ofsecondary compression and
consolidation pressure (OedOmetertests) GGα が大 きい。さ ら│こ興味深 いのは, とく│こ黒ぼ くにお いて著 しいが,比が大 きいほ ど εFαが/Jヽさくなっている。
(2)長
期圧密特性 Fig.17に黒 ぼ く,Ftig。 18に 処理上の長期圧密試験結 果 を示す。既 に,黒
ぼ くと処理上の圧密曲線 の比較 を行 って,黒
ぼ くの圧 密 曲線 が特異 な形状 を示 したのは,圧
密係数が大 き く瞬時 に一次圧密が完了す るため と指摘 じ たが,各
荷重段階で長期間の圧密 を行 って も,そ
の特性 は変 らない とい える。ただ,長
期圧 密試験 の場合 には, 処理土 については,10<И
チ<104(分 )の間 においてかな り良好 な直線性 が見 られ るのに対 し,黒ぼ くは,Иナ>103 (分)に
おいてむ しろ下 に凹な形状 を示 している。一般 101 102 103 ビlapsed Time Δt (min)Consolidation curves for Non― Treated
sample by a long―
term ioading
oedometer test
Elapsed Time Δt(min)
Fig.18 Consolidatio■ curves for Treated
sample by a long―
term loading
oedoコneter test
C 〇 一 ∽ 切 0 生 α E O ︵ぃ ︶ ヽ中 中 中 中 o. 中 ﹄ 中 芍 ﹃中 り ] や 。﹂ E ・ ヽ生 や ∽ 40 60 80 ︵E E 0 〇 一 \ 一 ︶ つ ﹃ , C O C O 中や や り ∽ ︵E E 0 〇 一 \ 一 ︶ コ 彎 ゛ こ り E C 一 , ゛ り の Fig.16
鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
14巻
の無機質沖積粘上の長期圧密曲線 が,Fig.18の処理上の 形状 と同 じであるので,腐
植 の含有 によ り,長
期 ク リー プがlogИチに対 して直線 にな らない性質 を もつ と言 えよ う。5,4
圧密特性 における腐植含有の効果 一次元圧密試験の結果 について述べて きたが,黒
ぼ く の圧密特性 として,(i圧密係数が大 きい ことi価)二次圧 密速度が大 き く,か
つ試料厚が大 き くなる と小 さ くなる 傾 向があること:伍)長期圧密試験 において,長
時間経過 後(Иチ≧103分)沈下 は時間の対数 に比例 しな くなること を挙 げることがで きる。 圧密係数が大 きい とい う事実 は,砂
と粘土の圧密係数 の相違 か らの類推 として,黒ぼ くは,圧密の早 い時期 に, 砂の ような粒径の大 きい材料 として挙動 す る, と考 え ら れ る。 さらに,二
次圧密速度が大 きい ことや,一
次圧密 比が小 さい こと,および 物υが黒 ぼ くで も処理上で も違 い がない点 を考慮す る と,決
して砂 の ように単一 の団体 が 変形単位 として挙動するわ けでな く,大
粒径の変形単位 自体が時間依存性 を示 しつつ変形す る と考 え られ る。 こ の変形単位 とは,土
壌化学的 に明 らかに されているよう な,腐
植 を接着剤 とす る団粒 に他 な らない と思われ る。 二次圧密速度が,層
厚 に依存 する現 象 も上記の団粒 の 概念 を用いて推察で きる。二次圧密現象 は,一
般 にレオ ロジー的な変形であるとされているが,排
水 を伴 う現象 である以上,局
所的な水圧 の勾配 が供試体 内に存在す る 筈であ り,黒
ぼ くのような団粒構造の もの は局所的水圧 勾配が団粒 内部 と外部 にかけて生 じていると考 えられる。 団粒 自体の ク リープ的変形 に伴 う排水 は,層
厚が大 きい ほ ど時間がかか るもの と予想 され る。処理上 については, 団粒構造が黒 ぼ くほ ど発達 していない ことと,仮
に団粒 が存在 して も,それ を構成す る接合剤の力 が弱 いために, 黒 ぼ くほ ど二次圧密現象が顕著 でない と思われ る。 長期圧密特性 は,後
述の三軸排水試験 によるク リープ 現象 と関連 させて考察す る。6.三
軸 圧 縮 試 験 の 結 果 と考 察6.l C3試
験の結果 と考察(1)ダ
イレタンシー特性 Fig,19,20に,非
排水三軸圧縮試験(CU)の
結果 を 示す。ng.19の
有効応力径路 において,せん断の初期 に は,黒
ぼ くも処理土 も負のダイ レタンシー傾 向 を示 して い るが,破
壊 に近づ くにつれて黒 ぼ くで顕著であるが正 のダイ レタンシーに転 じている。ダイ レタンシーが正 にEffective Mean Normal Stress p (kPa) Fig,19 Effective stress pathS frOm Cモ I tests
5 10 15 Axial Strain ca (%)
Fig.20 Stress― strain curves from CU tests
転 じる ときの応力比 は,黒ぼ くも処理土 もほぼ等 しいが, 破壊す るときの応力比 は
,黒
ぼ くが大 きい。 Fig.20の応カーひずみ曲線 をみ る と,黒ぼ くは,強度 は 大 きいが変形 も大 きい。これはFig。19の有効応力径路の 特性 と関係 していて,変
形 の進展 につれてダイレイ トす る性質が顕著 にな り,結
果 として破壊時の応力が高 くな るものである。 一般 にせん断中の間隙水圧 の変化が,平
均全応力(ら) の変化 によるもの(И″c)と,ダ
イ レタンシーによるもの ︵o ∝ ︼ ︶ σ い い o L や ∽ ﹂ 0 や“ 中> O ︹ Non―Treated (Relaxation) Treated (Rel axatio向) Faヽl ure Envelope ︵ヽ ∝ 主 ︶ σ りめ OL や ∽ L Oや “ 一> ωO ― JOnfFriated°
r 300 kPa年
__…
十
…柄
5
264
清水正喜・ 有本弘孝・藤野準一 :黒 ぼ くの圧密およびせん断特性における腐植含有の効果 (μクD)と
考 える と,前
者 は式(7)で表わ され る。 ИクG=B・Иσ″………・……,,(7) ここに,ど
は間隙圧係数であ り,飽
和土の場合 β≒ 1と 考 えられ るpし
たが って,全
間隙水圧変化 を И2と
書 く とИ助│ま,(3)5式で表オ)さ /bる : Иクっ=ИクーИクc=zr2-Иび″・………・(8) このZクっを用いて,変形 とダイレタンシーの関係 を表わ したのが,Fig。 21である。ng.21か
ら明 らかなように,黒ぼ くは,軸ひずみ4%
付近で最大の負のダイ レタンシー を発生 したのち,以
降 破壊するほ ど,正
のダイ レタンシー傾向 を示 している。 勾配F=l zr2っ 1/Иcaは,ダ
イレタンシーの程度 を表わ す指標 と考 え られ る。図 よ り明 らかなように,父
は,黒
ぼ くの方が処理土 よ り大 きい。 121 強度特性 Fig.19において既 に明 らかにしたが,黒ぼ くの強度 は, 処理土 よ り大 きい。因に,有効応力 に関す る強度定数 θt φ′を算定 してみ ると,黒 ぼ くで φ′=410°,どこ15.5 kPa, 一方,処
理上で φ′=318°C,ε′=21 8 kPaと なった。腐 植 の含有 によ り,摩
擦的性質が増 してい ると言 える。 131 非排水応力緩和特性 ば=300 kPaの場合 について,軸ひずみca=4077%に
達 した とき,応
力緩和 を行 った。緩和時間 は,2880分
で ある。 Hど,22(a),(b)に結果 を示す。(a)は,せん断応力の緩和 一時間関係 を,(b)は,そ
の間の間隙水圧 の変化 を表わ しPore pressure change due to dilatancy vs.axial strain obtained frOm CU tests
● Non―treated
o Treated
Fig。 22 Results of stress relaxation test
performed du■ ling CU tests (a)Decrease in shear stress vs,time (b)Change Of porepressure vs.tilne
ている。(a)図よ り
,応
力緩和量,速
度 ともに黒 ぼ くの方 が大 きい ことがわかる。 また,間
隙水圧 は,黒
ぼ くも処 理土 も変化が見 られない。 この応力緩和時 の間隙水圧 一 定の現象 は,通
常,沖
積 の正規圧密粘上 にいわれている 現象であ り,黒ぼ くについて も成 り立 つ ことは興味深 い。 僻)せ
ん断変形 における腐植の役割 前節のCU試
験 の結果のなかで, とくに黒 ぼ くにおい て特徴的であるの は,顕
著 なダイ レタンシー と大 きい強 度 を示 す ことである。 砂 と粘上 のせん断特性 を比較す る と,砂
は,摩
擦的性 質 に富み,高
い内部摩擦 角をもっている。密 な砂 はもと よ り,緩
い砂 で も破壊 に近 づ くと正のダイ レタ ンシー を 発生す る。 つ ま り,黒
ぼ くの特徴的 な点が砂 によ く対応 してい ることがわかる。黒 ぼ くの砂的な性質 は, 5.に
おいて も述 べた ように,腐
植 による団粒構造 の発達 に由 来 している と考 えられ る。 この団粒 は,本
研 究 で用 いた 拘末圧 の範囲ではせん断変形 に伴 うイ ンター ロッキング によって崩れ ることな く,か
な り安定 な構造 を もって い るといえよう。 00 tm ヽ ψ E “ ゛ ﹄ 抑 ≡ ω O や ф 一 ﹃ ∝ ﹂ 一 F 一 中 中 O r コ ∽ ︻ ] ﹂ ∝ o ﹂ 。 住 ノ/′Relaxationて
`
`
`
―ヽ
ヽ‐
―、
_咎
300 kPa Non―Treated Treated Fig.216.2 CD試
験の結果 と考察(1)応
カーひずみ特性 Fig,23(a),(b)は,黒
ぼ くの ターCOnSt,試 験における, せん断ひずみ ε(=2(ca―
ε「)/3)お
よび体積ひずみの 時間的変化の一例 を示 した ものである。 この例の場合, 破壊は 7(=?/ク )=1,65に おいて生 じている。各応力段 階における最終,即
ち,И ナ=1440(分
)に おけるひずみ をもとにして,応
力 とひずみの関係について概観する。 Fig.24は,´ 一定および σ/一定の応力径路に対する応 t(min)Fig.23 Strain―til■e relations for a p― constant
CD test i (a) shear strain , (b)
volumetric strain.Fig。 24 Stress ratio
CD tests
c(%)
(c力)vs,shear strain for
F:ギ
ず
1学
i∫ニ
:♂
constlNon―:ど
const}reated 鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第14巻
265 カナヒとせん断ひずみの関係 を示 した ものであ る。各応 力 比 に対 して,せ
ん断 ひずみは黒 ぼ くの方が処理土 よ り大 き く発生 している。 に もかかわ らず,黒
ぼ くの方が高 い 応力比 で破壊 してい る。この特性 は,C8試
験 の結果 にお いて も指摘 した点 であ る。 Hg。25に,?=0お
よび"―
Const,試験 におけ る,平
均有効応力 ヵと体積 ひずみの関係 を示す。同 じ応力径路 で黒 ぼ くと処理上 を比較 してみると,両
者の間 に大 きな 差が見 られ ない。この ことは,と くに?=0の
場 合 には, 体積圧縮係数 物υが黒 ぼ くと処理上で違 いがない とい う, 一次元圧縮特性 か ら得 られた結論 と一致 してい る。 Fig。26に,´一定試験 か ら得 られた応力比 と体積 ひず み,す
なわち,ダ
イレタンシ_の
関係 を示 した。 同図 よ り明 らかな ように,応
力比 が大 きくな ると黒 ぼ くのダイ 5x10・ 3x iOa ︵ 遅 Y ︶ d V(χ)Fig。 25 vOlumetric strain vs. effective
normal stress p from CD tes偽
0
Vol umeしric Strain v (%)
Fig。 26 Stress ratio―dilatancy curves from p― constant CD tests. ︵ α\ σ ︲ ︲ ︶ F o 一や ヽ∝ ∽ ∽ ω L や ∽ ︵ α \ σ = ︶ F
三二
_王
=二
=│1打
≡王正三三
三土
=デ
1姜一 三≡
:≡ :≡こと
:==:二
圧
=ユ
I::: t(nli n) Non―Treated=継
寵
I}随
卜
m ttd
こと
と
:緒
I Treated266
清水正喜 。有本 弘孝・藤野準―:黒ぼ くと圧密 お よびせん断特性 にお ける腐植含有 の効果 レタンシーは負から正に転 じている。この点は,CU試
験 において明らかとなった,黒
ぼ くと処理上のダイレタン シー特性の違い(ng.21)と
矛盾 しない。 鬱)排
水せん断クリープ特性 Fig。27に黒ぼくの,Fig.28に
処理土の,少 一定試験 における軸ひずみ速度 色と時間の関係 を示す。各応力比 の段階で,Иオ≧30分 において,良 好な直線関係が見られ る。この直線部分の勾配 ″ は,Mitchell珀'によリクリー プ速度パラメータと呼ばれているもので,上
に固有の定 数 とされている。物 とクリープレベル σの関係を Fig.29 に示 した。応力径路の相達に拘 らず,ηは黒ぼくで約1.0, 処理上でo.6∼07の
一定値 をとっていることがわかる。 Mitchellによれば,η の値は,07∼ 13の
範囲にあると いわれているが,黒
ぼ くにおいてその最下限値 をとって いること,ま た処理土が,日
本の沖積粘土の多 くに対す る値10を
とっていることは興味深い点である。 俗)ク
リープ特性における腐植の役割\ミ
:σ ;:::│:I}Non― treated:σ ;:::;:i:〕 Treatedo 言
°
8 口
¨
f二
計輌げ
:B「
f七
峰一口下 口
…
. q C In=1 26 2.3x10 1 S.5x10 10.1 1 10 100 1009
t(min)Fig,28 iog strain rate vs.Iog time from a P― constant CD test for Treated sample.
1.06 0.86 0.64 0.43 0 22 500(Kpa) 3 1x10 1 3.lx10‐1 3.5x10 1 3.3x10 1 5.Sxl o 1 3.4xlo 1 3.Ox10 3 5,4x10 1 p―const. cD test. Non―Treated ︵ C PE ヽ 誤 ︶ 一 . 0 ︲︲や ♂
ご
・
、
_./…
ゝ―
・
、
El・2 0.1 1 10 ・100 1000 t(min)Fig。 27 1og Strain rate vs,log time frOm a p―
constant CD test for Non―
Treated sample.Fig,29 Creep rate parameter l■ vs,creep stress
level q Mitche■ は
,多
くの上 について,次
式で表わ され るク リープの状態方程式が成立す ることを確 かめている。 ざ=4 exp(α・T)(″1カ )″ ……・・……Ⅲ………・・(9) ここに,cは
せん断に関するひずみ,Tは
クリープ強 さ,4,α
はともに定数である。上式は,あ
る基準時間チ=チ1 におけるひずみ速度 ει=Л の対数が,?と
比例することを 表わす。Fig,30は ,本研究で用いた黒ぼ くと処理上につ いて,このことを確かめるため ″一定および き手一定試験 に対 して,チ =ム=1(分
)に
おけるせん断ひずみ速度のと
く
と
く
ヽ
ミ
│
\ `\ \ \粍 \,n=1.65鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第
14巻
一 = ↓ ” ・ 0 い o 戸 o 100 200 300 400 500 600 q(KPa)Fig。 30 Parameter A vs.creep stress level
対数 とク リー プレベル
c(=晩
一σ″)をプロッ トした もの である。 ここに,身
_1は ,IOge∼logナ関係 の直線部分 を 外 そ うとして求 めた値 である。図 に示す ように,黒ぼ く, 処理土 ともに比較的良い直線関係 があるが,そ
の勾配 α は,応力径路 に依存 してい ることがわか る。●生 定試験 では,a卜 1はク リー プレベルに依 らずほぼ一定値 を示す。 すなわ ち,(9)式における αがゼロに近 いのに対 して,一
定試験 においては,α=100 kPa lの値 をとって いる。要 す るに,応
力径路が 目じであれ ば,黒
ぼ くと処 理土 は同 じ αの値 をとることがわか る。一方
,4の
値は
,?=0の
ときのと
`_ェで与えられ
,黒 ぼ くで5.6,処 理土で49程
度の値 をとっている。 さて,(9)式は積分すると,初
≠ 1の 場合10式で,η=
1の 場合00式でそれぞれ εが表わされる。 c一eO=4 exp(α ?〉(ナψ)″・サ/11-η)………Ⅲ10 0 Cο=4 eXp(α 写〉Int………・……・………(1つ ここに,c。は サ=1(単
位時間)のときのひずみを表わす。 η=1の
ときtつ式より,ク リープにより生 じたひずみは, 時間の対数 と線型であ り,い
わゆる対数型クリープを表 わす。一方,″
辛 1の 場合には,10式
か ら,ク リープに よるひずみは,時
間の対数に比例 しないことにな り,所
謂指数型のクリープを表わす。 黒 ぼ く,処
理土 ともに,MitChellの状態方程式 に従 う クリープ特性 を示 したが,ク リープ速度パ ラメータ η だ けが異 な り,黒 ぼ くの場合 ″ 幸1で指数型 ク リープを, 処理上の場合 ″=1で
対数型 ク リープ とな る。結局,腐
植含有の結果,η
の値 が小 さ くな り,ク リープひずみが 時間の対数 と線型でな くなる とい える。5.3で
示 した長期圧密試験結果 によれ ば,黒
ぼ くは 長期間経過後,10gナに対 して非直線 的な沈下 を示 したが, これ は,ク リープ速度パ ラメータ ″ が1でない,と い う ことと関係 してい る と思われ る。7.結
語 大山火山灰有機質上の黒ぼ くを用いて,黒
ぼ くに含 ま れた腐植が,圧
密特性 とせん断特性 に及ぼす影響につい て調べた。腐植の効果 は,腐
植 を過酸化水素処理によ り 除去 した試料の力学挙動 を原試料のそれ と比較すること により明 らかにした。得 られた主な結果 をまとめると以 下のようになる。 黒ぼ くの一次元圧密試験の結果,i)黒
ぼ くの圧密係数は処理上の約 7倍 と大 きく,一
次 圧密は,荷
重載荷後 6秒 以内で終了する。圧密係数は, 試料高 さ6 cm,9 cmの 試料の挙動 を利用 して求めること ができた。1)二
次圧密速度 は,黒
ぼ くにおいて大 きく,試
料高 さ が大 きい場合ほど小 さくなった。 三軸非排水圧縮試験の結果,)黒
ぼ くは変形 し易いが強度が大 きい。変形に伴って 大 きな正のダイレタンシーが生 じた。 三軸排水試験の結果,黒
ぼ くのクリープ特性 は, iv)Mitehellの クリープ状態方程式に従 う挙動 を示 し, 黒ぼくと処理上で異 ったのは,ク
リープ速度パラメータ ″の値のみであった。処理土は″=1で
あ り,黒
ぼ くは 0.6∼0,7の 値 をとった。 以上の主な結果 を,腐
植の存在 による団粒構造に着 目 して,考
察 した。すなわち,団
粒 は,圧
密やせん断にお いて,そ
の挙動を砂のようにする。一方,団
粒 自体のレ オフジー的変形のため,顕
著な二次圧密特性 と指数型の クリープ挙動が現われることがわかった。 謝辞 本研究において採用 した腐植除去の方法は,本
学 土木工学科助手藤村尚氏の教示に負 うた。 この場を借 り て,深
甚の謝意 を表する。 また,三
軸試験機 は,京
都大 学防研究所柴田徹教授に便宜を計 っていただいた。記 しNon―treated Treated
O pぃ const. O p―COnst.
い。│・
Onst,D OI‐
COnSt・ゝ
・
送
&払
清水正喜・ 有本弘孝・藤野 準一:黒ぼ くの圧密お よびせん断特性 における腐植含有 の効果 て謝意 を表 す る。 尚
,本
研究 は,土
木工学科及 び海洋土 木工学科 スタ ッフの方々 に様々の授助 をいただいて遂行 した ものであ り,感
謝する次第である。 参 考 文 献1)足
立嗣雄 (1973):火山灰土壌の腐植 に関す る研究― 腐植組成 の地域的差異について一,農
業技術研究所 報告,B,第
24号 ,pp.127264 2)山根一郎(1980):科学,岩
波書店,VOl.50,No 2,
pp.98-103 3)山根一郎他(1978):図説 日本 の上壌,朝
倉書店,pp
182-1854)コ
ノノワ,,MM.(1963):土
壌有機物― その本質・ 性質お よび研究法―,菅
野一郎他訳,農
村漁村文化 協会5)竹
中 肇(1973):火山灰 に由来す る有機質上の土壌 工学的研究,土
と基礎,VOl.21,No 2,pp 13 19
6)弘
法健三・大羽 裕 (1974):火山灰土壌の腐植の集 積要因お よび腐植が土壌の諸性質 にお よぼす影響― 本邦火 山灰土壌の生成論的研究 (第8報)一
,日
本 土壌肥料学雑誌,V0145,No 6,pp.293297,43,
No 3, pp.61-657)山
内豊聡他(1973):九州の有機質土 について,土
と 基礎, Vol.21, No.2, pp.37-468)足
立忠司他 (1977):火山灰 に由来 す る有機質上 の強 度特性,農
土論集,71号
,pp 39 439)竹
中 肇他(1977):火山灰 および非火 山灰段丘堆積 物 に由来する有機質上の物理的性 質,農
土論集,第
71=}, pp.1-7 10)前田 隆他(1976):腐植が上の物理性 に及 ぼす影響, 農工論集,第
61号,pp 9 17
11)佐藤 孜・山根一郎 (1972):有機無機複合体の比重 分画法 による分離―上壌の有機無機複合体 の分離 と その性状(第2報)一,日本土壌肥料学会誌,V0143, No 3, pp 61-65 12)土質工学会有機質土研 究委員会 (19761978):講座 「有機質土 の工学的諸問題」,土と基礎,V0124,No.
11∼V0125, N0 113)松
尾新一郎・嘉門雅史 (1973):物理化学的見地か ら のいわゆるヘ ドロの工学的性質 について,土
木学会 論文報告集,No 209,pp 103■
4 14)山 内豊聡他(1977):粘性上の工学的性質 に及 ぼす有 機物 の影響,第
12回土質工学研 究発表会,pp.153 156 15)日本土壌肥料学会編 (1980):山陰 の上壌 と農業 16)土質工学会 (1969):土質試験法 (第1回改訂版) 17)赤井浩― (1966):土質力学,朝
倉書店18)MitChell,」,K,(1976):Foundamentals of Soil Bchavior,JohnヽVlley&Sons, Inc.